JP5065821B2 - 装置掛止用フックおよび付属装置 - Google Patents

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Description

本発明は、装置係止用フック、付属装置、および電子機器システムに関し、より特定的には、電子機器の挿入口に挿入される付属装置が当該挿入口から抜けることを防止するために、当該付属装置側に設けられる装置係止用フック、ならびに、それを備える付属装置および電子機器システムに関する。
従来、携帯機器等の電子機器に対して、メモリカード等の付属装置を装着する機構が考えられている。例えば特許文献1には、カード搭載装置にICカードを装着するための機構が開示されている。特許文献1には、ICカードを挿入状態に保つために、フックを用いて部材を係止することが開示されている。
特開平6−44413号公報
従来のフックでは、係止状態にある電子機器と付属装置に対して強い衝撃が加えられた場合、フックに強い力が加わる結果、フックが破壊されるおそれがあった。特に携帯機器においては、機器を小型化する必要性があることから、フックの強度を向上するためにフックを大型化すること難しいにもかかわらず、機器が携帯されるという性質上、ユーザが携帯機器を落としたり携帯機器に何かをぶつけたりして強い衝撃が加えられる可能性が高い。そのため、特に携帯機器においては、携帯機器に強い衝撃が加えられてもフックが破壊されないことが強く望まれていた。
それ故、本発明の目的は、耐衝撃性の高いフックおよび当該フックを備える付属装置を提供することである。
本発明は、上記の課題を解決するために、以下の構成を採用した。なお、本欄における括弧内の参照符号および補足説明等は、本発明の理解を助けるために後述する実施形態との対応関係を示したものであって、本発明を何ら限定するものではない。
ここで、係止状態にある電子機器と付属装置に衝撃が加えられた場合、付属装置は挿入口から抜ける方向に移動しようとし、その移動によって係止状態にあるフックに大きな力がかかる。以下に説明する本願発明はこの点に着目したものである。
第1の発明は、電子機器(ゲーム装置5)に設けられた挿入口(8)に装着される付属装置(カートリッジ1)が当該挿入口から抜けることを防止するために当該付属装置側に設けられるフック(14)である。フックは、環状部(21)と、係止部(23)と、アーム(22)とを備える。環状部は、フックの一端に形成され、付属装置側の支軸(31)によって軸支される。係止部は、フックの他端に形成され、環状部が支軸のまわりを回動することにより電子機器側の所定部分に係止する係止状態と非係止状態との間で変位する。アームは、環状部と係止部とを連結する。環状部は、係止状態において付属装置が挿入口から抜ける方向に移動することによりアームから受ける力に対して変形可能な形状を有する。
第2の発明においては、環状部は、環状形状の内周から外周までを横断する切り込み(スリット27)が形成された形状を有するものであってもよい。
第3の発明においては、切り込みは、環状部とアームとの連絡部分の反対側に設けられてもよい。
第4の発明においては、環状部は、支軸を抱持する2本の腕部(21a,21b)を有していてもよい。
第5の発明においては、環状部は、2本の腕部がそれぞれの一部で互いに重複するように構成されてもよい(図16)。
第6の発明は、環状部の2本の腕部は、環状部とアームとの連絡部分の反対側において支軸の直径よりも小さい幅の空間(A2)を当該支軸との間に形成するように、支軸を抱持してもよい(図17)。
第7の発明は、電子機器に設けられた挿入口に装着可能な付属装置である。付属装置は、上記第1から第6の発明におけるフックと、ハウジング(11)と、弾性部材(バネ32)と、ボタン(13)とを備える。ハウジングは、挿入口に挿入される部分(挿入部11a)にフック孔(17)を有し、環状部を軸支する支軸がその内部に形成される。弾性部材は、ハウジングの内部に取り付けられ、フックの係止部をフック孔からハウジングの外部に露出させる方向に当該フックを付勢する。ボタンは、ハウジングの外部から操作可能であり、係止部がハウジングの内部に収納されるように弾性部材を弾性変形させる。
第8の発明においては、ハウジングには、移動制限部(隔壁34)が設けられてもよい。移動制限部は、付属装置が挿入口から抜ける方向に移動することによりアームから力を受けた場合に環状部が支軸から外れないようにフックの移動範囲を制限する。
第9の発明においては、移動制限部は、フックが衝突した場合に係止部がハウジングの内部に収納される向きに当該係止部を移動させるものであってもよい。
第10の発明は、第7〜第9の発明における付属装置と、電子機器とを備える、電子機器システムである。電子機器は、付属装置を装着するための挿入口を有し、フックが係止される被係止部が当該挿入口の内部壁面に形成される。
第11の発明は、電子機器(ゲーム装置5)に設けられた挿入口(8)に装着される付属装置(カートリッジ1)を当該挿入口に掛止するためのフック(14)である。フックは、環状部(21)と、係止部(23)と、アーム(22)とを備える。環状部は、フックの一端に形成され、環状形状である。係止部は、フックの他端に形成され、電子機器の所定部分に係止可能である。アームは、環状部と係止部とを連結する。環状部は、付属装置の支軸(31)によって軸支された状態においてアームから引っ張る力を受けた場合に変形可能な形状を有する。
第12の発明は、環状形状の環状部(21)がその一端に形成されるとともに、所定部分に係止可能な係止部(23)がその他端に形成されるフックである。環状部は、所定の支軸(31)によって当該環状部が軸支された状態において環状部と係止部とを連結するアーム(22)から引っ張る力を受けた場合に変形可能な形状を有する。
第1、第11および第12の発明によれば、係止状態にある電子機器と付属装置に衝撃が加えられた結果、フックに大きな力が加わった場合、環状部が変形し、フックは移動する。これによって、フックに加わる力を緩和することができるので、フックが破壊されることを防止することができ、耐衝撃性の高いフックを提供することができる。
第2の発明によれば、環状部に切り込みを設けるという簡易な構成で、耐衝撃性の高いフックを実現することができる。
第3の発明によれば、環状部とアームとが接続される側に切り込みが設けられる場合に比べて、環状部が破壊される可能性をより少なくすることができる。
第4〜第6の発明によれば、環状部は2本の腕部で支軸を抱持する。これによれば、支軸によって軸支された状態においてアームから当該アームの方向に引っ張る力を受けた場合、2本の腕部が開くように変形するので、環状部が破壊されることを防止することができる。
第7の発明によれば、第1の発明と同様のフックを備える付属装置によって、付属装置を電子機器にしっかりと固定することができるとともに、フックの耐衝撃性の向上することができる。また、第7の発明によれば、ボタンを操作することによって、挿入口の所定位置に係止しているフックを外すことができるので、付属装置を挿入口から容易に離脱することができる。
第8の発明によれば、フックに大きな力が加わった結果フックが移動する場合に、環状部が支軸から外れてしまうことを防止することができる。
第9の発明によれば、フックに大きな力が加わった結果フックが移動して移動制限部に当接したことに応じて、フックを係止状態から解除することができる。これによれば、フックに大きな力が加わった場合にはフックが自動的に外されるので、フックの破壊をより確実に防止することができる。
第10の発明によれば、第7の発明と同様、付属装置を電子機器にしっかりと固定することができるとともに、フックの耐衝撃性の向上することができる。
以下、本発明の一実施形態に係る装置掛止用フックおよび付属装置について説明する。本実施形態では、付属装置が装着される電子機器が携帯型のゲーム装置であり、付属装置がデジタル放送受信機能を有するカートリッジである場合を例として説明するが、本発明は、上記ゲーム装置および上記カートリッジ以外の装置にも適用可能である。例えば、付属装置が装着される電子機器は、携帯電話機やPDA等の携帯端末であってもよい。また、付属装置は、所定のアプリケーション(プログラム)を記憶した記憶媒体(メモリカード等)であってもよいし、電子機器において生成されたデータを保存するための記憶媒体であってもよいし、デジタル放送受信機能以外の拡張機能を電子機器に与えるためのカートリッジでもよい。
(ゲーム装置およびカートリッジの概要)
まず、図1〜図3を参照して、ゲーム装置およびカートリッジの概要構成について説明する。図1は、ゲーム装置およびカートリッジの外観を示す図である。図1に示すゲーム装置5は、表示装置(図1では2つ)およびボタン等を備え、所定のゲームプログラムを実行することによってプレイヤ(ユーザ)にゲームを行わせるものである。本実施形態では、ゲーム装置5は、折り畳み型の携帯ゲーム装置であり、上側ハウジング6および下側ハウジング7という2つのハウジングを有する。各ハウジング6および7はともに長方形の板状形状であり、互いの一辺で回動可能に接続されている。図2は、ゲーム装置5において挿入口が設けられる端面を示す平面図である。図2は、2つのハウジング6および7を閉じた状態にしたゲーム装置5であり、各ハウジング6および7が接続される側の端面を示している。図2に示されるように、ゲーム装置5の端面には、カートリッジ1等の付属装置を装着するための挿入口8が設けられる。挿入口8の位置はどの位置であってもよい。また、挿入口8には、カートリッジ1のみならず、他の種類の付属装置が装着可能であってもよい。
図1に示すカートリッジ1は、ゲーム装置5に装着するための付属装置である。カートリッジ1は、その先端をゲーム装置5の挿入口8に装着することが可能な本体部2を有している。本体部2は、ハウジング(図4に示すハウジング11)を有し、さらに、デジタル放送信号を処理するための所定の回路基板を当該ハウジングの内部に有している。詳細は後述するが、カートリッジ1の本体部2は、挿入口8に着脱自在に装着される。図3は、カートリッジが装着されたゲーム装置を示す図である。ユーザは、ゲーム装置5を用いてデジタル放送を視聴したい場合、図3に示されるように、カートリッジ1をゲーム装置5に装着する。挿入口8にカートリッジ1を装着することによって、ゲーム装置5はデジタル放送を受信することが可能となる。
なお、カートリッジ1は、アンテナ収納部3およびアンテナ4を備えている。上記本体部2の一端には、アンテナ収納部3の一端が回転可能に接続される。アンテナ収納部3は、筒状の部材であり、その内部にはアンテナ4を収納するための空洞が設けられる。アンテナ収納部3の他端にはアンテナ4が接続される。アンテナ4は、デジタル放送を受信するためのアンテナであり、本実施形態ではカートリッジ1は2本のアンテナ4を有する。各アンテナ4は、任意の角度となるようにアンテナ収納部3に対する角度を変更することが可能である。また、アンテナ収納部3とアンテナ4との接続部分は、筒状のアンテナ収納部3内の空洞に沿って摺動することが可能である。したがって、アンテナ収納部3は各アンテナ4をその内部に収納することができる。カートリッジ1は、アンテナ収納部3の内部に各アンテナ4を収納するとともに、アンテナ収納部3を回転させて本体部2とアンテナ収納部3とを折り畳むことにより、使用しない際には小型化することが可能である。
(カートリッジ1の本体部2の構成)
次に、図4〜図7を参照して、カートリッジ1の本体部2の構成について説明する。図4は、カートリッジ1の本体部2の詳細な構成を示す図である。本体部2は、ハウジング11、および突起部12を備える。ハウジング11は、その後端(図4に示すx軸負側の端部)で上記アンテナ収納部3と回転可能に接続されることによって、アンテナ収納部3を支持する。なお、以下では、本体部2の説明において、アンテナ収納部3に接続される側(図4に示すx軸負側)を後側とし、その反対側(図4に示すx軸正側)を前側として説明を行う。
ハウジング11は、挿入部11aと非挿入部11bとを有する。ハウジング11の挿入部11aは、ゲーム装置5の挿入口に挿入される部分である。挿入部11aは、上面(図4に示すz軸正側の面)および下面を有する板状の形状であり、ゲーム装置5の挿入口8のサイズよりもやや小さいサイズである。カートリッジ1がゲーム装置5に装着される場合、挿入部11aが挿入口8の内部に挿入された状態となる。挿入部11aには、カートリッジ1がゲーム装置5と電気的に接続するための接続端子18が複数設けられる。接続端子18は、挿入部11aの上面の前端に設けられる。また、非挿入部11bは、ハウジング11のうちで挿入部11a以外の部分である。
また、カートリッジ1は、本実施形態に係る装置掛止用フック(以下、単にフックを呼ぶ。)14を有する。フック14は、ゲーム装置5の挿入口8に挿入された挿入部11aをゲーム装置5に対して掛止するための部材である。フック14は、ハウジング11の内部に収納され、その一端がハウジング11内部の支軸と接続される。詳細は後述するが、フック14は、ハウジング11に対して回動可能に接続される。挿入部11aの一方側面(図4ではy軸正側の側面)にはフック孔17が設けられる。図4では、フック14の先端の係止部(図5に示す係止部23)がフック孔17から挿入部11aの外側に突出している。また、フック孔17が設けられる側と同じ側のハウジング11の側面には、ボタン13が取り付けられる。ボタン13は、非挿入部11b、すなわち、カートリッジ1が挿入口8に装着された場合に挿入口8の外側となる位置に取り付けられる。ボタン13は、フック14が係止状態から外れるように(より具体的には、フック14の係止部が挿入部11aの内部に収納するように)フック14を回動させるためのものである。以下、図5および図6を参照して、フック14に関する構成について説明する。
図5は、フック14の斜視図である。図5に示されるように、フック14は、環状部21、アーム22、係止部23、押当部24、および突起部25を備えている。本実施形態においては、フック14の各部材21〜25は一体成形により一体的に構成される。図5に示されるように、フック14は、その一端に環状部21が形成され、その他端に係止部23が形成され、環状部21と係止部23とがアーム22によって連結される構成である。また、フック14は、弾性力を有する材質(例えば、剛性のある樹脂)で構成され、たとえば、PAでもよく、その他ABS、PC、POM、PP等が利用可能である。好ましくは、ガラス繊維入りのナイロンとしてもよく、本実施形態では、ガラス繊維入りの6ナイロンとしている。
図5に示されるように、環状部21はフック14の一端に形成される。環状部21は、フック14をハウジング11に回転可能に接続するための部材である。環状部21は、アーム22との連絡部分(アーム22における環状部21側の端部)22aから延びる2本の2本の腕部21aおよび21bを有する。環状部21は、この2本の腕部21aおよび21bによって後述する支軸を抱持することによって、当該支軸に回転可能に接続される。なお、本実施形態では、各腕部21aおよび21bは、腕部21aの先端部分と腕部21bの先端部分との間に、上記支軸の直径よりも小さい間隔(スリット27)を有するように構成される。換言すれば、本実施形態における環状部21の形状は、環状の部材に対して内周部から外周部までを横断する切り込みが形成された形状である。なお、図5では、切り込みは、所定の間隔を有するスリット27であるが、他の実施形態においては、間隔を有しない切り込みであってもよい。スリット27は、環状部21とアーム22との連絡部分22aの反対側に形成される。また、図5に示されるように、環状部21の強度を上げるため、および、後述するバネ32を配置するスペースを内周側に確保するため、スリット27の両側においては、環状部21は、外周側の厚さが内周側よりも厚くなるように構成される。
また、フック14の他端には、鉤状の形状を有する係止部23が形成される。係止部23は、カートリッジ1がゲーム装置5に装着された場合にゲーム装置5の挿入口8内の所定部分に係止される部材である。図5に示されるように、環状部材21よりも強度を大きくするために、係止部23の厚さは環状部21よりも厚く構成される。また、アーム22の一部は係止部23と同じ厚さに構成され、他の部分は当該一部よりも薄く構成される。これは、アーム22が移動した場合に他の部材と干渉することを防止することと、他の部材の干渉しない部分についてはアーム22の強度を保つためである。
押当部24および突起部25は、環状部21とアーム22との連絡部分22aに設けられる。押当部24は、フック14がハウジング11に接続された場合に、ボタン13と当接する位置に配置される。突起部25は、後述するバネ(図6に示すバネ32)を掛けるために設けられる。
図6は、フック14が接続される付近のハウジング11の内部構成を示す図である。図6に示されるように、ハウジング11は、支軸31、バネ32、突起部33、隔壁34をその内部に有する。支軸31はハウジング11の内部の所定位置に形成されており(たとえば、ハウジング11と一体的に成型されており)その形状は円柱形状であり、フック14を回転可能に軸支する。すなわち、フック14は、支軸31が環状部21の孔を通るように支軸31に接続される。また、支軸31は、フック14の押当部24がボタン13に当接する位置で、かつ、フック14の係止部23がフック孔17から挿入部11aの外側へ突出可能な位置でフック14を軸支する。
バネ32は、捻りコイルバネであり、中央部分に支軸31の径と同程度の径を有する輪状部分を有する。バネ32は、輪状部分が支軸31に通され、かつ、一方の端部がハウジング11内に形成される突起部33に当接し、他方の端部がフック14の突起部25に当接するように取り付けられる(図6参照)。図6に示されるように、バネ32は、支軸31によって軸支されたフック14の係止部23がフック孔17から挿入部11aの外側へ突出する向きにフック14を付勢する。したがって、ハウジング11にフック14およびバネ32が取り付けられた状態では、フック14は、アーム22がハウジング11の外壁35に当接し、係止部23がフック孔17から挿入部11aの外側へ突出した状態で維持される(図6参照)。
上記のようにフック14の係止部23がフック孔17から挿入部11aの外側へ突出した状態において、ボタン13の裏面は押当部24に当接する。したがって、ボタン13を押下することによって、押当部24が押されてフック14は回動することになる。図7は、図6に示す状態からボタン13を押下した状態を示す図である。図7に示すように、ボタン13を押下した場合、フック14は、回動し、係止部23が挿入部11aの内部に収納された状態となる。このとき、バネ32は弾性変形している。また、ボタン13の押下を解除すると、バネ32の付勢力によって、フック14は、係止部23がフック孔17から挿入部11aの外側へ突出した状態に戻る。
図6の説明に戻り、アーム22から見て係止部23の先には、隔壁34が設けられる。また、環状部21とアーム22との連絡部分22aのx軸正側には、ハウジング11の外壁36が設けられる。ここで、詳細は後述するが、環状部21を引っ張る力が係止部23に加えられた場合、上記スリット27が形成されることによって環状部21は変形することができる(より具体的には、挿抜方向に伸びるように変形する)。そのため、上記の力が加えられた場合、環状部21が変形することによってフック14は本体部2の先端側(図示x軸正方向)に若干移動することになる(後述する図15参照)。隔壁34および外壁36は、上記の場合に、環状部21が支軸31から外れてしまう程度にフック14が移動してしまうことを防止するために形成される。すなわち、環状部21を引っ張る力が非常に大きい場合であっても、フック14の移動は隔壁34により停止するため、環状部21が大きく変形することを防止することができる。また、環状部21を引っ張る力が非常に大きい場合であっても、フック14の移動は外壁36により停止するため、環状部21が大きく変形することを防止することができる。
図4の説明に戻り、挿入部11aの上面の一方側辺(図4ではy軸正側の側辺)には、第1凹部15および第2凹部16が形成される。各凹部15および16は、上記フック孔17が設けられる側と同じ側の側辺に形成される。第1凹部15は上記一方側辺の前端に形成される。第2凹部16は第1凹部15と上記フック孔17との間に形成される。第1凹部15は上方および側方に開口しており、第2凹部16も第1凹部15と同様である。詳細は後述するが、各凹部15および16は、カートリッジ1をゲーム装置5の挿入口8に装着した際に、当該挿入口8の内側に設けられるスライド部材(図8に示すスライド部材41)とカートリッジ1とを一体的に移動(スライド)させるために形成される。
図4において、ハウジング11の下面(図4に示すz軸負側の面)には、挿入部11aよりもz軸負方向に間隙をあけて突起部12が固定的に接続される。すなわち、挿入部11aと突起部12との間にはz軸方向について空隙があり、この空隙に挿入口8の外面部が挿入されることになる。突起部12は、カートリッジ1が挿入口8に装着された場合に挿入口8の外側となる部分、すなわち、挿入部11a以外の部分に接続される。突起部12は、前方向(図4に示すx軸正方向)に突起するように接続される。カートリッジ1がゲーム装置5に装着された場合、突起部12は、ゲーム装置5の下側ハウジング7の外側面(ゲーム装置5を折り畳んだ場合に外側となる面)に当接する。突起部12は、ゲーム装置5に装着されたカートリッジ1がぐらつかないように固定するための部材である。
(挿入口8の構成)
次に、図8および図9を参照して、ゲーム装置5の挿入口8の内部構成について説明する。図8は、挿入口8付近の構成を示す平面図であり、図9は、挿入口8に設けられるスライド部材付近の構成を示す斜視図である。図8および図9は、下側ハウジング7の下面を切り欠いて下側(z軸負側)から上側を見たときの挿入口8の内部を示した図である。なお、以下の挿入口8内部の説明において、「手前側」とは挿入口8の手前側(図8に示すx軸負側)を意味し、「奥側」とは挿入口8の奥側(図8に示すx軸正側)を意味するものとする。
図8に示されるように、挿入口8の内部には、内壁40、スライド部材41、ピン支持部材42、接続端子43、バネ44、およびピン45が設けられる。接続端子43は、ゲーム装置5がカートリッジ1と電気的に接続するための端子である。挿入口8の上面(z軸正側の面)の奥側端部に設けられる。
挿入口8の上面の一方の側端部(図8ではy軸正側の端部)には、挿入口8の手前側から奥側への方向に沿って溝46が設けられる。スライド部材41は、その一部がこの溝46内に収納されて配置され、溝46に沿って摺動可能に内壁40に対して設置される(図9参照)。したがって、スライド部材41は、挿入口8の奥行方向(図示x軸方向)に移動可能である。また、溝46の手前側にはピン支持部材42が設けられる。ピン支持部材42は、挿入口8の開口部付近(手前側の端部)に挿入口8に対して固定的に配置され、後述するようにスライド部材41の手前側への移動を制限する機能とピン45を支持する機能を有する。一方、スライド部材41の奥側の端部はバネ44の一端と固着されている。バネ44は圧縮コイルバネであり、バネ44の他端は内壁40の奥側の面に固着されている。バネ44は、スライド部材41を挿入口8の奥側から手前側への向きに付勢する。なお、図9では、図面を見やすくする目的でバネ44を省略して示している。以上の構成によって、スライド部材41は挿入口8の奥側から手前側への向きの力をバネ44から受ける。したがって、通常の状態(カートリッジ1が挿入口8に装着されていない状態)では、スライド部材41は、図8に示されるように、ピン支持部材42に当接する位置に配置される。
また、ピン45は、図9に示されるようにコの字型に折り曲げられた棒状の部材である。ピン45は、ピン支持部材42の下面(z軸負側の面)に形成されるピン接続穴42aにその一端が挿入される。これによって、ピン45は、ピン支持部材42によって上下方向の軸(z軸)回りに回転可能に接続される。一方、スライド部材41の下面(z軸負側の面)には、ハートカム49が設けられる。ピン45は、その他端がハートカム49のカム溝内に配置されるようにピン支持部材42に取り付けられる(図9に示す一点鎖線矢印を参照)。なお、スライド部材41が溝46を移動する場合、ピン45の端部は、ハートカム49のカム溝の第1端部49a、第2端部49b、鋭角部49c、第3端部49d、第1端部49aの順に一方通行に移動する(図9に示す点線矢印参照)。ハートカム49は、ピン45の端部が上記のように移動するようにカム溝の深さが調整されている。
また、スライド部材41は、凸部47および突出部材48を有する。凸部47は、スライド部材41が内壁40と当接する側の反対側に形成される。なお、凸部47は、カートリッジ1の第1凹部15と嵌合する形状を有する。突出部材48は、金属等で構成され、板状の部材を折り曲げて形成される。突出部材48は、固定部48a、軸部48b、および突起部48cを有する。固定部48aは、突出部材48の一方端部であり、スライド部材41の内部でスライド部材41に固着される。軸部48bの一端は固定部48aに接続され、他端は突起部48cに接続される。突起部48cは、スライド部材41に設けられた孔41aからスライド部材41の外側へ突起している。突起部48cは、カートリッジ1の第2凹部16に入る程度の大きさである。突出部材48は、凸部47が形成される側と同じ側(すなわち、スライド部材41が内壁40と当接する側の反対側)に突起部48cが突出するようにスライド部材41に固着されている。ここで、突出部材48は、固定部48aでのみスライド部材41と固定されている。したがって、突起部48cをスライド部材41の内部に向かって押す力が加えられた場合、軸部48bが変形する(撓む)ことにより突起部48cがスライド部材41の内側に収納される。
詳細は後述するが、上記のようなハートカム機構(ハートカム49およびピン45)によって、奥側から手前側への向きに付勢されているスライド部材41を、奥側の所定位置で停止させることが可能となる。これによって、最初にカートリッジ1を挿入口8の奥まで押し込むと、カートリッジ1を挿入口8に装着でき、挿入口8に装着された状態でカートリッジ1を挿入口8の奥まで押し込むと、カートリッジ1を挿入口8から離脱することができる(図10〜図14)。すなわち、本実施形態における挿入口8は、いわゆるプッシュイン・プッシュアウト方式の装着機構を有する構成である。
(カートリッジ1を装着する際の動作)
次に、図10〜図14を参照して、カートリッジ1をゲーム装置5の挿入口8に装着する際におけるカートリッジ1の本体部2およびゲーム装置5の挿入口8内の各構成の動作について説明する。図10〜図14は、挿入口8にカートリッジ1の挿入部11aが挿入される様子を示す図である。なお、図10〜図14では、図8と同様、図8下側ハウジング7の下面を切り欠いて下側(z軸負側)から上側を見たときの挿入口8の内部を示している。
図10は、挿入口8にカートリッジ1の挿入部11aが挿入された直後の様子を示す図である。図10に示されるように、カートリッジ1は、挿入部11aの上面(z軸正側の面)が挿入口8の上面に対向する向きに挿入される。換言すれば、本体部2の挿入部11aに各凹部15および16が形成される側と、挿入口8においてスライド部材41が設けられる側とが対向する向きに挿入部11aが挿入される。なお、図10に示すように、挿入部11aが挿入口8に挿入されて挿入部11aの側面が突出部材48に当接すると、突出部材48の突起部48cは当該側面によって押されてスライド部材41の内部に収納される。なお、このとき、バネ44および突出部材48の弾性力は、スライド部材41が移動しないように設計されている。
図11は、図10に示す状態からさらにカートリッジ1の挿入部11aが挿入された状態を示す図である。図11に示すように、カートリッジ1の挿入部11aを挿入口8の奥に挿入していくと、挿入部11aに形成された第1凹部15とスライド部材41に形成された凸部47とが嵌合する状態となる。すなわち、第1凹部15の後側(図示x軸負側)の面と、凸部47の手前側(図示x軸負側)の面とが当接する状態となる。したがって、この状態からさらにカートリッジ1の挿入部11aを挿入口8の奥に挿入していくと、カートリッジ1とともにスライド部材41が移動することになる。ここで、第1凹部15と第2凹部16との間隔は、凸部47と突起部48cとの間隔に等しくなるように設計されている。したがって、第1凹部15と凸部47とが嵌合する状態においては、突起部48cが第2凹部16の内側に挿入される(図11参照)。
図12は、図11に示す状態からさらにカートリッジ1の挿入部11aが挿入された状態を示す図である。図12においては、カートリッジ1の挿入部11aの先端が挿入口8の奥側の内壁に当接した状態となっている。上述したように、第1凹部15と凸部47とが嵌合する状態となってからさらにカートリッジ1が挿入口8の奥に移動する場合、カートリッジ1とともにスライド部材41が移動する。したがって、スライド部材41が奥にスライドすることによって、スライド部材41とピン支持部材42との間に空間A1が生じる。したがって、スライド部材41およびピン支持部材42を挿入口8の内側側面の一部とみれば、挿入口8の内側側面に凹部が形成されたことになる。図12に示すように、フック14の係止部23はこの凹部に挿入される。なお、図11に示す状態から図12に示す状態となるまでの間に、係止部23がピン支持部材42に当接する状態となるが、この状態においては、係止部23がピン支持部材42に押されてフック14が回動し、係止部23は挿入部11aの内部に収納される。また、図12に示すようにカートリッジ1とともにスライド部材41が移動する場合、ピン45の端部の位置は、ハートカム49の第1端部49aから第2端部49bへと変化する(図12に示す矢印参照)。なお、カートリッジ1の挿入部11aの先端が挿入口8の奥側の内壁に当接する時点でピン45の端部がハートカム49の第2端部49bに位置するように、ピン45の長さとハートカム49の形状および大きさとが設計される。
図13は、図12に示す状態からユーザがカートリッジ1の挿入部11aを挿入する手を離した後の状態を示す図である。カートリッジ1の挿入部11aの先端が挿入口8の奥側の内壁に当接した状態(図12)では、バネ44は、スライド部材41を挿入口8の奥側から手前側への向きに付勢している。したがって、上記の状態でユーザがカートリッジ1の挿入部11aを挿入する手を離すと、スライド部材41およびカートリッジ1は挿入口8の手前側に移動する。このスライド部材41の移動に応じて、ピン45の端部の位置は、ハートカム49の第2端部49bから鋭角部49cへと移動する。また、ピン45の端部がハートカム49の鋭角部49cに位置した時点で、フック14の係止部23が挿入口の内側側面(具体的にはピン支持部材42)に係止する(係止するようにフック14およびピン支持部材42の大きさが設計されている)。したがって、図13に示されるように、ピン45の端部がハートカム49の鋭角部49cに係止し、かつ、フック14の係止部23がピン支持部材42に係止する位置で、スライド部材41およびカートリッジ1は固定される。これによって、カートリッジ1がゲーム装置5に装着されたこととなる。なお、カートリッジ1が装着された状態においては、カートリッジ1の挿入部11aに設けられた接続端子18と挿入口8の奥側端部に設けられた接続端子43とが当接する。したがって、カートリッジ1とゲーム装置5とが電気的に接続された状態となる。これによって、ゲーム装置5はカートリッジ1を介してデジタル放送を受信することができるようになる。
なお、上記のようにカートリッジ1が固定された状態において、仮にフック14がないとすれば、カートリッジ1とゲーム装置5は、ゲーム装置5側のスライド部材41の突出部材48がカートリッジ1側の第2凹部16に係止することによってのみ固定されていることになる。上述したように突出部材48は、力を加えることによってスライド部材41の内側に収納されるので、突出部材48のみによってカートリッジ1を固定する場合には、少しの力でカートリッジ1がスライド部材41から外れて(突出部材48が第2凹部16から外れて)挿入口8から抜けてしまうことになる。典型的には、ユーザが手で引っ張る程度の力で(または、落下の衝撃により)カートリッジ1が挿入口8から抜けてしまうことなる。これに対して、本実施形態によれば、カートリッジ1はスライド部材41の突出部材48のみでなく、フック14によって挿入口8に掛止されている。そのため、突出部材48のみでカートリッジ1を掛止する場合に比べて、より強固にカートリッジ1を挿入口8に固定することができる。
図14は、図13に示す状態からカートリッジ1を挿入口8から離脱する際の様子を示す図である。カートリッジ1を挿入口8から離脱する際、ユーザは、挿入口8に装着された状態(図13)のカートリッジ1を再度奥に押し込む。これによって、カートリッジ1とともにスライド部材41が移動し、ピン45の端部の位置は鋭角部49cから第3端部49dへ移動する。さらに、ユーザは、カートリッジ1の挿入部11aを奥に挿入した状態でカートリッジ1のボタン13を押下する。これによって、フック14の係止部23はハウジング11の内部に収納される(図7,図14参照)。これによって、フック14の係止部23がピン支持部材42に係止した状態が解除される。したがって、ボタン13を押下した状態でカートリッジ1を挿入口8の手前側に移動させることによって、カートリッジ1を挿入口8から離脱することができる。すなわち、この状態では、ピン45は第3端部49dから第1端部49aに移動する(図14に示す矢印参照)ので、ピン45の端部がハートカム49の鋭角部49cに係止しない。また、フック14はピン支持部材42に係止しない。そのため、カートリッジ1は挿入口8から離脱される。
以上のように、本実施形態によれば、カートリッジ1がフック14を備える構成とし、カートリッジ1を挿入口8に装着した場合には、フック14を挿入口8内部の所定部分(上記実施形態ではピン支持部材42)に係止させるようにする。これによって、カートリッジ1をゲーム装置5に対して強固に固定することができる。また、本実施形態における挿入口8の構成は、従来のプッシュイン・プッシュアウト方式の装着機構である。つまり、本実施形態によれば、付属装置の抜け防止機構を電子機器(ゲーム装置5)側に特別に設けることなく、付属装置(カートリッジ1)を電子機器に対して固定することができる。
ここで、本実施形態では、フック14によってカートリッジ1をゲーム装置5に対して強固に固定することができるが、ゲーム装置5に装着されたカートリッジ1に大きな力を加えた場合には、フック14にその力が加わることになる。例えば、カートリッジ1が装着されたゲーム装置5をユーザが誤って落としたり何かにぶつけたりしてカートリッジ1に衝撃が加えられると、カートリッジ1を挿入口8から離脱する向きにカートリッジ1に対して大きな力が加えられる。このとき、フック14の係止部23に大きな力が加えられてしまい、フック14が破壊されてしまうおそれがある。典型的には、アーム22と係止部23との連絡部分でフック14が折れてしまうおそれがある。特に、本実施形態のように、挿入口8からカートリッジ1が外部に突出しているような場合には、カートリッジ1が装着されたゲーム装置5をユーザが誤って落としたり何かにぶつけたりすることによって、カートリッジ1に大きな力が加えられしまう可能性が高く、フック14が破壊されてしまう可能性が高い。
そこで、本実施形態では、フック14の環状部21にスリットを設けることによって、フック14の係止部23に加わる力を軽減するようにしている。図15は、カートリッジ1がゲーム装置5に装着されている状態において、カートリッジ1がゲーム装置5から抜ける方向に力が加わった場合のフック14を示す図である。カートリッジ1が抜ける方向に力が加わる場合、フック14の係止部23にはピン支持部材42から図示x軸正方向の力が加わる。この場合、環状部21は、アーム22から当該アーム22の方向に引っ張る力(張力)を受ける。本実施形態では、フック14の環状部21にスリットが設けられているので、環状部21に上記張力が働いた場合には、図15に示すように環状部21が変形する。すなわち、環状部21の2つの腕部21aおよび21bが開くように変形する。また、環状部21が変形することによってフック14はx軸正方向に移動する(図15)。係止部23に加えられた力が環状部21の変形およびフック14の移動によって緩和されるので、フック14の破壊を防止することができる。また、係止部23に加わった力が解除された場合には、変形した環状部21の復元力によりフック14は元の位置に戻る。
また、本実施形態では、カートリッジ1のフック収納部(ハウジング11)において、フック14のx軸正側には隔壁34が設けられる。したがって、フック14がx軸正側に移動した場合、フック14のx軸正側の端部が隔壁34当接するので、フック14の移動が制限される。これによって、環状部21の環が支軸31から完全に外れてしまうことを防止することができる。なお、本実施形態では、環状部21とアーム22との連絡部分22aのx軸正側には、ハウジング11の外壁36が設けられる。したがって、本実施形態では、この外壁36によってもフック14の移動を制限することができる。
以上のように、本実施形態によれば、フック14によってカートリッジ1をゲーム装置5の挿入口8に掛止させることができ、カートリッジ1をゲーム装置5に強固に装着することができる。さらに、フック14の環状部21にスリットを設けることによって、フック14に大きな力が加わった場合にはフック14が変形することを可能とする。これによって、フック14が破壊されることを防止することができる。
(フックの変形例)
上記実施形態では、フック14が破壊されることを防止するために、環状部21に切り込み(スリット)を形成するようにした。ここで、スリットは環状部21のどの位置に形成されてもよいが、環状部21とアーム22との連絡部分22aの反対側に形成されることが好ましい。これにより、フック14が移動する場合における環状部21のスリットを挟む両腕部21aおよび21bにかかる力が均等になり、変形の度合いが小さくなるので、フック14がより破壊されなくなるからである。
また、上記実施形態においては、フック14が破壊されることを防止するための構成として、環状部21に切り込み(スリット)を設けるようにした。ここで、環状部は、支軸によって軸支された状態においてアームから張力を受けた場合(換言すれば、フックが支軸から遠ざかる方向へ移動するような力を受けた場合)に変形可能な形状に構成されればよい。以下、図18および図19を参照して、フックの変形例について説明する。
図16は、第1の変形例に係るフック14の環状部21を示す図である。図16に示されるように、第1の変形例においては、アーム22と接続される位置の反対側において、2本の腕部21aおよび21bがそれぞれの一部で互いに重複するように構成される。換言すれば、環状部21は、アーム22と接続される位置の反対側において、互いに接続されずに上下に重複する部分を有する形状である。図16に示すような形状であっても、アームから張力を受けた場合に環状部21は変形可能である。また、当該張力を受けなくなった場合には、復元力によって元の状態で軸支される。したがって、図16に示すフック14を用いることによっても、上記実施形態と同様の効果を奏することができる。なお、図16に示す形状とする場合には、上記実施形態の場合と比べて、フック14が移動可能な距離(フック14が移動しても環状部21が支軸31から外れない距離)を長くすることができる。
図17は、第2の変形例に係るフック14の環状部21を示す図である。図17に示されるように、第2の変形例においては、2本の腕部21aおよび21bは、環状部21とアーム22とが接続される位置の反対側において空間A2を支軸31との間に形成するように支軸31を抱持する。なお、空間A2の幅(支軸31の法線方向に垂直な方向の長さ)は、支軸31の直径よりも小さくなるように設計される。また、図17では、2本の腕部21aおよび21bの先端が互いに接続されているが、2本の腕部21aおよび21bの先端は接続されていなくてもよい。図17に示すような形状であっても、アームから張力を受けた場合に環状部21は変形可能である。また、当該張力を受けなくなった場合には、復元力によって元の状態で軸支される。したがって、図17に示すフック14を用いることによっても、上記実施形態と同様の効果を奏することができる。なお、図17に示す形状によれば、環状部21が支軸31から外れることがない。
(隔壁の変形例)
なお、上記実施形態においては、図6に示す隔壁34は、フック14の移動方向(x軸正側)に対して略垂直に設けられた。ここで、他の実施形態においては、隔壁34は、フック14が衝突した場合に係止部23が挿入部11aの内部に収納される向きに当該係止部23を移動させるように設けられてもよい。図18は、他の実施形態における隔壁34の構成を示す図である。図18においては、隔壁34は、フック14の移動方向に対して角度を付して設けられる。具体的には、フック孔17の開口部から挿入部11aの内部に向かうにつれてフック孔17が拡がるように隔壁34が形成される。図19は、図18に示す構成においてフック14が隔壁34に当接した場合の様子を示す図である。フック14に大きな力が加えられた結果、環状部21が変形することによってフック14が移動した場合、図19に示されるように、フック14の係止部23は隔壁34に衝突する。このとき、隔壁34はフック14の移動方向(x軸正方向)に垂直な方向に対して角度を付して形成されているので、隔壁34に衝突したフック14の係止部23は、挿入部11aの内部に収納される向きに移動する。したがって、係止部23が挿入口8の内側の所定部分(ピン支持部材42)に係止していた状態が解除され、フック14は当該所定部分から外れることになる。フック14が当該所定部分から外れることによって、フック14に加わっていた大きな力はなくなるので、フック14が破壊されることをより確実に防止することができる。なお、上記実施形態では、フック14の移動を制限するための部材として、面状(板状)の隔壁を用いたが、棒状(柱状)の部材を用いてもよい。
(挿入口8の変形例)
なお、上記実施形態においては、ゲーム装置5の挿入口8は、いわゆるプッシュイン・プッシュアウト型の装着機構を有するものであったが、他の実施形態においては、挿入口8の構造は上記に限らない。挿入口8は、フック14の係止部23が係止可能な被係止部を内側に有するものであれば、どのような構造であってもよい。また、他の実施形態においては、付属装置(カートリッジ1)が有するフックは、電子機器(ゲーム装置5)の挿入口の内側面に係止するものに限らず、電子機器の所定部分に係止するものであってもよい。例えば、カートリッジ1の突起部12にフックを設け、ゲーム装置5の挿入口8の外側面にフックが係止するように構成されてもよい。
以上のように、本発明は、耐衝撃性の高いフックを提供すること等を目的として、例えば、ゲーム装置等の電子機器に対して装着される付属装置を当該電子機器に係止するための装置係止用フック等に利用することが可能である。
図1は、ゲーム装置およびカートリッジの外観を示す図 ゲーム装置5において挿入口が設けられる端面を示す平面図 カートリッジが装着されたゲーム装置を示す図 カートリッジ1の本体部2の詳細な構成を示す図 フック14の斜視図 フック14が接続される付近のハウジング11の内部構成を示す図 図6に示す状態からボタン13を押下した状態を示す図 挿入口8付近の構成を示す平面図 挿入口8に設けられるスライド部材付近の構成を示す斜視図 挿入口8にカートリッジ1の挿入部11aが挿入された直後の様子を示す図 図10に示す状態からさらにカートリッジ1の挿入部11aが挿入された状態を示す図 図11に示す状態からさらにカートリッジ1の挿入部11aが挿入された状態を示す図 図12に示す状態からユーザがカートリッジ1の挿入部11aを挿入する手を離した後の状態を示す図 図13に示す状態からカートリッジ1を挿入口8から抜く際の様子を示す図 カートリッジ1が抜ける方向に力が加わった場合のフック14を示す図 第1の変形例に係るフック14の環状部21を示す図 第2の変形例に係るフック14の環状部21を示す図 他の実施形態における隔壁34の構成を示す図 図18に示す構成においてフック14が隔壁34に当接した場合の様子を示す図
符号の説明
1 カートリッジ
2 本体部
3 アンテナ収納部
4 アンテナ
5 ゲーム装置
8 挿入口
10 支持部
11 ハウジング
11a 挿入部
13 ボタン
14 フック
17 フック孔
21 環状部
21a,21b 腕部
22 アーム
23 係止部
27 スリット
32 バネ
34 隔壁

Claims (12)

  1. 電子機器に設けられた挿入口に装着される付属装置が当該挿入口から抜けることを防止するために当該付属装置側に設けられるフックであって、
    前記フックの一端に形成され、前記付属装置側の支軸によって軸支される環状部と、
    前記フックの他端に形成され、前記環状部が前記支軸のまわりを回動することにより前記電子機器側の所定部分に係止する係止状態と非係止状態との間で変位する係止部と、
    前記環状部と前記係止部とを連結するアームとを備え、
    前記環状部は、環状形状の内周から外周までを横断する切り込みが形成された形状を有し、
    前記切り込みは、前記係止状態において前記付属装置が前記挿入口から抜ける方向に移動することにより前記アームから受ける力に対して前記支軸の直径よりも小さい間隔まで広がるように変形可能である、フック。
  2. 前記切り込みは、前記環状部と前記アームとの連絡部分の反対側に設けられる、請求項に記載のフック。
  3. 前記環状部は、前記支軸を抱持する2本の腕部を有する、請求項1に記載のフック。
  4. 前記環状部の2本の腕部は、前記環状部と前記アームとの連絡部分の反対側において前記支軸の直径よりも小さい幅の空間を当該支軸との間に形成するように、前記支軸を抱持する、請求項に記載のフック。
  5. 電子機器に設けられた挿入口に装着される付属装置が当該挿入口から抜けることを防止するために当該付属装置側に設けられるフックであって、
    前記フックの一端に形成され、前記付属装置側の支軸によって軸支される環状部と、
    前記フックの他端に形成され、前記環状部が前記支軸のまわりを回動することにより前記電子機器側の所定部分に係止する係止状態と非係止状態との間で変位する係止部と、
    前記環状部と前記係止部とを連結するアームとを備え、
    前記環状部は、
    前記支軸を抱持する2本の腕部を有し、
    前記2本の腕部がそれぞれの一部で互いに重複するように構成され
    前記係止状態において前記付属装置が前記挿入口から抜ける方向に移動することにより前記アームから受ける力に対して変形可能な形状を有する、フック。
  6. 電子機器に設けられた挿入口に装着可能な付属装置であって、
    請求項1から請求項のいずれか1項に記載のフックと、
    前記挿入口に挿入される部分にフック孔を有し、前記環状部を軸支する支軸がその内部に形成されるハウジングと、
    前記ハウジングの内部に取り付けられ、前記フックの係止部を前記フック孔からハウジングの外部に露出させる方向に当該フックを付勢する弾性部材と、
    前記係止部が前記ハウジングの内部に収納されるように前記弾性部材を弾性変形させる、前記ハウジングの外部から操作可能なボタンとを備える、付属装置。
  7. 前記ハウジングには、前記付属装置が前記挿入口から抜ける方向に移動することにより前記アームから力を受けた場合に前記環状部が前記支軸から外れないように前記フックの移動範囲を制限するための移動制限部が設けられる、請求項に記載の付属装置。
  8. 電子機器に設けられた挿入口に装着可能な付属装置であって、
    前記付属装置が前記挿入口から抜けることを防止するために当該付属装置側に設けられるフックを備え、
    前記フックは、
    前記フックの一端に形成され、前記付属装置側の支軸によって軸支される環状部と、
    前記フックの他端に形成され、前記環状部が前記支軸のまわりを回動することにより前記電子機器側の所定部分に係止する係止状態と非係止状態との間で変位する係止部と、
    前記環状部と前記係止部とを連結するアームとを備え、
    前記環状部は、前記係止状態において前記付属装置が前記挿入口から抜ける方向に移動することにより前記アームから受ける力に対して変形可能な形状を有し、
    前記付属装置は、
    前記挿入口に挿入される部分にフック孔を有し、前記環状部を軸支する支軸がその内部に形成されるハウジングと、
    前記ハウジングの内部に取り付けられ、前記フックの係止部を前記フック孔からハウジングの外部に露出させる方向に当該フックを付勢する弾性部材と、
    前記係止部が前記ハウジングの内部に収納されるように前記弾性部材を弾性変形させる、前記ハウジングの外部から操作可能なボタンとを備え、
    前記ハウジングには、前記付属装置が前記挿入口から抜ける方向に移動することにより前記アームから力を受けた場合に前記環状部が前記支軸から外れないように前記フックの移動範囲を制限するための移動制限部が設けられる、付属装置。
  9. 前記移動制限部は、前記フックが衝突した場合に前記係止部が前記ハウジングの内部に収納される向きに当該係止部を移動させる、請求項7または8に記載の付属装置。
  10. 請求項から請求項9のいずれか1項に記載の付属装置と、
    前記付属装置を装着するための挿入口を有し、前記フックが係止される被係止部が当該挿入口の内部壁面に形成される電子機器とを備える、電子機器システム。
  11. 電子機器に設けられた挿入口に装着される付属装置を当該挿入口に掛止するためのフックであって、
    前記フックの一端に形成され、環状形状の環状部と、
    前記フックの他端に形成され、前記電子機器の所定部分に係止可能な係止部と、
    前記環状部と前記係止部とを連結するアームとを備え、
    前記環状部は、環状形状の内周から外周までを横断する切り込みが形成された形状を有し、
    前記切り込みは、前記付属装置の支軸によって軸支された状態において前記アームから引っ張る力を受けた場合に前記支軸の直径よりも小さい間隔まで広がるように変形可能である、フック。
  12. 環状形状の環状部がその一端に形成されるとともに、所定部分に係止可能な係止部がその他端に形成されるフックであって、
    前記環状部は、環状形状の内周から外周までを横断する切り込みが形成された形状を有し、
    前記切り込みは、所定の支軸によって当該環状部が軸支された状態において前記環状部と前記係止部とを連結するアームから引っ張る力を受けた場合に前記支軸の直径よりも小さい間隔まで広がるように変形可能である、フック。
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