JP5065190B2 - 低腐食性硬化性組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、加工における腐食性が低減された、ホルムアルデヒドを含有しない硬化性水性組成物、および耐熱性不織布のバインダーとしてのその使用に関する。
不織布は、純粋な機械的手段、たとえば、ニードルパンチにより引き起こされる絡み合いによって、エアレイド(air−laid)法によって、およびウエットレイド(wet−laid)法によって;化学的手段、たとえば、ポリマーバインダーによる処理によって;あるいは不織布形成の前、過程中およびその後の機械的手段および化学的手段の組合わせによって、強化され得る繊維からなる。不織材料のためのバインダーは主に樹脂、たとえば、尿素−ホルムアルデヒド(UF)、フェノール−ホルムアルデヒド(PF)、およびメラミン−ホルムアルデヒド(MF)を包含するホルムアルデヒド縮合樹脂を含有している。しかしながら、ホルムアルデヒドは公知の発癌物質であり、従ってホルムアルデヒド含有樹脂の使用者は、より良好な代替物を探している。さらに、かかる樹脂は高温にさらされた場合に黄変する傾向がある。
明白な理由から、ホルムアルデヒドをほとんどまたは全く含有しない硬化性組成物が様々な製品において望ましい。既存の商業的なホルムアルデヒドを含有しないバインダーは、主にカルボン酸モノマー、および熱硬化した場合にエステル化し、熱硬化性ポリマーを形成するポリオールからなるポリマーを使用する。さらに高度の柔軟性を必要とする最終製品はまた、ラテックスエマルジョン(コ)ポリマーを含む硬化性組成物を利用する。
米国特許第6,262,159号は、分散した粒子、溶解したポリマー、および特定の界面活性アルコキシル化長鎖アミンを含有するポリマー分散液を記載し、かかる分散液は熱硬化性である。溶解したポリマーは、60から100重量%の少なくとも1種のエチレン性不飽和モノもしくはジカルボン酸、またはその塩を重合された形態で含有し、および固形分基準で溶解したポリマーの分散した粒子に対する重量比は、7:1から1:7、好ましくは3:1から1;3の範囲である。従って、多量の水溶性高酸種が必要とされる。
米国特許第6,262,159号明細書 米国特許出願公開第2003/0221458号明細書
しかしながら、前記水溶性酸含有系は製造業者らにとって問題であり得る。その理由は、コーティングされた繊維を形成するために使用される装置から過剰のバインダーを除去するために、後者は一般に洗浄水系を利用するためである(例えば、米国特許出願公開第2003/0221458号を参照)。好ましくは、洗浄水はリサイクルされる。しかし、サイクル数が増加するにつれ、再生水はより酸性になり得る。この酸性洗浄水は、腐食を抑えるためにさらなる努力を行わなければ、典型的には炭素鋼から作られている形成および水洗装置の壁面を腐食させ得る。
従って、本発明の組成物は、加工における腐食が低減された耐熱性不織布を製造するための、ホルムアルデヒドを含有しない新規バインダーの必要性を満たす。
本発明は、(a)カルボン酸基、無水物基、またはその塩を含む1種以上のモノマーを10重量%より多く含む、少なくとも1種のエマルジョン(コ)ポリマーのポリマー粒子;(b)少なくとも1種のポリオールであって、該ポリオールが2000未満の式分子量および少なくとも2つのヒドロキシル基を有し、および前記ポリオールのヒドロキシル基の当量数の、前記の少なくとも1種のエマルジョン(コ)ポリマーの前記カルボン酸基、無水物基、またはその塩の当量数に対する比が10/1から1/10である、少なくとも1種のポリオール;および(c)エマルジョン(コ)ポリマー(a)の重量と水溶性ポリ酸またはその塩の重量との合計基準で10重量%以下の量(全ての重量は固形分基準である)の少なくとも1種の水溶性ポリ酸またはその塩;を含む水性熱硬化性組成物であって;(a)、(b)、および(c)の合計重量に対する(a)の重量比が、各成分の固形分重量基準で0.5:1.0より大きく;および水性熱硬化性組成物のpHが7.5以下である、水性熱硬化性組成物である。
好ましくは、前記ヒドロキシル基の当量数の、前記エマルジョン(コ)ポリマーの前記カルボン酸基、無水物基、またはその塩の当量数に対する比は、10/1から1/10、さらに好ましくは5/1から1/5、なお一層好ましくは2.5/1から1/2.5である。
好ましくは、水性熱硬化性組成物は、各成分の固形分重量基準で、0.5:1.0より大きく、さらに好ましくは0.7:1.0より大きく、さらには0.8:1.0より大きい、成分(a)、(b)、および(c)の合計重量に対するエマルジョン(コ)ポリマー(a)のポリマー粒子の重量比を有する。
最適な腐食耐性を得るために、水性熱硬化性組成物の水溶性ポリ酸種は、ラテックスエマルジョン(コ)ポリマー(a)の重量と水溶性ポリ酸種(c)の重量との合計基準で好ましくは10%以下、または7%以下、またはさらに好ましくは0.5%から5%の量で存在し、ある場合には、約1重量%の量で存在することが有利である(全ての重量は固形分基準である)。
好ましくは、水性熱硬化性組成物のエマルジョン(コ)ポリマー(a)は、Fox式により決定すると90℃未満のガラス転移温度Tgを有する。
一つの実施形態において、水溶性ポリ酸またはその塩(c)は、水溶性ポリカルボキシ(コ)ポリマー;多塩基性カルボン酸;リン系酸;その塩;およびその混合物からなる群から選択される。一つの実施形態において、水溶性ポリ酸またはその塩(c)はポリ(メタ)アクリル酸種である。もう一つ別の実施形態において、水溶性ポリ酸またはその塩(c)は、リン系酸およびその塩、クエン酸およびその塩、ならびにその混合物からなる群から選択される。
もう一つ別の実施形態において、ポリオール(b)は、β−ヒドロキシアルキルアミド、ジアルカノールアミン、トリアルカノールアミン、ジアルカノール、およびトリアルカノールからなる群から選択される。かかる実施形態において、ポリオール(b)は、カプロラクトンとジエタノールアミンの付加物から得られるβ−ヒドロキシアルキルアミドである。
もう一つ別の実施形態において、水性熱硬化性組成物は、例えば米国特許第5,661,213号において開示されるような亜リン含有促進剤をさらに含む。
さらにもう一つ別の実施形態において、水性熱硬化性組成物の成分(a)、(b)および(c)は、一緒になって、水性熱硬化性組成物の合計固形分の少なくとも50%を構成する。
組成物は、良好な柔軟性および湿潤強度を有し、かつ金属加工装置を腐食する傾向が減少した、耐熱性不織布を製造するために有用な、ホルムアルデヒドを含有しないバインダーを提供する。
本発明はさらに、かかる組成物で基体を処理する方法であって、本発明の成分を水または1種以上の水性溶媒と混合し;前記基体を水性熱硬化性組成物と接触させるか、または水性熱硬化性組成物を基体に適用し;水性熱硬化性組成物を100℃から400℃の温度で加熱することを含む、水性熱硬化性組成物の形成を含む方法である。この方法は、繊維製品、不織製品または複合体などの基体を処理するために使用することができる。
好ましくは、エマルジョン(コ)ポリマー(a)のポリマー粒子は、酸官能性モノマーで安定化される。好ましくは、硬化性水性組成物のラテックスエマルジョン(コ)ポリマー(a)は、少なくとも1種の共重合したエチレン性不飽和カルボン酸含有モノマーを含む付加ポリマーまたはコポリマーである。
本明細書において用いられる場合、「酸官能性モノマー」なる用語は、酸基またはその塩を含有するエチレン性不飽和モノマーを意味する。これは、カルボン酸基を含有するモノマーを包含する。
本明細書において用いられる場合、「ポリ酸」なる用語は、酸分散剤を意味し、ポリカルボキシ(コ)ポリマー、多塩基性酸、およびリン系酸ならびにその塩として定義される。
本発明者らが「(コ)ポリマー」について言及する場合、ホモポリマーもしくはコポリマーのいずれか、または組み合わせにおけるこれら両方を意味する。本発明者らはアクリレートまたはメタクリレートのいずれかを言及するために「(メタ)アクリレート」なる用語を使用し、「(メタ)アクリル」なる用語は、アクリルまたはメタクリルのいずれかを意味する。
本明細書において用いられる場合、「ポリカルボキシ(コ)ポリマー」なる用語は、少なくとも2つのカルボン酸官能基、無水物基、またはその塩を有するオリゴマー、コオリゴマー、ポリマーまたはコポリマーである。
本明細書において用いられる場合、「多塩基性」なる語句は、少なくとも2つの反応性酸官能性基または無水物またはその塩を有することを意味する(例えば、Hawley’s Condensed Chemical Dictionary、第14版、2002、John Wiley and Sons、Inc.参照)。
「式分子量」は、原子量単位における分子量であり、分子の構造式を構成する全ての原子の原子量の合計(原子量単位)として計算される。
同じ成分または性質に関する全ての範囲の端点は、端点を包含し、独立して組み合わせ可能である。
好ましい実施形態において、硬化性(コ)ポリマー組成物は、硬化性水性組成物である。本明細書において用いられる「水性」とは、水、および水と水混和性溶媒の混合物を含む。この実施形態において、水溶性ポリ酸種(c)は、付加ポリマーの水性媒体中溶液、例えば、塩基性媒体中に可溶化されたポリアクリル酸ホモポリマーまたはアルカリ可溶性樹脂の溶液の形態であってよい。
「ガラス転移温度」または「Tg」は、次のようなFox 式[Bulletin of the American Physical Society 1、3、123ページ(1956)]により計算されるコポリマーのガラス転移温度である。
Figure 0005065190
コポリマーに関して、wおよびwは、反応容器に添加されたモノマーの重量基準での2つのコモノマーの重量分率を意味し、Tg()およびTg()は、2つの対応するホモポリマーのガラス転移温度(ケルビン)を意味する。3以上のモノマーを含有するポリマーに関しては、さらなる項(w/Tg())が追加される。本発明の目的ためのホモポリマーのガラス転移温度は、“PolymerHandbook”J.BrandrupおよびE.H.Immergut編、Interscience Publishers 1966において報告されているものであり、ただし、開示が特定のホモポリマーのTgを報告していない場合は除かれ、報告していない場合は、ホモポリマーのTgは、示差操作熱量分析(DSC)により測定される。ホモポリマーのガラス転移温度をDSCにより測定するために、ホモポリマーサンプルを調製し、アンモニアまたは第一アミンの比存在下で維持する。ホモポリマーサンプルを乾燥し、120℃で予熱し、急速に−100℃に冷却し、次いで150℃に20℃/分の速度で加熱し、その間にデータを集める。ホモポリマーのガラス転移温度は、半高法(half−height method)を用いて湾曲の中点で測定される。
重合単位として架橋モノマーを含有するコポリマーのTgのFox計算は、各架橋モノマーから形成されるホモポリマーのガラス転移温度に基づき、ここで、ホモポリマーはアンモニアまたは第一アミンの存在下にない。アニオン性モノマーから形成されるホモポリマーのガラス転移温度値は、酸形態におけるアニオン性ホモポリマーについてである。
エマルジョン(コ)ポリマー粒子が2以上の相互に非相溶性である(コ)ポリマーで構成される場合に関して、Tgは各(コ)ポリマー中に存在する成分モノマーに従って、各(コ)ポリマー相について計算される。
少なくとも1種のエマルジョン(コ)ポリマー(a)のポリマー粒子は、カルボン酸基、無水物基、またはその塩を含む1種以上のモノマーを10重量%より多く含むラテックスエマルジョン(コ)ポリマーであり、以下に記載されるような乳化重合法から得られる。
1種以上のポリオール(b)は、酸官能基と縮合反応して、エステル結合を形成するので、架橋剤として機能する。1種以上のポリオール(b)は、好ましくは、3以上のヒドロキシル基を含有する、即ち、三価ポリオールであるが;2つのヒドロキシル基を含有してもよい。これらのポリオールはアミンまたはアミド官能基も含有し得る。ポリオールは加熱および硬化工程の間、組成物中のポリ酸との反応のために実質的に利用可能なままであるように十分不揮発性でなければならない。ポリオールは、例えば、(ポリ)エチレングリコール、ジエタノールアミン(DEOA)、グリコール化尿素、1,4−シクロヘキサンジオール、レゾルシノール、カテコール、およびC〜C(ポリ)アルキレングリコールから選択される少なくとも2つのヒドロキシル基を有する1種以上の化合物;3以上のヒドロキシル基を含有する1種以上の三価ポリオール、例えば、グリセロール、トリメタノールプロパン(TMP)、トリメタノールエタン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、トリエタノールアミン(TEOA)、1,2,4−ブタントリオール、ポリ(ビニルアルコール)、部分加水分解ポリ(ビニルアセテート)、ソルビトール、シュークロース、グルコース、ピロガロール、プロポキシル化トリメチロールプロパン、プロポキシル化ペンタエリスリトール、次式(I)のβ−ヒドロキシアミド;およびその混合物であり得る。
Figure 0005065190
(式中、RおよびR”は独立してH、または一価C〜C18直鎖または分岐アルキルラジカルであって、アリール、シクロアルキルおよびアルケニル基を含有するものを表し;R’は、二価C〜Cアルキレンラジカルまたは共有結合を表し;yは1、2、または3の整数であり;xは1または2であり、(x+y)=2または3である)
少なくとも3つのヒドロキシル基を有する他の好適な三価ポリオールは、反応性ポリオール、例えば、β−ヒドロキシアルキルアミド、例えば、米国特許第4,076,917号の教唆に従って調製され得るようなビス−[N,N−ジ(β−ヒドロキシエチル)]アジパミド;少なくとも2つのヒドロキシル基を含有する付加(コ)ポリマー、例えば、ポリビニルアルコール、部分加水分解ポリビニルアセテート、ならびにヒドロキシル基含有モノマーの重合生成物を含む付加ホモポリマーまたはコポリマー;またはその混合物および組み合わせを包含し得る。好ましくは、1種以上のポリオールは、式(I)の三価ポリオールまたは二価ポリオールまたは関連するβ−ヒドロキシアルキルアミドを含む。後者の例としては、カプロラクトンとジエタノールアミンの反応から得られる付加物、HO−(CHC(O)N(CHCHOH)(本明細書においてアミド1と称する);およびブチロラクトンとジエタノールアミンの反応から得られる付加物、HO−(CHC(O)N(CHCHOH)(本明細書においてアミド2と称する)が挙げられる。好ましい三価アルコールは、グリセロール、TEOA、TMP、式(I)の三価β−ヒドロキシアミド、アミド1およびアミド2を包含する三価β−ヒドロキシアルキルアミドならびにその混合物である。
ポリオール(b)は、約2000未満、または約1000未満、または約500未満の式分子量を有し、少なくとも2つのヒドロキシル基を有する化合物であり得る。
水溶性ポリ酸種(c)は少レベルで添加され、軟ステンレス鋼に関する均一で低い動的腐食速度の達成において分散剤として機能する。本明細書において、低い動的腐食速度は、下記実施例4において記載されるような一定の攪拌下、バインダーの0.5%固形分溶液に付された場合に、約30mil/yr未満、最も好ましくは約15mil/yrである。
一つの実施態様において、水溶性ポリ酸種(c)は、ポリカルボキシ(コ)ポリマーであって、少なくとも2つのカルボン酸基、無水物基、またはその塩を含有するものである。エチレン性不飽和カルボン酸、例えば、メタクリル酸、アクリル酸、クロトン酸、フマル酸、マレイン酸、2−メチルマレイン酸、イタコン酸、2−メチルイタコン酸、α,β−メチレングルタル酸、モノアルキルマレエート、およびモノアルキルフマレート;エチレン性不飽和無水物、例えば、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水アクリル酸、および無水メタクリル酸;ならびにその塩を付加ポリマーの重量基準で約1重量%から100重量%で使用し得る。下記のさらなるエチレン性不飽和モノマーも存在することができる。
好ましい実施形態において、水溶性ポリ酸は、例えば、ポリカルボキシ酸(コ)ポリマーの水性媒体中溶液の形態、例えば、塩基性媒体中に可溶化されたポリアクリル酸ホモポリマーまたはアルカリ可溶性樹脂などの形態であり、重量平均分子量は約300から約20000であり得る。好ましいのは、約300から約3000の分子量である。
一つのこのような実施形態において、ポリカルボキシ付加(コ)ポリマーは、300から1000の数平均分子量を有する、フリーラジカル付加重合により調製されるエチレン性不飽和カルボン酸のオリゴマーまたはコオリゴマーであり得る。もう一つ別の実施形態において、ポリ酸種はポリアクリル酸ホモポリマー(pAA)であって、その重量平均分子量が20000以下であるものが好適であり、さらに好ましくは5000以下、なお一層好ましくは3000以下であり、500〜2000または2000〜3000のものが有利である。多くの商業的分散剤および類似の組成物の種は、ポリ酸(c)として機能することができる。これらの組成物において添加剤として用いられるポリ酸は、所望によりNHOHで中和することができる。中和されていないポリ酸のラテックスへの添加の結果、いくつかの場合において、粘度が増大し得る。
もう一つ別の実施形態において、ポリ酸分散剤は、1種以上の低分子量多塩基性カルボン酸、無水物またはその塩であって、1000以下、好ましくは500以下、最も好ましくは200以下の分子量を有するものを含む。好適な低分子量多塩基性カルボン酸および無水物の例としては、例えば、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、コハク酸、無水コハク酸、セバシン酸、アゼライン酸、アジピン酸、クエン酸、グルタル酸、酒石酸、イタコン酸、トリメリット酸、ヘミメリット酸、トリメシン酸、トリカルバリル酸、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸、ピロメリット酸、カルボン酸のオリゴマーなどが挙げられる。好ましくは、多塩基性カルボン酸はマレイン酸であるか、さらに好ましくはクエン酸である。
追加のポリ酸分散剤種としては、ホスフェート系または他のリン含有酸および塩、例えば、リン酸およびその塩が挙げられる。これらは本明細書においてはリン系酸およびその塩と称する。
もう一つ別の実施形態において、水溶性ポリ酸(c)は、本明細書において記載されるポリ酸分散剤の混合物を含む。
本明細書において記載されるポリカルボキシ(コ)ポリマー分子量は、特に他に示さない限り、当該分野において公知であるように、ポリスチレン標準、またはポリアクリル酸標準を用いたゲル透過クロマトグラフィー(GPC)により測定される重量平均分子量(Mw)である。しかしながら数平均分子量(Mn)はMwが約1000以下である低分子量で、より意味があると見なすことができる。このような場合において、ポリアクリル酸標準が較正目的により好適であり得るが、GPC測定を依然として用いることができる。水性溶液、例えば、前述のホモポリマーポリアクリル酸(pAA)に関して、当該分野において一般的に使用されるように、GPC標準はポリアクリル酸標準である。本明細書においてMwまたはMnについて記載される分子量は、ダルトンで表される。
ラテックスエマルジョン(コ)ポリマー(a)は、当該分野において周知の技術である、フリーラジカル乳化重合により調製することができる。「エマルジョンポリマー」または「エマルジョン(コ)ポリマー」とは、D.C.Blackley、Emulsion Polymerization(Wiley,1975)およびH.Warson,The Applications of Synthetic Resin Emulsions、第2章(Ernest Benn Ltd.、ロンドン、1972)にも詳細に記載されているような、当該分野において公知の乳化重合技術により調製される、水性媒体中に分散した(コ)ポリマーを意味する。本明細書における「非イオン性モノマー」とは、共重合モノマー残基がpH=1〜4の間でいかなる実質的なイオン価を有さないことを意味する。硬化した熱硬化性組成物が柔軟性および強度の両方を有することが特に有利である。エマルジョンポリマーは、好ましくは90℃未満のTgを有する。いくつかの用途に関して、エマルジョンポリマーは好ましくは75℃未満、または50℃未満、またはさらには40℃未満、25℃未満、さらには0℃未満のTgを有する。
ラテックスエマルジョン(コ)ポリマーのエチレン性不飽和非イオン性アクリルモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリルエステルモノマー、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、デシルアクリレート、ラウリルアクリレート、メチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、イソデシルメタクリレート、ラウリルメタクリレート;ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートモノマー、例えば、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、1−メチル−2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、1−メチル−2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシブチルメタクリレートおよび2−ヒドロキシブチルアクリレートが挙げられる。他のエチレン性不飽和非イオン性モノマーであって、ポリマー中に組み入れることができるものとしては、ビニル芳香族化合物、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、エチルビニルベンゼン、ビニルナフタレン、ビニルキシレン、ビニルトルエンなど;ビニルアセテート、ビニルブチレートおよび他のビニルエステル;ビニルモノマー、例えば、ビニルアルコール、塩化ビニル、ビニルトルエン、ビニルベンゾフェノン、および塩化ビニリデンが挙げられる。
さらなるエチレン性不飽和非イオン性アクリルモノマーとしては、アクリルアミドおよびアルキル置換アクリルアミド、例えば、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−tert−ブチルアクリルアミドおよびN−メチル(メタ)アクリルアミド;ヒドロキシル置換アクリルアミド、例えば、メチロールアクリルアミド、およびベータ−ヒドロキシアルキルアミド;ならびにアクリロニトリルおよびメタクリロニトリルが挙げられる。
ラテックスエマルジョン(コ)ポリマーは、1種以上のモノエチレン性不飽和酸モノマー、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸、モノメチルイタコネート、モノメチルフマレート、モノブチルフマレート、無水マレイン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、1−アリルオキシ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸、アルキルアリルスルホコハク酸、スルホエチル(メタ)アクリレート、ホスホアルキル(メタ)アクリレート、たとえば、ホスホエチル(メタ)アクリレート、ホスホプロピル(メタ)アクリレート、およびホスホブチル(メタ)アクリレート、ホスホアルキルクロトネート、ホスホアルキルマレエート、ホスホアルキルフマレート、ホスホジアルキル(メタ)アクリレート、ホスホジアルキルクロトネート、およびアリルホスフェートが挙げられる。好ましくは、ラテックスエマルジョン(コ)ポリマーは、5.5重量%から35重量%、さらに好ましくは6重量%〜25重量%、なお一層好ましくは10重量%〜20重量%の酸官能性モノマーを含み、ここで、前記酸官能性モノマーは、カルボン酸基、無水物基、またはその塩を含む。少レベル、特に5%以下の酸官能性モノマーは不十分な架橋をもたらし、一方、多いレベル、例えば、25%以上は全体的なより速い腐食速度をもたらす。
ラテックスエマルジョン(コ)ポリマー組成物のカルボキシル基は塩基で中和させることができる。中和は、少なくとも部分的に、基体の処理前または処理中に起こり得る。
本発明の一つの実施形態において、ラテックスエマルジョン(コ)ポリマー組成物のカルボキシル基は、固定塩基、つまり、処理条件下で実質的に不揮発性である塩基、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、または水酸化t−ブチルアンモニウムで少なくとも部分的に中和させることができる。固定塩基は十分不揮発性であるので、加熱および硬化操作の間に組成物中に実質的に残存する。固定多価塩基、例えば、炭酸カルシウムは、水性分散液を不安定化する傾向があるが、少量で用いることができる。
本発明の異なる実施形態において、カルボキシル基は揮発性塩基、つまり、加熱および硬化プロセスの間に実質的に蒸発する塩基で中和させることができる。中和に好適な揮発性塩基としては、例えば、アンモニアまたは揮発性低級アルキルアミンが挙げられる。揮発性塩基を固定塩基に加えて使用することができる。
しかしながら、ラテックスは中和させる必要がない。強塩基(NaOHまたはKOH)の存在は縮合反応(エステル架橋)速度論に対して悪影響を及ぼす傾向がある。さらに、不安定塩基(fugitive base)、例えば、水酸化アンモニウム(アンモニア)またはトリエチルアミンが添加される場合、ラテックスは膨張し、Brookfield粘度が上昇する。これらの粘度効果は、ポリマー合成中、ラテックスに少量の架橋剤を添加することにより減少させることができる。しかしながら、不安定塩基の使用は、熱処理により、臭気の問題および/または許容できない窒素放出をさらにもたらすことが多い。水性熱硬化性組成物のpHは7.5以下、好ましくは7.0以下、さらに好ましくは6.5以下、なお一層好ましくは6.0以下である。
ラテックスエマルジョン(コ)ポリマーは、共重合した多エチレン性不飽和モノマー、例えば、アリルメタクリレート、ジアリルフタレート、1,4−ブチレングリコールジメタクリレート、1,2−エチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ブタジエン、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)およびジビニルベンゼンを含有することができる。
アニオン性もしくは非イオン性界面活性剤、またはその混合物を乳化重合において用いることができる。いくつかの用途、例えば、水感受性に対する耐性を必要とする用途などに関して、重合可能な界面活性剤(反応性界面活性剤ともいう)の使用が有利であり得、これらの界面活性剤は、例えば、米国特許公開第2003/0149119号または米国特許公開第2001/0031826号に記載されているように、当該分野において公知である。重合は様々な手段により行うことができ、例えば、重合反応開始前に反応釜にモノマーの全てを添加するか、重合反応開始において反応釜中に乳化形態におけるエチレン性不飽和モノマーの一部が存在するか、または重合反応開始において反応釜中に小粒子サイズエマルジョンポリマーシードが存在することにより行うことができる。
ラテックスエマルジョン(コ)ポリマーを調製するための重合反応は、当該分野において公知の様々な方法により開始することができ、例えば、開始剤の熱分解を用いることにより、および重合をもたらすためのフリーラジカルを生成させるために、酸化還元反応(レドックス反応)を用いることにより開始することができる。ラテックスエマルジョン(コ)ポリマーは、水中または溶媒/水混合物中、例えば、i−プロパノール/水、テトラヒドロフラン/水、およびジオキサン/水中で調製することができる。
ポリカルボキシ(コ)ポリマー組成物の分子量を調節するために、連鎖移動剤、たとえば、メルカプタン、ポリメルカプタン、およびハロゲン化合物を重合混合物において用いることができる。一般に、ポリマーバインダーの重量基準で、0重量%〜10重量%のC−C20アルキルメルカプタン、メルカプトプロピオン酸、またはメルカプトプロピオン酸のエステルを使用することができる。
本発明のホルムアルデヒドを含有しない硬化性水性組成物は、任意に、リン含有硬化促進剤を含有することができ、このリン含有硬化促進剤は、約1000未満の分子量を有する化合物、例えば、アルカリ金属次亜リン酸塩、次亜リン酸、アルカリ金属亜リン酸塩、アルカリ金属ポリリン酸塩、アルカリ金属二水素リン酸塩、ポリリン酸、およびアルキルホスフィン酸であるか、またはリン含有基を有するオリゴマーまたはポリマー、例えば、次亜リン酸ナトリウム(SHP)の存在下で形成されるアクリルおよび/マレイン酸の付加ポリマー、リン塩鎖移動剤または停止剤の存在下でエチレン性不飽和モノマーから調製される本発明のエマルジョン(コ)ポリマーなどの付加ポリマー、ならびに酸官能性モノマー残基を含有する付加ポリマー、例えば、共重合したホスホエチルメタクリレート、ならびに同様のホスホン酸エステルであってよい。共重合したビニルスルホン酸モノマー、およびその塩は同様に機能することができる。リン含有種は、ラテックスエマルジョン(コ)ポリマーおよびポリオールの合計重量基準で、0%から40%、好ましくは0%から20%、さらに好ましくは0%から15%、さらに好ましくは0%から10%のレベルで使用することができる。ラテックスエマルジョン(コ)ポリマーおよびポリオールの合計重量基準で、約0.5重量%から約5重量%のレベルのリン含有促進剤が好ましい。
さらに、本発明の硬化性組成物において用いられるラテックスエマルジョン(コ)ポリマーを重合するためにリン含有連鎖移動剤が使用される場合には、リン末端(コ)ポリマーは本明細書において定義されるリン含有硬化促進剤として作用することができる。特に、付加ポリマーは、米国特許第5,077,361号および第5,294,686号(本発明の一部として参照される)において開示されるように、リン含有連鎖移動剤、例えば、次亜リン酸およびその塩の存在下で形成することができ、リン含有促進剤およびポリカルボキシ成分が同じ分子中に組み入れられる。かかるリン含有(コ)ポリマーを調製するための重合反応は、前述のように、他のラテックスエマルジョン(コ)ポリマーを調製するために使用されるものとそれ以外では類似している。
ラテックスエマルジョン(コ)ポリマー粒子は、2以上の相互に非相溶性の(コ)ポリマーから構成され得る。これらの相互に非相溶性のコポリマーは、たとえば、コア/シェル粒子、コアを不完全に封入したシェル相を有するコア/シェル粒子、多数のコアを有するコア/シェル粒子および相互侵入ネットワーク粒子等の種々の形態構造で存在し得る。このような場合において、少なくとも1種の相は90℃より低いTgを有し得、いくつかの用途において、好ましくは50℃未満、または40℃未満、25℃未満、またはさらには0℃未満のTgを有する。
ラテックスエマルジョン(コ)ポリマーの重量平均粒子直径は、Brookhaven BI−90パーティクルサイザーを用いて測定すると、80ナノメートルから1000ナノメートルであり得る。しかしながら、例えば参照により本明細書に組み入れられる米国特許第4,384,056号および第4,539,361号において開示されているような、多モード粒子サイズ分布を使用することができる。
本発明の一つの実施形態において、また硬化性組成物の向上した耐水特性が望ましい用途に関して、本発明のエマルジョンポリマーは、主に疎水性エマルジョンポリマーであって、重合単位として、エマルジョンポリマー固形分の重量基準で、30重量%より多く、好ましくは40重量%より多く、より好ましくは50重量%より多く、有利には60重量%より多くの、C以上のアルキル基を含むエチレン性不飽和アクリルモノマーを含むものである。この防水への取り組みは、米国特許公開第20050048212A1に開示されている。「C以上のアルキル基を含むアクリルモノマー」とは、5つ以上のC原子を有する脂肪族アルキル基を有するアクリルモノマーを意味し、前記アルキル基は、n−アルキル、s−アルキル、i−アルキル、およびt−アルキル基を包含する。C以上のアルキル基を含む好適なエチレン性不飽和モノマーとしては、(メタ)アクリル酸の(C−C30)アルキルエステル、例えば、アミル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、オレイル(メタ)アクリレート、パルミチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート;(メタ)アクリル酸の不飽和ビニルエステル、例えば、脂肪酸および脂肪族アルコール由来のもの;長鎖アルコキシ−またはアルキルフェノキシ(ポリアルキレンオキシド)(メタ)アクリレートを含む界面活性剤モノマー、例えば、C1837−(エチレンオキシド)20メタクリレートおよびC1225−(エチレンオキシド)23メタクリレート;N−アルキル置換(メタ)アクリルアミド、例えば、オクチルアクリルアミドなどが挙げられる。C以上のN−アルキル基を含むモノマーは、アミド、アルデヒド、ウレイド、ポリエーテルなどの官能基も含有することもできるが、好ましくは、酸またはヒドロキシ基を含有しない。かかるモノマーを含有するエマルジョンポリマーは、乳化重合により調製することができ、好ましくは米国特許第5.521,266号のポリマーを形成する方法により、調製することができる。
主に疎水性エマルジョンポリマーを高酸含有ラテックスとのブレンドも有利に採用することができる。エマルジョンポリマーをコポリマー組成物とブレンドする前またはブレンド中に、界面活性剤をエマルジョンポリマーに添加することができる。好ましくは、界面活性剤は、エマルジョンポリマー固形分の重量基準で、0.5重量%から20重量%、好ましくは2重量%から10重量%の量で添加される。15より大きいHLB値を有する界面活性剤が好ましい。
本発明の特に有利な実施形態は、Tg〜40−80℃の酸含有エマルジョンポリマーであって、−OH基のエマルジョンポリマーカルボキシ基に対する比が0.5/1.0から2/0/1.0、好ましくは1.1/1.0となるようにβ−ヒドロキシアルキルアミドとの組み合わせられたものを、リン含有触媒として1%SHPおよび分子量800〜2500のポリアクリル酸種との組み合わせで、エマルジョン(コ)ポリマー(a)の重量とポリアクリル酸(c)の重量との合計重量基準で〜1−10重量%、好ましくは〜5重量%の量で含む(全ての重量は固形分基準である)硬化性熱硬化性組成物を提供する。実施例1において記載されるエマルジョンポリマーはこの好ましい実施形態の好適な組成物である。
ホルムアルデヒドを含有しない硬化性水性組成物は、ラテックスエマルジョン(コ)ポリマー、ポリオール、水溶性ポリ酸種、および任意に、リン含有促進剤を、通常の混合技術を用いて混合することにより調製することができる。もう一つ別の実施形態において、カルボキシル−または無水物含有ラテックスエマルジョン(コ)ポリマーおよびヒドロキシル官能性モノマーは、同じラテックスエマルジョン(コ)ポリマー中に存在することができ、このラテックスエマルジョン(コ)ポリマーは、カルボキシル、無水物、またはその塩官能基およびヒドロキシル官能基の両方を含有する。もう一つ別の実施形態において、リン含有促進剤がラテックスエマルジョン(コ)ポリマー中に存在することができ、このラテックスエマルジョン(コ)ポリマーは、ポリオール(b)と混合することができる。さらに別の実施形態において、カルボキシルまたは無水物含有ラテックスエマルジョン(コ)ポリマー、ヒドロキシ官能性モノマー、およびリン含有促進剤が同じラテックスエマルジョン(コ)ポリマー中に存在してもよい。他の実施形態は、当業者には明らかである。
ホルムアルデヒドを含有しない硬化性水性組成物は、基体に適用される場合に、実質的に熱可塑性であるか、または実質的に未架橋の組成物であるが、低レベルの意図的な、または偶発的な架橋が存在してもよい。
本発明の組成物はさらに、通常の処理成分、たとえば、乳化剤;顔料;充填剤または増量剤;移動防止剤;硬化剤;融合助剤;界面活性剤、特に非イオン性界面活性剤;展着剤;鉱油ダスト抑制剤;殺生物剤;可塑剤;オルガノシラン;アミノシラン;消泡剤、たとえばジメチコン、シリコーン油およびエトキシル化非イオン体;腐食防止剤、特にpH<4で有効な腐食防止剤、たとえばチオ尿素、シュウ酸塩およびクロム酸塩;着色剤;静電気防止剤;潤滑剤;ワックス;抗酸化剤;カップリング剤、たとえばシラン、特にSilquest(商標)A−187(米国、コネチカット州、ウイルトンにあるGESilicones−OSi Specialtiesによって製造);GEによるWitlink Silane(例えば、Wetlink78)、およびDegussaによるDynasylan(商標)シラン、特に、これらに限定されないがDynasylan(商標)GLYMOおよびGLYEOなどのエポキシシラン;ならびにオリゴマーシラン、例えば、HYDROSIL(商標)など;を含有することができる。さらに、本発明のものでないポリマー;および防水剤、たとえばシリコーンおよびエマルジョンポリマー、特に共重合単位として、エマルジョンポリマー固形分の重量を基準にして30重量%を超える、C5以上のアルキル基を含有するエチレン性不飽和アクリルモノマーを含有する疎水性エマルジョンポリマー。
本発明の組成物は、好ましくはホルアルデヒドを含有しない。「ホルムアルデヒドを含有しない」とは、組成物が実質的にホルムアルデヒドを含まず、乾燥および/または硬化の結果として相当量のホルムアルデヒドを放出しないことを意味する。(コ)ポリマー組成物のホルムアルデヒド含量を最小にするために、本発明のポリマーを調製する場合、たとえば、開始剤、還元剤、連鎖移動剤、殺生物剤および界面活性剤等の重合添加剤であって、それ自身ホルムアルデヒドを含まず、重合プロセスの過程でホルムアルデヒドを発生せず、基体処理の過程でホルムアルデヒドを発生または放出しない重合添加剤を使用することが望ましい。同様に、任意の配合添加剤が同様にホルムアルデヒドを含有しないことが好ましい。「実質的にホルムアルデヒドを含まない」とは、低レベルのホルムアルデヒドが水性組成物において許容される場合、またはホルムアルデヒドを生成または放出する添加物を使用するやむを得ない理由が存在する場合、実質的にホルムアルデヒドを含有しない水性組成物を使用することができることを意味する。
本発明の組成物は、様々な基体を処理するために使用することができる。かかる処理は、例えば、コーティング、サイジング、飽和、ボンディングおよびそれらの組合わせなどの一般的に記載されているものであり得る。典型的な基体としては、たとえば、純粋な木材、木材パーチクル、繊維、チップ、粉末、パルプ、およびフレークをはじめとする木材;金属;プラスチック;ポリエステル、グラスファイバーをはじめとする繊維;織物および不織布等およびその複合繊維が挙げられる。(コ)ポリマーブレンド組成物は、たとえば、エアスプレーまたはエアレススプレー、パッディング、染み込み、ロールコーティング、フォームコーティング、カーテンコーティング、ビーターディポジッション(beaterdeposition)、凝固等の通常の技術により基体に適用することができる。
本発明の一つの実施形態において、組成物は、耐熱性不織布、たとえば、アラミド繊維;セラミック繊維;金属繊維;炭素繊維;ポリイミド繊維;特定のポリエステル繊維;レーヨン繊維;ロックウール;グラスファイバー等の耐熱性繊維を含有する不織布のためのバインダーとして使用され得る。「耐熱性繊維」とは、125℃より上の温度への暴露により実質的に影響を受けない繊維を意味する。耐熱性不織布は、また、たとえば、特定のポリエステル繊維、レーヨン繊維、ナイロン繊維、および超吸収材繊維などの、それ自身耐熱性でない繊維も、それらが基体の性能に実質的に悪影響を及ぼさない限り含有することができる。
(コ)ポリマー組成物を組み入れた不織布は、硬化した水性組成物による寄与される性質、例えば、引っ張り強度などを実質的に保持し、本質的な不織布特性を実質的に損ねないものであるべきである。硬化組成物は、過度に硬質または脆性でないか、または加工条件下で粘着性にならないものであるべきである。
硬化性(コ)ポリマー組成物は、基体に適用された後に、乾燥および硬化をもたらすために加熱される。本明細書において「硬化」とは、熱処理の際の熱硬化反応を意味する。加熱時間および温度は、乾燥速度、加工性、取り扱いの容易性および処理基体の特性発現に影響を及ぼす。120℃から400℃で3秒から15分の期間、加熱処理を行うことができ;175℃から225℃での処理が好ましい。本明細書における「硬化性水性組成物」は、硬化をもたらすために少なくとも100℃への加熱処理することを必要とする水性組成物を意味する。乾燥および硬化作用は、所望により、2以上の区別しうる工程において行うことができる。たとえば、組成物は、まず組成物の実質的な乾燥には十分であるが、実質的な硬化には十分でない温度および時間で加熱され、次により高い温度および/またはより長い時間で、二回目の加熱が行われ、硬化が達成される。「B−段階」と称されるかかる手順は、たとえば、ロール形態でバインダー処理不織布を提供するために使用することができ、これは硬化プロセスと同時に特定の構造形態に形成または成形されるかどうかにかかわらず、後の段階で硬化され得る。
耐熱性不織布は、たとえば、断熱芯またはロールとして、屋根ふき材またはフローリング用途のための補強マットとして、ロービングとして、プリント回路基板またはバッテリーセパレーターのためのマイクログラスベース基体として、フィルター素材(例えばエアーダクトフィルター)として、テープ素材として、煉瓦のためのセメント質または非セメント質コーティングにおける補強スクリムとして、天井タイル、セルロースの屋根瓦、窓廻装飾、壁紙、成形品における補強スクリムとして、カーリーパルプ修正のためおよびパウダーコーティングのための補強スクリムとして等の用途に使用することができる。
本発明の黄変しない柔軟性バインダーは、木材チップ、研磨マット、装飾用ラミネート紙、積層用接着剤、濾紙、または自動車の収音用綿ぼろ結合剤を接着するためにも有用である。
実施例1
酸含有ラテックスエマルジョンコポリマー−56St/29BA/15AAの合成
オーバーヘッドスターラー、凝縮器および熱電対を備えた1Lの四口丸底フラスコに、335.0gの脱イオン水および0.586gのラウリルエーテル硫酸ナトリウム界面活性剤(30%水性溶液)を投入した。この初期投入物を85℃に加熱しつつ、65.0gの脱イオン水、5.27gのラウリルエーテル硫酸ナトリウム界面活性剤(30%水溶液)、197.0gのスチレン、102.0gのブチルアクリレート、および52.5gのアクリル酸からなるモノマーエマルジョンを調製した。初期投入物が85℃の設定温度に達したら、モノマーエマルジョンの30.0gのアリコートを反応フラスコに添加し、続いて0.5gの過硫酸アンモニウムの18.0gの脱イオン水中溶液を添加した。発熱が観察された後、モノマーエマルジョンの残りならびに1.30gの過硫酸アンモニウムの44.0gの脱イオン水中溶液を、温度を94〜96℃に維持しつつ、反応フラスコに120分にわたってゆっくりと添加した。モノマーエマルジョンおよび過硫酸アンモニウム溶液の添加が完了した後、反応混合物を95℃で5分間維持した。0.17gの過硫酸アンモニウムの5.0gの脱イオン水中溶液を添加した。10分後、反応混合物を冷却した。2.33gの0.15%FeSO−7HO(水性)溶液を2.0gの脱イオン水とともに添加した。反応混合物が溶液を冷却する際に、0.46gのイソアスコルビン酸の8.0gの脱イオン水中溶液および1.36gのtert−ブチルヒドロペルオキシド(70%)の8.0gの脱イオン水中溶液を30分にわたってゆっくりと添加した。反応混合物を次に30℃未満に冷却し、濾過した。合計1.49gの凝固物を集めた。濾過されたラテックスは37.54%の固形分および2.10のpHを有していた。ラテックス粒子はキャピラリー流体力学的分別により測定すると、208.7nmの数平均直径を有していた。
同様の手順を用いて、表1および3〜6において使用される他の酸含有ラテックスエマルジョン(コ)ポリマーを合成した。
実施例2
水溶性ポリ酸ポリマー(ポリアクリル酸「pAA」)の合成
この手順により製造されたポリマーを表2の比較例において樹脂組成物として使用し、下記表4〜7の水溶性ポリ酸分散剤種として使用した。メカニカルスターラー、凝縮器、窒素スイープ、温度計、ならびにモノマー、開始剤および次亜リン酸ナトリウム溶液を徐々に添加するための注入口を備えた3リットルの四口丸底フラスコに、710グラムの脱イオン水を添加した。1250グラムの次亜リン酸ナトリウム一水和物を1528グラムの脱イオン水中に溶解させることにより、鎖調節ストック溶液を調製した。合計243.2グラムをストック溶液から除去し、この溶液の半分(121.6)を水投入物に添加し、93℃に加熱した。鎖調節剤溶液の残りの半分をコフィード溶液として使用した。1216グラムの氷アクリル酸のモノマー投入物を調製した。12.16グラムの過硫酸ナトリウムを30.7グラムのDI水中に溶解させることにより、開始剤溶液を調製した。
アクリル酸、過硫酸ナトリウムおよび次亜リン酸ナトリウム(SHP)投入物を直線的に、別々に2時間にわたって、攪拌している水投入物に添加した。温度を93±1℃に維持した。
得られたポリマー溶液を室温に冷却し、274グラムの脱イオン水で希釈した。溶液は52.7%の固形分、3.2のpH、210センチポイズの粘度(Brookfield LVF粘度計、#4スピンドル、100rpmで測定)および0.01%未満の残存モノマー含量を有していた。この手順を用いると、ゲル透過クロマトグラフィー(GPC、較正のためにポリアクリル酸標準を使用)による重量平均(Mw)分子量は2456であるか、または複数回実行すると、約2500であった。この物質を表2(下記)における樹脂組成物として使用した。
同じ手順を用いて、低分子量AA分散剤物質(表4および5において使用)を生成させた。ただし、SHPは酸の重量の18重量%(9%ではなく)のレベルで添加した。後者の手順の結果、重量平均分子量〜900−1000のpAAを得た。
実施例3
水性硬化性熱硬化性組成物:
酸含有ラテックスエマルジョンコポリマー+ポリオール
実施例1において記載される種類の高酸含有ラテックスエマルジョン(コ)ポリマーをポリオール、例えばベータ−ヒドロキシアルキルアミドまたはトリエタノールアミンなどの架橋剤として機能するものとともに用いて、一連の水性硬化性熱硬化性組成物を調製した。これらの硬化性熱硬化性樹脂のOH/COOH比は多様であり、表1のサンプルに関しては、表示されているように、0.5/1.0または1.1/1.0のいずれかである。各サンプルは、触媒として機能し得る次亜リン酸ナトリウム(SHP)を用いて、また用いないで調製された。
高酸含有ラテックスエマルジョン(コ)ポリマー(Mw〜10−10;さらに低い分子量は、例えば、連鎖移動剤、例えば、n−ドデシルメルカプタン、n−DDM等を用いて利用することができる)をポリオール架橋剤、アミド1またはトリエタノールアミン、および促進剤、次亜リン酸ナトリウム溶液と攪拌しながら単に混合することにより、水性硬化性熱硬化性組成物を調製した。混合物のpHは典型的には〜2.6−3.0(中和前)であった。
表2〜6(下記)に示される水性の硬化可能な熱硬化性樹脂の組成物を同様に調製した。
Figure 0005065190
実施例4
水性の硬化性の熱硬化性組成物の腐食性の評価
下記表において示されるデータにおいて、腐食を測定するための試験は、製品製造プロセスの間にリサイクルされる洗浄水を再現するために、エマルジョンポリマー/ポリ酸種の0.5%固形分の水性溶液を使用する。リサイクルされた洗浄水は酸性であり、この影響を最小限に抑える措置をとらなければ、装置の腐食速度は加速する。リサイクル水中のエマルジョンポリマー/ポリ酸種の濃度が高いほど、腐食レベルが高くなる。
実験室腐食試験を、ASTM表示:G31−72「金属の実験室浸漬腐食試験の標準的実施(Standard Practice for Laboratory Immersion Corrosion Testing of Metals)」により提供される一般的なガイドラインに従って行った。1リットルフラスコ、攪拌装置、商業的に入手可能な試験片およびホルダーからなる複数の試験装置、ならびに所望の試験溶液を標準的実験室用ベンチフード内に配置した。試験は、試験片(面積約4in、MS−1010炭素鋼クーポン、Metal Samples Company(米国アラバマ州マンフォード)から入手)を中速(55rpm)で、試験溶液(典型的には脱イオン水中0.5%の固形分)中で、48時間、周囲温度で回転させることからなる。試験が完了した際、試験サンプルを溶液から取り出し、Bon Ami(商標)台所用クレンザー/スクラブブラシを用いて1分間洗浄し、アセトンですすいだ。重量損失に基づいて腐食速度を計算することにより、および光学顕微鏡を用いた局所腐食についての目視検査により、試験サンプルを評価した。これらの試験条件下、低い動的腐食速度は約30mil/yr未満、最も好ましくは約15mil/yr未満である。
ポリ酸、例えば、ポリアクリル酸(pAA)はポリオールとのエステル化反応において機能することができるが、これらの組成物は、例えば下記比較例1(C1)(表2)により示されるような腐食を示す。このような組成物は、ポリ酸種がpH8以上に中和される場合、腐食なしに作用することができるが、水酸化アンモニウムなどの不安定な塩基(fugitive bases)は、非常に強力で望ましくないアンモニア臭を発生させ得、固定塩基は縮合反応(エステル架橋)速度論に対して悪影響を及ぼす傾向がり、従って、どちらの種類の塩基も望ましくない。さらに一般的には、任意の有効な中和の結果、熱処理の際に、許容できない臭気および/または許容できない窒素の発生が生じ得る。さらに、特定の水溶性(即ち、中和された)分散剤が酸官能基源として使用されるならば、同様の問題が存在し得る(例えば、比較例C4)。
Figure 0005065190
高い腐食速度を有することに加えて、サンプルC1は高度に変色した(赤/茶色)溶液をもたらし、この色は腐食の程度の指標でもある。アミド1はpH〜3以下で貯蔵安定でない。
高酸含有ラテックスエマルジョンポリマーは、熱硬化性樹脂を製造するためのエステル化反応の酸源としても機能することができる。
Figure 0005065190
サンプルC5−C7の全体的な腐食速度は溶液ポリ酸ほど問題ではないが、金属上のエマルジョンポリマーの堆積物下で起こる局所腐食は、金属において局所的な孔食(pitting)を生じ、許容できない。高酸含量ラテックスエマルジョンポリマーは、はるかに高い腐食速度を示す(例えば、表3、C8およびC9参照、)。高レベルのアミド1(省略)は孔食を除去しない。
Figure 0005065190
低レベルのポリ酸は、ラテックスエマルジョン配合物に添加された場合に、分散剤として機能する。表4におけるデータは、ポリアクリル酸分散剤の添加が、さらに望ましくない局所化孔食と対照的に、均一腐食をもたらし得ることを示す。しかしながら、ポリ酸を添加された、これらの組成物の腐食速度は、若干高い傾向がある。腐食速度における改善、および均一腐食は、これらの組成物が中和されるならば(例えば、実施例3)、観察することができるが、かかる方法は、前述の理由から望ましくない。比較例C10およびC12は、孔食および/または堆積物下の腐食がポリ酸分散剤の非存在下で起こることを示す。
表5は、孔食または堆積物下の腐食のない、低腐食速度を得るために、多くの分散剤種を有利に使用することができることを示す。1%もの低いレベルの分散剤が有効である。pAAポリ酸分散剤のレベルが高いほど、高い腐食速度をもたらす(例えば、実施例4、実施例5、およびC14).
Figure 0005065190
85St/15AAポリマー組成物はTg〜115℃を有し(遷移の中点、DSCによる、前述のとおり)、これはほとんどの不織布最終製品に有利である。しかしながら、硬化性熱硬化性組成物のいくつかの最終用途は、ある程度の柔軟性を必要とし、このために、低Tg、または低分子量(または両方)を有するポリマー組成物を使用することが望ましい。分子量減少は、重合において、n−ドデシルメルカプタン(nDDM)を連鎖移動剤として使用することにより達成される。ラテックス乳化重合において、ある量のスチレン(St)をブチルアクリレート(BA)と置換することにより、さらに軟質(低Tg)のポリマーが調製される。このように、軟質ラテックスポリマー組成物(56St/29BA/15AA、Tg〜71℃;41St/44BA/15AA、Tg〜31℃)、および低分子量ラテックスポリマー組成物(85St/15AA/1nDDM、Mw〜49000;72St/13BA/15AA/1nDDM、Mw〜45000;56St/29BA/15AA/0.2nDDM、Mw〜123000)を用いて、類似の実験を行った。腐食データにおいてみられる一般的傾向は、前述のものと同様であり、特に、分散剤の非存在下で、全ての組成物は堆積物下の腐食および/または孔食を受け、後者の問題は、分散剤が前述のように含まれている場合は起こらない。
表6において、比較例C15は、分散剤およびアミド1の非存在下で堆積物下の腐食を示す。比較例C16は分散剤を使用するが、アミド1は使用せず、その結果、ごくわずか堆積物下の腐食を受ける。孔食はアミド1を用いるが、分散剤を用いないで起こる(比較例C17)。しかしながら、実施例10(分散剤およびアミド1の両方を用いる)は孔食を示さず、許容することができる速度で均一腐食を有する。許容することができる性能に遭遇するために、分散剤の使用が必要とされるが、分散剤と組み合わせたアミド1の使用が好ましい。省略したが、本発明の有益な効果は、混合架橋剤系が使用される場合にも見られる(例えば、アミド1とTEOA、またはアミド1とアミド2)。
Figure 0005065190
実施例5
重量による合計固形分の測定
本発明者らが、重量により合計固形分を測定する場合、本発明者らは下記のASTM D−2369法を使用した。
手順:
1 アルミニウム皿を小数第4位まで秤量する。この重量を記録する。
2 約0.5グラムのサンプルを量り取り、皿およびサンプルの重量を小数第4位まで記録する。サンプルは皿表面全体にわたって分散すべきであることに留意する。数滴の水を使用して、サンプルの分散を助けることができる。決定は二回重複試験で行うべきである。サンプルを150℃のオーブン中に30分間入れる。
3 革手袋をはめるか、またはトングを用いてサンプルをオーブンから取り出し、一定温度および一定湿度の室内(25±3℃;50±5%相対湿度)で約2分間、室温まで冷却させる。
4 アルミニウム皿およびポリマーを小数第4位まで秤量し、記録する。
5 下記式を用いて、固形分(%固体)を決定する。
Figure 0005065190

Claims (9)

  1. (a)カルボン酸基、無水物基、またはその塩を含む1種以上のモノマーを重合形態で10重量%から35重量%含む、少なくとも1種のエマルジョン(コ)ポリマーのポリマー粒子;
    (b)少なくとも1種のポリオールであって、該ポリオールが2000未満の式分子量および少なくとも2つのヒドロキシル基を有し、および前記ポリオールのヒドロキシル基の当量数の、前記の少なくとも1種のエマルジョン(コ)ポリマーの前記カルボン酸基、無水物基、またはその塩の当量数に対する比が10/1から1/10である、少なくとも1種のポリオール;および
    (c)ポリカルボキシ(コ)ポリマー、クエン酸、リン系酸、これらの塩、およびこれらの混合物から選択される少なくとも1種の水溶性ポリ酸またはその塩;
    を含む水性熱硬化性組成物であって;
    (a)、(b)、および(c)の合計重量に対する(a)の重量比が、各成分の固形分重量基準で0.5:1.0より大きく;および、
    水性熱硬化性組成物のpHが7.5以下である、水性熱硬化性組成物。
  2. エマルジョン(コ)ポリマー(a)がFox式により決定すると、90℃未満のガラス転移温度(Tg)を有する請求項1記載の水性熱硬化性組成物。
  3. 水溶性ポリ酸またはその塩(c)がポリ(メタ)アクリル酸種である請求項1記載の水性熱硬化性組成物。
  4. 水溶性ポリ酸またはその塩(c)が、リン系酸およびその塩、クエン酸およびその塩、ならびにその混合物からなる群から選択される請求項1記載の水性熱硬化性組成物。
  5. ポリオール(b)が、β−ヒドロキシアルキルアミド、ジアルカノールアミン、トリアルカノールアミン、ジアルカノール、およびトリアルカノールからなる群から選択される請求項1記載の水性熱硬化性組成物。
  6. ポリオール(b)がカプロラクトンおよびジエタノールアミンの付加物から得られるβ−ヒドロキシアルキルアミドである、請求項1記載の水性熱硬化性組成物。
  7. リン含有促進剤をさらに含む請求項1記載の水性熱硬化性組成物。
  8. 成分(a)、(b)および(c)が一緒になって、水性熱硬化性組成物の全固形分の少なくとも50重量%を構成する請求項1記載の水性熱硬化性組成物。
  9. 基体を処理する方法であって:
    (i)(a)カルボン酸基、無水物基、またはその塩を含む1種以上のモノマーを重合形態で10重量%から35重量%含む少なくとも1種のエマルジョン(コ)ポリマー;
    (b)2000未満の式分子量および少なくとも2つのヒドロキシル基を有する少なくとも1種のポリオールであって、前記ポリオールのヒドロキシル基の当量数、前記エマルジョン(コ)ポリマーの前記カルボン酸基、無水物基、またはその塩の当量数に対する比が10/1から1/10である、少なくとも1種のポリオール;および、
    (c)ポリカルボキシ(コ)ポリマー、クエン酸、リン系酸、これらの塩、およびこれらの混合物から選択される少なくとも1種の水溶性ポリ酸またはその塩
    を水または1種以上の水性溶媒と混合することを含む水性熱硬化性組成物を形成すること;(ここで、前記水性熱硬化性組成物は、各成分の固形分重量基準で0.5:1.0より大きい、(a)、(b)、および(c)の合計重量に対する(a)の重量比を有し、および、
    前記水性熱硬化性組成物のpHは7.5以下である)
    (ii)前記基体前記水性熱硬化性組成物を接触させるか、あるいは前記水性熱硬化性組成物を前記基体に適用すること;および
    (iii)前記水性熱硬化性組成物を100℃から400℃の温度で加熱すること;
    を含む方法。
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