JP5064010B2 - 固体レーザ増幅器 - Google Patents

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Description

本発明は、固体レーザ媒質を備える固体レーザ増幅器に関する。
固体レーザ媒質を備える固体レーザ増幅器は、固体レーザ媒質に励起光を照射して、この固体レーザ媒質に含まれている活性元素を励起し、この固体レーザ媒質における誘導放出現象を利用して所定波長の光を光増幅する。
固体レーザ媒質を励起光により励起すると、固体レーザ媒質に吸収された励起光のうちレーザ光や自然放出光として放出されなかったエネルギーは固体レーザ媒質内で熱負荷となり、固体レーザ媒質に温度分布をもたらす。例えば、スラブ形状の固体レーザ媒質内において被増幅光をジグザグ伝播させて光増幅する固体レーザ増幅器の場合、被増幅光のジグザグ伝播光路面内、すなわち被増幅光がジグザクに伝播される伝播路を含む面内においては、熱的に平均化されるものの、スラブ形状固体レーザ媒質のジグザグ伝播光路面と直交する方向(固体レーザ媒質の上下方向)においては、中央部で高く両端部で低くなる不均一な温度分布となる。
この温度分布は、熱レンズ効果、熱複屈折効果およびビーム偏向などを発生させ、レーザ光のモードパターンの変化や出力低下の原因となる。したがって、固体レーザ媒質の温度分布を均一にするための様々な検討がなされている。
例えば、特許文献1に記載の固体レーザ増幅器は、スラブ形状の固体レーザ媒質と、この固体レーザ媒質の上下面に接して設けられる光吸収体と、この光吸収体を加熱するための加熱用光源とを備えている。そして、加熱用光源から出力される加熱光により発熱体を発熱させ、温度が低下しやすい固体レーザ媒質の上下面を加熱することにより、スラブ形状の固体レーザ媒質の温度分布を均一化している。
また、特許文献2に記載の固体レーザ増幅器は、スラブ形状の固体レーザ媒質内での熱負荷を低減するために固体レーザ媒質を冷却する手段を備えている。さらに、固体レーザ媒質の長手方向の端部を接着剤によりシーリングして、冷媒を固体レーザ媒質の長手方向から漏れるのを防止し、確実に固体レーザ媒質を冷却している。また、接着剤には白色、透明色、淡色のものを使用し、固体レーザ媒質からの自然放出光の吸収による発熱を抑え、固体レーザ媒質の熱変形やレーザビームのプロファイル悪化等を抑えている。
特開2006−196882号公報 特開2003−234523号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載の固体レーザ増幅器は、固体レーザ媒質の温度分布を均一化することができるものの、固体レーザ媒質の上下面に設けられる光吸収体を発熱させるための加熱用光源を配置する必要があり、装置が複雑化する。また、上記特許文献2に記載の固体レーザ増幅器は、一般的な固体レーザ媒質の両側面を冷却する手段のシーリングに関する改良であり、上述したような、ジグザグ伝播光路面と直交する方向における温度分布までは改善することはできない。
そこで本発明では、簡易な構成で固体レーザ媒質の温度分布を均一化することができる固体レーザ増幅器を提供することを目的とする。
本発明の固体レーザ増幅器は、励起光が照射されることにより、入射面から入射する被増幅光を増幅させて出射面から出射する固体レーザ媒質と、固体レーザ媒質を保持する保持部材と、接着性及び弾性を有し、固体レーザ媒質の入射面及び出射面以外の面と保持部材との間に設けられる発熱体と、を備え、発熱体は、添加量が調整された黒色顔料及び/又は白色顔料を含むことによって、固体レーザ媒質で発生する自然放出光を吸収て発熱することを特徴とする。
この固体レーザ増幅器によれば、固体レーザ媒質の入射面及び出射面以外の面に、固体レーザ媒質から発生する自然放出光を吸収し発熱する発熱体を備えている。そのため、固体レーザ媒質の温度が低下しやすい部分を簡易な構成で加熱することができる。したがって、固体レーザ媒質の温度分布を均一化することができる。また、発熱体が接着性を有しているので、固体レーザ媒質を筐体に確実に固定することができる。また、発熱体が弾性を有しているので、固体レーザ媒質の熱膨張を吸収し、固体レーザ媒質の熱破壊等を効果的に抑制することができる。また、顔料の添加量を適宜調整することで、自然放出光の吸収率を容易に調整することができる。
また、固体レーザ媒質は、当該固体レーザ媒質内を被増幅光がジグザグ伝播するジグザクスラブ型固体レーザ媒質であって、発熱体が設けられる面は、被増幅光がジグザグ伝播する伝播光路面に対して平行な互いに対向する2つの面に設けられることが好ましい。これにより、温度が低下しやすいジグザグスラブ型固体レーザ媒質の伝播光路面に対して直交する方向(上下方向)の両端部付近を簡易な構成で加熱することができる。したがって、ジグザグスラブ型固体レーザ媒質の上下方向における温度分布を均一化することができる。
また、保持部材は、溝部を有し、発熱体が溝部内に設けられることが好ましい。これにより、均一な厚さの発熱体を形成することができるので、自然放出光の吸収率を発熱体の面方向において均一にすることができる。また、溝部の深さを調整することにより発熱体の厚さを調整することができるので、自然放出光の吸収率を任意に調整することができる。したがって、固体レーザ媒質の温度分布をより均一化することができる。
また、保持部材は、断熱材料及び/又は伝導材料からなることを特徴とする。断熱材料を用いると、その部分では、発熱体から発生する熱を効率的に固体レーザ媒質へ伝えることができる。また、導電材料を用いると、その部分では、発熱体から発生する余分な熱を外部に排熱して、固体レーザ媒質へ伝わる熱量を容易に調整することができる。このため、保持部材の材料を適宜選択することにより、固体レーザ媒質の加熱温度を調整することができるので、固体レーザ媒質の温度分布をより均一化することができる。
本発明によれば、簡易な構成で固体レーザ媒質の温度分布を均一化することができる固体レーザ増幅器を提供することができる。
本発明の知見は、例示のみのために示された添付図面を参照して以下の詳細な記述を考慮することによって容易に理解することができる。引き続いて、添付図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。可能な場合には、同一の要素には同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
図1及び図2に示されるように、本実施形態に係る固体レーザ増幅器1は、筐体2の内部に収納された固体レーザ媒質3に励起光を照射してレーザ光を出力する固体レーザ増幅器であって、この固体レーザ媒質3の温度分布を均一化させるための構造を有している。
図1に示されるように、スラブ形状の固体レーザ媒質3は、入射した被増幅光L1(レーザ光)を増幅する。具体的には、その長手方向(図中z方向)の一端面3aから入射した被増幅光L1は、両側面3c,3d(図中y−z面)で全反射を繰り返しジグザク伝播することにより増幅され、長手方向の他端面3bから出射される。ここで、固体レーザ媒質3は、例えば、リン酸塩系のレーザ用ガラスを母材として、ネオジウム(Nd)をレーザ活性種としてドープしたものを用いることができる。また、この他にも例えば、母材としては、シリカ系のレーザ用ガラス、又はYAG、YLF、YVO、S−FAP、サファイア、アレキサンドライト、フォルステライト、ガーネット等の結晶材料を用いることができる。また、レーザ活性種としては、Yb、Er、Ho、Tm等の希土類元素、又はCr、Ti等の遷移元素を用いることができる。
固体レーザ媒質3は、固体レーザ媒質3の上下面3e,3f(被増幅光がジグザグ伝播する伝播光路面Sに平行な面、図中x−z面)側に配置された保持部材4により保持される。この保持部材4は、例えば、フッ素樹脂、ポリアセタール樹脂などの断熱性材料や銅、ステンレススチールなどの伝導性材料を用いることができる。
また、固体レーザ媒質3と保持部材4との間には、接着性の発熱体5が設けられ、固体レーザ媒質3は、発熱体5を介して保持部材4で保持されている。発熱体5は、励起光L2により励起された固体レーザ媒質3で発生する自然放出光(例えば、蛍光)を吸収することによって発熱する。そして、この熱により温度が低下しやすい固体レーザ媒質3の上下面3e,3fを加熱し、固体レーザ媒質3の上下方向(図中y方向)における温度分布を均一化することができる。発熱体5は、固体レーザ媒質3の上下面3e,3fで、固体レーザ媒質5の長手方向において連続的(例えば、上下面3e,3fの全面)に設けられることが好ましい。これにより、固体レーザ媒質3の長手方向における温度分布をも均一化することができる。
発熱体5は、接着性樹脂と顔料とを含む。接着性樹脂は、主として保持部材4により固体レーザ媒質3を確実に保持するために用いられ、例えば、シリコーン系、変成シリコーン系、エポキシ系、ポリイソブチレン系の接着性樹脂を用いることができる。ここで、これらの接着性樹脂は、白色又は透明色であり自然放出光を透過するため発熱しないか、発熱してもごくわずかである。したがって、顔料は、自然放出光を吸収できる色に接着性樹脂を着色するために添加される。顔料は、目的の色に着色できれば特に限定されないが、安定性、耐久性を考慮すると黒色、白色等の無機顔料を使用することが好ましい。黒色顔料としてはカーボンブラック、白色顔料としては亜鉛華、鉛白などを用いることができる。これら顔料は、例えば、黒色顔料や白色顔料の添加量を調整することにより自然放出光の吸収率を調整することができる。
図2に示されるように、固体レーザ媒質3は、保持部材4を介して筐体2内部に固定される。また、筐体2の両側面には、固体レーザ媒質3の両側面3c,3dに対応する位置に略矩形状の開口部2aが設けられ、この開口部2aを覆うようにシールドガラス7(例えば、合成石英など)が水密用シール材等により固定されている。固体レーザ媒質3とシールドガラス7との間には空間が形成され、この空間が冷却媒体(例えば、水)Wの流路となり、固体レーザ媒質3の両側面3c,3dを冷却することができる。
さらに、各シールドガラス7の外側であって、固体レーザ媒質3の両側面3c,3dに対応する位置に励起LDモジュール6が配置される。各励起LDモジュール6から発生する励起光は、シールドガラス7を透過し、固体レーザ媒質3の両側面3c,3dに照射されて、固体レーザ媒質3が励起される。なお、シールドガラス7には、被増幅光をジグザク伝播させるために、励起光の波長(例えば、中心波長803nm)に応じた無反射コーティングが施されている(例えば、波長800〜806nm、入射確度θ=0〜33°、反射率R=0.2〜0.3%)。
また、励起LDモジュール6は、上述したように固体レーザ媒質3の両側面3c,3dから励起光を照射する側面励起方式に限られず、被増幅光が入射又は出射される両端面から励起光を照射する端面励起方式を採用することもできる。図3は、端面励起方式の構成を示す図である。図3に示されるように、端面励起方式の固体レーザ増幅器は、励起LDモジュール6が、固体レーザ媒質3の両端面3a,3b側に配置される。このような構成では、固体レーザ媒質3内での被増幅光L1と励起光L2との光路が略同一方向となるので、高い励起効率が実現される。また、固体レーザ媒質3内での発振領域と励起領域とが容易に一致することにより、高いモードマッチング効率が得られる。
本実施形態に係る固体レーザ増幅器1によれば、固体レーザ媒質3の入射面3a及び出射面3b以外の面に、固体レーザ媒質3から発生する自然放出光を吸収し発熱する設けられる発熱体5を備えている。そのため、固体レーザ媒質3の温度が低下しやすい部分を簡易な構成で加熱することができる。したがって、固体レーザ媒質3の温度分布を均一化することができる。
また、本実施形態に係る固体レーザ増幅器1によれば、スラブ形状の固体レーザ媒質3の当該固体レーザ媒質3内で被増幅光がジグザグ伝播する伝播光路面Sに対して平行な互いに対向する上下面3e,3fに、固体レーザ媒質3で発生する自然放出光を吸収することによって発熱する顔料を含む発熱体5が設けられている。図2に示されるように、固体レーザ媒質3の両側面3c,3dは、冷却媒体により冷却されて上下方向に排熱されている。そのため、固体レーザ媒質3の中央部分に比べて上下端部で温度が低下しやすい。しかしながら、本実施形態に係る固体レーザ増幅器1は、上述のとおり固体レーザ媒質3の温度が低下しやすい上下面3e,3f付近を発熱体5により加熱することができる。したがって、図4に示されるように、本実施形態に係る固体レーザ増幅器(同図(a))は、発熱体を設けない従来の固体レーザ増幅器(同図(b))に比べて被増幅光のジグザク伝播光路面に直交する方向(図中y方向)における固体レーザ媒質3の温度分布を均一化することができる。
また、本実施形態に係る固体レーザ増幅器1は、固体レーザ媒質3を保持する保持部材4をさらに備え、発熱体5は、接着性及び弾性を有し、固体レーザ媒質3と保持部材4との間に設けられている。これにより、発熱体5が接着性を有しているので、固体レーザ媒質3を筐体2に確実に固定することができる。また、発熱体5が弾性を有しているので、固体レーザ媒質3の熱膨張を吸収し、固体レーザ媒質3の熱破壊等を効果的に抑制することができる。
次に、他の実施形態に係る固体レーザ増幅器について説明する。
図5〜図10に示されるように、本発明に係る固体レーザ増幅器は、上述した固体レーザ媒質3の上下面3e,3fから発熱体5を介して、保持部材4で保持する保持構造を有するもの以外に、他の保持構造を採用することができる。何れの場合においても、固体レーザ媒質3の被増幅光のジグザク伝播光路面Sに直交する方向おける温度分布を均一にすることができる。
図5に示されるように、他の実施形態に係る固体レーザ増幅器1Aは、保持部材4には、固体レーザ媒質3との接触面(上下面3e,3f)側に、例えば100μm〜200μm程度の長手方向に延びる溝部4aが形成されている。そして、この溝部4a内に発熱体5が形成され、固体レーザ媒質3は、その幅方向における中央部では発熱体5を介して、その両側では直接的に保持部材4で保持されている。溝部4a内に発熱体5を充填することにより、溝部4aの深さt1に応じた均一な厚さの発熱体5を形成することができる。この結果、発熱体5の面方向で均一な自然放出光の吸収率を得ることができる。また、この溝部4aの深さを調整することにより発熱体5の厚さを調整することができるので、自然放出光の吸収率を任意に調整することができる。したがって、固体レーザ媒質3の温度分布をより均一化することができる。
このような、溝部4aが形成された保持部材4を使用した保持構造は、以下の手順により製造することができる。図6に示されるように、まず、所定の深さの溝部4aを有する保持部材4を準備し、その溝部4aに予め顔料が添加されたシリコーン系接着剤5を塗布する(図6(a))。次に、保持部材4の幅よりも長いスキージ8等を使用して、保持部材4の長手方向にスライドさせる(図6(b))。これにより、保持部材4の溝部4a内に均一の厚さの発熱体5が形成される(図6(c))。そして、この保持部材4を固体レーザ媒質3の上下面に接着することにより保持構造が完成する。
また、図7(a)に示されるように、他の実施形態に係る固体レーザ増幅器1Bは、固体レーザ媒質3の両側面3c,3dに発熱体5が形成される。そして、固体レーザ増幅器1Bは、固体レーザ媒質3が発熱体5を介して、固体レーザ媒質3の両側面3c,3d側から保持部材4で保持される保持構造を有する。この場合は、図3に示されるように、励起光を固体レーザ媒質3の両端面3a,3b側から照射する端面励起方式が採用される。
また、図7(b)に示されるように、他の実施形態に係る固体レーザ増幅器1Cは、固体レーザ媒質3の両側面3c,3d及び上下面3e,3fを覆うように発熱体5が形成される。そして、固体レーザ増幅器1Bは、固体レーザ媒質3が発熱体5を介して、固体レーザ媒質3の両側面3c,3d及び上下面3e,3fの四方から取り囲むように保持部材4で保持される保持構造を有する。この場合は、図3に示されるように、励起光を固体レーザ媒質3の両端面3a,3b側から照射する端面励起方式が採用される。このような構成により、固体レーザ媒質3をより確実に保持することができる。
また、図8(a)に示されるように、他の実施形態に係る固体レーザ増幅器1Dは、固体レーザ媒質3の上下面3e,3fに発熱体5が形成される。また、固体レーザ媒質3を保持する保持部材4は、固体レーザ媒質3の幅w1と略同一幅の長手方向に延びた溝部4bが形成される。そして、固体レーザ増幅器1Dは、固体レーザ媒質3が発熱体5を介して、固体レーザ媒質3の上下面3e,3f側から保持部材4で保持される保持構造を有する。このような構成により、保持部材4の溝部4bに固体レーザ媒質3の上下端部が嵌合されるので、固体レーザ媒質3をより確実に保持することができる。
また、図8(b)に示されるように、他の実施形態に係る固体レーザ増幅器1Eは、固体レーザ媒質3の両側面3c,3dに発熱体5が形成される。また、固体レーザ媒質3を保持する保持部材4は、固体レーザ媒質3の高さh1と略同一幅の長手方向に延びた溝部4cが形成される。そして、固体レーザ増幅器1Eは、固体レーザ媒質3が発熱体5を介して、固体レーザ媒質3の両側面3c,3d側から保持部材4で保持される保持構造を有する。この保持部材4の溝部4cに固体レーザ媒質3の両側端部が嵌合されるので、固体レーザ媒質3をより確実に保持することができる。
また、図9(a)に示されるように、他の実施形態に係る固体レーザ増幅器1Fは、固体レーザ媒質3の両側面3c,3d及び上下面3e,3fを覆うように発熱体5が形成される。そして、固体レーザ増幅器1Fは、4つの断面L字状の保持部材4を用いて、固体レーザ媒質3が発熱体5を介して固体レーザ媒質3の両側面3c,3dと上下面3e,3fとで形成する4つの角部側から保持される保持構造を有する。
また、保持部材の一部を異なる材質、例えば、断熱材料と伝導材料とにより構成しても良い。例えば、図9(b)に示されるように、他の実施形態に係る固体レーザ増幅器1Gは、固体レーザ媒質3の上下面3e,3fに発熱体5が形成される。また、固体レーザ媒質3を保持する保持部材4は、固体レーザ媒質3の幅w2と略同一の幅の長手方向に延びた溝部4dが形成される。そして、固体レーザ増幅器1Gは、固体レーザ媒質3が発熱体5を介して、固体レーザ媒質3の上下面3e,3f側から保持部材4で保持される保持構造を有する。さらに、この保持部材4は、固体レーザ媒質3の幅w2方向における中央部分に伝導材料4eを用い、他の部分に断熱材料4fが用いられている。このように特に温度が上がりやすい中央部分に放熱性の高い伝導材料4eを用いることにより、温度分布の調整を容易にすることができる。
また、発熱体が形成された固体レーザ媒質の面とは異なる面から保持部材で保持しても良い。例えば、図10(a)に示されるように、他の実施形態に係る固体レーザ増幅器1Hは、固体レーザ媒質3の両側面3c,3dに発熱体5が形成され、固体レーザ媒質3がその上下面3e,3f側から保持部材4で保持される保持構造を有する。また、図10(b)に示されるように、他の実施形態に係る固体レーザ増幅器1Iは、固体レーザ媒質3の上下面3e,3fに発熱体5が形成され、固体レーザ媒質3その両側面3c,3d側から保持部材4で保持される保持構造を有する。
以上のように、固体レーザ媒質に発熱体が形成される位置、保持部材の材質とその配置などを適宜選択することにより、固体レーザ媒質の温度分布を容易に均一に保つことができる。また、保持部材の形状を適宜選択することにより固体レーザ媒質をより確実に保持することができる。
以下、実施例によって本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例)
実施例として、図1及び図2に示されるような構成の固体レーザ増幅器を準備した。すなわち、スラブ形状の固体レーザ媒質(Nd:Phosphate glass、長さ33cm、幅1cm、高さ2cm)3の上下面3e,3f全面にわたって発熱体5を設けて、この発熱体5を介して保持部材4により筐体に固体した。また、発熱体5としては、顔料を添加して自然放出光の吸収度を調整したシリコーン樹脂を用いた。
(比較例)
比較例として、発熱体に顔料を添加していないシリコーン樹脂を用いた以外は、実施例と同様としたものを準備した。
(測定及び測定結果)
固体レーザ媒質の温度分布を測定するために、波面測定器により、所定の励起LD出力によりLD励起状態になった実施例及び比較例に係る固体レーザ増幅器の透過光の位相分布を測定した。図11に測定結果を示す。なお、測定時の励起LD出力は98kWとした。また、図12に実施例及び比較例それぞれの励起LD出力に対する位相差(PV値:Peak と Vally)の変化を示す。
図11に示されるように、実施例、比較例共に、固体レーザ媒質の幅方向(図中x方向)の位相分布、すなわち温度分布は均一である。これは、被増幅光がシグザク伝播したことにより、位相分布が補償されたことを示す。一方、固体レーザ媒質の上下方向(図中y方向)の位相分布では、実施例と比較例とは、異なった位相分布を示す。
実施例は、上下方向における位相分布はほぼ均一であり、温度分布が均一であることを示している。これは、固体レーザ媒質からの自然放出光を吸収した発熱体の発熱により、固体レーザ媒質の上下端面が加熱され、上下方向の光路差が減少して位相分布が緩和されたと考えられる。
一方、比較例は、中央から上下方向に離れるにしたがい位相差が大きくなり、温度が低くなっている。固体レーザ媒質であるNd:Phosphate glassの光路長に対する温度係数は、ds/dt=+5.7×10−6−1であるので、温度が低い部分は実質的に光路長が短くなることになる。したがって、固体レーザ媒質の上下端面付近を通過してきた被増幅光の位相は、中央部の位相に比べて進み位相差が大きくなる。その結果、被増幅光の上下部分は凸レンズを通過したのと同じように、被増幅光が収束してしまい、場合によってはエネルギー密度の増加により光学部品等の損傷を引き起こす可能性がある。
また、励起LD出力が98kWのときのPV値は、実施例が0.85λであったのに対し、比較例が3.5λ(λは被増幅光の波長である1.053μm)であった。
また、図12に示されるように、実施例は、励起LD出力を高くしてもPV値は0.85λ程度の増大に留まっている。一方で、比較例は、励起LD出力を高くするにしたがいPV値も大きくなり、励起LD出力が98Wの時点では非励起状態(励起LD出力が0W)に比べて3.2λ増大している。
以上のように、所定の位置に自然放出光を吸収することによって発熱する発熱体を設けた本発明に係る固体レーザ増幅器の効果が確認された。
本実施形態に係る固体レーザ増幅器の要部を示す斜視図である。 本実施形態に係る固体レーザ増幅器の構成を示す断面図である。 他の実施形態に係る端面励起方式の固体レーザ増幅器の要部を示す斜視図である。 (a)は、本実施形態に係る固体レーザ増幅器の固体レーザ媒質の温度分布を示す図であり、(b)は、従来の固体レーザ増幅器の固体レーザ媒質の温度分布を示す図である。 他の実施形態に係る固体レーザ増幅器の要部を示す断面図である。 図5に示す他の実施形態に係る固体レーザ増幅器の製造方法を説明する図である。 (a)及び(b)は、他の実施形態に係る個体レーザ増幅器の要部を示す断面図である。 (a)及び(b)は、他の実施形態に係る個体レーザ増幅器の要部を示す断面図である。 (a)及び(b)は、他の実施形態に係る個体レーザ増幅器の要部を示す断面図である。 (a)及び(b)は、他の実施形態に係る個体レーザ増幅器の要部を示す断面図である。 (a)は、実施例に係るレーザ増幅器の透過光の位相分布を示し、(b)は、比較例に係るレーザ増幅器の透過光の位相分布を示す図である。 実施例及び比較例に係る固体レーザ増幅器の位相差を示す図である。
符号の説明
1,1A,1B,1C,1D,1E,1F,1G,1H,1I…固体レーザ増幅器、2…筐体、3…固体レーザ媒質、4…保持部材、5…発熱体、6…励起LDモジュール、7…シールドガラス。

Claims (4)

  1. 励起光が照射されることにより、入射面から入射する被増幅光を増幅させて出射面から出射する固体レーザ媒質と、
    前記固体レーザ媒質を保持する保持部材と、
    接着性及び弾性を有し、前記固体レーザ媒質の前記入射面及び前記出射面以外の面と前記保持部材との間に設けられる発熱体と、を備え、
    前記発熱体は、添加量が調整された黒色顔料及び/又は白色顔料を含むことによって、前記固体レーザ媒質で発生する自然放出光を吸収て発熱することを特徴とする固体レーザ増幅器。
  2. 前記固体レーザ媒質は、当該固体レーザ媒質内を前記被増幅光がジグザグ伝播するジグザクスラブ型固体レーザ媒質であって、
    前記発熱体が設けられる面は、前記被増幅光がジグザグ伝播する伝播光路面に対して平行な互いに対向する2つの面に設けられることを特徴とする前記請求項1記載の固体レーザ増幅器。
  3. 前記保持部材は、溝部を有し、前記発熱体が前記溝部内に設けられることを特徴とする請求項1又は2記載の固体レーザ増幅器。
  4. 前記保持部材は、断熱材料及び/又は伝導材料からなることを特徴とする請求項1〜何れかに記載の固体レーザ増幅器。
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