JP5063916B2 - 燃料電池の燃料ガス圧縮機用滑り軸受 - Google Patents

燃料電池の燃料ガス圧縮機用滑り軸受 Download PDF

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Description

本発明は、燃料ガスを昇圧して燃料電池に供給する燃料ガス圧縮機に用いられる滑り軸受に関するものである。
燃料電池は、酸素と水素の化学反応により電気を取り出す装置である。燃料ガスに含まれる水素は、水素タンクから供給され、あるいは都市ガスなどの燃料から取り出される。燃料ガスは、燃料ガス圧縮機により圧縮され、燃料電池に供給される。
このような燃料電池に用いられる燃料ガス圧縮機は、スクリュー型、スクロール型、ヘリカル型などの回転式と、ダイヤフラム型、レシプロ型などの往復式とに大別される。
例えば、往復式の燃料ガス圧縮機として、特許文献1には、ダイヤフラム型の圧縮機が示されている。この圧縮機は、ダイヤフラム(隔膜)で密閉された空間内の燃料ガスを、ダイヤフラムの往復運動により圧縮し、この圧縮した燃料ガスを燃料電池本体内へ供給するようにしたものである。
また、回転式圧縮機として、特許文献2にはスクリュー型圧縮機が示されている。この圧縮機では、雄ロータ、雌ロータ、およびケーシングとで密閉された空間内に供給された燃料ガスを、雄ロータおよび雌ロータの回転に伴って圧縮し、この圧縮した燃料ガスを燃料電池本体内へ供給するようにしたものである。この圧縮機には、回転軸を支持するために、滑り軸受(以下、単に「軸受」と称す)が使用されている。
特開平9−259912号公報 特開2002−310081号公報
上記のような燃料電池は、自動車や家屋など人に近いところで使用されるため、騒音や振動をできるだけ抑えることが望ましい。よって、燃料電池に使用される燃料ガス圧縮機にも、静粛性、低振動性が要求されている。この要求に応えるべく、例えば、圧縮機に組み込まれる滑り軸受は、軸受面を機械加工等により高精度に仕上げ、軸部材の回転精度を高めることで、静粛性および低振動性が図られている。しかし、かかる高精度の加工はコスト高を招く。
本発明の課題は、優れた回転精度を有し、騒音、振動の少ない燃料ガス圧縮機用軸受を低コストに提供することである。
前記課題を解決するため、本発明は、燃料ガスを昇圧して燃料電池に供給する燃料ガス圧縮機に使用され、内周に挿入された軸部材を支持する滑り軸受において、内周面に軸受面を有し、マスター軸の外周面に析出させた電鋳金属からなる電鋳部と、電鋳部を内周に保持した保持部とを備え、前記軸受面がマスター軸の外周面から剥離された面であり、電鋳金属がPTFE又はMoS 2 を含む
このように、本発明の軸受は、軸受面が電鋳金属で形成される。よって、電鋳金属を析出させるマスターの表面精度を高め、そのマスターの精密な表面性状を電鋳金属の表面に転写することにより、電鋳金属に形成される軸受面を高精度に加工できる。これにより、軸部材の回転精度の向上が図られ、騒音や振動を低減することができる。また、電鋳加工によると、機械加工等で仕上げる場合と比べ、簡易な方法で高精度な軸受面が得られるため、コストの低減が図られる。
ところで、上記のような燃料ガス圧縮機では、燃料ガスを圧縮する圧縮空間がシール部材等で密閉されている。このシール部材等の劣化により圧縮空間から燃料ガスが漏れると、燃料ガスに含まれる水素が圧縮機に使用されている部材、例えば軸受等を劣化させる恐れがある。特に、軸受面が劣化すると、回転精度が低下し、騒音や振動の原因となる。
そこで、軸受面を形成する電鋳金属の主成分を耐水素性に優れたNiとすることにより、燃料ガスに含まれる水素による劣化を抑えることができ、軸受の耐久性の向上が図られる。
また、燃料ガス圧縮機に用いられる軸受において、軸受と軸部材との潤滑性を向上させるために、これらの間に潤滑油や潤滑グリース等の潤滑剤を介在させると、軸部材の回転に伴い潤滑剤が飛散し、軸受の周辺を汚染したり、最悪の場合、飛散した潤滑材が燃料ガスに混入することにより発電効率が低下する恐れがある。
この点に鑑み、電鋳金属にPTFE又はMoSを配合し、摩擦係数の低いこれらの物質を軸受面に露出させることにより、潤滑油等を使用せずに軸受と軸部材との潤滑性を向上させることができるため、潤滑油等が飛散することによる不具合を回避することができる。
このような燃料ガス圧縮機用軸受と、軸受の内周に挿入された軸部材と、燃料ガスを圧縮する圧縮空間とを有する燃料電池用燃料ガス圧縮機は、騒音や振動が少ない。
以上のように、本発明によると、優れた回転精度を有し、騒音、振動の少ない燃料ガス圧縮機用軸受を低コストに得ることができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る軸受が組み込まれる燃料ガス圧縮機の一例として、回転式(スクロール型)の圧縮機10の断面図を示す。圧縮機10は、段付円筒形状のケーシング16と、ケーシング16の内周に配置される軸部材17と、軸部材17を回転自在に支持する軸受5a、5bと、軸部材17の端部に設けられた旋回スクロール11と、ケーシング16の大径側の開口部を覆う固定スクロール12とを主に備える。なお、説明の都合上、図1において、ケーシング16の大径開口側を前面側、小径開口側を背面側と称する。
固定スクロール12は、略円盤形状をなし、その背面の中央部には、渦巻き状の凹部12aが形成されている。旋回スクロール11は、略円盤形状をなし、その前面の中央部には、渦巻き状の凸部11aが形成されている。旋回スクロール11と固定スクロール12とは、互いに向かい合うことによりそれらの凸部11aおよび凹部12aを噛合させている。旋回スクロール11の凸部11aと固定スクロール12の凹部12aとの間には、燃料ガスを圧縮するための複数の圧縮空間Sが形成され、圧縮空間Sの外径端は、シール部材21aによりシールされている。
軸部材17の前面側の端部には、軸部材17の軸心から偏心した偏心軸18が設けられ、偏心軸18は、旋回スクロール11の背面の略中心部に軸受5cを介して結合されている。また、偏心軸18には、旋回スクロール11の遠心力と釣り合うように、補償錘20が設けられる。
固定スクロール12の前面には、燃料ガスFGの吸込口22と吐出口23とが設けられている。詳細には、吸込口22は、固定スクロール12の前面の外周部に設けられ、吐出口23は、固定スクロール12の前面の中央部に設けられており、これらは、圧縮空間Sにそれぞれ連通している。
圧縮機10の吸込口22から、水素ガスを含む燃料ガスFGが圧縮空間Sに導入される。旋回スクロール11が回転すると、圧縮空間Sのうち、比較的容積の大きい外側部分の燃料ガスFGが、比較的容積の小さい内側部分に向けて押しこまれることにより圧縮され、この圧縮された燃料ガスFGが吐出口23より送り出され、図示しない燃料電池に供給される。
以下に、軸受5aの製造工程を説明する。なお、軸受5b、5cも同様の工程で製造されるため、説明は省略する。
軸受5aは、電鋳金属からなる電鋳部4と、電鋳部を内周に保持する保持部6とからなる(図4参照)。電鋳部4の内周面4aは、内周に挿入される軸部材17を支持する軸受面となる。
この軸受5aは、マスター軸2の所要個所をマスキングする工程、非マスク部に電鋳加工を行って電鋳軸1を形成する工程(図2参照)、電鋳軸1の電鋳部4を樹脂で射出成形する工程(図3参照)、及び電鋳部4とマスター軸2とを分離する工程を経て製作される。
マスター軸2は、導電性材料、例えば焼入処理をしたステンレス鋼で、ストレートな横断面円形の軸として製作される。もちろんステンレス鋼に限定されるものでなく、剛性などの機械的強度、摺動性、耐熱性、耐薬品性、電鋳部4の加工性及び分離性など、軸受の機能上あるいは軸受製作の都合上求められる特性に適合した材料、さらには熱処理方法が選択される。セラミック等の非金属材料でも、導電処理を施すことにより(例えば表面に導電性の金属皮膜を形成することにより)使用可能となる。なお、マスター軸2を軸部材17として使用する場合は、軸受との摩擦低減のため、例えばフッ素系の樹脂コーティングを施すのが望ましい。また、マスター軸2は、中実軸の他、中空軸や中空部に樹脂を充填した中実軸であっても良い。
マスター軸2の外周面精度は、後述する軸受隙間の精度を直接左右するので、真円度、円筒度、表面粗さ等の軸受機能上重要となる表面精度を、予め高精度に仕上げておく必要がある。
マスター軸2の外周面には、電鋳部4の形成予定部を除き、マスキングが施される(図2に散点で示す)。マスキング用の被覆材3としては、非導電性、及び電解質溶液に対する耐食性を有する既存品が選択使用される。
その後、マスキングされたマスター軸2に電鋳加工が施される。この工程では、Niイオンを主に含んだ電解質溶液にマスター軸2を浸漬し、電解質溶液に通電して目的の金属をマスター軸2の表面に析出させることで、Niを主成分とした電鋳金属からなる電鋳部4が形成される(図2参照)。
電解質溶液には、PTFE又はMoS等の潤滑剤を配合される。これにより、軸受面となる電鋳部4の内周面4aにこれらの潤滑剤が露出し、軸部材17との潤滑性を向上させることができる。この他、電解質溶液に、カーボンなどの摺動材、あるいはサッカリン等の応力緩和材を必要に応じて含有させてもよい。電鋳部4の厚みは、これが薄すぎると軸受面の耐久性低下等につながり、厚すぎると製造時間がかかり過ぎるため、3〜15μm、望ましくは5〜10μmとするのが好ましい。
なお、電鋳加工は必ずしも上記のように電解メッキで行う必要はなく、溶液に通電せずに金属を析出させる無電解メッキで行ってもよい。電鋳部を電解メッキで形成すると、無電解メッキで行うよりも形成速度が早いため、製造時間を短縮できるという利点が得られ、無電解メッキで形成すると、電解メッキで形成されたものよりも高い硬度を有し、接触摺動に対し優れた耐久性を有するという利点が得られる。
以上の工程を経ることにより、図2に示すように、マスター軸2外周に円筒状の電鋳部4を被着した電鋳軸1が製作される。電鋳軸1は、図3に示す射出成形工程に移送され、電鋳部4及びマスター軸2をインサート部品とするインサート成形が行われる。
この射出成形工程では、電鋳軸1は、図3に示すようにその軸方向を型締め方向(図面上下方向)と平行にして、可動型31、および固定型32からなる金型内部に供給される。固定型32には、マスター軸2の外周面の外径寸法に適合した位置決め穴34が形成され、この位置決め穴34に前工程から移送した電鋳軸1の下端を挿入して、電鋳軸1を位置決めする。可動型31には、マスター軸2の外周面の外形寸法に適合する内径を有するガイド穴35が位置決め穴34と同軸に形成されており、型締め時に固定型32を可動型31に接近させて型締めすると、先ず電鋳軸1の上端がガイド穴35に挿入されて電鋳軸1の芯出しが行われる。さらに接近させ、可動型31と固定型32とが当接し、型締めが完了する。
本実施形態では、図3に示す型締め完了時において、電鋳部4の軸方向寸法は、成形面の軸方向寸法より小さく設定される。この状態で、ランナー37、およびゲート38を介してキャビティ33に樹脂材料を射出し、インサート成形を行う。
上記の射出成形で用いられる樹脂は熱可塑性樹脂であり、例えば、非晶性樹脂として、ポリサルフォン(PSF)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリフェニルサルフォン(PPSU)、ポリエーテルイミド(PEI)等、結晶性樹脂として、液晶ポリマー(LCP)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)等を用いることができる。また、上記の樹脂に充填する充填材の種類も特に限定されないが、例えば、充填材として、ガラス繊維等の繊維状充填材、チタン酸カリウム等のウィスカー状充填材、マイカ等の鱗片状充填材、カーボンファイバー、カーボンブラック、黒鉛、カーボンナノマテリアル、金属粉末等の繊維状又は粉末状の導電性充填材を用いることができる。これらの充填材は、単独で用い、あるいは、二種以上を混合して使用しても良い。
射出される材料としては金属材料も使用可能である。例えば、マグネシウム合金やアルミニウム合金等の低融点金属材料が使用可能である。この場合、樹脂材料を使用する場合に比べて、強度、耐熱性、または導電性等をより向上させることができる。この他、金属紛とバインダーの混合物で射出成形した後、脱脂・焼結するいわゆるMIM成形を採用することもできる。なお、耐水素性の低い金属材料を用いる場合は、金属表面が水素ガスと接触しないように樹脂コーティング等を施すことが望ましい。
型開き後、脱型した成形品は、図4で示すように、マスター軸2、電鋳部4、および保持部6が一体となった構造を有する。この成形品は、その後分離工程に移送され、電鋳部4および保持部6からなる軸受5aと、マスター軸2とに分離される。
この分離工程では、電鋳部4に蓄積された内部応力を解放することにより、電鋳部4の内周面を拡径させ、マスター軸2の外周面から剥離させる。内部応力の解放は、マスター軸2又は軸受5aに衝撃を与えることにより、あるいは電鋳部4の内周面とマスター軸2の外周面との間に軸方向の加圧力を付与することにより行われる。内部応力の解放により、電鋳部4の内周面を半径方向に拡径させて、電鋳部4の内周面4aとマスター軸2の外周面との間に適当な大きさの隙間を形成することにより、電鋳部4の内周面に対してマスター軸2を軸方向に動かすことができ、これにより成形品を、電鋳部4及び保持部6からなる軸受5aと、マスター軸2とに分離することができる。なお、電鋳部4の拡径量は、例えば電鋳部4の肉厚や電解質溶液の組成、電鋳条件を変えることによって制御できる。
衝撃の付与だけでは電鋳部4の内周を十分に拡径さえることができない場合、電鋳部4とマスター軸2とを加熱又は冷却し、両者間に熱膨張量差を生じさせることによって、電鋳部4をマスター軸2から剥離することもできる。
本実施形態では、図4のように、軸受5aの内周面が、電鋳部4の内周面4aと保持部6の小径内周面6aとで形成され、電鋳部4の内周面4aが軸受面として作用する。射出成形後の固化時に、保持部6の小径内周面6aが成形収縮により拡径するよう樹脂材料の組成や成形条件を配慮することにより、マスター軸2の外周面との間に微小隙間を形成することができる。これにより、保持部6とマスター軸2とを容易に分離することが可能となる。
こうして電鋳部4をマスター軸2から剥離し、軸受5aとマスター軸2とを分離することで、軸受5aが完成する。このようにして形成された軸受5a、5bの内周に別途製作した軸部材17が挿入されるとともに、軸受5cの内周に偏心軸18が挿入される。
このように本発明では、圧縮機10の軸部材17を支持する軸受5a、5b、5cの軸受面が、電鋳金属で形成される。電鋳金属の表面精度は、マスター軸の表面を高精度に加工しておくことにより高めることができるため、高精度に加工された軸受面が得られる。よって、軸部材17の回転精度の向上が図られ、圧縮機10の作動時における騒音や振動を抑えることができる。また、機械加工と比べ、簡易な方法で軸受面の表面精度を高めることができるため、コストの低減が図られる。
また、上記に示した回転式の圧縮機10は、ダイヤフラム型等の往復式の圧縮機に比べ圧縮空間Sの密閉度が低いため、シール部材21aの摩耗等により燃料ガスFGが圧縮空間Sから漏れ出し、漏れ出した燃料ガスFGに含まれる水素により圧縮機内部の部品、特に金属製の部品が劣化する恐れがある。本発明に係る軸受5a、5b、5cは、電鋳部4が優れた耐水素性を有するNiを主成分とする電鋳金属で形成されるため、水素による軸受面の劣化を抑えることができる。
また、軸受5a、5b、5cと軸部材17の間に、潤滑油等を介在させると、軸部材17の回転時に潤滑油が飛散し、圧縮機10の内部を汚染したり、潤滑油が燃料ガスFGに混入し、燃焼効率を低下させる恐れがある。本発明では、上記のように、軸受面が優れた表面精度を有する電鋳金属で形成されるため、潤滑油等を用いなくても、軸部材17をスムーズに回転支持することができる。さらに、上記のように、電鋳部4にPTFE又はMoS等の潤滑剤を配合し、これらを軸受面となる電鋳部4の内周面4aに露出させることにより、電鋳部4と軸部材17との潤滑性をより一層向上させることができる。
本発明は、上記実施形態に限られない。上記では、軸受5a、5b、および5cの内周に挿入される軸部材17、あるいは偏心軸18が、マスター軸2とは別途に形成される場合を示したが、軸部材17あるいは偏心軸18としてマスター軸2を使用することもできる。このとき、電鋳部4とマスター軸2との分離工程でできた、電鋳部4の内周面4aとマスター軸2との間の隙間は軸受隙間として機能する。この軸受隙間は、電鋳加工の特性から、クリアランスが極めて小さく、かつ高精度であるという特徴を有するため、高い回転精度または摺動性を有する軸受の提供が可能となる。また、軸部材17、偏心軸18を別途製作して使用する場合、一度マスター軸2を製作すれば、これを繰返し転用することができるので、マスター軸2の製作コストを抑え、軸受5a、5b、および5cのさらなる低コスト化を図ることが可能となる。
また、軸受5aにおける電鋳部4の配置箇所は上記に限らず、例えば図5に示すように、マスター軸2の外周に形成される電鋳部4の軸方向寸法や、射出成形時の金型の形状を調整して、軸受5aの内周面を全て電鋳部4で形成することもできる。
あるいは、図6に示すように、軸受5aの内周に軸方向に離間した複数の電鋳部4を備えることもできる。このように、比較的大きなモーメント荷重がかかる部分のみに限定して電鋳部を設けることにより、コストの低減が図られる。
また、上記の実施形態では、潤滑剤を使用しない場合を示したが、潤滑剤の使用が問題とならない場合は、潤滑油や潤滑グリース、磁性流体、水、あるいは気体等の潤滑流体を、軸受と軸部材との間に介在させることもできる。
また、上記の実施形態では、軸受が回転軸の支持に用いられる場合を示したが、これに限らず、本発明の軸受を、例えば摺動軸の支持に使用してもよい。
また、以上の説明では、本発明に係る軸受を図1に示すようなスクロール型の圧縮機に適用する場合を例示したが、本発明は、耐水素性が要求されるスクリュー型やヘリカル型等の他の回転式圧縮機、あるいはダイヤフラム型やレシプロ型等の往復式の圧縮機にも適用できる。
本発明の軸受が適用される回転式燃料ガス圧縮機(スクロール型)の断面図である。 電鋳軸1の斜視図である。 射出成形金型に電鋳軸1を取付けた状態(型締め時)を示す断面図である 軸受5aとマスター軸2とが一体成形された状態を示す断面図である。 他の実施形態を示す軸受5aとマスター軸2とが一体成形された状態を示す断面図である。 他の実施形態を示す軸受5aとマスター軸2とが一体成形された状態を示す断面図である。
符号の説明
1 電鋳軸
2 マスター軸
4 電鋳部
5a、5b、5c 軸受
6 保持部
10 燃料ガス圧縮機
11 旋回スクロール
12 固定スクロール
17 軸部材
18 偏心軸
21a シール部材
S 圧縮空間

Claims (3)

  1. 燃料ガスを昇圧して燃料電池に供給する燃料ガス圧縮機に使用され、内周に挿入された軸部材を支持する滑り軸受において、
    内周面に軸受面を有し、マスター軸の外周面に析出させた電鋳金属からなる電鋳部と、電鋳部を内周に保持した保持部とを備え、
    前記軸受面がマスター軸の外周面から剥離された面であり、
    電鋳金属がPTFE又はMoS 2 を含む燃料ガス圧縮機用滑り軸受。
  2. 電鋳金属の主成分がNiである請求項1記載の燃料ガス圧縮機用滑り軸受。
  3. 請求項1又は2に記載の燃料ガス圧縮機用滑り軸受と、軸受の内周に挿入された軸部材と、燃料ガスを圧縮する圧縮空間とを有する燃料ガス圧縮機。
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