JP5063162B2 - 鉄骨梁補強金具 - Google Patents

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本発明は、鉄骨梁のウェブに形成された貫通孔の周部に固定されることにより、貫通孔が形成されて強度が低下した鉄骨梁のウェブを補強すると共に、略環状に形成された自身が有する軸孔内に配線や配管等の長く延びるものを通すことができる鉄骨梁補強金具に関するものである。
図6,7は、特許文献1の鉄骨梁補強金具2を示す正面図及び側面断面図である。この鉄骨梁補強金具2(以下、適宜補強金具20と呼ぶ)は、環状に形成された本体部4と、この本体部4の軸方向一端側(図7中右側)かつ半径方向外側に一体的に、鍔状に形成され、鉄骨梁のウェブに形成された貫通孔の径よりも大きな径のフランジ部6とを有している。
フランジ部6は、その厚さ(図7中、軸方向の長さT)が本体部4の厚さ(図7中、軸方向の長さW)よりも薄く形成されている。また、本体部4は、その外周面が傾斜して形成されており、フランジ部6の付け根から、このフランジ部6とは反対側の軸方向他端側(図7中左側)に向かって、その直径が小さくなっていくように形成されている。
このような鉄骨梁補強金具2は、例えば、図8に示すように、建築構造物におけるH形鋼を用いた鉄骨梁8のウェブ10に形成された貫通孔12の周部に固定される。すなわち補強金具2は、その本体部4の傾斜した外周面が、鉄骨梁8のウェブ10に形成された貫通孔12内に嵌入した状態で、この本体部4の傾斜した外周面と、軸方向に水平な貫通孔12の内周面との間にビード14が形成される、溶接により固定されるようになっていた。
これにより鉄骨梁補強金具2は、ウェブ10に貫通孔12が形成されたことによりその分低下した鉄骨梁8の強度を補強すると共に、補強金具2の本体部4が有する軸孔の中空部分に配線や配管等の長く延びるものを通すことができるようになっていた。
また、鉄骨梁補強金具2は、鉄骨梁8のウェブ10に形成された貫通孔12への固定作業時において、本体部4のフランジ部6とは反対側の軸方向他端側を貫通孔12内に嵌入する際に、フランジ部6のウェブ10側に対向する面が、ウェブ10の補強金具2のフランジ部6側の面に接触して停止するようになっているので、補強金具2の軸線方向(図8中、横方向)の位置が、ウェブ10に対して容易かつ確実に定まるようになっていた。
このような従来の鉄骨梁補強金具2は、鉄骨梁8のウェブ10の厚さと補強金具2の軸孔の軸方向と直角な開口面積との積により求められる体積に対する、補強金具2の中実形状全体の体積の比が、1〜3倍となるように形成されることにより、自身が重量過大にならないようにすると共に、鉄骨梁8の強度を十分に補強できるようにすることを目的としていた。
特開2003−232105号公報
しかしながら、柱等に固定された鉄骨梁の端部の、柱等に接近した長さ領域は塑性化領域と呼ばれ、この塑性化領域は、大地震の時において大きく変形することにより地震エネルギを吸収しようとするための部位である。上記特許文献1に係る鉄骨梁補強金具2は、このような鉄骨梁のウェブの塑性化領域に止むを得ず形成された貫通孔の周部に設けられて、貫通孔を形成したことにより低下した鉄骨梁の強度を補強するために用いられるものであった。
したがって、このような従来の、上記塑性化領域に設けることを目的とした鉄骨梁補強金具2を、鉄骨梁の柱等から上記塑性化領域よりも離れた、大地震の時において変形する程度が上記塑性化領域よりも小さい位置のウェブに明けた貫通孔に設けた場合には、必要以上に鉄骨梁の強度を補強することになってその分無駄が生じるだけでなく、鉄骨梁補強金具2の重量化やコストアップを招く結果となるという問題があった。
そこで本発明は、上記問題点に鑑みて、鉄骨梁の長さ方向の位置によって、形成された貫通孔の周部に設けられる鉄骨梁補強金具の重量化やコストアップを防止することができる鉄骨梁補強金具を提供することを課題とするものである。
上記課題を解決するために本発明は、
鉄骨梁のウェブに形成された貫通孔の周部に固定されることにより前記鉄骨梁を補強する鉄骨梁補強金具であって、
軸孔を有し略環状に形成され、軸方向一端側が前記貫通孔に嵌入して固定される本体部と、
前記本体部の軸方向他端側かつ半径方向外側に一体的に鍔状に形成され、前記貫通孔の径よりも大きい径のフランジ部とを有し、
前記鉄骨梁のウェブの厚さと前記補強金具の軸孔の軸方向と直角な開口面積との積により求められる体積に対する前記補強金具の体積の比が0.5から1.0未満までの間の値であり、
前記貫通孔の周縁部の前記鉄骨梁のウェブの厚さに対する前記本体部の軸方向の長さの比が2から5までの間の値であると共に、
前記本体部の軸孔の内周面から前記フランジ部の付け根までの半径方向の長さが、前記貫通孔の周縁部の前記鉄骨梁のウェブの厚さよりも大きいことを特徴とするものである。
このような本発明の鉄骨梁補強金具によれば、
鉄骨梁に形成された貫通孔の周部に固定されることにより前記鉄骨梁を補強する鉄骨梁補強金具であって、
前記貫通孔が前記鉄骨梁のウェブに形成され、
前記鉄骨梁のウェブの厚さと前記補強金具の軸孔の軸方向と直角な開口面積との積により求められる体積に対する前記補強金具の体積の比が0.5から1.0未満までの間の値であることにより、
鉄骨梁の長さ方向の位置によって、形成された貫通孔の周部に設けられる鉄骨梁補強金具の重量化やコストアップを防止することができる。
また、このような本発明の鉄骨梁補強金具によれば、
軸孔を有し略環状に形成され、軸方向一端側が前記貫通孔に嵌入して固定される本体部と、
前記本体部の軸方向他端側かつ半径方向外側に一体的に鍔状に形成され、前記貫通孔の径よりも大きい径のフランジ部とを有し、
前記貫通孔の周縁部の鉄骨梁のウェブの厚さに対する前記本体部の軸方向の長さの比が2から5までの間の値であると共に、
前記本体部の軸孔の内周面から前記フランジ部の付け根までの半径方向の長さが、前記貫通孔の周縁部の鉄骨梁のウェブの厚さよりも大きいことにより、
前記本体部から前記フランジ部への応力の伝達効率を向上させることができる。
以下、本発明に係る鉄骨梁補強金具を実施するための最良の形態について、図面に基づいて具体的に説明する。
図1から図5は、本発明の一実施の形態に係る鉄骨梁補強金具20について説明するために参照する図である。従来の鉄骨梁補強金具と同様の部分には同じ符号を用いて説明するものとする。
本実施の形態に係る鉄骨梁補強金具20(以下、適宜補強金具20と呼ぶ)は、柱に端部が固定された鉄骨梁の長さ方向における、柱から所定長さ以上離れたウェブの位置に形成された貫通孔に設けられる。
ここで、柱から所定長さ以上離れた位置とは、例えば、柱に接近した鉄骨梁の端部は塑性化領域と呼ばれ、この領域は、大地震の時において大きく変形することにより地震エネルギを吸収しようとするための部位であり、この塑性化領域よりも十分柱から離れた位置を意味するものとする。
また、本実施の形態に係る鉄骨梁補強金具20は、環状の本体部4の、軸孔内の中空部分を除く中実形状全体の体積が、鉄骨梁のウェブの厚さと補強金具20の軸孔の軸方向と直角な開口面積との積により求められる体積に対して、0.5から1.0未満までの間の値を乗じて得られる範囲内に設定されている。
また、本実施の形態に係る鉄骨梁補強金具20は、図3に示すように、その本体部4の軸方向の長さhが、鉄骨梁24の貫通孔28が明けられるウェブ26の厚さtwに対して、2から5までの間の値を乗じて得られる範囲内に設定されている。
また、本実施の形態に係る鉄骨梁補強金具20は、図1に示すその本体部4の、径がdの軸孔の内周面からフランジ部6の付け根6aまでの半径方向の長さt’が、図3に示す鉄骨梁24の貫通孔28が形成されたウェブ26の厚さtwよりも大きくなるように設定されている。
このような本実施の形態に係る鉄骨梁補強金具20の形状や各部分間の大小関係は、以下に説明するような、FEM(有限要素法)による構造解析に基づいて定められたものである。
まず、構造解析の前提条件として、図2,3に示すように、基端部が柱25に固定されたH形鋼の鉄骨梁24のウェブ26の長さ方向(図2中横方向)の途中位置に貫通孔28が形成されて、この貫通孔28の周部に補強金具20が固定されているものと想定し、鉄骨梁24の長さ方向先端部(図2中左端部)に下側から荷重Pが加えられる場合を想定した。図2中貫通孔28の柱25からの長さSの位置は、柱25から所定長さ以上離れた位置、すなわち、前述した、柱25から、それに接近した塑性化領域よりも十分離れた位置とする。
図4は、有限要素法による構造解析を行なう際に作成した鉄骨梁24の力学的モデルの一部分を示す斜視図である。同図には、図面の複雑化を防止するため、符号は付していない。
図4の鉄骨梁の力学的モデルは、図中右上側の図示してない柱に固定された端部から、遠く離れた位置で仮想的に切断された一部分を片持ち梁状に示している(図2参照)が、実際にはその鉄骨梁24の力学的モデルの図中右上側端部は、図示してない柱まで連続して長く伸びていると共に、鉄骨梁24の図中左下側の図示していない他端部も、他の柱に固定されているものとする。すなわち実際には、鉄骨梁24はその両端部が一対の柱に固定された両持ち梁であって、その力学的モデルの一部分を片持ち梁状に示しているだけである。
このような前提条件の下で、図3における、補強金具20の高さhと、鉄骨梁24のウェブ26の厚さtwとの間の長さ比(h/tw)の変化に対する、以下に述べる最大応力比の変化の相関を検証した。
ここで最大応力比とは、例えば、同一断面の鉄骨梁24において、図2に示すように、環状の補強金具20で補強した、貫通孔28を有する鉄骨梁24の先端部に、下側から所定の大きさの力Pを作用させた場合に、鉄骨梁24又は補強金具20に発生する最大応力を、ある基準の大きさの応力の値で除した応力比の値のことである。
ある基準の大きさの応力とは、補強金具20で補強してない貫通孔28を有する鉄骨梁24に、前記と同じ所定の大きさの力Pを、前記と同じ位置に作用させた場合に、鉄骨梁24に発生する最大応力のことである。
したがって、最大応力比が1.0の場合には、鉄骨梁24又は補強金具20に発生する最大応力は、補強金具20で補強してない貫通孔28を有する鉄骨梁24に発生する最大応力と同じということになり、補強金具20はほとんど鉄骨梁24に対して補強力を発揮してないことになる。
図5は、有限要素法を用いた構造解析による検証結果を示す線図である。この線図中において、白丸のドットは、鉄骨梁24のウェブ26の厚さと補強金具20の軸孔の軸方向と直角な開口面積との積により求められる体積(V1)に対する、鉄骨梁補強金具20の中実形状全体の体積(V2)の体積比が0.33の場合に検証した結果を示すものである。
また、黒三角形のドットは、前記体積比が0.5の場合に検証した結果を示すもの、また、黒丸のドットは、前記体積比が1.0の場合に検証した結果を示すもの、さらに、×印のドットは、前記体積比が1.5の場合に検証した結果を示すものである。
図5に示す検証結果の線図において、横軸に示す上記長さ比(h/tw)の値が2以下のときは、最大応力比が大きくなってその値が1に近づいていくので、鉄骨梁24又は補強金具20に発生する最大応力は、補強金具20で補強してない貫通孔28を有する鉄骨梁24に発生する最大応力と同等となり、補強金具20はほとんど鉄骨梁24に対して補強力を発揮していないことになる。
このため、鉄骨梁24の力学的モデルの一部分を片持ち梁状に示した図2における、鉄骨梁24の先端部に小さな力が作用しただけでも、鉄骨梁24又は補強金具20はたやすく降伏(塑性変形)してしまう現象が起きる。
したがって、図5に示す線図において、上記長さ比(h/tw)が2以下のときは、最大応力比が大きくなって、補強金具20の体積や重量を増加させなければ補強力を発揮させることができず、さらに、そうさせることにより補強金具20の重量化やコストアップを招くおそれが出てくる。
また、図5に示す線図において、上記長さ比(h/tw)の値が2より大きくなると、その値が2以下のときよりも最大応力比の値が低くなると共に、最大応力比の変化がそれほど無くて安定している傾向にある。これにより、鉄骨梁24における応力が、場所的に偏って、極端に大きくなることがなく、補強効率が改善されることが読取れる。
このため、鉄骨梁24の力学的モデルの一部分を片持ち梁状に示した図2における、鉄骨梁24の先端部に小さな力が作用しただけで鉄骨梁24又は補強金具20がたやすく降伏(塑性変形)してしまうことを防止することができる。これはいうまでもなく、鉄骨梁24にとっては好ましいことである。
しかしながら、上記長さ比(h/tw)の値があまり大きくなり過ぎると今度は、補強金具20の断面積が変わらないとした場合、図1における長さt´、すなわち、本体部4の径dを有する軸孔の内周面からフランジ部6の付け根6aまでの半径方向の長さt´が、図3に示す鉄骨梁24のウェブ26の厚さtwに比べて小さく(薄く)なりやすくなり、最大応力比の減少が期待できなくなる。
すなわち、上記長さ比(h/tw)の値があまり大きくなり過ぎると最大応力比が大きくなって、補強効率が悪化し、補強金具20の体積や重量を増加させなければ補強力を発揮できなくなるおそれが強くなってくる。
このため、図5においては、黒丸のドットの場合(前記体積比が1.0の場合)には、上記長さ比(h/tw)が5までは最大応力比の値が低く維持されているので、上記長さ比(h/tw)は5よりも大きくならない方がよいことが読取れる。したがって、上記長さ比(h/tw)は、最大応力比の値が低くなると共に、その変化がそれほど無くて安定しているところの、2から5の間の値が最も補強効率が良い範囲であることが推察される。
図5において、カッコ内の白丸のドットの場合(前記体積比が0.33の場合)や、カッコ内の黒三角形のドットの場合(前記体積比が0.5の場合)は、前記長さ比(h/tw)の値が4のとき、すなわち、その値が2から5までの間に入ってはいても、その値が3.5以下のときに比べて最大応力比が急に大きくなっている。
これは、図1における鉄骨梁補強金具20の断面積が変わらないとした場合、本体部4の軸孔の内周面からフランジ部6の付け根6aまでの半径方向の長さ、すなわち、図1における長さt´が、図3における鉄骨梁24のウェブ26の厚さtwに比べて小さく(薄く)なりすぎて、その補強金具20の長さt´の部分に応力が集中してしまうために、最大応力比が大きくなっていることを意味している。このため、カッコ内の白丸のドットや、カッコ内の黒三角のドットの部分に相当するような補強金具20は、著しく補強効率が悪化してしまうので使えないことが読取れる。
これに対して、前述のように、本実施の形態に係る鉄骨梁補強金具20は、その本体部4の軸孔の内周面からフランジ部6の付け根6aまでの半径方向の長さt´が、鉄骨梁24の貫通孔28が形成されたウェブ26の厚さtwよりも大きくなるように設定されているので、カッコ内の白丸のドットや、カッコ内の黒三角形のドットの部分のように最大応力比が大きくなってしまうことを防止することができる。
一方、鉄骨梁24のウェブ26の厚さと補強金具20の軸孔の軸方向と直角な開口面積との積により求められる体積(V1)に対する、鉄骨梁補強金具20の中実形状全体の体積(V2)の体積比(V2/V1)が1.5の場合、すなわち図5における×印のドットの場合では、黒三角形のドットや黒丸のドットの場合に比べて最大応力比があまり減少しないので、本発明の効果が得られない。
上記長さ比(h/tw)が3の場合において、上記体積比(V2/V1)が1.5の場合(×印のドットの場合)の最大応力比0.72よりも、体積比(V2/V1)が0.5の場合(黒三角形のドットの場合)の最大応力比0.65の方が小さいので、降伏耐力が大きく、補強効果も大きいことが読取れる。そして、体積比(V2/V1)が0.5の場合の方が体積比(V2/V1)が1.5の場合よりも、補強金具20の重量が3分の1で済むことが分かっている。
また、上記体積比(V2/V1)が0.33の場合、すなわち図5における白丸のドットの場合は、上記体積比(V2/V1)が1.5の場合(×印のドットの場合)よりも、もっと最大応力比が減少しないので、やはり本発明の効果は得られないことが読取れる。
したがって以上の検証結果から、本実施の形態に係る鉄骨梁補強金具20によれば、貫通孔28が鉄骨梁24の柱25から所定長さ以上離れた位置に形成され、鉄骨梁24の貫通孔28をくり抜いてできた中空部分の容積に対する補強金具20の体積比が、0.5から1.0未満までの間の値であることにより、鉄骨梁24の長さ方向の位置によって、形成された貫通孔28の周部に設けられる補強金具20の重量化やコストアップを防止することができる。
すなわち、鉄骨梁24の長さ方向において、柱25から、鉄骨梁24が大地震の時において大きく変形する塑性化領域より十分離れた位置に設けられる補強金具20の重量化やコストアップを防止することができる。
また、本実施の形態に係る鉄骨梁補強金具20によれば、貫通孔28の周縁部のウェブ26の厚さtwに対する本体部4の軸方向の長さhの比が2から5までの間の値にあると共に、本体部4の軸孔の内周面からフランジ部6の付け根6aまでの半径方向の長さt´が、鉄骨梁24の貫通孔28の周縁部のウェブ26の厚さtwよりも大きいことにより、本体部4からフランジ部6への応力の伝達効率を向上させることができる。
また、本実施の形態に係る鉄骨梁補強金具20によれば、補強効率が悪化して補強金具20の体積や重量を増加させなければならなくなることを防止できるので、補強金具20を小型化及び軽量化することができると共に、その製造コストの高騰を防止することができる。
なお、上記実施の形態においては、鉄骨梁補強金具20を、両端部が一対の柱25に固定された鉄骨梁24のウェブ26に形成された貫通孔28に設けた場合について説明したが、両端部が一対の鉄骨梁24に固定された梁(小梁)のウェブに形成された貫通孔に鉄骨梁補強金具20を設けてもよく、この場合も本発明の効果を有することができることはいうまでもない。
また、上記実施の形態に係る鉄骨梁補強金具20においては、鉄骨梁24の貫通孔28の周縁部のウェブ26の厚さtwに対する本体部4の軸方向の長さhの比が、2から5までの間の値にある場合について説明したが、上記長さ比(h/tw)は3から5までの間の値にあるように絞ってもよく、このことにより、本体部4からフランジ部6への応力の伝達効率をさらに向上させることができる。
本発明の一実施の形態に係る鉄骨梁補強金具20を示す側面断面図である。 図1に示す鉄骨梁補強金具20を、鉄骨梁24のウェブ26の貫通孔28に固定した状態を示す正面図である。 図2中における鉄骨梁補強金具20及び鉄骨梁24の側面断面図である。 有限要素法による構造解析を行なう際に作成した、鉄骨梁補強金具及び片持ち梁の力学的モデルの一部分を示す概念斜視図である。 有限要素法による構造解析の検証結果を示す線図である。 従来の鉄骨梁補強金具2を示す正面図である。 図6に示す鉄骨梁補強金具2の側面断面図である。 従来の鉄骨梁補強金具2を鉄骨梁8のウェブ10に形成された貫通孔12の周部に固定した状態を示す鉄骨梁8及び鉄骨梁補強金具2の断面図である。
符号の説明
2 鉄骨梁補強金具
4 本体部
6 フランジ部
8 鉄骨梁
10 ウェブ
12 貫通孔
14 ビード
20 鉄骨梁補強金具
24 鉄骨梁
25 柱
26 ウェブ
28 貫通孔

Claims (1)

  1. 鉄骨梁のウェブに形成された貫通孔の周部に固定されることにより前記鉄骨梁を補強する鉄骨梁補強金具であって、
    軸孔を有し略環状に形成され、軸方向一端側が前記貫通孔に嵌入して固定される本体部と、
    前記本体部の軸方向他端側かつ半径方向外側に一体的に鍔状に形成され、前記貫通孔の径よりも大きい径のフランジ部とを有し、
    前記鉄骨梁のウェブの厚さと前記補強金具の軸孔の軸方向と直角な開口面積との積により求められる体積に対する前記補強金具の体積の比が0.5から1.0未満までの間の値であり、
    前記貫通孔の周縁部の前記鉄骨梁のウェブの厚さに対する前記本体部の軸方向の長さの比が2から5までの間の値であると共に、
    前記本体部の軸孔の内周面から前記フランジ部の付け根までの半径方向の長さが、前記貫通孔の周縁部の前記鉄骨梁のウェブの厚さよりも大きい
    ことを特徴とする鉄骨梁補強金具。
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