JP4246588B2 - 鉄骨梁貫通孔の補強標準表示具および補強設計支援装置 - Google Patents

鉄骨梁貫通孔の補強標準表示具および補強設計支援装置 Download PDF

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Description

この発明は、鉄骨梁のウェブに、設備用配管類等を通すための貫通孔を設ける場合に、鉄骨梁の貫通孔の形成部周辺を補強する標準の補強内容を示す鉄骨梁貫通孔の補強標準表示具、および補強設計支援装置に関する。
鉄骨梁のウェブに貫通孔を設けて、設備用配管類を直接貫通させる有孔梁が多用されている。有孔梁を用いて階高を下げれば、鋼材量の削減や外壁面積の削減に繋がり、経済性に大きく貢献する。特に近年では、快適性の追求やOA化の進展に伴って空調容量等が増加し、梁に必要とされる貫通孔の量が増加している。
鉄骨造の梁に貫通孔を設けた場合の問題点は、梁耐力の低下と塑性変形能力の低下である。しかし、有孔梁については学会規準などの一般的な設計規準は定められておらず、各社、各設計者がそれぞれの考え方で標準を定め、補強しているというのが現状である。一般的には、梁貫通孔に作用する曲げモーメントやせん断力の大小にかかわらず、慣例的に貫通孔について補強を行っている。適宜の設計法の論文、書籍等を参考にして、スリーブ孔補強標準図を作成し、実務に活用することも行われているが、鉄骨梁に設ける貫通孔の位置までは考慮されておらず、鉄骨梁の長さ方向のどの位置に貫通孔を設ける場合も、同様な補強を行う補強標準図とされている。
加藤勉,金子洋文:鉄骨貫通孔の梁端からの限界距離について,日本建築学会構造系論文集,第496号,pp,105−112,1997.6 土井康夫,福知保長:円形孔を有するはりの耐力と設計法,実用的耐力演算算定の提案,日本建築学会構造系論文報告集,第357号,pp44−52,985.11
鉄骨梁に作用する曲げモーメント、せん断力は、材長によって変化し、梁端部での応力は大きく、逆に梁中央部の応力は小さい。このため、上記従来のスリーブ孔補強標準図に従うと、梁の中央部に貫通孔がある場合は、過剰な、つまり無駄な補強となる可能性がある。
この発明の目的は、梁断面,孔径,孔位置に応じて、必要な補強内容が判り、かつ孔位置に応じた補強不要領域が簡単に判り、無駄な補強をできるだけ避ける設計が容易に行える鉄骨梁貫通孔の補強標準表示具、および補強設計支援装置を提供することである。
この発明の鉄骨梁貫通孔の補強標準表示具(10)は、鉄骨梁のウェブに貫通孔を設ける場合に、鉄骨梁の貫通孔の形成部周辺を補強する補強内容を示す鉄骨梁貫通孔の補強標準表示具であって、次の表(11)により構成される。
この表(11)は、見出しとなる列(B0)の各行(A1〜Am)に、行見出し表示(12)として各種断面寸法の鉄骨梁の断面寸法情報を表示する。断面寸法情報は、断面寸法諸元であっても、また梁材の断面を示す区分、型番等の情報であっても良い。見出しとなる行(A0)の各列に列見出し表示(13)として、上記ウェブに明ける貫通孔の各種孔径を順に表示する。所定の行(An)の行見出し表示(14)として、梁端から無補強領域までの距離(L2)を示す行であることを示す。
この無補強領域までの距離(L2)を示す行(An)における各列部分となる各セル内に、上記無補強領域までの各種の距離(L2)を順に表示する。
上記表(11)の断面寸法情報で行見出し(12)が表示された任意の行(Ai)と孔径で列見出し(13)が表示された任意の列(Bj)とが交差する領域となるセル(Sij)内に、見出し表示内容に対応する断面寸法情報、孔径、およびそのセル(Sij)の位置する列(Bj)の上記所定行(An)に表示された無補強領域までの距離(L2)、の各条件に対応する補強内容(15)を表示する。
このセル(Sij)内に表示される補強内容(15)は、梁の貫通孔を設ける箇所が上記の無補強領域までの距離(L2)以上である場合に、
(梁に作用する曲げモーメント)<(補強された梁の曲げ耐力)
であって、かつ
(梁に作用するせん断力)<(補強された梁のせん断耐力)
となる条件を充足する補強内容である。
この補強内容として、補強が不要であるセル(Sij)には補強不要の旨を示す表示(15a)を施す。
なお、鉄骨梁の貫通孔の形成部周辺を補強する補強構造は、各種の構造を採用できるが、例えば梁に重ねて溶接する補強プレートを溶接する補強構造とする。この補強構造とする場合に、上記セル内に表示される補強必要な場合の補強内容は、例えば、補強プレートの幅および板厚寸法とする。
この構成の補強標準表示具(10)は、次のように使用される。設計しようとする鉄骨梁の断面の寸法情報、貫通孔の孔径、および梁端から孔中心位置までの距離に対応して、次のセル内の補強内容を見る。表(11)中の断面寸法情報で行見出し(12)が表示された任意の行(Ai)と、孔径で列見出しが表示された任意の列(Bj)とが交差する領域となる該当セル(Sij)を見る。この該当セル(Sij)内に、見出し表示内容に対応する断面寸法情報および孔径の場合に必要な補強内容(15)が示されている。また、この該当セル(Sij)内の補強内容は、その該当セル(Sij)の位置する列の所定行(An)に表示された無補強領域までの距離(L2)の各条件を充足する補強内容となっており、貫通孔を設ける位置が該当セルのある列の無補強領域までの距離(L2)よりも梁中央側の位置であれば、補強内容に示された補強を行えば良い。貫通孔を設ける位置が該当セル(Sij)の列の無補強領域までの距離(L2)よりも梁端側であれば、貫通孔を設けることができない。該当セル(Sij)内の補強内容として、補強不要の表示(15a)があれば、貫通孔周辺に補強を行う必要がない。
このように、無補強領域までの距離(L2)を表(11)中に示すようにしたため、補強標準として、補強が不要であることを簡明に表示でき、無駄に補強を行うことが回避される。また、各セル(Sij)内の補強内容を、貫通孔の梁端からの距離を条件に含めた内容としてあるため、孔位置が梁端に近い場合の余裕を補強内容に考慮する必要がなく、補強内容として示す補強量が削減できる。この補強標準表示具(10)を用いると、これらにより、無駄な補強をできるだけ避ける設計を容易に行うことができる。
この発明の鉄骨梁貫通孔の補強標準表示具(10)において、上記セル(Sij)内に表示される上記補強内容の表示(15)は、次の(16)式で示されるせん断耐力Qh が、(8) 式の作用せん断力を上回る場合に補強不要の表示とし、下回る場合に補強量を表示するものとし、補強量は、(21)式を充足する補強内容としても良い。
ただし、
d:梁端からの距離、
dQ:梁端からd離れた位置に作用するせん断力、
p :梁の全塑性モーメント、
w:梁に作用する等分布荷重、
L:梁スパン、
h:梁せい、
h :有孔部のせん断耐力
ph:有孔部ウェブの降伏せん断力
ph:Q=0時の有孔部の全塑性モーメント、
phf :Q=Qph時の有孔部フランジの全塑性モーメント、
h ’:補強有り孔部のせん断力
ph’:補強有孔部ウェブの降伏せん断耐力
ph’:Q=0時の補強有孔部の全塑性モーメント、
phf ’:Q=Qph時の補強有孔部フランジの全塑性モーメント、
この数式(8) 式、(16)式、(21)式による補強有無判断および補強内容が、効果的であることが、有限要素法を用いた数値解析によって検証できた。
なお、補強不要の表示は、(16)式で示されるせん断耐力Qh が、(8) 式の作用せん断力を上回る場合に行うが、この場合において、(16)式のせん断耐力Qh から安全量を差し引いた値が(8) 式の作用せん断力を上回る場合に補強不要の表示を行うものとしても良い。
この発明の鉄骨梁貫通孔の補強標準表示具(10)は、適用条件として、貫通孔の中心位置が鉄骨梁の梁芯から所定の偏芯量までの範囲に位置すること、および貫通孔が複数設けられる場合には、貫通孔間の距離が所定の離間距離以上であることを含むものとしても良い。これらの適用条件は、表(11)とは別に、または表(11)中に表示しておくことが望ましい。
この発明の鉄骨梁貫通孔の補強設計支援装置(30)は、鉄骨梁のウェブに貫通孔を設ける場合に、鉄骨梁の貫通孔の形成部周辺を補強する補強内容を示す鉄骨梁貫通孔の補強設計支援装置であって、鉄骨梁の断面寸法情報、梁長さ、貫通孔の孔径、および梁端から貫通孔中心までの距離を少なくとも含む条件データを入力しまたは所定のデータ登録手段から取り込む条件入力手段(31)と、この条件入力手段で得た条件データから、上記補強の有無判定および補強が必要な場合の補強量の演算を行う補強判定演算手段(32)と、この補強判定演算手段(32)で演算された結果を表示する演算結果表示手段(33)とを備える。
上記補強判定演算手段(32)は、次の(16)式で示されるせん断耐力Qh が、(8) 式の作用せん断力を上回る場合に補強不要と判定し、補強必要と判定した場合に、式(21)を充足する補強内容を演算するものとする。
ただし、式中の各文字の示す意味は、補強標準表示具(10)について示したとおりである。
この構成の補強設計支援装置(30)によると、鉄骨梁の断面寸法情報、梁長さ、貫通孔の孔径、および梁端から貫通孔中心までの距離等の条件データを入力することで、補強の有無判定、および補強が必要な場合の補強量の演算が行われ、その結果が表示される。そのため必要な補強内容が簡単にわかる。この場合の補強の有無判定および補強量の演算は、梁端から貫通孔中心までの距離を条件に含み、上記の各式によるため、孔位置に応じた必要な補強となり、無駄に補強を行うことが回避される。
この発明の鉄骨梁貫通孔の補強標準表示具は、鉄骨梁の断面寸法情報と孔径に対応させて補強内容を表示した表において、所定の行に梁端から無補強領域までの距離を示し、補強不要の条件となる箇所にその不要の表示を行うようにしたため、梁断面,孔径,孔位置に応じて、補強の必要有無が一目で判る。また、上記補強内容として梁端から孔位置までの条件を含んだ計算内容を表示するため、標準として示す補強量を、無駄な余裕を省いた補強量とできる。これらにより、過剰な補強をできるだけ無くし、必要な補強を行う設計が簡単に行える。
この発明の鉄骨梁貫通孔の補強設計支援装置は、梁端から貫通孔中心までの距離を条件に含み、上述の数式に従い、梁に作用する曲げモーメント、せん断力、および梁の曲げ耐力、せん断耐力を演算して補強の必要の有無および補強量を示すものであるため、画一的な補強による過剰補強を回避し、補強の不要を明確に示すと共に、過剰とならない必要補強量を示すことができる。
この発明の一実施形態を図面と共に説明する。図1,図2は、この鉄骨梁貫通孔の補強標準表示具を示し、図3は対象となる鉄骨梁および貫通孔の関係を、図4は鉄骨梁の形状とその補強構造の例をそれぞれ示す。
図4において、鉄骨梁1のウェブ1aに貫通孔2を設ける場合に、鉄骨梁1の貫通孔2の形成部周辺を補強プレート3等の補強手段で補強する。鉄骨梁1は、I形鋼からなり、ウェブ1aと上下のフランジ1bを有するものである。貫通孔2は円孔である。補強手段は、補強プレート3の他に、補強管やリブ状のスチフナー等であっても良いが、以下の例は、補強手段が補強プレート3である場合につき説明する。補強プレート3は、ウェブ1aに重ねて溶接される鋼板であり、鉄骨梁1に明ける貫通孔2よりも略溶接代分だけ大きな径の孔を形成した正方形状ないし矩形状の板とされる。補強プレート3の溶接は、例えばその外周および内周の全周に渡って行われる。補強プレート3をウェブ1aの両面に設けるか、片面に設けるかは、必要な補強量によって定められる。
図3において、鉄骨梁1に貫通孔2を設ける場合に、どれだけの補強が必要であるか、補強が不要であるか、また設けることが不可能であるかは、鉄骨梁1の断面寸法諸元、貫通孔2の孔径の他に、貫通孔2の梁端からの距離(すなわち柱フェース4aからの距離)によって変わる。これは、梁端からの距離によって、鉄骨梁1に作用する曲げモーメントおよびせん断力が変わり、梁スパンの中央ほど、荷重要件が軽減されるためである。
貫通孔2の孔径や鉄骨梁1の断面寸法によっても距離が変わるが、同図に示すように、梁端から所定の距離L1までは、鉄骨梁1に貫通孔2を設けることができない。この領域E1を塑性化領域E1と呼ぶことにする。梁端から所定の距離L2以上の領域E2は、補強を要しない。これを無補強領域E2と呼ぶことにする。この塑性化領域E1と無補強領域E2との間では、梁端からの距離等に応じた補強量の補強を行えば、支障なく貫通孔2を設けることができる。
図1,図2に示す鉄骨梁貫通孔の補強標準表示具10は、このような、梁断面寸法、孔径、孔位置に応じた補強の有無、補強量を、設計の標準として表に示したものである。図2は、補強標準表示具10となる表11の全体の概要を示し、図1は図2の一部を拡大して示す。図2に示すように、この実施形態では、鉄骨梁を細幅系列と中幅系列とに区分して、表の上下部分に分けて示しているが、必ずしもこの区分は必要ではない。この補強標準表示具10は、表11のみからなるものであっても良く、またこの表11と補足説明表示手段とを含むものであっても良い。補足説明表示手段については、後に説明する。上記の表11は、紙等に表示されたものに限らず、例えば電子データであって、画面または用紙等への出力によって、人間が視覚的に表として認識できるものであれば良い。
図1において、この補強標準表示具10となる表11は、見出しとなる列B0の各行A1〜Am(mは任意の整数)に、行見出し表示12として各種断面寸法の鉄骨梁の断面寸法情報を表示する。断面寸法情報は、断面寸法諸元であっても、また梁材の断面を示す区分、型番等の情報であっても良いが、この実施形態では断面寸法諸元を用いている。この断面寸法諸元として、梁せいH、梁幅B、ウェブ板厚t1、フランジ板厚t2、およびウェブ・フランジ間の角部断面円弧の曲率半径rを示している。
見出しとなる行A0の各列には、列見出し表示13として、上記ウェブ1b(図4)に明ける貫通孔2の各種孔径を順に表示する。図1の例では、「D=50」,「D=75」等の表示形態で、貫通孔直径を示す文字「D」とその数値とを表示している。
表11の所定の行Anには、行見出し表示14として、梁端から無補強領域E2(図3)までの距離L2を示す行である旨を示す。梁端の位置は柱フェースの位置のことであり、この表11では、行見出し表示14として、「柱フェースから無補強領域までの距離:L2」と示している。なお、貫通孔2の梁端からの距離は、鉄骨梁1の一端からの距離と他端からの距離とで異なるが、短い方の距離、つまり曲げモーメントが大きく計算される方の距離を上記の距離L2とする。表11を使用する場合も上記と同じく、短い方の距離を用いる。
この無補強領域E2までの距離L2を示す所定の行Anにおける各列部分となる各セルSn1…内に、無補強領域までの各種の距離L2を順に表示する。同図の例では、800mm、1400mm、700mm、2000mm、…の距離を表示している。この各セルSn1…内に示す距離L2の値は、設計の便宜等に応じて適宜の値とすれば良い。
表11において、断面寸法情報で行見出し12が表示された任意の行Aiと、孔径で列見出し13が表示された任意の列Bjとが交差する領域となるセルSij内に、各見出し表示12,13の内容に対応する断面寸法情報、孔径、およびそのセルSijの位置する列Bjの上記所定行AnのセルSniに表示された無補強領域までの距離L2を条件とする補強内容の表示15を施す。補強内容は、補強構造に応じかつ補強量を含む適宜の内容とすれば良いが、この例では、補強プレート3(図4)の板厚t、幅I、および1枚か2枚かの区別表示によって補強内容を示している。また、補強プレート3は正方形であるとし、その1辺の寸法を上記の幅Iとして示している。
各セルSij内の補強内容表示15の補強内容は、鉄骨梁1の貫通孔2を設ける箇所が上記の無補強領域までの距離L2以上である場合に、
(梁に作用する曲げモーメント)<(補強された梁の曲げ耐力)
であって、かつ
(梁に作用するせん断力)<(補強された梁のせん断耐力)
となる条件を充足する補強内容である。
この補強内容として、補強が不要であるセルSij内には、補強不要の旨を示す表示15aを施す。この例では、「無補強」と表示している。補強が不要である複数のセルSijが隣接する場合に、それらのセルSijを統合した範囲に、まとめて上記「無補強」等の補強不要の旨を示す表示15aを施しても良い。
貫通孔2の孔径が、鉄骨梁1の断面寸法に対して大きい場合は、強度不足となって孔明けが不可であるが、表11におけるそのようなセル内には「スリーブ穴明け不可」等のような孔明け不可の表示17が施される。
補強が必要な場合の補強内容の表示15(15a)は、具体的には次の(16)式で示されるせん断耐力Qh が、(8) 式の作用せん断力を上回る場合に補強不要の表示15aとし、下回る場合に補強量を表示するものとする。
補強内容は、次の(21)式を充足する内容とする。これら(8) 式、(16)式、(21)式の理由は、後に説明する。
ただし、
d:梁端からの距離、
dQ:梁端からd離れた位置に作用するせん断力、
p :梁の全塑性モーメント、
w:梁に作用する等分布荷重、
L:梁スパン、
h:梁せい、
h :有孔部のせん断耐力
ph:有孔部ウェブの降伏せん断力
ph:Q=0時の有孔部の全塑性モーメント、
phf :Q=Qph時の有孔部フランジの全塑性モーメント、
h ’:補強有り孔部のせん断力
ph’:補強有孔部ウェブの降伏せん断耐力
ph’:Q=0時の補強有孔部の全塑性モーメント、
phf ’:Q=Qph時の補強有孔部フランジの全塑性モーメント、
なお、この補強標準表示具10は、図4のように貫通孔2の中心位置が鉄骨梁1の梁芯と一致する場合、および図5のように貫通孔2が偏心していても、梁芯から孔中心までの偏心量eが所定の偏芯量までの範囲に位置する場合に用いることを適用条件としている。図6または図7に示すように、鉄骨梁1に貫通孔2が複数設けられる場合は、隣合う貫通孔2間の距離が所定の離間距離、例えば梁せいH以上であることを適用条件とする。この適用条件化で上記曲げ耐力,せん断耐力の条件が充足する補強内容が補強内容表示15に示される。このような適用条件、および適用条件を説明する図等は、表11とは別に設けた補足説明表示手段(図示せず)、または表11中に表示しておくことが望ましい。
この構成の補強標準表示具10は、次のように使用される。設計しようとする鉄骨梁1の断面の寸法情報、貫通孔2の孔径、および梁端から孔中心位置までの距離L2に対応して、次のセル内の補強内容を見る。表11中の断面寸法情報で行見出し12が表示された任意の行Aiと、孔径で列見出し13が表示された任意の列Bjとが交差する領域となる該当セルSijを見る。この該当セルSij内に、見出し表示12,13の内容に対応する断面寸法情報および孔径の場合に必要な補強内容が、補強プレート3の板厚,幅、枚数によって示されている。この該当セルSij内の補強内容は、その該当セルSijの位置する列Bjの所定行Anに表示された無補強領域までの距離L2の各条件を充足する補強内容となっており、貫通孔2を設ける位置が該当セルSijのある列Bjの無補強領域までの距離L2よりも梁中央側の位置であれば、補強内容表示15に示された補強を行えば良い。貫通孔2を設ける位置が無補強領域までの距離L2よりも梁端側であれば、貫通孔2を設けることができない。
該当セルSij内の補強内容として、補強不要の表示15aがあれば、貫通孔周辺に補強を行う必要がない。
このように、無補強領域までの距離L2を表11中に示すようにしたため、補強標準として、補強が不要であることを簡明に表示でき、無駄に補強を行うことが回避される。
また、各セルSij内の補強内容を、貫通孔2の梁端からの距離L2を条件に含めた内容としてあるため、孔位置か梁端に近い場合の余裕を補強内容に考慮する必要がなく、補強内容として示す補強量が削減できる。例えば、従来の画一的な補強の場合に比べて、全体的に板厚が1サイズ小さくなるなど、補強量が大幅に削減される。
この補強標準表示具10は、このように経済的な補強標準となっており、これを用いると、無駄な補強をできるだけ避ける設計を容易に行うことができる。
次に、上記各式(8),(16),(21) 等の根拠を説明する。
(1) 有孔梁の設計
(1-1) 終局時に貫通孔に作用する曲げモーメントとせん断力
加藤、金子の文献(非特許文献1)を参考にして、有孔梁の設計式を導く。図8に示すように、水平荷重と等分布荷重wを受ける梁を想定する。梁端部(無欠損部)の全塑性状態における曲げモーメントME とせん断力QE のM−Q相関関係(図9)を次式のように仮定する。
ここで、Mp は梁の全塑性モーメント、Mpfはフランジの全塑性モーメント、Qy はウェブの降伏せん断力(無欠損部)である。
梁が両端でせん断力を考慮した全塑性状態になっている時の曲げモーメント分布は次式で表される。
ここで、MpLとMpRはそれぞれ左端と右端の全塑性状態における曲げモーメント、Lは梁スパン、xは梁端からの距離、Wは梁に作用する等分布荷重である。
等分布荷重wは、終局時においてスパン内に最大曲げモーメントが生じないことを条件とする。この条件は(4) 式で表される。
全塑性状態における梁端せん断力は次式(5L),(5R)で表される。
ここでQL とQR は、それぞれ左端と右端の全塑性状態におけるせん断力である。
梁端の全塑性状態における曲げモーメントMpLとMpRは、(1) 式のQE に(5) 式を代入して連立方程式を解けば、次式が得られる。
ここでhは梁せいである。(6) 式を(5) 式に代入すれば、梁端の全塑性状態におけるせん断力QL とQR は次式で表される。
梁端からd離れた位置に作用するせん断力 dL dR は、(3) 式でx=d,L−dとし、(6) 式を用いれば次式で表される。上記のdは、図1,図3等に示した距離L2に対応する。
梁端からd離れた位置に作用する曲げモーメントdMpLとdMpRは、(2) 式でx=d,L−とし、(6) 式を用いれば次式で表される。
(1-2) 補強の要否判定
全塑性状態における有孔部の曲げ耐力Mh とせん断力Qh のM−Q相関関係を次式で与える(図10)。
ここで、MphはQ=0時の有孔部の全塑性モーメント、Mphf はQ=Qph時の有孔部フランジの全塑性モーメント、Qphは有孔部ウェブの降伏せん断力で、それぞれ次式で与える。
ここで、Mpfは梁のフランジのみの全塑性モーメントである。αは有孔梁のせん断耐力を求める時の孔中心断面のウェブのせん断耐力に対する低減係数、βは有孔梁の曲げ耐力Mphf のMpfに対する低減係数で、非特許文献2に示されている式を引用する。
ここでRは貫通孔の半径、Bは梁幅、tf はフランジ板厚、tW はウェブ板厚である。 (10)式の有孔部の曲げ耐力Mh が(9) 式の作用モーメント dL および dR に等しくなる時の有孔部のせん断耐力Qh は次式で表される。
このQh が(8) 式の作用せん断力を上回る場合は補強不要、下回る場合は補強が必要となる。
(1-3) 必要補強量の算定
補強が必要な場合は、板厚tp の補強プレートをウェブに溶接して有孔部を補強する。図11に補強方法を示す。全塑性状態における補強有孔部の曲げ耐力Mh ’と、せん断耐力Qh ’のM−Q相関関係を次式で与える。
ここで、Mph’はQ=0時の補強有孔部の全塑性モーメント、Mphf ’はQ=Qph時の補強有孔部フランジの全塑性モーメント、Qph’は補強有孔部ウェブの降伏せん断耐力であり、それぞれ次式で与える。
ここで、tp は補強プレートの板厚、Lp は補強プレートの幅、eは有孔部の溶接しろである。
(17)式の補強有孔部の曲げ耐力Mh ’が、(9) 式の作用曲げモーメント dL dR に等しくなる時の補強有孔部のせん断力Qh ’は次式で表される。
このQh ’が(8) 式の作用せん断力を上回ることを条件として、補強プレートの板厚および幅を算定する。
(2)数値解析による検証
有限要素法を用いた数値解析により、設計式ならびに補強の妥当性について検討する。解析方法は材料非線形と幾何学的非線形を考慮した弾塑性有限要素解析で、汎用構造解析プログラムMSC.Marc2000(商品名)を用いて行った。
図12に解析対象、図13に有限要素モデルを示す。要素は4節点厚肉シェル要素を用いている。材端に集中荷重が作用する片持梁を想定し、等分布荷重についてはw=0と仮定する。
表1に解析モデルの一覧を示す。解析パラメータは梁サイズについて5種類、材長さについて3種類で、それぞれ無孔梁、有孔梁、補強有孔梁の3種類を設定し、全部で45例の数値解析を行った。貫通孔の径は梁せいHの0.6倍とし、梁端からH離れた位置に孔を設けた。補強部分の板厚と幅は、3節で導いた設計式に基づいて設定した。
図14は、梁サイズH-500x200x10x16 、材長さ3,000mm の解析例について、無孔梁と有孔梁の荷重- 変形関係を比較して示したものある。また図15は、部材角θ=0.15の時の開口部周辺の変形及び応力分布の状態を示したものである。無補強有孔梁は開口部周辺の塑性化が先行し、ウェブの座屈に伴って早期に耐力が低下している。一方、補強した有孔梁は、開口部周辺の歪集中が緩和されて、無孔梁と同等の耐力と塑性変形能力を有している。
図16は耐力上昇率について、有孔梁と無孔梁を比較して示したものである。ここで、耐力上昇率は最大耐力を無孔梁の全塑性モーメントで除したものである。縦軸に有孔梁、横軸に無孔梁の値をとっており、○印は無補強有孔梁、●印は補強した有孔梁を示している。無補強有孔梁は無孔梁に比べて大幅に耐力が低下している。一方、補強した有孔梁は無孔梁に比べてほぼ同等の耐力を有している。
図17は塑性変形能力について、有孔梁と無孔梁とを比較して示したものである。ここで、塑性変形能力は最大耐力時の変形を全塑性モーメントに対応する弾性部材角で除したものである。縦軸に有孔梁、横軸に無孔梁の値をとっており、○印は無補強有孔梁、●印は補強した有孔梁を示している。無補強有孔梁は無孔梁に比べて大幅に塑性変形能力が低下している。一方、補強した有孔梁は無孔梁に比べて、同等以上の塑性変形能力を有している。
(3)まとめ
このように、梁端部に貫通孔を有する梁を、プレート補強により補強する例について、既往の研究成果を参考にして設計式を導き、数値解析により設計式の妥当性について検討した。梁端部に貫通孔を有する場合でも、プレート補強により適切な補強を施せば、無孔梁と同等の耐力と塑性変形能力を有することを示した。
以上の研究結果に基づいて、上記の補強標準表示具10(図1,図2)を作成した。この特徴は、次の各点である。
・梁中央部に無補強領域を設定した。
・補強量を梁端からの孔位置に応じて設定した。
・梁端からの孔位置に応じた補強量とすることで、梁端部に孔を明ける場合も示した。
次に、図18ないし図21と共に、鉄骨梁貫通孔の補強設計支援装置30につき説明する。この補強設計支援装置30は、コンピュータにより構成される。この補強設計支援装置30は、上記のように鉄骨梁1(図4)のウェブ1aに貫通孔2を設ける場合に、鉄骨梁1の貫通孔2の形成部周辺を補強する補強内容を示すものであって、次の条件入力手段31、補強判定演算手段32、演算結果表示手段33、および表示装置34を備える。表示装置34は、液晶表示装置やCRT等の画面表示を行う装置である。
条件入力手段31は、鉄骨梁の断面寸法情報、梁長さ、貫通孔の孔径、および梁端から貫通孔中心までの距離dを少なくとも含む条件データを入力し、または所定のデータ登録手段から取り込む手段である。条件入力手段31によるデータ入力は、キーボード等からオペレータが入力するようにしても、また適宜の建物設計過程で自動入力されるものとしても良い。条件入力手段31は、具体的には、例えば図19に示すように、入力画面G1を表示装置34に出力し、この画面に、入力項目に対応した空欄部分を設け、この空欄部分に入力項目となる数値または数字,記号等を入力させるものとする。
図18の演算結果表示手段33は、補強判定演算手段32で演算された結果を表示装置34またはプリンタ等に出力する手段である。図19の下部に、その演算結果の出力画面G2の例を示す。同図の例では、入力画面G1と演算結果の出力画面G2とが同じ表示装置34の同じ画面上に並べて表示されている。
図18の補強判定演算手段32は、条件入力手段31で得た条件データから、上記補強の有無の判定および補強が必要な場合の補強量の演算を行う手段である。
この補強判定演算手段は、次の(16)式で示されるせん断耐力Qh が、(8) 式の作用せん断力を上回る場合に補強不要と判定し、補強必要と判定した場合に、(21)式を充足する補強内容を演算するものとされる。式中の各符号の示す意味は、補強標準表示具10について説明した意味と同じである。
補強計算としては、補強手段として図4に示すような補強プレート3を用いる場合の板厚、幅、および枚数が1枚か2枚かの区別について行う。
図20,図21は、図18の補強判定演算手段32の各演算ステップの流れ図である。この補強判定演算手段32は、次の各ステップT1〜T9を有する。
・梁端モーメントと等分布荷重を受ける梁の想定過程(T1)。
・スパン中央に最大曲げモーメントが生じない条件の演算過程(T2)。
・梁端から距離dの位置に作用するせん断力の演算過程(T3)。
・梁端からd位置に作用する曲げモーメントの演算過程(T4)。
・有孔部曲げ耐力が作用曲げモメントに等しくなるときの有孔部のせん断耐力の演算過程(T5)。
・有孔部ウェブの降伏せん断耐力の演算過程(T6)。
・(作用せん断力)<(終局せん断耐力)の条件より補強有無を判断する過程(T7)。・補強有孔部曲げ耐力が作用曲げモーメントに等しくなるときの補強有孔部のせん断耐力を演算する過程(T8)。
・(作用せん断力)<(終局せん断力)の条件より、補強量を演算する過程(T9)。
図20,図21の各ステップで行う演算は、上記の(8) 式、(16)式、(21)式と、これらの式(8) ,(16),(21)に代入する値を導く演算であり、上記の式(1) 〜(21)と共に前述したため、各ステップ中に演算式を示し、重複する説明を省略する。
この構成の補強設計支援装置30によると、鉄骨梁1の断面寸法情報、梁長さ、貫通孔2の孔径、および梁端から貫通孔中心までの距離d等の条件データを入力することで、補強の有無判定、および補強が必要な場合の補強量の演算が行われ、その結果が表示装置34の画面に表示される。そのため必要な補強内容が簡単にわかる。この場合の補強の有無判定および補強量の演算は、梁端から貫通孔中心までの距離dを条件に含み、上記の各式によるため、孔位置に応じた必要な補強となり、無駄に補強を行うことが回避される。
この発明の一実施形態にかかる鉄骨梁貫通孔の補強標準表示具となる表の要部の説明図である。 同表の全体の説明図である。 鉄骨梁の各領域の説明図である。 (A),(B)はそれぞれ鉄骨梁の貫通孔形成部分における補強状態の正面図および断面図である。 (A),(B)はそれぞれ鉄骨梁の偏心した貫通孔の形成部分における補強状態の正面図および断面図である。 (A),(B)はそれぞれ鉄骨梁の2つの貫通孔の形成部分における補強状態の正面図および断面図である。 (A),(B)はそれぞれ鉄骨梁の2つの偏心した貫通孔の形成部分における補強状態の正面図および断面図である。 終局時に梁に作用する外力の説明図である。 梁端部のM−Q相関関係を示すグラフである。 有孔部のM−Q相関関係を示すグラフである。 梁の補強方法を示す打面図および部分正面図である。 解析対象となる片持梁の正面図である。 有限要素モデルの斜視図である。 荷重- 変形関係を示すグラフである。 (A),(B)はそれぞれ無補強および補強有りの場合の終局時の応力状態を示す説明図である。 補強有無の耐力上昇率の比較を示すグラフである。 補強有無の塑性変形能力の比較を示すグラフである。 この発明の一実施形態にかかる補強設計支援装置の概念構成のブロック図である。 同補強設計支援装置の入力および出力画面例の説明図である。 同補強設計支援装置の演算処理過程の流れ図である。 同流れ図に続く演算処理過程の流れ図である。
符号の説明
1…鉄骨梁
2…貫通孔
3…補強プレート
4…柱
10…補強標準表示具
11…表
12…行見出し表示
13…列見出し表示
14…無補強領域までの距離を示す行であることを示す表示
15…補強内容表示
15a…補強不要の旨を示す表示
E1…塑性化領域
E2…無補強領域
L1…塑性化領域までの距離
L2…無補強領域までの距離

Claims (4)

  1. 鉄骨梁のウェブに貫通孔を設ける場合に、鉄骨梁の貫通孔の形成部周辺を補強する補強内容を示す鉄骨梁貫通孔の補強標準表示具であって、
    表の見出しとなる列の各行に行見出し表示として各種断面寸法の鉄骨梁の断面寸法情報を表示し、上記表の見出しとなる行の各列に列見出し表示として、上記ウェブに明ける貫通孔の各種孔径を順に表示し、上記表の所定の行の行見出し表示として、梁端から無補強領域までの距離を示す行であることを示し、
    この無補強領域までの距離を示行における各列部分となる各セル内に、上記無補強領域までの各種の距離を順に表示し、
    上記表の断面寸法情報で行見出しが表示された任意の行と孔径で列見出しが表示された任意の列とが交差する領域となるセル内に、見出し表示内容に対応する断面寸法情報、孔径、およびそのセルの位置する列の上記所定行に表示された無補強領域までの距離、の各条件に対応する補強内容を表示し、
    このセル内に表示される補強内容は、梁の貫通孔を設ける箇所が上記の無補強領域までの距離以上である場合に、
    (梁に作用する曲げモーメント)<(補強された梁の曲げ耐力)
    であって、かつ
    (梁に作用するせん断力)<(補強された梁のせん断耐力)
    となる条件を充足する補強内容であり、
    この補強内容として、補強が不要であるセルには補強不要の旨を示す表示を施したことを特徴とする鉄骨梁貫通孔の補強標準表示具。
  2. 請求項1において、上記セル内に表示される上記補強内容の表示は、
    次の(16)式で示されるせん断耐力Qh が、(8) 式の作用せん断力を上回る場合に補強不要の表示とし、下回る場合に補強量を表示するものとし、
    補強量は、式(21)を充足する内容とする鉄骨梁貫通孔の補強標準表示具。
    ただし、
    d:梁端からの距離、
    dQ:梁端からd離れた位置に作用するせん断力、
    p :梁の全塑性モーメント、
    w:梁に作用する等分布荷重、
    L:梁スパン、
    h:梁せい、
    h :有孔部のせん断耐力
    ph:有孔部ウェブの降伏せん断力
    ph:Q=0時の有孔部の全塑性モーメント、
    phf :Q=Qph時の有孔部フランジの全塑性モーメント、
    h ’:補強有り孔部のせん断力
    ph’:補強有孔部ウェブの降伏せん断耐力
    ph’:Q=0時の補強有孔部の全塑性モーメント、
    phf ’:Q=Qph時の補強有孔部フランジの全塑性モーメント、
  3. 請求項1または請求項2において、貫通孔の中心位置が鉄骨梁の梁芯から所定の偏芯量までの範囲に位置する場合であること、および貫通孔が複数設けられる場合には、貫通孔間の距離が所定値以上であることを適用条件とする鉄骨梁貫通孔の補強標準表示具。
  4. 鉄骨梁のウェブに貫通孔を設ける場合に、鉄骨梁の貫通孔の形成部周辺を補強する補強内容を示す鉄骨梁貫通孔の補強設計支援装置であって、
    鉄骨梁の断面寸法情報、梁長さ、貫通孔の孔径、および梁端から貫通孔中心までの距離を少なくとも含む条件データを入力しまたは所定のデータ登録手段から取り込む条件入力手段と、
    この条件入力手段で得た条件データから、上記補強の有無判定および補強が必要な場合の補強量の演算を行う補強判定演算手段と、
    この補強判定演算手段で演算された結果を表示する演算結果表示手段とを備え、
    上記補強判定演算手段は、次の(16)式で示されるせん断耐力Qh が、(8) 式の作用せん断力を上回る場合に補強不要と判定し、補強必要と判定した場合に、式(21)を充足する補強量の補強内容を演算するものとした鉄骨梁貫通孔の補強設計支援装置。
    ただし、
    d:梁端からの距離、
    dQ:梁端からd離れた位置に作用するせん断力、
    p :梁の全塑性モーメント、
    w:梁に作用する等分布荷重、
    L:梁スパン、
    h:梁せい、
    h :有孔部のせん断耐力
    ph:有孔部ウェブの降伏せん断力
    ph:Q=0時の有孔部の全塑性モーメント、
    phf :Q=Qph時の有孔部フランジの全塑性モーメント、
    h ’:補強有り孔部のせん断力
    ph’:補強有孔部ウェブの降伏せん断耐力
    ph’:Q=0時の補強有孔部の全塑性モーメント、
    phf ’:Q=Qph時の補強有孔部フランジの全塑性モーメント、
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