JP5063080B2 - 半導体素子の評価方法 - Google Patents

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Description

本発明は、半導体装置の検査方法に関する。詳しくは、半導体素子内の電荷がトラップされている層を判別する方法に関する。
近年、電界効果型トランジスタ(Field Emission Transistor。以下、FETという。)を搭載した半導体装置についての技術開発が盛んに行われている。FETとしては、単結晶シリコン上に形成したMOS−FET(Metal Oxide Silicon―FET)や、絶縁性基板上に形成した薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor。以下、TFTという。)が挙げられる。特に、ガラス基板上にTFTを形成し、該TFTにより画素に印加される電圧を制御するアクティブマトリクス型表示装置の普及はめざましい。
FETにおいて、最も重要な電気的特性の一つに閾値電圧とフラットバンド電圧がある。閾値電圧とは、半導体中のキャリア密度と、反転状態において半導体層と絶縁層の界面に誘起されたキャリア密度が一致するゲート電圧である。つまり、閾値電圧はトランジスタが動作する電圧を決定する、重要なパラメータである。また、フラットバンド電圧とは、デバイスのエネルギーバンドがフラットになるときのゲート電圧で定義される。フラットバンド電圧からゲート電圧を正又は負に大きくしていくとバンドが反転に近づき電流が流れ出す。従って、フラットバンド電圧はVgs−Ids曲線のオフ電流とオン電流との変曲点とみなすことができる。閾値電圧等が何らかの要因により変化すると、トランジスタの特性に影響を及ぼす。例えば、N型TFTでは閾値電圧が正にシフトすることにより動作電圧が上昇し、待機時の消費電力は減少するが、動作時の消費電力は増加する。逆に、閾値電圧が負にシフトすることにより動作電圧は下降し、動作時の消費電力は減少するが、待機時の消費電力は増加する。また、更には、シフトが正であっても、負であっても、シフト量が大きい場合にはTFTとして動作しなくなる。
閾値電圧は、注入されたドーパント(不純物)の活性化率(以下、ドーパント活性化率と表記する)やキャリアの濃度分布(以下、キャリア密度と表記する)に起因して決定される。そのため、所望の特性を有する半導体素子を得るためには、ドーパント活性化率やキャリア密度を制御する必要がある。なお、ドーパント活性化率とは、半導体層に注入されたドーパント量に対する、実際に活性化されたドーパント量の比で表される。また、キャリア密度とは、実際にチャネル領域を流れるキャリアの量であり、印加電圧によっても変化する。特に、ドーパント活性化率が100%のとき、ドーパントの密度とキャリア密度とは等しくなる。半導体素子のドーパント活性化率を求める技術として、本発明者により提供された技術が特許文献1に開示されている。特許文献1には、求められた活性化率を基にした適切なしきい値電圧制御、つまりドーズ量の制御を行ったデバイスの製造方法を提供する方法が開示されている。
このように、半導体素子を作製するに際して、特性の評価を詳細に行い、特性に影響している要因を明らかにすることは極めて重要である。要因となる箇所を明らかにすることにより、問題のある作製工程を改善することができるためである。このような技術の一つとして、例えば、半導体素子内の格子点位置が半導体と絶縁体の界面上に位置するか否かを判別する方法がある(例えば、特許文献2)。
特開2004−186677号公報 特開2000−183326号公報
半導体素子の作製プロセスは多くの工程を有し、非常に複雑であるため、ある特性に影響している要因を明らかにすることは困難である。例えば、閾値電圧が変動する主な要因として、薄膜トランジスタを構成する絶縁層等にトラップされている電荷(電子又は正孔)が考えられる。電荷がトラップされる主な場所として、絶縁層中又は絶縁層と半導体層の界面が考えられるが、電荷がトラップされている位置が絶縁層中であるか、又は絶縁層と半導体層の界面であるかを判別することは困難であった。そこで、本発明は、半導体素子において、電気的特性の計測結果から、電荷がトラップされている層を判別する方法を提供する。
本発明の一形態は、半導体基板上にゲート電極層と、該半導体基板と該ゲート電極層との間に介在する絶縁層とが設けられた電界効果型トランジスタを有する半導体素子の評価方法であって、前記電界効果型トランジスタのゲート電圧に対するドレイン電流特性を測定する第1の測定をし、前記電界効果型トランジスタに負荷をかけて電荷を注入し、前記電荷が注入された電界効果型トランジスタのゲート電圧に対するドレイン電流特性を測定する第2の測定をし、前記第1の測定の結果と前記第2の測定の結果から、閾値電圧の変化量とフラットバンド電圧の変化量を算出し、前記閾値電圧の変化量と前記フラットバンド電圧の変化量との関係から電荷がトラップされる位置を判別することを特徴とする半導体素子の評価方法である。
本発明の別形態は、半導体基板上にゲート電極層と、該半導体基板と該ゲート電極層との間に介在する絶縁層とが設けられた電界効果型トランジスタを有する半導体素子の評価方法であって、前記電界効果型トランジスタのゲート電圧に対するドレイン電流特性を測定する第1の測定をし、前記電界効果型トランジスタに負荷をかけて電荷を注入し、前記電荷が注入された電界効果型トランジスタのゲート電圧に対するドレイン電流特性を測定する第2の測定をし、前記第1の測定の結果と前記第2の測定の結果から、閾値電圧の変化量とフラットバンド電圧の変化量を算出し、前記閾値電圧の変化量に対する前記フラットバンド電圧の変化量が、一定の範囲内のときに電荷がトラップされる位置を絶縁層中であると判定することを特徴とする半導体素子の評価方法である。
上記構成の本発明において、前記閾値電圧の変化量に対する前記フラットバンド電圧の変化量が、前記一定の範囲外のときに電荷がトラップされる位置を半導体基板と絶縁層との界面であると判定する。
本発明の別形態は、ゲート電極層と、半導体層と、該ゲート電極層と該半導体層の間に介在する絶縁層とが設けられた薄膜トランジスタを有する半導体素子の評価方法であって、前記薄膜トランジスタのゲート電圧に対するドレイン電流特性を測定する第1の測定をし、前記薄膜トランジスタに負荷をかけて電荷を注入し、前記電荷が注入された薄膜トランジスタのゲート電圧に対するドレイン電流特性を測定する第2の測定をし、前記第1の測定の結果と前記第2の測定の結果から、閾値電圧の変化量とフラットバンド電圧の変化量を算出し、前記閾値電圧の変化量と前記フラットバンド電圧の変化量との関係から電荷がトラップされる位置を判別することを特徴とする半導体素子の評価方法である。
本発明の別形態は、ゲート電極層と、半導体層と、該ゲート電極層と該半導体層の間に介在する絶縁層とが設けられた薄膜トランジスタを有する半導体素子の評価方法であって、前記薄膜トランジスタのゲート電圧に対するドレイン電流特性を測定する第1の測定をし、前記薄膜トランジスタに負荷をかけて電荷を注入し、前記電荷が注入された薄膜トランジスタのゲート電圧に対するドレイン電流特性を測定する第2の測定をし、前記第1の測定の結果と前記第2の測定の結果から、閾値電圧の変化量とフラットバンド電圧の変化量を算出し、前記閾値電圧の変化量に対する前記フラットバンド電圧の変化量が、一定の範囲内のときに電荷がトラップされる位置を絶縁層中であると判定することを特徴とする半導体素子の評価方法である。
上記構成の本発明において、前記閾値電圧の変化量に対する前記フラットバンド電圧の変化量が、前記一定の範囲外のときに電荷がトラップされる位置を半導体層と絶縁層との界面であると判定する。
上記構成の本発明において、前記一定の範囲はずれ量Δを用いると、前記閾値電圧の変化量ΔVthをX軸、前記フラットバンド電圧の変化量ΔVshiftをY軸としたXY平面上のX−Δ≦Y≦X+Δで表され、前記ずれ量Δは
(但し、Wは遷移領域(界面)の幅、Toxは絶縁膜の厚さ)で表されることが好ましい。
上記構成の本発明において、前記フラットバンド電圧は前記薄膜トランジスタ及び前記電荷が注入された薄膜トランジスタのゲート電圧に対するドレイン電流特性の測定結果から作成された曲線の、飽和領域における接線が所定の電流値になるときの電圧であることが好ましい。
本発明の半導体素子評価方法を用いることで、半導体素子中の電荷のトラップされる位置が絶縁層中であるか、絶縁層と半導体層の界面であるかを特定することができる。これにより、半導体素子の作製工程において、問題のある工程が明確になり、該当箇所の工程について改善を検討することができる。例えば、電荷のトラップされる位置が半導体層と絶縁層の界面であれば、半導体層形成後、絶縁層の形成前に洗浄を行う等の対策を講じることができる。一方で、電荷のトラップが絶縁層に生成しているのであれば、当該絶縁層を形成するときの条件等を検討すればよい。このように、電荷のトラップされる場所を特定することにより、作製工程の改善を図ることができる。そのため、従来よりも電気的特性が良好で、且つ、信頼性の高いTFTを作製することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。但し、本発明は多くの異なる態様で実施することが可能であり、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って本実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
(実施の形態1)
本実施の形態では、本発明を適用した半導体装置の評価方法について説明する。図1には本実施の形態で用いるFETの概念図を示す。図1のFETはP型の不純物が導入されたシリコン基板115、n型の不純物が導入されたソース電極(又はドレイン電極)111、n型の不純物が導入されたドレイン電極(又はソース電極)112、ゲート絶縁層113、及びゲート電極層114を有する。
まず、図1に示すFETについて、電気的特性を測定(第1の測定という。)する。ここでは、ソース電極(又はドレイン電極)111とドレイン電極(又はソース電極)112間の電圧(電位差)Vdsを一定にし、ソース電極の電位に対するゲートの電位Vgsを変化させ、ゲート電圧の変化に対するソース電極とドレイン電極間の電流(Ids)の変化を測定する。
電気的特性の測定は、測定用のプローブをゲート電極と、ソース電極と、ドレイン電極と、に接続して行う。
ドレイン電流Idsのゲート電圧Vgsに対する依存性は、Vssを共通電位又はアースとし、ソース電極とドレイン電極の間の電圧Vdsを一定にしてソース電極とゲート電極間の電圧Vgsを変化させる。このとき測定される、ソース電極とドレイン電極間に流れる電流Idsと、ソース電極とゲート電極間の電圧Vgsの関係からVthとシフト電圧Vshiftが求められる。
プローブを接続した状態で、ソース電極とドレイン電極の間の電位差Vdsを一定に保持したまま、ソース電極とゲート電極間の電圧Vgsを所定の間隔で変化させ、ソース電極とドレイン電極の間の電流Idsを測定する。ソース電極とドレイン電極間の電流Idsは、ソース電極とゲート電極間の電圧Vgsに応じて変化する。なお、以下では、ソース電極とゲート電極間の電圧Vgsをゲート電圧と表記する。
以上のようにして、ゲート電圧Vgsに対するソース電極とドレイン電極間に流れる電流Idsの値の変化が得られる。Idsについて自然対数ln(Ids)を算出する。そして、Vgsを横軸に、ln(Ids)を縦軸にして、Vgsとln(Ids)の値をプロットすると、図3に示すようなグラフが得られる。
次に、第2の測定を行う前に、第1の測定を行ったFETに電荷を注入する。電荷の注入は、FETに負荷をかけることにより行う。FETに負荷をかける方法の代表的なものとして、BT(Bias Temperature)ストレス法や、ホットキャリア注入法がある。
BTストレス法とは、ストレスをかけようとするFETが形成された基板を加熱し、基板が高温の状態でゲート電圧に高電圧を印加する方法である。基板の温度は約100℃から150℃程度の高温とする。基板を高温に保持したままゲート電圧を高い電圧にすることで、ゲート電極層とゲート絶縁層の界面、又はゲート絶縁層と半導体層の界面に電子が誘起される。電子が誘起される場所は、ゲート電圧が正の場合にはゲート絶縁層と半導体層の界面に、ゲート電圧が負の場合にはゲート電極層とゲート絶縁層の界面となる。そして、ある確率で、前記界面の各々に形成されるポテンシャルの障壁を越えてゲート絶縁層中に電子が注入される。基板温度を高温にすることで、誘起される電子のエネルギーが増大し、電子の注入を加速することができる。また、欠陥が存在するとそれらがポテンシャル障壁を下げ、より電子が注入されやすくなることがある。
一方、ホットキャリア注入法とは、ドレイン電極の電位を高電位にすることにより、ソース電極とドレイン電極の間の電圧Vdsを高電圧にして電子を加速させることで、高エネルギーの電子(ホットキャリア)をドレイン端に発生させ、その高エネルギーの電子が界面のポテンシャルを容易に越えて電子が注入される方法である。ここで、FETの閾値電圧をVthとすると、VgsからVthを引いた値がVdsよりも小さくなるようにする。このようなVgsからVthを引いた値がVdsよりも小さくなる領域を飽和領域という。
なお、ホットキャリア注入法による電荷の注入は飽和領域にて行う。飽和領域とは、ドレイン電流(ソース電極とドレイン電極間に流れる電流Ids)がドレイン電圧(ソース電極とドレイン電極間の電圧Vds)に依存せず飽和する、バイアス印加状態の領域を言う。このときドレインの電界はドレイン端に生じる空乏層にほとんど印加されるため、空乏層領域では高電界が生じる。この高電界によってキャリアは加速され、特にドレイン電圧が大きい場合は高いエネルギーを持ったホットキャリアとなる。ホットキャリアはゲート絶縁層と半導体層の界面に欠陥を生成し、又は絶縁層中に侵入して電荷を生じさせる。一方、線形領域とは、ドレイン電流がドレイン電圧に対して線形に変化するバイアス印加状態の領域を言う。線形領域ではオームの法則が成り立つ。また、線形領域ではドレイン電圧はチャネル全体に働き、ドレイン電圧による電界は飽和領域に比べて小さい。そのため飽和領域に比べてホットキャリアも発生し難い。飽和領域でドレイン電圧Vdsを増加させるに伴い、ドレイン端の電界が大きくなり、ホットキャリアのエネルギーも増大する。実際のストレス条件はデバイスのサイズやプロセスに応じて設定する。例えば、一例としてTFTを挙げると、チャネル長Lが10μm、チャネル幅Wが8μmのTFTでは、Vssを共通電位とし、Vgs=Vth±1V、Vds=±20Vの負荷を数秒から数百秒印加してストレス後のオン電流や閾値電圧等の劣化を評価する。
なお、本実施の形態ではBTストレス法を用いて電荷の注入を行う。
以上のように負荷をかけたTFTについて、電気的特性を測定する。ここでは、ソース電極とドレイン電極間の電圧Vdsを一定にし、ソース電極の電位に対するゲートの電位Vgsを変化させ、ゲート電圧の変化に対するソース電極とドレイン電極間の電流(Ids)の変化を測定する。
ここでシフト電圧(Vshift)という概念を導入する。シフト電圧Vshiftとは、図3に示すIds−Vgs曲線の飽和領域である領域30に接線を引き、この接線がIds=10−12A(アンペア)となるときのゲート電圧Vgsで定義する。シフト電圧はソース電極とドレイン電極間の電流(Ids)が流れ始めるゲート電圧Vgsであり、おおよそフラットバンド電圧に相当する。ここでは、シフト電圧Vshiftを定義するにあたって、ドレイン電流Idsが10−12A(アンペア)のときの値を用いたが、これはFETのサイズや活性層の結晶性等に依存し、シフト電圧を定義するドレイン電流は必ずしもこの値に限定されるものではない。上記のようにシフト電圧はフラットバンド電圧に近い値となるため、本明細書中では便宜上、シフト電圧をフラットバンド電圧と等しいものとし、以下、シフト電圧Vshiftをフラットバンド電圧と表記する。
次に、閾値電圧Vthを求める。閾値電圧はMOSFET(Metal Oxide Silicon Field Emission Transistor)のグラジュアルチャネル近似を用いて、以下に示す飽和領域についての数1から求めることができる。
ここで、Lはトランジスタのチャネル長、Wはトランジスタのチャネル幅であり、Coxは絶縁膜(絶縁層)容量、μは移動度を表している。
以上のようにして第2の測定(電荷注入後)の閾値電圧VthをVth(after)、第1の測定(電荷注入前)の閾値電圧VthをVth(initial)と表記する。同様に、第2の測定(電荷注入後)のシフト電圧VshiftをVshift(after)、第1の測定(電荷注入前)のシフト電圧VshiftをVshift(initial)と表記する。Vth(after)とVth(initial)の差を閾値電圧の変化量ΔVthとし、Vshift(after)とVshift(initial)の差をフラットバンド電圧の変化量ΔVshiftとする。なお、本発明では便宜上、シフト電圧をフラットバンド電圧と等しいものとする。
ここで、電荷がトラップされている主な場所が(A)絶縁層中である場合と、(B)絶縁層と半導体層の界面である場合の各々についてVgsを横軸に、ln(Ids)を縦軸にとった、Ids−Vgs特性曲線を図4に示す。図4(A)では、電荷の注入前後において、Ids−Vgs特性曲線は互いに平行移動した関係にあり、特性曲線の形状が変化しない。従って、ΔVthとΔVshiftは等しくなる。それに対して図4(B)では、電荷の注入前後において、二つのIds−Vgs特性曲線は平行移動した関係にはなく、特性曲線の形状が変化する。この場合にはΔVthとΔVshiftは等しくならず、ずれ量を生じる。
図4(A)と(B)のような差異が生じる要因について、図12に示すエネルギーバンド図を用いて説明する。図12(A)は絶縁層と半導体層の界面に欠陥準位が存在する場合の熱平衡時のエネルギーバンド図を示している。この場合はフェルミ準位より低エネルギー側に位置する欠陥準位のみに電子が充填される。つまり、界面のフェルミ準位の位置によって界面にトラップされる電子の密度、すなわち電荷量が変化する。界面のフェルミ準位はゲート電圧によって変化し、ゲート電圧が正に大きくなるに従って界面のフェルミ準位は伝導帯に近づく(高エネルギー側にシフトする)。そのため、界面にトラップされる電子の密度は増大する。
図12(B)はゲート電圧に正の電圧を印加した場合のエネルギーバンド図を示している。図12(A)と比較して、界面の電子密度が大きくなっていることがわかる。このように、ゲート電圧によって界面の電荷量が変化するため、ゲート電圧によってゲート電圧の電界を遮蔽する電界の強さが変化する。従って、絶縁層と半導体層の界面に電子がトラップされる場合にはストレス印加前後の閾値電圧の変化量ΔVthとフラットバンド電圧の変化量ΔVfbは等しいものにならない。一方、絶縁層中に電子がトラップされる場合は絶縁層中の電荷はフェルミ準位に依存しない(又はゲート電圧に依存しない)ためΔVthとΔVfbは等しくなる。これらの理由により、図4(A)と図4(B)のような違いが生じる。
図5にはΔVthとΔVshiftについて、ΔVshiftを横軸(X軸)に、ΔVthを縦軸(Y軸)にとって各々の値をプロットしたグラフを示す。電荷がトラップされている層が絶縁層中である場合には値はほぼ、Y=Xの直線上に存在する(つまり、ΔVthとΔVshiftがほぼ等しい値をとる)が、電荷がトラップされている層が絶縁層と半導体層の界面である場合には、Y=Xの直線上に存在しない。そのため、ΔVthに対するΔVshiftを参照することで、電荷がトラップされている層を判別することができる。
図5に示すようにΔVshiftをX軸に、ΔVthをY軸にとって値をプロットすると、概ねY=Xの直線上に値が集中する場合と、Y=Xの直線上に存在しない場合に大別される。
ここで、本発明のトラップされる層の判別方法における、判別基準について説明する。絶縁層の種類や形成方法によっても異なるが、一般に絶縁層と半導体層の界面には原子の相互拡散により形成される、約3nm以下の遷移層と呼ばれる層が存在する。つまり、絶縁層と半導体層の界面には約3nm以下の、不明瞭な領域が存在する。この遷移層を界面と考え、主に遷移層に電荷がトラップされている場合には、電荷は界面にトラップされているとみなすことができる。すなわち、図11のようにプロットした点の直線Y=Xからのずれ量|ΔVth−ΔVshift|が以下の数2で与えられる値Δよりも小さい場合、つまり、図11において、X−Δ≦Y≦X+Δの範囲に値が存在する場合には、電荷は絶縁層中にトラップされている。一方、ずれ量|ΔVth−ΔVshift|が以下の数2で与えられる値Δより大きい場合、つまり、Y<X−Δ、且つ、X+Δ<Yである場合には、電荷は絶縁層と半導体層の界面にトラップされていると考えられる。
ここで、Wは遷移領域の幅、Toxは絶縁膜(絶縁層)の厚さを表す。例えば、W=3nm、Tox=100nm、|ΔVth−ΔVshift|=0.5Vとすると、Δ=0.015Vとなる。
電荷がトラップされる位置は、欠陥準位の影響を受ける。界面の欠陥準位は原子の未結合手(ダングリングボンド)に起因し、その状態密度はバンドギャップの中央付近で最大となる。さらに、電荷のトラップとして働くのは伝導帯又は価電子帯から1eV以上離れた、深い欠陥準位である。閾値電圧制御のために、通常は活性層に1016/cm前後のドナーまたはアクセプター不純物元素(n型又はp型を付与する不純物元素)を添加する。例えば1016/cmのアクセプター不純物を活性層に添加したときの、フラットバンド状態におけるフェルミ準位の位置は価電子帯の上部0.19eVと計算され、界面の欠陥準位には電荷が充填されていない、ほぼ空の状態と考えることができる。従って、負荷をかける前後のフラットバンド電圧の変化量ΔVshiftはゲート絶縁層中の空間電荷によるものと考えてよい。また、ゲート電圧が閾値電圧のときは絶縁層と半導体層の界面に活性層中のドーパント密度と同じだけの、1016/cmの電子が誘起される。このとき絶縁層と半導体層の界面のフェルミ準位は伝導帯の下0.19eVに位置し、界面の欠陥準位はほぼ電子で埋まっていると考えられる。よって、閾値電圧の変化量ΔVthはゲート絶縁層中の空間電荷と界面準位にトラップされた電子によるものと考えられる。従って、図10のように閾値電圧の変化量ΔVthからシフト電圧の変化量ΔVshiftの差の絶対値である、変化量ΔVがゲート絶縁層と半導体層の界面にトラップされたキャリアによる電位の変化を表す。すなわち、変化量ΔVは以下の式で定義される。
ここで、ΔVが界面にトラップされた電荷による電位変化を表す。これに単位面積当たりの絶縁膜(絶縁層)容量Coxを乗じた値が、絶縁層と半導体層の界面にトラップされた単位面積当たりの電荷量Qとなる。すなわち、電荷量Qは以下の式で表される。
更には、このQを電子の電荷eで除算した値が絶縁層と半導体層界面の欠陥面密度Nとなり、界面の欠陥面密度Nは次式で与えられる。
しかしながら、ゲート絶縁層中の欠陥密度に関してはΔVthとΔVfbから求めることはできない。絶縁膜(絶縁層)中の空間電荷による閾値電圧の変化量ΔVth又はフラットバンド電圧の変化量ΔVfbは空間電荷量をQ、ゲート電極から空間電荷までの距離dを用いて、Q・(d/εox)で与えられる。そして空間電荷量Qを電子電荷eで除算した値がゲート絶縁層中の欠陥密度を与えることになる。しかし距離dと空間電荷量Qがともに未知数のため、距離dを定めなければ絶縁層中の欠陥密度を求めることはできない。
ここで、本実施の形態にて説明した、電荷のトラップされる位置の判別方法について、図2に示すフローチャートに基づいて、以下に説明する。
まず、本発明の評価を開始する(開始120)。対象となるFETに対して、第1の測定を行う(第1の測定121)。第1の測定121にて得られたVgs及びIdsから図3のようにグラフを作成し、シフト電圧Vshiftを算出する。更に、数1より閾値電圧Vthを算出する(VshiftとVthの算出122)。
次に、BTストレス法等により負荷をかけ、FETに電荷を注入する(FETへの電荷の注入123)。電荷が注入されたFETに、第2の測定を行う(第2の測定124)。第2の測定は第1の測定と同様に、電気的特性を測定する。第2の測定の結果から、第1の測定と同様にシフト電圧Vshiftと、閾値電圧Vthを算出する(VshiftとVthの算出125)。
次に、第1の測定から得られたVshift及びVthと、第2の測定から得られたVshift及びVthを用いて、ΔVshiftとΔVthを算出する(ΔVshiftとΔVthの算出126)。この値を用いて数3からΔVを算出する(ΔVの算出127)。更には数2からΔを算出する(Δの算出128)。
以上のように得られたΔVとΔを比較する(ΔV>Δ129)。ΔVの値がΔの値よりも大きければ、電荷のトラップは主に絶縁層と半導体層の界面に存在すると判定する(界面と判定130)。ΔVの値がΔの値以下であれば、電荷のトラップは主に絶縁層中であると判定する(絶縁層中と判定131)。以上をもって、本発明の評価は終了する(終了132)。
上記のように、電荷のトラップされている位置が絶縁層中であると判断した場合には、作製工程中における絶縁層の形成方法を見直せばよい。逆に、電荷のトラップされている位置が絶縁層と半導体層の界面であると判断した場合には、絶縁層形成と半導体層形成間に洗浄を行うことを検討するなど、作製工程を見直す必要がある。
また、本実施の形態では一例として、図1に示すn型のFETに本発明を適用した場合についてのみ詳細に述べたが、本発明が適用できるFETはこの形態に限定されない。本発明はp型のFETに適用することも可能である。更には、本発明はあらゆるFETに適用することができる。例えば、ガラス基板上に形成されたTFT、又はZnOに代表される酸化物半導体からなるFET、ペンタセン若しくはオリゴチオフェン等の有機半導体膜からなるFET、GaAsに代表される化合物半導体からなるFET、SiGe混晶半導体を用いたFETにも適用することができる。また、ゲート絶縁層の材料にも特に限定はなく、シリコンの熱酸化膜、TEOS(Tetra Ethyl Ortho Silicate)膜、酸化窒化シリコン膜、窒化シリコン膜、酸化アルミニウム膜等の単層膜及びそれらを積層した膜を用いてもよい。
以上のように、本発明の半導体素子評価方法を用いることで、半導体素子中の電荷のトラップされる位置が絶縁層中であるか、絶縁層と半導体層の界面であるかを特定することができる。これにより、半導体素子の作製工程において、問題のある工程が明確になり、該当箇所の工程について改善を検討することができる。例えば、電荷のトラップされる位置が半導体層と絶縁層の界面に生成しているのであれば、半導体層形成後、絶縁層の形成前に洗浄を行う等の対策を講じることができる。一方で、電荷のトラップされる位置が絶縁層中であれば、当該絶縁層を形成するときの条件等の改善を検討すればよい。このように、電荷のトラップされる場所を特定することにより、作製工程の改善を図ることができる。
(実施の形態2)
本実施の形態では、本発明を適用することのできるFETの一例として、様々な形態のTFTについて説明する。
図9には本実施の形態で用いる、アクティブマトリクス基板上の薄膜トランジスタについて、上面図と断面図を示している。図9(A)は上面図、(B)はX−Y面における断面図、(C)はX’−Y’面における断面図である。
図9に示したTFTは基板100上に第1の電極層101が選択的に形成されている。第1の電極層101は導電性物質により形成する。導電性物質であれば特定の材料や形成方法に限定されるものではなく、例えば、チタン(Ti)、タングステン(W)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)、ネオジウム(Nd)、コバルト(Co)、ジルコニウム(Zr)、亜鉛(Zn)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)、白金(Pt)、アルミニウム(Al)、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)から選ばれた元素、又は前記元素を主成分とする合金材料若しくは化合物材料からなる膜、或いは、これらの窒化物(例えば、窒化チタン、窒化タングステン、窒化タンタル、窒化モリブデン)からなる膜を用いることができる。形成には例えば、スパッタリング法を用いればよい。なお、第1の電極層101はゲート電極として機能する。
第1の電極層101上に第1の絶縁層102が形成されている。第1の絶縁層102は絶縁性を有する材料であればよく、特定の材料に限定されない。形成方法も特に限定されないが、CVD法等により形成すればよい。材料には酸化珪素系材料、窒化珪素系材料、シロキサン樹脂等を用いるとよい。なお、酸化珪素系材料とは酸素と珪素を主成分とする酸化珪素、酸化珪素が窒素を含み、かつ、酸素の含有量が窒素の含有量よりも多い酸化窒化珪素をいう。窒化珪素系材料とは窒素と珪素を主成分とする窒化珪素、窒化珪素が酸素を含み、窒素の含有量が酸素の含有量よりも多い窒化酸化珪素をいう。なお、シロキサン樹脂とは、Si−O−Si結合を含む樹脂である。シロキサンは、シリコン(Si)と酸素(O)との結合で骨格構造が構成される。なお、第1の絶縁層102はゲート絶縁層として機能する。
第1の絶縁層102上には半導体層103が選択的に形成されている。半導体層103の材料は半導体材料であればよく、ここでは非晶質シリコンを形成する。例えばシラン(SiH)等の半導体材料ガスを用いて、LPCVD(Low Pressure CVD)法、プラズマCVD法、気相成長法やスパッタリング法により形成する。形成後に、レジストを用いてエッチングを行う。エッチングはドライエッチング法又はウエットエッチング法を用いる。
半導体層103に不純物領域104が選択的に形成されている。不純物の導入には、拡散源を用いる方法やイオン注入法等を用いればよい。
次に、第2の電極層105A及び第2の電極層105Bが選択的に形成される。第2の電極層105A及び第2の電極層105Bは、第1の電極層101と同様、特定の材料や形成方法に限定されない。例えばスパッタ法によりチタン膜を形成して、レジストを用いてエッチングを行う。エッチングはドライエッチング法又はウエットエッチング法を用いる。また、第2の電極層105A及び第2の電極層105Bは、各々、不純物領域104と接続するように形成される。なお、第2の電極層はソース電極及びドレイン電極として機能する。
第2の電極層105A及び第2の電極層105Bを形成後、第2の絶縁層106を形成する。第2の絶縁層106は第1の絶縁層102と同様の材料により同様の方法で形成すればよい。形成後、第2の絶縁層106の所望の位置に、第2の電極層105Bに達するように開口部107を形成する。開口部107の形成にはレジストを用いてエッチングを行う。エッチングはドライエッチング法又はウエットエッチング法を用いる。
開口部107を介して第2の電極層105と接続するように、第3の電極層108を形成する。図9に示したTFTは画素TFTであるため、第3の電極層108は画素電極として機能する。従って、第3の電極層108には透明導電膜を用いることが好ましい。代表的にはITO(インジウム錫酸化物)、IZO(酸化亜鉛(ZnO)を含むインジウム酸化物)、ZnO(酸化亜鉛)等がある。また、ITOに酸化珪素が2〜10重量%含まれたターゲットを用いてスパッタリング法により形成した、ITSO(酸化珪素(SiO)を含むインジウム錫酸化物)を用いてもよい。なお、IZOとは酸化珪素を含み、酸化インジウムにZnOが2〜20重量%含まれたターゲットを用いてスパッタリング法により形成した酸化物導電性材料である。この他、ZnOにガリウム(Ga)をドープした導電性材料、SnO(酸化錫)、GaをドープしたZnO、AlをドープしたZnO、SiOをドープしたZnOを用いてもよい。この他、ZnOにガリウム(Ga)をドープした導電性材料、SnO(酸化錫)、GaをドープしたZnO、AlをドープしたZnO、SiOをドープしたZnOを用いてもよい。形成には公知の方法を用いればよく、例えばスパッタリング法、CVD法、液滴吐出法等が挙げられる。
以上説明したようにアクティブマトリクス基板上のTFTを作製することができる。電気的特性の測定は、露出した電極層にプローブを接続させることにより行う。図9に示すTFTは、測定用の開口部を有する。図9に示すように、測定に用いる開口部として、開口部109A、開口部109B及び開口部109Cが形成されている。開口部109A、開口部109B及び開口部109Cは、各々、電極層に達するように形成されている。当該開口部を形成後、開口部109A、開口部109B及び開口部109Cを介して接続するようにプローブ110A、プローブ110B及びプローブ110Cを配置する。
ここで、図9とは異なる形態のTFTについて図6〜図8を参照して説明する。
図6には液晶表示装置のアクティブマトリクス基板に用いるTFTの一例を示す。基板60上に積層構造の下地層61が形成されている。下地層61には、基板60からの不純物の拡散を防ぐ機能と、この絶縁膜上に堆積する薄膜との密着性を高める機能が要求される。下地層に用いる材料や形成方法は特定のものに限定されない。CVD法等により形成すればよい。材料には酸化珪素系材料、窒化珪素系材料、シロキサン樹脂等を用いるとよい。なお、酸化珪素系材料とは酸素と珪素を主成分とする酸化珪素、酸化珪素が窒素を含み、かつ、酸素の含有量が窒素の含有量よりも多い酸化窒化珪素をいう。窒化珪素系材料とは窒素と珪素を主成分とする窒化珪素、窒化珪素が酸素を含み、窒素の含有量が酸素の含有量よりも多い窒化酸化珪素をいう。なお、シロキサン樹脂とは、Si−O−Si結合を含む樹脂である。シロキサンは、シリコン(Si)と酸素(O)との結合で骨格構造が構成される。また、ここでは下地層61を積層構造としたが、単層でもよい。下地層は特に必要のない場合には形成しなくともよい。
下地層61上に半導体層62が選択的に形成されている。半導体層62は非晶質構造でも多結晶構造等の結晶構造を有していてもよい。ここでは、多結晶シリコンを形成する。多結晶シリコンの形成にはまず、非晶質半導体膜を形成する。シラン(SiH)等の半導体材料ガスを用いて、LPCVD(Low Pressure CVD)法、プラズマCVD法、気相成長法やスパッタリング法により形成する。
次に、非晶質半導体膜を結晶化する前に、必要に応じて、脱水素工程を行ってもよい。非晶質半導体膜の形成に際して、シラン(SiH)を用いて通常のCVD法により行うと、膜中に水素が残留する。膜中に水素が残留した状態で当該半導体膜にレーザ光を照射すると、結晶化に最適なエネルギー値の半分程度のエネルギー値のレーザ光により膜が消失してしまう。そのため、N雰囲気中で加熱することで、膜中に残留している水素を除去する。非晶質半導体膜の形成をLPCVD法や、スパッタリング法にて行う場合には、脱水素工程は必ずしも必要ではない。
また、必要に応じて、チャネルドープを行ってもよい。チャネルドープとは、TFTの閾値電圧をシフトさせ、TFTの閾値電圧を所望の値に制御するために行う、半導体層62の活性層中に所定の濃度の不純物を添加することをいう。例えば、閾値電圧がマイナス側にシフトしている場合にはドーパントとしてp型の不純物元素を、プラス側にシフトしている場合にはドーパントにn型の不純物元素を添加する。ここで、p型の不純物元素としてリン(P)やヒ素(As)、n型の不純物元素としてボロン(B)やアルミニウム(Al)等が挙げられる。
次に、非晶質半導体膜の結晶化を行う。本発明では、非晶質半導体膜の結晶化にはレーザ光を用いる。レーザ光を照射することで結晶化に必要な熱量を該非晶質半導体膜に供給する。レーザ光を用いることで、非晶質半導体膜の局所的な加熱が可能であり、基板の温度がガラスの歪み点以下となるように、非晶質半導体膜を結晶化することができる。
レーザは、レーザ媒質、励起源、共振器により構成される。レーザを、媒質により分類すると、気体レーザ、液体レーザ、固体レーザがあり、発振の特徴により分類すると、自由電子レーザ、半導体レーザ、X線レーザがあるが、本発明では、いずれのレーザを用いてもよい。なお、好ましくは、気体レーザ又は固体レーザを用いるとよく、さらに好ましくは固体レーザを用いるとよい。
気体レーザには、ヘリウムネオンレーザ、炭酸ガスレーザ、エキシマレーザ、アルゴンイオンレーザがある。エキシマレーザには、希ガスエキシマレーザ、希ガスハライドエキシマレーザがある。希ガスエキシマレーザには、アルゴン、クリプトン、キセノンの3種類の励起分子による発振がある。アルゴンイオンレーザには、希ガスイオンレーザ、金属蒸気イオンレーザがある。
液体レーザには、無機液体レーザ、有機キレートレーザ、色素レーザがある。無機液体レーザ及び有機キレートレーザは、固体レーザに利用されているネオジムなどの希土類イオンをレーザ媒質として利用する。
固体レーザが用いるレーザ媒質は、固体の母体にレーザ作用をする活性種がドープされたものである。固体の母体とは、結晶又はガラスである。結晶とは、YAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット結晶)、YLF、YVO、YAlO、サファイア、ルビー、アレキサンドライドである。また、レーザ作用をする活性種とは、例えば、3価のイオン(Cr3+、Nd3+、Yb3+、Tm3+、Ho3+、Er3+、Ti3+)である。
半導体層62上には二層で形成された第1の絶縁層63を介して第1の電極層64A及び第1の電極層64Bが選択的に形成されている。第1の絶縁層63の材料や形成方法は特に限定されず、下地層61と同様の材料、同様の形成方法で形成することができる。第1の電極層64A及び第1の電極層64Bは、CVD法やスパッタリング法、液滴吐出法等を用いて形成することができる。第1の電極層は、タンタル(Ta)、タングステン(W)、チタン(Ti)、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)から選ばれた元素又は前記元素を主成分とする合金材料若しくは化合物材料で形成すればよい。第1の電極層にアルミニウム(Al)を使用する際には、タンタル(Ta)を添加して合金化したAl−Ta合金を用いるとヒロックが抑制される。また、ネオジウム(Nd)を添加して合金化したAl−Nd合金を用いると、ヒロックが抑制されるだけでなく、抵抗の低い配線を形成することができるため、好ましい。また、リン(P)等の不純物元素をドーピングした多結晶シリコンに代表される半導体膜やAgPdCu合金を用いてもよい。また、単層でも積層でもよい。例えば窒化チタン膜とモリブデン膜から構成される2層の積層構造又は膜厚50nmのタングステン膜と膜厚500nmのアルミニウムとシリコンの合金膜と膜厚30nmの窒化チタン膜を積層した3層の積層構造としてもよい。また、3層の積層構造とする場合、第1層の導電膜のタングステンに代えて窒化タングステンを用いてもよいし、第2層の導電膜のアルミニウムとシリコンの合金膜に代えてアルミニウムとチタンの合金膜を用いてもよいし、第3層の導電膜の窒化チタン膜に代えてチタン膜を用いてもよい。第1の電極層は単層で形成してもよいし、積層で形成してもよい。例えば、主成分がモリブデン(Mo)である層により形成すればよい。なお、第1の絶縁層はゲート絶縁層として、第1の電極層64Aはゲート電極として、第1の電極層64Bは容量電極として機能する。
この第1の電極層64A及び第1の電極層64B上に積層構造の第2の絶縁層65が形成されている。第2の絶縁層65は、下地層61や第1の絶縁層63と同様の材料、形成方法にて形成すればよい。
第2の絶縁層65は開口部69A及び開口部69Bを有し、第2の絶縁層65上に形成された第2の電極層66は開口部69A及び開口部69Bを介して半導体層62と接続されている。開口部69A及び開口部69Bの形成にはレジストを用いてエッチングを行う。エッチングはドライエッチング法又はウエットエッチング法を用いる。第2の電極層66は第1の電極層64A及び第1の電極層64Bと同様の材料、形成方法にて形成すればよい。なお、第2の電極層はソース電極及びドレイン電極として機能する。
また、半導体層62はチャネル形成領域62A、低濃度不純物領域62B、及び高濃度不純物領域62Cを有するLDD構造となっている。なお、LDD領域とは半導体層が多結晶シリコンであるTFTにおいて、信頼性の向上を目的として形成される領域である。半導体層が多結晶シリコンであるTFTにおいて、オフ電流を抑えることは重要であり、特に、画素回路などのアナログスイッチとして用いる場合には十分に低いオフ電流が要求される。しかし、ドレイン接合部の逆バイアス強電界により、オフ時にも欠陥を介するリーク電流が存在する。LDD領域により、ドレイン端近傍の電界を緩和するため、オフ電流を低減させることができる。また、ドレイン接合部の逆バイアス電界をチャネル領域とLDD領域の接合部、LDD領域とドレイン領域の接合部に分散させることができ、電界が緩和されるため、リーク電流が低減される。その後アニールを行うことで、不純物の活性化を行う。
以上のように形成したトップゲート型TFT上に開口部69Cを有する第3の絶縁層67が形成される。第3の絶縁層67上には第3の電極層68が形成され、第3の電極層68は開口部69Cにて第2の電極層66と接続される。なお、第3の電極層68は画素電極として機能する。第3の絶縁層はポリイミドやアクリル等に代表される有機材料からなる膜を、スピンコート法等により形成すればよい。パターンの形成に際しては第2の電極層66を露出する開口部69Cを有するように形成する。また、液滴吐出法を用いると、フォトリソグラフィーによりパターン形成を行う必要がないため、工程が簡略になる。ここで、液滴吐出法とは、特定の目的のために調合された組成物の液滴を選択的に吐出等して所定のパターンを形成する方法(その方式によっては、インクジェット法とも呼ばれる。)をいう。また、その他のパターンを転写又は描写できる方法、例えば各種印刷法(スクリーン印刷、オフセット印刷、凸版印刷やグラビア印刷等のパターンが形成される方法)等も用いることができる。なお、第3の絶縁層67についても積層で形成してもよい。例えば、酸化シリコン系材料又は窒化シリコン系材料のような無機材料からなる膜上に有機材料からなる膜を形成してもよい。第3の電極層68はスパッタリング法を用いてITO(インジウム錫酸化物)又は酸化亜鉛等で形成するとよい。ITOに酸化シリコンが2〜10%含まれたターゲットを用いてスパッタリング法により形成されるITSOを用いてもよい。この他、酸化亜鉛にガリウム(Ga)をドープした導電性材料、酸化シリコンを含み酸化インジウムに2〜20%の酸化亜鉛を混合した酸化物導電性材料であるIZOを用いても良い。第3の電極層68を形成した後、エッチングにより所望のパターンを形成すれば良い。
図6にはトップゲート型TFTの例を示したが、図7にはボトムゲート型TFTの例を示している。基板70上には下地層71が形成され、下地層71上に第1の電極層72A及び第1の電極層72Bが選択的に形成されている。第1の電極層72A及び第1の電極層72B上には第1の絶縁層73が形成され、第1の絶縁層73上には半導体層74が選択的に形成されている。半導体層74上には開口部79A及び開口部79Bを有する第2の絶縁層75が形成されている。第2の絶縁層75上には第2の電極層76が形成され、開口部79A及び開口部79Bを介して第2の電極層76が半導体層74と接続されている。また、半導体層74はチャネル形成領域74A、低濃度不純物領域74B、及び高濃度不純物領域74Cを有するLDD構造となっている。なお、第1の電極層はゲート電極層として機能し、第1の絶縁層はゲート絶縁層として機能し、第2の電極層はソース電極及びドレイン電極層として機能する。
以上のように形成したボトムゲート型TFT上に開口部79Cを有する第3の絶縁層77が形成される。第3の絶縁層77上には第3の電極層78が形成され、第3の電極層78は開口部79Cにて第2の電極層76と接続される。なお、図7に示すTFTの各々の層の材料や形成方法は図6に示すトップゲート型TFTと同様である。
図8にはICタグ等の半導体装置に搭載される半導体素子を示している。基板80上には下地層81が形成され、下地層81上には半導体層82が選択的に形成され、半導体層82上には第1の絶縁層83が形成され、第1の絶縁層83上には第1の電極層84が選択的に形成されている。また、半導体層82はチャネル形成領域82A、低濃度不純物領域82B、及び高濃度不純物領域82Cを有するLDD構造となっている。以上のように形成されたTFTを覆うように第2の絶縁層85及び第3の絶縁層86が形成され、第3の絶縁層86上に第2の電極層87が、第2の絶縁層85及び第3の絶縁層86を貫通するように開口した開口部を介して半導体層82に接続するように形成されている。第2の電極層87上には開口部を有する第4の絶縁層88が形成されている。第4の絶縁層88上には第3の電極層89を有し、第3の電極層89は第2の電極層87と接続されている。第3の電極層89は接点電極として機能する。例えば、第3の電極層89上に接続するようにアンテナとして機能する導電層を形成することで、無線通信可能な半導体装置を作製することができる。なお、第1の電極層84はゲート電極として、第1の絶縁層はゲート絶縁層として、第2の電極層はソース電極及びドレイン電極として機能する。
以上説明したように、本発明を適用することのできるFETは、特定のものに限定されない。更に、本発明の評価方法は、本実施の形態に示したもののみならず、様々な形態のFETに適用することができる。
本発明の実施の形態1で説明した評価方法を適用して行った評価について、説明する。
本実施例では、測定に用いるサンプルとしてトップゲート型のP型TFTを用いた。TFTはチャネル長が10μm、チャネル幅が8μm、ゲート絶縁層の膜厚が115nmのものを用いた。ここで、3種類のTFTを用意した。各TFTはゲート電極までを形成したものを用いた。試料1及び試料2はドーパントの活性化を目的とした処理を行った。すなわち、ゲート電極成膜後に電気炉を用いて550℃まで加熱して活性化を行ったTFTを試料1、レーザの照射により活性化を行ったTFTを試料2、活性化を行わなかったTFTを試料3とした。電荷の注入を目的として負荷をかける条件としては、ソース電極の電位Vとドレイン電極の電位Vを共通電位(Vds=0)とし、ゲート電極の電圧Vgsを−20V、基板の温度を150℃とし、この状態で一時間保持した。以上のようにして電荷を注入したTFTについて電気的特性を測定した。その結果を図13に示す。
図13から、試料1ではΔVthとΔVshiftがほぼ等しい値をとる傾向があるが、試料2及び試料3では試料1のような傾向はない。また、試料1ではΔVthとΔVshiftが試料2及び試料3と比べて小さい値をとる。これは、試料1では加熱により活性化を行っているために、ゲート絶縁層と半導体層の界面に存在する欠陥が低減されていることに起因する。対して、試料2ではレーザをTFT上に照射しているため、照射レーザ光がゲート電極で遮られるゲート電極下には、多くの欠陥が残存しているものと考えられる。
以上のように、熱活性化を行った試料1ではΔVthとΔVshiftがほぼ等しい値をとることから、電荷のトラップされる位置としてはゲート絶縁層が支配的であるといえる。レーザ活性化を行った試料2及び活性化を行わなかった試料3では、ΔVthとΔVshiftが試料1のようにΔVth≒ΔVshiftという関係が成り立たないため、電荷のトラップされる位置としては、ゲート絶縁層と半導体層との界面が支配的であるといえる。
以上のように、本発明を適用することで半導体素子において、電荷のトラップされる位置としてゲート絶縁層が支配的であるか、ゲート絶縁層と半導体層の界面が支配的であるかを判別することができる。これにより、半導体素子の作製工程において、問題のある工程が明確になり、該当箇所の工程について改善を検討することができる。例えば、試料2及び試料3のように電荷のトラップされる位置が半導体層とゲート絶縁層の界面が支配的であれば、半導体層の形成後からゲート絶縁層の形成前までに洗浄工程を導入する等の対策を講じることができる。一方で、試料1のように電荷のトラップされる位置としてゲート絶縁層が支配的であれば、当該絶縁層の形成条件等を検討すればよい。このように、本発明を適用することで電荷のトラップされる位置を容易に特定することができ、作製工程の改善を図ることができる。これにより、従来よりも電気的特性が良好であり、且つ、信頼性の高いTFTを作製することができる。
本発明の半導体装置の評価方法を説明する図。 本発明の半導体装置の評価方法を説明する図。 本発明の半導体装置の評価方法を説明する図。 本発明の半導体装置の評価方法を説明する図。 本発明の半導体装置の評価方法を説明する図。 本発明を適用することのできる半導体装置を説明する図。 本発明を適用することのできる半導体装置を説明する図。 本発明を適用することのできる半導体装置を説明する図。 本発明を適用することのできる半導体装置を説明する図。 本発明の半導体装置の評価方法を説明する図。 本発明の半導体装置の評価方法を説明する図。 本発明の半導体装置の評価方法を説明する図。 実施例1の測定結果を説明する図。
符号の説明
30 領域
60 基板
61 下地層
62 半導体層
63 絶縁層
65 絶縁層
66 電極層
67 絶縁層
68 電極層
70 基板
71 下地層
73 絶縁層
74 半導体層
75 絶縁層
76 電極層
77 絶縁層
78 電極層
80 基板
81 下地層
82 半導体層
83 絶縁層
84 電極層
85 絶縁層
86 絶縁層
87 電極層
88 絶縁層
89 電極層
100 基板
101 電極層
102 絶縁層
103 半導体層
104 不純物領域
105 電極層
106 絶縁層
107 開口部
108 電極層
111 ソース電極(又はドレイン電極)
112 ドレイン電極(又はソース電極)
113 ゲート絶縁層
114 ゲート電極層
115 シリコン基板
120 開始
121 第1の測定
122 VshiftとVthの算出
123 FETへの電荷の注入
124 第2の測定
125 VshiftとVthの算出
126 ΔVshiftとΔVthの算出
127 ΔVの算出
128 Δの算出
129 ΔV>Δ
130 界面と判定
131 絶縁層中と判定
132 終了
62A チャネル形成領域
62B 低濃度不純物領域
62C 高濃度不純物領域
64A 電極層
64B 電極層
69A 開口部
69B 開口部
69C 開口部
72A 電極層
72B 電極層
74A チャネル形成領域
74B 低濃度不純物領域
74C 高濃度不純物領域
79A 開口部
79B 開口部
79C 開口部
82A チャネル形成領域
82B 低濃度不純物領域
82C 高濃度不純物領域
105A 電極層
105B 電極層
109A 開口部
109B 開口部
109C 開口部
110A プローブ
110B プローブ
110C プローブ

Claims (8)

  1. 半導体基板上にゲート電極層と、該半導体基板と該ゲート電極層との間に介在する絶縁層と、が設けられた電界効果型トランジスタを有する半導体素子の評価方法であって、
    前記電界効果型トランジスタのゲート電圧に対するドレイン電流を測定する第1の測定をし、
    前記電界効果型トランジスタに負荷をかけて電荷を注入し、
    前記電荷が注入された前記電界効果型トランジスタのゲート電圧に対するドレイン電流を測定する第2の測定をし、
    前記第1の測定の結果と前記第2の測定の結果から、閾値電圧の変化量とフラットバンド電圧の変化量を算出し、
    前記閾値電圧の変化量に対する前記フラットバンド電圧の変化量が、一定の範囲外のときに前記電荷がトラップされた位置を前記半導体基板と前記絶縁層の界面であると判定することを特徴とする半導体素子の評価方法。
  2. 半導体基板上にゲート電極層と、該半導体基板と該ゲート電極層との間に介在する絶縁層と、が設けられた電界効果型トランジスタを有する半導体素子の評価方法であって、
    前記電界効果型トランジスタのゲート電圧に対するドレイン電流を測定する第1の測定をし、
    前記電界効果型トランジスタに負荷をかけて電荷を注入し、
    前記電荷が注入された前記電界効果型トランジスタのゲート電圧に対するドレイン電流を測定する第2の測定をし、
    前記第1の測定の結果と前記第2の測定の結果から、閾値電圧の変化量とフラットバンド電圧の変化量を算出し、
    前記閾値電圧の変化量に対する前記フラットバンド電圧の変化量が、一定の範囲内のときに前記電荷がトラップされた位置を前記絶縁層中であると判定することを特徴とする半導体素子の評価方法。
  3. 求項2において、
    前記閾値電圧の変化量に対する前記フラットバンド電圧の変化量が、一定の範囲外のときに前記電荷がトラップされた位置を前記半導体基板と前記絶縁層の界面であると判定することを特徴とする半導体素子の評価方法。
  4. ゲート電極層と、半導体層と、該ゲート電極層と該半導体層の間に介在する絶縁層と、が設けられた薄膜トランジスタを有する半導体素子の評価方法であって、
    前記薄膜トランジスタのゲート電圧に対するドレイン電流を測定する第1の測定をし、
    前記薄膜トランジスタに負荷をかけて電荷を注入し、
    前記電荷が注入された前記薄膜トランジスタのゲート電圧に対するドレイン電流を測定する第2の測定をし、
    前記第1の測定の結果と前記第2の測定の結果から、閾値電圧の変化量とフラットバンド電圧の変化量を算出し、
    前記閾値電圧の変化量に対する前記フラットバンド電圧の変化量が、一定の範囲外のときに前記電荷がトラップされた位置を前記半導体層と前記絶縁層の界面であると判定することを特徴とする半導体素子の評価方法。
  5. ゲート電極層と、半導体層と、該ゲート電極層と該半導体層の間に介在する絶縁層と、が設けられた薄膜トランジスタを有する半導体素子の評価方法であって、
    前記薄膜トランジスタのゲート電圧に対するドレイン電流を測定する第1の測定をし、
    前記薄膜トランジスタに負荷をかけて電荷を注入し、
    前記電荷が注入された前記薄膜トランジスタのゲート電圧に対するドレイン電流を測定する第2の測定をし、
    前記第1の測定の結果と前記第2の測定の結果から、閾値電圧の変化量とフラットバンド電圧の変化量を算出し、
    前記閾値電圧の変化量に対する前記フラットバンド電圧の変化量が、一定の範囲内のときに前記電荷がトラップされた位置を前記絶縁層中であると判定することを特徴とする半導体素子の評価方法。
  6. 求項5において、
    前記閾値電圧の変化量に対する前記フラットバンド電圧の変化量が、一定の範囲外のときに前記電荷がトラップされた位置を前記半導体層と前記絶縁層の界面であると判定することを特徴とする半導体素子の評価方法。
  7. 請求項1乃至請求項6のいずれか一において、
    前記一定の範囲は、ずれ量Δを用いて、前記閾値電圧の変化量ΔVthをX軸、前記フラットバンド電圧の変化量ΔVshiftをY軸としたXY平面上のX−Δ≦Y≦X+Δで表され、
    前記ずれ量Δは
    (但し、Wは遷移領域(前記半導体層と前記絶縁層の界面)の幅、Toxは前記絶縁層の厚さ)で表されることを特徴とする半導体素子の評価方法。
  8. 請求項1乃至請求項7のいずれか一において、
    前記フラットバンド電圧は、前記トランジスタ及び前記電荷が注入された前記トランジスタのゲート電圧に対するドレイン電流の測定結果から作成された曲線の、飽和領域における接線が、所定の一の電流値になるときの電圧であることを特徴とする半導体素子の評価方法。
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