JP2003007791A - 電荷トラップ密度の評価方法および装置 - Google Patents

電荷トラップ密度の評価方法および装置

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JP2003007791A
JP2003007791A JP2001192687A JP2001192687A JP2003007791A JP 2003007791 A JP2003007791 A JP 2003007791A JP 2001192687 A JP2001192687 A JP 2001192687A JP 2001192687 A JP2001192687 A JP 2001192687A JP 2003007791 A JP2003007791 A JP 2003007791A
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charge trap
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JP2001192687A
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Kazumasa Nomoto
和正 野本
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Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】誘電体膜内の電荷トラップ密度を精度よく測定
する。 【解決手段】電荷トラップ密度を評価する誘電体膜を、
ゲート電極下の積層体内に電荷蓄積層として備えた評価
素子を作製する。この評価素子に対し、ゲートパルスの
印加時間を種々変えながら電荷注入する。その前後での
ゲート閾値電圧Vthのシフト量ΔVthを求め、たとえ
ば、それを微分してシフト量の時間変化率dΔVth/d
tのパルス印加時間依存性を求める(図14)。このデ
−タ列からパルス印加時間tがゼロのときを外挿して、
シフト量の基礎率を求め、その理論式に当てはめる。あ
るいは、理論式をデータ列にフィッテイングさせる。こ
れにより、注入電荷によるポテンシャル変化の影響を無
視できる領域で、電荷トラップ密度に比例した電荷捕獲
率η(=Nσ)または電荷トラップ密度Nを有効に算出
することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、誘電体膜中の電荷
トラップ密度を測定する電荷トラップ密度評価方法と、
そのための装置とに関する。
【0002】
【従来の技術】従来の電荷トラップ密度の評価方法とし
て、キャパシタを用いる第1の方法と、MOSトランジ
スタを用いる第2の方法とがあった。第1の方法では、
トラップ密度測定対象となる誘電体を電極間に挟んだキ
ャパシタを形成する。そして、容量−電圧特性を測定
し、誘電体内の電荷トラップに電荷を注入するために十
分な電圧をキャパシタ電極間に加えた後に、再び、容量
−電圧特性を測定する。この電荷注入による容量−電圧
特性の閾値電圧のシフト量を求め、これがトラップ面密
度に比例するパラメータであるとして、そのパラメータ
の大小によりトラップ量の評価を行っていた。第2の方
法では、まず、トラップ密度測定対象となる誘電体膜を
ゲート絶縁膜とした電界効果トランジスタを形成する。
そして、ゲート電圧−ドレイン電流特性を測定し、トラ
ップに電荷を注入するために十分な電圧をゲートに加え
た後に、再び、ゲート電圧−ドレイン電流特性を測定す
る。電荷注入によるゲート閾値電圧のシフト量を求め、
これがトラップ面密度に比例するパラメータとして、そ
のパラメータの大小によりトラップ量の評価を行ってい
た。これらの方法は、たとえば以下の2つの文献に記載
されている。 (1)Yoshiaki Kamigaki, Shinichi Minami and Hisay
uki Kato, “A new portrayal of electron and hole t
raps in amorphous silicon nitride ”, J.Appl. Phy
s.68, 2211(1990) ; (2)Shizuo Fujita, Hideo Toyoshima, Michinori Ni
shihara and Akio Sasaki,“Variation of trap states
and dangling bonds in CVD Si3N4 layer onSi Substr
ate by NH3/SiH4 ratio”, Journal of Electric Mater
ials, 796(1982).
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これら従来の
方法で測定できる量は、誘電体中に捕獲された電荷その
ものの面密度であり、電荷を捕獲し得るトラップの量で
はない。すなわち、従来の方法では、捕獲電荷の面密度
をトラップ量に比例するパラメータと擬制しているに過
ぎない。電荷を捕獲し得るトラップの量、すなわち電荷
トラップ密度の評価方法は未だ確立されていないのが実
情である。
【0004】本発明の目的は、誘電体膜内の電荷トラッ
プ密度を精度よく測定する電荷トラップ密度の評価方法
と、そのための装置を新たに提案することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の第1の観点に係る電荷トラップ密度の評価
方法では、まず、電荷トラップ密度を評価する誘電体膜
を、チャネルが形成される半導体とゲート電極間の積層
体内に電荷蓄積層として備えた評価素子を作製する。こ
の評価素子に対し、上記ゲート電極に所定電圧を供給す
るパルスの印加時間を種々変えながら上記誘電体膜内に
電荷を注入する。その前後でゲート閾値電圧を測定し、
当該評価素子のゲート閾値電圧シフト量を求め、たとえ
ば、それを微分してシフト量の時間変化率のパルス印加
時間依存性を求める。また、求めた上記シフト量の時間
変化率デ−タ列からパルス印加時間がゼロのときを外挿
して、シフト量の基礎変化率を求める。そして、ゲート
閾値電圧シフト量の電荷注入時間変化の理論計算式に上
記基礎変化率を当てはめることにより、注入電荷による
ポテンシャル変化の影響を無視できる領域で、電荷トラ
ップ密度に比例した電荷捕獲率または電荷トラップ密度
を算出する。
【0006】より詳細で好ましくは、第1導電型半導体
上に第1の電位障壁層,評価対象の上記誘電体膜,第2
の電位障壁層およびゲート電極を順次積層させてなる積
層体と、当該積層体両側の第1導電型半導体部分に形成
された2つの第2導電型半導体とを有した評価素子を作
製する。ソース電位を基準とした一定電圧Vg を時間t
だけ供給するパルスを上記ゲート電極に印加し、そのパ
ルス印加の前と後でソース電位を基準とした上記評価素
子のゲートの閾値電圧のシフト量ΔVthを測定する。そ
して、このシフト量ΔVthの測定を、上記パルス印加時
間tを種々変化させながら繰り返す。このとき得られた
シフト量ΔVth(t) を微分して、シフト量の時間変化率
dΔVth(t) /dtに変換し、そのシフト量の時間変化
率デ−タにおいてパルス印加時間tがゼロのときを外挿
して、シフト量の基礎変化率dΔVth(0) /dtを求め
る。このようにして求めた基礎変化率dΔVth(0) /d
tと、既知の3つのパラメータ、すなわち、電荷トラッ
プの電荷捕獲断面積σ,電荷トラップ層に電荷が存在し
ない場合での電荷蓄積層への注入電流Jinj および電荷
蓄積層とゲート電極間の相互キャパシタンスCg とを次
式(1)、すなわち、
【数1】 に代入する。その結果、電荷トラップ密度に比例した電
荷捕獲率Nσまたは電荷トラップ密度Nが導出される。
【0007】本発明の第2の観点に係る電荷トラップ密
度の評価方法では、まず、上記方法と同様に、評価素子
の作製、電荷注入、ゲート閾値電圧シフト量のパルス時
間依存性の取得を行う。第2の観点に係る評価方法で
は、次に、上記誘電体膜の電荷トラップ密度に比例した
電荷捕獲率または電荷トラップ密度をフィッティングパ
ラメータとして、上記シフト量の理論計算式を、上記パ
ルス時間依存性を求めたときに得られた上記シフト量の
デ−タ列にフィッティングさせる。そして、フィッティ
ングパラメータの変化範囲内で最も良くフィッティング
するときの値から、電荷トラップ密度に比例した電荷捕
獲率の最適値を求める。
【0008】より詳細で好ましくは、まず、第1導電型
半導体上に第1の電位障壁層,評価対象の上記誘電体
膜,第2の電位障壁層およびゲート電極を順次積層させ
てなる積層体と、当該積層体両側の第1導電型半導体部
分に形成された2つの第2導電型半導体とを有した評価
素子を作製する。つぎに、上記第1導電型半導体,上記
2つの第2導電型半導体の全てを同電位に保持した状態
で、当該電位との電位差により、上記第1導電型半導体
の表面に第2導電型の反転層が形成され、当該反転層の
蓄積キャリアが上記評価対象の誘電体膜中にFNトンネ
リングにより注入される電圧Vg を時間tだけ供給する
パルスを、上記ゲート電極に印加する。そのパルス印加
の前と後でソース電位を基準とした上記評価素子のゲー
ト閾値電圧のシフト量ΔVthを測定する。そして、この
シフト量ΔVthの測定を、上記パルス印加時間tを種々
変化させながら繰り返す。次に、既知のパラメータ、す
なわち、第1の電位障壁層中の電荷の有効質量m 1 、チ
ャネル内の蓄積キャリアの有効質量mc 、電子の素電荷
量e、およびプランク定数hb =h/2π=1.055
×10-34 〔J・s〕を用いた次式(2-1)と(2-2) 、す
なわち、
【数2】 から、トンネル電荷の障壁高さφの関数AとBを求め
る。また、この関数AおよびBと、既知のパラメータ、
すなわち、ゲート電圧Vg ,ゲートの相互キャパシタン
スCg 、および第1の電位障壁層材料に換算した積層体
のトータル厚tT (=t1 +t2 ε1 /ε2 +t3 ε1
/ε3 ,ここでt1 ,t2 ,t3 はそれぞれ第1の電位
障壁層、評価対象の誘電体膜、第2の電位障壁層の膜
厚、ε1 ,ε2,ε3 はそれぞれ第1の電位障壁層、評
価対象の誘電体膜、第2の電位障壁層の誘電率)とを、
上記シフト量ΔVth (t)の理論計算式(3)、すなわ
ち、
【数3】 に代入する。そして、φおよびNσを種々変化させて、
上記理論計算式(3)をシフト量ΔVthの測定データ列
にフィッティングさせ、電荷捕獲率Nσの最適値を求め
る。
【0009】本発明の第3の観点に係る電荷トラップ密
度の評価方法は、評価素子の電荷注入によるゲート閾値
電圧のシフト量を求める点では、上述した第2の観点に
係る方法と共通する。ただし、本評価方法では、このシ
フト量を例えば微分することにより、ゲート閾値電圧シ
フト量の時間変化率の、パルス印加時間依存性を取得す
る。そして、上記シフト量の電荷注入時間変化率の理論
計算式を、上記パルス印加時間依存性を求めたときに得
られた上記シフト量の時間変化率のデ−タ列にフィッテ
ィングさせる。最後に、フィッティングパラメータの変
化範囲内で最も良くフィッティングするときの値から、
電荷トラップ密度に比例した電荷捕獲率の最適値を求め
る。
【0010】より詳細で好ましくは、まず、第1導電型
半導体上に第1の電位障壁層,評価対象の上記誘電体
膜,第2の電位障壁層およびゲート電極を順次積層させ
てなる積層体と、当該積層体両側の第1導電型半導体部
分に形成された2つの第2導電型半導体とを有した評価
素子を作製する。上記第1導電型半導体,上記2つの第
2導電型半導体の全てを同電位に保持した状態で、当該
電位との電位差により、上記第1導電型半導体の表面に
第2導電型の反転層が形成され、当該反転層の蓄積キャ
リアが上記評価対象の誘電体膜中にFNトンネリングに
より注入される電圧Vg を時間tだけ供給するパルス
を、上記ゲート電極に印加する。そのパルス印加の前と
後でソース電位を基準とした上記評価素子のゲート閾値
電圧のシフト量ΔVthを測定する。このシフト量ΔVth
の測定を、上記パルス印加時間tを種々変化させながら
繰り返す。つぎに、上記シフト量ΔVthを微分して、シ
フト量の時間変化率dΔVth/dtのパルス印加時間依
存性データを算出する。そして、既知のパラメータ、す
なわち、第1の電位障壁層中の電荷の有効質量m1 、チ
ャネル内の蓄積キャリアの有効質量mc 、電子の素電荷
量e、およびプランク定数hb =h/2π=1.055
×10-34 〔J・s〕を用いた前記した次式(4-1) と(4
-2) 、すなわち、
【数4】 から、トンネル電荷の障壁高さφの関数AとBを求め
る。また、この関数AおよびBと、既知のパラメータ、
すなわち、ゲート電圧Vg ,ゲートの相互キャパシタン
スCg 、および第1の電位障壁層材料に換算した積層体
のトータル厚tT (=t1 +t2 ε1 /ε2 +t3 ε1
/ε3 ,ここでt1 ,t2 ,t3 はそれぞれ第1の電位
障壁層、評価対象の誘電体膜、第2の電位障壁層の膜
厚、ε1 ,ε2,ε3 はそれぞれ第1の電位障壁層、評
価対象の誘電体膜、第2の電位障壁層の誘電率)とを、
上記シフト量の時間変化dΔVth/dtの理論計算式
(5)、すなわち、
【数5】 に代入する。そして、φおよびNσを種々変化させて、
上記理論計算式(5)を上記シフト量時間変化率dΔV
th/dtのデータ列にフィッティングさせ、電子捕獲率
Nσの最適値を求める。
【0011】本発明の第4の観点に係る電荷トラップ密
度の評価装置は、電荷トラップ密度を評価する誘電体膜
を、チャネルが形成される半導体とゲート電極間の積層
体内に電荷蓄積層として備えた評価素子のゲートに、所
定電圧のパルスを印加し、かつ、当該パルスの印加時間
が可変な第1の電圧供給手段と、上記評価素子のドレイ
ンに接続された第2の電圧供給手段と、上記評価素子の
ソースまたはドレインに接続された電流検出手段とを含
む。
【0012】
【発明の実施の形態】第1実施形態 第1実施形態は、本発明に係る電荷トラップ密度の評価
装置に関する。
【0013】図1は、この評価装置の概略構成を示す図
である。電荷トラップ密度を評価する誘電体膜は、次に
述べるようにMONOS型トランジスタ内の電荷蓄積層
CSとして用意する。
【0014】図2は、評価用のMONOS型トランジス
タの概略断面図である。このトランジスタMTは、たと
えばp型シリコンウエハなどの半導体基板SUBに形成
されている。基板SUBの表面に、必要に応じて、たと
えばLOCOS(Local Oxidation of Silicon)またはS
TI(Shallow Trench Isolation)などにより形成された
誘電体分離層ISOが形成されている。この誘電体分離
層ISOが形成されていない基板表面部分が当該トラン
ジスタのチャネル形成領域CHとなる。
【0015】チャネル形成領域CH上に、最下層の第1
電位障壁層BTM、電荷トラップ密度の評価対象の誘電
体からなり電荷を蓄積する層CS、最上層の第2電位障
壁層TOP、およびゲート電極GEが積層されている。
【0016】第1電位障壁層BMTは、基板SUBと電
荷蓄積層CSとの間の電位障壁として機能し、たとえば
2〔nm〕〜10〔nm〕程度の膜厚を有する二酸化珪
素SiO2 からなる。電荷蓄積層CSは、電荷トラップ
密度を評価しようとする誘電体からなり、その種類に限
定はない。ここでは、ジルロルシラン(DCS)とアン
モニアを原料ガスとするCVDにより形成した窒化珪素
の電荷トラップ密度を評価するものとする。この窒化珪
素の膜厚は、評価に支障をきたさない程度の範囲内で任
意である。第2電位障壁層TPOは、たとえばCVDに
より作製した二酸化珪素膜からなり、その膜厚は2〔n
m〕〜10〔nm〕程度である。ゲート電極GEは、C
VD法により形成し高濃度に不純物がドーピングされた
ドープド多結晶珪素、または、ドープド多結晶珪素と、
その上に形成されたWSi2 ,TiN,TaSi2 ,T
iSi2 ,Ti,W,Cu,Al,Au等との蓄積膜か
らなる。
【0017】このような構成のゲート積層構造の両側の
基板表面に、いわゆるLDD(Lightly Doped Drain) を
有した2つのソース不純物領域S,ドレイン不純物領域
Dが互いに離れて形成されている。ソース不純物領域S
とドレイン不純物領域Dの濃度プロファイル,形状は対
称に形成されている。また、ゲート積層構造の両側面に
は、いわゆるサイドウォールと称せられる絶縁層SWが
形成されている。サイドウォールSW直下に位置する基
板領域に、n型不純物が比較的低濃度で浅く導入される
ことにより、n- 不純物領域(LDD)が形成されてい
る。また、サイドウォールSWを自己整合マスクとし
て、その両外側にn型不純物を比較的高濃度で深くまで
導入することにより、ソース不純物領域Sおよびドレイ
ン不純物領域Dの主体をなすn+ 不純物領域が形成され
ている。なお、サイドウォールSWおよびLDDは省略
可能である。ソース不純物領域S,ドレイン不純物領域
Dの上に、ドープド多結晶珪素または金属などからなる
ソース電極SE,ドレイン電極DEが形成されている。
【0018】以下、このメモリトランジスタの製造方法
を、図面を参照しながら説明する。ここで、図3〜図9
は、このトランジスタの製造における断面図である。図
3に示すように、基板SUB上にLOCOS法またはS
TI法により誘電体分離層ISOを形成する。また、必
要に応じて、メモリトランジスタの閾値電圧を調整する
ための不純物ドーピングを、たとえばイオン注入により
行う。
【0019】800〔℃〕から1000〔℃〕に昇温し
た基板SUBの表面を酸素O2 または酸化二窒素N2
に曝すことにより、3〔nm〕程度の二酸化珪素膜を形
成する。基板温度を800〔℃〕から1000〔℃〕に
保った状態で、二酸化珪素膜の表面をアンモニアNH3
に数10分間曝し、二酸化珪素膜表面を窒化する。この
高温窒化処理は、つぎの窒化珪素膜の堆積時のインキュ
ベーション時間を低減するためである。これにより、図
4に示すように、約1〔nm〕の第1電位障壁層BTM
が基板SUBのチャネル形成領域上に形成される。
【0020】ジクロルシラン(DCS:SiH2 Cl
2 )とアンモニアNH3 を、それぞれ所定流量流し、か
つチャンバ内の圧力を調整した後、窒化珪素のCVDを
行う。所定時間経過後にCVDを止めると、図5に示す
ように、数nmの窒化珪素膜(電荷蓄積層CS)が第1
電位障壁層BTM上に形成される。
【0021】基板温度を600〔℃〕から800〔℃〕
の範囲内で保ち、DCSと酸化二窒素N2 Oをそれぞれ
数100〔sccm〕の所定流量で、かつチャンバ内の
圧力が100〔Pa〕となる条件で流し、二酸化珪素膜
SiO2 のCVDを行う。所定時間経過後にCVDを止
めると、図6に示すように、数nmの第2電位障壁層T
OPが電荷蓄積層CS上に形成される。なお、このCV
Dに代えて、電荷蓄積層CSの表面を熱酸化により、あ
るいは熱酸化とCVDの組合せにより第2電位障壁層T
OPを形成してもよい。
【0022】ゲート電極GEとなる高濃度不純物がドー
ピングされた多結晶珪素と、銅(Cu),アルミニウム
(Al),金(Au),タングステン(W),チタン
(Ti),タングステンシリサイド(WSi2 ),タン
タルシリサイド(TaSi2 ),チタンナイトライド
(TiN)などの金属との積層膜を、CVD法またはP
VD法により形成する。これにより、図7に示すよう
に、50〔nm〕〜200〔nm〕程度の厚さのゲート
電極GEが、第2電位障壁層TOPの上に形成される。
【0023】とくに図示しないが、必要に応じてドライ
エッチング耐性の優れた誘電体(たとえばSiO2 )の
パターンを形成し、この誘電体あるいはレジストをマス
クとして異方性のあるエッチング、たとえばRIE(Rea
ctive Ion Etching)を行う。これにより、図8に示すよ
うに、ゲート電極GE,第2電位障壁層TOP,電荷蓄
積層CSがパターンニングされる。
【0024】つぎに、図9に示すように、ゲート電極を
自己整合マスクとしボトム誘電体層BTMをスルー膜と
して、基板表面にn型不純物を低濃度でイオン注入し、
-不純物領域(LDD領域)を形成する。このイオン
注入では、たとえば砒素イオン(As+ )を1〜5×1
13〔cm-2〕ほどのドーズでドーピングする。その
後、CVDによりSiO2 膜を100〔nm〕〜200
〔nm〕程度堆積し、これをRIE等の異方性エッチン
グによりエッチバックする。これにより、ゲート電極G
Eの側面にサイドウォールSWが形成される。
【0025】この状態で、サイドウォールSW外側の基
板表面にn型不純物を高濃度でイオン注入し、図2に示
すソース不純物領域Sおよびドレイン不純物領域Dを形
成する。このイオン注入では、たとえば、ゲート電極G
EおよびサイドウォールSWをマスクとして自己整合的
にAs+ を1〜5×1015〔cm-2〕ほどのドーズでド
ーピングする。その後、ソース電極SEおよびドレイン
電極DEの形成を行って、当該メモリトランジスタを完
成させる。
【0026】このように形成したトランジスタMTを、
図1に示す評価装置1のDTU(Device Testing Unit)
にセットする。
【0027】DTUのドレイン端子に、電流計2と電圧
源3が接続されている。また、DTUのゲート端子に、
セレクタ6を介して電圧源4とパルスジェネレータ5が
切り換え可能に接続されている。DTUのソース端子は
接地されている。また、トランジスタMTの基板SUB
も接地電位に固定されるようになっている。なお、評価
装置1の他の構成として、電流計2が測定した電流Id
を基に、チャネルの伝導度を求める伝導度測定器を付属
した構成でもよい。
【0028】この評価装置1は、基本的には、評価対象
の膜(電荷蓄積層CS)への電荷の注入量と、そのとき
のゲート閾値電圧Vth変化を調べる装置である。電荷の
注入時には、DTUにセットされたトランジスタMTに
対し、そのソース,ドレインおよび基板SUBを接地し
た状態で、パルスジェネレータ5により印加時間をパラ
メータとした書き込みパルスをゲートに印加して、電荷
蓄積層CSに電荷を注入する。たとえば、基板電位を基
準にして、ソースとドレインを0Vとし、ゲートに正の
電圧Vg (例えば10〔V〕)を所定のパルス時間tだ
け印加する。このパルス印加時に、基板表面に電子が蓄
積して反転層(チャネル)が形成され、チャネル内電子
の中から、パルス時間tに応じた量の電子が第1電位障
壁層BTMおよび電荷蓄積層CSをFNトンネリングし
て伝導し、電荷蓄積層CS内のトラップに捕獲される。
捕獲された電子の量に応じて、当該トランジスタMTの
ゲート閾値電圧Vthが変化する。
【0029】電荷注入の前または後においてゲート閾値
電圧Vthを測定するには、電圧源3によってドレイン間
電圧Vd をソースとドレイン間に供給し、かつ、電圧源
4によってゲート電圧Vg を変化させながらゲートとソ
ース間に供給し、そのときドレインに流れる電流Id
検出する。これにより、トランジスタMTにおいて、そ
のドレイン電流Id (または伝導度)が線型に増加し始
めるゲート電圧(ゲートしきい値電圧Vth)の測定が可
能である。具体的には、ゲート閾値電圧Vthの測定で
は、基板電位を基準として、ソースに0〔V〕,ドレイ
ンに1.5〔V〕を印加し、ゲート電圧Vg はゲート閾
値電圧Vthを測定するのに十分な範囲で変化させて、そ
れぞれのゲート電圧Vg に対応したドレイン電流Id
測定する。
【0030】図10は、ゲート電圧Vg に対するドレイ
ン電流Id の変化例においてゲート閾値電圧Vthの定義
を示すグラフである。ここで用いたトランジスタは、そ
のゲート長Lが0.7〔μm〕、ゲート幅Wが10〔μ
m〕である。図10に示すように、ゲート閾値電圧Vth
は、ゲート電圧Vg に対しドレイン電流Id が線型に増
加する領域の電流値を線型外挿し、ドレイン電流Id
ゼロになるゲート電圧Vg で定義できる。あるいは、ド
レイン電流Id が0.1〔μA〕W/L≒1.43〔μ
A〕となるゲート電圧Vg を、ゲート閾値電圧Vthの近
似値として求めることができる。
【0031】上記した装置とトランジスタMTを用い、
上記した動作方法およびバイアス設定条件の下、電荷の
注入とゲート閾値電圧の測定を行うことを前提として、
本発明の電荷トラップ密度の評価方法の実施の形態を、
以下に説明する。
【0032】第2実施形態 第2実施形態では、本発明に係る電荷トラップ密度の第
1の評価方法を示す。以下、ゲート閾値電圧Vthの時間
変化率(dΔVth/dt)に関し理論的考察を行い、続
いて、その理論式から電荷トラップ密度を算出する方法
を、具体的に説明する。
【0033】電荷蓄積層CS内に蓄積された電荷の面密
度をΔQ,電荷蓄積層CSとゲート電極GEとの間の相
互キャパシタンスをCg とすると、ゲート閾値電圧の変
化差分ΔVthは、次式(6)で与えられる。
【数6】
【0034】単位面積当たりの蓄積電荷ΔQの、注入時
間(ゲート電圧印加時間t)に対する変化率dΔQ/d
tは、次式(7)に示すように、チャネルから電荷蓄積
層CSへの注入電流Jinj に電荷捕獲率ηを掛けた量に
等しい。
【数7】
【0035】ここで、電荷捕獲率ηは、次式(8)に示
すように、電荷トラップの面密度Nと、そのトラップの
電荷捕獲断面積σの積で与えられる。
【数8】
【0036】上記式(6)から式(8)により、ゲート
閾値電圧Vthの時間変化率dΔVth/dtに関し、次式
(9)が導出される。
【数9】 電荷蓄積層CSの厚さ方向の中心に電荷分布中心がくる
ように、注入電荷が電荷蓄積層CS内にトラップされた
と仮定すると、相互キャパシタンスCg は、次式(1
0)により近似的に算出可能である。
【数10】 ここで、t2 は電荷蓄積層CSの厚さ、ε2 はその誘電
率、t3 は第2電位障壁層TOPの厚さ、ε3 はその誘
電率である。
【0037】本実施形態に係る評価方法では、注入電流
inj を実測により求める。すなわち、ゲート電極GE
とチャネル形成領域CHとの間に第1の電位障壁層BT
Mのみを有し、電荷蓄積層CSと第2の電位障壁層TO
Pを省略したMOSトランジスタを図2のトランジスタ
MTと別に形成し、そのゲート電流Ig の電界依存性を
測定することにより、注入電流Jinj を求める。式
(9)において、電荷捕獲断面積σは既知の値を用いる
ことができる。電荷捕獲断面積σが不明な場合でも、同
じ性質のトラップを含む誘電体層(電荷蓄積層CS)内
の相対的な電荷トラップ密度は、式(9)を変形して得
られたNσ=(dΔVth/dt)・Cg /Jinj を用い
て比較できる。
【0038】以上より、ゲート閾値電圧Vthのシフト量
の時間変化率(dΔVth/dt)が分かれば、電荷トラ
ップ密度に関するパラメータNまたはNσを計算により
求めることができる。
【0039】本実施形態では、(dΔVth/dt)を求
めるために、パルス電圧を10〔V〕で一定とし、1
〔μs〕から0.1〔s〕の範囲内でパルス時間tを変
化させて電荷注入を繰り返し行った時の、初期値からの
ゲート閾値電圧Vthの変化差分ΔVthを測定した。この
測定結果を図11のグラフに示す。また、このゲート閾
値電圧Vthの変化差分ΔVthを微分して、その時間変化
率dΔVth/dtを算出した。この時間変化率を縦軸
に、パルス印加時間を横軸にしてプロットしたグラフ
を、図12に示す。これらΔVth−t特性(図11)と
dΔVth/dt−t特性(図12)は、第1電位障壁層
BTMが厚さ2.7〔nm〕の二酸化珪素、電荷蓄積層
CSが厚さ4.8〔nm〕の窒化珪素、第2電位障壁層
TOPが厚さ5.2〔nm〕の二酸化珪素であるトラン
ジスタMTに対する測定から得られたものである。
【0040】図12から、パルス印加時間が1×10-6
秒程度以下になると、dΔVth/dtの値が飽和するこ
とが分かる。この飽和値は1×105 〔V/s〕であ
る。dΔVth/dtの値は、式(9)より注入電流J
inj に比例している。よって、dΔVth/dtの値が飽
和することは、注入電流Jinj が一定になることを示し
ている。これは、パルス時間tが十分小さいと、注入さ
れた電荷量が小さく、これがゲート誘電体膜中のポテン
シャルを変化させることがないからである。このゲート
誘電体膜中のポテンシャルの影響を受けていない状態で
のdΔVth/dtの値で、式(9)が最も有効に成り立
つと言える。本実施形態では、図12の外挿値1×10
5 〔V/s〕(dΔVth(0) /dt)を、式(10)か
ら求めたCg と、ゲート電流の電界依存性から実測によ
り見積もったJinj と共に式(9)に代入し、電荷トラ
ップ密度に比例したパラメータNσを算出する。あるい
は、既知の電荷捕獲断面積σの値を更に式(9)に代入
して、直接、電荷トラップ密度Nを算出する。
【0041】第3実施形態 上記した第2実施形態では、評価用トランジスタMTと
は別に作製したMOSトランジスタのゲート電流を実測
し、その電界依存性から式(9)に用いる注入電流を見
積もった。これに対し、第3実施形態に係る電荷トラッ
プ密度の第2評価方法では、注入電流Jinj を計算によ
り求める。それ以外の基本的な事項、すなわち式(6)
〜式(10)を用いた電荷トラップ密度の評価原理、お
よび図11,図12の特性図を用いることは第2実施形
態と共通する。
【0042】ここで、チャネルからの注入電荷が、第1
の電位障壁層BTM、または第1の電位障壁層BTMと
電荷蓄積層CSの一部とを、FNトンネリングにより透
過し、電荷蓄積層CS内のトラップに捕獲されたとす
る。この場合、その注入電流J inj は、次式(11)に
よりの近似的に求めることができる。
【数11】 ここで、Eは第1の電位障壁層BTMにかかる電界であ
り、AとBはそれぞれ次式(12)で与えられる。
【数12】 ここで、me はチャネル内の電子の有効質量、m1 は第
1の電位障壁層BTM内の電子の有効質量、eは素電荷
量1.6×10-19 〔C〕、hb (=h/2π)はプラ
ンク定数1.055×10-34 〔J・s〕である。ま
た、φは電子に対する電位障壁高さである。この障壁高
さφは、上記電界Eの関数として、次式(13)により
与えられる。
【数13】 ここで、xは、チャネルと第1の電位障壁層BTMとの
界面を原点としてゲート電極GE方向を正とした、チャ
ネルに垂直な座標内位置である。また、V(x)は、電
荷トラップに電荷が捕獲されていないときにゲートに電
圧Vg を印加した場合、電荷が第1電荷障壁層BTMお
よび電荷蓄積層CS内をトンネルするパスのポテンシャ
ルであり、xの関数となる。xt は、第1の電位障壁層
BTMよりトンネルした電子がトンネル障壁よりも高い
エネルギーを持ちはじめる、いわゆる回帰点である。
【0043】電荷蓄積層CS内にトラップされている電
荷が存在しなければ、第1の電位障壁層BTMにかかる
電界Eは、次式(14)により与えられる。
【数14】 ここで、Vg はゲート印加電圧、t1 は第1の電位障壁
層BTMの厚さ、ε1はその誘電率、t2 は電荷蓄積層
CSの厚さ、ε2 はその誘電率、t3 は第2電位障壁層
TOPの厚さ、ε3 はその誘電率である。
【0044】また、前記した電荷のトンネリングパスの
ポテンシャルV(x)は、第1の電位障壁層BTM内で
は次式(15)で与えられ、電荷蓄積層CS内では次式
(16)により与えられる。
【数15】
【数16】 ここで、φ1 は第1の電位障壁層BTMの障壁高さ、φ
2 は電荷蓄積層CSの障壁高さである。
【0045】このように、電荷トラップに電荷がトラッ
プされていない極限では、注入電流Jinj を式(11)
〜式(16)を用いて計算により求めることができる。
第2実施形態と同様に、相互キャパシタンスCg を計算
により求め、ゲートに印加するパルスの時間tを十分短
く(たとえば1〔μs〕以下に)することで、電荷トラ
ップに電荷が蓄積されていない極限のdΔVth/dtを
測定することが可能である。第3実施形態では、測定さ
れたdΔVth/dtと、計算により求めたJinj ,Cg
とを、式(9)を変形した関係式Nσ=(dΔVth/d
t)Cg /Jinj に代入し、電荷トラップ密度と電荷捕
獲断面積との積Nσの値を求めることができる。トラッ
プの捕獲断面積σが不明な場合でも、同じ性質のトラッ
プを含む誘電体間の相対的なトラップ密度の比較は、そ
れぞれの誘電体(電荷蓄積層CS)のNσを求め、それ
らを比較することにより達成できる。また、電荷捕獲断
面積σが既知の場合は、電荷トラップ密度Nを直接、求
めることができる。
【0046】以下、上記評価原理に基づいて、図12の
特性図から見積もったdΔVth/dtの値を用いて、窒
化珪素内の電子トラップの面密度Nの数値を具体的に算
出する。ここで、使用した評価用トランジスタMTは、
第2実施形態と同じ構造とする。すなわち、評価用トラ
ンジスタMTのゲート誘電体膜が、厚さ2.7〔nm〕
の二酸化珪素からなる第1の電位障壁層BTM、厚さ
4.8〔nm〕の窒化珪素からなる電荷蓄積層CS、お
よび、厚さ5.2〔nm〕の二酸化珪素からなる第2の
電位障壁層TOPで構成されている。
【0047】このゲート誘電体膜の構成では、ゲート電
圧Vg が10〔V〕のとき、第1の電位障壁層BTMに
9.92〔MV/cm〕の電界Eがかかり、チャネル内
電子が第1の電位障壁層BTMをFNトンネリングによ
り透過し、窒化珪素(電荷蓄積層CS)に注入される。
【0048】このときの注入電流Jinj は、前記した式
(11),式(12)で表される。二酸化珪素膜中の電
子の有効質量m1 は、0.4m0 (ここで、m0 は真空
中の電子の静止質量9.1×10-31 〔kg〕)であ
る。電子がトンネリングする二酸化珪素SiO2 (以
下、トンネル酸化膜という)のシリコンSiの伝導帯に
対する障壁高さφ1 は3.1〔eV〕であるが、電界E
が印加されているときの鏡像電荷による障壁高さの低下
量Δφ1 は、次式(17)のように計算される。
【数17】 したがって、トンネル電子から見た障壁高さφは、φ=
φ1 −Δφ1 =3.1−0.341=2.76〔eV〕
となる。以上の値を式(12)に代入して、式(11)
から注入電流Jinj を計算すると、Jinj =1.5×1
3 〔A/m2 〕が得られる。
【0049】また、式(10)により、ゲートの相互キ
ャパシタンスCg は5.4×10-3〔F/m2 〕とな
る。
【0050】以上の値を式(9)に代入すると、電荷捕
獲率η=Nσ=0.36が算出される。
【0051】文献(Kurt Lehovec and D.W.Crain, “Ch
arge centroid and trapping modelfor MNOS structure
s”, J. Appl. Phys., 47, 2763(1976); Joseph J. Ch
ang, “Effect of distributed charge in the nitride
of an MNOS structure onthe flat-band voltage ”,
Appl. Phys. Lett., 29, 742(1976))によると、窒化珪
素SiN中の電子トラップの電荷捕獲断面積σは、σ=
2.88×10-13〜4.6×10-13 〔cm2 〕で与
えられる。この値を用いると、窒化珪素SiN中の電子
トラップの面密度Nは、N=0.36/σ=7.9×1
11〜1.3×1012〔cm-2〕と求まる。この面密度
を窒化珪素SiNの厚さ4.8〔nm〕で割ると、電荷
蓄積層CS内のトラップ密度が1.7×1018〜2.6
×1018〔cm-3〕と求められる。
【0052】第4実施形態 第4実施形態は、本発明の電荷トラップ密度の第3の評
価方法に関する。この評価方法では、ゲート閾値電圧シ
フト量の論理式を、評価用トランジスタMTの動作によ
って得られた図11の実測データに最小自乗法によりフ
ィッティングさせ、その結果により、トンネル酸化膜障
壁高さφおよび電荷捕獲率ηを求める。それ以外の基本
的な事項、すなわち式(6)〜式(12)を用いた電荷
トラップ密度の評価原理、および図11の特性図を用い
ることは第2,第3実施形態と共通する。ここで、使用
した評価用トランジスタMTは、第2,第3実施形態と
同じ構造とする。すなわち、評価用トランジスタMTの
ゲート誘電体膜が、厚さ2.7〔nm〕の二酸化珪素か
らなる第1の電位障壁層(トンネル酸化膜)BTM、厚
さ4.8〔nm〕の窒化珪素からなる電荷蓄積層CS、
および、厚さ5.2〔nm〕の二酸化珪素からなる第2
の電位障壁層TOPで構成されている。
【0053】電荷が注入されることによるゲート閾値電
圧の変化差分(シフト量)をΔVthとすると、ゲート電
極に電圧をVg だけ与えたときにトンネル酸化膜BTM
にかかる電界Eは、次式(18)で表される。
【数18】 ここで、二酸化珪素膜換算のトータル膜厚はtT =t1
+t2 ε1 /ε2 +t 3 ε1 /ε3 となる。
【0054】この式(18)と、前記した式(9)およ
び式(11)を連立して解くと、次の解(式(19))
が得られる。
【数19】 ここで、A,Bは式(12)で与えられる。
【0055】本実施形態では、このゲート閾値電圧のシ
フト量ΔVth(t) を、図11の実測データに対し最小自
乗法によりフィッティングさせる。このとき、第1の電
位障壁層BTM(二酸化珪素SiO2 )中の電荷の有効
質量m1 または障壁高さφ1 、および各層の膜厚t1
2 ,t3 と誘電率ε1 ,ε2 ,ε3 は既知とする。以
下に示す例では、電子の真空中の静止質量m0 を既知と
し、チャネル内の電子の有効質量がme =0.33m
0 、トンネル酸化膜BTM中の電子の有効質量がm1
0.4m0 とする。また、誘電率として、ε1=ε3
3.9,ε2 =7.5を用いる。したがって、式(1
9)内のCg ,t T も既知のパラメータとなる。残る未
知のパラメータは式(12)内のφと、式(19)内の
Nσとの2つとなり、この2つのパラメータを種々変化
させてフィッティングを行う。
【0056】フィッティングの結果を図13に示す。そ
の結果得られたトンネル障壁高さはφ=2.50〔e
V〕、電荷捕獲率の値はη=Nσ=0.085であっ
た。前記した文献によると、窒化珪素SiN中の電子ト
ラップの電荷捕獲断面積σは、σ=2.88×10-13
〜4.6×10-13 〔cm2 〕で与えられる。この値を
用いると、窒化珪素SiN中の電子トラップの面密度N
は、N=0.085/σ=1.85×1011〜2.95
×1011〔cm-2〕と求まる。電子トラップが窒化珪素
バルク中に一様に分布しているとすれば、この面密度を
窒化珪素SiNの厚さ4.8〔nm〕で割り、電荷蓄積
層CS内のトラップ密度が3.8×1017〜6.1×1
17〔cm-3〕と求められる。
【0057】この評価方法は、第2実施形態のように第
1の電位障壁層BTMのトンネル障壁高さの導出を要し
ないという利点がある。
【0058】第5実施形態 第5実施形態は、本発明の電荷トラップ密度の第4の評
価方法に関する。この評価方法も第4実施形態と同様、
フィッティングを用いるが、ここでは、ゲート閾値電圧
シフト量の変化率の理論式を求め、これを評価用トラン
ジスタMTの動作によって得られた図12の実測データ
に最小自乗法によりフィッティングさせ、その結果によ
り、トンネル酸化膜障壁高さφおよび電荷捕獲率ηを求
める。それ以外の基本的な事項、すなわち式(6)〜式
(12)を用いた電荷トラップ密度の評価原理、および
図11の特性図を用いることは第2,第3実施形態と共
通する。ここで、使用した評価用トランジスタMTは、
第2,第3実施形態と同じ構造とする。すなわち、評価
用トランジスタMTのゲート誘電体膜が、厚さ2.7
〔nm〕の二酸化珪素からなる第1の電位障壁層(トン
ネル酸化膜)BTM、厚さ4.8〔nm〕の窒化珪素か
らなる電荷蓄積層CS、および、厚さ5.2〔nm〕の
二酸化珪素からなる第2の電位障壁層TOPで構成され
ている。
【0059】第4実施形態で導出した式(19)を微分
して、ゲート閾値電圧のシフト量の変化率に関する次式
(20)を導出する。
【数20】 ここで、二酸化珪素膜換算のトータル膜厚はtT =t1
+t2 ε1 /ε2 +t 3 ε1 /ε3 となる。また、A,
Bは式(12)で与えられる。
【0060】本実施形態では、このゲート閾値電圧のシ
フト量の変化率dΔVth/dtを、図12の実測データ
に対し最小自乗法によりフィッティングさせる。このと
き、第1の電位障壁層BTM(二酸化珪素SiO2 )中
の電荷の有効質量m1 または障壁高さφ1 、および各層
の膜厚t1 ,t2 ,t3 と誘電率ε1 ,ε2 ,ε3 は既
知とする。以下に示す例では、電子の真空中の静止質量
0 を既知とし、チャネル内の電子の有効質量がme
0.33m0 、トンネル酸化膜BTM中の電子の有効質
量がm1 =0.4m0 とする。また、誘電率として、ε
1=ε3 =3.9,ε2 =7.5を用いる。したがっ
て、式(20)内のCg ,t T も既知のパラメータとな
る。残る未知のパラメータは式(12)内のφと、式
(20)内のNσとの2つとなり、この2つのパラメー
タを種々変化させてフィッティングを行う。
【0061】フィッティングの結果を図14に示す。そ
の結果得られたトンネル障壁高さはφ=2.43〔e
V〕、電荷捕獲率の値はη=Nσ=0.052であっ
た。前記した文献によると、窒化珪素SiN中の電子ト
ラップの電荷捕獲断面積σは、σ=2.88×10-13
〜4.6×10-13 〔cm2 〕で与えられる。この値を
用いると、窒化珪素SiN中の電子トラップの面密度N
は、N=0.052/σ=1.13×1011〜1.18
×1011〔cm-2〕と求まる。電子トラップが窒化珪素
バルク中に一様に分布しているとすれば、この面密度を
窒化珪素SiNの厚さ4.8〔nm〕で割り、電荷蓄積
層CS内のトラップ密度が2.4×1017〜3.8×1
17〔cm-3〕と求められる。
【0062】この評価方法は、第2実施形態のように第
1の電位障壁層BTMのトンネル障壁高さの導出を要し
ないという利点がある。
【0063】以上の第1〜第5実施形態に示す電荷トラ
ップ密度の評価方法を用いると、トラップされた電荷量
ではなく、電荷トラップそのものの密度を評価すること
ができる。
【0064】上記例では評価対象と窒化珪素としたが、
電荷トラップを有した他の誘電体に対しても同様に評価
できる。その際の膜厚仕様に制限はない。
【0065】また、上記第1〜第5実施形態では、トラ
ンジスタMTのチャネル導電型をn型として電子を注入
する場合を述べたが、トランジスタMTのチャネル導電
型をp型としてホールを注入してもよい。この場合、図
1〜図9の基板SUBがn型、ソース不純物領域Sおよ
びドレイン不純物領域Dがp型である。また、電荷注入
時にゲート電圧Vg を例えば負電圧し、これによりチャ
ネルからホールが注入してゲート閾値電圧が低下する。
また、式(12)の電子の有効質量me に代えて、ホー
ルの有効質量mh を用いること以外、第2〜第5実施形
態の理論式は全てホール注入の場合にも適用できる。
【0066】
【発明の効果】本発明に係る電荷トラップ密度の評価方
法によれば、評価対象膜の電荷トラップ密度を直接、あ
るいは電荷トラップ密度に比例したパラメータ(電荷捕
獲率)として取得することが可能となった。また、本発
明に係る電荷トラップ密度の評価装置では、上記評価方
法が好適に実施できる構成を備えた評価装置を提供する
ことが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る電荷トラップ密度の評
価装置の概略構成を示す図である。
【図2】本発明の実施形態に係る評価用素子の概略断面
図である。
【図3】本発明の実施形態に係る評価用素子の製造にお
いて、誘電体分離層の形成後を示す断面図である。
【図4】本発明の実施形態に係る評価用素子の製造にお
いて、第1の電位障壁層の形成後の断面図である。
【図5】本発明の実施形態に係る評価用素子の製造にお
いて、電荷蓄積層(評価対象膜)の形成後を示す断面図
である。
【図6】本発明の実施形態に係る評価用素子の製造にお
いて、第2の電位障壁層の形成後の断面図である。
【図7】本発明の実施形態に係る評価用素子の製造にお
いて、ゲート電極となる膜の形成後の断面図である。
【図8】本発明の実施形態に係る評価用素子の製造にお
いて、ゲート電極の加工後を示す断面図である。
【図9】本発明の実施形態に係る評価用素子の製造にお
いて、LDDの形成後の断面図である。
【図10】本発明の実施形態に係る評価素子のゲート電
圧に対するドレイン電流の変化例において、ゲート閾値
電圧の定義を示すグラフである。
【図11】本発明の第2〜第5実施形態に係る、ゲート
閾値電圧シフト量のパルス印加時間依存性を示すグラフ
である。
【図12】本発明の第2〜第5実施形態に係る、ゲート
閾値電圧シフト量の時間変化率のパルス印加時間依存性
を示すグラフである。
【図13】本発明の第4実施形態に係り、図11にゲー
ト閾値電圧シフト量の理論値のフィッティング結果を重
ねたグラフである。
【図14】本発明の第5実施形態に係り、図12にゲー
ト閾値電圧シフト量の時間変化率の理論値のフィッティ
ング結果を重ねたグラフである。
【符号の説明】
1…電荷トラップ密度の評価装置、2…電流計(電流検
出手段)、3,4…電圧源(電圧供給手段)、5…パル
スジェネレータ(第1の電圧供給手段)、6…セレク
タ、MT…トランジスタ(評価素子)、SUB…半導体
基板(第1導電型半導体)、S…ソース不純物領域(第
2導電型半導体)D…ドレイン不純物領域(第2導電型
半導体)、BTM…第1の電位障壁層、CS…電荷蓄積
層(評価対象の誘電体膜)、TOP…第2の電位障壁
層、GE…ゲート電極、Vg …ゲート電圧、Vth…ゲー
ト閾値電圧、ΔVth…ゲート閾値電圧の変化差分(シフ
ト量)、dΔVth/dt…ゲート閾値電圧シフト量の時
間変化率、t…パルス印加時間。

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電荷トラップ密度を評価する誘電体膜を、
    チャネルが形成される半導体とゲート電極間の積層体内
    に電荷蓄積層として備えた評価素子を作製し、 上記ゲート電極に所定電圧を供給するパルスの印加時間
    を種々変えながら上記誘電体膜内に電荷を注入し、 当該評価素子のゲート閾値電圧シフト量の時間変化率の
    パルス印加時間依存性を求め、 求めた上記シフト量の時間変化率デ−タ列からパルス印
    加時間がゼロのときを外挿して、シフト量の基礎変化率
    を求め、 ゲート閾値電圧シフト量の電荷注入時間変化の理論計算
    式に上記基礎変化率を当てはめることにより、注入電荷
    によるポテンシャル変化の影響を無視できる領域で、電
    荷トラップ密度に比例した電荷捕獲率または電荷トラッ
    プ密度を算出する各工程を含む電荷トラップ密度の評価
    方法。
  2. 【請求項2】上記評価方法が以下の諸工程、すなわち、 第1導電型半導体上に第1の電位障壁層,評価対象の上
    記誘電体膜,第2の電位障壁層およびゲート電極を順次
    積層させてなる積層体と、当該積層体両側の第1導電型
    半導体部分に形成された2つの第2導電型半導体とを有
    した評価素子を作製し、 ソース電位を基準とした一定電圧Vg を時間tだけ供給
    するパルスを上記ゲート電極に印加し、そのパルス印加
    の前と後でソース電位を基準とした上記評価素子のゲー
    トの閾値電圧のシフト量ΔVthを測定し、 上記シフト量ΔVthの測定を、上記パルス印加時間tを
    種々変化させながら繰り返し、 求めたシフト量ΔVth(t) を微分して、シフト量の時間
    変化率dΔVth(t) /dtに変換し、 上記シフト量の時間変化率デ−タにおいてパルス印加時
    間tがゼロのときを外挿して、シフト量の基礎変化率d
    ΔVth(0) /dtを求め、 当該基礎変化率dΔVth(0) /dtと既知の3つのパラ
    メータ、すなわち、電荷トラップの電荷捕獲断面積σ,
    電荷トラップ層に電荷が存在しない場合での電荷蓄積層
    への注入電流Jinj および電荷蓄積層とゲート電極間の
    相互キャパシタンスCg とを次式(1)、すなわち、 に代入して、電荷トラップ密度に比例した電荷捕獲率N
    σまたは電荷トラップ密度Nを算出する各工程を含む請
    求項1記載の電荷トラップ密度の評価方法。
  3. 【請求項3】上記ゲート電極に印加するパルスの電圧V
    g との電圧差により、上記第1導電型半導体の表面に第
    2導電型の反転層が形成され、当該反転層の蓄積キャリ
    アが上記評価対象の誘電体膜中にFNトンネリングによ
    り注入される電圧を、上記第1導電型半導体,上記2つ
    の第2導電型半導体の全てに印加する工程を更に含む請
    求項2記載の電荷トラップ密度の評価方法。
  4. 【請求項4】上記評価素子の評価対象の誘電体膜と上記
    第2の電位障壁層とを省略してなる他の評価素子を作製
    し、 当該他の評価素子から測定して得たゲート電流を用い
    て、上記注入電流Jinjの値を見積もる各工程を更に含
    む請求項2記載の電荷トラップ密度の評価方法。
  5. 【請求項5】上記注入電流Jinj の値を、FNトンネリ
    ング電流の理論計算式から求める工程を更に含む請求項
    2記載の電荷トラップ密度の評価方法。
  6. 【請求項6】電荷トラップ密度を評価する誘電体膜を、
    チャネルが形成される半導体とゲート電極間の積層体内
    に電荷蓄積層として備えた評価素子を作製し、 上記ゲート電極に印加するパルスの時間を種々変えなが
    ら上記誘電体膜内に電荷を注入し、 当該評価素子のゲート閾値電圧シフト量のパルス時間依
    存性を求め、 上記誘電体膜の電荷トラップ密度に比例した電荷捕獲率
    または電荷トラップ密度をフィッティングパラメータと
    して、上記シフト量の理論計算式を、上記パルス時間依
    存性を求めたときに得られた上記シフト量のデ−タ列に
    フィッティングさせ、 フィッティングパラメータの変化範囲内で最も良くフィ
    ッティングするときの値から、電荷トラップ密度に比例
    した電荷捕獲率の最適値を求める各工程を含む電荷トラ
    ップ密度の評価方法。
  7. 【請求項7】求めた電荷捕獲率の最適値を、電荷トラッ
    プ密度を相対的に評価するパラメータとして用いる請求
    項6記載の電荷トラップ密度の評価方法。
  8. 【請求項8】既知の電荷捕獲断面積を用いて、求めた電
    荷捕獲率の最適値から電荷トラップ密度を算出する工程
    を更に有した請求項6記載の電荷トラップ密度の評価方
    法。
  9. 【請求項9】上記評価方法が以下の諸工程、すなわち、 第1導電型半導体上に第1の電位障壁層,評価対象の上
    記誘電体膜,第2の電位障壁層およびゲート電極を順次
    積層させてなる積層体と、当該積層体両側の第1導電型
    半導体部分に形成された2つの第2導電型半導体とを有
    した評価素子を作製し、 上記第1導電型半導体,上記2つの第2導電型半導体の
    全てを同電位に保持した状態で、当該電位との電位差に
    より、上記第1導電型半導体の表面に第2導電型の反転
    層が形成され、当該反転層の蓄積キャリアが上記評価対
    象の誘電体膜中にFNトンネリングにより注入される電
    圧Vg を時間tだけ供給するパルスを、上記ゲート電極
    に印加し、 そのパルス印加の前と後でソース電位を基準とした上記
    評価素子のゲート閾値電圧のシフト量ΔVthを測定し、 上記シフト量ΔVthの測定を、上記パルス印加時間tを
    種々変化させながら繰り返し、 既知のパラメータ、すなわち、第1の電位障壁層中の電
    荷の有効質量m1 、チャネル内の蓄積キャリアの有効質
    量mc 、電子の素電荷量e、およびプランク定数hb
    h/2π=1.055×10-34 〔J・s〕を用いた次
    式(2-1) と(2-2) 、すなわち、 から、トンネル電荷の障壁高さφの関数AとBを求め、 当該関数AおよびBと、既知のパラメータ、すなわち、
    ゲート電圧Vg ,ゲートの相互キャパシタンスCg 、お
    よび第1の電位障壁層材料に換算した積層体のトータル
    厚tT (=t1 +t2 ε1 /ε2 +t3 ε1 /ε3 ,こ
    こでt1 ,t2,t3 はそれぞれ第1の電位障壁層、評
    価対象の誘電体膜、第2の電位障壁層の膜厚、ε1 ,ε
    2 ,ε3 はそれぞれ第1の電位障壁層、評価対象の誘電
    体膜、第2の電位障壁層の誘電率)とを、上記シフト量
    ΔVth (t)の理論計算式(3)、すなわち、 に代入し、 φおよびNσを種々変化させて、上記理論計算式(3)
    をシフト量ΔVthの測定データ列にフィッティングさ
    せ、電荷捕獲率Nσの最適値を求める各工程を含む請求
    項6記載の電荷トラップ密度の評価方法。
  10. 【請求項10】電荷トラップ密度を評価する誘電体膜
    を、チャネルが形成される半導体とゲート電極間の積層
    体内に電荷蓄積層として備えた評価素子を作製し、 上記ゲート電極に印加するパルスの時間を種々変えなが
    ら上記誘電体膜内に電荷を注入し、 当該評価素子のゲート閾値電圧シフト量の時間変化率
    の、パルス印加時間依存性を求め、 上記誘電体膜の電荷トラップ密度に比例した電荷捕獲率
    または電荷トラップ密度をフィッティングパラメータと
    して、上記シフト量の電荷注入時間変化率の理論計算式
    を、上記パルス印加時間依存性を求めたときに得られた
    上記シフト量の時間変化率のデ−タ列にフィッティング
    させ、 フィッティングパラメータの変化範囲内で最も良くフィ
    ッティングするときの値から、電荷トラップ密度に比例
    した電荷捕獲率の最適値を求める各工程を含む電荷トラ
    ップ密度の評価方法。
  11. 【請求項11】求めた電荷捕獲率の最適値を、電荷トラ
    ップ密度を相対的に評価するパラメータとして用いる請
    求項10記載の電荷トラップ密度の評価方法。
  12. 【請求項12】既知の電荷捕獲断面積を用いて、求めた
    電荷捕獲率の最適値から電荷トラップ密度を算出する工
    程を更に有した請求項10記載の電荷トラップ密度の評
    価方法。
  13. 【請求項13】上記評価方法が以下の諸工程、すなわ
    ち、 第1導電型半導体上に第1の電位障壁層,上記評価対象
    の誘電体膜,第2の電位障壁層およびゲート電極を順次
    積層させてなる積層体と、当該積層体両側の第1導電型
    半導体部分に形成された2つの第2導電型半導体とを有
    した評価素子を作製し、 上記第1導電型半導体,上記2つの第2導電型半導体の
    全てを同電位に保持した状態で、当該電位との電位差に
    より、上記第1導電型半導体の表面に第2導電型の反転
    層が形成され、当該反転層の蓄積キャリアが上記評価対
    象の誘電体膜中にFNトンネリングにより注入される電
    圧Vg を時間tだけ供給するパルスを、上記ゲート電極
    に印加し、 そのパルス印加の前と後でソース電位を基準とした上記
    評価素子のゲート閾値電圧のシフト量ΔVthを測定し、 上記シフト量ΔVthの測定を、上記パルス印加時間tを
    種々変化させながら繰り返し、 上記シフト量ΔVthを微分して、シフト量の時間変化率
    dΔVth/dtのパルス印加時間依存性データを算出
    し、 既知のパラメータ、すなわち、第1の電位障壁層中の電
    荷の有効質量m1 、チャネル内の蓄積キャリアの有効質
    量mc 、電子の素電荷量e、およびプランク定数hb
    h/2π=1.055×10-34 〔J・s〕を用いた次
    式(4-1) と(4-2) 、すなわち、 から、トンネル電荷の障壁高さφの関数AとBを求め、 当該関数AおよびBと、既知のパラメータ、すなわち、
    ゲート電圧Vg ,ゲートの相互キャパシタンスCg 、お
    よび第1の電位障壁層材料に換算した積層体のトータル
    厚tT (=t1 +t2 ε1 /ε2 +t3 ε1 /ε3 ,こ
    こでt1 ,t2,t3 はそれぞれ第1の電位障壁層、評
    価対象の誘電体膜、第2の電位障壁層の膜厚、ε1 ,ε
    2 ,ε3 はそれぞれ第1の電位障壁層、評価対象の誘電
    体膜、第2の電位障壁層の誘電率)とを、上記シフト量
    の時間変化dΔVth/dtの理論計算式(5)、すなわ
    ち、 に代入し、 φおよびNσを種々変化させて、上記理論計算式(5)
    を上記シフト量時間変化率dΔVth/dtのデータ列に
    フィッティングさせ、電子捕獲率Nσの最適値を求める
    各工程を含む請求項10記載の電荷トラップ密度の評価
    方法。
  14. 【請求項14】電荷トラップ密度を評価する誘電体膜
    を、チャネルが形成される半導体とゲート電極間の積層
    体内に電荷蓄積層として備えた評価素子のゲートに、所
    定電圧のパルスを印加し、かつ、当該パルスの印加時間
    が可変な第1の電圧供給手段と、 上記評価素子のドレインに接続された第2の電圧供給手
    段と、 上記評価素子のソースまたはドレインに接続された電流
    検出手段とを含む電荷トラップ密度の評価装置。
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