JP5063051B2 - 接近警報システム及びその制御方法 - Google Patents
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Description
<ST500>
まず、親局装置300のデータ処理部310およびアンテナ120により、時刻リセットを指示するデータが送信される(図6(a)参照)。超音波発信装置100A、超音波発信/受信装置100B,100C,100D、超音波受信装置200P,200Q,200Rの各々は、アンテナ120により時刻リセット指示データを受信すると、データ処理部150の制御により時計部160のカウント値をリセットする(図6(b)参照)。
<ST510>
超音波発信後、超音波発信装置100Aおよび超音波発信/受信装置100B,100C,100Dの各々は、メモリに記録された超音波発信時刻を親局装置300に送信する。ここでは超音波発信装置100A、超音波発信/受信装置100B,100C,100Dの超音波発信時刻をそれぞれtsA,tsB,tsC,tsDとする。各装置100A〜100Dより送信されるデータは、図7に示すように、超音波発信時刻データであることを示すヘッダ情報(発信)、超音波発信装置を示す情報(100A〜100D)、超音波発信時刻を示す情報(tsA〜tsD)が対応づけられたフォーマットになっている。
<ST520>
ステップST500において装置100A〜100Dから発信された超音波は、超音波発信/受信装置100B,100C,100Dおよび超音波受信装置200P,200Q,200Rの超音波受信部140により受信される。各装置100B,100C,100D,200P,200Q,200Rのデータ処理部150には、図8に示すように、超音波発信装置100Aおよび超音波発信/受信装置100B,100C,100D(発信元)と、それらの装置より発信される超音波の周波数fA〜fDとが対応づけられたテーブルがあらかじめ格納されている。各装置100B,100C,100D,200P,200Q,200Rのデータ処理部150は、受信した超音波の周波数と上記テーブルとを比較し、その超音波がどの装置から発信されたものかを判別する。そしてデータ処理部150は、判別結果(発信元)を示す情報と、その超音波受信時の時計部160のカウント値(超音波受信時刻)とを対応づけてメモリに記録する(図8参照)。
<ST530>
次に親局装置300のデータ処理部310は、ステップST510において作成した発信時刻テーブルおよびステップST520において作成した受信時刻テーブルを参照して、各装置間AB,BC,…(図10(a)参照)の距離を算出する。具体的には図10(b)に示すように、装置100A−100B間の直線区間ABの距離Labを算出する際には、受信時刻テーブルの受信装置100Bと発信装置100Aとに対応づけられている受信時刻trBAと、発信時刻テーブルの発信装置100Aに対応づけられている発信時刻tsAとを用いて、(trBA−tsA)×(音速)により距離Labを算出する。その他の直線区間BC,…,DRについても同様に、区間(例:DR)の一方の装置(例:100D)から超音波が発信された時刻(例:tsD)と区間(例:DR)の他方の装置(例:200R)がその超音波を受信した時刻(例:trRD)とを用いて、(受信時刻[例:trRD]−発信時刻[例:tsD])×(音速)により距離(例:Ldr)を算出する。さらに親局装置300のデータ処理部310は、このように算出した距離Lab,…と直線区間AB,…とが対応づけられた区間距離テーブルを作成する(図10(c)参照)。
<ST540>
ステップST540〜ST570では超音波受信装置200P,200Q,200Rの各々について同様の処理が行われるので、ここでは代表的に超音波受信装置200Pについての処理を説明する。
<ST550>
次に、親局装置300のデータ処理部310は、ステップST540により選択された2つの直線区間AB,BCのうちどちらを超音波受信装置200Pとの距離算出の基準とするかを判定する。図12(a)に示すように、超音波受信装置200Pと配電線との距離を算出する際に、区間ABを基準に距離を測定した場合(200PとABとの垂直距離X’)と区間BCを基準に距離を測定した場合(200PとBCとの垂直距離X)とでは距離が異なるので、どの区間を基準に計算するかを定める必要がある。そこで親局装置300のデータ処理部310は、図12(b)に示すように、∠PBAと∠PBCを比較し小さい方(cosの大きい方)の区間を基準に距離を算出する。具体的には余弦定理を用いて、cos(∠PBA)=(BP2+AB2−AP2)/(2×BP×AB)、cos(∠PBC)=(BP2+BC2−CP2)/(2×BP×BC)を計算する(図13(a)参照)。この計算は、図13(b)に示すように、区間距離テーブルの各区間AB,…に対応づけられている距離Lab,…を用いて行う。そして、計算により得られたcos(∠PBA)とcos(∠PBC)とを比較し、cos(∠PBA)>cos(∠PBC)であれば直線区間ABを超音波受信装置200Pとの距離算出の基準と判定し、cos(∠PBA)<cos(∠PBC)であれば直線区間BCを超音波受信装置200Pとの距離算出の基準と判定する。
<ST560>
親局装置300のデータ処理部310は、ステップST550において距離算出の基準と判定された直線区間と超音波受信装置200Pとの距離Xを算出する。ここではステップST550において直線区間BCが距離算出の基準と判定されたものする。図14(a)に示すように、超音波受信装置200Pから直線区間BCまでの距離Xは、X=(1/2BC)×√(2BP2CP2+2BP2BC2+2CP2BC2−(BC4+BP4+CP4))により求められる。親局装置300のデータ処理部310は、この計算を、図14(b)に示すように、区間距離テーブルの各区間BC,…に対応づけられている距離Lbc,…を用いて行う。
<ST570>
次に、親局装置300は、ステップST560において算出された距離Xに応じて準警報、警報を発生する。図14(b)に示すように、親局装置300のデータ処理部310は、ステップST560において算出された距離Xが、L2(ここでは40cm)≦X<L1(ここでは50cm)の場合は準警報発生指示を警報発生部320に与え、X<L2(=40cm)の場合は警報発生指示を警報発生部320に与える。親局装置300の警報発生部320は、データ処理部150からの指示に応答して、音・振動・光などによる警報、準警報を発生する。このように本システムでは、作業員(超音波受信装置200P)が配電線(直線区間BC)に規定の距離(L2=40cm)よりも近づいたときに警報を発生するだけでなく、もうすぐ規定の距離に近づくということを知らせるために、作業員(超音波受信装置200P)が規定の距離に近いある距離(L1=50cm)よりも配電線(直線区間BC)に近づいたときに準警報を発生するようにしている。
100B,100C,100D 超音波発信/受信装置
110 本体部
120 アンテナ
130 超音波発信部
140 超音波受信部
150 データ処理部
160 時計部
200P、200Q,200R 超音波受信装置
300 親局装置
310 データ処理部
320 警報発生部
Claims (3)
- 配電線に取り付けられ、時計機能と、超音波発信機能と、電波によるデータ送受信機能とを有している超音波発信装置と、
前記配電線に前記超音波発信装置を起点として一方向に取り付けられ、時計機能と、超音波発信/送信機能と、電波によるデータ送受信機能とを有している複数の超音波発信/受信装置と、
前記配電線の作業を行う作業員が着用又は使用するものに取り付けられ、時計機能と、超音波受信機能と、電波によるデータ送受信機能と有している超音波受信装置と、
電波によるデータ送受信機能と、距離算出機能と、警報発生機能とを有している親局装置と、
前記超音波発信装置および前記複数の超音波発信/受信装置が取り付けられた配電線の区間を、これら各装置を結ぶ複数の直線区間に分け、この直線区間と前記超音波受信装置との距離を配電線との距離として算出し、該算出された距離が所定のしきい値よりも短い場合は、前記親局装置の警報を発生する制御手段とを備える
ことを特徴とする接近警報システム。 - 請求項1記載の近接警報システムにおいて、
前記制御手段は、以下の処理(c)〜(j)を行う、
(c)前記親局装置は、超音波発信指示データを送信する、
(d)前記超音波発信装置、前記複数の超音波発信/受信装置の各々は、前記超音波発信指示データを受信すると超音波を発信し、その超音波を発信した装置を示す情報とその超音波発信時の時間カウント値とを対応づけて前記親局装置に送信する、
(e)前記複数の超音波発信/受信装置、前記超音波受信装置の各々は、前記処理(d)において発信された超音波を受信すると、その超音波がどの装置から発信されたものかを判別し、その判別結果を示す情報と、その超音波受信時の時間カウント値と、その超音波を受信した装置を示す情報とを対応づけて、前記親局装置に送信する、
(f)前記親局装置は、前記処理(d)および前記処理(e)において送信された情報を受信し、この情報に基づいて、前記超音波発信装置、前記複数の超音波発信/受信装置、前記超音波受信装置の各装置間の距離を算出する、
(g)前記親局装置は、前記処理(f)において算出された距離に基づいて、前記超音波発信装置および前記複数の超音波発信/受信装置のうち、前記超音波受信装置との距離が最も近いのはどれかを判定し、この判定結果の装置の両サイドの2区間を前記超音波受信装置との距離が最も近い直線区間の候補として選択する、
(h)前記親局装置は、前記超音波受信装置と前記処理(g)による判定結果の装置とを結ぶ直線区間と前記処理(g)において選択された2つの直線区間の各々とがなす角度を比較して、前記処理(g)により選択された2つの直線区間のうち、どちらを前記超音波受信装置との距離算出の基準とするかを判定する、
(i)前記親局装置は、前記処理(f)において算出された距離に基づいて、前記処理(h)において距離算出の基準と判定された直線区間と前記超音波受信装置との距離を算出する、
(j)前記親局装置は、前記処理(i)において算出された距離が所定のしきい値よりも短い場合は警報を発生する、
ことを特徴とする接近警報システム。 - 配電線に取り付けられ、時計機能と、超音波発信機能と、電波によるデータ送受信機能とを有している超音波発信装置と、
前記配電線に前記超音波発信装置を起点として一方向に取り付けられ、時計機能と、超音波発信/送信機能と、電波によるデータ送受信機能とを有している複数の超音波発信/受信装置と、
前記配電線の作業を行う作業員が着用又は使用するものに取り付けられ、時計機能と、超音波受信機能と、電波によるデータ送受信機能と有している超音波受信装置と、
電波によるデータ送受信機能と、距離算出機能と、警報発生機能とを有している親局装置とを備える接近警報システムの制御方法であって、
以下の処理ステップ(c)〜(j)を行う、
(c)前記親局装置は、超音波発信指示データを送信する、
(d)前記超音波発信装置、前記複数の超音波発信/受信装置の各々は、前記超音波発信指示データを受信すると超音波を発信し、その超音波を発信した装置を示す情報とその超音波発信時の時間カウント値とを対応づけて前記親局装置に送信する、
(e)前記複数の超音波発信/受信装置、前記超音波受信装置の各々は、前記処理(d)において発信された超音波を受信すると、その超音波がどの装置から発信されたものかを判別し、その判別結果を示す情報と、その超音波受信時の時間カウント値と、その超音波を受信した装置を示す情報とを対応づけて、前記親局装置に送信する、
(f)前記親局装置は、前記処理(d)および前記処理(e)において送信された情報を受信し、この情報に基づいて、前記超音波発信装置、前記複数の超音波発信/受信装置、前記超音波受信装置の各装置間の距離を算出する、
(g)前記親局装置は、前記処理(f)において算出された距離に基づいて、前記超音波発信装置および前記複数の超音波発信/受信装置のうち、前記超音波受信装置との距離が最も近いのはどれかを判定し、この判定結果の装置の両サイドの2区間を前記超音波受信装置との距離が最も近い直線区間の候補として選択する、
(h)前記親局装置は、前記超音波受信装置と前記処理(g)による判定結果の装置とを結ぶ直線区間と前記処理(g)において選択された2つの直線区間の各々とがなす角度を比較して、前記処理(g)により選択された2つの直線区間のうち、どちらを前記超音波受信装置との距離算出の基準とするかを判定する、
(i)前記親局装置は、前記処理(f)において算出された距離に基づいて、前記処理(h)において距離算出の基準と判定された直線区間と前記超音波受信装置との距離を算出する、
(j)前記親局装置は、前記処理(i)において算出された距離が所定のしきい値よりも短い場合は警報を発生する、
ことを特徴とする接近警報システムの制御方法。
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