JP4691713B2 - 電力供給線監視装置及びそのネットシステム - Google Patents
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Description
本出願人は、電力供給線の電気機器の受電状態を監視する装置として、電力供給線からコイルを用いて非接触的に電力を得て、この電力でもって装置を作動させる装置を開発した。この発明は特開2005−346442号として公知である。しかしながら、この公開公報の技術は受電状態を監視する目的であり、電力供給線の傷・腐食の検出及びその位置を計測するものではなかった。
本発明の他の課題は、電力供給線のガイシの漏れ電流の定期的、不定期的な監視ができ、更に、鉄塔付近の天候情報も送信して報知できるようにすること及び鉄塔間の無線による情報のネットシステムを構築することにある。
1) 鉄塔の電力供給線とガイシとの間に設けたクランプ本体外周に超音波振動を与える振動発生手段と、同振動発生手段と近接したクランプ本体外周の位置で電力供給線上に生ずる振動を受信する振動受信手段と、振動受信手段が受信した前記振動発生手段の発生振動の波形信号とその振動の反射波の波形信号とを入力してそれらの波形信号の時間差又はその位相差から電力線上の傷又は腐食個所の有無とその位置を算出する傷検出手段と、前記振動発生手段・振動受信手段又は傷検出手段が得た情報を無線で識別情報を付して外部に送信し且つ外部からこれら手段の制御操作命令を受信してこれら手段をその命令に基づいて作動させる無線制御部と、電気供給線からコイルを用いて非接触的に電流を抽出して充電してその電力を前記各手段及び無線制御部に給電する給電手段とを備えた、電力供給線監視装置
2) 無線制御部によって制御され、給電手段から給電され、電力供給線を固定する絶縁ガイシに流れる漏れ電流を検出してその信号を無線制御部に入力する漏れ電流検出手段を備え、漏れ電流情報を外部に無線で送信できるようにした、前記1)記載の電力供給線監視装置
3) 漏れ電流検出手段は、電力給電線を固定する絶縁ガイシの外周に非接触のピックアップコイルを設けて同ピックアップによって漏れ電流を検出するようにした、前記2)記載の電力供給線監視装置
4) 電力供給線のある鉄塔付近の大気の温度・湿度・風向・風速・気圧・大気中のチリ・黄砂又は特定ガスの量の天候状態を測定してそのデータを無線制御部に入力する天候観測装置を備え、同天候観測装置は給電手段から給電を受け、無線制御部からの命令で制御されるようにし、天候情報を無線制御部から識別情報を付して外部へ無線で送信できるようにした、前記1)〜3)いずれか記載の電力供給線監視装置
5) 前記1)〜4)の電力供給線監視装置を電力供給線を支持する鉄塔毎に設け、各鉄塔の供給線監視装置の無線制御部はその供給線監視装置で得た情報を自己の識別情報を付して無線で他の鉄塔の供給線監視装置の無線制御部に送信し、受信した無線制御部は自己の情報の他に受信した他の鉄塔の情報をその識別情報を付して更に次の鉄塔へ送信して、情報の無線ネットを形成した、電力供給線監視ネットシステム
6) 同じ鉄塔の電力供給線に取り付けた複数の電力供給線監視装置のうち、一つの親機となる電力供給線監視装置の無線制御部のみが鉄塔間における無線による情報命令の授受が行え、同じ鉄塔の他の電力供給線監視装置の無線制御部は、前記親機の無線制御部と無線で情報命令の授受を行い、同じ鉄塔の各電力供給線の情報及び命令は親機に集約して他の鉄塔へ授受されるようにした、前記5)記載の電力供給線監視ネットシステム
にある。
しかも、これら手段及び無線制御部に必要な電力は、電力供給線からコイルを用いて非接触的に電流を抽出して充電する給電手段から給電されるので、システムに必要な電力の為の電源線を特別に必要とせず、又交換する必要のあるバッテリーを電力源としないので、電源の為の配線工事も、又バッテリーの交換作業も必要なく、単独で恒久的に動作でき、メンテナンスフリーの状態にできる。更に、天候観測装置を設置した発明では、鉄塔付近の温度・風速等の天候情報を無線で報知させることができる。
加えて、無線制御部が鉄塔間で情報の伝達できるネットシステムを組んだ発明では、電力線の傷・腐食個所の情報、ガイシ漏れ電流、天候情報を鉄塔を介する無線ネットで遠隔地まで報知できるようになり、本発明の電力供給線監視装置を無線で操作・制御するのに、鉄塔の無線が届く位置に特別に中継設備を設置する必要もなく、又、操作作業者が鉄塔近くまで行く必要が無く、一個所で鉄塔毎の各情報を集める及び操作命令を発することができるようになる。
無線ネットは、電力供給線の送電方向の下流方向のみ伝達し、その最下流の都市でこれら無線ネット情報を入力管理するようにしてもよいし、下流・上流・支流関係なく双方向に伝達させてもよい。又識別情報を識別できる無線搬送周波数を変えることでも代用できる。
本実施例1は、発生させる振動源として超音波振動子を用い、20kHz程の超音波振動のバースト波を与えて供給電力線の傷・腐食の有無とその位置を検出するとともにその情報・ガイシの漏れ電流情報・天候情報をも、鉄塔間無線ネットで遠隔地にこれら情報を伝達するシステムの例である。
又、本実施例1の鉄塔間の無線ネットは、同じ鉄塔で各電力供給線に取り付けた本発明の電力供給線監視装置の中の一つを無線ネットの親機として使用する。親機では、同じ鉄塔の各電力供給線の各種情報を鉄塔IDと電力供給線IDとの識別情報を付して集約して下流側の他の鉄塔にある親機に送信するとともに、上流側の他の鉄塔から受信した情報をも下流側の鉄塔の親機へ併せて送信することで電力供給線方向(下流方向)へ送信される無線ネットを形成している。同じ鉄塔の他の子機となる電力供給監視装置は同じ鉄塔の親機との間で情報・命令を無線で送受信する。子機の無線は同じ鉄塔の親機との間での情報命令の授受が主となるので、消費電力も小さくて済む。天候観測装置の情報命令の授受は一台の親機との間だけとなっている例である。
図2は、実施例1の親機となる電力供給線監視装置の構成を示す説明図である。
図3は、実施例1の子機となる電力供給線監視装置の構成を示す説明図である。
図4は、傷検出回路の傷・腐食の位置検出と判定フロー図である。
図5は、実施例1の電力供給線監視ネットシステムの説明図である。
図6は、実施例1の発生振動と反射波の状態を示す説明図である。
図7は、実施例1の親機の処理フローを示す説明図である。
図8は、実施例1の親機の処理フローを示す説明図である。
図9は、実施例1の子機の処理フローを示す説明図である。
本実施例1では、ピックアップコイル6aが電力供給線Dの外周に非接触的に取り付けられていて、電力供給線Dの交番電流によってピックアップコイル6aには微小電流が発生し、この電流を整流器6bで整流し、充電回路6cによって充電器6dに充電される。この充電は電力供給線Dに大電流が流されているので常時微小電流を得て充電器6dを充分に充電できる。電源制御部6eは、電力が必要な回路・装置に給電し、不要な場合は給電停止して省エネとしている。又充電不足の時は充電が完了するまで給電の一時停止もできるようになっている。この給電方式は、商用電源等の外部電源から配線によって電源を得るものでないので電源線の配線工事が不要となる。又充電器6dは常時充電できるので、充電器の交換も不要にできる。
一方、他鉄塔の命令及び内容のコンテンツの情報に関しては、受信情報一時記憶部5fに入力し、送信情報記憶部5cへ入力され、記憶され、自己の鉄塔の自己の電力供給線の情報及び同じ鉄塔の他の電力供給線の情報を集約化して、及び他の鉄塔に関する記憶された命令・情報とともに次の鉄塔へ適時送信される。
本実施例1において、鉄塔無線ネットとせず、全て子機1bのみにして、無線で10km程以内に設けた既設の所内電力供給線状態管理システム装置Mとの間で無線で情報・命令の直接の送信を行うようにしてもよい。この所内電力供給線状態管理システム装置Mと発電所,中央電力管理局等とはインターネット又はオンラインで情報を送受するようにしてもよい。
1a 親機
1b 子機
2a 超音波振動子
2b 超音波制御回路
3a 超音波受信センサー
3b 振動受信回路
4a 傷検出位置算出部
5 無線制御部
5a 無線送受信回路
5b 送信変調部
5c 送信情報記憶部
5d 受信命令情報抽出部
5e 命令制御部
5f 受信情報一時記憶部
6a 給電用ピックアップコイル
6b 整流器
6c 充電回路
6d 充電器
6e 電源制御部
7a 漏れ電流検出用ピックアップコイル
7b 漏れ電流検出部
8 天候観測装置
8a 温度計
8b 湿度計
8c 風速計
8d 気圧計
8e 風向計
8f 天候情報出力部
10 クランプ本体
10a 導電部
C 時計
ID 識別情報発生部
D 電力供給線
G ガイシ
T 鉄塔
M 所内電力供給線状態管理システム装置
M1 無線通信部
M2 通信制御部
N 無線ネット情報管理局
Claims (6)
- 鉄塔の電力供給線とガイシとの間に設けたクランプ本体外周に超音波振動を与える振動発生手段と、同振動発生手段と近接したクランプ本体外周の位置で電力供給線上に生ずる振動を受信する振動受信手段と、振動受信手段が受信した前記振動発生手段の発生振動の波形信号とその振動の反射波の波形信号とを入力してそれらの波形信号の時間差又はその位相差から電力線上の傷又は腐食個所の有無とその位置を算出する傷検出手段と、前記振動発生手段・振動受信手段又は傷検出手段が得た情報を無線で識別情報を付して外部に送信し且つ外部からこれら手段の制御操作命令を受信してこれら手段をその命令に基づいて作動させる無線制御部と、電気供給線からコイルを用いて非接触的に電流を抽出して充電してその電力を前記各手段及び無線制御部に給電する給電手段とを備えた、電力供給線監視装置。
- 無線制御部によって制御され、給電手段から給電され、電力供給線を固定する絶縁ガイシに流れる漏れ電流を検出してその信号を無線制御部に入力する漏れ電流検出手段を備え、漏れ電流情報を外部に無線で送信できるようにした、請求項1記載の電力供給線監視装置。
- 漏れ電流検出手段は、電力給電線を固定する絶縁ガイシの外周に非接触のピックアップコイルを設けて同ピックアップによって漏れ電流を検出するようにした、請求項2記載の電力供給線監視装置。
- 電力供給線のある鉄塔付近の大気の温度・湿度・風向・風速・気圧・大気中のチリ・黄砂又は特定ガスの量の天候状態を測定してそのデータを無線制御部に入力する天候観測装置を備え、同天候観測装置は給電手段から給電を受け、無線制御部からの命令で制御されるようにし、天候情報を無線制御部から識別情報を付して外部へ無線で送信できるようにした、請求項1〜3いずれか記載の電力供給線監視装置。
- 請求項1〜4の電力供給線監視装置を電力供給線を支持する鉄塔毎に設け、各鉄塔の供給線監視装置の無線制御部はその供給線監視装置で得た情報を自己の識別情報を付して無線で他の鉄塔の供給線監視装置の無線制御部に送信し、受信した無線制御部は自己の情報の他に受信した他の鉄塔の情報をその識別情報を付して更に次の鉄塔へ送信して、情報の無線ネットを形成した、電力供給線監視ネットシステム。
- 同じ鉄塔の電力供給線に取り付けた複数の電力供給線監視装置のうち、一つの親機となる電力供給線監視装置の無線制御部のみが鉄塔間における無線による情報命令の授受が行え、同じ鉄塔の他の電力供給線監視装置の無線制御部は、前記親機の無線制御部と無線で情報命令の授受を行い、同じ鉄塔の各電力供給線の情報及び命令は親機に集約して他の鉄塔へ授受されるようにした、請求項5記載の電力供給線監視ネットシステム。
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