JP5062715B2 - セルロースの微粉化方法とその装置 - Google Patents

セルロースの微粉化方法とその装置 Download PDF

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Description

本発明は、セルロースの微粉化に関し、更に詳しくは酸触媒存在下、溶媒中で加熱するセルロースの微粉化方法およびそれを実施するための装置に関する。
セルロースは天然高分子として様々な植物中に含まれているが、セルロースの高度な利用、或いはセルロースを含む製品を再利用するための一つの技術に、セルロースを微粉化する技術が有る。例えば、微粉化したセルロースは、濾過助剤、食品物性改良剤、プラスチック充填剤、合成皮革充填剤、塗料添加剤、溶接用添加剤など多方面に渡り広く用いられている。
セルロースを微粉化する技術としては、機械的にセルロースを粉砕して微粉化することが行われているが、微粉化に長い時間を要するという問題が有る。
また、セルロースを化学的に分解して微粉化する方法も考えられるが、セルロースは化学的には非常に安定な化合物でその分解は容易ではない。セルロースはグルコースがβ−1,4−グリコシド結合した天然高分子であり、セルロースの構成単位であるグルコースは本来親水性であるにもかかわらず、セルロース繊維は水不溶性である。これは、セルロース分子同士が強い水素結合により会合し、結晶化したためであると考えられる。例えば、希酸によりセルロース繊維の非晶質領域を加水分解処理して得られる結晶性セルロースはその収率が90%であるといわれているが、このことはセルロース繊維中で結晶領域が90%に近い値で存在することを示唆している。この結晶性セルロースは、例えば3N塩酸で室温で強く撹拌しても、1週間経過後も大きな変化は生じない程安定なものである。
セルロースを流動化する方法として、これまでに、HCl、NNO,HSOを触媒とし、へキサン、ジクロロメタン、ニトロベンゼン、ニトロメタン等の有機溶媒や水中での綿の長繊維の低温処理(例えば、非特許文献1〜2参照)、或いはHCl触媒を用いた含水ベンゼン中でのセルロースの加水分解が試みられ(例えば、非特許文献3参照)、その流動性が向上することが知られているが、これらの条件ではセルロースの可溶化や微粉化を起こすまでには至らない。
また、木材、セルロース等は酸触媒の存在でポリエチレングリコール(PEG400)のようなポリオール中で分解、可溶化することが知られている(例えば、非特許文献4参照)が、この方法ではセルロースを微粉化することはできない。
更に、セルロースの分解により高分子鎖を短くする方法として、リン酸、希硫酸又は濃硫酸などの酸を用いた各種抽出法(例えば、非特許文献5−9参照)、塩化水素を濃塩酸又はガスの形態で使用する方法(例えば、非特許文献10―13参照)などが知られているが、これらの方法では(削除:、酸を触媒として使用するものではなく、また)セルロース微粉末の生成は報告されていない。
以上のように、これまでに、様々な方法によるセルロースの可溶化や、固体物質や気体の生成例等が報告されているが、簡便な方法でかつ短時間で直接セルロースを微粉化する技術は特に知られていない。
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本発明は、このような問題点を克服するためになされたものであって、長時間の処理を必要とせず、また操業安全性と簡便性が共に高く、環境に優しい工業的に有利な効率的なセルロースの微粉化方法と装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、かかる従来技術の難点を解消するために鋭意検討した結果、溶媒と触媒の組み合わせと処理条件の検討により、その目的が達成しうることを見い出し、この知見に基づき本発明をなすに至った。
すなわち、この出願によれば、以下の発明が提供される。
(1)セルロースの微粉化方法であって、セルロースを酸触媒の存在下、セルロースの微粉化を阻害しない非プロトン性無極性溶媒中で加熱することを特徴とするセルロースの微粉化方法。
)セルロースを酸触媒存在下、プロトン性溶媒中で加熱処理後、該プロトン性溶媒中にアルカリ性物質を加えることを特徴とするセルロースの微粉化方法。
)セルロースを酸触媒存在下、プロトン性溶媒と非プロトン性無極性溶媒とからなる混合溶媒中で加熱するセルロースの微粉化方法であって、非プロトン性無極性溶媒は、セルロースの微粉化を阻害しないものであることを特徴とするセルロースの微粉化方法。
)プロトン性溶媒が、水及び/又は水酸基を有する化合物であることを特徴とする()に記載のセルロースの微粉化方法。
)加熱処理後に上記混合溶媒中にアルカリ性物質を加えることを特徴とする(3)または(4)に記載のセルロースの微粉化方法。
)界面活性剤を添加することを特徴とする(1)〜()のいずれかに記載のセルロースの微粉化方法。
)酸触媒がプロトン酸であることを特徴とする(1)〜()のいずれかに記載のセルロースの微粉化方法。
)酸触媒がブレンステッド酸であることを特徴とする(1)〜()のいずれかに記載のセルロースの微粉化方法。
)酸触媒がルイス酸であることを特徴とする(1)〜()のいずれかに記載のセルロースの微粉化方法。
10)酸触媒が混合触媒であることを特徴とする(1)〜()のいずれかに記載のセルロースの微粉化方法。
11)酸触媒の使用形態が水溶液または非水溶液であることを特徴とする(1)〜(10)のいずれかに記載のセルロースの微粉化方法。
12)加熱温度が200℃以下であることを特徴とする(1)〜(11)のいずれかに記載のセルロースの微粉化方法。
13)加熱温度が80〜150℃であることを特徴とする(1)〜(12)のいずれかに記載のセルロースの微粉化方法。
14)セルロースがセルロースそれ自体、セルロースを含む材料およびセルロースを含む加工品から選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする(1)〜(13)のいずれかに記載のセルロースの微粉化方法。
本発明のセルロースの微粉化方法は、長時間の処理を必要とせず、また操業安全性と簡便性が共に高く、環境に優しく、工業的に有利にセルロースを微粉化することができる。
本発明の第一の態様は、セルロースを酸触媒の存在下、非プロトン性溶媒中で加熱することを特徴としている。
微粉化の対象となるセルロースとは、セルロースそれ自体のみならずセルロースを含む材料、セルロースを含む加工品、及びセルロース系高分子を意味する。このようなセルロースとしては、木材、藁、樹木などの葉などの植物由来物質、紙、パルプ、繊維などの加工品、アセテート等の半合成高分子が包含されるが、これらに限定されるものではなくセルロースを含む物質であればよい。
本発明における非プロトン性溶媒としては、従来公知の非プロトン性溶媒の中で反応を阻害しないものが全て使用できる。このような非プロトン性溶媒としては、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミドなどの極性溶媒の他に、デカン、ドデカン、テトラデカン等の脂肪族炭化水素や、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素(分子内に脂肪族基を有する芳香族炭化水素も含む)等の無極性溶媒も用いることができるが、これらに限定されるものではなく非プロトン性溶媒で有ればいずれのものであってもよい。
加熱温度としては特別な制約はなく、用いる溶媒の沸点以下、かつ凝固点以上の温度であればよいが、本発明において好ましく使用される温度は0℃以上、200℃以下である。本発明で特に好ましく用いられる加熱温度は80〜150℃である。
また、本発明方法においては、加熱処理後、更にアルカリ性物質を加えると、微粉化反応が促進する。この理由は現時点では定かではないが、用いる溶媒中の酸触媒の濃度が利いているのではないかと考えているが、詳細は未だに明らかではない。
アルカリ性物質としては、特に制限はないが、たとえば、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、アンモニアなどの無機化合物の他に、ジメチルアミン、ジエチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミンなどの有機化合物を挙げることができる。アルカリ性物質の使用量には、特に制限はないが、用いた酸触媒を中和する量以上を加えると特に効果的である。
酸触媒としては、プロトン酸、ブレンステッド酸、及びルイス酸などが挙げられる。プロトン酸やブレンステッド酸としては、塩酸、硫酸、リン酸、ギ酸、酢酸、炭酸などが、ルイス酸としては、三フッ化ホウ素、塩化亜鉛、四フッ化ホウ素亜鉛などが例示されるが、これらに限定されるものではない。これらの酸はいずれかを単独で用いても良いが、複数くみあわせた混合触媒としても用いることもできる。
また、これらの酸触媒は溶媒に溶解もしくは分散させ、水溶液または非水溶液の形態で用いることもできる。
溶媒としては、水、アルコール類、鎖状または環状の炭化水素類、エーテル類等の単独溶媒あるいはこれらの混合溶媒が挙げられる。酸触媒の含有量、溶媒に対する酸触媒の飽和濃度以下であれば特に制限はないが、好ましくは溶媒に対して、0.01重量%〜飽和溶液、より好ましくは0.1〜飽和溶液とするのが適当である。
本発明の第二の態様は、セルロースを酸触媒の存在下、プロトン性溶媒中で加熱処理後、アルカリ性物質を加えることを特徴としている。
プロトン性溶媒としては従来公知のプロトン性溶媒の中で反応を阻害しないものが全て使用できる。
このようなプロトン性溶媒としては、水、水酸基を有する化合物などが挙げられる。水酸基を有する化合物としては、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、エチレングリコール、エチレングリコールモノアルキルエーテル、エチレングリコールモノアリールエーテル、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノアルキルエーテル、ジエチレングリコールモノアリールエーテル、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノアルキルエーテル、プロピレングリコールモノアリールエーテル、各種ジオール類、各種ジオール類のモノアルキルエーテル、各種ジオール類のモノアリールエーテル、グリセリン、グリセリン誘導体、ポリオール、プロピルアミン、エチレンジアミン、各種カルボン酸、各種ポリカルボン酸、などを挙げることができるが、これらに限定されるものではなくプロトン性溶媒で有ればいずれのものであってもよい。
加熱温度としては第一の態様で例示したものと同様なものが使用される。
また、第一の態様のものと同様に加熱処理後、アルカリ性物質を添加することが好ましい。アルカリ性物質としては、第一の態様と同様なものが用いられる。
本発明の第三の態様は、セルロースを酸触媒の存在下、プロトン性溶媒と非プロトン性溶媒とからなる混合溶媒中で加熱することを特徴としている。
プロトン性溶媒および非プロトン性溶媒としては、先に例示したものが使用される。プロトン性溶媒および非プロトン性溶媒の使用割合は、互いの溶媒の溶解性の観点からみて、プロトン性溶媒の含有量を10%以下とすることが好ましい。
また、加熱温度としては、第一および第二の態様で例示したものと同様なものが使用されるが、プロトン性溶媒の含有量を10%以下の場合にはプロトン性溶媒の沸点を超えた温度を用いることができる。また、この方法においても、加熱処理後、アルカリ性物質を添加すると、その微粉化が促進される。
また、上記第一〜第三の態様のいずれの方法においても、セルロース構造体内部への溶媒、及び/又は酸触媒の浸透を図るために、界面活性剤を添加することが好ましい。界面活性剤としては、セルロース系高分子の分解を著しく阻害するものでなければ従来公知の界面活性剤が全て使用できる。このような界面活性剤としては、たとえば、高級脂肪酸アルカリ塩、アルキル硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルアリールスルホン酸塩、スルホコハク酸エステル塩などの陰イオン界面活性剤、高級アミンハロゲン酸塩、ハロゲン化アルキルピリジニウム、第四アンモニウム塩などの陽イオン界面活性剤、ポリエチレングリコールアルキルエーテル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸モノグリセリドなどの非イオン界面活性剤、アミノ酸などの両性表面活性剤などが例示される。
また、これらの界面活性剤のいずれかを単独で用いても良いが、複数の界面活性剤からなる混合物を用いることもできる。また、それらの界面活性剤の溶液を用いることもできるが、このような溶媒としては、水、アルコール類、鎖状または環状の炭化水素類、エーテル類等の単独溶媒あるいはこれらの混合溶媒が挙げられる。界面活性剤の含有量は溶媒に対する界面活性剤の飽和濃度以下であれば特に制限はないが、好ましくは溶媒に対して、0.0001〜50重量%、より好ましくは0.01〜10重量%とするのが適当である。
なお、本発明方法は、セルロース系高分子を酸触媒の存在下、上記のような条件により、溶媒と加熱すればよく、特にその実施の態様に制限はない。
好ましい実施の態様としては、セルロース系高分子を酸触媒を含む溶媒に分散、又は/及び溶解した後加熱撹拌する方法、酸触媒を含ませたセルロース系高分子を加熱する方法、セルロース系高分子を含む加工品がシート状の場合にはシートを酸触媒を含む溶媒中で移動しながら加熱する方法等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明方法を実施するための代表的なセルロースの微粉化装置の幾つかを以下に例示するが、本装置はこれらに限定されるものではない。
図1の装置は、酸触媒の存在下で溶媒とセルロースを加熱する手段とセルロースの粉末を分離回収する手段とを備えたものである。この装置によれば、セルロースを、酸触媒を含む溶媒に分散、又は/及び溶解した後、加熱撹拌する方法によりセルロースを粉末化することができる。
図2の装置は、図1の装置において、あらかじめ、酸触媒と溶媒をセルロースに含有させる手段を付設しておき、これに、加熱する手段とセルロースの粉末を回収する手段とを備えたものである。この装置によれば、シート状セルロースの連続処理といった機能が期待される。
図3の装置は、図1の装置において、加熱処理後及び/又は反応中に溶媒を回収する手段を付設したものである。この装置によれば、少量の溶媒で大量のセルロースの微粉化が可能になるといった機能が期待される。
次に実施例に基づき、本発明を更に詳細に説明する。しかしながら、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
0.2gのZnBF水溶液を含む30mLのトルエンに1.5gの綿布を分散させ、この分散液に0.3gの塩化テトラブチルアンモニウムを加え115℃に加熱したところ綿布が急激に分解し、白色粉末が得られた。この粉末は水、アルコール、有機溶媒のいずれの溶媒にも溶けなかった。得られた白色粉末のSEM写真を図4に示す。
実施例2
0.2gのZnBF水溶液を含む30mLのドデカンに1.5gの綿布を分散させ、この分散液に0.3gの塩化テトラブチルアンモニウムを加え115℃に加熱したところ綿布が急激に分解し、白色粉末が得られた。
実施例3
0.2gのZnBF水溶液を含む30mLのジエチレングリコールに1.5gの綿布を分散させ、この分散液に0.3gの塩化テトラブチルアンモニウムを加え130℃に加熱したところ綿布が急激に分解し白い粘調な液体が得られたが、これに飽和炭酸ソーダ水を加えると白色粉末が得られ容易に分離することができた。
実施例4
1mLの1規定塩酸を含む30mLのジエチレングリコールに1.5gの綿布を分散させ、この分散液を130℃に加熱したところ綿布が急激に分解し白い粘調な液体が得られたが、これに飽和炭酸ソーダ水を加えると白色粉末が得られ容易に分離することができた。
実施例5
0.2gのZnBF水溶液を含む30mLのデカンに2.0gの濾紙を分散させ、この分散液に0.3gの塩化テトラブチルアンモニウムを加え120℃に加熱したところ濾紙は急激に分解し、白色粉末が得られた。
実施例6
0.5mLの1規定塩酸を含む30mLのデカンに2.0gの濾紙を分散させ、この分散液に0.3gの塩化テトラブチルアンモニウムを加え120℃に加熱したところ濾紙は急激に分解し、白色粉末が得られた。
実施例
10mLの塩酸を含む40mLのトルエンに0.37gの綿布を投入し撹拌しながら溶液を115℃に加熱したところ綿布が急激に分解し、白色粉末が得られた。
実施例
0.5gのシルケット加工をした綿布を20mLの10N硫酸を含む80mLのトルエンに投入して撹拌しながら溶液を95℃に加熱したところ綿布が急激に分解し、白色粉末が得られた。
実施例
0.5gのシルケット加工をした綿布を20mLの濃塩酸を含む80mLのトルエンに投入して撹拌しながら溶液を95℃に加熱したところ綿布が急激に分解し、白色粉末が得られた。
実施例10
0.40gの綿布を10Nの硫酸に浸し、これを95℃の80mLのトルエンに投入して撹拌すると布が急激に分解し、白色粉末が得られた。
実施例11
0.62gのポリノジックレーヨンを10Nの硫酸に浸し、これを95℃の80mLのトルエンに投入して撹拌すると布が急激に分解し、白色粉末が得られた。
実施例12
0.60gのポリノジックレーヨンを濃塩酸に浸し、これを95℃の80mLのトルエンに投入して撹拌すると布が急激に分解し、白色粉末が得られた。
実施例13
0.50gのキュプラを10Nの硫酸に浸し、これを95℃の80mLのトルエンに投入して撹拌すると布が急激に分解し、白色粉末が得られた。
実施例14
0.52gのキュプラを濃塩酸に浸し、これを95℃の80mLのトルエンに投入して撹拌すると布が急激に分解し、白色粉末が得られた。
実施例15
0.66gのテンセルを10Nの硫酸に浸し、これを95℃の80mLのトルエンに投入して撹拌すると布が急激に分解し、白色粉末が得られた。
実施例16
0.66gのテンセルを濃塩酸に浸し、これを95℃の80mLのトルエンに投入して撹拌すると布が急激に分解し、白色粉末が得られた。
本発明方法を実施するために使用される代表的なセルロースの微粉化装置の説明図 本発明方法を実施するために使用される他の代表的なセルロースの微粉化装置の説明図 本発明方法を実施するために使用される更に他の代表的なセルロースの微粉化装置の説明図 実施例1で得たセルロース微粉末のSEM写真

Claims (14)

  1. セルロースの微粉化方法であって、セルロースを酸触媒の存在下、セルロースの微粉化を阻害しない非プロトン性無極性溶媒中で加熱することを特徴とするセルロースの微粉化方法。
  2. セルロースを酸触媒存在下、プロトン性溶媒中で加熱処理後、該プロトン性溶媒中にアルカリ性物質を加えることを特徴とするセルロースの微粉化方法。
  3. セルロースを酸触媒存在下、プロトン性溶媒と非プロトン性無極性溶媒とからなる混合溶媒中で加熱するセルロースの微粉化方法であって、非プロトン性無極性溶媒は、セルロースの微粉化を阻害しないものであることを特徴とするセルロースの微粉化方法。
  4. プロトン性溶媒が、水及び/又は水酸基を有する化合物であることを特徴とする請求項に記載のセルロースの微粉化方法。
  5. 加熱処理後に上記混合溶媒中にアルカリ性物質を加えることを特徴とする請求項3または4に記載のセルロースの微粉化方法。
  6. 界面活性剤を添加することを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載のセルロースの微粉化方法。
  7. 酸触媒がプロトン酸であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載のセルロースの微粉化方法。
  8. 酸触媒がブレンステッド酸であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載のセルロースの微粉化方法。
  9. 酸触媒がルイス酸であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載のセルロースの微粉化方法。
  10. 酸触媒が混合触媒であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載のセルロースの微粉化方法。
  11. 酸触媒の使用形態が水溶液または非水溶液であることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載のセルロースの微粉化方法。
  12. 加熱温度が200℃以下であることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載のセルロースの微粉化方法。
  13. 加熱温度が80〜150℃であることを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載のセルロースの微粉化方法。
  14. セルロースがセルロースそれ自体、セルロースを含む材料およびセルロースを含む加工品から選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜13のいずれかに記載のセルロースの微粉化方法。
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