JP5062258B2 - 弾性波測定装置及び方法 - Google Patents

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Description

本発明は、単一の高周波信号発生手段からの高周波信号が入力される複数の弾性波素子の応答特性を高速に測定し得る弾性波測定装置に関する。
近年、弾性波素子を用いて各種センサー等が開発されている。
弾性波素子には、例えば、弾性表面波(Surface Acoustic Wave;以下SAWとも称する)を励起するSAWデバイスや、水晶発振子マイクロバランス(Quarts Crystal Microbalance;以下QCMとも称する)を利用したものがある。
弾性表面波を励起するSAWデバイスは、圧電性物質と櫛状電極とを備えている。圧電性物質は、インパルス信号や高周波バースト信号を印加するとひずみが生じるものであり、水晶やランガサイト等が使われる。SAWデバイスには、代表的なものとして、圧電性物質を平面型にしたものと、球状にした球状弾性表面波素子(以下、ボールSAWデバイスともいう)とがある。
平面型のSAWデバイスは、圧電性物質の両端に櫛状電極を備えている。この平面型のSAWデバイスでは、一端の櫛状電極に入力信号が印加されると、超音波の弾性表面波を発生する。そして、他端の櫛状電極に弾性表面波が伝播すると、櫛状電極に電圧が生じ、出力信号の取り出しが可能となる。ここで、弾性表面波の周波数は基材の弾性定数と櫛型電極の間隔とで決定される。そのため、このようなSAWデバイスはRFの小型フィルタとして主に使用される。
また、平面型のSAWデバイスには、櫛状電極を伝播経路の中央付近に配置し、その左右の対向する位置に反射器を設置するものがある。これによれば、櫛状電極で励振した弾性表面波が反射器を反射して櫛状電極を往復する。そして、弾性表面波が櫛状電極を通過する際に、出力信号が取り出される。ここで、1往復、2往復・・・と弾性表面波が往復を重ねている間に、伝播経路上に物質が付着すると、弾性表面波の速度が変化する。そこで、弾性表面波の速度変化を測定することにより、SAWデバイスの各種センサーへの応用が可能となる。
ボールSAWデバイスでは、圧電性物質を球状に形成し、超音波の伝播経路上に櫛状電極を配置している。このボールSAWデバイスの櫛状電極にインパルス信号や高周波バースト信号が印加されると、圧電性物質の表面上に弾性表面波が発生する。弾性表面波は、球状の圧電性物質を周回し、元の櫛状電極に戻ってくる。櫛状電極では、高周波のRF信号を取り出すことができる。また、圧電性物質の表面上の弾性表面波は周回を続け、10周、20周、・・・、100周、・・・と多重周回する。この特性上、ボールSAWデバイスは、平面型のSAWデバイスよりも小型で伝播距離も長く取れる。また、反射器もないのでロスが少ない。それゆえ、ボールSAWデバイスは、高周波フィルタだけでなく、高感度センサーとしての利用が可能である。
例えば、ボールSAWデバイスにおいて、圧電性物質の伝播経路上を弾性表面波が周回しているときに、その伝播経路上に物質が付着すると、質量負荷効果により弾性表面波の速度や強度が低下したり、付着物質によっては、伝播経路上の表面が硬化することで、弾性表面波の速度が増加したり強度が変化したりする。また、表面に物質が付着しなくとも、伝播経路の周囲の雰囲気が変化することにより、弾性表面波のエネルギーが奪われる量が変わり、速度や強度が変化する。それゆえ、弾性表面波の速度や強度の変化を調べることにより、伝播経路上に物質が付着したか否かを検知できる。ここで、1周分の速度低下や強度低下は微小であるが、周回を重ねることで変化が増していく。そのため、ボールSAWデバイスでは弾性表面波の伝播距離を長くできるので、付着した物質を高感度に検出できる(例えば、特開2005−333457号公報参照)。
また、弾性表面波の伝播経路上に、特定の物質が吸着するような膜(以下、感応膜という)を形成しておけば、付着物質の特定が可能となる。
さらに、感応膜の種類を増やすことにより、同時に複数種類の物質の特定が可能となり、ガスセンサーや匂いセンサー等に応用できる。ただし、感応膜は、ボールSAWデバイス毎に形成されるものであるため、複数種類の物質を調べるためには、複数個のボールSAWデバイスが必要になる。
なお、球状弾性表面波素子からの出力信号の強度を測定する事は、弾性表面波が周回する過程における、その減衰率を観測する事に他ならない。また、一般的な方法により、弾性表面波の伝播に伴う強度変化から減衰率を求めることができる。
なお、高周波信号における位相とは一般に、所定の時刻を定義した際にその時刻における該当信号の時間的な位置を意味する。球状弾性表面波素子の出力計測における位相計測は、弾性表面波の励起される時刻から所定の時間経過した時刻における、球状弾性表面波素子からの高周波信号出力の時間的な位置(位相)をフーリエ解析やクアドラチャ検波やあるいはウエーブレット変換などを用いて計測することを一般的には指す。また、その計測から弾性表面波の伝播(周回)速度を直接的に計測する、あるいは、例えば球状弾性表面波素子が所定の回数出力し終わった時刻(所定の介す周回し終わった時刻)をもとめ、その時刻の周回開始時刻からの時間的な距離を求める事も、“位相を計測する”と呼ぶ。このような位相を計測することによって弾性表面波の伝播(周回)速度の情報を得ることもある。
上述したように、各種センサー等への応用のために、複数個の弾性波素子を同時に使用することがある。ここで、一般的には、複数の弾性波素子の応答特性を測定する場合でも、複数の高周波信号発生手段が用いられるわけではなく、単一の高周波信号発生手段が用いられる。単一の高周波信号発生手段を用いないと、各弾性波素子の計測処理タイミングの同期や、検出手段との位相計測の基準とすべきタイミングの同期が取れず、時系列的な測定や位相計測が困難となるからである。
しかしながら、単一の高周波信号発生手段を用いて、複数個の弾性波素子の応答特性を測定すると、弾性波素子の個数に応じて、弾性波を励起するまでの時間が長くなる。
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、単一の高周波信号発生手段からの高周波信号が入力される複数の弾性波素子の応答特性を高速に測定し得る弾性波測定装置を提供する。
本発明は上記課題を解決するために以下の手段を講じる。
請求項1に対応する発明は、高周波信号の入力に応じて弾性波を励起する複数の弾性波素子からの応答特性を測定する弾性波測定装置であって、前記高周波信号を発生する単一の高周波信号発生手段と、前記高周波信号を前記各弾性波素子に入力する入力手段と、前記高周波信号を最初の弾性波素子に入力した場合、該最初の弾性波素子からの出力信号を検出する検出時刻前に、前記高周波信号の入力先を他の弾性波素子に順次切り替える切替手段と、前記検出時刻以後、最初の弾性波素子から最後の弾性波素子までの応答特性の出力信号を順次検出する検出手段と、前記検出手段により検出された出力信号に基づいて、前記各弾性波素子に励起された弾性波を測定する測定手段とを備えた弾性波測定装置である。
請求項2に対応する発明は、請求項1に対応する弾性波測定装置において、前記測定手段は、前記各弾性波素子に励起された弾性波の位相を測定する弾性波測定装置である。
請求項3に対応する発明は、請求項1に対応する弾性波測定装置において、前記測定手段は、前記各弾性波素子に励起された弾性波の強度を測定する弾性波測定装置である。
請求項4に対応する発明は、請求項1に対応する弾性波測定装置において、前記測定手段は、前記各弾性波素子に励起された弾性波の位相と強度の両方を同時に測定する弾性波測定装置である。
請求項5に対応する発明は、請求項1に対応する弾性波測定装置において、前記測定手段は、前記各弾性波素子に励起された弾性波の基準時間に対する遅延時間を測定する弾性波測定装置である。
請求項6に対応する発明は、請求項1に対応する弾性波測定装置において、前記最初の弾性波素子から最後の弾性波素子までの高周波信号の入力を、予め設定された平均化回数繰り返して実行し、該各弾性波素子からの出力信号あるいはその計測値を平均化する平均化手段をさらに備えた弾性波測定装置である。
請求項7に対応する発明は、請求項1に対応する弾性波測定装置において、前記検出手段は、前記弾性波素子からの出力信号がアナログ信号である場合、該アナログ信号をデジタル信号に変換してから検出する弾性波測定装置である。
請求項8に対応する発明は、請求項1に対応する弾性波測定装置において、前記切替手段は、前記各弾性波素子への高周波信号の入力先を一定の時間間隔で切り替える弾性波測定装置である。
請求項9に対応する発明は、請求項1に対応する弾性波測定装置において、前記切替手段は、前記各弾性波素子への高周波信号の入力先を切り替える時刻と、前記弾性波素子のいずれかからの出力信号が検出される時刻とが一致する場合、該高周波信号の入力を待機する弾性波測定装置である。
請求項10に対応する発明は、請求項1に対応する弾性波測定装置において、前記弾性波素子は、圧電性物質の表面に弾性表面波を励起する弾性表面波素子である弾性波測定装置である。
請求項11に対応する発明は、請求項10に対応する弾性波測定装置において、前記弾性波素子は、前記圧電性物質が円筒面を有し、該円筒面に励起される弾性表面波が周回する周回経路を含む弾性波測定装置である。
請求項12に対応する発明は、請求項10に対応する弾性波測定装置において、前記弾性波素子は、前記圧電性物質が球状に形成され、励起される弾性表面波が周回する周回経路を有する球状弾性表面波素子である弾性波測定装置である。
請求項13に対応する発明は、請求項11または請求項12に対応する弾性波測定装置において、前記入力手段は、前記弾性表面波が前記周回経路を1周する周回時間よりも短くなるように、前記各弾性波素子へ高周波信号を入力する弾性波測定装置である。
請求項14に対応する発明は、高周波信号の入力に応じて弾性波の応答特性を出力する複数の弾性波素子と、前記高周波信号を発生する単一の高周波信号発生手段と、前記高周波信号発生手段により発生された高周波信号を前記各弾性波素子に切り替えて入力する切替手段とを備えた弾性波測定装置に用いられる弾性波測定方法であって、前記高周波信号を最初の弾性波素子に入力する入力ステップと、前記最初の弾性波素子に高周波信号を入力した後、該最初の弾性波素子からの出力信号を検出する検出時刻前に、前記高周波信号の入力先を他の弾性波素子に順次切り替えて入力する切替ステップと、前記検出時刻以後、最初の弾性波素子から最後の弾性波素子までの応答特性の出力信号を順次検出する検出ステップと、前記検出ステップにより検出された出力信号に基づいて、前記各弾性波素子に励起された弾性波を測定する測定ステップとを備えた弾性波測定方法である。
請求項15に対応する発明は、請求項14に対応する弾性波測定方法において、前記測定ステップは、前記各弾性波素子に励起された弾性波の位相を測定する弾性波測定方法である。
請求項16に対応する発明は、請求項14に対応する弾性波測定方法において、前記測定ステップは、前記各弾性波素子に励起された弾性波の強度を測定する弾性波測定方法である。
請求項17に対応する発明は、請求項14に対応する弾性波測定方法において、前記測定ステップは、前記各弾性波素子に励起された弾性波の位相と強度を同時に測定する弾性波測定方法である。
請求項18に対応する発明は、請求項14に対応する弾性波測定方法において、前記測定ステップは、前記各弾性波素子に励起された弾性波の基準時間に対する遅延時間を測定する弾性波測定方法である。
請求項19に対応する発明は、請求項14に対応する弾性波測定方法において、前記入力ステップから前記測定ステップまでの処理を、予め設定された平均化回数繰り返して実行し、該各弾性波素子からの出力信号あるいはその計測値を平均化する平均化ステップをさらに備えた弾性波測定方法である。
請求項20に対応する発明は、請求項14に対応する弾性波測定方法において、前記検出ステップは、前記弾性波素子からの出力信号がアナログ信号である場合、該アナログ信号をデジタル信号に変換してから検出する弾性波測定方法である。
請求項21に対応する発明は、請求項14に対応する弾性波測定方法において、前記切替ステップは、前記各弾性波素子への高周波信号の入力先を一定の時間間隔で切り替える弾性波測定方法である。
請求項22に対応する発明は、請求項14に対応する弾性波測定方法において、前記切替ステップは、前記各弾性波素子への高周波信号の入力先を切り替える時刻と、前記弾性波素子のいずれかからの出力信号が検出される時刻とが一致する場合、該高周波信号の入力を待機する弾性波測定方法である。
請求項23に対応する発明は、請求項14に対応する弾性波測定方法において、前記弾性波素子は、圧電性物質の表面に弾性表面波を励起する弾性表面波素子である弾性波測定方法である。
請求項24に対応する発明は、請求項23に対応する弾性波測定方法において、前記弾性波素子は、前記圧電性物質が円筒面を有し、該円筒面に励起される弾性表面波が周回する周回経路を含む弾性波測定方法である。
請求項25に対応する発明は、請求項23に対応する弾性波測定方法において、前記弾性波素子は、前記圧電性物質が球状に形成され、励起される弾性表面波が周回する周回経路を有する球状弾性表面波素子である弾性波測定方法である。
請求項26に対応する発明は、請求項24または請求項25に対応する弾性波測定方法において、前記入力ステップは、前記弾性表面波が前記周回経路を1周する周回時間よりも短くなるように、前記各弾性波素子へ高周波信号を入力する弾性波測定方法である。
<作用>
従って、本発明は以上のような手段を講じたことにより、以下の作用を有する。
請求項1・14に対応する発明は、高周波信号を最初の弾性波素子に入力した場合、該最初の弾性波素子からの出力信号を検出する検出時刻前に、高周波信号の入力先を他の弾性波素子に順次切り替え、検出時刻以後、最初の弾性波素子から最後の弾性波素子までの応答特性の出力信号を順次検出するので、単一の高周波信号発生手段からの高周波信号が入力される複数の弾性波素子の応答特性を測定する場合、一の弾性波素子の応答特性を測定してから他の弾性波素子の応答特性を測定するものに比して、高速に測定し得る弾性波測定装置を提供できる。
請求項2・15に対応する発明は、請求項1・14に対応する作用に加え、測定手段は、各弾性波素子に励起された弾性波の位相を測定するので、その位相変化に基づいて弾性波素子表面に付着した物質の量や、感応膜の弾性率の変化や、弾性波素子の温度依存性より温度変化を求めることができる。
請求項3・16に対応する発明は、請求項1・14に対応する作用に加え、測定手段は、各弾性波素子に励起された弾性波の強度を測定するので、その強度変化に基づいて弾性波素子表面に付着した物質の量や、感応膜の超音波吸収率の変化や、ガス濃度を求めることができる。
請求項4・17に対応する発明は、請求項1・14に対応する作用に加え、測定手段は、各弾性波素子に励起された弾性波の位相と強度を同時に測定するので、その位相と強度に基づいて弾性波素子表面に付着した物質の量や、感応膜の弾性変化や、ガス濃度や、弾性波素子の温度依存性より温度変化を求めることができるだけでなく、位相と強度の双方の変化を比較することで計測の確からしさを向上する事が出来る。
請求項5・18に対応する発明は、請求項1・14に対応する作用に加え、測定手段は、各弾性波素子に励起された弾性波の基準時間に対する遅延時間を測定するので、その遅延時間に基づいて弾性波素子表面に付着した物質の量や、弾性波素子の温度依存性より温度変化を求めることができる。
請求項6・19に対応する発明は、請求項1・14に対応する作用に加え、最初の弾性波素子から最後の弾性波素子までの高周波信号の入力を、予め設定された平均化回数繰り返して実行し、該各弾性波素子からの出力信号や計測データを平均化するので、高精度な弾性波測定装置を提供できる。
請求項7・20に対応する発明は、請求項1・14に対応する作用に加え、検出手段は、弾性波素子からの出力信号がアナログ信号である場合、該アナログ信号をデジタル信号に変換してから検出するので、位相と強度を同時に測定することが出来、データの演算等を容易に行なうこともできる。
請求項8・21に対応する発明は、請求項1・14に対応する作用に加え、切替手段は、各弾性波素子への高周波信号の入力先を一定の時間間隔で切り替えるので、効率の良い切り替え処理を実行することができる。
請求項9・22に対応する発明は、請求項1・14に対応する作用に加え、切替手段は、各弾性波素子への高周波信号の入力先を切り替える時刻と、弾性波素子のいずれかからの出力信号が検出される時刻とが一致する場合、該高周波信号の入力を待機するので、高精度に出力信号を検出することができる。
請求項10・23に対応する発明は、請求項1・14に対応する作用に加え、弾性波素子は、圧電性物質の表面に弾性表面波を励起する弾性表面波素子であるので、弾性波の応答特性を高速に測定し得る弾性波測定装置を提供できる。
請求項11・24に対応する発明は、請求項10・23に対応する作用において、弾性波素子は、圧電性物質が円筒面を有し、該円筒面に励起される弾性表面波が周回する周回経路を含むので、弾性表面波の伝播距離を長くすることができ、高精度な弾性波測定装置を提供できる。
請求項12・25に対応する発明は、請求項10・23に対応する作用に加え、弾性波素子は、圧電性物質が球状に形成され、励起される弾性表面波が周回する周回経路を有する球状弾性表面波素子であるので、弾性表面波の伝播距離を長くすることができ、高精度な弾性波測定装置を提供できる。
請求項13・26に対応する発明は、請求項11・12・24・25に対応する作用に加え、弾性表面波が周回経路を1周する周回時間よりも短くなるように、各弾性波素子へ高周波信号を入力するので、各弾性波素子から時間分離された出力信号を得ることができる。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る弾性波測定装置10の構成を示す模式図である。 図2は、同実施形態に係る弾性波測定装置10の動作を説明するためのフローチャートである。 図3は、同実施形態に係る弾性波測定装置10の動作を説明するための信号相関図である。 図4は、一般的な弾性波測定装置10Sの構成を示す模式図である。 図5は、リモート水素センサーの構成を示す模式図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
<第1の実施形態>
(弾性波測定装置の構成)
図1は本発明の第1の実施形態に係る弾性波測定装置10の構成を示す模式図である。
弾性波測定装置10は、高周波信号の入力に応じて弾性波を励起する複数の弾性波素子からの応答特性を測定するものである。本実施形態では、弾性波素子として、ボールSAWデバイス5A〜5Nを用いる。ボールSAWデバイス5A〜5Nを複数個用いることにより、複数種類のガスを識別して計測するガスセンサーや匂いセンサーなどに用いることが可能である。ガスや匂いの識別にはその表面に感応膜を形成する事が一般的である。その他、ボールSAWデバイスは、温度計や圧力計等にも用いることができる。また、感応膜として抗体などの生理物質を選択的に吸着する材料を使用することでバイオセンサにも用いる事が出来る。なお、各ボールSAWデバイス5A〜5Nは、球状の圧電性物質の表面に弾性表面波が周回可能な周回経路を有している。
弾性波測定装置10は、設定周波数発生装置(高周波信号発生手段)11・設定長バースト切り出し装置12・送信スイッチ装置(切替手段)13・受信スイッチ装置14A〜14N・ADコンバータ(ADC)15・検波装置16・加算装置17・平均化装置18A〜18N・記憶装置19A〜19N・インターフェイス20・制御装置21・表示装置22・入力装置23を備えている。
設定周波数発生装置11は、ボールSAWデバイスの特性に合わせた目的の周波数を励振する装置である。ここでは、単一の設定周波数発生装置11が高周波信号を発生する。
設定長バースト切り出し装置12は、設定周波数発生装置11で励振された高周波信号を任意に定めた時間長毎に切り出すスイッチ装置である。これにより、高周波バースト信号が生成される。また、設定長バースト切り出し装置12は、弾性表面波が周回経路を1周する周回時間よりも短くなるように、高周波信号を切り出す時間を調整する。これにより、各ボールSAWデバイス5A〜5Nから繰り返し出力される信号を時間分離することができる。
尚、設定周波数発生装置11と設定長バースト切り出し装置12の組み合わせによってバースト信号を成しているが、連続的に発生されている信号を切り出すのではなく、所定のクロックで動作するLSI(大規模集積回路)それ自身の動作によって、継続時間および位相及び強度がデジタル的に定義された信号を直接生成することで同じ機能を持たせることが出来る事は公知であり、本発明はそれを除かない。
また本発明は、上記の各装置が役割を分担することを仮定して説明を行うが、これらの各装置を例えば一枚のLSIチップに収める事も公知であり、本発明はそれを除かない。
送信スイッチ装置13は、設定長バースト切り出し装置12により切り出された高周波バースト信号を、ボールSAWデバイス5A〜5Nに切り替えながら入力するものである。ここでは、送信スイッチ装置13は、ボールSAWデバイス5上の伝播経路を弾性表面波が1周する周回時間以上の時間をかけて高周波バースト信号の入力先を順次切り替える。補足すると、高周波バースト信号の入力先の切り替えタイミングと、ボールSAWデバイス5の圧電性物質の直径の長さとは比例する。そのため、送信スイッチ装置13は、ボールSAWデバイス5の圧電性物質が直径1mmの水晶球である場合、高周波バースト信号が150MHzであれば、1μs以上の時間をかけて入力先を切り替える。また、直径が3.3mmであれば、3.3μs以上の時間が経ってから切り替える。
なお、送信スイッチ装置13は、各ボールSAWデバイス5A〜5Nへの高周波バースト信号の入力先を切り替える時刻と、それらのボールSAWデバイス5A〜5Nのいずれかからの出力信号が検出される時刻とが一致する場合、高周波バースト信号の入力を待機する。これにより、一般には大きな電圧値を持つ入力信号が出力信号に雑音として加わることを回避できるので、高精度に出力信号を検出することができる。
受信スイッチ装置14A〜14Nは、ボールSAWデバイス5A〜5N毎に設けられており、各ボールSAWデバイス5A〜5Nに励起された弾性表面波の周回信号を取り出すものである。ここでは、受信スイッチ装置14A〜14Nは、100周目の周回信号を解析すべき信号として各ボールSAWデバイス5A〜5Nから取り出す。取り出された周回信号は、各ボールSAWデバイス5A〜5Nからの出力信号として、ADコンバータ15に送出される。なお、上記の100周目というのは例示であり、測定対象の周回数はボールSAWデバイスの特性に応じて設定される。
ADコンバータ(ADC)15は、アナログの出力信号をデジタル信号に変換する装置である。このアナログ信号は、ボールSAWデバイス5からの出力信号を、ヘテロダイン検波を行う事により周波数をダウンコンバートされた信号も含む。
なお、送信スイッチ装置13により、各ボールSAWデバイス5A〜5Nには、時間差が設けられて高周波バースト信号が入力される。そのため、送信スイッチ装置13の切り替えの時間差に応じて、各ボールSAWデバイス5A〜5Nからの出力信号がADコンバータ15に入ってくる。この結果、各ボールSAWデバイス5A〜5Nからの出力信号は分離されているので、ADコンバータ15の使用は1つだけよいことになる。
検波装置16は、ADコンバータ15でデジタル化された出力信号を、位相と強度のデータに変換する装置である。また、検波装置16は、位相と強度のデータに変換する際の演算機能も有している。
加算装置17は、検波装置16で演算された位相と強度のデータを加算する装置である。この加算装置17は、各ボールSAWデバイス5A〜5Nに対応して記憶領域17A〜17Nを有しており、各記憶領域17A〜17Nにおいて加算されたデータを一時保存する。また、加算装置17は、データを演算する機能も有している。
平均化装置18A〜18Nは、データを演算する機能を有しており、最初のボールSAWデバイス5Aから最後のボールSAWデバイス5Nへの高周波バースト信号の入力が、後述する制御装置21により設定される「平均化回数」繰り返して実行された場合、それらの各ボールSAWデバイス5A〜5Nからの出力信号を平均化するものである。具体的には、平均化装置18A〜18Nは、加算装置17で加算された位相データと強度データとを平均化する。
補足すると、ボールSAWデバイス5の応答特性の測定では、1回だけの測定ではノイズの影響を除去することができず、データは複数回測定される。すなわち、n個目のボールSAWデバイス5Nの測定データが記憶されると、再度、1個目のボールSAWデバイス5Aから測定が開始される。ただし、2回目以降、1個目のボールSAWデバイス5Aを測定する場合は、前回励起された弾性表面波の周回の影響がなくなってから行なわれる必要がある。具体的には、直径1mmの水晶球のボールSAWデバイスに150MHzの高周波バースト信号を入力した場合、1ms以上の時間を待てば十分である。
なお、弾性波測定装置10では、複数個の平均化装置18A〜18Nにより、各ボールSAWデバイス5A〜5Nからのデータが平均化されるとしてもよいが、単一の平均化装置18により、各ボールSAWデバイス5A〜5Nからのデータが順次平均化されるとしてもよい。
記憶装置19A〜19Nは、平均化装置18A〜18Nで平均化されたデータを、ボールSAWデバイス5A〜5Nのそれぞれに対応させて記憶するものである。また、各記憶装置19A〜19Nは、ボールSAWデバイス5A〜5Nからの位相と強度との他に付帯データを保存する領域も有している。なお、ここでは、各記憶装置19A〜19Nが、各ボールSAWデバイス5A〜5Nに対応して複数個用いられているが、単一の記憶装置19の中で各々のデータをアドレスで切り分けて保存するとしてもよい。また、データを順次保存するとともに、外部のパーソナルコンピュータ(PC)等に送信できるような構成としてもよい。
インターフェイス(IF)20は、上述した各装置11〜19と、弾性波測定装置10の全体を制御している制御装置21とのデータの中継を可能とするものである。具体的には、インターフェイス20は、USBやEthernet(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、IEEE-1394、PHS、WCDMA、CDMA2000、IEEE-802.xx等の有線及び無線に関係なく命令やデータが転送できるようなものである。また、インターフェイス20は、他の弾性波測定装置10と連動して動作する際の通信を可能とする。
制御装置21は、弾性波測定装置10の全体を制御するコンピュータであり、高周波バースト信号の周波数制御や、バースト信号長の調整、送信スイッチ装置13の切り替え制御、受信スイッチ装置14A〜14Nの切り替え制御等を行ない、測定プログラムを実行して弾性波の応答測定を開始する。
具体的には、制御装置21は、高周波信号を最初のボールSAWデバイス5Aに入力した場合、その最初のボールSAWデバイス5Aからの出力信号を検出する前に、高周波信号の入力先を他のボールSAWデバイス5B〜5Nに順次切り替えるように送信スイッチ装置13を制御する。
また、制御装置21は、「平均化回数」を設定し、平均化装置18A〜18Nの演算を制御する。それから、制御装置21は、平均化装置18A〜18Nにより平均化された出力信号に基づいて、各ボールSAWデバイス5A〜5Nに励起された弾性表面波の応答特性を測定する。
さらに、制御装置21は、独自でも動作可能であるが、他のコンピュータとの通信や、表示装置22の制御、入力装置23からのデータ入力の受付及び入力数値のエラー処理等を行なう。他にも、制御装置21は、データを吸い上げ、外部の記憶装置に保存して管理したり、報告書を作成したり、測定結果をインターネット等に公開したりする機能を有している。また、弾性波測定装置10を複数台用意した場合、それらを統合的に制御する機能も有している。
表示装置22は、一般的なディスプレイまたはタッチパネル式ディスプレイであり、弾性波測定装置10の状態や、タスク状況等を表示する。
入力装置23は、一般的なキーボードやマウス、専用の入力装置、上記タッチパネルディスプレイなどで構成され、弾性波測定装置10の各種設定値や、バースト信号の周波数、バースト長、平均化回数等の入力を可能にするものである。
(弾性波測定装置の動作)
次に本実施形態に係る弾性波測定装置10の動作を図2のフローチャート及び図3の信号相関図を用いて説明する。
まず、設定周波数発生装置11により、ボールSAWデバイス5A〜5Nの特性に合わせた高周波信号が作り出される(ステップS1)。ここで、最初のボールSAWデバイス5Aへの信号の入力が1回目である場合、設定長バースト切り出し装置2を介して、入力用高周波バースト信号が生成される(ステップS2−Yes,S3)。なお、設定長バースト切り出し装置12では、各ボールSAWデバイス5A〜5Nから出力される信号が時間分離されるように、弾性表面波が周回経路を1周する周回時間よりも短くなるような高周波バースト信号が生成される。
次に、高周波バースト信号が、送信スイッチ装置13及び受信スイッチ装置14Aを介して、最初のボールSAWデバイス5Aに入力される。
そして、最初のボールSAWデバイス5Aに高周波バースト信号が入力されると、送信スイッチ装置13により、高周波信号の入力先が他のボールSAWデバイス5B〜5Nに順次切り替えられる(ステップS4)。この際、送信スイッチ装置13により、最初のボールSAWデバイス5Aからの出力信号が検出される検出時刻前に、高周波バースト信号の入力先が他のボールSAWデバイス5B〜5Nに順次切り替えられる。
高周波バースト信号が入力されると、各ボールSAWデバイス5A〜5Nの伝播経路に弾性表面波が励起される。各ボールSAWデバイス5A〜5Nの伝播経路は周回経路であるので、励起された弾性表面波は伝播経路を周回し続けることになる。
そして、最初の検出時刻以後、最初のボールSAWデバイス5Aから最後のボールSAWデバイス5Nまでの出力信号が受信スイッチ装置14A〜14Nを介して順次検波される(ステップS5−Yes)。ここでは、弾性表面波が100周したときの周回信号が測定対象とされているので、最初のボールSAWデバイス5Aに高周波バースト信号を入力してから100μs以後に出力信号が順次検出される。
検波工程では、検出信号の回数を示すカウンタ値がカウントされた後(ステップS6)、AD(Analog to Digital)コンバータ15によりデジタル化された出力信号から、位相データと強度データとが検波装置16により求められる(ステップS7)。そして、カウンタ値に基づいて、加算装置17のデータ保管場所にデータが振り分けられる(ステップS8)。なお、カウンタ値がボールSAWデバイス5A〜5Nの総数より多くなる場合には、その値がリセットされる(ステップS9−Yes,S10)。これにより、カウンタ値と各ボールSAWデバイス5A〜5Nとを対応付けることが可能となる。
尚、位相データや強度データを、クワドラチャ検波(直交検波)方法を用いて得ることもできる。測定されるべき出力信号を、ADコンバータを用いてデジタル化した信号から算出された正弦成分と余弦成分から位相データと強度データを求める事が出来る。
この後、予め設定された平均化回数分の応答特性の測定が行われる(ステップS11−No)。
なお、弾性表面波の周回信号の影響がなくなるまでには1ms程度の時間を要するので、2回目以降の測定は、前回の測定から1ms以上経ってから行われる(ステップS12)。すなわち、最初のボールSAWAデバイス5Aに入力後、再度、ボールSAWデバイス5Aに入力する場合、制御装置21が、1ms以上経過しているかどうかを判断し、1ms以上経っていなければ(ステップS3−No)、1ms以上待つ。また、制御装置21は、各ボールSAWデバイス5A〜5Nに高周波バースト信号を入力するタイミングがステップS5の検波タイミングと重ならないないかどうかを判断し、重なっていたら、重ならないように入力するタイミングをずらす(ステップS13)。その後、ステップS3に進む。ここで、測定するボールSAWデバイス15の数と、その出力の評価から、弾性表面波の周回信号の影響がなくなるまでの時間は通常は判っているのであるから、上記したような論理的な判断工程ではなく、所定の時間の間次の測定を待機するプログラムで実施しても良い。
上述のステップS3〜S13までの処理が平均化回数実行されると、ボールSAWデバイス5A〜5N毎の測定データの平均値が平均化装置17により算出される(ステップS11−Yes,S14)。算出された測定データの平均値は、各ボールSAWデバイス5A〜5Nに対応して設けられた記憶装置9A〜9Nに記憶される。
この後、上述のステップS3〜S14までの処理が予め設定された測定回数実施される(ステップS15)。
(弾性波測定装置の作用効果)
以上説明したように、本実施形態に係る弾性波測定装置10は、高周波バースト信号を最初のボールSAWデバイス5Aに入力した場合、その最初のボールSAWデバイス5Aからの出力信号を検出する検出時刻前に、高周波バースト信号の入力先を他のボールSAWデバイス5B〜5Nに順次切り替え、最初の検出時刻以後、最初のボールSAWデバイス5Aから最後のボールSAWデバイス5Nまでの応答特性の出力信号を順次検出する。それゆえ、弾性波測定装置10によれば、単一の設定周波数発生装置11からの高周波信号が入力される複数のボールSAWデバイス5A〜5Nの応答特性を測定する場合、一つのボールSAWデバイスの応答特性を測定してから他のボールSAWデバイスの応答特性を測定するものに比較して、高速に測定することができる。
以下、具体例を挙げて説明する。
前提として、ボールSAWデバイスの直径は1mmであり、送信スイッチ装置13の切り替えタイミングは1μsであるとする。そして、測定データを1つ得るのに256回分の測定データを平均化するものとする。また、前回の周回の影響を受けないように、1回の測定毎に1ms待機する。
このような条件の下、ボールSAWデバイスの伝播経路を100周回した弾性表面波の出力信号を測定する。
直径1mmのボールSAWデバイスにおいて、弾性表面波が伝播経路を1周するには1μsの時間がかかる。ここで、送信スイッチ装置13が入力先を1μs毎に切り替えると、前回励起された弾性表面波の周回の影響が無くなる時間である1msを待機する間に、1000個のボールSAWデバイスに切り替えることが可能となる。それゆえ、256回の測定データの平均値を求める場合、1ms/回×256回=256msとなり、1スキャンに要する時間が256msとなる。
一方、従来方式の一般的な弾性波測定装置10Sは、図4に示すような構成を備えている。図4において、図1と同一部分には同一符号を付し、特に説明がない限りは重複した説明を省略する。このような弾性波測定装置10Sでは、一つのボールSAWデバイス5Aに高周波バースト信号を入力した後、そのボールSAWデバイス5Aからの出力信号が得られるまでは、他のボールSAWデバイス5B〜5Nへは高周波バースト信号を入力しない。それゆえ、設定周波数発生装置11が単一のものである場合、1個のボールSAWデバイスの測定データを1つ得るだけで256msの時間を要することになる。
比較すると、本実施形態に係る弾性波測定装置10によれば、同じ256msの時間で、1000個のボールSAWデバイスからそれぞれ1つずつ測定データを得ることができる。換言すれば、1000個のボールSAWデバイスのそれぞれから1つずつ測定データを得る場合、従来方式の弾性波測定装置10Sに比して、全体として、1000分の1の速さで測定できる。
つまり、弾性表面波の伝播速度を計測する方法として、バースト状の出力信号が所定の閾値を超える時刻を測定する方法に従ったり、ウエーブレット変換などを用いて出力波形の時間軸における位置の僅かな変化を算出して遅延時間を直接求める方法を採用したりする事が出来る。
なお、弾性表面波の測定に際し、各ボールSAWデバイス5A〜5Nに励起された弾性表面波の基準時間に対する遅延時間を測定してもよい。その遅延時間からボールSAWデバイス表面に付着した物質の量の変化や温度変化を求めることができる。
また、弾性波測定装置10は、最初のボールSAWデバイス5Aから最後のボールSAWデバイス5Nまでの高周波信号の入力を、予め設定された平均化回数繰り返して実行し、それらの各ボールSAWデバイス5A〜5Nからの出力信号を平均化する。それゆえ、ランダムなノイズは打ち消され、高精度な弾性波測定装置10を提供できる。
また、本実施形態に係るボールSAWデバイス5A〜5Nは、圧電性物質が球状に形成され、励起される弾性表面波の周回経路を有するので、弾性表面波の伝播距離を長くすることができる。それゆえ、弾性波測定装置10は、高精度な測定が可能である。
なお、本実施形態に係るボールSAWデバイス5A〜5Nは、圧電性物質が円筒面を有し、その円筒面に励起される弾性表面波が周回する周回経路を含むものであってもよい。この場合でも、弾性表面波の伝播距離を長くすることができるので、弾性波測定装置10は高精度な測定が可能である。
また、本実施形態に係る弾性波測定装置10は、弾性表面波が周回経路を1周する周回時間よりも短くなるように、各ボールSAWデバイス5A〜5Nへ高周波信号を入力するので、各ボールSAWデバイス5A〜5Nから時間分離された出力信号を得ることができる。
また、本実施形態に係る弾性波測定装置10は、ADコンバータ15により、ボールSAWデバイス5A〜5Nからの出力信号がアナログ信号である場合、そのアナログ信号をデジタル信号に変換してから検出するので、データの演算等を容易に行なうことができる。
なお、本実施形態においては、送信スイッチ装置13は、各ボールSAWデバイス5A〜5Nへの高周波信号の入力先を一定の時間間隔で切り替えるとしてもよい。これにより、効率の良い切り替え処理を実行することができる。
ただし、入力先を一定の時間間隔で切り替えると、各ボールSAWデバイス5A〜5Nへの高周波バースト信号の入力先を切り替える時刻と、それらのボールSAWデバイス5A〜5Nのいずれかからの出力信号が検出される時刻とが一致する場合が生じる。このような場合には、送信スイッチ装置13は、高周波バースト信号の入力を待機する。これにより、入力信号の影響により出力信号が検出されなくなることを回避できるので、高精度に出力信号を検出することができる。
<実施例1> 多種類ガスセンサー(ガス検知器)
本実施形態に係る弾性波測定装置10は、多種類ガスセンサーとして利用することができる。
弾性波測定装置10を多種類ガスセンサーとして利用する場合、ボールSAWデバイスの周回経路の表面にガスと吸着する吸着物質を塗布して感応膜を形成する。ここで、複数種類のガスが吸着する感応膜ではガスの特定ができないので、1つの感応膜においては1種類のガスしか吸着しないようにする。そのため、複数種類のガスを検知するためには、検知するガスの種類の数、あるいはそれより多くの種類の感応膜を用意する必要がある。
また、ボールSAWデバイスは温度依存性が強いので、温度校正用に感応膜を有していないボールSAWデバイスを用意しておく必要がある。例えば、検知するガスが9種類とすると、ボールSAWデバイスは温度校正用のものを入れて10個必要になる。
ここでは、ボールSAWデバイスとして、直径が1mmの水晶を用いる。また、入力信号は150MHzのバースト信号、バースト長は0.8μs、平均化回数は256回、測定周回数は100周目とし、検波するのに周波数を変換するヘテロダイン検波方式を採用する。なお、ボールSAWデバイスを周回する弾性表面波の周回が収まるのに1msを要する。また、ボールSAWデバイスを2次元的または3次元的に配列するものとする。
このようなボールSAWデバイスに対して、従来方式の弾性波測定装置10Sでは、前回の周回の影響がなくなるのを待ってから測定するため、1回の測定毎に1ms待機することになる。また、測定データを1つ得るのに256回の測定データを平均化する。すなわち、1個のボールSAWデバイスについて、平均化した測定データを1つ得るのに、1ms×256=0.256sの時間を要することになる。それゆえ、10個のボールSAWデバイスの測定データを得るには、0.256s/個×10個=2.56sかかることになる。このため、従来方式の弾性波測定装置10Sでは、各ボールSAWデバイスにおいて、2.56s以下の変化は観測不能である。
一方、本実施例の弾性波測定装置10においては、送信スイッチ装置13が100μsのタイミングで入力先を切り替える。それゆえ、弾性波測定装置10は、弾性表面波の影響がなくなるまでの1msの間に、10個のボールSAWデバイスに入力信号を入力できる。また、100周目の周回信号が観測されるので、10個のボールSAWデバイスのそれぞれについて1つの測定データを得るのには、100μs×10=1msの時間がかかる。よって、10個のボールSAWデバイスのそれぞれについて、256回の測定で平均化したデータを得るためには、1ms×256=0.256sかかることになる。この結果、1個のボールSAWデバイスに着目した場合、0.256s以下の変化に対しては観測不能であるが、従来方式の弾性波測定装置10Sに比べると10倍の時間分解能があることになる。
この点は、ボールSAWデバイスを多種類ガスセンサーとして利用する際の重要な相違となる。すなわち、検知対象9種類中3種類のガスがボールSAWデバイスのところに流れてきて1秒以内になくなったことを想定すると、従来方式の弾性波測定装置10Sを用いたガスセンサーでは、1秒÷0.256秒≒3.9回となることから、多くても、3個のボールSAWデバイスのそれぞれから測定データが1つ得られるだけである。測定データが1つしか得られないとすれば、その測定データ自身がノイズであるか否かの判別すら難しく、ガスセンサーとしての使用に耐え得ない。
これに対し、本実施に係る弾性波測定装置10によれば、1秒÷0.256秒≒3.9回の測定を10個のボールSAWデバイスに対して行う事が出来るのであるから、3個のボールSAWデバイスのそれぞれから測定データが3〜4点ずつ得られる。そのため、従来方式の弾性波測定装置10Sを用いたガスセンサーに比して、信頼性が高いものとなる。
なお、同じ感応膜を有するボールSAWデバイスを2個ずつ備え、合計19個になった場合、反応の時間差により、ガスの流れてきた方向を検知することができる。この場合の送信スイッチ装置13の切り替えタイミングは、53μsが妥当である。同じ感応膜を備えたボールSAWデバイスの数が増えれば増えるほど、ガスの流れる方向を把握しやすくなる。
<実施例2> リモート水素センサー
本実施形態に係る弾性波測定装置10は、リモート水素センサーとして利用することができる。図5は本実施例に係るリモート水素センサーの構成を示す模式図である。
本実施例では、前提として、水素製造装置50が設置された無人の部屋があり、その水素製造装置50には水素漏れの生じるおそれのある箇所が100箇所あるとする。そこで、水素漏れの生じるおそれのある箇所に、水素検知用の感応膜付きのボールSAWデバイス5Xを100個と、それらの温度較正用のボールSAWデバイス5Yを100個との合計200個を配置する。なお、ボールSAWデバイスの圧電性物質は、直径が1mmのものである。
また、本実施例においては、水素漏れが生じているか否かを遠隔地から検知する。そのために、弾性波測定装置10がWebサーバとなり、インターネットを介してクライアント端末60にデータを送信する。各ボールSAWデバイスと弾性波測定装置10とは、有線もしくは無線により接続される。弾性波測定装置10の制御装置21には、ボールSAWデバイスから測定データが常時送られる。制御装置21は、その測定データをグラフ化し、クライアント端末60に送信する。さらに、制御装置21は、水素漏れを検知した場合、アラート信号を出力する。
ここで、監視対象の部屋は合計200個の直径1mmのボールSAWデバイスが設置されているので、送信スイッチ装置13の切り替えタイミングを1ms/200=5μsとし、バースト長を0.8μsに設定することにより、1msの間に200個のボールSAWデバイスの測定データを得ることができる。それゆえ、測定対象の周回数が100周目で、平均化回数が64回とすると、平均化された測定データを1つ得るのに要する時間は、1ms×64=64msとなる。
すなわち、本実施例のリモート水素センサーによれば、64ms毎にボールSAWデバイスを切り替えており、ほぼリアルタイムに水素製造装置50全体を監視することができる。
以下、リモート水素センサーの動作について補足する。水素を検知する為の感応膜はパラジウムとニッケルの合金を使用する事が出来る事が公知である。水素製造装置50にリモート水素センサーが設置された状態で、例えば51番目のボールSAWデバイス付近から水素が漏れたと想定する。ここで、感応膜は水素を吸着すると硬くなり音速を早くする性質があるので、その箇所に設置された感応膜付きのボールSAWデバイス5Xからの出力信号は、速度の速くなった弾性表面波の波形を示す。また、弾性表面波のエネルギーを感応膜が吸収する事によって起こる弾性表面波の減衰が大きくなる現象を、強度の低下から観測することが出来る。それゆえ、感応膜付きのボールSAWデバイス5Xからの出力信号は、水素濃度に応じて変化が大きくなり、水素が漏れていると判断ができるようになる。なお、感応膜のない温度較正用のボールSAWデバイス5Yからの出力信号においては、温度に対する変化以外の変化はない。
また、水素は徐々に周りに広がっていき、51番目のボールSAWデバイスのとなりに設置された50番目・52番目のボールSAWデバイスの近辺にも漂っていく。そして、50番目及び52番目のボールSAWデバイスも51番目のボールSAWデバイスと同様に反応をする。この際、水素の濃度に依存して弾性表面波の音速と強度とが変化するので、それぞれのボールSAWデバイスにおいて時間的変化率が異なる。
さらに、ボールSAWデバイスを3次元的に配置すると、水素濃度に応じて音速と強度とが異なるので、どの部分で水素漏れが発生し、どのようにガスが広がっていくかを観測できる。また、水素の漏れた箇所も特定できるので、水素製造装置を修理する際に迅速な対応ができる。
また、弾性表面波測定装置はインターネットに接続されているので、遠隔地から、この部屋を監視することが可能であり、水素漏れの確認を安全に行なうことができる。なお、制御装置21は、インターネットにつながっており、同じ建物内だけでなく、遠隔地においてもインターネット経由で情報の閲覧ができるようになっている。
なお、本発明における複数の弾性波素子は、弾性表面波が伝播する基材が、必ずしも別個に形成されていなくても良く、また、弾性表面波が周回して伝播する表面が必ずしも分離されている必要もない。相互の弾性波素子や弾性表面波素子において、互いに独立して弾性波あるいは弾性表面波を励起できればよく、伝播媒体である基材や基板を共通している弾性波素子や弾性表面波素子も複数の弾性波素子としてみなして良い事は本発明の主旨から明白である。
例えば、球形弾性表面波素子においては、圧電性結晶基材としてニオブ酸リチウム(LiNbO)やタンタル酸リチウム(LiTaO)など、単一の球形基材に、10本程度の複数の弾性表面波の周回経路を形成できることが知られているが、このような単一の球形基材表面の各周回経路上に独立した櫛型電極を形成して複数の球形弾性表面波素子と同じ機能を単一の機材上に形成できることがしられており、本発明はこのような球状弾性表面波素子への適用も除外するものではない。
<その他>
なお、本発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に構成要素を適宜組み合わせてもよい。
本発明によれば、単一の高周波信号発生手段からの高周波信号が入力される複数の弾性波素子の応答特性を高速に測定できる。

Claims (26)

  1. 高周波信号の入力に応じて弾性波を励起する複数の弾性波素子(5A〜5N)からの応答特性を測定する弾性波測定装置(10)であって、
    前記高周波信号を発生する単一の高周波信号発生手段(11)と、
    前記高周波信号を前記各弾性波素子に入力する入力手段(13)と、
    前記高周波信号を最初の弾性波素子(5A)に入力した場合、該最初の弾性波素子からの出力信号を検出する検出時刻前に、前記高周波信号の入力先を他の弾性波素子に順次切り替える切替手段(13,21)と、
    前記検出時刻以後、最初の弾性波素子(5A)から最後の弾性波素子(5N)までの応答特性の出力信号を順次検出する検出手段(14A〜14N,15,16)と、
    前記検出手段により検出された出力信号に基づいて、前記各弾性波素子に励起された弾性波を測定する測定手段(17,18)と
    を備えたことを特徴とする弾性波測定装置。
  2. 請求項1に記載の弾性波測定装置において、
    前記測定手段は、前記各弾性波素子に励起された弾性波の位相を測定することを特徴とする弾性波測定装置。
  3. 請求項1に記載の弾性波測定装置において、
    前記測定手段は、前記各弾性波素子に励起された弾性波の強度を測定することを特徴とする弾性波測定装置。
  4. 請求項1に記載の弾性波測定装置において、
    前記測定手段は、前記各弾性波素子に励起された弾性波の位相と強度同時に測定することを特徴とする弾性波測定装置。
  5. 請求項1に記載の弾性波測定装置において、
    前記測定手段は、前記各弾性波素子に励起された弾性波の基準時間に対する遅延時間を測定することを特徴とする弾性波測定装置。
  6. 請求項1記載の弾性波測定装置において、
    前記最初の弾性波素子から最後の弾性波素子までの高周波信号の入力を、予め設定された平均化回数繰り返して実行し、該各弾性波素子からの出力信号あるいはその計測値を平均化する平均化手段(18)
    をさらに備えたことを特徴とする弾性波測定装置。
  7. 請求項1に記載の弾性波測定装置において、
    前記検出手段は、前記弾性波素子からの出力信号がアナログ信号である場合、該アナログ信号をデジタル信号に変換してから検出することを特徴とする弾性波測定装置。
  8. 請求項1に記載の弾性波測定装置において、
    前記切替手段は、前記各弾性波素子への高周波信号の入力先を一定の時間間隔で切り替えることを特徴とする弾性波測定装置。
  9. 請求項1に記載の弾性波測定装置において、
    前記切替手段は、前記各弾性波素子への高周波信号の入力先を切り替える時刻と、前記弾性波素子のいずれかからの出力信号が検出される時刻とが一致する場合、該高周波信号の入力を待機することを特徴とする弾性波測定装置。
  10. 請求項1に記載の弾性波測定装置において、
    前記弾性波素子は、圧電性物質の表面に弾性表面波を励起する弾性表面波素子であることを特徴とする弾性波測定装置。
  11. 請求項10に記載の弾性波測定装置において、
    前記弾性波素子は、前記圧電性物質が円筒面を有し、該円筒面に励起される弾性表面波が周回する周回経路を含むことを特徴とする弾性波測定装置。
  12. 請求項10に記載の弾性波測定装置において、
    前記弾性波素子は、前記圧電性物質が球状に形成され、励起される弾性表面波が周回する周回経路を有する球状弾性表面波素子であることを特徴とする弾性波測定装置。
  13. 請求項11または請求項12に記載の弾性波測定装置において、
    前記入力手段は、前記弾性表面波が前記周回経路を1周する周回時間よりも短くなるように、前記各弾性波素子へ高周波信号を入力することを特徴とする弾性波測定装置。
  14. 高周波信号の入力に応じて弾性波の応答特性を出力する複数の弾性波素子(5A〜5N)と、前記高周波信号を発生する単一の高周波信号発生手段(11)と、前記高周波信号発生手段により発生された高周波信号を前記各弾性波素子に切り替えて入力する切替手段(13,21)とを備えた弾性波測定装置(10)に用いられる弾性波測定方法であって、
    前記高周波信号を最初の弾性波素子に入力する入力ステップと、
    前記最初の弾性波素子に高周波信号を入力した後、該最初の弾性波素子からの出力信号を検出する検出時刻前に、前記高周波信号の入力先を他の弾性波素子に順次切り替えて入力する切替ステップと、
    前記検出時刻以後、最初の弾性波素子から最後の弾性波素子までの応答特性の出力信号を順次検出する検出ステップと、
    前記検出ステップにより検出された出力信号に基づいて、前記各弾性波素子に励起された弾性波を測定する測定ステップと
    を備えたことを特徴とする弾性波測定方法。
  15. 請求項14に記載の弾性波測定方法において、
    前記測定ステップは、前記各弾性波素子に励起された弾性波の位相を測定することを特徴とする弾性波測定方法。
  16. 請求項14に記載の弾性波測定方法において、
    前記測定ステップは、前記各弾性波素子に励起された弾性波の強度を測定することを特徴とする弾性波測定方法。
  17. 請求項14に記載の弾性波測定方法において、
    前記測定ステップは、前記各弾性波素子に励起された弾性波の位相と強度を同時に測定することを特徴とする弾性波測定方法。
  18. 請求項14に記載の弾性波測定方法において、
    前記測定ステップは、前記各弾性波素子に励起された弾性波の基準時間に対する遅延時間を測定することを特徴とする弾性波測定方法。
  19. 請求項14に記載の弾性波測定方法において、
    前記入力ステップから前記測定ステップまでの処理を、予め設定された平均化回数繰り返して実行し、該各弾性波素子からの出力信号あるいはその計測値を平均化する平均化ステップ
    をさらに備えたことを特徴とする弾性波測定方法。
  20. 請求項14に記載の弾性波測定方法において、
    前記検出ステップは、前記弾性波素子からの出力信号がアナログ信号である場合、該アナログ信号をデジタル信号に変換してから検出することを特徴とする弾性波測定方法。
  21. 請求項14に記載の弾性波測定方法において、
    前記切替ステップは、前記各弾性波素子への高周波信号の入力先を一定の時間間隔で切り替えることを特徴とする弾性波測定方法。
  22. 請求項14に記載の弾性波測定方法において、
    前記切替ステップは、前記各弾性波素子への高周波信号の入力先を切り替える時刻と、前記弾性波素子のいずれかからの出力信号が検出される時刻とが一致する場合、該高周波信号の入力を待機することを特徴とする弾性波測定方法。
  23. 請求項14に記載の弾性波測定方法において、
    前記弾性波素子は、圧電性物質の表面に弾性表面波を励起する弾性表面波素子であることを特徴とする弾性波測定方法。
  24. 請求項23に記載の弾性波測定方法において、
    前記弾性波素子は、前記圧電性物質が円筒面を有し、該円筒面に励起される弾性表面波が周回する周回経路を含むことを特徴とする弾性波測定方法。
  25. 請求項23に記載の弾性波測定方法において、
    前記弾性波素子は、前記圧電性物質が球状に形成され、励起される弾性表面波が周回する周回経路を有する球状弾性表面波素子であることを特徴とする弾性波測定方法。
  26. 請求項24または請求項25に記載の弾性波測定方法において、
    前記入力ステップは、前記弾性表面波が前記周回経路を1周する周回時間よりも短くなるように、前記各弾性波素子へ高周波信号を入力することを特徴とする弾性波測定方法。
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