JP5061839B2 - 電池パックおよび温度推定方法 - Google Patents
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Description
この発明は、二次電池の電池パックおよび温度未測定位置の温度を推定する温度推定方法に関する。
近年、ノート型PC(Personal Computer)や携帯電話、PDA(Personal Digital Assistant)などの携帯型電子機器では、その電源としてリチウムイオン二次電池などを用いた電池パックが広く使用されている。このような電池パックでは、使用する電子機器の仕様に合わせて複数の電池セルを直列および/または並列に接続したものを用いることが多い。
電池パックには、通常、下記の特許文献1に示すように温度素子が設けられており、電池セルの温度を測定している。そして、異常な高温や低温などの温度異常を検出した場合には、充放電を停止するようになっている。
複数の電池セルが用いられた電池パックでは、全ての電池セルの周辺に温度素子を設け、それぞれの電池セルの温度を測定することが理想的であるが、温度素子の部品点数が増加することや、制御基板の面積が増加することによってコストが増加してしまう。そのため、実際には、電池パックの情報や電子機器に設けられた発熱部品の位置などの設計情報に基づき、最も温度の上昇が予測される位置に配置された電池セルの周辺に温度素子を設置して温度を測定するようにしている。
ところで、電池セルは、経年劣化や充放電の繰り返しによる劣化によって内部抵抗が増加してしまう。劣化によって内部抵抗が増加した電池セルは、内部抵抗の発熱により、同じ充放電条件であっても初期状態と比較して温度が上昇しやすい状態となる。そのため、例えば、温度を測定していない位置に配置された電池セルの内部抵抗が増加してしまった場合には、この電池セルの周辺の温度が予想以上に上昇することが考えられる。
しかしながら、初期状態で最も温度の上昇が予測される位置の温度を測定している場合には、温度素子が設置された位置以外の位置の温度を測定することができず、温度未測定位置の電池セルが異常な温度となった場合であっても、温度制御を行うことが不可能であるという問題点があった。
したがって、この発明の目的は、未測定位置の温度を推定することができる電池パックおよび温度推定方法を提供することにある。
上述した課題を解決するために、第1の発明は、直列および/または並列に接続された1または複数の電池セルからなるブロックが複数接続された二次電池と、
複数のブロックのうち、少なくとも1つの所定ブロックの温度を検出する温度検出部と、
二次電池に流れる充電電流を測定する電流検出部と、
複数のブロックの電圧をそれぞれ測定する電圧検出部と、
周囲の発熱による影響を考慮して定められた熱係数を記憶する記憶部と、
複数のブロックの温度をそれぞれ推定し、推定結果に応じて二次電池に対する充放電の制御を行う制御部と
を有し、
制御部は、
複数のブロックの内部抵抗および充電電流に基づき、複数のブロックにおける発熱量を算出し、
温度検出部で検出された所定ブロックの温度と、所定ブロックにおける発熱量および所定ブロック以外のブロックにおける発熱量の差分と、記憶部に記憶された熱係数とに基づき複数のブロックの温度を推定する
ことを特徴とする電池パックである。
複数のブロックのうち、少なくとも1つの所定ブロックの温度を検出する温度検出部と、
二次電池に流れる充電電流を測定する電流検出部と、
複数のブロックの電圧をそれぞれ測定する電圧検出部と、
周囲の発熱による影響を考慮して定められた熱係数を記憶する記憶部と、
複数のブロックの温度をそれぞれ推定し、推定結果に応じて二次電池に対する充放電の制御を行う制御部と
を有し、
制御部は、
複数のブロックの内部抵抗および充電電流に基づき、複数のブロックにおける発熱量を算出し、
温度検出部で検出された所定ブロックの温度と、所定ブロックにおける発熱量および所定ブロック以外のブロックにおける発熱量の差分と、記憶部に記憶された熱係数とに基づき複数のブロックの温度を推定する
ことを特徴とする電池パックである。
また、第2の発明は、直列および/または並列に接続された1または複数の電池セルからなるブロックが複数接続された二次電池に流れる充電電流を測定し、
複数のブロックの電圧をそれぞれ測定し、
複数のブロックのうち、少なくとも1つの所定ブロックの温度を検出し、
周囲の発熱による影響を考慮して定められた熱係数を記憶部に記憶し、
複数のブロックの内部抵抗および充電電流に基づき、複数のブロックにおける発熱量を算出し、
検出された所定ブロックの温度と、所定ブロックにおける発熱量および所定ブロック以外のブロックにおける発熱量の差分と、記憶部に記憶された熱係数とに基づき複数のブロックの温度をそれぞれ推定し、
推定結果に応じて二次電池に対する充放電の制御を行う
ことを特徴とする温度推定方法である。
複数のブロックの電圧をそれぞれ測定し、
複数のブロックのうち、少なくとも1つの所定ブロックの温度を検出し、
周囲の発熱による影響を考慮して定められた熱係数を記憶部に記憶し、
複数のブロックの内部抵抗および充電電流に基づき、複数のブロックにおける発熱量を算出し、
検出された所定ブロックの温度と、所定ブロックにおける発熱量および所定ブロック以外のブロックにおける発熱量の差分と、記憶部に記憶された熱係数とに基づき複数のブロックの温度をそれぞれ推定し、
推定結果に応じて二次電池に対する充放電の制御を行う
ことを特徴とする温度推定方法である。
上述したように、第1および第2の発明では、温度測定位置である所定ブロックの温度と、所定ブロックにおける発熱量および所定ブロック以外のブロックにおける発熱量の差分と、記憶部に記憶された熱係数とに基づき複数のブロックの温度をそれぞれ推定するようにしているため、推定結果に応じて二次電池に対する充放電の制御を行うことができる。
この発明は、温度測定位置のブロックの温度と各ブロックにおける発熱量とに基づき、温度測定位置以外のブロックの温度を推定し、推定された温度に基づいて二次電池に対する保護処理を行うようにしているため、電池パックの安全性を向上させることができるという効果がある。
以下、この発明の実施の一形態について、図面を参照して説明する。電池パック1は、図1に示すように、充電時には充電器2に装着され、正極端子4および負極端子5がそれぞれ充電器2の正極端子および負極端子に接続され、充電が行われる。また、電子機器使用時には正極端子4および負極端子5がそれぞれ負荷3の正極端子および負極端子に接続され、放電が行われる。なお、この例では、充電器2および負荷3は、外部の電子機器に搭載されているものとし、電池パック1が電子機器に接続された際に、充電器2および負荷3を用いて充電および放電が行われるものとする。
電池パック1は主に、二次電池10、温度検出部11、電圧検出部12、電流検出部13、スイッチ回路14、制御部15、充放電制御部16、記憶部17および電流検出抵抗18で構成されている。二次電池10は、例えば、リチウムイオン電池の二次電池であり、1または複数の電池セルを直列および/または並列に接続したものである。
温度検出部11は、例えばサーミスタなどの温度素子であり、二次電池10内の所定位置に設けられている。温度検出部11は、二次電池10内の温度を測定し、制御部15に対して検出結果である温度情報を供給する。電圧検出部12は、二次電池10の電圧を検出し、制御部15に対して検出結果である電圧情報を供給する。電流検出部13は、電流検出抵抗18を使用して電流の大きさおよび向きを検出し、制御部15に対して検出結果である電流情報を供給する。
制御部15は、電圧検出部12および電流検出部13から供給された電圧情報および電流情報に基づき、二次電池10の電圧が過充電検出電圧になった場合や、二次電池10の電圧が過放電検出電圧以下になった場合に、充放電制御部16に対して充放電の許可/禁止命令を供給する。
また、制御部15は、二次電池10を構成する複数の電池セルを所定のブロックに分けたセルブロックの電圧と充放電電流とに基づき各セルブロックの内部抵抗を算出し、記憶部17に記憶させる。そして、温度情報に基づきセルブロック毎の発熱量を算出し、算出した内部抵抗および発熱量に基づき各セルブロックの温度を推定する。なお、各セルブロックの温度の推定方法については後述する。
さらに、制御部15は、図示しない通信端子を備え、電子機器と接続された場合に電子機器の通信端子が接続されるようになっている。そして、例えば、充電の際には、電子機器に対して所定の充電電流を要求することにより、二次電池10に対する充電電流を可変とすることができる。
充放電制御部16は、制御部15から供給された充放電の許可/禁止命令に基づき、スイッチ回路14に対して充放電を停止するための制御信号を送ることにより、過充電、過放電を防止する。
記憶部17は、例えばEEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)などの不揮発性メモリが用いられ、制御部15の制御によりデータの読み出しや書き込みが行われる。記憶部17には、制御部15において各セルブロックの温度を推定する際に用いられる熱係数などの各種パラメータが記憶されている。また、記憶部17には、制御部15において算出された各セルブロックの内部抵抗値が記憶される。
スイッチ回路14は、充電制御FET(Field Effect Transistor)19と、放電制御FET20とから構成されている。電池電圧が過充電検出電圧となった場合には、充放電制御部16からの制御信号により充電制御FET19をOFFとし、充電電流が流れないように制御される。なお、充電制御FET19のOFF後は、寄生ダイオード19aを介することによって放電のみが可能となる。また、電池電圧が過放電検出電圧となった場合には、充放電制御部16からの制御信号により放電制御FET20をOFFとし、放電電流が流れないように制御される。なお、放電制御FET20のOFF後は、寄生ダイオード20aを介することによって充電のみが可能となる。
次に、電池パック1における温度推定方法について説明する。この発明の実施の一形態では、二次電池10を構成する複数の電池セルをブロック毎(以下、セルブロックと適宜称する)に分け、温度検出部11によって温度が測定される温度測定位置のセルブロックの温度と各セルブロックにおける発熱量とに基づき、温度未測定位置のセルブロックの温度を推定するようにしている。各セルブロックにおける発熱量は、各セルブロックの内部抵抗と電池パック1に流れる充放電電流とに基づき算出することができる。
例えば、図2に示すように、二次電池10が電池セル21a,21b,21c,21d,21e,21fを2並列3直列に接続した構成となっており、電池セル21a〜21fを点線で示すセルブロックB1,B2およびB3に分け、セルブロックB1,B2およびB3のうち、セルブロックB2の温度を温度検出部11によって測定している場合について考える。
この場合には、各セルブロックB1,B2およびB3の内部抵抗R1,R2およびR3と電池パック1に流れる充電電流Ipとに基づき、各セルブロックB1,B2およびB3における発熱量W1,W2およびW3を算出する。そして、算出された各セルブロックB1,B2およびB3における発熱量W1,W2およびW3と、温度測定位置であるセルブロックB2の温度Trealとに基づき、温度未測定位置のセルブロックB1およびB3の温度T1およびT3を算出する。
なお、この例では、充電の際に流れる充電電流に基づき発熱量を算出するように説明しているが、これに限られず、例えば、放電の際に流れる放電電流に基づき発熱量を算出してもよい。
この発明の実施の一形態による温度推定処理の流れについて、図3に示すフローチャートを参照して説明する。なお、特別な記載がない限り、以下の処理は、制御部15の制御の下で巡回的に行われるものとする。ステップS1では、各セルブロックの電圧、電池パック1に流れる充電電流、および温度測定位置のセルブロックの温度などの各種測定が行われる。
ステップS2では、ステップS1における測定結果に基づき、記憶部17に記憶されている各セルブロックの内部抵抗の更新条件を満足しているか否かが判断される。具体的には、例えば、温度検出部11によって検出された温度が5℃〜45℃などの所定範囲内であるか否か、および、電流検出部13によって検出された充電電流が所定値以上であるか否かにより、内部抵抗を更新するか否かが判断される。内部抵抗の更新条件を満足している場合には、各セルブロックの内部抵抗が変化していると判断され、処理がステップS3に移行する。
ステップS3では、充電電流および各セルブロックの電圧に基づき、各セルブロックの内部抵抗が算出される。算出された内部抵抗の値は、記憶部17に記憶される。なお、内部抵抗の算出方法の詳細については、後述する。
一方、ステップS2において、内部抵抗の更新条件を満足していない場合には、各セルブロックの内部抵抗が変化していないと判断され、内部抵抗の算出処理を行わず、ステップS4に移行する。
ステップS4では、ステップS3で算出された各セルブロックの内部抵抗および充電電流に基づき各セルブロックにおける発熱量が算出される。そして、算出された各セルブロックにおける発熱量に基づいて、各セルブロックの温度算出処理が行われる。なお、温度算出処理の詳細については、後述する。
ステップS5では、ステップS4で算出された各セルブロックの温度に基づき、電池パック1に対する保護処理が行われる。例えば、各セルブロックのいずれかのブロックの温度が所定値以上となった場合には、温度異常であると判断し、制御部15から充放電制御部16に対して充放電の禁止命令を供給する。充放電制御部16は、充放電禁止命令に基づきスイッチ回路14を制御し、電池パック1の充放電電流を遮断する。
図3のステップS3における内部抵抗算出処理について説明する。各セルブロックの内部抵抗は、例えば、充電の際に、充電電流を変化させたときの充電電流の変化量と、各セルブロックの電圧の変化量とに基づき算出することができる。
図4Aは、充電電流の一例を示し、図4Bは、セルブロック電圧の一例を示す。先ず、充電電流Ic1で充電を行っている場合において、所定時間経過後に充電電流をIc2に低下させる。そして、充電電流をIc1からIc2に変化させる直前の、所定のセルブロックBnの電圧Vc1nを測定し、さらに充電電流Ic2でのセルブロックBnの電圧Vc2nを測定する。
このようにして測定された充電電流Ic1,Ic2およびセルブロックBnの電圧Vc1n,Vc2nを用いることにより、セルブロックBnの内部抵抗Rnが数式(1)に基づいて算出される。
Rn=(Vc1n−Vc2n)/(Ic1−Ic2) ・・・(1)
Rn=(Vc1n−Vc2n)/(Ic1−Ic2) ・・・(1)
なお、内部抵抗の算出方法は、この例に限られず、他の算出方法を用いてもよい。
内部抵抗算出処理の流れについて、図5に示すフローチャートを参照して説明する。なお、特別な記載がない限り、以下の処理は、制御部15の制御の下で行われるものとする。先ず、ステップS11において、制御部15は、充電電流をIc1に設定するように電子機器に対して要求し、電子機器では、要求に応じた充電電流Ic1が設定される。ステップS12では、充電電流Ic1が測定され、ステップS13において、充電電流がIc1である場合のセルブロックBnの電圧Vc1nが測定される。
次に、ステップS14において、制御部15は、充電電流をIc1からIc2に設定するように電子機器に対して要求し、電子機器では、要求に応じた充電電流Ic2が設定される。ステップS15では、充電電流Ic2が測定され、ステップS16において、充電電流がIc2である場合のセルブロックBnの電圧Vc2nが測定される。
ステップS17では、上述の処理で測定した充電電流Ic1,Ic2およびセルブロックBnの電圧Vc1n,Vc2nを用いて、セルブロックBnの内部抵抗Rnが数式(1)に基づき算出される。
図3のステップS4における温度算出処理について説明する。温度未測定位置の各セルブロックの温度は、各セルブロックの内部抵抗および充電電流に基づいて各セルブロックの発熱量を算出し、温度測定位置のセルブロックにおける発熱量および温度未測定位置のセルブロックにおける発熱量の差分と、温度測定位置のセルブロックの温度とに基づき算出することができる。
温度測定位置のセルブロックB0における発熱量W0は、セルブロックB0の内部抵抗をR0とすると、内部抵抗R0および電池パック1に流れる充電電流Ipを用いることにより、数式(2)に基づいて算出される。
W0=R0×|Ip|2 ・・・(2)
W0=R0×|Ip|2 ・・・(2)
また、同様にして、温度未測定位置のセルブロックBnにおける発熱量Wnは、セルブロックBnの内部抵抗Rnおよび充電電流Ipを用いることにより、数式(3)に基づいて算出される。
Wn=Rn×|Ip|2 ・・・(3)
Wn=Rn×|Ip|2 ・・・(3)
次に、数式(2)に基づいて算出された温度測定位置のセルブロックB0における発熱量W0と、数式(3)に基づいて算出されたセルブロックBnにおける発熱量Wnとの差分ΔWnが数式(4)に基づいて算出される。
ΔWn=Wn−W0 ・・・(4)
ΔWn=Wn−W0 ・・・(4)
そして、セルブロックBnの温度Tnは、温度測定位置のセルブロックB0の温度Trealと、数式(4)に基づいて算出された発熱量の差分ΔWnと、予め設定された熱係数Knとを用いることにより、数式(5)に基づいて算出される。なお、熱係数Knは、例えば電池パック1と電子機器とが接続された際に、電子機器に設けられたCPU(Central Processing Unit)などの発熱部品から発生する熱がセルブロックに与える影響などを考慮して、電池パック1を設計する際に予め定められた係数である。熱係数Knは、各セルブロックに対応してそれぞれ設定されており、記憶部17に記憶されている。
Tn=Treal+Kn×ΔWn ・・・(5)
Tn=Treal+Kn×ΔWn ・・・(5)
温度算出処理の流れについて、図6に示すフローチャートを参照して説明する。なお、特別な記載がない限り、以下の処理は、制御部15の制御の下で行われるものとする。ステップS21において、温度測定位置のセルブロックB0の温度Trealが温度検出部11で測定され、ステップS22において、電池パック1に流れる充電電流Ipが測定される。
ステップS23では、上述の内部抵抗算出処理において算出された各セルブロックの内部抵抗Rnと測定された充電電流Ipとを用いて、各セルブロックにおける発熱量Wnが数式(3)に基づき算出される。ステップS24では、温度測定位置のセルブロックB0における発熱量W0が数式(2)に基づいて算出されて設定される。
ステップS25では、各セルブロックBnにおける発熱量Wnと、温度測定位置のセルブロックB0における発熱量W0との差分ΔWnが数式(4)に基づきそれぞれ算出される。ステップS26では、ステップS21で測定されたセルブロックB0の温度Treal、ステップS25で算出された発熱量の差分ΔWn、および各セルブロックに対応する熱係数Knを用いて、温度未測定位置の温度Tnが数式(5)に基づき算出される。
このように、温度測定位置のセルブロックにおける温度および発熱量を用いるとともに、温度未測定位置のセルブロックの周囲の発熱による影響などを考慮することにより、温度未測定位置のセルブロックの温度を推定することができる。
次に、この発明の実施の一形態による温度推定方法について、より具体的に説明する。例えば、図2に示す例のように構成された電池パック1において、温度を推定する場合について考える。この例では、2並列3直列に接続された電池セル21a,21b,21c,21d,21e,21fのうち、電池セル21aおよび21bでセルブロックB1が構成され、電池セル21cおよび21dでセルブロックB2が構成され、電池セル21eおよび21fでセルブロックB3が構成されている。そして、温度測定位置としてのセルブロックB2の温度が温度検出部11によって測定されている。
セルブロックB1の内部抵抗R1は、充電電流がIc1である場合のセルブロックB1の電圧Vc11と、充電電流をIc1からIc2に変化させた場合の電圧Vc21を用いることにより、数式(6)に基づいて算出される。
R1=(Vc11−Vc21)/(Ic1−Ic2) ・・・(6)
R1=(Vc11−Vc21)/(Ic1−Ic2) ・・・(6)
また、セルブロックB2の内部抵抗R2は、充電電流がIc1である場合のセルブロックB2の電圧Vc12と、充電電流をIc1からIc2に変化させた場合の電圧Vc22を用いることにより、数式(7)に基づいて算出される。
R2=(Vc12−Vc22)/(Ic1−Ic2) ・・・(7)
R2=(Vc12−Vc22)/(Ic1−Ic2) ・・・(7)
さらに、セルブロックB3の内部抵抗R3は、充電電流がIc1である場合のセルブロックB3の電圧Vc13と、充電電流をIc1からIc2に変化させた場合の電圧Vc23を用いることにより、数式(8)に基づいて算出される。
R3=(Vc13−Vc23)/(Ic1−Ic2) ・・・(8)
R3=(Vc13−Vc23)/(Ic1−Ic2) ・・・(8)
次に、セルブロックB1における発熱量W1は、上述のようにして算出されたセルブロックB1の内部抵抗R1および電池パック1に流れる充電電流Ipを用いることにより、数式(9)に基づいて算出される。
W1=R1×|Ip|2 ・・・(9)
W1=R1×|Ip|2 ・・・(9)
また、セルブロックB2における発熱量W2は、上述のようにして算出されたセルブロックB2の内部抵抗R2および充電電流Ipを用いることにより、数式(10)に基づいて算出される。
W2=R2×|Ip|2 ・・・(10)
W2=R2×|Ip|2 ・・・(10)
さらに、セルブロックB3における発熱量W3は、上述のようにして算出されたセルブロックB3の内部抵抗R3および充電電流Ipを用いることにより、数式(11)に基づいて算出される。
W3=R3×|Ip|2 ・・・(11)
W3=R3×|Ip|2 ・・・(11)
したがって、温度未測定位置のセルブロックB1およびB3の温度は、温度測定位置のセルブロックB2の温度Treal、熱係数K1およびK3、ならびに、上述のようにして算出された発熱量W1、W2およびW3を用いることにより、数式(12)および数式(13)に基づいて算出される。
T1=Treal+K1×(W1−W2) ・・・(12)
T3=Treal+K3×(W3−W2) ・・・(13)
T1=Treal+K1×(W1−W2) ・・・(12)
T3=Treal+K3×(W3−W2) ・・・(13)
このように、この発明の実施の一形態では、温度測定位置であるセルブロックの温度を測定するとともに、各セルブロックの内部抵抗に基づき、各セルブロックにおける発熱量を算出する。そして、測定された温度測定位置の温度と、算出された各セルブロックにおける発熱量を用いることにより、温度未測定位置のセルブロックの温度をそれぞれ推定し、推定された温度に基づいて二次電池に対する保護処理を行うようにしているため、電池パックの安全性を向上させることができる。
また、この発明の実施の一形態では、温度未測定位置の各セルブロックの温度を推定するようにしているため、各セルブロックに対して温度素子を設ける必要がなく、電池パックのコストを抑えることができる。
以上、この発明の実施の一形態について説明したが、この発明は、上述したこの発明の実施の一形態に限定されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内で様々な変形や応用が可能である。この発明の実施の一形態では、複数の電池セルをセルブロック毎に分け、セルブロック毎の温度を推定するようにしたが、これはこの例に限られず、例えば、各電池セル毎の温度を推定するようにしてもよい。
1 電池パック
10 二次電池
11 温度検出部
12 電圧検出部
13 電流検出部
14 スイッチ回路
15 制御部
16 充放電制御部
17 記憶部
18 電流検出抵抗
21a、21b、21c、21d、21e、21f 電池セル
10 二次電池
11 温度検出部
12 電圧検出部
13 電流検出部
14 スイッチ回路
15 制御部
16 充放電制御部
17 記憶部
18 電流検出抵抗
21a、21b、21c、21d、21e、21f 電池セル
Claims (5)
- 直列および/または並列に接続された1または複数の電池セルからなるブロックが複数接続された二次電池と、
上記複数のブロックのうち、少なくとも1つの所定ブロックの温度を検出する温度検出部と、
上記二次電池に流れる充電電流を測定する電流検出部と、
上記複数のブロックの電圧をそれぞれ測定する電圧検出部と、
周囲の発熱による影響を考慮して定められた熱係数を記憶する記憶部と、
上記複数のブロックの温度をそれぞれ推定し、推定結果に応じて上記二次電池に対する充放電の制御を行う制御部と
を有し、
上記制御部は、
上記複数のブロックの内部抵抗および上記充電電流に基づき、上記複数のブロックにおける発熱量を算出し、
上記温度検出部で検出された上記所定ブロックの温度と、上記所定ブロックにおける発熱量および所定ブロック以外のブロックにおける発熱量の差分と、上記記憶部に記憶された熱係数とに基づき上記複数のブロックの温度を推定する
ことを特徴とする電池パック。 - 請求項1に記載の電池パックにおいて、
上記制御部は、
充電電流が第1の充電電流である場合に上記電圧検出部によって測定された第1の電圧と、充電電流が上記第1の充電電流と異なる第2の充電電流に変化した場合に上記電圧検出部によって測定された第2の電圧とに基づき、上記複数のブロックの内部抵抗を算出する
ことを特徴とする電池パック。 - 請求項1に記載の電池パックにおいて、
上記温度検出部は、
上記複数のブロックのうち、最も温度が上昇する位置のブロックの温度を検出する
ことを特徴とする電池パック。 - 請求項1に記載の電池パックにおいて、
上記制御部は、
上記温度検出部で検出された上記所定ブロックの温度が所定範囲内である場合に上記複数のブロックの内部抵抗を更新し、上記記憶部に記憶させる
ことを特徴とする電池パック。 - 直列および/または並列に接続された1または複数の電池セルからなるブロックが複数接続された二次電池に流れる充電電流を測定し、
上記複数のブロックの電圧をそれぞれ測定し、
上記複数のブロックのうち、少なくとも1つの所定ブロックの温度を検出し、
周囲の発熱による影響を考慮して定められた熱係数を記憶部に記憶し、
上記複数のブロックの内部抵抗および上記充電電流に基づき、上記複数のブロックにおける発熱量を算出し、
上記検出された上記所定ブロックの温度と、上記所定ブロックにおける発熱量および上記所定ブロック以外のブロックにおける発熱量の差分と、上記記憶部に記憶された熱係数とに基づき上記複数のブロックの温度をそれぞれ推定し、
推定結果に応じて上記二次電池に対する充放電の制御を行う
ことを特徴とする温度推定方法。
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