JP5061386B2 - 光学多層反射膜 - Google Patents

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Description

本発明は、特定の波長の光を選択的に反射する特性を有する光学多層反射膜に関する。
近年、インターネットの急速な普及に伴い、その大容量通信を支える技術として、光通信は必須の技術となっている。さらに、高密度波長多重通信の普及により、使用される波長が増加し、それと共に用いられる光学部品の数は飛躍的に増加している。その中でも波長選択性を具備した、反射・透過光学多層膜を用いた光学素子は必須の構成要素となっている。
従来、光の特定波長における反射特性を制御する機能性薄膜としては、多層誘電体光学薄膜が多用されている。これら誘電体多層膜は、一般的に、基板の表面に特定波長において光学的に実質的に透明な高屈折率層と低屈折率層を交互に積層して構成されている。具体的には、Ta、TiO、SiO、MgFなどの金属酸化物や弗化物などを積層し、その層界面での反射と透過光の干渉を利用して透過や反射などの光学特性を実現するものである。
しかしながら、このような特性を持つ多層誘電体光学薄膜を作製するためには、使用する材料の選択と何層にも渡る層構造を決定した上で、各層の厚みと屈折率を高精度で制御して製膜することが必要である。特に、半値幅の極狭い光を選択的に反射する反射膜を作製するためには高度な製膜技術が必要であり、製造工程も多く、コストが高くなる傾向がある。
一方、特許文献1〜3には、金属膜を積層した多層膜反射鏡が記載されているが、これらはX線領域の波長の反射鏡であることに加え、X線領域の波長に対する屈折率の大きい層と屈折率の小さい層とを積層したのものであり、原理は前述の光学多層膜と同じである。
特開平5−346498号公報 特開平8−122498号公報 特開平9−113697号公報 特開2000−89010号公報
本発明は、単純な構造により、所定の波長の光を選択的に反射する光学多層膜を提供することを目的とする。
本発明は、以下の事項に関する。
1. 波長λの光に実質的に透明な透明薄膜層と金属層との周期的な交互積層構造を有し、前記波長λの光を選択的に反射することを特徴とする光学多層反射膜。
2. 隣接する金属層同士の繰り返し距離dの少なくとも一部は、
d=λ/2
を、実質的に満足する光学長を有していることを特徴とする上記1記載の光学多層反射膜。
3. 隣接する金属層同士の繰り返し距離dのすべてが、
d=λ/2
を、実質的に満足する光学長を有していることを特徴とする上記1記載の光学多層反射膜。
4. 前記金属層が、金属膜または金属微粒子の凝集層であることを特徴とする上記1〜3のいずれかに記載の光学多層反射膜。
5. 前記光学多層反射膜は、波長λの光を50%以上反射することを特徴とする上記1〜4のいずれかに記載の光学多層反射膜。
6. 前記金属層の層数が、少なくとも15層であることを特徴とする上記1〜5のいずれかに記載の光学多層反射膜。
7. 大気側の最外層が前記透明薄膜層であることを特徴とする上記1〜6のいずれかに記載の光学多層反射膜。
8. 前記金属層は、銀、金、アルミニウム、シリコン、チタン、クロム、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ゲルマニウム、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、パラジウム、スズ、アンチモン、タンタル、タングステン、白金、ビスマスおよびステンレス鋼からなる群より選ばれる少なくとも1種類を主成分とすることを特徴とする上記1〜7のいずれかに記載の光学多層反射膜。
9. 前記金属層の幾何学的膜厚が0.5〜15nmであることを特徴とする上記1〜8のいずれかに記載の光学多層反射膜。
10. 前記透明薄膜層の幾何学的膜厚が100〜500nmであることを特徴とする上記1〜9のいずれかに記載の光学多層反射膜。
11. 前記波長λが、紫外から近赤外光領域の波長範囲にあることを特徴とする上記1〜10のいずれかに記載の光学多層反射膜。
12. 水銀ランプのi線(λ=365nm)、青色の光(λ=460nm)、緑色の光(λ=530nm)および赤色の光(λ=680nm)からなる群より選ばれる光を選択的に反射することを特徴とする上記1〜11のいずれかに記載の光学多層反射膜。
13. 前記金属層間の透明薄膜層の光学膜厚dは、λ/2を中心として±15%の範囲であることを特徴とする上記1〜12のいずれかに記載の光学多層反射膜。
14. 前記透明薄膜層の屈折率が1.2〜4.0である上記1〜13のいずれかに記載の光学多層反射膜。
本発明によれば、単純な構造により、所定の波長を選択的に反射する光学的多層膜を提供することができる。即ち、本発明では、層構成の設計が簡単であり、また使用する材料の選択の自由度も大きい。このため、製造工程を簡略化することが可能であり、従来の波長選択性のある多層反射膜と比較して、製造コストを削減することができる。
本発明の光学多層膜は、特に紫外から近赤外光領域の波長範囲の特定の波長を選択的に反射する反射膜として好ましく使用される。
さらに、ポリマーと金属を積層した構造では、軽量化、輸送性と耐衝撃性、および機械的な柔軟性を向上させることができる。
以下、本発明を詳細に説明する。本発明の光学多層反射膜は、透明薄膜層と金属層との周期的な交互積層構造を有しており、その周期構造の光学条件を満たす波長λが選択的に反射される。ここで選択的とは、反射膜による反射スペクトルにおいて、波長λに、反射ピークの最大値を有することを意味する。反射ピークの最大値は、好ましくは40%以上、より好ましくは50%以上である。また、半値幅が狭い程、選択性が良いことを意味し、好ましくは300nm以下、より好ましくは200nm以下、特に好ましくは150nm以下である。
本発明では、多層反射膜を構成する透明薄膜層と金属層の積層構造の条件を設定することで、反射光の波長λとして所望の波長を設定することができる。まず、透明薄膜層は、波長λの光に対して実質的に透明である。ここで、実質的に透明とは、多層反射膜の全膜厚を透明薄膜層で形成した場合に、50%程度以上を示すことを意味する。この透明性に関しては、透明であるほど好ましいが、多層反射膜の全膜厚を透明薄膜層で形成した場合に、50%以上の透過率を示せば特定の用途では使用可能であり、好ましくは70%以上、より好ましくは80%以上、特に好ましくは90%以上である。
通常、1層の金属層は、入射光の一部を反射し一部を透過する半透過・半反射膜の機能を有している。1層の金属層それ自身が、波長選択性を有する必要はない。通常、光の吸収はできるだけ小さい方が好ましいが、反射波長λ以外の波長で光吸収があってもよい。1層の金属層が有する反射率および透過率と共に、積層構造中の金属層の層数を調節することで、波長λにおける反射率と波長選択性を制御することができる。
金属層の層数は、2以上、通常は5以上、好ましくは15以上、さらに好ましくは20以上である。一般に層数が多いほど波長選択性が向上し、波長半値幅が狭くなるが、金属層および/または透明薄膜層の材料による吸収の影響を受けるため、金属層の層数は、現実的には300以下が好ましく、200以下がより好ましく、特に100以下が好ましい。
反射光の波長を、所望の波長λとするためには、隣接する金属層同士の繰り返し距離dのうちの少なくとも一部が、
d=λ/2
を、実質的に満足する光学長を有している必要がある。繰り返し距離は、金属層が連続した金属膜であるときは、1つの金属膜の入射光側表面と隣接する金属膜の入射光側表面との距離であり、また、金属層が、金属微粒子が高密度で集積した層(以下、高密度層という。)であるときは、高密度層の中心と隣接する高密度層の中心との距離である。
ここで、金属膜は透明薄膜層の厚さに比べて非常に薄く、また金属微粒子の高密度層では透明薄膜層中に微粒子が分散していることになるので、例えば透明薄膜層の厚さのみを考慮し、繰り返し距離の幾何学長をd’として、透明薄膜層の屈折率をnとすると、d=nd’の関係にあり、幾何学長としては、d’=λ/(2n)となる。例えば、光学多層反射膜が選択的に反射する光の波長がλ=365nm、その波長における透明薄膜層の屈折率がn=1.6の場合、金属層間の透明薄膜層の幾何学長は、d’=365/(2×1.6)=114(nm)となる。
また、「d=λ/2を実質的に満足する光学長を有する」とは、dがλ/2からの多少の揺らぎを有していることを許容することを意味する。具体的には、異なる金属層間の繰り返し距離dが、λ/2を中心として、±20%以内、好ましくは±15%以内の範囲で揺らいでいることが許容される。実際に光学多層反射膜を作製するにあたっては、層ごとに膜厚の多少のばらつきが出る場合もあり、また意図的にばらつきを持たせる場合もある。例えば、ディスプレイなどの用途への応用においては、可視光領域にあるR(赤)、G(緑)、B(青)などの反射が求められることがあり、この場合においては、人の視感度の特性に合わせて、設計波長を中心として幅を持った反射特性が求められる。この場合、金属層の繰り返し距離(または透明薄膜層の光学膜厚)に意図的にばらつきを持たせることが有効である。この場合には、人の視感度の分布から、金属層の繰り返し距離の光学長を、λ/2を中心として、±20%以内、あるいは、±15%程度にばらつかせることにより対応できる。
また、多層構造の中で、隣接する金属層間の繰り返し距離dがλ/2を満たさない層が存在していてもよいが、その層は
d=mλ/2
(mは、2〜5の整数であり、好ましくは2である。)
を満足する光学長を有していることが好ましい。
また、金属層の繰り返し距離のうち、d=λ/2を満たす層の割合が50%以上であることが好ましく、さらに好ましくは70%、特に好ましくは90%であり、最も好ましくは100%、即ち金属層間の透明薄膜層のすべてがd=λ/2を満たす場合である。
金属層は、前述のとおり、連続した金属膜であっても、金属微粒子が高密度で集積した層(高密度層)であってもよい。金属膜である場合には、通常0.5〜15nm(幾何学長)であり、好ましくは1.5〜10nm、より好ましくは2〜5nmである。金属層が金属微粒子の高密度層である場合には、金属粒子の分布の疎密が、周期的に現れていればよいが、例えば50%程度以上の粒子が上記の厚さ(幾何学長)の範囲にあることは好ましい層構造である。
金属層は、銀、金、アルミニウム、シリコン、チタン、クロム、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ゲルマニウム、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、パラジウム、スズ、アンチモン、タンタル、タングステン、白金、ビスマス、およびステンレス鋼(SUS)からなる群より選ばれる少なくとも1種類を主成分として含有することが好ましい。ここで、「少なくとも1種類を主成分として含有する」とは、これらの構成元素以外の元素を50atm%未満の範囲で含んでもよいことを意味する。また、金属層は、1種類の金属のみからなっても、2種類以上が混合した合金からなっていてもよい。
金属層としては、銀および/または金を主成分とすることが好ましい。特に、銀原子が緻密に並んだ銀層、または銀の微粒子が高密度で層を形成したものが好適である。
透明薄膜層は、少なくとも反射波長において透明な材料で形成されていればよいが、その他の波長域(紫外〜可視光領域)で透明であってもよい。特に可視光領域で透明の材料が好ましい。また、屈折率は、特に限定されないが、例えば1.2〜4.0、更には1.2〜2.2を有していることが好ましい。
透明薄膜層を構成しうる材料としては、各種有機化合物(各種のポリマー)、および各種無機化合物などを挙げることができる。例えば、有機化合物として、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートおよびポリエチレンナフタレートのようなポリエステル類、ポリメチルメタクリレートのようなアクリルポリマー類、メチルスチレン樹脂、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)樹脂、アクリロニトリルスチレン(AS)樹脂のようなスチレン樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテンのようなポリオレフィン類、ポリオキセタンのようなポリエーテル類、ナイロン6、ナイロン66のような透明ポリアミド類、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリアクリレートおよび三酢酸セルロース、ポリビニルアルコール、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニル、環状ポリオレフィン、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、シクロヘキサジエン系ポリマー、非晶ポリエステル樹脂、透明ポリイミド、透明ポリウレタン、透明フッ素樹脂、熱可塑性エラストマー、ポリ乳酸を始めとする各種の透明ポリマーなどを挙げることができる。これらポリマーのコポリマーおよび/または混合物も使用することができる。また、無機化合物としては、シリカ、石英、ガラス、窒化シリコン、チタニア、アルミナ、窒化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化ゲルマニウム、酸化ジルコニウム、酸化ニオブ、酸化モリブデン、酸化インジウム、酸化スズ、酸化タンタル、酸化タングステン、酸化鉛、ダイヤモンド、窒化ホウ素、窒化炭素、アルミ酸窒化物、シリコン酸窒化物等を挙げることができる。
有機物の透明薄膜層としてはポリアクリル酸、ポリメタクリル酸を主成分(50%以上含有)とする物質が好適に用いられる。特に、ポリアクリル酸が好適である。無機化合物の透明層としては、シリカ、石英を主成分(50%以上含有)とする物質が好適に用いられる。特に、シリカが好適である。
透明薄膜層の膜厚は、前述のとおりに設定されるが、具体的な1態様において、例えば100〜500nmの範囲で設定され、好ましくは100〜350nm、より好ましくは110〜250nmである。
本発明の光学多層反射膜は、大気と接触する最外層は透明薄膜層であることが好ましい。これは、大気側の最外層が金属層である場合、金属が酸化して劣化するためである。最外層の透明薄膜層の膜厚は、特に限定されないが、おおむね、光学膜厚dがλ/4となる膜厚とすることが好ましい。
本発明において、金属層および透明薄膜層は、材料に合わせて公知の方法により作製すればよく、金属層および無機化合物による透明薄膜層については、例えば真空蒸着法、スパッタ法、プラズマCVD法、熱CVD法、ゾルゲル法など、有機化合物による透明薄膜層については、真空蒸着法、溶液キャスト法、スピンコート、その他各種の塗膜形成方法、各種印刷法等を挙げることができる。
以上のように、選択的に反射する光の波長における透明薄膜層の屈折率を考慮し、nd’=λ/2の関係が成立するように光学多層反射膜を設計・作製すれば、種々の波長域で、波長選択性のある反射膜を得ることができる。
具体例としては、光学多層反射膜が選択的に反射する光の波長をλ=365nmとした場合、紫外光領域において、水銀ランプのi線を選択的に反射することができる。光学多層反射膜が選択的に反射する光の波長をλ=460nmとした場合、可視光領域において、青色の光を選択的に反射することができる。光学多層反射膜が選択的に反射する光の波長をλ=530nmとした場合、可視光領域において、緑色の光を選択的に反射することができる。さらに、光学多層反射膜が選択的に反射する光の波長をλ=680nmとした場合、可視光領域において、赤色の光を選択的に反射する光学多層反射膜を作製することができる。
本発明の光学多層反射膜は、種々の形態にて種々の用途に光学部品として使用することができる。形態的には、光学多層反射膜自身が自立性があれば、光学多層反射膜を単独で使用することが可能である。光学多層反射膜が基体に積層または成膜されていてもよく、この場合、基体は多層膜を形成する際の基板であってよい。基体は用途に合わせて、透明であってもまたは不透明であってもよい。
以下、実施例に基づいて、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は本実施例に限定されるものではない。
(参考例1)
金属層として銀、透明薄膜層としてシリカを用い、457nmの波長の光を選択的に反射する膜構成を光学薄膜設計ソフトEssential Macleodにて計算した。計算結果より、シリカ140nm、銀10nmが交互に積層された多層膜を実現することで、457nmの波長の光を50%以上と高い反射率で選択的に反射する膜が実現できると予測された。計算により予測された反射スペクトルを図1に示す。
(実施例1)
参考例1の光学計算の結果に従い、457nmの波長の光を選択的に反射する選択波長反射膜をスパッタ法にて作製した。ソーダライムガラス上に、まず13.56MHzの交流スパッタ法によりシリカ膜を成膜し、その上に直流スパッタ法により銀膜を積層し、これを繰り返して、最後にシリカ膜になるように交互に41層成膜した。シリカ膜厚、銀膜厚は、それぞれ140nm、10nmとなるようにスパッタ時の条件を選んだ。
得られた多層膜を、透過型電子顕微鏡(TEM)により観察した。これを図2に示す。
さらに、得られたソーダライムガラス上の光学多層膜の反射特性を測定したところ、得られた薄膜は波長457nmに反射極大を持ち、その反射率が56.1%であり、所望の波長に反射が得られることが判明した。反射測定の結果を図3に示す。
実測値と参考例1による計算結果を比較のために重ねて図4に示す。この結果から、光学計算によって波長選択性の多層反射膜を設計したのち、その設計に合わせて本発明の多層反射膜を作製することができることが明らかになった。
(参考例2)
参考例1と同様にして、光学薄膜設計ソフトEssential Macleodにて、水銀ランプのi線に対応する365nmの波長の光を反射する41層の多層膜の構成を求めると、60.5nm シリカ/3nm 銀/122.5nm シリカ/3nm 銀/・・・/122.5nm シリカ/3nm 銀/60.5nm シリカ/ソーダライムガラスの構成が得られた。設計中心波長である365nmにおける反射率は75%、波長半値幅は19nmであった。予想される反射特性を図5に示す。
(参考例3)
参考例1と同様にして、光学薄膜設計ソフトEssential Macleodにて、青色の光に対応する460nmの波長の光を反射する41層の多層膜の構成を求めると、77.5nm シリカ/3nm 銀/156.5nm シリカ/3nm 銀/・・・/156.5nm シリカ/3nm 銀/77.5nm シリカ/ソーダライムガラスの構成が得られた。設計中心波長である460nmにおける反射率は92%、波長半値幅は36nmであった。予想される反射特性を図6に示す。
(参考例4)
参考例1と同様にして、光学薄膜設計ソフトEssential Macleodにて、緑色の光に対応する530nmの波長の光を反射する41層の多層膜の構成を求めると、89nm シリカ/3nm 銀/179.5nm シリカ/3nm 銀/・・・/179.5nm シリカ/3nm 銀/89nm シリカ/ソーダライムガラスの構成が得られた。設計中心波長である530nmにおける反射率は95%、波長半値幅は48nmであった。予想される反射特性を図7に示す。
(参考例5)
参考例1と同様にして、光学薄膜設計ソフトEssential Macleodにて、赤色の光に対応する680nmの波長の光を反射する41層の多層膜の構成を求めると、165nm シリカ/3nm 銀/231.5nm シリカ/3nm 銀/・・・/231.5nm シリカ/3nm 銀/165nm シリカ/ソーダライムガラスの構成が得られた。設計中心波長である680nmにおける反射率は97%、波長半値幅は76nmであった。予想される反射特性を図8に示す。
参考例1の光学薄膜設計ソフトEssential Macleodでの光学特性予測を示す図である。 実施例1で作製した光学多層膜のTEM観察結果を示す図である。 実施例1のソーダライムガラス上の光学多層膜の反射特性を示す図である。 実施例1における光学多層膜の実測の反射特性と参考例1の光学計算による反射特性予測を比較した図である。反射極大のピークを1となるように規格化を行っている。 参考例2における光学薄膜設計ソフトEssential Macleodでの光学特性予測を示す図である。 参考例3における光学薄膜設計ソフトEssential Macleodでの光学特性予測を示す図である。 参考例4における光学薄膜設計ソフトEssential Macleodでの光学特性予測を示す図である。 参考例5における光学薄膜設計ソフトEssential Macleodでの光学特性予測を示す図である。

Claims (11)

  1. 波長λの光に実質的に透明な透明薄膜層と金属層との周期的な交互積層構造を有し、
    隣接する金属層同士の繰り返し距離dのすべてが、
    d=λ/2
    を、実質的に満足する光学長を有し、
    前記金属層の幾何学的膜厚が0.5〜15nmであり、
    前記波長λの光を選択的に反射することを特徴とする光学多層反射膜。
  2. 前記金属層が、金属膜または金属微粒子の凝集層であることを特徴とする請求項1に記載の光学多層反射膜。
  3. 前記光学多層反射膜は、波長λの光を50%以上反射することを特徴とする請求項1または2に記載の光学多層反射膜。
  4. 前記金属層の層数が、少なくとも15層であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の光学多層反射膜。
  5. 大気側の最外層が前記透明薄膜層であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の光学多層反射膜。
  6. 前記金属層は、銀、金、アルミニウム、シリコン、チタン、クロム、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ゲルマニウム、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、パラジウム、スズ、アンチモン、タンタル、タングステン、白金、ビスマスおよびステンレス鋼からなる群より選ばれる少なくとも1種類を主成分とすることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の光学多層反射膜。
  7. 前記透明薄膜層の幾何学的膜厚が100〜500nmであることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の光学多層反射膜。
  8. 前記波長λが、紫外から近赤外光領域の波長範囲にあることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の光学多層反射膜。
  9. 水銀ランプのi線(λ=365nm)、青色の光(λ=460nm)、緑色の光(λ=530nm)および赤色の光(λ=680nm)からなる群より選ばれる光を選択的に反射することを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の光学多層反射膜。
  10. 前記金属層間の透明薄膜層の光学膜厚dは、λ/2を中心として±15%の範囲であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の光学多層反射膜。
  11. 前記透明薄膜層の屈折率が1.2〜4.0である請求項1〜10のいずれかに記載の光学多層反射膜。
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