JP5061263B1 - タンクローリ - Google Patents

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Abstract

【課題】加圧蒸発器と地面との間のクリアランスを確保しつつ、加圧蒸発器による加圧能力の向上を図ることができるタンクローリを提供する。
【解決手段】機器室350の床板部351は、第2床板351bが第1床板351aよりも上方に位置しているので、第2床板351bと地面との間のクリアランスを大きく確保することができる。よって、第2床板351bの下方に加圧蒸発器360を設置する際の高さ方向における設置スペースを広く確保しつつ、第2床板351bの下方に設置された加圧蒸発器360と地面との間のクリアランスを確保することができる。これにより、より大型の加圧蒸発器360の設置することを可能としつつ、加圧蒸発器360と地面とのクリアランスをより大きく確保できる。
【選択図】図7

Description

本発明は、タンクローリに関し、特に、加圧蒸発器と地面との間のクリアランスを確保しつつ、加圧蒸発器による加圧能力の向上を図ることができるタンクローリに関するものである。
液化天然ガス(LNG)を輸送するタンクローリには、複数の配管や弁、フランジ等が格納される機器室と、加圧蒸発器とを備えているものがある。例えば、特許文献1には、加圧蒸発器、複数の管(配管)、バルブ等から構成される操作ユニットがタンクの後方側に格納されたタンクローリが開示されている。また、特許文献2には、複数の弁や配管、フランジ等が配設される機器室がタンクの後方に設けられたタンク型車両が開示されている。
なお、加圧蒸発器は、タンクから送出された液化天然ガスを気化し、その気化した天然ガスをタンクに戻すことでタンクに貯留された液化天然ガスの液面を加圧し、液化天然ガスを外部に送出(荷下ろし)するための装置である。また、タンク内の液化天然ガスのヘッド圧を利用して液化天然ガスを加圧蒸発器に送出するため、通常、加圧蒸発器はタンク及び機器室の下方に設置されている。
特開平9−142571号公報(図1など) 特開2004−83034号公報(図1、図3など)
ここで、タンクローリによる液化天然ガスの輸送効率を向上させるため、タンクを大型化する試みが行われている。また、このタンクの大型化に伴い、車輪を小径化することで液化天然ガスの積載時におけるタンクローリの低重心化を図り、タンクローリの走行安定性を確保している。
この場合、タンクの下方に設置される加圧蒸発器と地面との間のクリアランスが小さくなるため、タンクローリが坂道や段差を走行する際に、加圧蒸発器が地面と接触するおそれが大きくなる。
このように、従来のタンクローリでは、タンクの大型化に伴う加圧蒸発器と地面との間のクリアランスの確保と加圧蒸発器による加圧能力の向上との両立が困難であるという問題点があった。
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、加圧蒸発器と地面との間のクリアランスを確保しつつ、加圧蒸発器による加圧能力の向上を図ることができるタンクローリを提供することを目的としている。
課題を解決するための手段および発明の効果
請求項1記載のタンクローリによれば、一対の第2床板が第1床板よりも上方に位置しているので、一対の第2床板と地面との間のクリアランスを大きく確保することができる。よって、加圧蒸発器の高さ方向における設置スペースを広く確保しつつ、一対の第2床板の下方に設置された加圧蒸発器と地面との間のクリアランスを確保することができる。
これにより、より大型の加圧蒸発器の設置を可能としつつ、加圧蒸発器と地面との間のクリアランスをより大きく確保できるという効果がある。その結果、加圧蒸発器による加圧能力を向上させることができると共に、加圧蒸発器が地面に接触することによる加圧蒸発器の損傷を回避しやすくすることができる。
さらに、加圧器用配管のうち機器室内に格納されている部分が第1床板の上方に配置されているので、加圧器用配管を一対の第2床板よりも低い位置に配置することができる。これにより、タンク内の液化天然ガスの液面が一対の第2床板よりも低くなった場合であっても、加圧蒸発器へ液化天然ガスを送出するために必要とされるタンク内の液化天然ガスのヘッド圧を確保できるので、液化天然ガスをタンクから加圧蒸発器へ送出できる。よって、第1床板よりも上方に位置する一対の第2床板を形成して加圧蒸発器の設置スペースを確保しつつも、荷下ろしできずにタンクに残存する液化天然ガスを少なくすることができる。その結果、液化天然ガスの輸送効率を向上させることができるという効果がある。
請求項2記載のタンクローリによれば、請求項1記載のタンクローリの奏する効果に加え、フランジが一対の第3床板の左右方向内側(即ち、一対の第3床板の対向間)に配置されているので、フランジにホースを接続する際に用いられるスパナ等の工具を操作するための作業スペースを広く確保できる。即ち、工具を操作する際に、工具が一対の第2床板に干渉することを回避できるので、フランジにホースを接続する際の作業効率を向上させることができるという効果がある。
請求項3記載のタンクローリによれば、請求項2記載のタンクローリの奏する効果に加え、第1床板と一対の第3床板とが面一状に形成されるので、機器室の床板の形状を簡素化することができる。よって、機器室の床板の製造コストを削減できるという効果がある。
請求項4記載のタンクローリによれば、請求項1から3のいずれかに記載のタンクローリの奏する効果に加え、一対の支持フレームの加圧蒸発器に面する外面と、一対の第4床板の加圧蒸発器に面する外面とが同一平面上に形成されるので、支持フレームを車体本体に固定する取付金具と機器室の床板を車体本体に固定する取付金具とを共通化できる。よって、車体本体に対する支持フレームおよび機器室の組立作業を効率化できるという効果がある。
ここで、一対の第4床板の左右方向外側は、一対の第2床板を第1床板に対して上方に位置させたことで形成されたスペースであり、このスペースを利用して加圧蒸発器を設置することで、加圧蒸発器の大型化および加圧蒸発器と地面との間のクリアランスの確保を図ることができる。
一方、加圧蒸発器は支持フレームの左右方向外側にも設置されるので、加圧蒸発器の設置スペースは一対の支持フレームの位置によっても制限される。そのため、一対の第4床板の加圧蒸発器に面する外面を一対の支持フレームの加圧蒸発器に面する外面よりも機器室の内側に寄せたとしても、加圧蒸発器を一対の支持フレームの加圧蒸発器に面する外面よりも機器室の内側に設置することはできない。さらに、一対の第4床板を機器室の内側に位置させるほど、機器室の内部スペースも小さくなるので、機器室に格納される配管やフランジ等の配置を大幅に変更する必要性が生じたり、フランジを開閉する際の作業スペースが縮小するなどの支障が生じる。
これに対し、一対の支持フレームの加圧蒸発器に面する外面と一対の第4床板の加圧蒸発器に面する外面とが同一平面上に形成されることで、加圧蒸発器を設置するためのスペースを最大限確保しつつ、機器室内における配管やフランジ等の配置の変更やフランジにホースを接続する際の作業スペースの縮小を抑制することができるという効果がある。
本発明の第1実施の形態におけるタンクローリの側面図である。 図1のII−II線におけるタンクローリの断面図である。 タンクローリの上面図である。 (a)は、タンクローリの正面図であり、(b)は、タンクローリの背面図である。 第2実施の形態におけるタンクローリの側面図である。 第3実施の形態におけるタンクローリの側面図である。 図6のVII−VII線におけるタンクローリの断面図である。 (a)は、タンクローリの部分側面図であり、(b)は、タンクローリの部分背面図である。 機器室の床板部を模式的に表した模式図である。
以下、本発明の好ましい実施形態について、添付図面を参照して説明する。まず、図1から図4を参照して、第1実施の形態におけるタンクローリ100について説明する。図1は、本発明の第1実施の形態におけるタンクローリ100の側面図である。図2は、図1のII−II線におけるタンクローリ100の断面図である。図3は、タンクローリ100の上面図である。図4(a)は、タンクローリ100の正面図であり、図4(b)は、タンクローリ100の背面図である。
なお、図2では、図面を簡素化してその説明をわかりやすくするため、タンク20、車体フレーム32、第1加圧蒸発器61、連通管62、第2加圧蒸発器63、下流側加圧器用出口配管P1b以外の図示を省略すると共に、第1加圧蒸発器61の断面を模式的に図示している。また、図3及び図4では、第1加圧蒸発器61及び第2加圧蒸発器63の一部を破線で図示している。
図1から図4に示すように、タンクローリ100は、液化天然ガスを輸送するための車両であり、液化天然ガスが積載されるタンク20と、そのタンク20が架装される車体本体30と、それらタンク20及び車体本体30の間に介設される左右一対の支持フレーム40と、タンク20の後方に形成される機器室50と、タンク20及び機器室50の下方に設置される第1加圧蒸発器61と、その第1加圧蒸発器61に一端側が連通される連通管62と、その連通管62の他端側が連通される第2加圧蒸発器63と、を主に備えて構成されている。
車体本体30は、運転室としてのキャブ31と、車体本体の骨格をなす車体フレーム32と、前輪33を有し地面に対してキャブ31を支持する前部走行装置と、後輪34を有し地面に対して車体本体30の後方側を支持する後部走行装置とを主に備え、車体フレーム32にタンク20が架装されている。
前部走行装置は、前輪33と、サスペンション(図示せず)とを主に備え、後部走行装置は、後輪34と、後輪34の上方を被覆するフェンダ34aと、サスペンション(図示せず)とを主に備えている。
一対の支持フレーム40は、互いに対向する梁状に構成される部材であり、タンク20の前後方向(図1左右方向)に沿って延設されている。また、支持フレーム40は、その上部側がタンク20に溶接されると共に、下部側がボルト等(図示せず)により車体フレーム32に固着されている。
左右一対に設けられた支持フレーム40によってタンク20が支持されることで、支持フレーム40の対向間にタンク20を沈み込ませてタンク20の重心を低くすることができ、タンクローリ100の走行安定性を向上させることができる。
機器室50は、複数の配管、弁、フランジ等が格納される箱状の部位であり、後方側(図1右側)には、扉が設けられている。
ここで、第1加圧蒸発器61及び第2加圧蒸発器63の構成について簡単に説明する。第1加圧蒸発器61及び第2加圧蒸発器63には、車体本体30における左右方向に複数の管が並設され、それら複数の管が枠状の枠部材を介して車体フレーム32に支持されている。各々の管は、車体本体30における後方から前方または前方から後方へ交互に折り返しつつ下方から上方へ向けて延設されている。複数本の管は、各々の管の始端どうし及び終端どうしが、それぞれ上下一対のヘッダに接続されている。それら上下一対のヘッダには、それぞれ枠部材の外部の配管が接続され、液化天然ガスが下側のヘッダから送入されて上側のヘッダから送出される過程で外気と熱交換されることで気化され、気化された天然ガスがタンク20に戻されることで、タンク20内の液化天然ガスの液面が加圧される。
タンクローリ100には、第1加圧蒸発器61および第2加圧蒸発器63が車体フレーム32の左右方向(図3上下方向)両側に1つずつ設置されている。即ち、タンクローリ100には4つの加圧蒸発器が設置されている。
第1加圧蒸発器61は、左右の後輪34及びフェンダ34aの車体本体30における後方(図1右側)であって、タンク20及び機器室50の下方に設置されている。第2加圧蒸発器63は、左右の後輪34及びフェンダ34aの車体本体30における前方(図1左側)であって、タンク20の側方(図1紙面垂直方向手前側および奥側)、かつ、タンク20の高さ方向における中心位置によりも下方となる位置に設置されている。即ち、第1加圧蒸発器61と第2加圧蒸発器63とが、後輪34及びフェンダ34aを挟んだ両側に配置されている。
タンク20の側方であってタンク20の高さ方向における中心位置よりも下方に形成されるデッドスペースに第2加圧蒸発器63を設置し、デッドスペースを第2加圧蒸発器63の設置スペースとして有効利用することで、第2加圧蒸発器63の設置スペースを容易に確保することができ、その結果、タンクローリ100に設置される他の部材(例えば、消火器、燃料タンク、ホースケース等)の配置の大幅な変更を回避することができる。
第1加圧蒸発器61の上側のヘッダと第2加圧蒸発器63の下側のヘッダとが連通管62によって接続され、第1加圧蒸発器61の下側のヘッダが上流側加圧器用入口配管P1a(図8(b)参照)によってタンク20と接続されると共に、第2加圧蒸発器63の上側のヘッダが下流側加圧器用出口配管P1bによってタンク20と接続されている。これにより、タンク20から第1加圧蒸発器61へ送出された液化天然ガスは、第1加圧蒸発器61及び第2加圧蒸発器63によって外気と熱交換され、気化された天然ガスがタンク20内に戻される。
このように、第1加圧蒸発器61と第2加圧蒸発器63とを別々の位置に設置することで、第1加圧蒸発器61及び第2加圧蒸発器63の個々の大型化を回避できる。よって、第1加圧蒸発器61と地面との間のクリアランスを確保しつつ、第1加圧蒸発器61と第2加圧蒸発器63とを合わせた全体としての加圧能力を向上させることができる。その結果、地面との接触による第1加圧蒸発器61の損傷を回避しやすくすることができると共に、タンク20内の液化天然ガスを円滑に外部へ送出(荷下ろし)することができる。
また、第1加圧蒸発器61が後輪34及びフェンダ34aの後方に配置されると共に第2加圧蒸発器63が後輪34及びフェンダ34aの前方に配置されていることで、第1加圧蒸発器61の前端部分(図1左端部分)と第2加圧蒸発器63の後端部分(図1右端部分)とを車体本体30の前後方向(図1左右方向)に離間させることができる。
ここで、第1加圧蒸発器61及び第2加圧蒸発器63が車体本体30の前後方向において重なる位置に設置された場合には、連通管62を略S字状に形成し、第1加圧蒸発器61と第2加圧蒸発器63との間のスペースに連通管62を配置することが必要になる。そのため、連通管62の形状および連通管62の取り回しが複雑化し、製造コストが増大する。
これに対し、第1加圧蒸発器61の前端部分と第2加圧蒸発器63の後端部分とが、車体本体30の前後方向において離間した位置に設置されることで、略直線状に形成された連通管62を使用して、第1加圧蒸発器61の上側のヘッダと第2加圧蒸発器63の下側のヘッダとを容易に接続させることができる。よって、連通管62の形状を簡素化できると共に、連通管62の取り回しを容易に行うことができる。
また、略直線状に形成された連通管62を使用することで、連通管62の長さ寸法を短くすることができるので、第1加圧蒸発器61で気化された天然ガスが連通管62を通過する際に再液化することを抑制できる。これにより、第1加圧蒸発器61及び第2加圧蒸発器63による熱交換効率の向上を図ることができる。
さらに、第2加圧蒸発器63が第1加圧蒸発器61よりも上方に配置されているので、連通管62の一端が接続される第1加圧蒸発器61の上側のヘッダよりも、連通管62の他端が接続される第2加圧蒸発器63の下側のヘッダを上方に配置させることができる。これにより、第1加圧蒸発器61側から第2加圧蒸発器63側へ向かうにつれて上昇傾斜した状態で連通管62を第2加圧蒸発器63の下側のヘッダ及び第1加圧蒸発器61の上側のヘッダに接続させることができる。
よって、第1加圧蒸発器61によって気化された天然ガスが連通管62を通過する際に再液化した場合であっても、その再液化した天然ガスを第1加圧蒸発器61へ戻し、第1加圧蒸発器61によって再度気化させることができる。
また、連通管62を通過する際に再液化した天然ガスが連通管62の内部に滞留することを防止できるので、連通管62の内部に滞留する再液化した天然ガスによって、連通管62の流路断面積が縮小されることを回避できる。その結果、第1加圧蒸発器61及び第2加圧蒸発器63による熱交換効率の低下を抑制できる。
なお、図1では、説明を分かりやすくするため、連通管62の傾斜角度を大きく設定している。
ここで、第1加圧蒸発器61は、第2加圧蒸発器63よりも大型、即ち、加圧能力の高いものであることが好ましい。第1加圧蒸発器61の単体の加圧能力を確保することで、第1加圧蒸発器61による天然ガスと大気との熱交換量をより多くし、天然ガスの温度をより高めることができるので、第1加圧蒸発器61によって気化された天然ガスが連通管62を通過する際に再液化することを抑制できる。
また、第1加圧蒸発器61及び第2加圧蒸発器63による液化天然ガスと外気との熱交換に伴って第1加圧蒸発器61及び第2加圧蒸発器63から放出される冷気は、外気よりも低温であるため下方へ流れる。第1加圧蒸発器61は第2加圧蒸発器63よりも下方に設置されているため、第2加圧蒸発器63から放出されて下方へ流れた冷気が第1加圧蒸発器61に当たると、第1加圧蒸発器61による液化天然ガスの熱交換に利用する外気温も低下し、第1加圧蒸発器61の熱交換効率が低下する。
これに対し、第1加圧蒸発器61の前端部分と第2加圧蒸発器63の後端部分とが離間しているので、第2加圧蒸発器63から放出されて下方へ流れる外気より低温の冷気が、第1加圧蒸発器61に当たることを抑制できる。
さらに、第1加圧蒸発器61と第2加圧蒸発器63とが、後輪34及びフェンダ34aを挟んだ両側に配置されているので、第2加圧蒸発器63による天然ガスと外気との熱交換に伴い、第2加圧蒸発器63から放出されて下方へ流れる冷気をフェンダ34aによって車体本体30の前方側(図1左側)へ案内することができる。これにより、車体本体30の後方側、即ち、第1加圧蒸発器61が設置される側へ向かおうとする冷気の流れをフェンダ34aによって妨げることができる。
よって、第2加圧蒸発器63から放出された冷気が第1加圧蒸発器61に当たることによる第1加圧蒸発器61の熱交換効率の低下を抑制できる。
次に、図5を参照して、第2実施の形態について説明する。第1実施の形態では、連通管62が第1加圧蒸発器61側から第2加圧蒸発器63側へ向かうにつれて上昇傾斜している場合について説明したが、第2実施の形態では、連通管262が地面に対して平行である場合について説明する。なお、上記した第1実施の形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明を省略する。図5は、第2実施の形態におけるタンクローリ200の側面図である。
図5に示すように、連通管262が地面に対して平行な状態で両端が第2加圧蒸発器263の下側のヘッダ及び第1加圧蒸発器61の上側のヘッダに接続されている。
よって、連通管262が第1加圧蒸発器61から第2加圧蒸発器263へ向かうにつれて上昇傾斜している場合と比べて、第2加圧蒸発器263の下側のヘッダをより低い位置に配置することができる。即ち、第2加圧蒸発器263の配置をより下方に設定できるので、より高さ寸法の大きな第2加圧蒸発器263を設置することができ、その結果、第2加圧蒸発器263の単体の加圧能力を向上させることができる。
次に、図6から図9を参照して、第3実施の形態について説明する。第1実施の形態では、タンクローリ100が第1加圧蒸発器61及び第2加圧蒸発器63を備えることで加圧能力の向上を図る場合について説明したが、第3実施の形態では、機器室350と地面との間のクリアランスを広くし、より大型の加圧蒸発器360を設置することで加圧能力の向上を図る場合について説明する。なお、上記した各実施の形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明を省略する。
まず、図6を参照して、第3実施の形態におけるタンクローリ300の概略構成について説明する。図6は、第3実施の形態におけるタンクローリ300の側面図である。
図6に示すように、タンクローリ300は、タンク20と、車体本体30と、支持フレーム40と、機器室350と、加圧蒸発器360とを主に備えて構成されている。
次に、図7から図9を参照して、機器室350の底面を構成する床板部351の詳細構成について説明する。図7は、図6のVII−VII線におけるタンクローリ300の断面図である。図8(a)及び図8(b)は、タンクローリ300の部分拡大透視図であり、図8(a)では機器室350を側面から視た状態を、図8(b)では機器室350を背面(後方側)から視た状態を図示している。図9は、機器室350の床板部351を模式的に表した模式図であり、床板部351を上方から視た状態を図示している。
なお、図面を簡素化して説明をわかりやすくするため、図7では、タンク20、車体フレーム32、支持フレーム40、機器室350及び加圧蒸発器360、下流側加圧器用出口配管P1b以外の図示を省略し、図8(a)及び図8(b)では、機器室350に格納される複数の配管、弁等を模式的に図示している。また、図7及び図8では、加圧蒸発器360を模式的に図示し、図8(a)及び図8(b)では、第2床板351b及び第4床板351dの形状を破線で図示している。
まず、図9を参照して、床板部351の概略構成を説明する。床板部351は、図9に示す上面視において、機器室350における左右方向(図9左右方向)中央部分に第1床板351aが配設されると共に、その第1床板351aの左右方向外側に第2床板351b及び第3床板351cが配設されている。第2床板351bは、第3床板351cよりも機器室350における前方側(図9上側)に配設されると共に、第1床板351a及び第3床板351cに対して底上げ(図9における紙面からの高さ位置が高く)されている。
次に、図7から図9を参照して、床板部351について詳細に説明する。床板部351は、機器室350の左右方向(図9左右方向)中央部分に位置し床板部351の前端から後端まで(図9上端から下端まで)延設される第1床板351aと、その第1床板351aの左右方向外側に位置し床板部351の前端から機器室350における後方へ延設される左右一対の第2床板351bと、それら一対の第2床板351bの機器室350における後方であって第1床板351aの左右方向外側に位置し床板部351の後端から機器室350における前方へ延設される左右一対の第3床板351cと、第1床板351a及び一対の第2床板351bの間に位置する左右一対の第4床板351dと、一対の第2床板351b及び一対の第3床板351cの間に位置する左右一対の第5床板351eとを備えている。
第1床板351a、一対の第2床板351b及び一対の第3床板351cは、地面に対して略平行に配設されている。即ち、第1床板351a、一対の第2床板351b及び一対の第3床板351cが互いに平行に配設されている。また、第1床板351aと一対の第3床板351cとが面一状に形成され、一対の第2床板351bが、第1床板351a及び一対の第3床板351cよりも上方(図8(b)上方)に位置している。即ち、一対の第2床板351bが第1床板351a及び一対の第3床板351cに対して底上げされている。第1床板351aと一対の第3床板351cとが面一状に形成されることで、床板部351の形状を簡素化できるので、床板部351の製造コストを抑制できる。
一対の第4床板351dは、第1床板351aの左右方向外側(例えば、図8(b)左側)の端部と一対の第2床板351bの左右方向内側(例えば、図8(b)右側)の端部とを連設する部位であり、図8(b)に示すように、第1床板351aから一対の第2床板351bへ向けて上昇傾斜されると共に、一対の第4床板351dの加圧蒸発器360に面する外面が一対の支持フレーム40の加圧蒸発器360に面する外側面と同一平面上に位置している。
一対の第5床板351eは、一対の第2床板351b及び一対の第4床板351dの後端部(図9下側の端部)と、一対の第3床板351cの前端部(図9上側の端部)とを連設する部位であり、一対の第2床板351b、一対の第4床板351d及び一対の第3床板351cに対して垂設されている。
機器室350には、タンク20と外部との間で液化天然ガスが送出入する送出入配管P2が格納されている。送出入配管P2は、その一端がタンク20に連結され、他端にはフランジFが取着されている。フランジFは、機器室350の第1床板351aの上方(図8上方、図9紙面垂直方向手前側)であって、一対の第3床板351cの対向間(図9左右方向の間)、即ち、一対の第5床板351eよりも後方側(図8(a)右側)に配置されている。
通常時、フランジFには蓋材がボルト止めされることで送出入配管P2の他端が閉塞されており、タンク20と外部との間で液化天然ガスの送出入を行う際には、蓋材をフランジFから取り外し、外部のタンク等に一端が接続されたホース等の他端に取着されたフランジにフランジFが接続される。
加圧蒸発器360は、タンク20及び機器室350の一対の第2床板351bの下方で、一対の支持フレーム40及び機器室350の一対の第4床板351dの左右方向外側(例えば、図8(b)左側)に1つずつ設置されている。
ここで、加圧蒸発器360の設置スペースは、機器室350や車体フレーム32により制約を受ける。即ち、加圧蒸発器360は、車体本体30における後部走行装置の後方かつ、車体フレーム32の左右方向外側(例えば、図8(b)左側)に設置されるが、加圧蒸発器360を車両限界よりも張り出させることはできない。
なお、通常、加圧蒸発器は車両限界よりも若干(例えば、10mm程度)内側に配置されるが、その分だけ加圧蒸発器を左右または後方へ拡大することはできない。この拡大により製作上の寸法公差を吸収できなくおそれがあるからである。また、特に、後方へ拡大した場合には、デパーチャアングルが確保できなくなるからである。
従って、車体本体30の前後方向および左右方向に対して、加圧蒸発器360の設置スペースの拡大を図ることは困難である。
さらに、床板部が平坦に形成された従来の機器室の場合、機器室の床板部の全体をより上方(図8(b)上方)に配置し、加圧蒸発器360の設置スペースを拡大しようとする場合には、機器室350と地面との間のクリアランスを広く確保できるものの、機器室350に格納された配管等もより上方に配置する必要がある。
配管の配置が上方になるほど、その配管とタンク20との接続位置も上がるため、液化天然ガスを加圧蒸発器360に送出するために利用されるタンク20内の液化天然ガスのヘッド圧が小さくなる。さらに、タンク20に貯留された液化天然ガスの液面が、その上流側加圧器用入口配管P1aとタンク20との連結位置よりも下方に位置した時点で、液化天然ガスを加圧蒸発器360へ送出できなくなる。その結果、荷下ろしできずにタンク20に残存する液化天然ガスの量が増えることとなり、輸送効率が低下する。
また、加圧蒸発器360と地面との間のクリアランスを利用し、加圧蒸発器360の高さ寸法を大きくして大型化を図った場合には、その分、加圧蒸発器360と地面との間のクリアランスが更に小さくなるため、加圧蒸発器360が地面と接触するおそれが尚更大きくなる。
これに対し、機器室350の床板部351は、一対の第2床板351bが第1床板351aよりも上方に位置しているので、一対の第2床板351bと地面との間のクリアランスを大きく確保することができる。よって、一対の第2床板351bの下方に加圧蒸発器360を設置する際の高さ方向における設置スペースを広く確保しつつ、一対の第2床板351bの下方に設置された加圧蒸発器360と地面との間のクリアランスを確保することができる。
これにより、より大型の加圧蒸発器360の設置を可能としつつ、加圧蒸発器360と地面とのクリアランスをより大きく確保できる。その結果、より大型の加圧蒸発器360を設置することで加圧能力を向上させることができると共に、加圧蒸発器360が地面に接触することによる加圧蒸発器360の損傷を回避しやすくすることができる。
さらに、上流側加圧器用入口配管P1aとタンク20との接続位置および上流側加圧器用入口配管P1aのうち機器室350内に格納される部分が第1床板351aの上方であって、一対の第4床板351dの対向間に配置されているので、上流側加圧器用入口配管P1aを一対の第2床板351bよりも低い位置に配置することができる。これにより、タンク20内の液化天然ガスの液面が一対の第2床板351bよりも低くなった場合であっても、加圧蒸発器360へ液化天然ガスを送出するために必要とされるタンク20内の液化天然ガスのヘッド圧を確保できるので、液化天然ガスをタンク20から加圧蒸発器360へ送出できる。よって、第1床板351aよりも上方に位置する一対の第2床板351bを形成して加圧蒸発器360の設置スペースを確保しつつも、荷下ろしできずにタンク20に残存する液化天然ガスを少なくすることができる。その結果、液化天然ガスの輸送効率を向上させることができる。
また、フランジFが第1床板351aの上方、かつ、一対の第3床板351cの左右方向内側に配置されているので、フランジFへの蓋材の取り外し及び取り付けや、ホースの他端に取着されたフランジとの接続を行う際に用いられるスパナ等の工具を操作するための作業スペースを広く確保できる。即ち、工具を操作する際に、工具が一対の第2床板351bに干渉することを回避できるので、フランジFにホースを接続する際の作業効率を向上させることができる。
さらに、一対の支持フレーム40の加圧蒸発器360に面する外面と一対の第4床板351dの加圧蒸発器360に面する外面とが同一平面上に形成されるので、支持フレーム40を車体フレーム32に固定する取付金具と機器室350の床板部351を車体フレーム32に固定する取付金具とを共通化できる。よって、車体フレーム32に対する支持フレーム40及び機器室350の組立作業を効率化できる。
ここで、一対の第4床板351dの左右方向外側(加圧蒸発器360に面する側、例えば、図8(b)左側))は、一対の第2床板351bを第1床板351aに対して機器室350における上方に位置させたことで形成されたスペースであり、このスペースを利用して加圧蒸発器360を設置することで、加圧蒸発器360の大型化および加圧蒸発器360と地面との間のクリアランスの確保を図ることができる。
一方、加圧蒸発器360は一対の支持フレーム40の左右方向外側にも設置されるので、加圧蒸発器360の設置スペースは支持フレーム40の位置によっても制限される。そのため、一対の第4床板351dの加圧蒸発器360に面する外面を一対の支持フレーム40の加圧蒸発器360に面する外面よりも機器室350の内側に寄せたとしても、加圧蒸発器360を一対の支持フレーム40の加圧蒸発器360に面する外面よりも機器室350の左右方向内側に設置することはできない。さらに、一対の第4床板351dを機器室350の内側に位置させるほど、機器室350の内部スペースも小さくなるので、上流側加圧器用入口配管P1aや、送出入配管P2等の配管、フランジF等の配置を大幅に変更する必要性が生じたり、フランジFにホースを接続する際の作業スペースが縮小するなどの支障が生じる。
これに対し、一対の支持フレーム40の加圧蒸発器360に面する外面と一対の第4床板351dの加圧蒸発器360に面する外面とが同一平面上に形成されることで、加圧蒸発器360を設置するためのスペースを最大限確保しつつ、機器室350内における上流側加圧器用入口配管P1aや、送出入配管P2等の配管、フランジF等の配置の変更やフランジFにホースを接続する際の作業スペースの縮小を抑制することができる。
以上、実施の形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
例えば、上記第1実施および第2実施の形態では、第1加圧蒸発器61が第2加圧蒸発器63,263よりも大型である場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、第1加圧蒸発器61が、第2加圧蒸発器63,263と同等の寸法、または第2加圧蒸発器63,263よりも小型であってもよい。これにより、第1加圧蒸発器61と地面との間のクリアランスを広く確保できるので、第1加圧蒸発器61が地面と接触することを防止しやすくすることができる。
第1実施の形態では、連通管62が略直線状に形成される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、第1加圧蒸発器61から第2加圧蒸発器63へ向かうにつれて上昇する階段状に形成してもよい。即ち、連通管62の上昇角度は一定でなくてもよく、第1加圧蒸発器61から第2加圧蒸発器63へ向かう途中で上昇角度を変更してもよい。これにより、連通管62の配置の自由度を増加させ、第1加圧蒸発器61と第2加圧蒸発器63の間に位置する後輪34やフェンダ34aを避けた位置に連結管62を設置することを容易に行うことができる。なお、この場合、連通管62が部分的に、地面に対して水平であってもよく、地面に対して垂直であってもよい。
上記第3実施の形態では、機器室350の一対の第3床板351cが第1床板351aと面一状に形成される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、少なくとも一対の第3床板351cが一対の第2床板351bよりも機器室350における下方に配置されていればよい。これにより、フランジFにホースを接続する際に、工具と床板部351とが干渉することを回避しやすくすることができる。
上記第3実施の形態では、一対の第4床板351dの加圧蒸発器360に面する外面が一対の支持フレーム40の加圧蒸発器360に面する外面と同一平面上に位置する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、一対の第4床板351dの加圧蒸発器360に面する外面が、一対の支持フレーム40の加圧蒸発器360に面する外面よりも機器室350の左右方向外側に配置されていてもよい。これにより、第1床板351a及び一対の第4床板351dにより形成される機器室350の内部スペースを広く確保できる。これにより、従来のタンクローリの機器室における配管等の配置からの変更を少なくすることができる。
100,200,300 タンクローリ
20 タンク
30 車体本体
32 車体フレーム(車体本体の一部)
34 後輪
34a フェンダ(後部走行装置の一部)
40 支持フレーム
50,350 機器室
351a 第1床板
351b 第2床板
351c 第3床板
351d 第4床板
351e 第5床板
61 第1加圧蒸発器
62,262 連通管
63,263 第2加圧蒸発器
360 加圧蒸発器
F フランジ
P1a 上流側加圧器用入口配管(加圧器用配管)
P1b 下流側加圧器用出口配管
P2 送出入配管

Claims (4)

  1. 液化天然ガスが積載されるタンクと、そのタンクが架装される車体本体と、前記タンクの下方に設置されると共に前記タンクに連通される加圧蒸発器と、その加圧蒸発器の上方であって前記タンクの後方に形成されると共に前記タンクに連通される複数の配管が格納される機器室と、を備えるタンクローリにおいて、
    前記機器室は、その機器室の底面を構成すると共に前記車体本体における左右方向中央部分に位置する第1床板と、その第1床板に対して前記車体本体における左右方向両側に位置すると共に前記第1床板よりも上方に位置する一対の第2床板とを備え、
    前記加圧蒸発器が前記一対の第2床板の下方に設置され、
    前記複数の配管は、一端が前記タンクに連結されると共に他端が前記加圧蒸発器に連結される加圧器用配管を備え、
    その加圧器用配管は、前記機器室内に格納される部分が前記第1床板の上方に配置されていることを特徴とするタンクローリ。
  2. 前記機器室は、前記第1床板の前記車体本体における左右方向両側、かつ、前記一対の第2床板の前記車体本体における後方であって、前記一対の第2床板よりも前記車体本体における下方に位置する一対の第3床板を備え、
    前記複数の配管は、一端が前記タンクに連結され前記タンクと外部との間で前記液化天然ガスが送出入される送出入配管を備え、
    その送出入配管の他端に取着されるフランジが、前記一対の第3床板の前記車体本体における左右方向内側に配置されていることを特徴とする請求項1記載のタンクローリ。
  3. 前記一対の第3床板は、前記第1床板と面一状に形成されていることを特徴とする請求項2記載のタンクローリ。
  4. 前記車体本体と前記タンクとの間に介設される一対の支持フレームを備え、
    前記機器室は、前記第1床板と前記一対の第2床板とを連設する一対の第4床板を備え、
    前記加圧蒸発器は、前記支持フレーム及び前記一対の第4床板の左右方向外側に設置され、
    前記一対の支持フレームの前記加圧蒸発器に面する外面と前記一対の第4床板の前記加圧蒸発器に面する外面とがそれぞれ同一平面上に位置していることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のタンクローリ。
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