JP5060993B2 - X線ct装置およびプログラム - Google Patents

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Description

本発明は、被検体にX線を照射した際に得られる投影データに基づいて、当該被検体の断層画像を生成するX線CT装置、および、プログラムに関する。
従来から、被検体にX線ビームを照射して得られる投影データに基づいて、被検体の断層画像を生成するX線CT装置が知られている。X線CT装置で生成される断層画像は、通常、CT画像と呼ばれており、このCT画像の画素値は、CT値と呼ばれる。CT値は、各物質のX線吸収率を反映した値で、通常、水のCT値は0、空気のCT値は−1000程度となっている。
近年、このX線CT装置を、対象部位の脂肪含有度合いの評価に利用することが提案されている。例えば、X線CT装置で肝臓を撮影して得られたCT画像から、肝臓部分の平均CT値やLS比と呼ばれるパラメータを算出し、このパラメータの値に基づいて脂肪肝の進行の程度を診断することがある(例えば、下記特許文献1など)。ここで、LS比とは、肝臓における脂肪含有度合いを示すパラメータで、肝臓部分の平均CT値を、筋肉部分(例えば脾臓など)の平均CT値で割った値である。診断者は、このLS比や、CT値に基づいて、対象部位の脂肪含有度合いを判断する。
特開2006−312030号公報
しかしながら、CT値やLS比は、脂肪含有度合いを直接的に示すパラメータではないため、これらの値から脂肪含有度合いを直感的に判断することは極めて困難であった。また、CT値やLS比は、いずれも、X線発生器に供給される駆動電圧に応じて変動するため、再現性のあるパラメータとは言いがたかった。
そこで、本発明では、より簡易に脂肪含有度合いを診断でき得るX線CT装置、および、プログラムを提供することを目的とする。
本発明のX線CT装置は、被検体にX線を照射した際に得られる投影データに基づいて、当該被検体の断層画像を生成するX線CT装置であって、同じ照射条件でX線照射した際に得られる筋肉部分のCT値、脂肪部分のCT値、対象部位のCT値を取得する取得手段と、脂肪部分のCT値および筋肉部分のCT値の差分量に対する、対象部位のCT値と筋肉部分のCT値との差分量、または、対象部位のCT値と脂肪部分のCT値との差分量の相対的な大きさを、対象部位の脂肪含有度合いを表すパラメータとして算出する算出手段と、を備えることを特徴とする。
好適な態様では、前記取得手段は、実際に、被検体の筋肉部分周辺、脂肪部分周辺、対象部位周辺にX線照射した結果に基づいて、前記筋肉部分のCT値、脂肪部分のCT値、対象部位のCT値を算出する。具体的には、前記取得手段は、照射条件を変えることなく、被検体の筋肉部分周辺、脂肪部分周辺、対象部位周辺にX線照射して投影データを取得する手段と、得られた投影データに基づいて、筋肉部分周辺、脂肪部分周辺、対象部位周辺の断層画像を生成する手段と、生成された断層画像を表示するとともに、当該断層画像において筋肉部分を示す筋肉ROI、脂肪部分を示す脂肪ROI、対象部位を示す対象ROIそれぞれの設定を受け付ける手段と、設定された各ROI内のCT値の平均値を、筋肉部分のCT値、脂肪部分のCT値、対象部位のCT値として算出する手段と、を備えることが望ましい。
他の本発明であるプログラムは、コンピュータを、被検体にX線を照射した際に得られる投影データから生成された被検体の断層画像に基づいて、同じ照射条件でX線照射した際に得られる筋肉部分のCT値、脂肪部分のCT値、対象部位のCT値を算出するCT値算出手段と、脂肪部分のCT値および筋肉部分のCT値の差分量に対する、対象部位のCT値および筋肉部分のCT値との差分量、または、対象部位のCT値および脂肪部分のCT値との差分量の相対的な大きさを、対象部位の脂肪含有度合いを表すパラメータとして算出する算出手段と、して機能させることを特徴とする。
本発明によれば、脂肪部分のCT値および筋肉部分のCT値を基準とした場合における、対象部位のCT値の相対的な大きさを、対象部位の脂肪含有率として算出している。そのため、対象部位の脂肪含有度合いを直感的に認識することができる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。図1は、本発明の実施形態であるX線CT装置の構成を示すブロック図である。また、図2は、このX線CT装置の測定部の斜視図である。
X線CT装置は、周知のとおり、被検体にX線ビームを照射して得られる投影データに基づいて、被検体の断層画像(CT画像)を形成する装置である。本実施形態のX線CT装置は、このCT画像形成機能に加えて、さらに、ユーザーが指定した部位、例えば、肝臓などにおける脂肪含有度合いを定量的に示すパラメータとして、脂肪含有率を算出する機能も備えている。すなわち、脂肪肝の進行程度などを定量的に判断するためには、肝臓における脂肪含有度合いを定量的に評価する必要がある。本実施形態のX線CT装置は、この脂肪含有度合いの定量的評価に有効な指標パラメータとして、脂肪含有率を算出する。以下、このX線CT装置について詳説する。
本実施形態のX線CT装置は、動物実験で利用されるマウス、ラット、モルモット、ハムスターなどの小動物のCT測定に好適な構成となっている。ただし、当然ながら、後述するガントリや容器24の構成を変更することで、人などのCT測定に応用してもよい。
図1に図示するとおり、このX線CT装置は、投影データを取得する測定部10と、測定部10の駆動を制御するとともに得られた投影データに基づいて各種演算を実行する演算制御部12と、に大別される。
図2に図示するとおり、測定部10には、ガントリ18を有した本体が設けられている。本体16の上面16Aには開口が形成され、その開口からアーム26が上方に突出している。アーム26はスライド機構68の一部をなすものであり、そのアーム26は容器24に連結され、容器24を回転中心軸方向にスライド運動(移動走査)させる。
一方、ガントリ18内には、後述する測定ユニット(X線発生器、X線検出器)が収納され、それらは回転中心軸回りにおいて回転運動する。ガントリ18の中央部には回転中心軸方向に空洞部18Aが形成されている。この空洞部18Aは非貫通型であるが、貫通型としてもよい。
容器24は、被検体(小動物やそこから摘出された組織など)を収納するカプセルであり、その形状は、本実施形態において中空の略円筒形状となっている。容器24は、その容器中心軸が回転中心軸に一致した状態で配置される。具体的には、容器24の基端部が上述したアーム26の上端部に着脱自在に装着される。この場合において、着脱機構としては各種の係合機構あるいはネジ止め機構などを挙げることができる。上述したように、容器24は中空の円筒形状を有しており、その内部には本実施形態において1又は複数の小動物が配置される。このような構成により、小動物の体毛が直接的にガントリ18に接触することなどを防止できる。また、小動物の排泄物や離脱体毛などが外部に放出されてしまう問題を防止できる。さらに、小動物を容器24内に固定具によって拘束することが可能となるので、CT画像を再構成する場合における画像ぶれなどの問題を防止することができる。なお、サイズや形状が異なる複数種類の容器を用意して、容器を選択的に使用するのが望ましい。
アーム26に対して容器24が装着された後、アーム26が回転中心軸方向に沿って前方に駆動され、これにより、ガントリ18の空洞部18A内に容器24が差し込まれる。この時、検体における測定位置にX線ビームが設定されるように、容器24の位置決めがなされる。また、そのような測定位置は連続的にあるいは段階的に変更される。その結果、所定ピッチで空間的に整列した多数のCT断面が形成される。
本体16の上面16A上には操作パネル20が設けられており、この操作パネル20は複数のスイッチや表示器などを有する。この操作パネル20を利用してユーザーは測定現場において装置の動作を操作することが可能となる。本体16の下方には複数のキャスター22が設けられている。
測定部10においては、回転中心軸Oを間において、一方側にX線発生器52が設けられ、他方側にX線検出器60が設けられている(図1参照)。X線発生器52の照射側にはコリメータ54が設けられている。X線発生器52は、供給される駆動電圧に応じた強度のX線ビーム56を照射する。このX線ビームは、図1に図示するように末広あるいは扇状(つまりファンビーム形状)となっている。一方、X線検出器60は複数の(例えば100個)のX線センサを一列に並べたものとして構成され、X線ビーム56の開き角度に応じてX線の受光開口が設定される。ちなみに、複数のX線センサの配列は直線的であってもよいし、円弧状であってもよい。本実施形態では、高感度型のX線センサが利用されている。X線検出器60での検出値は、投影データとしてプロセッサ30に出力される。なお、図1においては、X線発生器52に接続された電圧源、及び、X線検出器60に接続された信号処理回路などについては図示省略されている。
図1において、符号58は有効視野を示している。これは、X線ビーム56を回転走査させた場合におけるCT画像を構成可能な円形の領域である。ちなみに、この有効視野58は、回転中心軸、X線発生器52、及び、X線検出器60の位置関係に応じて定まるものである。本実施形態においては、変位機構62が設けられているため、それらの位置関係を変更してCT画像の倍率を機械的に可変することが可能である。
すなわち、変位機構62には、X線発生器52及びX線検出器60が連結されており、変位機構62は、X線発生器52及びX線検出器60の間の距離を維持したまま、それら(つまり測定ユニット)をX線ビーム56のビーム軸方向に変位させる。この場合において、回転中心軸Oは不変であり、すなわち上述した容器を何ら移動させることなく測定ユニット側を移動させて倍率の変更を行い得る。なお、変位機構62は変位力を発生するためのモータ62Aを備えている。
ガントリ回転機構66は、回転ベースを回転させることにより、それに搭載された変位機構を含む各構成の全体を回転駆動する機構である。変位機構62には、測定ユニットが搭載されているため、変位機構62によって所望の位置に位置決めされた測定ユニットがその位置を保持したまま回転駆動されることになる。ガントリ回転機構66は、その駆動力を発生するためのモータ66Aを有する。
スライド機構68は図2に示したアーム26をスライド運動させる移動機構であり、その駆動力はモータ68Aによって発生される。操作パネル20は上述したように本体の上面に設けられる。測定部10側に設けられたローカルコントローラ(図示せず)に対して操作パネル20を接続し、そのローカルコントローラと演算制御部12とが相互に通信を行うように構成してもよい。
ちなみに、図1には、様々な機構62,66,68などが示されているが、それらの機構による位置あるいは位置変化を検出するためにセンサを設けるのが望ましい。そして、それらのセンサの出力信号に基づいて演算制御部12がフィードバック制御を行うようにするのが望ましい。また、変位機構62による倍率の可変はユーザー入力により行わせてもよいし、例えば被検体サイズあるいは容器のサイズを自動検知し、その検知したデータに基づいて自動的に倍率を設定するようにしてもよい。さらに、あらかじめ容器の種別などが登録される場合においては、その登録された情報を利用して倍率の設定を行うようにしてもよい。さらに、図1に示す例では、スライド機構68が駆動源としてのモータ68Aを有していたが、そのスライド力を人為的に発生させるようにしてもよい。
次に、演算制御部12について説明する。プロセッサ30には、表示器32、記憶装置34、キーボード36、マウス38、プリンタ40などが接続されている。また、外部装置との間でネットワークを介して通信を行うための通信部42が接続されている。
プロセッサ30は、CPU及び各種プログラムによって構成されるものである。図1には、その代表的な機能が示されており、プロセッサ30は、動作制御部44、画像形成部46、パラメータ算出部72などを有している。
動作制御部44は、測定部10における全体の動作を制御する。画像形成部46はX線ビームの回転走査によって得られる投影データに基づき、CT値と呼ばれる画素値を算出し、得られたCT値に基づいてCT画像(断層画像)を生成する。なお、このCT画像の具体的な生成手法については、公知の周知技術を利用できるため、ここでの詳説は省略する。
パラメータ算出部72は、画像形成部46で算出されたCT値などを利用して、各種診断パラメータを算出する。ここで算出される診断パラメータの一つとして、ユーザーにより指定された対象部位における脂肪含有率が挙げられるが、その具体的な算出手順などについては後に詳説する。
表示器32には、画像形成部46で生成されたCT画像や、パラメータ算出部72で算出された各種診断パラメータなどが表示される。ユーザーは、この表示器32に表示された内容に基づいて、被検体の状態を診断する。また、必要に応じて、ユーザーは、この表示器32に表示されたCT画像を参照しながら、各種診断パラメータの算出に必要となるROI(関心領域)の設定を行う。
次に、パラメータ算出部72で算出する脂肪含有率について、肝臓の場合を例に挙げて説明する。周知のとおり、脂肪肝の進行程度の診断にあたっては、肝臓での脂肪含有度合いが非常に重要となる。従来、この脂肪含有度合いは、肝臓部分のCT画像に対する視覚的印象に基づいて判断されていた。すなわち、CT画像では、X線吸収率の高い物質ほど明るく、逆に、X線吸収率の低い物質ほど暗く表示される。そして、肝臓は、筋肉と脂肪との混合物質とみることができるが、脂肪は筋肉に比してX線吸収率が低いため、脂肪含有度合いが高いほど、その肝臓は暗く表示されることになる。換言すれば、CT画像における明るさを見ることで、肝臓における脂肪含有度合いを、ある程度、知ることができる。
しかし、かかる視覚的印象に基づく診断は、主観や経験に左右されやすく、正確性に欠けるという問題があった。そこで、一部では、脂肪含有度合いを定量的に表すパラメータとして、肝臓部分の平均CT値や、LS比を用いることが提案されている。
このCT値およびLS比について図3を用いて簡単に説明する。CT値は、CT画像における画素値に相当するもので、一般的には、水のCT値が0、空気のCT値が−1000となるように設定されている。また、通常、筋肉部分のCT値は、+50前後であり、脂肪部分のCT値は−250前後となる。そして、筋肉と脂肪との混合物である肝臓部分のCT値は、脂肪含有度合いが高いほど脂肪部分のCT値(約−250)に近づき、脂肪含有度合いが低いほど筋肉部分のCT値(約+50)に近い値をとる。また、LS比は、この肝臓部分のCT値を、筋肉部分のCT値で割った値である。したがって、LS比が1に近づくほど、その肝臓における脂肪含有度合いは、低いと判断することができる。
しかしながら、このCT値およびLS比は、いずれも、脂肪含有度合いを直接的に表すパラメータではない。そのため、一般のユーザーが、このCT値およびLS比から脂肪含有度合いを的確に認識することは困難であった。また、CT値は、X線発生器52に供給される駆動電圧に依存する値であり、当該駆動電圧が異なれば、同じ肝臓を撮影した場合でも、得られるCT値およびLS比は異なっていた。その結果、脂肪含有度合いについて適切に診断することがより困難となっていた。
そこで、本実施形態では、より簡易に、また、より的確に脂肪含有度合いを診断でき得るパラメータとして、脂肪含有率を算出している。脂肪含有率は、その名称の通り、対象部位に脂肪が含まれる割合(パーセンテージ)を示したパラメータである。本実施形態では、この脂肪含有率を、次の手順で算出する。
肝臓における脂肪含有率を算出する場合は、プロセッサ30は、測定部10を駆動制御して、被検体の複数箇所のCT画像を取得する。図4〜図6は、被検体がマウスであった場合に得られるCT画像の概略図である。より具体的には、図4は、肝臓周辺のCT画像であり、図5は脾臓周辺のCT画像、図6は腸周辺のCT画像である。なお、このCT撮影は、X線発生器52に供給される駆動電圧を一定に保ちながら、換言すれば、X線照射条件を一定に保ちながら行う。換言すれば、このCT撮影の際には、同じ種類の物質は、同じCT値となるように、動作制御部44は、X線発生器52の駆動電圧を制御する。
複数のCT画像が取得できれば、続いて、プロセッサ30は、得られたCT画像を表示器に表示する。また、メッセージを出力するなどして、ユーザーに、肝臓ROI、筋肉ROI、脂肪ROIの設定を促す。ここで、肝臓ROIとは、肝臓部分、すなわち、脂肪含有率を算出したい部位を示すROIである。この肝臓ROIは、マウスなどを操作することで設定されるもので、例えば、図4において符号E1で示すような領域である。
筋肉ROIは、筋肉部分を示すROIで、通常は、図5において符号E2で示されるように、脾臓内に設定される。ここで、筋肉ROIを脾臓内に設定するのは、脾臓は脂肪が蓄積されない臓器であり、当該脾臓部分は、ほぼ100%筋肉組織とみなせるからである。脂肪ROIは、脂肪部分を示すROIで、例えば、図6において符号E3で示すように、腸の周辺に存在する皮下脂肪部分に設定される。なお、このROI設定は、プロセッサ30側で自動的に行ってもよい。すなわち、プロセッサ30が、得られたCT画像に対して、画像解析処理を施して、肝臓部分、筋肉部分、脂肪部分を自動的に抽出し、ROI設定するようにしてもよい。
肝臓ROI、筋肉ROI、脂肪ROIがそれぞれ設定されれば、続いて、パラメータ算出部72は、各ROIにおける平均CT値を、肝臓平均CT値、筋肉平均CT値、脂肪平均CT値として算出する。そして、この三種類の平均CT値を、次の式1に当てはめて、肝臓の脂肪含有率を算出する。なお、図7は、この式1をグラフ表現したもので、図7において、横軸は、CT値を、縦軸は、脂肪含有率を示している。
脂肪含有率=(筋肉平均CT値−肝臓平均CT値)/(筋肉平均CT値−脂肪平均CT値)×100% ・・・ 式1
この式1および図7から明らかなとおり、本実施形態では、筋肉CT値および脂肪CT値の両方を基準値とし、この二種類の基準値に対する肝臓CT値の相対的な大きさを脂肪含有率として算出している。かかる脂肪含有率によれば、肝臓における脂肪含有度合いを直感的に認識することができる。なお、式1で示した算出式は、一例であり、筋肉CT値および脂肪CT値に対する肝臓CT値の相対的な大きさを表すのであれば、他の算出式を用いてもよい。例えば、式1では、(筋肉平均CT値−肝臓平均CT値)を分子としているが、(肝臓平均CT値−脂肪平均CT値)を分子としてもよい。
また、この手順で求められる脂肪含有率は、従来、多用されていた平均CT値やLS比と異なり、駆動電圧の影響を殆ど受けない。そのため、常に、脂肪含有度合いを定量的にかつ正確に診断することが出来る。その結果、例えば、脂肪肝の進行程度を数ヶ月に渡って観察する場合などのように駆動電圧を一定に保つのが困難な場合でも、脂肪肝の進行程度を的確に判断することができる。なお、算出された脂肪含有率は、CT画像や、肝臓CT値、LS比などとともに、表示器32に表示される。
図8は、従来、多用されていた肝臓CT値およびLS比と、本実施形態で算出する脂肪含有率と、の比較を示す表である。図8の上側に図示するように、ある駆動電圧のもとで得られたCT値が、肝臓CT値=−100、脂肪CT値=−250、筋肉CT値=+50であったとする。この場合、LS比は−2.0、脂肪含有率は50%となる。ここで、LS比は、(肝臓CT値)/(筋肉CT値)という算出式からも明らかなとおり、筋肉CT値は反映しているが、脂肪CT値は反映していない値である。そのため、「2.0」というLS比の値だけをみても、肝臓における脂肪含有度合いを直感的に認識することは困難であり、ユーザーは、脂肪CT値なども参照しなければ、「2.0」という数値が持つ意味を的確に評価することはできない。一方、本実施形態で算出される脂肪含有率は、筋肉CT値および脂肪CT値の両方を反映した値である。そのため、「50%」という脂肪含有率だけを見れば、肝臓にどの程度の脂肪が含有されているかを直感的に認識できる。その結果、より的確、かつ、簡易に、脂肪肝の進行程度を把握することが出来る。
また、駆動電圧が変化に伴い、全体的にCT値がマイナス側に10移動したとする。この場合、図8の下側に図示するように、肝臓CT値=−110、脂肪CT値=−260、筋肉CT値=+40となる。この場合、LS比は、−2.75となる。つまり、図8の上側に図示した場合と同じ肝臓の測定結果であるにも関わらず、LS比は変動することになる。かかるLS比の変動は、肝臓の脂肪含有度合いの適切な診断を困難にする大きな要因となる。一方、本実施形態で算出した脂肪含有率は、図8の上側に図示した場合と同じく50%のままである。換言すれば、脂肪含有率は、駆動電圧に依存していないため、常に、好適な判断指標として用いることができる。
以上の説明から明らかなとおり、本実施形態では、脂肪CT値および筋肉CT値を基準として、脂肪含有率を算出している。その結果、より的確に、脂肪含有度合いを定量評価できる。なお、本実施形態では、診断対象部位として肝臓を例に挙げているが、当然ながら、他の部位の脂肪含有率を算出するようにしてもよい。
また、本実施形態では、実際にX線照射して得られたCT画像から、筋肉CT値および脂肪CT値を算出している。しかし、これらの値は、事前に測定して記憶しておくようにしてもよい。例えば、あらかじめ、筋肉CT値および脂肪CT値を、駆動電圧を変えて測定した結果を、図9に図示するようなテーブルや、関数として記憶装置34に記憶しておく。そして、肝臓の脂肪含有率を算出する際には、当該肝臓をCT撮影したときの駆動電圧で得られるであろう筋肉CT値や脂肪CT値を、記憶されているデータから算出するようにしてもよい。
さらに、脂肪含有率に応じて、CT画像における輝度値や色を変化させるようにしてもよい。例えば、肝臓を複数のブロックに分割し、各ブロックごとに脂肪含有率を算出する。そして、得られた脂肪含有率に応じて輝度や色を変化させれば、肝臓内における脂肪の分布状況を容易に把握することが出来る。
また、上述した脂肪含有率の算出は、必ずしも、X線CT装置で実行される必要はなく、X線CT装置とは別個のコンピュータ上で行われてもよい。すなわち、X線CT装置で生成された断層画像を、脂肪含有率算出用プログラムがインストールされたコンピュータに入力し、当該コンピュータ上で脂肪含有率を算出するようにしてもよい。
本発明の実施形態であるX線CT装置のブロック図である。 X線CT装置のうち測定部の斜視図である。 物質種類とCT値との関係を示す図である。 肝臓周辺のCT画像の概略図である。 脾臓周辺のCT画像の概略図である。 腸周辺のCT画像の概略図である。 脂肪含有率を示すグラフである。 CT値、LS比、脂肪含有率の比較を示す図である。 事前記憶しておくデータの一例を示す図である。
符号の説明
10 測定部、12 演算制御部、16 本体、18 ガントリ、24 容器、26 アーム、30 プロセッサ、32 表示器、34 記憶装置、42 通信部、44 動作制御部、46 画像形成部、52 X線発生器、54 コリメータ、56 X線ビーム、58 有効視野、60 X線検出器、72 パラメータ算出部。

Claims (4)

  1. 被検体にX線を照射した際に得られる投影データに基づいて、当該被検体の断層画像を生成するX線CT装置であって、
    同じ照射条件でX線照射した際に得られる筋肉部分のCT値、脂肪部分のCT値、対象部位のCT値を取得する取得手段と、
    脂肪部分のCT値および筋肉部分のCT値の差分量に対する、対象部位のCT値と筋肉部分のCT値との差分量、または、対象部位のCT値と脂肪部分のCT値との差分量の相対的な大きさを、対象部位の脂肪含有度合いを表すパラメータとして算出する算出手段と、
    を備えることを特徴とするX線CT装置。
  2. 請求項1に記載のX線CT装置であって、
    前記取得手段は、実際に、被検体の筋肉部分周辺、脂肪部分周辺、対象部位周辺にX線照射した結果に基づいて、前記筋肉部分のCT値、脂肪部分のCT値、対象部位のCT値を算出することを特徴とするX線CT装置。
  3. 請求項2に記載のX線CT装置であって、
    前記取得手段は、
    照射条件を変えることなく、被検体の筋肉部分周辺、脂肪部分周辺、対象部位周辺にX線照射して投影データを取得する手段と、
    得られた投影データに基づいて、筋肉部分周辺、脂肪部分周辺、対象部位周辺の断層画像を生成する手段と、
    生成された断層画像を表示するとともに、当該断層画像において筋肉部分を示す筋肉ROI、脂肪部分を示す脂肪ROI、対象部位を示す対象ROIそれぞれの設定を受け付ける手段と、
    設定された各ROI内のCT値の平均値を、筋肉部分のCT値、脂肪部分のCT値、対象部位のCT値として算出する手段と、
    を備えることを特徴とするX線CT装置。
  4. コンピュータを、
    被検体にX線を照射した際に得られる投影データから生成された被検体の断層画像に基づいて、同じ照射条件でX線照射した際に得られる筋肉部分のCT値、脂肪部分のCT値、対象部位のCT値を算出するCT値算出手段と、
    脂肪部分のCT値および筋肉部分のCT値の差分量に対する、対象部位のCT値および筋肉部分のCT値との差分量、または、対象部位のCT値および脂肪部分のCT値との差分量の相対的な大きさを、対象部位の脂肪含有度合いを表すパラメータとして算出する算出手段と、
    して機能させることを特徴とするプログラム。
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