JP5060342B2 - パケット送信装置 - Google Patents
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Description
ISDB−Sは、複数のスロットで構成された伝送フレームにおいて、スロット単位で信号を伝送するものである。このISDB−Sでは、変調方式としてBPSK/QPSK/TCM8PSK、誤り訂正符号(内符号)として符号化率可変なビタビ符号、誤り訂正符号(外符号)として符号化率固定なRS(188,204)〔リードソロモン〕符号を採用している。なお、ISDB−Sでは、伝送フレーム内のスロットごとに異なる変調方式を用いることができる。
図12に示すように、ISDB−Sでは、スロット(#1〜#48)ごとに、異なる変調方式(BPSK、QPSK、TCM8PSK)を用いることができる。なお、ISDB−Sでは、一定のデータレートのインタフェース信号を維持するため、各変調方式により1以上のスロット(スロット群)が予め割り当てられている。例えば、TC8PSKでは伝送単位あたり1スロットが割り当てられる。これに対し、例えば、QPSK(r〔符号化率〕=1/2)では、2つのスロットが割り当てられ、1つを有効スロット、他をダミー(無効)スロットとしている。また、例えば、BPSK(r=1/2)では、4つのスロットが割り当てられ、1つを有効スロット、他の3つをダミースロットとしている。
ISDB−S:ARIB(Association of Radio Industries and Businesses;社団法人電波産業会) STD−B20,「衛星デジタル放送の伝送方式」,平成13年5月31日,3.0版
一方では、近年、LDPC(Low Density Parity Check)符号のような誤り訂正能力が非常に高い特性を有する誤り訂正符号が注目を集めている。
請求項1に記載の発明によれば、パケット送信装置は、異なる符号化率の誤り訂正符号を用いる場合であっても、等間隔のパケット候補位置に配置された、複数のパケットストリームを構成するパケットをPCRを再設定して送信するため、同一の周期でパケットを送信することができる。また、パケット送信装置は、動的に誤り訂正符号を切り替えて使用することが可能になる。
[伝送システムの構成]
まず、図1を参照して、本発明に係るパケット送信装置を適用した伝送システムの構成について説明を行う。図1は、本発明に係るパケット送信装置を適用した伝送システムの構成を示すブロック図である。
伝送システム1は、映像、音声、データ等の情報源を符号化した複数のMPEG−2 TSを、デジタル放送の伝送方式により変調したデジタル変調信号で伝送するものである。
情報源符号化装置2は、入力された映像、音声、データ等の情報源(ベースバンドデータ)を符号化するものである。この情報源符号化装置2は、図示を省略した映像符号化部、音声符号化部およびデータ符号化部を備え、入力された情報源をMPEG−2の信号に符号化する。この情報源符号化装置2は、多重化されるパケットストリームごと、および、情報源ごとに複数存在し、それぞれの情報源符号化装置2(2a1,2a2,…,2an,2b1,2b2,…,2bn,…)で符号化されたMPEG−2の信号は、多重化装置3(31,32,…,3n)に出力される。
パケット受信装置6は、パケット送信装置5から送信されたデジタル変調信号を受信し、伝送フレームに配置されたTSを復号するものである。このパケット受信装置6で復号された複数のTSは、複数の多重分離装置7に出力される。なお、パケット受信装置6については、後で詳細に説明を行うことにする。
次に、図2を参照(適宜図1参照)して、本発明の実施形態に係る伝送システムにおけるパケット送信装置5およびパケット受信装置6において、複数のTS(TS1,TS2,…,TSn)を伝送路符号化しデジタル変調信号として送信し、そのデジタル変調信号を複数のTS(TS1,TS2,…,TSn)に復号するまでの各種信号の構成について説明する。図2は、本発明の実施形態に係る伝送システムの信号の構成を示した模式図である。なお、ここでは、5つのスロットSでスロット群SAを構成した例を示している。また、図2(a)(b)(c)において、信号は、最初に左から右へ(スロット)、次に(スロットを単位として)上から下へ、の時間順に表現している。そして、(a)(b)(c)それぞれの図が、ある1つのフレームを表現している。また、(b)と(c)の図の間では、(b)の1スロット群(SA)が、多値変調され(c)の1行に対応している。
なお、パケット送信装置5は、スロット群SAごとに変調方式が異なる場合、変調方式に応じて、ダミースロットSDに対応するインタフェース信号には、ダミーパケットPDを配置することとする。これによって、一定の伝送レートを保持することができる。
なお、スロットを配置する順は、あくまで従来のISDB−Sに倣った例であり、本発明の本質ではなく、これに限定されるものではない。また、ここでは、変調方式として、32APSK、16APSK、8PSK、QPSKを例示しているが、この変調方式に限定されるものではない。
一方、パケット受信装置6は、図2(c)に示した変調信号を受信し、パケット送信装置5が行った信号変換の逆変換を行うことで、複数のTSを再生する。
このように、本発明によれば、スロット群単位で変調方式を変化させ、さらに、スロット単位で誤り訂正符号の符号化率を変化させることができる。
ここで、伝送システム1における各種信号の条件について列挙して説明する。
≪条件1≫
複数の変調方式において、伝送ビット数/変調シンボルの最大値をMmaxとしたとき、シンボルクロックfsymをMmax倍したビットクロックを使用する。Mmaxは変調シンボルあたりの変調ビット数(変調ビット数/変調シンボル)の最大値であるため、このビットクロックを使用すれば、すべての変調方式においてビット伝送を行うことができる。
変調期間分のスロットをMmaxで等分に分割し、Mmax個のスロットSでスロット群SAを構成する。このとき、実際に変調ビットが存在するM個のスロットを有効なスロットとし、残りのMmax個−M個のスロットをデータの存在しないダミースロットSDとする。
パケットPが伝送される可能性のある位置、すなわち、パケット候補位置PAを一定数とする。このパケット候補位置PAのうち、実際にパケットPを配置する割合を変えることで、符号化率の変化(実効伝送レートの変化)に対応できる。
パケット候補位置PAの間隔は、隣接するスロット間を含めて等間隔とする。このとき、パケット候補位置PAは、周期的に現れることになる。なお、1スロットあたりのパケット候補位置数Np(パケット/スロット)は、実際に1スロットに配置され得るパケットの最大数以上とする。
前記≪条件4≫のもとで、パケット候補位置PAの周期が、ビットクロックの整数倍となるようにパケット候補位置数Npを設定する。すなわち、ビットクロックを単位としたスロット周期(スロット長に同期・制御符号等を付加したもの)をLs、同じくビットクロックを単位としたパケット候補位置周期をLpとしたとき、パケット候補位置数Npは、Ls=Np×Lp(ただし、Lp=N〔N:整数〕)の関係をもつこととする。
パケット候補位置周期(パケット周期)Lpが、パケットのビット数Bpよりも少なくなると、転送クロックで処理(転送)が完了しないため、Lp≧Bpとする。
なお、必須の条件ではないが、Lp=8N〔N:整数〕の関係が成り立てば、バイトクロック(転送クロックをバイト単位にしたもの)に対しても整数倍の関係になるため、さらによい条件といえる。
ここで、図3〜図5を参照して、前記各条件を満たすための伝送システム1の前提について説明する。図3は、伝送システムにおけるスロットの配置例を示すフレーム構成図である。図4は、伝送システムにおけるスロットの構成を示すスロット構成図である。図5は、伝送システムにおける変調信号の形式を示す図である。
図3に示したフレーム構成において、各スロット(#1〜#120)は、外符号としてBCH符号、内符号としてLDPC符号(符号化率可変)で符号化されている。
そして、伝送システム1は、図4に示した構成を有するスロットを、ダミースロットを除いて変調することで、図5に示すような変調信号を生成する。なお、図3に示した200バイトの同期信号、パイロット信号および制御信号(TMCC等)は、データ中に分散されて伝送される。
以下、これらの条件を満たした伝送システム1を実現するためのパケット送信装置5およびパケット受信装置6について、前記の具体的なパラメータの場合を例に詳細に説明する。
まず、図6を参照して、本発明の実施形態に係るパケット送信装置の構成について説明する。図6は、本発明の実施形態に係るパケット送信装置の構成を示すブロック図である。ここでは、パケット送信装置5は、クロック発生・分配手段Cと、速度変換手段50と、パケット配置手段51と、PCR再設定手段52と、制御情報生成手段53と、誤り保護符号化手段54(54a,54b)と、インタリーバ55と、バッファ56(56a,56b)と、同期信号生成手段57と、マッピング手段58(58a,58b,58c)と、変調手段59とを備えている。
ここで、シンボルクロックは、変調方式において、変調されたシンボルの基準となるクロックである。また、ビットクロックは、ビットクロックは、シンボルクロック(fsym)を、スロット群のスロット数(Mmax)倍したクロック(Mmax×fsym)とする。なお、Mmaxは変調ビット数/シンボルの最大値であるため、ビットクロックをビット伝送の基準クロックとすることにより、すべての変調方式においてビット伝送が可能となる。
なお、パケットが配置された周期に応じてパケットのPCRを再設定するPCR再設定機能は、再多重化装置4の一機能として行ってもよい。パケットの周期は等間隔であるため、容易にPCRを再設定することができる。
次に、図7を参照(構成については適宜図6参照)して、本発明の実施形態に係るパケット送信装置の動作について説明する。図7は、本発明の実施形態に係るパケット送信装置の動作を示すフローチャートである。なお、ここでは、本発明の主要な動作であるTSの配置および送信動作について説明することとする。
そして、パケット送信装置5は、パケット配置手段51によって、パケットをスロットに配置する(ステップS2)。
そして、パケット送信装置5は、インタリーバ55によって、ステップS3で符号化されたデータをビットインタリーブし(ステップS4)、マッピング手段58aによって、予め設定されたスロットの変調方式に合わせて、送信したいシンボルのデータを変調するI/Q軸、位相/振幅軸など、直交軸上にマッピングする(ステップS5)。
以上の動作によって、パケット送信装置5は、複数のスロットで構成された伝送フレームを伝送する際に、異なる符号化率となる誤り訂正符号を用いても、一定の周期でパケットを扱うことができる。
なお、パケット送信装置5は、このように誤り符号化方式や変調方式を変化させる場合であっても、一定の信号レート(ヌルパケットを含むパケットレート)でパケットを扱うことができる。
次に、図8を参照して、参考例であるパケット受信装置の構成について説明する。図8は、参考例であるパケット受信装置の構成を示すブロック図である。ここでは、パケット受信装置6は、クロック再生手段CAと、クロック分配手段CBと、復調手段60と、尤度情報抽出手段61(61a,61b,61c)と、バッファ62(62a,62b)と、同期再生手段63と、デインタリーバ64と、誤り保護手段65(65a,65b)と、制御情報復号化手段66と、パケット再配置手段67と、速度変換手段68とを備えている。
ここでは、尤度情報抽出手段61aは、シンボルクロックを基準にして、復調信号上にマッピングされている尤度情報(符号化パケット〔誤り訂正符号で符号化されたスロット上の誤り保護符号〕の尤度情報)を抽出し、バッファ62aに出力する。
また、尤度情報抽出手段61bは、シンボルクロックを基準にして、復調信号上にマッピングされている尤度情報(符号化制御信号の尤度情報)を抽出し、バッファ62bに出力する。
また、尤度情報抽出手段61cは、シンボルクロックを基準にして、復調信号上にマッピングされている同期信号の尤度情報を抽出し、同期再生手段63に出力する。
ここでは、誤り保護手段65aは、ビットクロックを基準にして、デインタリーバ64からデータの尤度情報を入力し、スロットに予め定められた誤り訂正符号により復号する。この誤り保護手段65aで復号されたデータ(パケット)は、パケット再配置手段67に出力される。
図9に示すように、パケット再配置手段67は、等間隔パケット配置手段67aと、ダミーパケット配置手段67bと、ダミースロット配置手段67cと、再配置用記憶手段67dとを備えている。
図8に戻って、パケット受信装置6の構成について説明を続ける。
次に、図10を参照(構成については適宜図8、図9参照)して、参考例であるパケット受信装置の動作について説明する。図10は、参考例であるパケット受信装置の動作を示すフローチャートである。なお、ここでは、本発明の主要な動作であるTSの受信動作について説明することとする。
そして、パケット受信装置6は、尤度情報抽出手段61aによって、ステップS11で復調された復調信号から、シンボルを構成する各ビットの尤度情報を抽出する(ステップS12)。
その後、パケット受信装置6は、誤り保護手段65aによって、ステップS13でデインタリーブされたデータを、スロットに予め定められた符号化率の誤り訂正符号により復号する(ステップS14)。
そして、パケット受信装置6は、パケット再配置手段67によって、ステップS14で復号されたデータからパケットを抽出し、再配置用記憶手段67dにおいて等間隔のパケット候補位置に配置する(ステップS15)。
以上の動作によって、パケット受信装置6は、伝送フレームのスロットに配置された誤り訂正符号の符号化率が異なる場合であっても、TSを一定の周期で出力することができる。
次に、図11を参照(構成については適宜図1、図6、図8および図9参照)して、伝送システム1(図1参照)において送受信されるMPEG−2 TSの送受信の流れについて具体的に説明する。なお、ここでいうMPEG−2 TSとは、特に複数のTSを伝送する場合、先に説明したTS1,TS2,…,TSnが時分割多重された信号である。図11は、MPEG−2TSがパケット送信装置に入力され、パケット受信装置から出力されるまでの一連の流れを説明するための説明図である。なお、信号条件は、前記した≪条件1≫〜≪条件6≫を満たすものである。
ここでは、フレームの全スロットで1つのパケットストリーム(TS)を構成する場合を基準に説明したが、一部のスロットで1つのパケットストリーム(TS)を構成することとしてもよい。この場合、全スロットの数をNall、一部のスロットの数をNpartとしたとき、パケット送信装置5では、Nall/Npart倍の速度変換、パケット受信装置6では、Npart/Nall倍の速度変換を行う変換手段を追加すればよい。
2 情報源符号化装置
3 多重化装置
4 再多重化装置
5 パケット送信装置
50 速度変換手段
51 パケット配置手段
52 PCR再設定手段
53 制御情報生成手段
54 誤り保護符号化手段
55 インタリーバ
56 バッファ
57 同期信号生成手段
58 マッピング手段(シンボルマッピング手段)
59 変調手段
C クロック発生・分配手段
6 パケット受信装置
60 復調手段
61 尤度情報抽出手段
62 バッファ
63 同期再生手段
64 デインタリーバ
65 誤り保護手段
66 制御情報復号化手段
67 パケット再配置手段
67a 等間隔パケット配置手段
67b ダミーパケット配置手段
67c ダミースロット配置手段
67d 再配置用記憶手段(一時記憶手段)
68 速度変換手段(出力手段)
CA クロック再生手段
CB クロック分配手段
7 多重分離装置
8 情報源復号化装置
Claims (2)
- 複数のスロットで構成された伝送フレームのスロットに複数のパケットストリームを構成する固定長のパケットを配置して送信するパケット送信装置において、
前記複数のパケットストリームを構成し、かつ、パケット間が等間隔のパケット信号列を、複数の誤り訂正符号方式の最も大きい符号化率でパケットを配置した際の最大パケット数以上の領域を有するスロット周期に等しい長さの一時記憶手段に、前記パケットストリームごと、および、当該一時記憶手段に予め定められた誤り訂正符号化方式により特定される数のパケットごとに、隣接するスロット間を含めてパケットビット数以上の等しい間隔のパケット候補位置になるように配置するパケット配置手段と、
前記パケットが配置された周期に応じて前記パケットのPCRを再設定するPCR再設定手段と、
前記パケット配置手段で一時記憶手段に配置されたパケットを、当該一時記憶手段に予め定められた誤り訂正符号方式により符号化する誤り保護符号化手段と、
この誤り保護符号化手段で符号化された符号化データのシンボルのデータを前記伝送フレームの搬送波の変調軸上にマッピングするシンボルマッピング手段と、を備え、
前記PCR再設定手段は、前記パケットストリームの伝送制御情報に含まれるTS識別情報に基づいて、PCR設定対象のパケットストリームとそれ以外のパケットストリームを識別し、PCR設定対象のパケットストリームのパケットのみからPCRを取得し、PCR設定対象以外のパケットストリームのパケットを無効パケットとみなすとともに、PCR設定対象のパケットストリームのパケットに対してPCRを再設定することを特徴とするパケット送信装置。 - 前記パケット候補位置の周期は、変調シンボルあたりの伝送ビット数の最大値の整数倍であることを特徴とする請求項1に記載のパケット送信装置。
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