以下、図面を参照して本発明の好ましい実施形態について説明する。図3は本発明の一実施形態に係る安全装置を備えた高所作業車であり、先ずはこの高所作業車1の構成について説明する。この高所作業車1は走行用車輪11を備えて運転キャビン12から走行運転が可能なトラック式の走行体10と、走行体10上に設けられた旋回台20と、この旋回台20から上方に延びて設けられた支柱21の上部にフートピン22を介して基端部が支持された伸縮式のメインブーム30と、このメインブーム30の先端部に取り付けられた作業者搭乗用の作業台40とを有して構成される。
旋回台20は走行体10の後部に上下軸まわり360度回動自在に取り付けられている。走行体10の内部にはメインブーム旋回モータ(油圧モータ)23が設けられており、このメインブーム旋回モータ23を回転作動させることにより、図示しないギヤを介して旋回台20を水平旋回動させることができる。メインブーム30は複数のブーム部材が入れ子式に構成されており、内部に設けられたメインブーム伸縮シリンダ(油圧シリンダ)31の伸縮作動により各ブーム部材を相対的に移動させてメインブーム30全体を軸方向に伸縮動させることができる。また、メインブーム30と旋回台20の支柱21との間にはメインブーム起伏シリンダ(油圧シリンダ)24が跨設されており、このメインブーム起伏シリンダ24を伸縮作動させることによりメインブーム30全体を起伏動させることができる。
メインブーム30の先端部には垂直ポスト保持金具32を開始して垂直ポスト33の下端部が枢支されている。垂直ポスト33はメインブーム30内に設けられた図示しないレベリング装置により、メインブーム30の起伏角度によらず常時垂直姿勢が保持される。
作業台40は箱形状を有しており、外部に突出して設けられた作業台保持ブラケット41を介して垂直ポスト33の上端部に回動自在に取り付けられている。作業台保持ブラケット41の内部には作業台首振りモータ(油圧モータ)42が設けられており、この作業台首振りモータ42を回転作動させることにより、作業台40全体を垂直ポスト33まわりに首振り動(水平旋回動)させることができる。ここで、垂直ポスト33は上記のように常時垂直姿勢が保たれるため、結果として作業台40の床面はメインブーム30の起伏角度によらず常時水平に保持される。
また、図3に示すように、垂直ポスト33には電線仮支持装置50が備えられている。この電線仮支持装置50は、図4に示すように、垂直ポスト33の上部に垂直軸まわり360度回動自在に取り付けられたサブブーム旋回部材51と、このサブブーム旋回部材51に上下揺動自在に設けられたサブブーム保持ブラケット52と、垂直ポスト33内に設けられ、油圧作動によりサブブーム旋回部材51を旋回作動させることが可能なサブブーム旋回モータ53と、サブブーム旋回部材51とサブブーム保持ブラケット52との間に跨設され、油圧作動によりサブブーム保持ブラケット52を上下に揺動させるサブブーム起伏シリンダ54と、サブブーム保持ブラケット52内において長手方向にスライド移動自在に設けられた中空棒状のサブブーム55と、サブブーム55の先端部に設けられた電線保持具56とから構成される。
作業台40には複数のレバー等からなるメインブーム操作装置43と、同じく複数のレバー等からなるサブブーム操作装置44とが備えられている。メインブーム操作装置43の操作により出力された操作信号及びサブブーム操作装置44の操作により出力された操作信号はそれぞれ走行体10内に設置されたコントローラ70のバルブ制御部71に入力される(図1参照)。コントローラ70のバルブ制御部71は、メインブーム操作装置43から出力された操作信号に基づいて、メインブーム旋回モータ23に対応する第1制御バルブV1、メインブーム起伏シリンダ24に対応する第2制御バルブV2、メインブーム伸縮シリンダ31に対応する第3制御バルブV3及び作業台首振りモータ42に対応する第4制御バルブV4の各スプール(図示せず)をそれぞれ電磁駆動する。また、コントローラ70のバルブ制御部71は、サブブーム操作装置44から出力された操作信号に基づいて、サブブーム旋回モータ53に対応する第5制御バルブV5及びサブブーム起伏シリンダ54に対応する第6制御バルブV6の各スプール(図示せず)をそれぞれ電磁駆動する。
走行体10内に設けられた油圧ポンプ14は図示しないエンジンや電動モータ等により回転駆動され、上記第1〜第4制御バルブV1,V2,V3,V4経由でメインブーム旋回モータ23、メインブーム起伏シリンダ24、メインブーム伸縮シリンダ31及び作業台首振りモータ42に圧油を供給し、第5及び第6制御バルブV5,V6経由でサブブーム旋回モータ53及びサブブーム起伏シリンダ54に圧油を供給する。このためメインブーム旋回モータ23、メインブーム起伏シリンダ24、メインブーム伸縮シリンダ31及び作業台首振りモータ42はメインブーム操作装置43の操作により所望に作動させることができ、サブブーム旋回モータ53及びサブブーム起伏シリンダ54はサブブーム操作装置44の操作により所望に作動させることができる。
高所作業車1は上記構成であるため、作業台40に搭乗した作業者OPは、メインブーム操作装置43の操作を行うことにより作業台40を任意の位置に移動させて所要の作業を行うことが可能である。ここで、走行体10の前後左右計4箇所には張り出し格納が可能なアウトリガジャッキ13が設けられており、これらアウトリガジャッキ13を張り出させて地面に接地させることにより、走行体10を安定的に支持させて、大きな転倒モーメントに抗するようにすることができるようになっている。
電線仮支持装置50により電線を仮支持するときには、作業台40上の作業者は、張架状態の複数の電線D1,D2,D3(図4ではいずれも断面で示す)をサブブーム55の先端部に設けられた電線保持具56により保持させたうえで、サブブーム操作装置44を操作してサブブーム旋回モータ53を作動させ、サブブーム保持ブラケット52を垂直ポスト33に対して適当な旋回姿勢にする。そして、更にサブブーム起伏シリンダ54を作動させてサブブーム55を起仰させ、電線を上方に押し上げるようにして仮支持する。
サブブーム保持ブラケット52には先端部にフック59が取り付けられたロープ58を巻き取り繰り出し可能なウインチ57が設けられている。このウインチ57はウインチ駆動モータ60の油圧作動により回転駆動させることができ、上記フック59をサブブーム55の下部に設けられたフック用金具61に引っ掛けておき、ウインチ57を駆動して(すなわちウインチ駆動モータ60を作動させて)ロープ58を巻き取り繰り出しし、サブブーム55をサブブーム保持ブラケット52内においてスライド移動させることにより、作業台40を固定させたままで電線D1,D2,D3を上方に押し上げることが可能である。或いは、ウインチ57を駆動するのではなく、電線保持具56により電線D1,D2,D3を保持したうえで、メインブーム操作装置43からメインブーム30の操作を行い、作業台40を移動させることにより電線D1,D2,D3を押上げることも可能である。
このように電線仮支持装置50によれば張架状態の電線D1,D2,D3を仮支持することができるのであるが、本高所作業車1にはこのような電線の仮支持作業において、上記のように電線D1,D2,D3を保持した状態でサブブーム55を作動し、或いは作業台40を移動させたような場合には、その作動或いは移動方向によってはサブブーム55に過大な力が作用してサブブーム55が破損に至ったり、走行体10の転倒モーメントが増大したりするおそれが生じる。本高所作業車1に備えられた安全装置はこのような過負荷状態を防止して作業の安全を図るために設けられており、以下にその構成を説明する。
高所作業車1に備えられた安全装置は、図1及び図2に示すように、上記コントローラ70とセンサ類とから構成される。コントローラ70は上述のバルブ制御部71のほか演算部72、垂直ポスト位置算出部73、許容値記憶部74及び規制部75を備えている。センサ類は、メインブーム旋回角度検出器81a、メインブーム起伏角度検出器81b、メインブーム長さ検出器81c、起伏面内水平荷重検出器82、起伏面外水平荷重検出器83、サブブーム起伏シリンダ軸力検出器84、サブブーム起伏角度検出器85、サブブーム長さ検出器86及びサブブーム旋回角度検出器87からなる。
メインブーム旋回角度検出器81aは、走行体10内に設けられてメインブーム30の(旋回台20の)旋回角度φ0を検出し、メインブーム起伏角度検出器81bは、メインブーム30の基端部に設けられてメインブーム30の起伏角度θ0を検出する。また、メインブーム長さ検出器81cはメインブーム30内に設けられてメインブーム30の長さL0を検出する。そして、コントローラ70の垂直ポスト位置算出部73は、これらメインブーム旋回角度検出器81a、メインブーム起伏角度検出器81b及びメインブーム長さ検出器81cからの各検出情報φ0,θ0,L0に基づいて走行体10に対する垂直ポスト33の位置を算出する。
サブブーム旋回部材51は図5に示すように、垂直ポスト33の内部に設けられたベアリングBrにより回転自在に支持されている。サブブーム旋回部材51はその中間部に4つの断面矩形状の柱状部51c,51d,51e,51fを有しており(図6参照)、これら4つの柱状部51c,51d,51e,51fによりサブブーム55等を支持する上部部材51aとベアリングBrにより回転自在に支持される下部部材51bとが連結された構成となっている。前述のようにサブブーム55の先端部に設けられた電線保持具56において張架状態の電線D1,D2,D3を保持したとき、サブブーム55の先端部にはこれら電線D1,D2,D3の張力による荷重が作用するが、電線仮支持装置50は垂直ポスト33に対して相対回転自在であるため、電線D1,D2,D3の荷重が電線仮支持装置50に及ぼす影響を考える場合には、電線仮支持装置50に固定された座標系を用いることが便利である。よって以下の説明では、電線仮支持装置50に固定した座標系として、サブブーム55の起伏面(図4及び図5では紙面に平行な面)に沿う水平方向をx軸方向、サブブーム55の起伏面に直交する(水平)方向をy軸方向、鉛直方向をz軸方向とするxyz座標系を用いる。
電線保持具56により張架状態の電線D1,D2,D3を保持した場合、サブブーム55の先端部(荷重負荷点56a)にはx軸方向の荷重もしくは力(すなわち、サブブーム55の起伏面に沿う水平方向の荷重。以下、これを起伏面内水平荷重と称する)Fxと、y軸方向の荷重もしくは力(すなわち、サブブーム55の起伏面に直交する水平方向の荷重。以下、これを起伏面外水平荷重と称する)Fyと、z軸方向の荷重もしくは力(すなわち鉛直方向の荷重。以下、これを鉛直荷重と称する)Fzとが作用する(図5参照)。このとき4つの柱状部51c,51d,51e,51fは起伏面内水平荷重Fxと起伏面外水平荷重Fzを受けてそれぞれの負荷方向に曲げ変形し、上部部材51aは下部部材51bに対してx軸方向及びy軸方向に水平移動する(但し柱状部51c,51d,51e,51fの曲げ変形量及び上部部材51aの下部部材51bに対する移動量は微小である)。
図6に示すように、4つの柱状部51c,51d,51e,51fそれぞれの外側面(各柱状部の有する4つの面のうち、他のいずれの柱状部とも対向しない2つの面)の上下各部位にはストレインゲージが貼り付けられており、起伏面内水平荷重Fx及び起伏面外水平荷重Fyを受けて曲げ変形した4つの柱状部51c,51d,51e,51fそれぞれの上部及び下部に生じる曲げ歪を、水平面内水平荷重Fxにより生じた曲げ歪と水平面外水平荷重Fyにより生じた曲げ歪とに分離して検出し得るようになっている。ここで、各柱状部51c,51d,51e,51fの外側面のうちx軸と直交する面をFx測定面、y軸と直交する面をFy測定面と称することにすると、柱状部51c,51d,51e,51fの各Fx測定面の上部にはストレインゲージ82a,82b,82c,82dが、また柱状部51c,51d,51e,51fの各Fx測定面の下部にはストレインゲージ82e,82f,82g,82hが貼り付けられている。また、柱状部51c,51d,51e,51fの各Fy測定面の上部にはストレインゲージ83a,83b,83c,83dが貼り付けられており、柱状部51c,51d,51e,51fの各Fy測定面の下部にはストレインゲージ83e,83f,83g,83hが貼り付けられている。
Fx測定面に貼り付けられた計8個のストレインゲージ82a,82b,82c,82d,82e,82f,82g,82hは、サブブーム55の先端部に起伏面内水平荷重Fxが作用したとき、4つの柱状部51c,51d,51e,51fが曲げ変形することにより引っ張り或いは圧縮を受けてその抵抗値が変化するので、例えば図7(A)に示すブリッジ回路を組み、各端子Tx1,Tx2,Tx3,Tx4の間の電位差を測定することにより、起伏面内水平荷重Fxの作用方向(x軸についての正負方向)及びその大きさを検出することができる。例えば、図8(A)に示すようにサブブーム55の先端部にx軸正方向の起伏面内水平荷重Fxを受けて上部部材51aが下部部材51bに対してx軸正方向に水平移動したときには、柱状部51c,51dの上部に貼り付けられたストレインゲージ82a,82b及び柱状部51e,51fの下部に貼り付けられたストレインゲージ82g,82hはいずれも引っ張りを受け、柱状部51e,51fの上部に貼り付けられたストレインゲージ82c,82d及び柱状部51c,51dの下部に貼り付けられたストレインゲージ82e,82fはいずれも圧縮を受ける。よってストレインゲージ82a,82b,82g,82hの抵抗値は増大し、ストレインゲージ82c,82d,82e,82fの抵抗値は減少するので、図7(A)のブリッジ回路ではTx1とTx2の間及びTx3とTx4の間の電位差はともに増大し、Tx1とTx3の間及びTx2とTx4の間の電位差はともに減少することになり、これら電位差の変化及びその量を検出することにより、起伏面内水平荷重Fxの方向及び大きさを検出することができる。
また同様に、Fy測定面に貼り付けられた計8個のストレインゲージ83a,83b,83c,83d,83e,83f,83g,83hは、サブブーム55の先端部に起伏面外水平荷重Fyが作用したとき、4つの柱状部51c,51d,51e,51fが曲げ変形することにより引っ張り或いは圧縮を受けてその抵抗値が変化するので、例えば図7(B)に示すブリッジ回路を組み、各端子Ty1,Ty2,Ty3,Ty4の間の電位差を測定することにより、起伏面外水平荷重Fyの作用方向(y軸についての正負方向)及びその大きさを検出することができる。例えば、図8(B)に示すようにサブブーム55の先端部にy軸正方向の起伏面外水平荷重Fyを受けて上部部材51aが下部部材51bに対してy軸正方向に水平移動したときには、柱状部51c,51eの上部に貼り付けられたストレインゲージ83a,83c及び柱状部51d,51fの下部に貼り付けられたストレインゲージ83f,83hはいずれも引っ張りを受け、柱状部51d,51fの上部に貼り付けられたストレインゲージ83b,83d及び柱状部51c,51eの下部に貼り付けられたストレインゲージ83e,83gはいずれも圧縮を受ける。よってストレインゲージ83a,83c,83f,83hの抵抗値は増大し、ストレインゲージ83b,83d,83e,83gの抵抗値は減少するので、図7(B)のブリッジ回路ではTy1とTy2の間及びTy3とTy4の間の電位差はともに増大し、Ty1とTy3の間及びTy2とTy4の間の電位差はともに減少することになり、これら電位差の変化及びその量を検出することにより、起伏面外水平荷重Fyの方向及び大きさを検出することができる。
起伏面内水平荷重検出器82は上記Fx測定面に貼り付けられた計8個のストレインゲージ82a,82b,82c,82d,82e,82f,82g,82h及びそのブリッジ回路からなり、電線D1,D2,D3の各張力F1,F2,F3(図4参照)の合力がサブブーム55の荷重負荷点(電線保持具56の揺動支点)56aに作用することによってサブブーム55の先端部にx軸方向の荷重、すなわち起伏面内水平荷重Fxが生じ、これによりサブブーム旋回部材51の上部部材51aが下部部材51bに対してx軸方向に相対移動したときに、その荷重Fxの向き及び大きさを検出する。また、起伏面外水平荷重検出器83は上記Fy測定面に貼り付けられた計8個のストレインゲージ83a,83b,83c,83d,83e,83f,83g,83h及びそのブリッジ回路からなり、電線D1,D2,D3の各張力F1,F2,F3の合力がサブブーム55の荷重負荷点56aに作用することによってサブブーム55の先端部にy軸方向の荷重、すなわち起伏面外水平荷重Fyが生じ、これによりサブブーム旋回部材51の上部部材51aが下部部材51bに対してy軸方向に相対移動したときに、その荷重Fyの向き及び大きさを検出する。
サブブーム起伏シリンダ軸力検出器84はサブブーム起伏シリンダ54の下端側枢支ピンと接触するように設けられたロードセルからなり、サブブーム起伏シリンダ54からの押圧力に基づいて、サブブーム起伏シリンダ54の軸力Pを検出する。サブブーム起伏角度検出器85はサブブーム保持ブラケット52に設けられており、サブブーム55の起伏角度(サブブーム55の中心軸が水平面となす角)θを検出する。サブブーム長さ検出器86は、サブブーム55の下端部から延びたロープ58の巻き取り繰り出しを行ってその量を検出することにより、サブブーム55の長さ(図4ではサブブーム55の起伏支点55aとサブブーム55の荷重負荷点56aとの間のサブブーム55の中心軸に平行な方向の距離)Lを検出する。また、サブブーム旋回角度検出器87は垂直ポスト33内に設けられており、サブブーム55の(サブブーム旋回部材51の)垂直ポスト33に対する旋回角度φを検出する。
コントローラ70の演算部72は、図2に示すように、モーメント算出部72a及び鉛直荷重算出部72bを有している。モーメント算出部72aは、サブブーム起伏シリンダ軸力検出器84により検出されたサブブーム起伏シリンダ54の軸力Pと、サブブーム起伏角度検出器85により検出されたサブブーム55の起伏角度θとに基づいて、サブブーム55の起伏支点55aに作用するモーメントMを算出する。すなわち、サブブーム起伏シリンダ軸力検出器84とサブブーム起伏角度検出器85及びコントローラ70のモーメント算出部72aは、電線保持具56により電線を保持した状態でサブブーム55の起伏支点55aに作用するモーメントMを検出するモーメント検出手段88を構成している(図2参照)。また、鉛直荷重算出部72bは、起伏面内水平荷重検出器82により検出された起伏面内水平荷重Fxと、モーメント検出手段88により検出されたモーメントMと、サブブーム起伏角度検出器85により検出されたサブブーム55の起伏角度θと、サブブーム長さ検出器86により検出されたサブブーム55の長さLと、既知であり予め設定されたサブブーム55及び電線保持具56からなるアッセンブリの自重W(但しサブブーム55の自重については起伏支点55aよりも先端側の部分の重量)に基づいて、サブブーム55の先端部(荷重負荷点56a)に作用するz軸方向の荷重もしくは力、すなわち鉛直荷重Fzを算出する。なお、このように鉛直荷重Fzの検出に関わる起伏面内水平荷重検出器82、モーメント検出手段88、サブブーム長さ検出器86及びコントローラ70の鉛直荷重算出部72bは、鉛直荷重検出手段90を構成する(図2参照)。
モーメントMは、サブブーム起伏シリンダ54の軸力Pと、サブブーム起伏シリンダ54の軸線とサブブーム55の起伏支点55aとの間の距離s(図5参照。このsはサブブーム55の起伏角度θの関数となる)とを用いて、M=P×sと表すことができるので、モーメント検出手段88は、モーメント算出部72aにおいて、サブブーム起伏角度検出器85により検出されたサブブーム54の起伏角度θに基づいて距離sを算出するとともに、この算出した距離sとサブブーム起伏シリンダ軸力検出器84により検出されたサブブーム起伏シリンダ54の軸力Pとから演算M=P×sを行い、モーメントMを求める。
また、上記モーメントMは、起伏面内水平荷重Fxと、鉛直荷重Fzと、サブブーム55の起伏支点55aとサブブーム55の荷重負荷点56aとの間の鉛直方向の距離H(図5参照。このHはサブブーム55の長さL及び起伏角度θの関数となる)と、サブブーム55の起伏支点55aとサブブーム55の荷重負荷点56aとの間の水平方向の距離R1(図5参照。このR1はサブブーム55の長さL及び起伏角度θの関数となる)と、サブブーム55の起伏支点55aとサブブーム55及び電線保持具56からなるアッセンブリの重心位置との間の水平方向の距離R2(図5参照。このR2はサブブーム55のサブブーム55の長さL及び起伏角度θの関数となる)と、サブブーム55及び電線保持具56からなるアッセンブリの自重W(図5参照。このWはサブブーム55の単位長さ当たりの重量ρを用いればサブブーム55の長さLの関数となる)とを用いて、
M=(Fx×H)+(Fz×R1)+(W×R2)
と表すことができるので、鉛直荷重算出部72bは、起伏面内水平荷重検出器82により検出された起伏面内水平荷重Fxと、モーメント検出手段88により検出された(モーメント算出部72aにおいて算出された)モーメントMと、サブブーム長さ検出器86により検出されたサブブーム55の長さL及びサブブーム起伏角度検出器85により検出されたサブブーム55の起伏角度θ(上記のようにL及びθによりH,R1,R2,Wが算出される)と、予め与えられたサブブーム55の単位長さ当たりの重量ρとから演算Fz=(M−(Fx×H)−(W×R2))/R1を行って鉛直荷重Fzを求める。
コントローラ70の許容値記憶部74には、図1に示すように、垂直ポスト位置算出部73において算出された垂直ポスト33の位置の情報と、サブブーム旋回角度検出器87により検出されたサブブーム54の垂直ポスト33に対する旋回角度φの情報とが入力される。そして、コントローラ70の許容値記憶部74は、これら垂直ポスト33の位置の情報とサブブーム55の垂直ポスト33に対する旋回角度φの情報とに基づいて、サブブーム55の走行体10に対する位置及び旋回姿勢(これは垂直ポスト33の位置とサブブーム55の垂直ポスト33に対する旋回角度φによって決定される)に応じて可変に設定される許容値Fxa,Fya,Fzaを規制部75に送る。ここで、Fxaは起伏面内水平荷重Fxに対して設定された許容値、Fyaは起伏面外水平荷重Fyに対して設定された許容値、Fzaは鉛直荷重Fzに対して設定された許容値である。なお、これら許容値Fxa,Fya,Fzaはそれぞれ、各荷重Fx、Fy、Fzが電線仮支持装置50全体の構造強度及び走行体10の転倒モーメントに与える影響等を基準にして、サブブーム55の走行体10に対する相対姿勢に応じて予め定められる。
コントローラ70の規制部75には、図1に示すように、起伏面内水平荷重検出器82により検出された起伏面内水平荷重Fx、起伏面外水平荷重検出器83により検出された起伏面外水平荷重Fy、演算部72において算出された鉛直荷重Fz及び垂直ポスト位置算出部73において算出された垂直ポスト33の位置の各情報が入力される。また、許容値記憶部75からは上述のように、サブブーム55の走行体10に対する相対姿勢に応じて設定された許容値Fxa,Fya,Fzaが入力される。そして規制部75は、各荷重Fx,Fy,Fzとその許容値Fxa,Fya,Fzaとを比較するとともに、垂直ポスト33の位置と予め定められた許容作業範囲(走行体10を転倒させることなく垂直ポスト33を移動させ得る領域として定められた垂直ポスト33の移動可能領域)とを比較し、Fx,Fy,Fzの少なくとも一つがそれぞれの荷重に対応して設定された許容値Fxa,Fya,Fzaを上回ったと判断したとき、或いは垂直ポスト位置算出部73において算出された垂直ポスト33の位置が許容作業範囲から逸脱したと判断したときには、警報装置100を作動させて作業者OPに注意を喚起するとともに、サブブーム55の作動及びメインブーム30の作動を規制する。具体的には、バルブ制御部71が規制信号を出力し、バルブ制御部71が行う第1〜第6制御バルブV1〜V6の作動を規制する。これによりサブブーム55の破損や走行体10の転倒が未然に防止される。
このように本発明に係る高所作業車の安全装置では、電線保持具56により電線を保持した状態でサブブーム55の先端部に作用する、サブブーム55の起伏面に沿う水平方向の荷重(起伏面内水平荷重Fx)と、サブブーム55の起伏面に直交する方向の荷重(起伏面外水平荷重Fy)と、鉛直方向の荷重(鉛直荷重Fz)とを分離して求め、これら起伏面内水平荷重Fx、起伏面外水平荷重Fy及び鉛直荷重Fzの少なくとも一つがそれぞれの荷重に対応して設定された許容値Fxa,Fya,Fzaを上回ったとき、サブブーム55の作動及びメインブーム30の作動が規制されるようになっている。本安全装置ではこのように、サブブーム55の先端部に作用する荷重が起伏面内水平荷重Fxと、起伏面外水平荷重Fyと、鉛直荷重Fzとに分離して求められるため、サブブーム55の先端部に作用する複合的な荷重を正確に検出することができる。このため電線仮支持装置50の破損に対する安全性のみならず、車両の転倒に対する安全性も高めることができる。またこれにより、例えば、サブブーム55の起伏面内水平荷重Fxが許容値を超えているが、鉛直荷重Fyとの合成荷重(合力)としては許容値内であるというような場合においても、過負荷状態を適切に検出し得る利点がある。なお、上述の電線仮支持装置50の説明では、サブブーム55が斜めに延びるように起伏された状態において電線を保持する例が示されていたが、サブブーム55を上下方向に延びるように起仰させた状態で電線を保持してもよく、このような場合でも起伏面内水平荷重Fx、起伏面外水平荷重Fy及び鉛直荷重Fzを分離して求め得ることは勿論である。
ところで、上述の例では、サブブーム55の先端部に作用する鉛直荷重Fzは、先ずサブブーム55の起伏支点55aに作用するモーメントMを求めたうえで、このモーメントMと別途検出された起伏面内水平荷重Fxとから演算により算出する構成であったが、この鉛直荷重FzはモーメントMを介さずに、直接求めるようにしてもよい。以下、その例を示す。
図9及び図10は前述の電線仮支持装置50とは異なる構成を有した電線仮支持装置150であり、ベース部材151、xyスライダ152、第1中間部材153、zスライダ154、第2中間部材155、サブブーム保持ブラケット156及び首振りモータ157を有して構成される。また、この電線仮支持装置150は、前述の電線仮支持装置50と同様に、サブブーム保持ブラケット155により長手方向にスライド移動自在に設けられた中空棒状のサブブーム55と、サブブーム55の先端部に設けられた電線保持具とを有する。電線保持具は図9には図示していないが、その構成は前述の電線保持具56と同様である。
ベース部材151は平板状に形成されており、その中央部から下方に延びて設けられた支柱151aが垂直ポスト33の上部に、上下軸まわり相対回転自在に取り付けられている。xyスライダ152はベース部材151の上面に取り付けられた2本の平行な下部レール152aと、この2本の下部レール152a上をスライド移動自在に設けられた計4つのスライダ152bと、これら4つのスライダ152bに支持されて、上記2本の下部レール152aと水平面内で直交する方向に延びて設けられた2本の平行な上部レール152cとを有して構成されている。
第1中間部材153は水平な基部153aと、この基部153の両側に垂直方向に延びて設けられた2つの側板153bと、各側板153bの端部に垂直方向に延びて設けられた2つの背板153cと有しており、基部153aの下面がxyスライダ152の2本の上部レール152cの上面側に取り付けられている。ここで、xyスライダ152の各スライダ152bは下部レール152a上を下部レール152aの延びる方向に移動自在であり、また上部レール152cはスライダ152b上を下部レール152aと直交する方向に移動自在であるため、第1中間部材153はベース部材151に対して水平面内で任意の方向に移動することが可能である。
第2中間部材155は垂直方向に延びた背板155aと、この背板155aから延びた2つの平行な側板155bとを有している。zスライダ154は、第2中間部材155の背板155aの両側部に上下方向に延びて設けられた2つのレール154aと、第1中間部材153の2つの背板153c各々に上下に並んで2つずつ配置されたスライダ154bとから構成されており、各レール154aはスライダ154bに対して上下方向にスライド移動自在になっている。また、第1中間部材153の各側板153bには内方に突出して延びた円形リブ153eが設けられるとともに、第2中間部材155の各側板155bにはこれら円形リブ153eを上下方向にスライド移動自在に支持するリブ支持溝155dが設けられている。このため、第2中間部材155は第1中間部材153に対して上下方向に相対移動することが可能である。
サブブーム保持ブラケット156は支持ピン156a(図9参照)を介して第2中間部材155における両側板155bの上端部に上下揺動自在に取り付けられている。このサブブーム保持ブラケット156は前述の実施形態におけるサブブーム保持ブラケット52と同様にサブブーム55を保持する部材である。
首振りモータ157はベース部材151の上面に取り付けられており、その回転軸157aはベース部材151に設けられた回転軸通し穴151cを上下方向に貫通して延びており、その下端部にはピニオン158が取り付けられている。このピニオン158は、垂直ポスト33の上面に固定されて支柱151aに対して相対回転自在なギヤ159の外周歯と噛合しており、首振りモータ157が(回転軸157aが)回転すると、ピニオン158及びギヤ159を介してベース部材151が垂直ポスト33に対して支柱151aを軸に回転(首振り動)するようになっている。
図10に示すように、ベース部材151には上方に開口したベース部材側第1ロードセル取り付け穴151bが設けられており、ここには円柱形状をしたxy軸方向荷重検出用の第1ロードセル161の下端部が上方から挿入されて取り付けられている。また、第1中間部材153の基部153aには第1中間部材側第1ロードセル取り付け穴153dが設けられており、ここには上記第1ロードセル161の上端部が取り付けられている。ここで、第1ロードセル161は、この第1ロードセル161に作用する水平面内(xy面内)荷重をx軸方向の荷重(x軸方向成分)とy軸方向の荷重(y軸方向成分)とに分離して検出するようになっている。このため、サブブーム55の先端部に水平面内の荷重が作用したときには、その荷重はサブブーム55からサブブーム保持ブラケット156、支持ピン156a、第2中間部材155、zスライダ154、第1中間部材153、第1ロードセル161、ベース部材151へと伝達されるが、このとき第1ロードセル161においてx軸方向の荷重(すなわち起伏面内水平荷重Fx)とy軸方向の荷重(すなわち起伏面外水平荷重Fy)とが分離されて検出される。
第1中間部材153には上記円形リブ153eの内側を第1中間部材153の側板153bの厚さ方向に貫通するように第1中間部材側第2ロードセル取り付け穴153fが設けられており、第2中間部材155の各側板155bには上記リブ支持溝155dを内側から塞ぐように板部材155eが設けられるとともに、各板部材155eには第2中間部材側第2ロードセル取り付け穴155fが設けられている。そして、これら2つの第1中間部材側第2ロードセル取り付け穴153fと2つの第2中間部材側第2ロードセル取り付け穴155fとを同軸状に貫通するように、z方向荷重検出用の第2ロードセル162が取り付けられている。ここで、第2ロードセル162は、この第2ロードセル162に作用する鉛直方向(z軸方向)の荷重を検出するようになっている。このため、サブブーム55の先端部に鉛直方向の荷重が作用したときには、その荷重はサブブーム55からサブブーム保持ブラケット156、支持ピン156a、第2中間部材155、第2ロードセル162、第1中間部材153、xyスライダ152、ベース部材151へと伝達されるが、このとき第2ロードセル162においてz軸方向の荷重(すなわち鉛直荷重Fz)が検出される。
このような構成の電線仮支持装置150を用いた場合、鉛直荷重Fzが(起伏面内水平荷重Fx及び起伏面外水平荷重Fyも)直接検出されることになるので、各方向荷重の検出手順が簡易になる。なお、上述の例では、ベース部材151に対して第1中間部材153が水平面内(xy面内)方向に移動自在であるとともに、第2中間部材155が第1中間部材153に対して鉛直方向(z軸方向)に移動自在であり、ベース部材151と第1中間部材153とは第1ロードセル161により連結され、また第1中間部材153と第2中間部材155とは第2ロードセル162により連結される構成であったが、サブブーム保持ブラケット156とベース部材151とが連結部材により連結されており(この連結部材は、上記例ではxyスライダ152、zスライダ154、第1ロードセル161及び第2ロードセル162に相当する)、この連結部材に作用する水平面内の荷重に基づいて起伏面内水平荷重Fx及び起伏面外水平荷重Fyを検出し、また上記連結部材に作用する鉛直方向の荷重に基づいて鉛直荷重Fzを検出する構成となっているのであれば、上述した構成と異なる構成を有していてもよい。
これまで本発明の好ましい実施形態について説明してきたが、本発明の範囲は上述のものに限定されない。例えば、上述の実施形態では、サブブーム起伏シリンダ54の軸力Pを、サブブーム起伏シリンダ54の下端側枢支ピンと接触するように設けられたロードセルにより検出するようになっていたが、サブブーム起伏シリンダ54のロッド側油室とボトム側油室のそれぞれの圧力を検出し、これら圧力の差圧と両油室それぞれの受圧面積との関係からサブブーム起伏シリンダ54の軸力を求めることもできる。
上述の実施形態では、起伏面内水平荷重Fx、起伏面外水平荷重Fy及び鉛直荷重Fzの少なくとも一つがそれぞれの荷重に対応して設定された許容値Fxa,Fya,Fzaを上回ったとき、メインブーム30の作動が規制されるようになっていたが、本発明に係る高所作業車の安全装置では、起伏面内水平荷重Fx及び鉛直荷重Fzの少なくとも一つがそれぞれの荷重に対応して設定された許容値Fxa,Fzaを上回ったときにメインブーム30の作動が規制されるようになっていればよい。起伏面外水平荷重Fyの大きさは一般にFx或いはFzに比べて小さいからである。しかし、上述の実施形態のように起伏面外水平荷重Fyをも検出し、この起伏面外水平荷重Fyが設定された許容値Fzaを上回ったときサブブームの作動及びメインブームの作動が規制されるようになっていれば、安全性がより高められることは勿論である。
以上においては、起伏面内水平荷重Fx、起伏面外水平荷重Fy及び鉛直荷重Fzの少なくとも一つがそれぞれの荷重に対応して設定された許容値Fxa,Fya,Fzaを上回ったときメインブーム30の作動が規制される構成であるが、これらの合成荷重(合力)に対して許容値を設定しておき、合成荷重がこの許容値を上回ったときにメインブーム30の作動を規制するようにしても良い。例えば、起伏面内水平荷重Fxおよび起伏面外水平荷重Fyの合成荷重Fxyに対する許容値Fxyaを予め設定しており、上述のようにして検出された起伏面内水平荷重Fxおよび起伏面外水平荷重Fyからその合成荷重Fxyを求め、この合成荷重Fxyが許容値Fxyaを上回ったときにメインブーム30の作動を規制するようにしても良い。
また、鉛直荷重Fzの検出方法は上述の実施形態に示したものに限られないが、実施形態に示したように、電線保持具56により電線を保持した状態でサブブーム55の起伏支点55aに作用するモーメントMを検出し、この検出したモーメントMから鉛直方向の荷重(鉛直荷重)を算出するようにすれば、鉛直荷重Fzを簡単な構成により求め得る。また、上述の実施形態では、起伏面内水平荷重Fx、起伏面外水平荷重Fy及び鉛直荷重Fzの少なくとも一つがそれぞれの荷重に対応して設定された許容値Fxa,Fya,Fzaを上回ったとき、メインブーム30の作動が規制されるようになっていたが、サブブーム55の起伏支点55aに作用するモーメントMに対して許容値Maを設定し、算出されたモーメントMがこの許容値Maを上回ったときにメインブーム30の作動が規制されるようにしてもよい。
また、上述の実施形態では、車両の転倒を防止する方法として、垂直ポスト33の位置が予め定められた許容作業範囲から逸脱したときにメインブーム30の作動規制を行うようになっていたが、メインブーム30に作用する転倒モーメント(Fx,Fy,Fzにより生ずる分も含む)を算出し、これにより得られた転倒モーメントが予め定めた許容モーメントを上回ったときにメインブーム30の作動を規制する構成とすることもできる。また、各荷重Fx,Fy,Fzに対する許容値Fxa,Fya,Fzaは、上述の実施形態では各荷重Fx、Fy、Fzが仮支持装置50全体の構造強度及び走行体10の転倒モーメントに与える影響等を基準に定めるものとしていたが、他の基準を用いて定めるようにしても構わない。
また、上述の実施形態では、サブブーム55の先端部に作用するx軸方向の荷重Fx及びy軸方向の荷重Fyはそれぞれサブブーム旋回部材51に貼り付けられた複数のストレインゲージの出力から求める構成であったが、その他、例えばサブブーム55の先端部に作用するx軸方向の荷重及びy軸方向の荷重によりサブブーム旋回部材51が垂直ポスト33の内周面に設けられたベアリングと接触するときの荷重をロードセル等により検出する構成等であってもよい。また、上述の実施形態では、高所作業車のメインブームは伸縮式であったが、これは他の形式のブーム、例えば屈伸式のブーム等であっても構わない。また、上述の実施形態では、仮支持装置50は垂直ポスト33の上部に設けられていたが、仮支持装置50が取り付けられる位置は垂直ポスト33に限られず、メインブーム30の先端部であれば作業台40上等、どこに取り付けられていても構わない。