JP5058628B2 - 風向風速計および風向風速監視装置 - Google Patents
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Description
この種の風向風速計では、1本の光ファイバの周囲を複数の光ファイバで囲んだ光ファイバ束を、風向体に取り付ける上部と基台に取り付ける下部とに分断する構成が提案されている(例えば、特許文献1)。この風向風速計は、1本の光ファイバの中心を軸として風向体を回転させることにより、この光ファイバの上部と下部とを常に対向させ、下部(基台側)から上部(風向体側)に光信号を継続して伝達する。そして、周囲の複数の光ファイバは、風向体の回転に伴い、上部の光ファイバと下部の光ファイバで送受の相手をそれぞれ変化させながら、上部(風向体側)から下部(基台側)に風速信号(光信号)を継続して伝達する。
例えば、風向風速計は、プロペラに接続された回転軸と、プロペラの回転軸に設けられた第1傘歯車と、第1傘歯車に噛み合わせられた第2傘歯車が設けられた垂直回転軸とを有している。そして、風向体には、プロペラに接続された回転軸に対して垂直方向に延在し、基台に回転自在に支持される筒状の垂直回転部材が設けられている。垂直回転軸は、垂直回転部材に挿入され、垂直回転部材に回転自在に支持される。そして、垂直回転軸の基台側には、垂直回転軸の中心から同心円上に形成された複数の風速用穴を有する風速用回転円板が設けられている。また、垂直回転部材には、プロペラ側と反対側に、相対角度毎に異なる組合せを有し、放射方向に沿って形成された複数の風向用穴を有する風向用回転円板が設けられている。
図1は、本発明の第1の実施形態の断面図を示している。図中の光ファイバ60、62、64、66に添えられた矢印は、光信号S1、S2、S3、S4、S5が進む方向を示している。風向風速計10は、基台20と、受ける風の強さに応じて回転するプロペラ30が取り付けられた風向体40とを有している。風向体40は、基台20に支持され、例えば、風向体40に設けられた尾翼により、風の向きに合わせて基台20に対して回転する。風向風速計10は、風速および風向を測定するために、プロペラ30の回転速度および風向体40と基台20との相対角度をそれぞれ検出する。そして、風向風速計10は、検出したプロペラ30の回転速度および風向体40と基台20との相対角度を示す光信号S1−S5を、遠方に設置された観測局(図示せず)や中継局(図示せず)等に送信する。
プロペラ30に接続された回転軸32は、軸受け70により、風向体40に回転自在に支持されている。これにより、プロペラ30は、受ける風の強さに応じて回転し、回転軸32を回転させる。回転軸32のプロペラ30側と反対側には、回転軸32の回転を垂直回転軸50に伝えるために、第1傘歯車34が設けられている。
垂直回転部材42に挿入された垂直回転軸50には、第1傘歯車34に噛み合わせられた第2傘歯車52が設けられている。これにより、回転軸32の回転が垂直回転軸50に伝わる。また、垂直回転軸50の基台20側には、垂直回転軸50の中心から同心円上に形成された複数の風速用穴54を有する風速用回転円板52が設けられている。なお、風速用回転円板52および風速用穴54の詳細は、後述する図2で説明する。垂直回転軸50は、軸受け74により、垂直回転部材42に回転自在に支持されている。これにより、風速用回転円板52は、プロペラ30が受ける風の強さに応じて、プロペラ30、回転軸32、第1傘歯車34、第2傘歯車52および垂直回転軸50を介して回転する。
第1発光用光ファイバ60は、風向風速計10の外部(例えば、遠方の観測局)に設置された発光素子EOが発した光信号S5を、風向風速計10まで伝送する。また、第1受光用光ファイバ62は、風向風速計10内で受けた光信号S5を、風向風速計10の外部(例えば、遠方の観測局)に設置された受光素子OEに伝送する。なお、第1発光用光ファイバ60および第1受光用光ファイバ62は、風速用回転円板52を挟み、風速用穴54を介して互いに対向する位置に配置される。すなわち、風向風速計10の外部に設置された発光素子EOが送信した光信号S5は、第1発光用光ファイバ60を経由して基台20の内部に伝送され、風速用穴54および第1受光用光ファイバ62を経由して基台20の外部に伝送され、風向風速計10の外部に設置された受光素子OEに受信される。
第2発光用光ファイバ64Aは、光信号S1−S4およびS6(波長λ1−λ4およびλ6)を、風向用回転円板44Aに向けて発する。ここで、光信号S6(波長λ6)は、風向体40の回転に伴い回転する垂直回転部材42の回転速度の検出に使用される。また、第2受光用光ファイバ66Aは、第2発光用光ファイバ64Aから光信号S1−S4およびS6(波長λ1−λ4およびλ6)を、風向用回転円板44Aの風向用穴46および風速補正用穴47を介してそれぞれ受信する。
光波長合波器86Bは、第2受光用光ファイバ66Aが受けた光信号S1−S4、S6(波長λ1−λ4、λ6)および第1受光用光ファイバ62が受けた光信号S5(波長λ5)を波長分割多重方式で多重化する。そして、光波長合波器86Bは、多重化した光信号WDM2(波長λ1−λ5)を第2伝送用光ファイバ82に伝送する。
風向用回転円板44Aは、複数の風向用穴46(図の網掛け部分)とは別に、同心円上に所定の角度(例えば、10度)を置いて形成された複数の風速補正用穴47を有している。図中の例では、風速補正用穴47の間隔(角度)を、上述した図2に示した風速用穴54の間隔(角度)より小さくしているため、垂直回転部材42の回転速度を、風速の検出精度に比べて高い精度で検出できる。なお、風速補正用穴47の間隔(角度)は、風速用穴54の間隔(角度)と同じでもよいし、大きくてもよい。
以上、第4の実施形態においても、上述した第3の実施形態と同様の効果を得ることができる。さらに、風向風速計10Cは、垂直回転部材42の回転速度を検出できる。この結果、例えば、風向風速計10Cに接続された観測局は、風向体40の回転(垂直回転部材42の回転)により生じた誤差を含んだ風速値を、算出した垂直回転部材42の回転速度に基づいて補正でき、精度の高い風速値を算出できる。
図12は、本発明の第7の実施形態を示している。図12は、風向風速計10Bを断面図で示し、観測局100Bをブロック図で示している。第3および第6の実施形態で説明した要素と同一の要素については、同一の符号を付し、これ等については、詳細な説明を省略する。この実施形態の風向風速監視装置1Bは、観測局100Bおよび第3の実施形態の風向風速計10Bを有している。観測局100Bは、第6の実施形態の観測局100Aの光波長合波器COMおよび光波長分波器DIVの代わりに、光波長合波器COM2および光波長分波器DIV2が設けられている。観測局100Bのその他の構成は、第6の実施形態の観測局100Aと同じである。
図13は、本発明の第8の実施形態を示している。図13は、風向風速計10Cを断面図で示し、観測局100Cをブロック図で示している。第4および第7の実施形態で説明した要素と同一の要素については、同一の符号を付し、これ等については、詳細な説明を省略する。この実施形態の風向風速監視装置1Cは、観測局100Cおよび第4の実施形態の風向風速計10Cを有している。観測局100Cは、第7の実施形態の観測局100Bの発光部106、受光部108、光波長合波器COM2および光波長分波器DIV2の代わりに、発光部106A、受光部108A、光波長合波器COM3および光波長分波器DIV3が設けられ、軸速度演算部114および風速補正演算部116が追加されて構成されている。観測局100Cのその他の構成は、第7の実施形態の観測局100Bと同じである。
なお、上述した実施形態では、風速用回転円板52に形成される風速用穴54を図2で示した配置にする例について述べた。本発明は、かかる実施形態に限定されるものではない。例えば、図14に示すように、風速用回転円板52Aの縁に沿って風速用穴54A(切欠き)を形成してもよい。なお、風速用穴は、上述した図2に示したように丸形でもよいし、同心円に沿った円弧状のスリットでもよい。この場合にも、上述した実施形態と同様の効果を得ることができる。
Claims (6)
- 基台と、前記基台に支持され、受ける風の強さに応じて回転するプロペラが取り付けられ、風の向きに合わせて前記基台に対して回転する風向体とを有し、風速および風向を測定するために、前記プロペラの回転速度および前記風向体と前記基台との相対角度をそれぞれ検出する風向風速計において、
前記プロペラに接続され、前記プロペラとともに回転する回転軸と、
前記回転軸に設けられた第1傘歯車と、
前記風向体に設けられ、前記回転軸に対して垂直方向に延在し、前記基台に回転自在に支持される筒状の垂直回転部材と、
前記垂直回転部材に挿入され、前記垂直回転部材に回転自在に支持される垂直回転軸と、
前記垂直回転軸に設けられ、前記第1傘歯車に噛み合わせられた第2傘歯車と、
前記垂直回転軸の前記基台側に設けられ、前記垂直回転軸の中心から同心円上に形成された複数の風速用穴を有する風速用回転円板と、
前記風速用回転円板を挟み、前記風速用穴を介して互いに対向する位置に配置され、発光素子に接続させる第1発光用光ファイバおよび受光素子に接続させる第1受光用光ファイバと、
前記垂直回転部材における前記プロペラ側と反対側に設けられ、前記相対角度毎に異なる組合せを有し、放射方向に沿って形成された複数の風向用穴を有する風向用回転円板と、
前記風向用回転円板を挟み、前記風向用穴を介して互いに対向する位置に配置され、発光素子に接続させる複数の第2発光用光ファイバおよび受光素子に接続させる複数の第2受光用光ファイバとを備え、
前記風向用回転円板は、前記風向用穴とは別に、同心円上に所定の角度を置いて形成された複数の風速補正用穴を有し、
前記第2発光用光ファイバの1つは、前記風速補正用穴を介して、対応する前記第2受光用光ファイバに光信号を伝送することを特徴とする風向風速計。 - 請求項1記載の風向風速計において、
波長分割多重方式により多重化された光信号を伝送する第1および第2伝送用光ファイバと、
前記第1伝送用光ファイバと前記第2発光用光ファイバとの間に設けられ、前記第1伝送用光ファイバが受けた多重化された光信号を波長毎に分波し、分波した光信号を前記第2発光用光ファイバにそれぞれ伝送する光波長分波器と、
前記第2受光用光ファイバと前記第2伝送用光ファイバとの間に設けられ、前記第2受光用光ファイバが受けた波長の異なる複数の光信号を多重化し、多重化した光信号を前記第2伝送用光ファイバに伝送する光波長合波器とを備えていることを特徴とする風向風速計。 - 請求項2記載の風向風速計において、
前記光波長分波器は、前記第1伝送用光ファイバが受けた多重化された光信号を波長毎に分波し、分波した光信号を前記第1および第2発光用光ファイバにそれぞれ伝送し、
前記光波長合波器は、前記第1および第2受光用光ファイバが受けた波長の異なる複数の光信号を多重化し、多重化した光信号を前記第2伝送用光ファイバに伝送することを特徴とする風向風速計。 - 基台と、前記基台に支持され、受ける風の強さに応じて回転するプロペラが取り付けられ、風の向きに合わせて前記基台に対して回転する風向体とを有し、風速および風向を測定するために、前記プロペラの回転速度および前記風向体と前記基台との相対角度をそれぞれ検出する風向風速計と、前記風向風速計から受ける光信号に基づいて風速および風向を算出する観測局とを備えた風向風速監視装置であって、
前記風向風速計は、
前記プロペラに接続され、前記プロペラとともに回転する回転軸と、
前記回転軸に設けられた第1傘歯車と、
前記風向体に設けられ、前記回転軸に対して垂直方向に延在し、前記基台に回転自在に支持される筒状の垂直回転部材と、
前記垂直回転部材に挿入され、前記垂直回転部材に回転自在に支持される垂直回転軸と、
前記垂直回転軸に設けられ、前記第1傘歯車に噛み合わせられた第2傘歯車と、
前記垂直回転軸の前記基台側に設けられ、前記垂直回転軸の中心から同心円上に形成された複数の風速用穴を有する風速用回転円板と、
前記風速用回転円板を挟み、前記風速用穴を介して互いに対向する位置に配置され、第1発光素子から出力される光信号を伝送する第1発光用光ファイバおよび第1受光素子に受けさせる光信号を伝送する第1受光用光ファイバと、
前記垂直回転部材における前記プロペラ側と反対側に設けられ、前記相対角度毎に異なる組合せを有し、放射方向に沿って形成された複数の風向用穴を有する風向用回転円板と、
前記風向用回転円板を挟み、前記風向用穴を介して互いに対向する位置に配置され、第2発光素子から出力される光信号を伝送する複数の第2発光用光ファイバおよび第2受光素子に受けさせる光信号を伝送する複数の第2受光用光ファイバとを備え、
前記風向用回転円板は、前記風向用穴とは別に、同心円上に所定の角度を置いて形成された複数の風速補正用穴を有し、
前記第2発光用光ファイバの1つは、前記風速補正用穴を介して、対応する前記第2受光用光ファイバに光信号を伝送し、
前記観測局は、
前記第1発光素子を有し、前記第1発光素子から出力される光信号を前記第1発光用光ファイバに伝送する風速用発光部と、
前記第1受光素子を有し、前記第1受光用光ファイバを介して伝送される光信号を前記第1受光素子で受ける風速用受光部と、
前記風速用受光部で受けた光信号に基づいて、風速値を算出する風速演算部と、
前記第2発光素子を有し、前記第2発光素子から出力される光信号を前記第2発光用光ファイバにそれぞれ伝送する風向用発光部と、
前記第2受光素子を有し、前記第2受光用光ファイバを介して伝送される光信号を前記第2受光素子で受ける風向用受光部と、
前記風向用受光部で受けた光信号に基づいて、風向を算出する風向演算部と、
前記風速補正用穴を通過した光信号に基づいて、前記垂直回転部材の回転速度を算出する軸速度演算部と、
前記軸速度演算部により算出された回転速度に基づいて、前記風速演算部により算出された風速値を補正する風速補正演算部とを備えていることを特徴とする風向風速監視装置。 - 請求項4記載の風向風速監視装置において、
前記風向風速計は、
波長分割多重方式により多重化された光信号を伝送する第1および第2伝送用光ファイバと、
前記第1伝送用光ファイバと前記第2発光用光ファイバとの間に設けられ、前記第1伝送用光ファイバが受けた多重化された光信号を波長毎に分波し、分波した光信号を前記第2発光用光ファイバにそれぞれ伝送する第1光波長分波器と、
前記第2受光用光ファイバと前記第2伝送用光ファイバとの間に設けられ、前記第2受光用光ファイバが受けた波長の異なる複数の光信号を多重化し、多重化した光信号を前記第2伝送用光ファイバに伝送する第1光波長合波器とを備え、
前記観測局は、
前記風向用発光部と前記第1伝送用光ファイバとの間に設けられ、前記風向用発光部から出力される波長の異なる複数の光信号を多重化し、多重化した光信号を前記第1伝送用光ファイバに伝送する第2光波長合波器と、
前記第2伝送用光ファイバと前記風向用受光部との間に設けられ、前記第2伝送用光ファイバが受けた多重化された光信号を波長毎に分波し、分波した光信号を前記風向用受光部に伝送する第2光波長分波器とを備えていることを特徴とする風向風速監視装置。 - 請求項5記載の風向風速監視装置において、
前記第1光波長分波器は、前記第1伝送用光ファイバと前記第1および第2発光用光ファイバとの間に設けられ、前記第1伝送用光ファイバが受けた多重化された光信号を波長毎に分波し、分波した光信号を前記第1および第2発光用光ファイバにそれぞれ伝送し、
前記第1光波長合波器は、前記第1および第2受光用光ファイバと前記第2伝送用光ファイバとの間に設けられ、前記第1および第2受光用光ファイバが受けた波長の異なる複数の光信号を多重化し、多重化した光信号を前記第2伝送用光ファイバに伝送し、
前記第2光波長合波器は、前記風向用発光部および前記風速用発光部と前記第1伝送用光ファイバとの間に設けられ、前記風向用発光部および前記風速用発光部から出力される波長の異なる複数の光信号を多重化し、多重化した光信号を前記第1伝送用光ファイバに伝送し、
前記第2光波長分波器は、前記第2伝送用光ファイバと前記風向用受光部および前記風速用受光部との間に設けられ、前記第2伝送用光ファイバが受けた多重化された光信号を波長毎に分波し、分波した光信号を前記風向用受光部および前記風速用受光部にそれぞれ伝送することを特徴とする風向風速監視装置。
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