JP5056973B2 - ボールねじ装置 - Google Patents
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Description
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたもので、回転するねじ軸によりナットを移動させる形式のボールねじ装置においても、容易かつ確実に負荷路に潤滑剤を供給する手段を提供することを目的とする。
なお、図2は実施例1の潤滑剤供給口をその中心軸に沿った断面として示してある。
図1において、1はボールねじ装置である。
2はボールねじ装置1のねじ軸であり、合金鋼や炭素鋼等の鋼材で製作された棒状部材であって、その外周面の軸方向の一部には図2に示す2つの円弧3a、3bを略V字状に配置して構成されたゴシックアーク溝である軸軌道溝3が所定のリードで螺旋状に形成されている。
6はボールであり、合金鋼等の鋼材またはセラミック材等で製作された球体であって、軸軌道溝3とナット軌道溝5の間を転動してねじ軸2とナット4を螺合させる。
8はチューブ固定具であり、鋼材や樹脂材料等で製作された固定具であって、ボルト等の締結手段によりリターンチューブ7をナット4の平面4aに締結して固定する。
10はフランジ部であり、ナット4の外周部に設けられ、フランジ部10に設けたボルト孔等により、電動加締め圧入機等の機械装置のねじ軸2の軸方向に移動する主軸を固定した図示しないブラケット等がボルト等で取付けられ、ナット4の回転を停止させる。
12a、12bはストッパであり、ねじ軸2の一部に形成された軸軌道溝3の両端部に配置され、ナット4の軸方向の移動を制限する機能を有しており、ねじ軸2の一方の端部に位置するストッパ12aはナット4を軸軌道溝3に螺合させた後にボルト等により固定される。
13は嵌合軸部であり、ねじ軸2の他方の端部に設けられ、電気モータとのカップリングや駆動ギア列のギア等が嵌合してキー等により取付けられ、ねじ軸2を回転させる駆動源からの動力が伝達される。
19は潤滑剤溜りであり、ナット溝底部17の潤滑剤供給孔15の開口部を潤滑剤供給孔15の内径より大きい内径で潤滑剤供給孔15の中心軸方向に掘り込んだ座ぐり状の凹部であって、ナット軌道溝5に潤滑剤を保持しておく機能を有している。
なお、本実施例のナット4の外周面16には、機械装置の主軸等を固定するブラケット等は設置されておらず、ブラケット等は図1においてフランジ部10の右側に取付けられる。
また、負荷路に潤滑剤を直接供給するので、外部から潤滑剤を供給する場合に較べて潤滑剤の供給量の低減を図ることができる。
更に、ナット軌道溝を転動するボールの転動面以外の領域に潤滑剤供給孔の開口や潤滑剤溜りを形成したことによって、ボールが直接潤滑剤供給孔の開口や潤滑剤溜りを転動することがなく、ボールの損傷および潤滑剤供給孔の開口や潤滑剤溜りの過大な応力による破損等を防止することができる。
図3は実施例1の潤滑剤供給孔の他の形態を示す部分拡大断面図である。
図3において、21は潤滑剤溜りであり、ナット4のナット溝底部17に形成されたナット軌道溝5に沿った螺旋状の溝であり、ナット4に設けた潤滑剤供給孔15と連通している。
このように潤滑剤溜り21を螺旋状のナット軌道溝5のナット溝底部17の全長に渡って設けるようにすれば、潤滑剤を負荷路の全長に渡って保持することができ、負荷路における潤滑剤の供給の安定化を更に図ることができる。
なお、上記実施例1と同様の部分は、同一の符号を付してその説明を省略する。
本実施例のボールねじ装置1は、ナット4の外周面16に機械装置の主軸等を固定するブラケット等が略全面に渡って嵌合する取付方法により機械装置に装着される。
図4において、31は潤滑剤供給孔であり、ナット4の端面に形成された供給口18からナット4の軸方向と平行に穿孔された主供給通路32と、この主供給通路32に連通し、ナット4の外周面16からナット4を半径方向に貫通してナット軌道溝5のナット溝底部17に開口する分岐供給通路33とにより構成されている。
分岐供給通路33のナット4の外周面16側には外周面16から突出せず、主供給通路32と分岐供給通路33の連通部を塞がない長さの埋め栓34が圧入等により埋め込まれ、潤滑剤の外部への漏洩を防止している。
本実施例の潤滑剤供給孔31は、ボールねじ装置1の2つの負荷路に各1箇所、合計2箇所設けられており、ナット4の端面にはそれぞれの潤滑剤供給孔31に潤滑剤を供給するために2箇所の供給口18が設けられている。
このようなボールねじ装置1は高荷重で比較的長いストロークを要する電動射出成形機等の機械装置の主軸の移動機構として機械装置に装着され、各潤滑剤供給孔31の供給口18には実施例1と同様に図示しない潤滑剤供給装置からの潤滑剤供給路が接続される。
以上説明したように、本実施例では、上記実施例1と同様の効果に加えて、ナットの端面に潤滑剤供給孔の供給口を形成し、主供給通路と分岐供給通路33を経由して潤滑剤を負荷路に供給するようにしたことによって、ナットの外周面がボールねじ装置の取付方法により外部に開放されていない場合においても、回転しないナットから負荷路に潤滑剤を直接供給することができ、潤滑剤を負荷路に容易かつ確実に供給することができる。
2 ねじ軸
3 軸軌道溝
3a、3b、5a、5b 円弧
4 ナット
4a 平面
5 ナット軌道溝
6 ボール
7 リターンチューブ
8 チューブ固定具
10 フランジ部
11 ラビリンスシール
12a、12b ストッパ
13 嵌合軸部
15、31 潤滑剤供給孔
16 外周面
17 ナット溝底部
18 供給口
19、21 潤滑剤溜り
32 主供給通路
33 分岐供給通路
34 埋め栓
Claims (6)
- 外周面に螺旋状の軸軌道溝を形成したねじ軸と、内周面に前記軸軌道溝に対向するゴシックアーク溝であるナット軌道溝を形成したナットと、前記軸軌道溝とナット軌道溝とで形成される複数の負荷路と、前記各負荷路の両端部をそれぞれ連結した複数の循環路と、前記循環路を循環する複数のボールとを備え、前記ねじ軸を回転させて前記ナットを軸方向に移動させる形式であって、前記軸軌道溝と前記ナット軌道溝とを前記ボールを介して螺合させたときに予圧が付与されるように構成されたボールねじ装置において、
前記ナット軌道溝のナット溝底部の、前記ナット軌道溝を転動するボールの転動面以外の領域に、前記ナット溝底部に沿って形成された螺旋状の溝である潤滑剤溜りを形成し、
前記複数の循環路の各負荷路に、それぞれの前記ナット溝底部の前記潤滑剤溜りに形成された開口と前記開口に1対1で連通する一つの供給口とを有すると共に、前記潤滑剤溜りの溝幅と同等の内径を有する潤滑剤供給孔を設け、
前記各供給口に、潤滑剤の供給間隔および1回毎の供給量を制御する機能を有する制御装置を備えた潤滑剤供給装置からそれぞれ潤滑剤を供給することを特徴とするボールねじ装置。 - 請求項1において、
前記潤滑剤溜りが、前記ナット軌道溝を研削加工により成形するときの研削逃げ溝であることを特徴とするボールねじ装置。 - 請求項1または請求項2において、
前記ナットの往復移動の移動量が、一つの前記循環路の前記軸軌道溝のリードの半分以下であることを特徴とするボールねじ装置。 - 請求項1ないし請求項3のいずれか一項において、
前記潤滑剤供給孔の供給口を、前記ナットの外周面に配置したことを特徴とするボールねじ装置。 - 請求項1ないし請求項3のいずれか一項において、
前記潤滑剤供給孔の供給口を、前記ナットの端面に配置したことを特徴とするボールねじ装置。 - 請求項1ないし請求項5のいずれか一項において、
前記ナットの軸方向の両端部にラビリンスシールを設けたことを特徴とするボールねじ装置。
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