JP5056568B2 - アレイアンテナの校正装置及び校正方法 - Google Patents

アレイアンテナの校正装置及び校正方法 Download PDF

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Description

本発明はアレイアンテナの校正装置及び校正方法に関し、特に無線基地局などの無線装置に用いられるアレイアンテナにおける校正方式に関するものである。
無線通信の需要増大に伴い、限られた無線資源の中で更なる大容量化、高速化が求められている。アレイアンテナは、そのような要求に応えるために用いられるアンテナであり、ビームフォーミングやMIMO(Multiple Input Multiple Output)を実現し大容量化、高速化を図っている。ビームフォーミングは、アレイアンテナを構成する各アンテナ素子からの送受信信号の特性(遅延/位相振幅
)を調整することにより、干渉を用いて電波に指向性を持たせている。このようなビームフォーミングの技術により、別方向にいるユーザを分離して取り扱うことができ、干渉を抑えて高速大容量通信が可能となる。
アレイアンテナを用いてビームフォーミングやMIMOを行うためには、各アンテナ素子間の特性が揃っている必要がある。しかしながら、実際には、製造における誤差、回路やケーブルの特性差によるバラツキなどがあり、更には、温度などの影響によっても、各アンテナ素子間の特性は変化する。そのために、ビームフォーミングやMIMOを用いるためには、アンテナ素子間の校正(キャリブレーション)が必須であり、各アンテナ素子間、正確には、アンテナ素子を含む伝送経路における遅延量や位相振幅変化を一致させて、アンテナ素子で送受信される信号の特性を揃える必要がある。
更に、このようなキャリブレーションは、アレイアンテナを製造した時に一度だけ行えば良いというものではなく、ある程度の間隔をおいて(温度変化などに応じて)何度も行う必要がある。そのために、各無線通信装置には、キャリブレーションの機能回路(位相振幅補正、遅延補正回路)を実装しなければならない。そのようにして特性を一致させたアレイアンテナに対して、ユーザ毎に到来方向を制御することにより高速大容量な通信を実現する。
図10は、上述したアレイアンテナのビームフォーミングの例を示す図である。図10において、アレイアンテナはアンテナ素子8−i(iは1〜nの整数であり、nは2以上の整数とする)からなり、このアレイアンテナと対向するアンテナ14と電波の授受をなすものである。各アンテナ素子の送受信部1による送受信信号の特性である遅延及び位相振幅を調整することにより、互いの干渉を用いて電波に指向性(θで示す)を持たせる様になっている。そのために、各アンテナ素子8−i毎に、到来方向制御のための位相振幅補正部30−iと遅延補正部31−iとが設けられている。
このようにしてビームフォーミングを行うのであるが、更に、上述したキャリブレーションのために、点線で囲まれたアンテナ(チャネル)校正部を設けて遅延/位相振幅補正を行い、各アンテナ素子(送受信チャネル)の特性を一致させるようになっている。なお、14−iは校正用の位相振幅補正部であり、15−iは校正用の遅延補正部である。こうしてキャリブレーションを行った上で、到来方向θにより生じている伝送路差(dk sinθ)を打ち消すように信号を制御することにより、ビームフォーミングを行うのである。
図11は、具体的なキャリブレーション機能をなすための回路の詳細な例を示す図であり、図10と同等部分は同一符号により示している。図11において、キャリブレーション信号および通常送信信号処理を行う送信処理部1と、キャリブレーション信号の受信および通常受信信号処理を行う受信処理部2と、キャリブレーション信号の送受信を行うキャリブレーション用送受信回路(CAL)3と、通常信号の送受信を行う送受信回路4−iと、送受信キャリブレーション信号の分配と合成を行うキャリブレーション信号分配/合成器6と、キャリブレーション信号と各アンテナ素子とをそれぞれ結合するカップラ7−iと、各アンテナ素子8−iとを備えている。
各送受信回路3,4−iには、送受信制御回路13,17−iがそれぞれ設けられており、送受信タイミングや周波数制御、通常信号との分離を行っている。なお、送受信回路3における11はDA(デジタル/アナログ)変換器であり、12はAD(アナログ/デジタル)変換器である。また、各チャネルの送受信回路4−iには、送信側において、位相振幅補正部14−iと、遅延補正部15−iと、DA変換器16−iとが設けられており、受信側において、AD変換器18−iと、遅延補正部19−iと、位相振幅補正部20−iとが設けられている。
なお、図において、100はデジタル部、200はアナログ部、300は無線伝送部を、それぞれ示している。
各アンテナ素子(チャネル)間のキャリブレーションは、送信と受信についてそれぞれ行う必要がある。送信キャリブレーションにおいては、各チャネルの送受信回路4−iからの校正信号をカップラ7−iで折返し、分配/合成器6を通して、キャリブレーション用送受信回路3で受信する。受信された信号の経路は、カップラ7−iと分配/合成器6との間を除いた各チャネルの送信経路のみが異なっているため、送信チャネル毎の受信信号を比較することによって、位相、振幅、遅延差を求めることができる。
受信キャリブレーションにおいては、逆に、キャリブレーション用送受信回路3から校正信号を出力し、分配/合成器6を通して各アンテナ素子に信号を入力し、各チャネルの送受信回路4−iで受信する。この場合、受信された信号経路は、各チャネルの受信経路のみが異なっているため、受信チャネル毎の受信信号を比較することにより、位相、振幅、遅延差を求めることができる。
このようにして求めたられ位相、振幅、遅延差は、補正係数を用いて校正されて、チャネル間の特性を揃える様になっている。式1および式2を用いて、具体的な校正方法を示す。ここでは、全チャネル特性を第1チャネルのそれに合せている。遅延補正における定数Cは、遅延方向がプラス方向しか制御できないため、正数化するためのものである。位相振幅補正は、I,Q平面(複素数)として計算している。
遅延補正量Dk=C−e1,k 式1
ここに、Cは最大遅延補正量(定数)、e1,k はチャネル1に対するチャネルkの相対遅延量(測定値)である。
位相振幅補正量Mk=W1/Wk 式2
ここに、W1はチャネル1の位相振幅(測定値、複素数(I,Q))、Wkはチャネルkの位相振幅(測定値)である。
以下に、キャリブレーションの測定方法について詳細に説明する。キャリブレーションは、キャリブレーション用の信号(所定のシンボル(ビット)パターン:以下単にパターンと称す)を送信し、受信側では、同じパターンとの相関を計算することによって行う。図1に、このパターンの例を示している。
送受信信号そのものではなく、この符号パターンに対して自己相関計算を行うことにより、信号の分離や精度の高い測定を行っている。相関値は、I,Qの2値による複素数として得られる。遅延プロファイル測定における相関ピーク波形は、絶対値を用いている。一方、位相振幅測定は、I,Qの値を極座標表記して求めている。具体的測定方法を以下に示す。
キャリブレーション用の信号は、遅延差の測定と、位相振幅差の測定では異なるパターンが用いられる。遅延差測定においては、タイミングが一致したときのみ最大相関値となり、少しでもタイミングがずれるとほとんどゼロとなるM系列が用いられる(図1のパターンM)。
図12に、送信遅延キャリブレーションをなす場合における機能ブロック図を示す。この場合には、1つの送信チャネルのみを使用するため、各送信チャネルに対して個別に遅延測定を行う必要があり、複数チャネルの同時測定はできない。送信処理部1よりパターンMを、iチャネルのDA変換器16−iを介してアンテナ素子8−i(図10、図11参照)へ供給する。このとき、カップラ7−iおよび分配/合成器6により信号を取出し、キャリブレーション用送受信回路3(図11参照)のAD変換器12を介して受信処理部2へ入力して、パータンMとの相関を計算する。
また、図13に受信遅延キャリブレーションをなす場合の機能ブロック図を示す。この場合には、1つの送信信号を分配しているので複数チャネルの同時受信が可能である。送信送信処理部1よりパターンMを、キャリブレーション送受信回路3(図11参照)のDA変換器11および分配/合成器6を介してアンテン素子8−iおよび8−jへ供給する。これらアンテン素子8−iおよび8−jからの信号、すなわちiおよびjチャネルの信号をAD変換器18−iおよび18−jを介して受信信号処理部2へ入力して、パータンMとの相関を計算する。
図14は、M系列送信信号(パータンM)の波形を示すものである。なお、図14においては、横軸の一目盛りは1シンボルである。受信処理部2では、この送信信号の受信信号に対して、タイミングをずらしながら相関値を計算し、相関値がピークとなるタイミングを検出する。この方法は、移動通信(W−CDMAなど)における移動局の伝送路測定(パスサーチ)などに用いられている方法と基本的に同じである。
但し、W−CDMAのパスサーチの場合、チップ単位で同期が取れればよいが、キャリブレーションでは、測定精度がシンボルやチップ単位よりも短い場合があり、その場合には、図14に示したアナログ波形に対して短いサンプリング間隔で相関値を測定する必要がある。
図15は、このパターンMの相関値分布(遅延プロファイル)を示している。なお、図15において、横軸の一目盛りは1/16シンボルである。このような分布のピーク位置から、上述した遅延量を求めるのである。このM系列信号では、ピーク位置から1シンボルずれると相関値がゼロとなるため、ピーク波形の半値幅はほぼ1シンボルである。
一方、位相振幅キャリブレーションにおける位相振幅差測定では、遅延を一致させた複数アンテナ素子において同時測定を行う必要がある。図16は、送信位相振幅キャリブレーションの機能ブロックを示す(2チャネル同時測定の例である)。送信処理部1から、比較すべき複数のチャネルに対して同時に校正信号であるパターン#1および#2をそれぞれ供給し、分配/合成器6により合成された信号を、キャリブレーション用送受信回路3で受信して、AD変換器12を介して受信処理部2において、パターン#1および#2との相関をそれぞれ計算する。
これらパターン#1および#2は、互いに直交する符号系列であるOVSF(Orthoganal Variable Spreading Factor)系列であり(特許文献1参照)、図1に示すパターン#1および#2である。ここに、互いに直交するとは、相互に干渉を及ぼさないことをいうものとする。パターン#1および#2の信号の列を図17および図18にそれぞれ示している。これらパターン#1および#2の各符号に対して、相関値をそれぞれ求めることにより、完全にチャネルを分離することができる。
図19および図20に、パターン#1および#2のOVSF系列信号の相関値分布(遅延プロファイル)をそれぞれ示している。このように、符号パターンにより、相関値分布の特性は異なっている。
図21は、受信位相振幅キャリブレーションの機能ブロック図を示している。送信処理部1からのパターン#1の信号を、キャリブレーション用送受信回路3のDA変換器11および分配/合成部6を介して、比較すべきiおよびjチャネルの各アンテナ素子へ供給し、iおよびjチャネルの各信号を、送受信回路4−iおよび4−jのAD変換器18−iおよび18−jをそれぞれ介し受信し、受信処理部2で、各チャネルの相関値を計算する。なお、この場合には、1つの信号を別々の受信回路で受信するため、相関値のピークが得られる波形ならばどのような符号パターンでも基本的に問題はない。
特開2000−151255号公報
上述した様に、アレイアンテナのキャリブレーションには、送信と受信、遅延と位相振幅、それぞれにおいて異なる信号と測定方法が必要であり、同時測定が困難な測定もあり、時間短縮が困難である。
当該キャリブレーションは、チャネル間の遅延差および位相振幅差に対してそれぞれ行われるが、チャネル間の遅延差を求めるためには、M系列信号などが用いられている。M系列信号は、系列のタイミングが一致したときにのみ自己相関値が最大値となり、1シンボル以上ずれると相関値がほぼゼロとなる系列である。受信部において、シンボル単位でシフトさせて相関を求めることにより(遅延プロファイル測定によるピーク検出により)、正確な受信タイミングを得ることができる。
しかし、この方法は、移動通信(W−CDMAなど)における移動局の伝送路測定(パスサーチ)などに用いられている方法と基本的に同じであり、基本的にシンボル(チップ)単位である。そのために、遅延プロファイルのピーク波形の半値幅は、図15に示した様に、約1シンボル(チップ)となり、更に高い精度で求めることは困難である。
更に、送信キャリブレーションにおける位相振幅差測定においては、図16に示した様に、複数の送信チャネルから互いに直交する別々の信号を送信して、これらを1つの受信チャネルで同時受信して信号分離し、それぞれのチャネル間の位相振幅差を測定する(特許文献1参照)。そのために、使用する直交符号について相関値ピーク波形などの特性が異なり、特に振幅測定で測定誤差が生じる可能性がある。
本発明の目的は、測定誤差が少くより高精度な測定が可能となり、更には、測定時間を短縮することが可能なアンテナアレイの校正装置および校正方法を提供することである。
本発明によるアンテナアレイの校正装置は、アレイアンテナを構成するアンテナ素子に校正信号を供給して前記アンテナ素子の特性調整をなすアレイアンテナの校正装置であって、前記校正信号として、第一のシンボルパターンを有する第一の信号系列と、前記第一のシンボルパターンと異なると共に前記第一の信号系列と直交する第二のシンボルパターンを有する第二の信号系列とを組合わせた信号を用いることを特徴とする。
本発明によるアンテナアレイの校正方法は、アレイアンテナを構成するアンテナ素子に校正信号を供給して前記アンテナ素子の特性調整をなすアレイアンテナの校正方法であって、前記校正信号として、第一のシンボルパターンを有する第一の信号系列と、前記第一のシンボルパターンと異なると共に前記第一の信号系列と直交する第二のシンボルパターンを有する第二の信号系列とを組合わせた信号を用いることを特徴とする。
本発明によれば、アンテナアレイのキャリブレーションに使用する信号パターンを工夫して、M系列よりも急峻な遅延プロファイルピーク波形を持ち、かつ複数ピークの区別が容易となるような信号系列とすることにより、M系列よりも高精度な遅延測定が可能となり、また、複数チャネルを同時測定することが可能となり、測定時間を短縮することができるという効果がある。更に、本発明によれば、ピーク位置測定や位相振幅差測定におけるチャネル間の測定精度差が小さくなるという効果もある。
以下に本発明の実施の形態について説明するが、それに先立って、本発明をより良く理解すべく、本発明の原理について説明する。本発明では、アレイアンテナのキャリブレーションに用いる信号パターンおよび受信方法を工夫することにより、高精度な遅延キャリブレーションを行うと同時に測定時間の短縮を図るものである。
具体的には、互いに直交する符号列のパターンの中から、最短周期でシンボルが変化する図1におけるパターン#1(+1,−1,+1,−1,…:最短周期パターンと称す)と、別の異なる周期のパターンとを組合わせて(つなぎあわせて)使用する。この最短周期パターンを用いると、その周期でほぼ同じピークが繰返し現れるが、別周期パターンを組合わせることにより、ピーク値や半値幅、ピーク間隔が変動する。この効果を用いて、できるだけ遅延プロファイルの半値幅を広げずに隣接するピーク値との間に差をつけて区別する。これにより、M系列よりも高い精度で遅延キャリブレーションを行うことができる。
そして、組合わせるパターンを変えたり、また組合わせるそれぞれのパターン長を変えることにより、遅延プロファイルにおけるピーク波形の半値幅とピーク間隔、ピーク高の比を変化させることができ、よって、通信システムに合せて最適の組み合わせを選択することができることになる。
前述した様に、アンテナ素子(チャネル)間のキャリブレーションは、送信と受信それぞれについて別々に行う必要があり、送信キャリブレーションにおいては、複数の送信チャネルから送信し、1つの受信チャネルで受信する。上述した本発明に関連する遅延キャリブレーションの例(図12や図13)では、M系列のパターンを用いているために、複数チャネルからの信号を分離することができない。よって、送信チャネル毎に別々に測定しているのである。
本発明の第一の実施の形態では、図1のパターン#3や#4、または#5のように、最短周期パターンであるパターン#1(+1,−1,+1,−1,…)と、別の異なる周期の直交符号を組合わせる方法を採用するが、この場合、特に、パターン#3や#4のように、組合わせるパターンが互いに同じ長さであれば、組合わせる順序を入れ替えることによって、ピーク値や半値幅などの性質が一致する直交符号が作れる。よって、2つの送信チャネルから同時送信することによって、受信側で分離して測定可能である。これにより、2チャネル同時測定が可能となり、遅延測定時間を短縮することができる。
図1のパターン#3〜#5では、2種のパターン#1と#2の組合わせを用いているが、本発明の第二の実施の形態では、図2に示すように、同じ長さの3種の直交符号(パターン#1、#2、#X)を組み合わせれば、互いに直交し特性が一致する3つのパターン#10〜#12を作成でき、3つの送信チャネルについて同時測定が可能となる。
本発明の第一の実施の形態のパターン#3〜#5をキャリブレーション用信号として用いた場合について、以下に説明する。本例では、キャリブレーション用信号パターンとして、図1に示したM系列(パターンM)の代わりに、図1のパターン#3またはパターン#4を用いた場合を説明する。これらのパターンは、図1のパターン#1と#2(共にOVSF系列)とを、互いに同じ長さだけつなぎ合わせたパターンである。
図1におけるパターン#1は、最短周期パターンであり、パターン#2は、その2倍周期のパターンである。図3に、パターン#3の信号波形を示す。また、図4に、パターン#3および#4の相関値ピーク波形(遅延プロファイル)を示す。先のM系列(図1のパターンM)による遅延プロファイル(図15)と比較して、ピークが急峻となる。このために、ピーク位置(遅延測定)精度が向上することになる。
最短周期パターンであるパターン#1(OVSF系列)を用いた場合には、図19に示した様に、更に急峻となるが、1シンボル間隔でほぼ同じピークを生じることになるので、ピークを間違える可能性があり、ピーク検出窓幅(遅延測定幅)が1シンボルを越える場合などに問題となる。図4では、相関ピーク値に有意な差があるため閾値を設けることにより区別可能である。
また、つなぎ合わせるそれぞれのパターン長の比を変えることにより、ピーク高と間隔を自由に決めることができる。図1のパターン#5は、パターン#1を長くし、パターン#2を短くした例である。このパターン#5では、最短周期パターンであるパターン#1がより長いので、ピークは急峻であるが、隣接ピークとの距離やピーク高は接近している。つなぎ合わせる各パターンの長さの組合せは、使用する通信システムに応じて選択することができる。図5は、このパターン#5の相関値分布の例を示している。
図6は本発明の第一の実施の形態によるパターン#3または#4や#5を用いて、送信遅延キャリブレーションをなす場合の例である。なお、全体の回路構成は図11と同一であるものとし、図6において図10および図11と同等部分は同一符号により示している。
図6において、送信処理部1で、パターン#3(または#4や#5でも可)を送信キャリブレーション用の送信信号として使用し、測定対象である一つのiチャネルに対応するアンテナ素子8−iの送受信回路4−iへこのキャリブレーション用信号を送出している。送受信回路4−iでは、DA変換器16−iによりアナログ送信信号を出力する。そして、カップラ7−iによりアンテナ素子8−iの出力を検出し、分配/合成器6を通じてキャリブレーション用送受信回路3へ入力してAD変換器12によりデジタル化している。
受信処理部2では、こうして得られた受信信号に対して、送信されたキャリブレーション信号と同じパターン#3(または#4や#5)を用いて相関計算(遅延プロファイル測定)を行い、ピーク検出によりそのチャネルの遅延量を求めるものである。
この場合、タイミングをシフトさせつつ相関値を求めて遅延プロファイルを作成し、ピーク検出によりそのチャネルiの送信経路を含めた遅延量を求める。そして、各チャネルについて同様にして遅延量を求め、チャネル相関遅延差から、各チャネルの送信経路(アナログ部)の遅延補正量を求めることになる。
次に、図7を参照すると、同じく本発明の第一の実施の形態によるパターン#3または#4や#5を用いて、受信遅延キャリブレーションをなす場合の例が示されている。なお、本例においても、全体の回路構成は図11と同一であるものとする。
図7において、送信処理部1で、パターン#3(または#4や#5)を受信遅延キャリブレーション用の送信信号として使用し、キャリブレーション用送受信回路3のDA変換器11からアナログ送信信号を出力している。分配/合成器6では、キャリブレーション信号を各チャネルi,jのアンテナ素子にそれぞれ分配し、カップラ7−i,7−jから各アンテナ素子に受信信号として入力している。
各チャネルの送受信回路4−i,4−jでは、分配されたキャリブレーション信号を受信し、AD変換器18−i,18−jによってデジタル化している。受信処理部2では、送信されたキャリブレーション信号と同じパターン#3(または#4,#5)との相関計算(遅延プロファイル測定)が行われる。この場合にも、タイミングをシフトさせながら相関値を求め、遅延プロファイルを作成し、ピーク検出により各チャネルについての受信経路を含めた遅延量を求める。そして、チャネル間遅延差から各チャネルの受信経路(アナログ部)の遅延補正量を求めるのである。
次に、図8を参照すると、同じく本発明の第一の実施の形態によるパターン#3または#4(#5でも可)を用いて、送信遅延(位相振幅)キャリブレーションをなす場合の例が示されている。なお、本例においても、全体の回路構成は図11と同一であるものとする。
図8において、送信処理部1で、パターン#3と#4とを送信キャリブレーション用の送信信号として、各々をチャネル≡,jの送受信回路4−i,4−jへ送っている。送受信回路4−i,4−jでは、それぞれのパターン信号をDA変換器16−i,16−jによってアナログ信号に変換し、各アンテナ素子8−i,8−jへ供給している。各アンテナ素子へ送られた送信信号は、カップラ7−i,7−jによりそれぞれ検出され、分配/合成器6において合成される。
この合成信号は、キャリブレーション用送受信回路3へ入力され、AD変換器12によりデジタル化される。受信処理部2では、帰ってきた合成キャリブレーション信号と、送信されたキャリブレーション信号と同じパターン#3,#4を用いて相関計算(遅延プロファイル測定)を行い、2チャネルに分離している。
この場合、タイミングをシフトさせながら相関値を求め、遅延プロファイルを作成し、ピーク検出によりそれぞれのチャネルi,jの送信経路を含めた遅延量を求める。そして、こうして求めた全チャネル間遅延差から各チャネルの送信経路(アナログ部)の遅延補正量を求めることになる。
送信経路の位相振幅差を求める場合には、送受信回路4−i,jにおいて、上述した遅延補正を行っておき、受信処理部2において各チャネルの遅延分布のピーク位置が一致するようにしておく。その上で、送信されたキャリブレーション信号と同じパターン#3と#4を用いて相関計算を行う。ピーク位置において、2チャンネル同時測定結果に対する相関を計算することにより、チャネル間の位相振幅差を測定する。そして、こうして求めた各チャネル間の送信経路(アナログ部)における位相振幅差から位相振幅補正量を求めるのである。
次に、図9を参照すると、本発明の第二の実施の形態によるパターン#10〜#11を用いて、送信遅延(位相振幅)キャリブレーションをなす場合の例が示されている。なお、本例においても、全体の回路構成は図11と同一であるものとする。
図9においては、図2に示した3つの直交するパターン#10〜#12を用いて、同時に3チャネルi,j,kの測定を行って、送信遅延と送信位相振幅のキャリブレーションをなすものであり、図7の例に対して、kチャネルが増加しただけであり、動作は図8の例と同様である。
通常信号の送受信においては、送受信信号に対して遅延補正量の加算および位相振幅補正量の乗算を行うことにより、各チャネル間の特性を合せている。ビームフォーミングやMIMOは、このようにして特性が一致したチャネルに対して行われることは勿論である。
直交パターンとして、ここでは、図1,2に示した様に、周期パターンを例としてあげたが、OVSF系列など直交していれば基本的にどのようなパターンでも構わない。但し、パターンの周期性については、複数ピークを生じた場合の距離(遅延差)に影響するので、システムとして必要とされる測定幅よりも広くなるように選択する。
図11において、キャリブレーション専用に送受信回路3を設けているが、通常の送受信回路を代用する構成としても構わない。また、図9に示した様に3種のパターンを用いる他に、4種以上の直交パターンを用いても複数チャネルの同時測定が可能となり、より高速化が図れる。
AD変換器やDA変換器の有無や位置は、図に示した位置に限定されるものではなく、また、キャリブレーションされる区間もアナログ部に限らず任意に設定可能である。キャリブレーションの結果、アンテナ部において送信信号の遅延および位相振幅特性が一致すること、アンテナ部で同時に受信された信号の遅延および位相振幅特性が受信処理部でも保持されることが重要である。
本発明の第一の実施の形態によるキャリブレーション用信号系列のパターンを示す図である。 本発明の第二の実施の形態によるキャリブレーション用信号系列のパターンを示す図である。 本発明による送信信号(パターン#3)の波形例を示す図である。 本発明による符号パターン(#3,#4)の相関値分布の例を示す図である。 本発明による符号パターン(#5)の相関値分布の例を説明する図である。 本発明による送信遅延キャリブレーションの例を説明する図である。 本発明による受信遅延キャリブレーションの例を説明する図である。 本発明による送信遅延(位相振幅)キャリブレーションの他の例を説明する図である。 本発明による送信遅延(位相振幅)キャリブレーションの更に他の例を示す図である。 背景技術によるアンテナアレイのキャリブレーションを説明するための機能ブロック図である。 背景技術によるアンテナアレイのキャリブレーションを説明するための全体ブロック図である。 背景技術による送信遅延キャリブレーションの例を説明する図である。 背景技術による受信遅延キャリブレーションの例を説明する図である。 M系列送信信号(パターンM)の例を示す図である。 M系列送信信号(パターンM)の相関値分布の例を示す図である。 背景技術による送信位相振幅キャリブレーションの例を示す図である。 OVSF系列送信信号(パターン#1)の例を示す図である。 OVSF系列送信信号(パターン#2)の例を示す図である。 OVSF系列送信信号(パターン#1)の相関値分布の例を示す図である。 OVSF系列送信信号(パターン#2)の相関値分布の例を示す図である。 背景技術による受信位相振幅キャリブレーションの例を示す図である。
符号の説明
1 送信処理部
2 受信処理部
3 キャリブレーション用送受信回路
4−1〜4−n 送受信回路
6 分配/合成器
7−1〜7−n カップラ
8−1〜8−n アンテナ素子
11,16−1〜16−n DA変換器
12,18−1〜18−n AD変換器
13,17−1〜17− 送受信制御回路
14−1〜14−n 位相振幅補正部
15−1〜15−n 遅延補正部

Claims (16)

  1. アレイアンテナを構成するアンテナ素子に校正信号を供給して前記アンテナ素子の特性調整をなすアレイアンテナの校正装置であって、
    前記校正信号として、第一のシンボルパターンを有する第一の信号系列と、前記第一のシンボルパターンと異なると共に前記第一の信号系列と直交する第二のシンボルパターンを有する第二の信号系列とを組合わせた信号を用いることを特徴とする校正装置。
  2. 前記第一のシンボルパターンは、シンボルの変化周期が最短となるパターンであることを特徴とする請求項1記載の校正装置。
  3. 前記第一の信号系列と前記第二の信号系列とのシンボル長は、互いに等しいことを特徴とする請求項1または2記載の校正装置。
  4. 前記第一の信号系列と前記第二の信号系列とのシンボル長は、互いに異なることを特徴とする請求項1または2記載の校正装置。
  5. 前記第一の信号系列と前記第二の信号系列との組合わせ順序や組合わせ長が異なる複数の校正信号を用いて、複数のアンテナ素子の同時特性調整をなすことを特徴とする請求項1〜4いずれか記載の校正装置。
  6. 前記校正信号として、前記第一および第二の信号系列の他に、更に前記第一および第二のシンボルパターンと異なると共に前記第一および第二の信号系列と直交する第三のシンボルパターンを有する第三の信号系列をも組合わせた信号を用いることを特徴とする請求項1または2記載の校正装置。
  7. 前記第一、第二および第三の信号系列の組合わせ順序が互いに異なる複数の校正信号を用いて、複数のアンテナ素子の同時特性調整をなすことを特徴とする請求項6記載の校正装置。
  8. アレイアンテナを構成するアンテナ素子に校正信号を供給して前記アンテナ素子の特性調整をなすアレイアンテナの校正装置であって、
    前記校正信号として、互いにシンボルパターンが異なる4種以上の直交する信号系列を組み合わせた信号を用いることを特徴とする校正装置。
  9. アレイアンテナを構成するアンテナ素子に校正信号を供給して前記アンテナ素子の特性調整をなすアレイアンテナの校正方法であって、
    前記校正信号として、第一のシンボルパターンを有する第一の信号系列と、前記第一のシンボルパターンと異なると共に前記第一の信号系列と直交する第二のシンボルパターンを有する第二の信号系列とを組合わせた信号を用いることを特徴とする校正方法。
  10. 前記第一のシンボルパターンは、シンボルの変化周期が最短となるパターンであることを特徴とする請求項9記載の校正方法。
  11. 前記第一の信号系列と前記第二の信号系列とのシンボル長は、互いに等しいことを特徴とする請求項9または10記載の校正方法。
  12. 前記第一の信号系列と前記第二の信号系列とのシンボル長は、互いに異なることを特徴とする請求項9または10記載の校正方法。
  13. 前記第一の信号系列と前記第二の信号系列との組合わせ順序や組合わせ長が異なる複数の校正信号を用いて、複数のアンテナ素子の同時特性調整をなすことを特徴とする請求項9〜12いずれか記載の校正方法。
  14. 前記校正信号として、前記第一および第二の信号系列の他に、更に前記第一および第二のシンボルパターンと異なると共に前記第一および第二の信号系列と直交する第三のシンボルパターンを有する第三の信号系列をも組合わせた信号を用いることを特徴とする請求項9または10記載の校正方法。
  15. 前記第一、第二および第三の信号系列の組合わせ順序が互いに異なる複数の校正信号を用いて、複数のアンテナ素子の同時特性調整をなすことを特徴とする請求項14記載の校正方法。
  16. アレイアンテナを構成するアンテナ素子に校正信号を供給して前記アンテナ素子の特性調整をなすアレイアンテナの校正方法であって、
    前記校正信号として、互いにシンボルパターンが異なる4種以上の直交する信号系列を組み合わせた信号を用いることを特徴とする校正方法。
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