JP4193939B2 - アレーアンテナ、到来波推定装置、及び平面アレーの合成方法 - Google Patents

アレーアンテナ、到来波推定装置、及び平面アレーの合成方法 Download PDF

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Description

本発明は、アレーアンテナに関し、到来波推定に用いるアレーアンテナ、及び到来波推定装置、及びアレーアンテナで得られた信号から平面アレーで得られる信号を合成するデータ合成方法に関する。
移動体通信や室内無線通信などの電波の伝搬状況を把握するためには、多重到来方向(マルチパス波)の分離推定が重要である。また、不法電波の発信源を特定するためにも、電波の到来方向を正確に推定することが求められる。
図8は電波受信状況を調査する従来方法を説明するための図である。図8(a)に示す方法では、パラボラアンテナ31のような指向性の鋭いアンテナを回転装置32等によって物理的に回転させ、角度と受信レベルを測定し、伝搬路の周波数特性や到来波の方向を推定する。(例えば、特許文献1、非特許文献1参照)
このアンテナを回転させる方法では、角度分解能を高めるために開口面積の大きい指向性アンテナを回転させるための駆動装置が必要となるため、システム規模が大きくなるという問題がある。
また、図8(b)に示す方法では、無指向性アンテナ33を直線上に等速度で移動させつつ遅延プロファイル測定を行い、その結果をフーリエ変換することで到来波のドップラースペクトルを求め、ドップラーシフトと到来方向との関係から到来方向を推定する。(例えば、非特許文献2参照)
この無指向性アンテナを移動させる方法では、連続的に各位置での到来方向を推定することが可能であるが、進行方向に対して対称な方向を分離することができないこと、また、角度分解能が良くない等の問題がある。
また、図8(c)に示す方法では、平面アレーアンテナ34を用いて、超分解能アルゴリズムと呼ばれるMUSIC法やESPRIT法により到来方向を推定する。
この平面アレーアンテナを用いた方法では、アンテナ素子間の相互結合の影響により処理精度が低下するという問題がある。また、Forward/Backward空間平均法を適用するためには、多くの素子数を必要とすることなどがから推定システムの経済性に点でも問題がある。
上記の問題を解決する方法として、図8(d)に示す方法のように、リニアアレーアンテナ35を平行移動させて仮想平面アレーを構築し、2次元離散フーリエ変換により到来方向を推定するシステムが提案されている。(例えば、非特許文献3参照)
この仮想平面アレーによる方法では、送受信機間をケーブルでつないで同期をとる場合や、非常に角度・安定度が良い内部発信器を送受信機に用いる場合では可能であるが、キャリア同期がとれていない状況でリニアアレーによる移動測定を行うと、移動に要する時間に応じて、送受信機のキャリア信号の位相差にずれが生じるため、仮想平面アレーの各素子において、到来方向に対応した到来波の位相が確実に推定できないという問題がある。
これは、測定時間が長くなると、各列のサンプリング開始のタイミングのずれが大きくなって位相ずれが大きくなり、各列のリニアアレーアンテナのデータを正しく合成することができなくなるためである。
特開2003−143046号公報 坂上修二,"移動通信伝搬路における900MHz帯多重路伝搬特性 振幅−周波数特性"、信学論(B),vol.J-70-B,No.12,pp.1522-2518,Dec.1987. H.J.Thomas,T.Ohgane and M.Mizuno,"A novel antenna measurement of the angular distribution of received waves in the mobile radio environment as a function of position and delay time,"Proc.IEEE Vehicular Technology Conf,pp.546-549,May1992. 関澤信也,平和昌,神尾享秀,水野光彦,"仮想平面アレーを用いたマルチ伝搬路の時空間特性測定システムの開発",信学会(B)vol.J-83-B,No.9,pp.1303-1313,Sep.2000
前記した仮想平面アレーによる方法が持つ問題を解決する手段として、到来波を正弦波の無変調波であると仮定した場合に、サンプリング開始時間のずれによる位相差を補正するための素子を、リニアアレーアンテナに加える構成が考えられる。リニアアレーアンテナのアンテナ素子が並ぶ直線上からはずれた座標に1素子又は複数素子を配置し、リニアアレーアンテナの平行移動の前後において同じ位置で受信し、これらの素子の受信データを基準としてデータを合成することにより、サンプリング開始時間のずれによる位相差を考慮した仮想平面アレーのデータを取得することができる。
これにより、MUSIC法等の超分解能アルゴリズムの適用が可能となり、高精度の到来方向の推定が可能となる。
しかしながら、前記基準のアンテナ素子の移動前後の重なりを利用して仮想平面アレーを構成する方法は、到来波が正弦波の無変調波であることが必要であり、変調波の場合には適用することができない。これは、変調波では位相ずれがあるため、基準のアンテナ素子の移動前後で検出する信号間の位相差を求めても、この位相差はサンプリング開始時間のずれを表すとはいえないからである。
例えばDS−CDMA通信システムなど実際に運用されている通信システムでは、複数の基地局はそれぞれ独立して変調した変調波を送信している。この通信システムにおいて前記方法を適用した場合、アンテナ素子を平行移動させている間に、時間変化に加えて変調によって位相が変化するそのため、正確に平面アレーのデータを合成することができない。
そこで、本発明は前記した従来の問題点を解決し、変調波を送信する通信システムにおいて、リニアアレーアンテナを用いて仮想平面アレーを構成し、平面アレーアンテナのデータを合成することを目的とする。
本発明は、リニアアレーアンテナの送受信機の同期外れによる各サンプリングタイミングのずれを補正するための基準アンテナ素子を加えたアンテナ構成とすると共に、この基準アンテナによってパイロット信号を検出して位相ずれを検出し、この位相ずれに基づいて情報信号の位相を補正する。パイロット信号と情報信号は同時刻、同周波数で送信されるため、パイロット信号に含まれる送受信機の同期外れによる位相ずれと、情報信号に含まれる送受信機の同期外れによる位相ずれは同一である。
本発明は、基準アンテナで検出したパイロット信号の位相ずれから情報信号の位相ずれを求め、これによって各リニアアレーアンテナの位相ずれを補正する。これによって、到来波が変調波であっても、リニアアレーアンテナを平行移動して測定することにより生じる各到来波の位相変化を補正し、正確に平面アレーのデータを合成する。
本発明は、アレーアンテナ、到来波推定装置、平面アレーのデータ合成方法の各形態とすることができる。
本発明のアレーアンテナは、複数のアンテナ素子を直線状に配置したリニアアレーアンテナと、このリニアアレーアンテナの直線上から外れた位置にある少なくとも一つの基準アンテナ素子と、アンテナ素子の受信信号からパイロット信号を検出するパイロット信号検出手段と、リニアアレーアンテナの各アンテナ素子が受信する情報信号を検出する情報信号検出手段と、パイロット信号検出手段が検出する検出時刻を異にするパイロット信号間の位相差を検出する位相差検出手段と、情報信号検出手段が後の検出時刻で検出する情報信号を、位相差を用いて位相補正する補正手段を備えた構成とする。
基準アンテナ素子は、パイロット信号に含まれる送受信機の同期外れによる位相ずれを検出するために、アレーアンテナの移動前後において同座標位置においてパイロット信号を検出する。同座標位置においてパイロット信号を受信することによって、アレーアンテナの移動に伴う位置ずれから生じる位相ずれを排除し、サンプリングタイミングに伴う位相ずれのみを検出する。
パイロット信号検出手段は、基準アンテナ素子あるいはアレーアンテナのアンテナ素子の受信信号から異なる検出時刻でパイロット信号を検出する。このとき検出するパイロット信号は、検出時刻は異なるが検出位置は同座標位置となる。
位相差検出手段は、パイロット信号検出手段が検出する同座標位置における異なる検出時刻のパイロット信号について、このパイロット信号間の位相差を検出する。この位相差は、サンプリングタイミングに伴う位相ずれに対応している。
補正手段は、情報信号検出手段が移動の前後において、後の検出時刻で検出する情報信号に対して、位相差検出手段で検出した位相差を用いて位相補正を行う。これによって、各移動で取得された複数の情報信号は、サンプリングタイミングに伴う位相ずれが排除され、同じサンプリングタイミングで取得された情報信号となる。
したがって、補正された複数の情報信号は、同一サンプリングタイミングでのデータとなるため、平面アレーデータの合成が可能となる。
本発明のアレーアンテナは、その基準アンテナ素子の態様において、基準アンテナ素子がリニアアレーアンテナのアンテナ素子と共に移動する態様と、基準アンテナ素子をリニアアレーアンテナのアンテナ素子に対して固定する態様とすることができる。
基準アンテナ素子が移動する態様では、リニアアレーアンテナが備える複数のアンテナ素子の一つのアンテナ素子と基準アンテナ素子とは、アレーアンテナの移動前後において同一座標位置であり、パイロット信号検出手段は、リニアアレーアンテナ中の前記一つのアンテナ素子が受信する移動前の受信信号から一方のパイロット信号を検出し、基準アンテナ素子が受信する移動後の受信信号から他方のパイロット信号を検出し、位相差検出手段は、同一座標位置で検出された二つのパイロット信号間の位相差を移動時間に伴う位相変化として検出し、位相補正手段は、情報信号検出手段が移動後に検出する情報信号の位相を、位相差分だけ補正する。
この移動する基準アンテナ素子の配置はT字型配置とすることができる。T字型配置において、各アンテナ素子は各位置関係を保持した状態で移動自在とする。一方、基準アンテナ素子は、リニアアレーアンテナの中心から直線と直交する方向に、所定距離だけ離れた位置に配置する。この所定距離はリニアアレーアンテナの素子間間隔とすることができる。この配置によって、移動後の基準アンテナ素子の位置と、移動前のリニアアレーアンテナ中の一アンテナ素子の位置とが重なり、アレーアンテナの移動前後において同一座標位置とすることができる。
基準アンテナ素子の配置は、T字型配置に限らずL字型配置とするほか、リニアアレー以外のアンテナ素子を複数並べる構成としてもよい。
なお、L字型配置はアンテナ素子の配置が対称でないため、到来方向により精度に偏りが生じる可能性があることや、複数並べる構成は素子数が多くなり、平面アレーアンテナなどに比べて素子数を少なくするという利点がなくなるため、T字型配置が好適である。
基準アンテナ素子を固定とする態様では、リニアアレーアンテナは移動自在とし、基準アンテナ素子は固定される。パイロット信号検出手段は、リニアアレーアンテナの移動時において、基準アンテナ素子が受信する受信信号から異なる時刻のパイロット信号を検出する。位相差検出手段は、基準アンテナ素子の受信信号から検出された二つのパイロット信号間の位相差を移動時間に伴う位相変化として検出する。位相補正手段は、情報信号検出手段が移動後に検出する情報信号の位相を、位相差分だけ補正する。
また、本発明の到来波推定装置は、前記した本発明のアレーアンテナと、平面アレーデータを形成する平面アレーデータ形成手段と、到来波を推定する到来波推定手段とを備える。
平面アレーデータ形成手段は、アレーアンテナが備える位相補正手段が移動毎に出力する出力信号をデータ配列して平面アレーデータを形成する。到来波推定手段は、平面アレーデータ形成手段が形成したデータ配列を同時刻に平面で取得した到来波の受信信号として到来波を推定する。
また、本発明の平面アレーのデータ合成方法は、複数のアンテナ素子を直線状に配置したリニアアレーアンテナから平面アレーのデータを合成する方法であって、リニアアレーアンテナの直線から外れた位置にある少なくとも一つの基準アンテナ素子、又は当該基準アンテナ素子とリニアアレーアンテナを構成する複数のアンテナ素子の一つのアンテナ素子が受信する受信信号からパイロット信号を検出する、パイロット信号形成手段が行うステップと、リニアアレーアンテナの各アンテナ素子が受信する情報信号を検出する、情報信号検出手段が行うステップと、パイロット信号検出手段が検出する検出時刻を異にするパイロット信号間の位相差を検出する、位相差検出手段が行うステップと、情報信号検出手段が後の検出時刻で検出する情報信号を位相差を用いて位相補正する、補正手段が行うステップと、位相補正手段が移動毎に出力する出力信号をデータ配列して平面アレーデータを形成する、平面アレーデータ形成手段が行うステップとを備える。
以上説明したように、本発明によれば、変調波を送信する通信システムにおいて、リニアアレーアンテナを用いて仮想平面アレーを構成し、平面アレーアンテナのデータを合成することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図を参照しながら詳細に説明する。
図1〜図4は基準アンテナ素子が移動する態様であり、図5〜図7は基準アンテナ素子が固定される態様である。
はじめに、基準アンテナ素子が移動する態様について説明する。図1を用いて本発明のアレーアンテナの構成及び動作例について説明する。アレーアンテナ1は、複数のアンテナ素子3を直線状に配置してなるリニアアレーアンテナ2と、基準アンテナ素子4とを備える。なお、図1では、3本のアンテナ素子3によってリニアアレーアンテナ2を構成する例を示しているが、アンテナ素子の本数は任意の複数本とすることができる。
基準アンテナ素子4がリニアアレーアンテナ2と共に移動する態様では、基準アンテナ素子4は、リニアアレーアンテナ2のアンテナ素子3に対して所定位置に配置される。各アンテナ素子3,4は各位置関係を保持した状態で移動自在とする。
図1では、基準アンテナ素子4の配置例としてT字型配置の例を示している。T字型配置では、基準アンテナ素子4は、リニアアレーアンテナ2の中心からリニアアレーアンテナの直線と直交する方向に所定距離離れた位置に配置する。この所定距離は、例えばリニアアレーアンテナの素子間間隔とすることができる。
基準アンテナ素子の配置は、T字型配置に限らずL字型配置とするほか、リニアアレー以外のアンテナ素子を複数並べる構成としてもよいが、L字型配置はアンテナ素子の配置が対称でないため、到来方向により精度に偏りが生じる可能性があることや、複数並べる構成は素子数が多くなり、平面アレーアンテナなどに比べて素子数を少なくするという利点がなくなるため、T字型配置が好適である。
図1に示す例では、リニアアレーアンテナ2を構成する中央のアンテナ素子Aから、リニアアレーアンテナ2の直線に対して直交する方向の所定距離の位置に基準アンテナ素子Cを配置している。
アレーアンテナ1は、リニアアレーアンテナ2と基準アンテナ素子4を、これらの位置関係を保持したまま移動する。
図1(b)は、図1(a)からの移動状態を示している。ここでは、アレーアンテナ1は、リニアアレーアンテナ2の直線と直交する方向に、アンテナ素子Aと基準アンテナ素子Cとの間隔だけ平行移動した状態を示している。
この移動により、移動前のアンテナ素子Aの座標位置(図1(a))と、移動後の基準アンテナ素子Cの座標位置(図1(b))が一致し、移動の前後において、アンテナ素子Aと基準アンテナ素子Cとが重なることになる。図1(b)では、重なる座標位置を破線で示している。
これにより、図1(a)の移動前においてアンテナ素子Aが検出するパイロット信号と、図1(b)の移動後において基準アンテナ素子Cが検出するパイロット信号とは、同じ座標位置におけるパイロット信号となるため、アレーアンテナ1の移動にかかわらず同じ座標位置でのパイロット信号を検出することができる。したがって、この2つのパイロット信号間の位相ずれは、サンプリングタイミングに伴う位相ずれを表すものである。
この位相ずれに基づいて、移動後のリニアアレーアンテナ2のアンテナ素子3(図1(b)中の実線で示すアンテナ素子)によって検出された情報信号の位相を補正すると、補正された情報信号は、図1(a)の時点を基準時点とする位相を有する情報信号となる。なお、この基準時点をアレーアンテナ2の位置で表すと、図中(a)のアレーアンテナ2の位置(図1ではPで表すものとする)となる。
図1(c)は、図1(b)からの移動状態を示している。この移動においても、前記移動と同様に、アレーアンテナ1は、リニアアレーアンテナ2の直線と直交する方向に、アンテナ素子Aと基準アンテナ素子Cとの間隔だけ移動した状態を示している。
この移動により、移動前のアンテナ素子Aの座標位置(図1(b))と、移動後の基準アンテナ素子Cの座標位置(図1(c))が一致し、移動の前後において、アンテナ素子Aと基準アンテナ素子Cとが重なることになる。図1(c)では、重なる座標位置を破線で示している。
これにより、図1(b)の移動前においてアンテナ素子Aが検出するパイロット信号と、図1(c)の移動後において基準アンテナ素子Cが検出するパイロット信号とは、同じ座標位置におけるパイロット信号となるため、アレーアンテナ1の移動にかかわらず同じ座標位置でのパイロット信号を検出することができる。したがって、この2つのパイロット信号間の位相ずれは、サンプリングタイミングに伴う位相ずれを表すものである。
この位相ずれ及び前回の位相ずれに基づいて、図1(c)の移動後のリニアアレーアンテナ2のアンテナ素子3(図1(c)中の実線で示すアンテナ素子)によって検出された情報信号の位相を補正すると、補正された情報信号は、図1(a)の時点を基準時点とする位相を有する情報信号となる。位置で表した場合には、Pで表される位置を基準位置として位相ずれが補正されることになる。
上記したアレーアンテナ2の移動と、位相ずれの検出及び位相ずれ補正を繰り返すことによって、図1(d)に示すような平面アレー10(図1(d)中の矩形形状で示す部分)のデータを仮想的に取得することができる。
この平面アレー10のデータは、図1(a)の時点を基準時点とする位相を有する情報信号となる。位置で表した場合には、Pで表される位置を基準位置として位相ずれが補正されることになる。
図2は、アレーアンテナ2の移動状態を説明するための図である。ここで、前記図1と同様に、A,Bはリニアアレーアンテナ2のアンテナ素子3を表し、Cは基準アンテナ素子4を表している。
図2(a)は時刻t=t1の時点におけるアレーアンテナを示している。ここで、アンテナ素子Aによりパイロット信号を検出しておく。
次に、図2(b)は時刻t=t2の時点におけるアレーアンテナを示し、アレーアンテナが平行移動した状態を示している。図2(b)中の実線は時刻t=t2の時点におけるアレーアンテナを示し、破線は時刻t=t1の時点におけるアレーアンテナを示している。
この平行移動により、アレーアンテナ2は、アンテナ素子Aと基準アンテナ素子Cとの距離dだけ移動し、基準アンテナ素子Cは時刻t=t1の時点におけるアレーアンテナAの座標位置と同位置に移動する。ここで、基準アンテナ素子Cによりパイロット信号を検出すると、時刻t=t1の時点で検出したアンテナ素子Aのパイロット信号と時刻t=t2の時点で検出した基準アンテナ素子Cのパイロット信号とは、同じ座標位置における異なる時刻でのパイロット信号となり、2つのパイロット信号間の位相ずれは、サンプリングタイミングに伴う位相ずれを表すことになる。また、この時点において、アンテナ素子Aによりパイロット信号を検出しておく。
次に、図2(c)は時刻t=t3の時点におけるアレーアンテナを示し、アレーアンテナが平行移動した状態を示している。図2(c)中の実線は時刻t=t3の時点におけるアレーアンテナを示し、破線は時刻t=t1,t2の時点におけるアレーアンテナを示している。
この平行移動により、アレーアンテナ2は、アンテナ素子Aと基準アンテナ素子Cとの距離dだけ移動し、基準アンテナ素子Cは時刻t=t2の時点におけるアレーアンテナAの座標位置と同位置に移動する。ここで、基準アンテナ素子Cによりパイロット信号を検出すると、時刻t=t2の時点で検出したアンテナ素子Aのパイロット信号と時刻t=t3の時点で検出した基準アンテナ素子Cのパイロット信号とは、同じ座標位置における異なる時刻でのパイロット信号となり、2つのパイロット信号間の位相ずれは、時刻t2とt3の間のサンプリングタイミングに伴う位相ずれを表すことになる。
さらに、前回求めた位相ずれに今回求めた位相ずれを加えることによって、時刻t1を基準時点とした時刻t3における位相ずれを取得することができる。
図3は、パイロット信号による位相ずれ検出と、位相ずれに基づく位相補正を説明するための図である。
図3(a),(b)は、図2(a)の時刻t=t1におけるアンテナ素子A,Bのパイロット信号及び受信信号を示し、図3(c),(d)は、図2(b)の時刻t=t2における基準アンテナ素子C及びアンテナ素子Bのパイロット信号及び受信信号を示している。なお、各信号は実軸成分(I成分)と虚軸成分(Q成分)の複素平面で表している。
アンテナ素子及び基準アンテナ素子が検出する受信信号は複素受信データであり、この複素受信データ中には、情報信号とパイロット信号が含まれている。
ある到来波に含まれるパイロット信号とチップタイミングとの同期がとれている場合には、複素平面上において図3(a)に示すような複素受信データが得られ、パイロット信号は実軸成分(I成分)として取得される。
同時刻t=t1において、アンテナ素子Bが受信する複素受信データは、図3(b)に示すように、アンテナ素子Aのデータに対して到来方向θにより生じる位相差Φ(θ)が加わったデータが得られる。
なお、パイロット信号の逆拡散は、アンテナ素子AのデータとPN符号との相関をとることで行うことができる。
次に、アレーアンテナを所定距離だけ平行移動して(図2(b)に対応した移動)、測定し、基準アンテナ素子Cが受信する複素受信データについて、パイロット信号を逆拡散する。図3(c)は、基準アンテナ素子Cの逆拡散後のパイロット信号を表している。図3(a)に示すパイロット信号と図3(c)に示すパイロット信号は同じ座標位置でのパイロット信号であるが、サンプリングの時刻が異なるため、図3(c)に示すパイロット信号はこのサンプリングタイミングのずれに基づく位相ずれμを含んでいる。
図3(a)のアンテナ素子Aと図3(c)の基準アンテナ素子Cのパイロット信号を比較することにより、サンプリングタイミングに基づく位相ずれμを取得することができる。
図3(d)は、移動後のアンテナ素子Bの複素受信データであり、この複素受信データには、到来方向θにより生じる位相差Φ´(θ)にサンプリングタイミングのずれに基づく位相ずれμが加わった位相ずれ(Φ´(θ)+μ)が含まれる。
この移動後のアンテナ素子Bの複素受信データから、取得した位相ずれμを用いて補正して情報信号を逆拡散すると、図3(e)に示すように、到来方向θにより生じる位相差Φ´(θ)のみを含む情報信号を取得することができる。
上記したデータ補正を平行移動毎に行うことによって、各移動位置でのデータを取得することができ、これらデータから平面アレーのデータを合成することができる。
さらに、上記処理を、各パイロット信号のタイミング毎に行うことにより、全ての到来波の方向推定、及び各到来波の送信源であり基地局を特定することができる。
次に、データの合成について説明する。なお、ここでは、(N+1)素子(Nは奇数)のT字型アレーアンテナを用いて、仮想平面アレーアンテナ(仮想矩形アレーアンテナ)のデータを合成する場合について説明する。
ある位置で、静止したT字型アレーアンテナにより受信し、A/Dコンバータでサンプリングされたデータ列をx1とし、サンプル数をK、サンプリング間隔をTとすると、データ列x1は以下の式で表される。
1=[x11,x12,…,x1n,…,x1(N+1)
1n=[x1n(T),x1n(2T),…,x1n(KT)]T
ただし、x1n(n=1,…,N+1)は第n番目の素子での観測データであり、x1n(kT)(k=1,…,K)は第n番目の素子でk番目にサンプルされたデータである。
次に、T字型アレーアンテナを素子間隔だけ平行移動し、その位置で静止した状態での測定データを
2=[x21,x22,…,x2n,…,x2(N+1)
2n=[x2n(T),x2n(2T),…,x2n(KT)]T
とする。
平行移動前後で重なる素子で観測されるx1,(N+1)とx2,(N+1)/2は同じ位置であり、到来波間の位相差も変化しないことから、ほぼ同じデータ列であるが、x2,(N+1)/2は平行移動に時間がかかり、測定時刻が異なるため、x1,(N+1)とは位相がずれたデータ列となる。仮想的なM×N矩形アレーで受信したデータを取得するには、この位相差がなくなるようにx1とx2を合成する必要がある。
位相ずれをなくす操作として、xt 1,(N+1)とxt 2,(N+1)/2のデータ列を以下の式により、ずらしながら相関C(p)(p=1,…,K−P)を計算する。
C(p)=ΣP i=11,(N+1)((p01+i−1)T)x* 2,(N+1)/2((i+p−1)T)
ただし、P(P≦K)は相関を計算するデータ数、[・]*は複素共役を表し、p01は到来方向推定で用いるデータの最初の数であり、通常は1である。C(p)が最も大きくなるときのpをp12とし、スナップショット数をYとすると、以下の式のように、x1とx2から到来波推定の用いるデータX’1とX’2を抽出する。
Figure 0004193939
Figure 0004193939
以上のことを、重なった素子でサンプリングしたデータごとにそれぞれ行い、p(m-1),mを求め、抽出したデータを用いて以下の式のように合成する。
Figure 0004193939
Figure 0004193939
こうして得られたデータxは、T字型アレーアンテナをずらして測定し、かつ同期などがとれていない等による位相差を補正したデータとなる。xは仮想的に得られたM×N矩形アレーのデータとなる。このxに各行ベクトルを時間毎の入力ベクトルとして用いることで、MUSIC法やESPRIT法などによる到来方向推定を行うことができる。
図4は、基準アンテナ素子が移動する態様の一構成例である。アレーアンテナ1は、アンテナ素子3,4で受信した受信信号を受信処理するRF部11、A/Dコンバータでサンプリングしたデータ列に対してパイロット信号を逆拡散するパイロット信号逆拡散回路12(12A,12B,12C)、パイロット信号から位相差信号を求めるための、遅延回路14、位相差検出回路15、位相差加算回路16、情報信号を逆拡散する情報信号逆拡散回路13(13A,13B)、パイロット信号の共役信号を求める共役回路17(17A,17B)、逆拡散した情報信号に共役信号を乗じて情報信号の実時間データを求める演算回路18(18A,18B)、情報信号の位相を位相差に基づいて補正する補正回路19、補正した情報信号を用いて平面アレーのデータを合成する平面アレーデータ合成回路20、合成した平面アレーデータを用いて到来波の到来方向等を推定する到来波推定回路21を備える。
パイロット信号逆拡散回路12は、リニアアレーアンテナのアンテナ素子A,Bのパイロット信号を逆拡散するパイロット信号逆拡散回路12A,12Bと、基準アンテナ素子Cのパイロット信号を逆拡散するパイロット信号逆拡散回路12Cとを含む。なお、ここでは、リニアアレーアンテナのアンテナ素子は一例としてアンテナ素子A,Bの2つのみを示している。
パイロット信号から位相差を検出する構成は、パイロット信号逆拡散回路12Aで逆拡散したアンテナ素子Aのパイロット信号を遅延回路14で遅延させたパイロット信号と、パイロット信号逆拡散回路12Cで逆拡散した基準アンテナ素子Cのパイロット信号との位相差を、位相差検出回路15で算出することで取得される。
遅延回路14は、アレーアンテナが平行移動して、移動前のアンテナ素子Aの座標位置に、移動後の基準アンテナ素子Cの座標位置が重なるまでの時間ずれを合わせるためである。位相差加算回路16は、位相差検出回路15で検出した位相差を順次加算して最初の基準位置からの位相差を求めるものである。
また、情報信号逆拡散回路13は、リニアアレーアンテナのアンテナ素子A,Bの情報信号を逆拡散する情報信号逆拡散回路13A,13Bを含む。なお、ここでは、リニアアレーアンテナのアンテナ素子は一例としてアンテナ素子A,Bの2つのみを示している。
各情報信号逆拡散回路13A,13Bで逆拡散して得られた情報信号は、それぞれの演算回路18A,18Bにおいて、パイロット信号の共役信号を乗じることによって実時間情報が得られる。
補正回路19,19Bは、実時間情報の情報信号の位相を補正する回路であり、位相差加算回路16から対応する位相差だけ位相補正される。
次に、本発明の第2の形態について説明する。第2の形態は、基準アンテナ素子を固定した態様である。図5を用いて本発明のアレーアンテナの第2の形態の構成及び動作例について説明する。アレーアンテナ1は、複数のアンテナ素子3を直線状に配置してなるリニアアレーアンテナ2と、基準アンテナ素子4とを備える。なお、図5では、3本のアンテナ素子3によってリニアアレーアンテナ2を構成する例を示しているが、アンテナ素子の本数は任意の複数本とすることができる。
基準アンテナ素子4を固定した態様では、リニアアレーアンテナ2の各アンテナ素子3,4は各位置関係を保持した状態で移動自在とするのに対して、基準アンテナ素子5は所定位置に固定して配置される。
図5では、複数のアンテナ素子3からなり移動自在とするリニアアレーアンテナ2と、固定された基準アンテナ素子5の例を示している。
図5(b)は、図5(a)からの移動状態を示している。ここでは、アレーアンテナ1は、固定した基準アンテナ素子5に対して、リニアアレーアンテナ2の直線と直交する方向に、所定距離だけ平行移動した状態を示している。移動する所定距離は、例えばアンテナ素子3間の素子間隔とすることができる。移動距離をアンテナ素子3間の素子間隔とすることによって、得られる仮想的な平面アレーの各アンテナ素子の間隔を一定にそろえることができる。
この移動により、アンテナ素子3は、移動前のアンテナ素子3の座標位置(図5(a))から、移動後のアンテナ素子3の座標位置(図5(b))に移動するが、基準アンテナ素子5の座標位置は移動前後において不変である。なお、図5(b)では、移動前の座標位置を破線で示している。
これにより、図5(a)の移動前において基準アンテナ素子Dが検出するパイロット信号と、図5(b)の移動後において基準アンテナ素子Dが検出するパイロット信号とは、同じ座標位置におけるパイロット信号となるため、リニアアレーアンテナ2の移動にかかわらず同じ座標位置でのパイロット信号を検出することができる。したがって、この2つのパイロット信号間の位相ずれは、サンプリングタイミングに伴う位相ずれを表すものである。
この位相ずれに基づいて、移動後のリニアアレーアンテナ2のアンテナ素子3(図5(b)中の実線で示すアンテナ素子)によって検出された情報信号の位相を補正すると、補正された情報信号は、図5(a)の時点を基準時点とする位相を有する情報信号となる。
図5(c)は、図5(b)からの移動状態を示している。この移動においても、前記移動と同様に、アレーアンテナ1は、リニアアレーアンテナ2の直線と直交する方向に、所定距離だけ移動した状態を示している。
この移動により、アンテナ素子3は、移動前のアンテナ素子3の座標位置(図5(b))から、移動後のアンテナ素子3の座標位置(図5(c))に移動するが、基準アンテナ素子5の座標位置は移動前後において不変である。なお、図5(c)では、移動前の座標位置を破線で示している。
これにより、図5(b)の移動前において基準アンテナ素子Dが検出するパイロット信号と、図5(c)の移動後において基準アンテナ素子Dが検出するパイロット信号とは、同じ座標位置におけるパイロット信号となるため、リニアアレーアンテナ2の移動にかかわらず同じ座標位置でのパイロット信号を検出することができる。したがって、この2つのパイロット信号間の位相ずれは、サンプリングタイミングに伴う位相ずれを表すものである。
この位相ずれ及び前回の位相ずれに基づいて、図5(c)の移動後のリニアアレーアンテナ2のアンテナ素子3(図5(c)中の実線で示すアンテナ素子)によって検出された情報信号の位相を補正すると、補正された情報信号は、図5(a)の時点を基準時点とする位相を有する情報信号となる。
上記したアレーアンテナ2の移動と、位相ずれの検出及び位相ずれ補正を繰り返すことによって、図5(d)に示すような平面アレー10(図5(d)中の矩形形状で示す部分)のデータを仮想的に取得することができる。
この平面アレー10のデータは、図5(a)の時点を基準時点とする位相を有する情報信号となる。
図6は、アレーアンテナ2の移動状態を説明するための図である。ここで、前記図5と同様に、A,Bはリニアアレーアンテナ2のアンテナ素子3を表し、Dは基準アンテナ素子4を表している。
図6(a)は時刻t=t1の時点におけるアレーアンテナを示している。ここで、アンテナ素子Dによりパイロット信号を検出しておく。
次に、図6(b)は時刻t=t2の時点におけるアレーアンテナを示し、アレーアンテナが平行移動した状態を示している。図6(b)中の実線は時刻t=t2の時点におけるアレーアンテナを示し、破線は時刻t=t1の時点におけるアレーアンテナを示している。
この平行移動により、アレーアンテナ2は所定距離dだけ移動するが、基準アンテナ素子Dは固定されているため、時刻t=t1の時点における基準アンテナ素子Dの座標位置と同位置のままである。ここで、基準アンテナ素子Dによりパイロット信号を検出すると、時刻t=t1の時点で検出した基準アンテナ素子Dのパイロット信号と時刻t=t2の時点で検出した基準アンテナ素子Dのパイロット信号とは、同じ座標位置における異なる時刻でのパイロット信号となり、2つのパイロット信号間の位相ずれは、サンプリングタイミングに伴う位相ずれを表すことになる。
次に、図6(c)は時刻t=t3の時点におけるアレーアンテナを示し、アレーアンテナが平行移動した状態を示している。図6(c)中の実線は時刻t=t3の時点におけるアレーアンテナを示し、破線は時刻t=t1,t2の時点におけるアレーアンテナを示している。
この平行移動により、アレーアンテナ2は、所定距離dだけ移動し、基準アンテナ素子Dは時刻t=t2の時点における基準アンテナ素子Dと同位置のままである。ここで、基準アンテナ素子Dによりパイロット信号を検出すると、時刻t=t2の時点で検出した基準アンテナ素子Dのパイロット信号と時刻t=t3の時点で検出した基準アンテナ素子Dのパイロット信号とは、同じ座標位置における異なる時刻でのパイロット信号となり、2つのパイロット信号間の位相ずれは、時刻t2とt3の間のサンプリングタイミングに伴う位相ずれを表すことになる。
さらに、前回求めた位相ずれに今回求めた位相ずれを加えることによって、時刻t1を基準時点とした時刻t3における位相ずれを取得することができる。
図7は、基準アンテナ素子が固定される態様の一構成例である。アレーアンテナ1は、アンテナ素子3,4で受信した受信信号を受信処理するRF部11、A/Dコンバータでサンプリングしたデータ列に対してパイロット信号を逆拡散するパイロット信号逆拡散回路12(12A,12B,12D)、パイロット信号から位相差信号を求めるための、遅延回路14、位相差検出回路15、位相差加算回路16、情報信号を逆拡散する情報信号逆拡散回路13(13A,13B)、パイロット信号の共役信号を求める共役回路17(17A,17B)、逆拡散した情報信号に共役信号を乗じて情報信号の実時間データを求める演算回路18(18A,18B)、情報信号の位相を位相差に基づいて補正する補正回路19、補正した情報信号を用いて平面アレーのデータを合成する平面アレーデータ合成回路20、合成した平面アレーデータを用いて到来波の到来方向等を推定する到来波推定回路21を備える。
パイロット信号逆拡散回路12は、リニアアレーアンテナのアンテナ素子A,Bのパイロット信号を逆拡散するパイロット信号逆拡散回路12A,12Bと、基準アンテナ素子Dのパイロット信号を逆拡散するパイロット信号逆拡散回路12Dとを含む。なお、ここでは、リニアアレーアンテナのアンテナ素子は一例としてアンテナ素子A,Bの2つのみを示している。
パイロット信号から位相差を検出する構成は、パイロット信号逆拡散回路12Dで逆拡散した基準アンテナ素子Dのパイロット信号を遅延回路14で遅延させたパイロット信号と、パイロット信号逆拡散回路12Dで逆拡散した基準アンテナ素子Dのパイロット信号との位相差を、位相差検出回路15で算出することで取得される。
遅延回路14は、アレーアンテナの平行移動の間において、移動前の基準アンテナ素子Dの検出と、移動後の基準アンテナ素子Dの検出との時間ずれを合わせるためである。位相差加算回路16は、位相差検出回路15で検出した位相差を順次加算して最初の基準位置からの位相差を求めるものである。
また、情報信号逆拡散回路13は、リニアアレーアンテナのアンテナ素子A,Bの情報信号を逆拡散する情報信号逆拡散回路13A,13Bを含む。なお、ここでは、リニアアレーアンテナのアンテナ素子は一例としてアンテナ素子A,Bの2つのみを示している。
各情報信号逆拡散回路13A,13Bで逆拡散して得られた情報信号は、それぞれの演算回路18A,18Bにおいて、パイロット信号の共役信号を乗じることによって実時間情報が得られる。
補正回路19,19Bは、実時間情報の情報信号の位相を補正する回路であり、位相差加算回路16から対応する位相差だけ位相補正される。
本発明は、高層ビルによる反射、回折、散乱等によるマルチパスフェージングなどによる通信品質の劣化を防ぐための基地局の設置や、不法送信源の検出等のための到来波推定に適用することができ、MUSIC法等の超分解能アルゴリズムに適用することができる。
本発明のアレーアンテナの構成及び動作例を説明するための図である。 本発明のアレーアンテナの移動状態を説明するための図である。 本発明のパイロット信号による位相ずれ検出と位相ずれに基づく位相補正を説明するための図である。 本発明の基準アンテナ素子が移動する態様の一構成例である。 本発明のアレーアンテナの第2の形態の構成及び動作例について説明するための図である。 本発明のアレーアンテナの移動状態を説明するための図である。 本発明の基準アンテナ素子が固定される態様の一構成例である。 電波受信状況を調査する従来方法を説明するための図である。
符号の説明
1…アレーアンテナ
2…リニアアレーアンテナ
3…アンテナ素子
4…基準アンテナ素子
5…基準アンテナ素子
10…平面アレー
11…RF部
12,12A,12B,12C…パイロット信号逆拡散回路
13,13A,13B…情報信号逆拡散回路
14…遅延回路
15…位相差検出回路
16…位相差加算回路
17,17A,17B…共役回路
18,18A,18B…演算回路
19,19A,19B…補正回路
20…平面アレーデータ合成回路
21…到来波推定回路
31…パラボラアンテナ
32…回転装置
33…無指向性アンテナ
34…平面アレーアンテナ
35…リニアアレーアンテナ
A,B…アンテナ素子
C,D…基準アンテナ素子

Claims (7)

  1. 複数のアンテナ素子を直線状に配置したリニアアレーアンテナと、当該リニアアレーアンテナの直線上から外れた位置にある少なくとも一つの基準アンテナ素子と、
    前記アンテナ素子の受信信号からパイロット信号を検出するパイロット信号検出手段と、
    前記リニアアレーアンテナの各アンテナ素子が受信する情報信号を検出する情報信号検出手段と、
    前記パイロット信号検出手段が検出する検出時刻を異にするパイロット信号間の位相差を検出する位相差検出手段と、
    前記情報信号検出手段が後の検出時刻で検出する情報信号を、前記位相差を用いて位相補正する補正手段を備えたことを特徴とする、アレーアンテナ。
  2. 前記リニアアレーアンテナが備える複数のアンテナ素子の一つのアンテナ素子と基準アンテナ素子とは、アレーアンテナの移動前後において同一座標位置であり、
    前記パイロット信号検出手段は、リニアアレーアンテナ中の前記一つのアンテナ素子が受信する移動前の受信信号から一方のパイロット信号を検出し、基準アンテナ素子が受信する移動後の受信信号から他方のパイロット信号を検出し、
    前記位相差検出手段は、同一座標位置で検出された前記二つのパイロット信号間の位相差を移動時間に伴う位相変化として検出し、
    前記位相補正手段は、前記情報信号検出手段が移動後に検出する情報信号の位相を、前記位相差分だけ補正することを特徴とする、請求項1に記載のアレーアンテナ。
  3. 前記基準アンテナ素子は、前記リニアアレーアンテナの中心から前記直線と直交する方向に所定距離離れた位置に配置し、
    各アンテナ素子は各位置関係を保持した状態で移動自在とし、
    移動後の基準アンテナ素子の位置と、移動前のリニアアレーアンテナ中の一アンテナ素子の位置とが重なることを特徴とする、請求項1又は2に記載のアレーアンテナ。
  4. 前記所定距離は、リニアアレーアンテナの素子間間隔であることを特徴とする、請求項3に記載のアレーアンテナ。
  5. 前記基準アンテナ素子は固定され、前記リニアアレーアンテナは移動自在であり、
    前記パイロット信号検出手段は、リニアアレーアンテナの移動時において、前記基準アンテナ素子が受信する受信信号から異なる時刻のパイロット信号を検出し、
    前記位相差検出手段は、前記基準アンテナ素子の受信信号から検出された前記二つのパイロット信号間の位相差を移動時間に伴う位相変化として検出し、
    前記位相補正手段は、前記情報信号検出手段が移動後に検出する情報信号の位相を、前記位相差分だけ補正することを特徴とする、請求項1に記載のアレーアンテナ。
  6. 前記請求項2乃至5のいずれかのアレーアンテナと、
    平面アレーデータを形成する平面アレーデータ形成手段と、
    到来波を推定する到来波推定手段とを備え、
    前記平面アレーデータ形成手段は、前記アレーアンテナが備える位相補正手段が移動毎に出力する出力信号をデータ配列して平面アレーデータを形成し、
    前記到来波推定手段は、前記平面アレーデータ形成手段が形成したデータ配列を同時刻に平面で取得した到来波の受信信号として到来波を推定することを特徴とする、到来波推定装置。
  7. 複数のアンテナ素子を直線状に配置したリニアアレーアンテナから平面アレーのデータを合成する方法であって、
    パイロット信号形成手段が行う、前記リニアアレーアンテナの直線から外れた位置にある少なくとも一つの基準アンテナ素子、又は当該基準アンテナ素子とリニアアレーアンテナを構成する複数のアンテナ素子の一つのアンテナ素子が受信する受信信号からパイロット信号を検出するステップと、
    情報信号検出手段が行う、前記リニアアレーアンテナの各アンテナ素子が受信する情報信号を検出するステップと、
    位相差検出手段が行う、前記パイロット信号検出手段が検出する検出時刻を異にするパイロット信号間の位相差を検出するステップと、
    補正手段が行う、前記情報信号検出手段が後の検出時刻で検出する情報信号を、前記位相差を用いて位相補正するステップと、
    平面アレーデータ形成手段が行う、前記位相補正手段が移動毎に出力する出力信号をデータ配列して平面アレーデータを形成するステップとを備えたことを特徴とする、平面アレーのデータ合成方法。
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