JP5055081B2 - 高さ測定装置 - Google Patents
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Description
従来の共焦点顕微鏡を図1によって説明する。図1は、従来の共焦点顕微鏡の基本原理を説明するための模式的な図である。100 は光源、101 は結像レンズ、102 はハーフミラー、103 はニポウディスク、104 はピンホール、105 は対物レンズ、106 は被測定対象物の試料面、107 は結像レンズ、108 は撮像面である。
ピンホール 104 を通過した光は対物レンズ 105 に入り、試料面 106 に到達する。試料面 106 からの反射光は対物レンズ 105 に戻り、再びピンホール 104 を通過して、共焦点効果を得る。再びピンホール 104 を通過した反射光は、ハーフミラー 102 に入り、90[°](π/2[rad])方向を変え、結像レンズ 107 を通過して、撮像面 108 に結像する。
共焦点顕微鏡は、合焦点以外の光をほとんど通さないために、通常の光学顕微鏡よりも、被写体深度が極めて浅い。
例えば、図2に示すように、中央部がなだらかな山形をした形状の試料 201 を Z 軸方向(高さ方向)に向かって、裾野から頂上に移動しながら、映像を取得すると共にその時の Z 座標値を記録していく。
図2の破線に沿って、山形形状部の断面をとると図3(a) となる。図3(a) は、縦軸に高さ( Z 軸方向)、横軸に X 軸方向の位置座標をとった模式図である。この図では便宜的に、横軸を X 軸方向の位置座標としたが、 XY 平面上の位置 座標としても良い。
図3(b) は、図3(a) において、合焦点位置の高さ( Z 軸座標)を Z1 、Z2 、Z3 、‥‥‥、Z7 、Z8 それぞれで撮像した画素の輝度値を示した図である。図3(b) において、縦軸は、山形形状の高さ、横軸は、それぞれ、合焦点位置の高さ Z1 、Z2 、Z3 、‥‥‥、Z7 、Z8 それぞれで撮像した画素の輝度値である。
共焦点顕微鏡では、この Z カーブは、一般的な光学的顕微鏡よりも、被写体深度が浅いために、急峻なカーブとなる。そのため、輝度値のピーク位置の Z 座標値で、合焦点位置を特定することができる。従って、撮像面の各画素に対して、Zカーブを得ることで各画素位置での高さ情報を得ることができる。
しかし、単純に Z 座標を変更しながら、画像を取得すると、焦点位置によっては、図4(a) に示すように、輝度値が最大に達し、 Z 座標値を特定できない場合や、図4(b) に示すように、輝度値が小さく、やはり Z 座標を特定できない場合がある。また、ノイズ成分が大きければ、ゲインを増幅しても測定が困難である。
即ち、Z 座標を変更しながら、画像を取得すると、焦点位置によっては、輝度値が最大に達し、Z 座標値を特定できない場合や、輝度値が小さくすぎてZ 座標を特定できない場合がある。また、ノイズ成分が大きければ、ゲインを増幅しても測定が困難である。特許文献2は、S/N比を確保することを優先し、信号レベルのゲインを変えながら計測を行っている。しかし、この方法では、測定に時間が係り、スループットが長いという問題があった。
本発明の目的は、上記のような問題を解決し、最適な調光機構を備え、かつ測定時間が短い測定装置を提供することにある。
また、上記本発明の高さ測定装置において、上記調光制御部は、上記自動調光シーケンス手段を行う前に、上記高さ測定シーケンス手段、上記調光を行う領域の1つ前の画像の輝度値のピーク値若しくは代表値を取得する手段、上記ピーク値若しくは代表値を取得する手段が取得した上記1つ前の画像の輝度値のピーク値若しくは代表値が上記目標上限値より大きいか否かを判定し、上記1つ前の画像の輝度値のピーク値若しくは代表値が上記目標上限値より大きい場合には上記上限目標範囲を所定値下げる手段、及び、上記ピーク値若しくは代表値を取得する手段が取得した上記1つ前の画像の輝度値のピーク値若しくは代表値が上記目標下限値より大きいか否かを判定し、上記1つ前の画像の輝度値のピーク値若しくは代表値が上記目標下限値より小さい場合には上記下限目標範囲を所定値上げる手段を行うものである。
光源 61 は、例えば、ランプの中に封じ込まれているガスが金属ハロゲン化合物(例えば、水銀灯、等)のメタルハライドランプである。また、カメラ 50 は、TV( Tele-Vision )カメラ等の連写撮影可能なイメージセンサであれば良い。
なお、焦点位置を移動するための Z 軸機構には、Z 軸の位置が変わっても横方向に変位しない真直度の優れた微動 Z 軸機構(例えば、真直度誤差:10[nm])を用いる。
また上記図では、焦点位置を移動するために、試料を上下する。しかし、対物レンズ若しくは対物レンズを含むレボルバ、又は顕微鏡部全体を上下しても良い。また更に、それら全てを移動することによっても良い。
カメラ 50 は、撮像面に結像された像を撮像して映像信号に変換し、PC 60 に出力する。これによって、撮像された映像は、PC 60 で取り込まれ、画像処理が実行される。
試料53 の合焦点位置及び測定ポイントの指定は、PC 60 が行う。即ち、PC 60 は、X軸駆動部 56 、Y 軸駆動部 55 、及び、Z 軸駆動部 58 を、XYZ 軸制御部 59 を介して制御することによって、変更する。例えば、Z 軸駆動部 58 を制御することによって、試料 53 とカメラ 50 、及び試料 53 とニポウディスクのピンホール高さ間の距離が、指定された合焦点位置となるように、Z 座標が相対的に変更される。
図6において、既に、ユーザによって、試料 53 が試料台 54 に固定され、その試料に対応する測定プログラム(測定レシピ)で高さ測定装置が稼動する状態となっている。
Z 軸移動範囲設定ステップ 602 では、高さ測定を行う Z 軸の範囲を、ユーザが指定する。
初期目標範囲設定ステップ 603 では、自動調光の初期目標範囲を、ユーザが設定する。
Z 軸スタート位置移動ステップ 604 では、Z 軸移動範囲設定ステップ 602 で設定した範囲のスタート位置に Z 軸を移動する。
自動調光シーケンスステップ 605 では、後述する図8に示すシーケンスを実行する。
高さ測定シーケンスステップ 606 では、Z 軸移動範囲設定ステップ 602 で設定したZ座標の範囲で、Z 座標を移動しながら、調光領域設定ステップ 601 で設定された領域の被写体画像とその Z 座標位置を取得し、より明るい輝度を持つ画素とその Z 座標位置を残す処理を実行する。
なお、上述の実施例を実現するためには、図5に示す顕微鏡51 は共焦点顕微鏡である必要があり、また、正確な Z 座標値が取得できるように、リニアスケール 57 を備え、カメラ 50 が取得した映像と、リニアスケール 57 による Z 座標値より、高さ測定を可能とする高さ測定部 63 を備えている必要がある。
高さ測定シーケンスステップ 606 を、図7のフローチャートで説明する。
図7に示すように、画像1取得ステップ 701 では、スタート位置の画像1を取得する。そして、 Z 座標取得ステップ 702 では、Z 座標を取得する。
次に、Z 軸移動ステップ 703 では、Z 座標のスタート位置から終了位置の方向に、予め定められた所定量合焦点位置を移動する。
輝度値比較処理ステップ 706 では、画像1と画像2の対応する画素位置毎にに輝度値を比較する。
そして、輝度値と Z 座標更新 ステップ 707 では、比較した輝度値でより輝度値が高い画素で画像1を更新し、同時にその更新画素の Z 座標を記録する。
Z 座標終了位置判定ステップ 708では、現在の Z 座標が終了位置かどうかを判定し、終了位置でない場合には、Z 軸移動ステップ 703 に戻る。また、終了位置である場合には、図7のフローチャートの処理を終了し、図6の輝度平均取得ステップ 607 に進む。
以上のように、図7のフローチャートで説明した高さ測定シーケンスの処理を実行することにより、画像1は、全画素位置に対応する Z 軸移動範囲で、最も明るい輝度値のみを残した画像となり、全画素が Z 座標値を持つ。
そして、目標範囲上限判定ステップ 608 では、輝度平均取得ステップ 607 で取得した画像1の輝度値の平均値が、予め定められた目標上限値より大きいか否かを判定する。画像1の輝度の平均値が目標上限値より大きい場合には、ステップ 609 に移動し、そうでない場合には、ステップ 610 に移動する。
自動調光目標上限値下げステップ 609 では、自動調光の目標上限値を所定値下げ、Z 軸スタート位置移動ステップ 604 に戻る。
目標範囲下限判定ステップ 610 では、画像1の輝度の平均値が目標下限値より小さい場合には、ステップ 611 に移動し、そうでない場合には、図6のフローチャートの処理を終了する。
自動調光目標下限値上げステップ 611 では、自動調光の目標下限値を所定値上げ、Z 軸スタート位置移動ステップ 604 に戻る。
上記図6の実施例によれば、Z 軸移動範囲でもっとも最適な光量が設定される。
まず初めに、輝度平均取得ステップ 801 は、調光領域設定ステップ 601 で設定した調光領域の輝度の平均値を、PC 60 より取得する。
目標範囲上限判定ステップ 802 では、調光領域の輝度の平均値が予め定められた目標上限値より大きいか否かを判定する。平均値が目標上限値より大きい場合には、ステップ 803 に移動し、そうでない場合には、ステップ 804 に移動する。
自動調光目標上限値下げステップ 803 では、光量を所定値下げ、輝度平均取得ステップ 801 に戻る。
目標範囲下限判定ステップ 804 では、調光領域の輝度の平均値が目標下限値より小さい場合には、ステップ 805 に移動し、そうでない場合には、図8のフローチャートの処理を終了し、図6の高さ測定シーケンスステップ 606 に移行する。
自動調光目標下限値上げステップ 805 では、光量を所定値上げ、輝度平均取得ステップ 801 に戻る。
高さ測定を行う前に、高さ測定と同様な処理で求めた画像で、予め設定した画像領域のピーク値、平均値等の代表値を調光時のパラメータとし、指定された範囲にパラメータが入るか否かで、自動調光を行い、最適な光量値を求める。
これによって、従来の線幅測定装置の自動調光によって、共焦点顕微鏡を有する高さ測定装置に適用した場合の Z カーブ(輝度値と Z 座標のグラフ)が、Z 軸移動範囲の殆どで、最大輝度値に達したり、若しくは、Z 軸移動範囲の殆どで輝度値が低くなる問題を解決した。
即ち、本発明は、高さ測定を行う前に、高さ測定と同様な処理で求めた画像で、予め設定した画像領域の平均値等の代表値若しくはピーク値を、調光のパラメータとし、指定された範囲にパラメータが入るか否かで、自動調光を行い、最適な光量値を求めることができる。
この共焦点顕微鏡により拡大した像を撮像するTVカメラは、高速取り込み可能なものとする。顕微鏡側では最大360[fps]の画像が得られるので最大360[fps]のカメラまで対応可能となる。しかし、ここでは、120[fps]のカメラで説明する。
図9は、レジストパターンを試料として、焦点位置Aから焦点位置Eまで Z 軸を移動しながら画像を取得した際の各焦点位置における取得画像を示したものである。901 はクロムマスク、902 はレジスト膜、901-1 はボトムのクロム 901 の蒸着面(上面)の画像、902-1 はレジスト膜 902 の上面の画像、903 はレジスト膜 902 のテーパ部の画像である。
焦点位置Aでは、クロムマスク 901 表面、レジスト膜 902 上面までのどこにも焦点が合っておらず、対応するすべての画像 901-1 、902-1 、903 が 真っ暗の画像である。
焦点位置Bでは、ボトムのクロム 901 の蒸着面(上面)901-1 に焦点が合っており蒸着面 901-1 のエリアが最も明るくなる画像が得られる。
焦点位置Cでは、クロム蒸着面 901-1 とレジスト膜上面 902-1 の中間位置であるテーパ部分 903 が最も明るくなる画像が得られる。
焦点位置Dでは、レジスト膜上面 902-1 に焦点が合っておりレジスト膜面 902 の上面の画像 902-1 エリアが最も明るくなる画像が得られる。
焦点位置Eでは、再びどこにも焦点が合っておらず真っ暗の画像となる。
更に高速カメラを使用すれば高さ情報の分解能も更に向上する。
2[μm]/120≒0.0166≒16.6[nm]
上記分解能の Z 軸座標データとそれに対応した画像データがデータ処理ボードに保存され、演算処理を行い画像データの画素毎に輝度レベルがピークになった時の Z 軸位置座標を求めたデータを得ることができる。
また、この画面内 Z 軸情報データから画面内の断面形状を3D(3次元)画面で表示して解析することも可能である。
また撮像した全ての画像データを加算して表示することにより焦点深度の深い立体的な平面画像の表示も可能である。
マイクロレンズディスク付き共焦点顕微鏡は従来の共焦点顕微鏡に比べて非常に明るい特徴を持っているので、従来は観察できなかった高倍率での測定も可能となり、対物レンズの選定によりレンジ幅の広い測定が可能となる。
Claims (2)
- 試料を拡大する共焦点顕微鏡と、試料に照射する光源と、光源の光量を調整する調光制御部と、Z軸を駆動して焦点高さを変更するZ軸駆動部と、共焦点顕微鏡の画像を撮像するカメラと、測定装置を制御しカメラが撮像した画像から試料の高さを測定する高さ測定装置において、
リニアスケールを有し、
上記調光制御部は、調光を行う領域、高さを測定するZ軸の範囲、及び上記光量を調整する目標上限値及び目標下限値を設定する手段、1枚の画像の高さを決定する高さ測定シーケンス手段、上記高さ測定シーケンス手段を行う前に、予め設定した画像領域のピーク値若しくは代表値を調光のパラメータとし、上記目標上限値及び目標下限値の範囲に上記パラメータが入るか否かを判定して調光を行い、最適な光量値を求める上記調光シーケンス手段、上記調光を行う領域の1つ前の画像の輝度値のピーク値若しくは代表値を取得する手段、上記ピーク値若しくは代表値を取得する手段が取得した上記1つ前の画像の輝度値のピーク値若しくは代表値が上記目標上限値より大きいか否かを判定し、上記1つ前の画像の輝度値のピーク値若しくは代表値が上記目標上限値より大きい場合には上記上限目標範囲を所定値下げる手段、及び、上記ピーク値若しくは代表値を取得する手段が取得した上記1つ前の画像の輝度値のピーク値若しくは代表値が上記目標下限値より大きいか否かを判定し、上記1つ前の画像の輝度値のピーク値若しくは代表値が上記目標下限値より小さい場合には上記下限目標範囲を所定値上げる手段を備え、Z軸を移動しながら、上記リニアスケールのデータと上記カメラの映像を取り込み、1つ前の映像の輝度値を比較しながら、より、輝度値の高い画素とそのZ座標を記録することを特徴とする高さ測定装置。 - 請求項1記載の高さ測定装置において、上記調光制御部は、上記自動調光シーケンス手段を行う前に、上記高さ測定シーケンス手段、上記調光を行う領域の1つ前の画像の輝度値のピーク値若しくは代表値を取得する手段、上記ピーク値若しくは代表値を取得する手段が取得した上記1つ前の画像の輝度値のピーク値若しくは代表値が上記目標上限値より大きいか否かを判定し、上記1つ前の画像の輝度値のピーク値若しくは代表値が上記目標上限値より大きい場合には上記上限目標範囲を所定値下げる手段、及び、上記ピーク値若しくは代表値を取得する手段が取得した上記1つ前の画像の輝度値のピーク値若しくは代表値が上記目標下限値より大きいか否かを判定し、上記1つ前の画像の輝度値のピーク値若しくは代表値が上記目標下限値より小さい場合には上記下限目標範囲を所定値上げる手段を行うことを特徴とする高さ測定装置。
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