JP5055000B2 - 繊維強化複合樹脂組成物及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は繊維強化複合樹脂組成物及びその製造方法に関するものであり、熱伝導性及び熱機械特性の優れた繊維強化複合樹脂組成物及びその製造方法に関する。
ガラス繊維や、炭素繊維などの強化用繊維とマトリクス樹脂からなる繊維強化複合樹脂は、軽量・高強度・寸法安定性などの機能を有するため、電子材料から航空・宇宙材料等といった幅広い範囲で用いられている。
このような繊維強化樹脂では、樹脂中の繊維の存在形態によってその性能を制御することができ、例えば短繊維強化複合樹脂では、その用途に応じて、樹脂中での配向形態を変えることで、その機能を制御できる。配向形態としては1次元配向、2次元ランダム配向(配向面内について等方)、3次元ランダム配向(3次元に等方)が挙げられる。
また、一般に繊維内の分子配列に秩序性が高いほど繊維の物性の異方性は大きくなる。構造・物性の両者の異方性の影響を受けるため、配向させる次元が小さいほどその方向に関する繊維強化の効果は顕著になるが、繊維の配向している方向以外には、むしろ繊維との界面の存在により、その界面から割れを生じ破壊の原因となるなどの機械的な脆弱性を生じうることが知られている。また、配向する次元が大きいほど充填できる繊維量は少なくなり、繊維のアスペクト比(繊維長/繊維径)が大きいほどその傾向は顕著となる。
近年、強化用繊維としてナノメートルオーダーの繊維径を有する繊維(ナノファイバ)を用いた繊維強化複合樹脂組成物(ナノファイバコンポジット材料)の開発が進められており、例えば繊維としてセルロースのナノファイバを用いることで高強度・低線膨張な複合樹脂を得る方法が開示されている(例えば特許文献1参照)。
また、セルロースのナノファイバが光の屈折を起こしにくい太さであることを利用し、マトリクス樹脂の屈折率をセルロースに近づけることにより透明且つ低線膨張なポリマーコンポジットが開示されており、その中で繊維の貫通方向について、セルロースの結晶構造を利用した高熱伝導化について開示されている(特許文献2、3参照)。
繊維の配向方向異方性の影響はナノファイバコンポジットにおいても同様に見られる。例えば前述のセルロースナノファイバコンポジットにおける熱伝導率の向上においても、繊維の配向する方向には顕著な熱伝導率の上昇が見られるが、そうでない方向の効果は小さい。例えば繊維を不織布化したシートを用いたコンポジットでは繊維が面内に2次元ランダム配向しており、その面内には高い熱伝導率を示すものの、その繊維が単に重なり、連続でない方向については僅かな熱伝導率の上昇に留まる。また、3次元にランダム配向させる場合はすべての方向について熱伝導率の向上が見られる。しかしながら、ナノファイバではその繊維径の細さのためにアスペクト比が大きく、且つ表面積が大きくなるため、前述の通り充填量の限界が小さくなり、設計上の制約が大きくなるという問題があった。
また、金属・樹脂とナノファイバの複合化による放熱部材の熱膨張率の低減については、炭素、ホウ素、窒化ホウ素のナノファイバ及び、層状化合物が層間剥離されてカールすることにより形成されるナノチューブによるものが開示されている(特許文献4参照)。同文献にはミクロファイバを共存させた場合についても開示されている。
また、前述の特許文献2〜3では、無機物被覆層の形成による繊維の機能化についての表記はあるものの、具体的な効果については明らかにされていない。
一方、繊維の高機能化のために、機能性分子や金属/金属化合物(酸化物、窒化物、水酸化物等)からなる被覆層を繊維上に形成させる検討もなされており、例えば熱可塑性ポリマーナノファイバ表面に機能性分子や金属/金属化合物の被覆方法について開示されており(特許文献5参照)、特に炭素繊維については数多くの例が開示されている(例えば特許文献6、7参照)。
WO95/23824パンフレット 特開2006−35647公報 特開2005−60680公報 特開2004−165665公報 特開2005−36376公報 特開2004−149954公報 特開2005−171358公報
本発明は繊維強化樹脂組成物、特にポリマーナノファイバコンポジット材料、及びその製造方法に関するものであり、ポリマーナノファイバ表面を改質することにより、高熱伝導性と低線熱膨張性を併せ持つ繊維強化樹脂組成物の提供を目的とする。
前述のように、繊維を用いたコンポジットでは繊維のマトリクス樹脂内での配向状態がその物性を左右する。繊維による高熱伝導化を図る場合、繊維の貫通方向については繊維自体が熱伝導路として機能するため有効な高熱伝導化が図れるが、繊維の非貫通方向については直接的な熱伝導路とならず、繊維の重なり合いによる接触、または熱伝導成分の分散による熱伝導路全体での熱抵抗の低減といった効果による改善に限られる。加えて、繊維軸方向に対して太さ方向の熱伝導率は一般に低いことが多く、繊維の貫通方向ほどの物性改善は期待できない。
なお、本発明では、繊維の貫通方向とは、コンポジットの一部を切り出したときに繊維が繊維軸方向で貫通している方向をいう。また、繊維の非貫通方向とは、前記貫通方向以外の方向であり、例えば繊維の太さ方向が並んだような方向をいう。
本発明は、予め繊維表面に1層以上の金属化合物からなる被覆層を形成することにより前記課題を解決するものである。この際、被覆層は繊維の太さ方向の熱伝導率及びマトリクス樹脂の熱伝導率よりも高い熱伝導率を有する材料であることが好ましく、さらに少なくとも繊維同士がある程度接触できる程度の高い充填率であることが好ましい。
すなわち本発明は以下の(1)〜(15)に関する。
(1) マトリクスとなる樹脂と、下記の珪素または金属化合物からなる(i)または(ii)の被覆層で少なくともその一部が被覆され被覆層の厚みを含まない繊維径が1μm以下であるポリマー繊維とを含み、珪素または金属化合物からなる被覆層とポリマー繊維の合計の充填率が50〜90体積%であり、ポリマー繊維の貫通方向の熱伝導率がマトリクス樹脂の熱伝導率よりも高く、ポリマー繊維の被覆層同士の接触構造を有しており、被覆層を有する繊維の非貫通方向の熱伝導率が被覆層を持たない場合の繊維の非貫通方向の熱伝導率よりも高い、繊維強化複合樹脂組成物。
(i)珪素または金属化合物が珪素、アルミニウム、亜鉛、チタン、錫、カルシウム、マグネシウム、コバルト、鉄、マンガン、ニオブ、ニッケル、インジウムの中から選ばれる少なくとも1種である珪素または金属の酸化物乃至水酸化物乃至オキシ水酸化物、または、(ii)前記珪素または金属化合物が珪素、アルミニウム、亜鉛、チタン、錫、カルシウム、マグネシウム、コバルト、鉄、マンガン、ニオブ、ニッケル、インジウムの中から選ばれる少なくとも1種の珪素または金属の硫酸、硝酸、炭酸、りん酸の中から選ばれる酸塩乃至その水和物。
(2) 1μm以上の繊維径のポリマー繊維を除くポリマー繊維の数平均繊維径が300nm以下である前記(1)記載の繊維強化複合樹脂組成物。
(3) 1μm以上の繊維径のポリマー繊維を除くポリマー繊維の数平均繊維径が200nm以下である前記(1)記載の繊維強化複合樹脂組成物。
(4) 1μm以上の繊維径のポリマー繊維を除くポリマー繊維の数平均繊維径が100nm以下である前記(1)記載の繊維強化複合樹脂組成物。
(5) 1μm以上の繊維径のポリマー繊維を除くポリマー繊維の数平均繊維径が50nm以下である前記(1)記載の繊維強化複合樹脂組成物。
(6) ポリマー繊維の貫通方向の線熱膨張率がマトリクス樹脂の線熱膨張率に比べて低い前記(1)から()のいずれかに記載の繊維強化複合樹脂組成物。
) ポリマー繊維の被覆層が10nm以上の厚さを有し、繊維の貫通方向乃至非貫通方向について電気伝導性を示す前記(1)から()のいずれかに記載の繊維強化複合樹脂組成物。
) ポリマー繊維の被覆層がゾルゲル法乃至表面ゾルゲル法で形成された前記(1)から()のいずれかに記載の繊維強化複合樹脂組成物。
) ポリマー繊維の被覆層が液相析出法乃至化学溶液析出法で形成された前記(1)から()のいずれかに記載の繊維強化複合樹脂組成物。
(10) 前記(1)から()のいずれかに記載の繊維強化複合樹脂組成物を製造する方法であって、ポリマー繊維の被覆層をゾルゲル法乃至表面ゾルゲル法で形成する工程を含む繊維強化複合樹脂組成物の製造方法。
(11) 前記(1)から()のいずれかに記載の繊維強化複合樹脂組成物を製造する方法であって、ポリマー繊維の被覆層を液相析出法乃至化学溶液析出法で形成する工程を含む繊維強化複合樹脂組成物の製造方法。
従来のアルミナなどの金属化合物繊維を充填した繊維強化樹脂組成物と比べると、本発明の繊維強化樹脂組成物は、軽量で、繰り返し応力に耐えられ、かつ熱伝導性が良く、低線熱膨張性も、優れており、携帯機器などの半導体から発生する熱を拡散・放熱する放熱シートの材料として好適である。
以下に本発明の繊維強化樹脂組成物についての詳細を示す。
図1に、表面を被覆したポリマー繊維を充填した、コンポジットの一例の模式図を示す。マトリクス樹脂1と、ポリマー繊維2と、前記ポリマー繊維の表面を被覆している金属化合物被覆層3とからなる。
図2に、金属化合物の表面被覆層による非貫通方向熱伝導率の向上機構を模式図で示す。
本発明によれば前述の繊維同士の重なり合いにより、図2に示すように繊維本体の太さ方向よりも高熱伝導な被覆層同士が丸で囲んだ部分のように接触し、繊維の非貫通方向にも、矢印で示すようなより高熱伝導な熱伝導路が形成される。加えて、繊維の貫通方向に対しても、その被覆層が十分緻密である場合、熱伝導路の断面積が増加することにより熱伝導率が向上する。
本明細書中で「ナノファイバ」という表現を用いる際は、連続する繊維状構造で分岐構造をとらない部分を観察した際に、繊維径が1μm未満であるものを指すものとする。繊維径に対するアスペクト比は、10倍以上であるのが好ましい。但しアスペクト比について枝分かれ構造を有する部分の近傍についてはその限りではない。
本発明におけるコンポジット材料に使用するポリマー繊維本体は少なくともナノファイバであり、また、コンポジットの自立性乃至寸法安定性の付与、またはナノファイバ使用量低減の為に、ナノファイバの他に、1μm以上の繊維径を有する太い繊維を併用してもよい。好ましくはナノファイバは数平均繊維径が300nm以下であり、少なくとも熱伝導率の観点では、より好ましくは200nm以下であり、更に好ましくは100nm以下であり、特に好ましくは50nm以下である。但し、繊維径が細いほど被覆の際に基材としての被覆層に対する曲率が大きくなるために、必ずしも被覆性は向上しない。そのため被覆方法や被覆したい金属化合物の種類に応じて、均一な被覆が得られる範囲でなるべく小さい繊維径を選択すると好ましい。また、熱伝導率以外の物性については必ずしも繊維径が小さい物が優れているわけではなく、混合樹脂のハンドリング性については繊維径が小さいほど条件が厳しくなるため、目的に応じて繊維径を選択することができる。
このとき、数平均繊維径は走査型電顕写真を用いて100本の繊維径を調べ、数平均を取ることで見積もられる。但し、本発明におけるポリマー繊維には別途1μm以上の太い繊維を併用して入れることは可能であるので、1μm以上の繊維径を有するものについては計算上除外する。
コンポジットとなったものの繊維径を調べるときはその断面の走査電顕写真乃至透過電顕写真から同様に調べる。但し、断面の場合、繊維が斜めに面出しされることがあるため、楕円の短軸の長さを繊維径とする。
使用するポリマー繊維は天然繊維を解繊することでナノファイバ化したものでも、合成高分子、又は天然高分子を変性させるなどして溶融・溶解させたものを各種紡糸法によりナノファイバ化したものでも良い。
天然繊維を解繊したものとしては、天然の結晶性繊維であるセルロースのミクロフィブリルなどが挙げられる。例えばダイセル化学(株)のセリッシュ(登録商標)などはパルプ化したセルロースを高圧ホモジナイザーで解繊したものであり、良好な分散性を持ったものが容易に入手できる。
また、デオキシリボ核酸(DNA)や、タバコモザイクフィルスのようなたんぱく質など、生体内で形成される繊維乃至ロッド状の構造物でも良い。
紡糸するポリマーとしてはポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイミド、ポリエステル、ポリベンゾオキサゾール、ポリ乳酸、酢酸セルロース、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ナイロン、アラミド、ポリアクリロニトリルやこれらの共重合体などから選択することが可能である。
紡糸の方法としては溶融紡糸、溶液紡糸、エレクトロスピニングなどの中から選択することができる。また、紡糸の後に熱処理や延伸処理により配向させ、結晶性を高めるとなお良い。
ポリマー繊維の繊維軸方向の熱伝導率はマトリクス樹脂の熱伝導率よりも高いことが好ましくこのためには、例えばポリマー繊維の結晶性を高めることが挙げられる。
ポリマー繊維を被覆する金属化合物は、珪素、アルミニウム、亜鉛、チタン、錫、カルシウム、マグネシウム、コバルト、鉄、マンガン、ニオブ、ニッケル、インジウムの中から選ばれる少なくとも1種である金属の、酸化物乃至水酸化物乃至オキシ水酸化物が挙げられる。
また、前記の少なくとも1種の金属の、硫酸、硝酸、炭酸、りん酸の中から選ばれる酸塩乃至その水和物が挙げられる。
これらの金属化合物で、ポリマー繊維の表面の少なくとも一部、好ましくは全部を被覆する被覆層を形成する。繊維表面の被覆率は、20〜100%が好ましい。また、被覆厚さは2nm以上が好ましく、より好ましくは10nm以上である。
被覆層は一層であっても、同種または異種の二層以上であってもよい。
被覆層の形成方法としてはゾルゲル法、表面ゾルゲル法、液相析出法、化学溶液析出法などが挙げられ、母材となるファイバが耐えられる範囲で一度形成した被膜を加熱、水蒸気、高圧又は化学的な処理等により結晶化度を上げたり、結晶相を変化させたり、脱水・置換などするとなお良い。
ここでゾルゲル法とは金属アルコキシドなどの前駆体の加水分解・脱水縮合から金属酸化物または水酸化物を作製する方法であり、また表面ゾルゲル法は、前記ゾルゲル法の加水分解・脱水縮合の段階を分離し、その反復回数で製膜厚みをナノメートルオーダーで制御することを可能とした方法である。
また、液相析出法(Liquid Phase Deposition)及び化学溶液析出法(Chemial Bath Deposition)とは、過飽和溶液からの不均一核生成を利用して基材上に金属酸化物乃至水酸化物を析出させる手法である。析出条件によっては高結晶性の被膜が得られるプロセスであり、その多くが水溶液プロセスである。バイオミメティックプロセスなどと呼ばれることもあり、カルシウムヒドロキシアパタイトの液相形成手法としてなど広く研究されている手法である。
また、被覆層と繊維の密着性を上げるために、予めポリマー繊維表面をオゾン、プラズマ、酸、アルカリなどで変性させておいても良い。
被覆層とマトリクス樹脂の密着性を向上させるため、被覆の後にアルキル基、フェニル基、アミノ基、イミノ基、メルカプト基、カルボキシル基、ビニル基、エポキシ基等といった官能基を出すようシランカップリング剤、チタネートカップリング剤、アルミニウムカップリング剤、界面活性剤などから選ばれる少なくとも1種の表面処理剤を用いて表面を変性させておくとなお良い。
マトリクス樹脂としてはエポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ビスマレイミド樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエステル樹脂、シアン酸エステル樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリスチレン、ポリフェニレンスルフィド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソプレン、ポリブタジエン、アクリルゴム、シリコーン樹脂などの中から少なくとも1種を選ぶことができる。
被覆されたポリマー繊維と樹脂との複合化方法としては表面被覆ポリマー繊維分散液と液状マトリクス樹脂を混ぜて脱溶媒しても良いし、溶媒と液状マトリクス樹脂の置換を反復しても良い。また、乾燥した固形の表面被覆ポリマー繊維集合体に液状マトリクス樹脂を減圧下で含浸させてもよい。このとき、液状マトリクス樹脂はマトリクスとなる樹脂を溶融・溶解などにより液状にしたものであってもよいし、そのモノマー乃至モノマー溶液であってもよい。コンポジット内の表面被覆ポリマー繊維の充填率は、30〜90体積%が好ましく、より好ましくは50〜90体積%であり、さらに好ましくは60〜90体積%である。前記充填率は、表面被覆ポリマー繊維の仕込み量と、硬化後のコンポジットの質量より計算して求める値とする。
表面被覆ポリマー繊維の集合体の作製方法について以下に解説する。
まず、ポリマー繊維が分散液で得られる場合、分散液のまま処理を行い、ろ過などの抄く過程により溶媒を分離し、2次元にランダム配向したシートを得るか、凍結乾燥などにより低密度な乾燥品を得ても良い。また、分散液の溶媒が処理液と異なる場合は、溶媒置換して処理しても、一度ポリマー繊維乾燥品を得て、処理溶媒に再分散させて処理しても、処理基材として処理液に浸漬させてもよい。
事前にポリマー繊維乾燥品を得る際にはプロセスの特性を考えて密度が選択されるが、緻密にしすぎると処理液の浸透能力によっては集合体の再表面以外十分な処理が行えないため、被覆処理前はなるべく低密度な方がよい。
また、ポリマー繊維が不織布として得られる場合も前述の乾燥品の場合と同様に処理できる。また、糸として得られる場合は処理前に織布、不織布としてから処理してもよく、前述のポリマー繊維乾燥品を作製した場合と同様に処理できる。
これら液相系での処理は、溶媒以外の反応副生成物が出る場合が大半であるので、それによるマトリクス樹脂系への影響が懸念される。したがって影響を及ぼさないことが自明である場合を除いては被覆処理後の洗浄工程を特に念入りに行う必要がある。
また、吸引ろ過により作製した2次元ランダム配向シートをニードルパンチなどで縦に絡ませる処理を適度に行うと剥離しにくくなり、且つシートの面厚方向に熱伝導路がより多く形成されるため好ましい。
凍結乾燥したポリマー繊維の集合体は低密度になっているため、樹脂を浸透させた後に加圧などして圧縮すると繊維充填率が上がり、なお良い。
また、本発明におけるコンポジット材料は熱伝導路となる金属化合物はポリマー繊維表面を被覆した状態で重なっている構造であることから、同金属化合物のみからなる繊維を同じ体積分率充填して同様に繊維同士が接触して熱伝導路を形成している場合に比べると熱伝導率は劣るものの、少ない金属化合物の含有量で重なり合い、熱伝導路を形成できるため高熱伝導化が可能となり、それにより軽量化も図れる。
また、繊維の被覆層はその薄さのために割れにくく、割れた場合についてもポリマー繊維に沿って位置が固定される。そのため、金属化合物の折れ・割れによる熱伝導率の低下、強度低下を抑制することができ、折り曲げ、ヒートサイクルなどの熱、機械的応力の繰り返しを受けた後の熱伝導率の低下、強度低下が少なくなる。
また、ポリマー繊維の繊維軸方向の線熱膨張率がマトリクス樹脂の線熱膨張率に比べて小さいとき、両者の複合化の効果により、コンポジットの繊維の貫通方向の線熱膨張率はマトリクス樹脂の線熱膨張率よりも小さくなる。また、被覆した金属化合物の線熱膨張率がポリマー繊維の繊維軸方向の線熱膨張率よりも小さければ、よりいっそう線熱膨張率を小さくすることができる。
また、被覆層を形成する金属化合物が導電性を有する材料である場合、前述の被覆層による熱伝導路が同様に電気伝導路としても寄与しうる。したがって、被覆層の被覆率が十分高いとき、被覆層が繊維の貫通方向に沿って連続となっていれば繊維の貫通方向について、被覆層が繊維の重なり合う非貫通方向に連続となっていれば繊維の非貫通方向について、少なくともそれらいずれか一方には導電性を付与できるものと考えられる。したがって、被覆層を形成する金属化合物の導電性/絶縁性により、コンポジットの導電性/絶縁性を制御することが可能である。
次に実施例により本発明を説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例の範囲に限定されるものではない。
(実施例1)
セルロースナノファイバが0.25質量%となるようにセルロースナノファイバ分散液(ダイセル化学製。繊維径20〜200nm、平均50nm程度。)と超純水、ゾルゲル溶液を混合し、100質量部とし、100℃で1時間還流し、(水)酸化アルミニウム被覆セルロースナノファイバ分散液を得た。ゾルゲル溶液はアルミニウムトリイソプロポキシド1質量部と超純水15質量部の溶融混合液に1規定塩酸6質量部を加え混合の後に静置して、常温まで冷ましたものの上澄みを使用した。
また、ここで用いている「(水)酸化アルミニウム」は、水酸化アルミニウム、オキシ水酸化アルミニウム、酸化アルミニウムのいずれか、またはこれらの中から少なくとも2種類選ばれる混合物を指すものとする。
得られた分散液を0.1質量%となるよう超純水で希釈した後、孔径0.01μmのフッ素加工樹脂製メンブレンをフィルタとして用いて吸引ろ過し、ナノファイバをシート状に堆積させた。それに150質量部の超純水を通水させ洗浄の後乾燥し、(水)酸化アルミニウム被覆セルロースナノファイバのシートを得た。これを100℃で2時間真空乾燥させた後、ビスフェノールA型エポキシ樹脂に液状酸無水物、硬化触媒を混合したものを減圧下で含浸させてコンポジット材料を得た。これを、離型処理したPETフィルムではさみ、真空プレスを用いて硬化させてコンポジットを得た。
(実施例2)
Nano. Lett.,Vol.3, No.2,143, 2003.に示される方法に倣い、エレクトロスピニング法を用いて作製したポリアクリロニトリル(PAN)ナノファイバ(繊維径:約100〜400nm)を、0.12MのSnF(NH4)水溶液と0.2M硼酸を同体積混合した溶液に室温で12時間浸漬することで、酸化錫被覆PANナノファイバ(被覆厚み10〜30nm)からなる不織布シートを作製した。これを十分に水洗し、乾燥の後に、メタクリル酸メチルに重合開始剤として過酸化ラウロイルを加えたものを含浸させた。これを離型処理したガラス板にはさみ、モノマーが蒸散しないようシールして重合させた。更にそれをフッ素加工樹脂板で挟み、200℃でプレスにて加圧成型し、表層の余剰な樹脂を除き、ポリメチルメタクリレート(PMMA)コンポジットを得た。
また、別途プレス前の重合品を銅箔にはさみプレス成型し、両面の金属箔にテスタを当てたところ導通が確認された。
(比較例1)
実施例1で使用したものと同種のセルロースナノファイバ分散液(ダイセル化学)を0.2質量%となるよう超純水で希釈した後、孔径0.01μmのフッ素加工樹脂製メンブレンをフィルタとして用いて吸引ろ過し、ナノファイバをシート状に堆積させた。それを乾燥させ、セルロースナノファイバのシートを得た。これを100℃で2時間真空乾燥させた後、ビスフェノールA型エポキシ樹脂に液状酸無水物、硬化触媒を混合したものを減圧下で含浸させてコンポジット材料を得た。これを、離型処理したPETフィルムではさみ、真空プレスを用いて硬化させコンポジットを得た。
(比較例2)
金属化合物被覆層を構築する以外は実施例2と同様にしてコンポジットを作製した。また、別途(実施例2)と同様に銅箔にはさみプレス成型し、両面の金属箔にテスタを当てたところ導通が確認されなかった。
実施例1〜2、比較例1〜2で得られたコンポジットの熱伝導率測定の結果を表1に示す。熱伝導率は面内方向については光交流法(アルバック理工(株)製光交流法熱伝導率測定装置商品名 PIT−1)、面厚方向については温度波熱分析法((株)アイフェイズ製熱伝導率測定装置商品名 ai−Phase mobile)を用いて熱拡散率を求め、計算した。
また、実施例1〜2、比較例1〜2で得られたコンポジットの、表面被覆ポリマー繊維の仕込み量とコンポジットの質量より計算して求めた繊維充填率を表1に併記した。
Figure 0005055000
表面被覆ポリマーナノファイバ強化複合樹脂組成物の一例の模式図である。 金属化合物の表面被覆層による、繊維の非貫通方向についての熱伝導率向上機構の模式図である。
符号の説明
1.マトリクス樹脂 2.ポリマー繊維 3.金属化合物被覆層

Claims (11)

  1. マトリクスとなる樹脂と、下記の珪素または金属化合物からなる(i)または(ii)の被覆層で少なくともその一部が被覆され被覆層の厚みを含まない繊維径が1μm以下であるポリマー繊維とを含み、珪素または金属化合物からなる被覆層とポリマー繊維の合計の充填率が50〜90体積%であり、ポリマー繊維の貫通方向の熱伝導率がマトリクス樹脂の熱伝導率よりも高く、ポリマー繊維の被覆層同士の接触構造を有しており、被覆層を有する繊維の非貫通方向の熱伝導率が被覆層を持たない場合の繊維の非貫通方向の熱伝導率よりも高い、繊維強化複合樹脂組成物。
    (i)珪素または金属化合物が珪素、アルミニウム、亜鉛、チタン、錫、カルシウム、マグネシウム、コバルト、鉄、マンガン、ニオブ、ニッケル、インジウムの中から選ばれる少なくとも1種である珪素または金属の酸化物乃至水酸化物乃至オキシ水酸化物、または、
    (ii)前記珪素または金属化合物が珪素、アルミニウム、亜鉛、チタン、錫、カルシウム、マグネシウム、コバルト、鉄、マンガン、ニオブ、ニッケル、インジウムの中から選ばれる少なくとも1種の珪素または金属の硫酸、硝酸、炭酸、りん酸の中から選ばれる酸塩乃至その水和物。
  2. 1μm以上の繊維径のポリマー繊維を除くポリマー繊維の数平均繊維径が300nm以下である請求項1記載の繊維強化複合樹脂組成物。
  3. 1μm以上の繊維径のポリマー繊維を除くポリマー繊維の数平均繊維径が200nm以下である請求項1記載の繊維強化複合樹脂組成物。
  4. 1μm以上の繊維径のポリマー繊維を除くポリマー繊維の数平均繊維径が100nm以下である請求項1記載の繊維強化複合樹脂組成物。
  5. 1μm以上の繊維径のポリマー繊維を除くポリマー繊維の数平均繊維径が50nm以下である請求項1記載の繊維強化複合樹脂組成物。
  6. ポリマー繊維の貫通方向の線熱膨張率がマトリクス樹脂の線熱膨張率に比べて低い請求項1からのいずれかに記載の繊維強化複合樹脂組成物。
  7. ポリマー繊維の被覆層が10nm以上の厚さを有し、繊維の貫通方向乃至非貫通方向について電気伝導性を示す請求項1からのいずれかに記載の繊維強化複合樹脂組成物。
  8. ポリマー繊維の被覆層がゾルゲル法乃至表面ゾルゲル法で形成された請求項1からのいずれかに記載の繊維強化複合樹脂組成物。
  9. ポリマー繊維の被覆層が液相析出法乃至化学溶液析出法で形成された請求項1からのいずれかに記載の繊維強化複合樹脂組成物。
  10. 請求項1からのいずれかに記載の繊維強化複合樹脂組成物を製造する方法であって、ポリマー繊維の被覆層をゾルゲル法乃至表面ゾルゲル法で形成する工程を含む繊維強化複合樹脂組成物の製造方法。
  11. 請求項1からのいずれかに記載の繊維強化複合樹脂組成物を製造する方法であって、ポリマー繊維の被覆層を液相析出法乃至化学溶液析出法で形成する工程を含む繊維強化複合樹脂組成物の製造方法。
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