JP5054745B2 - 結晶性ポリマー微孔性膜及びその製造方法、並びに濾過用フィルタ - Google Patents
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Description
これらの微孔性膜は、電子工業用洗浄水、半導体製造薬液、医薬用水、医薬製造工程用水、食品水等の濾過、滅菌に用いられ、近年、その用途及び使用量が拡大しており、粒子捕捉の点から信頼性の高い微孔性膜が注目されている。これらの中でも、結晶性ポリマーによる微孔性膜は耐薬品性に優れており、特にポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を原料とした微孔性膜は、耐熱性及び耐薬品性に優れているため、その需要の伸びが著しい。
例えば、膜の表面の平均孔径が裏面の平均孔径よりも大きくて、かつ表面から裏面に向けて平均孔径が連続的に変化する結晶性ポリマーの微孔性膜が提案されている(特許文献5参照)。この提案によると、平均孔径が大きい面(表面)をインレット側として濾過を行うことにより、効率よく微粒子を捕捉することができ、濾過寿命を改善することができる。
しかし、非対称孔を有する結晶性ポリマー微孔性膜においては、加熱面、非加熱面、及びその内部を有し、それぞれの部位における結晶性ポリマーの結晶化度が異なることから、前記提案の親水化処理方法では、膜全体に対する一律の親水化ができず、親水化処理を行おうとすると、結晶化度に応じた条件ごとに何回かに分けて親水化処理を行う必要があり、効率が悪いものである。また、作製された親水化処理膜の親水性も十分満足できるものではなかった。更に、紫外線レーザー及びArFレーザーを照射して親水化処理する方法では、紫外線レーザー及びArFレーザーの照射により、膜を傷つけることがあり、膜強度を劣化させてしまうという問題もある。
しかし、この提案には、多孔質膜の濾過流量及び濾過寿命を十分満足できるレベルまで向上させることができないという問題がある。
イオン吸着機能を付与した結晶性ポリマー微孔性膜として、例えば、特許文献8では、膜からの活性化された極性基と反応性である官能基を含有し、特定イオンに対する親和性を有する任意のリガンドを付与した多孔質膜が提案されている。
しかし、この提案には、リガンドと膜との結合が、アミド結合、エステル結合など、アルカリ耐性に乏しいものであるために、例えば、半導体洗浄工程用等に用いることが困難であるという問題があり、また、リガンドを結合するのに工程数が多くなってしまうという問題があり、また、多孔質膜の濾過流量及び濾過寿命を十分満足できるレベルまで向上させることができないという問題がある。
しかし、この提案においても、実質的にはエステル結合を有する化合物を使用することが必須であり、アルカリ耐性に乏しく、多孔質膜の濾過流量及び濾過寿命を十分満足できるレベルまで向上させることができないという問題がある。
<1> 露出表面の少なくとも一部が、少なくともカチオン重合性モノマーを含む親水性組成物を重合させてなるポリマーで被覆されており、前記カチオン重合性モノマーの一部に、イオン交換基及びキレート基の少なくともいずれかを含む官能性化合物が付加反応してなることを特徴とする結晶性ポリマー微孔性膜である。
<2> カチオン重合性モノマーが、エポキシ化合物、オキセタン化合物、及びビニル化合物から選択される少なくとも1種である前記<1>に記載の結晶性ポリマー微孔性膜である。
<3> 親水性組成物が、カチオン重合開始剤を含有する前記<1>から<2>のいずれかに記載の結晶性ポリマー微孔性膜である。
<4> 官能性化合物が、カチオン重合性モノマーとの反応性基を含む前記<1>から<3>のいずれかに記載の結晶性ポリマー微孔性膜である。
<5> カチオン重合性モノマーとの反応性基が、アミノ基及びヒドロキシル基のいずれかである前記<1>から<4>のいずれかに記載の結晶性ポリマー微孔性膜である。
<6> 第1の面における平均孔径が、第2の面における平均孔径よりも大きく、かつ前記第1の面から前記第2の面に向かって平均孔径が連続的に変化する複数の孔部を有する前記<1>から<5>のいずれかに記載の結晶性ポリマー微孔性膜である。
<7> 露出表面にポリマーを被覆前の結晶性ポリマー微孔性膜の第1の面における平均孔径d3と、第2の面における平均孔径d4との比(d3/d4)と、露出表面にポリマーを被覆後の結晶性ポリマー微孔性膜の第1の面における平均孔径をd3’と、第2の面における平均孔径d4’との比(d3’/d4’)とが、次式、(d3’/d4’)/(d3/d4)>1、を満たす前記<6>に記載の結晶性ポリマー微孔性膜である。
<8> 結晶性ポリマーが、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体、ポリフッ化ビニリデン、ポリクロロトリフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン・エチレン共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、ポリアセタール、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、シンジオタクチック・ポリスチレン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、全芳香族ポリアミド、全芳香族ポリエステル、ポリエーテルニトリルから選択される少なくとも1種である前記<1>から<7>のいずれかに記載の結晶性ポリマー微孔性膜である。
<9> 結晶性ポリマーからなるフィルムの露出表面に、少なくともカチオン重合性モノマーを含む親水性組成物を付与し、該親水性組成物を重合させる親水化処理工程と、前記カチオン重合性モノマーの一部に、イオン交換基及びキレート基の少なくともいずれかを含む官能性化合物を付加反応させる付加反応処理工程と、を含むことを特徴とする結晶性ポリマー微孔性膜の製造方法である。
<10> 結晶性ポリマーからなるフィルムの一の面を加熱して、該フィルムの厚み方向に温度勾配を形成した半焼成フィルムを形成する非対称加熱工程と、前記半焼成フィルムを延伸する延伸工程と、を更に含む前記<9>に記載の結晶性ポリマー微孔性膜の製造方法である。
<11> カチオン重合性モノマーが、エポキシ化合物、オキセタン化合物、及びビニル化合物から選択される少なくとも1種である前記<9>から<10>のいずれかに記載の結晶性ポリマー微孔性膜の製造方法である。
<12> 官能性化合物が、カチオン重合性モノマーとの反応性基を含む前記<9>から<11>のいずれかに記載の結晶性ポリマー微孔性膜の製造方法である。
<13> 親水性組成物が、カチオン重合開始剤を含有する前記<9>から<12>のいずれかに記載の結晶性ポリマー微孔性膜の製造方法である。
<14> カチオン重合性モノマーとの反応性基が、アミノ基及びヒドロキシル基のいずれかである前記<9>から<13>のいずれかに記載の結晶性ポリマー微孔性膜の製造方法である。
<15> 結晶性ポリマーが、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体、ポリフッ化ビニリデン、ポリクロロトリフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン・エチレン共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、ポリアセタール、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、シンジオタクチック・ポリスチレン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、全芳香族ポリアミド、全芳香族ポリエステル、ポリエーテルニトリルから選択される少なくとも1種である前記<9>から<14>のいずれかに記載の結晶性ポリマー微孔性膜の製造方法である。
<16> 親水化処理における重合が、加熱処理及び紫外線照射処理のいずれかで行われる前記<9>から<15>のいずれかに記載の結晶性ポリマー微孔性膜の製造方法である。
<17> 付加反応処理における付加反応が、加熱処理で行われる前記<9>から<16>のいずれかに記載の結晶性ポリマー微孔性膜の製造方法である。
<18> 親水化処理における重合と付加反応処理における付加反応とが同時に行われる前記<9>から<17>のいずれかに記載の結晶性ポリマー微孔性膜の製造方法である。
<19> 親水化処理における重合と付加反応処理における付加反応とが逐次に行われる前記<9>から<17>のいずれかに記載の結晶性ポリマー微孔性膜の製造方法である。
<20> 前記<1>から<8>のいずれかに記載の結晶性ポリマー微孔性膜を有することを特徴とする濾過用フィルタである。
<21> プリーツ状に加工成形される前記<20>に記載の濾過用フィルタである。
<22> 第1の面における平均孔径が、第2の面における平均孔径よりも大きく、かつ前記第1の面から前記第2の面に向かって平均孔径が連続的に変化する複数の孔部を有し、前記第1の面をフィルタ濾過面とする前記<20>から<21>のいずれかに記載の濾過用フィルタである。
本発明の結晶性ポリマー微孔性膜は、露出表面の少なくとも一部が、少なくともカチオン重合性モノマーを含む親水性組成物を重合させてなるポリマーで被覆されており、前記カチオン重合性モノマーの一部に、イオン交換基及びキレート基の少なくともいずれかを含む官能性化合物が付加反応してなる。
本発明の結晶性ポリマー微孔性膜の製造方法は、親水化処理工程と、付加反応処理工程とを含み、非対称加熱工程、延伸工程、結晶性ポリマーフィルム作製工程、更に必要に応じてその他の工程を含んでなる。
以下、本発明の結晶性ポリマー微孔性膜及び結晶性ポリマー微孔性膜の製造方法について詳細に説明する。
また、前記結晶性ポリマーからなるフィルムは、結晶性ポリマーからなるフィルムの一方の面を加熱して、該フィルムの厚み方向に温度勾配を形成した半焼成フィルムを延伸したものであることが好ましい。
この場合、前記第1の面における平均孔径よりも平均孔径が小さい側の前記第2の面を加熱面とすることが好ましい。
前記孔部は、第1の面から第2の面への連続孔(両端が開口している)となっている。
以下においては、平均孔径が大きい側の第1の面を「非加熱面」とし、平均孔径が小さい側の第2の面を「加熱面」として説明する。これは本発明の説明をわかりやすくするために便宜的につけた呼称に過ぎない。したがって、未焼成の結晶性ポリマーフィルムのいずれの面を加熱して半焼成後に「加熱面」にしても構わない。
前記「結晶性ポリマー」とは、分子構造の中に長い鎖状の分子が規則的に並んだ結晶性領域と、規則的に並んでいない非結晶領域が混在したポリマーを意味し、このようなポリマーは物理的な処理により、結晶性が発現する。例えば、ポリエチレンフィルムを外力により延伸すると、始めは透明なフィルムが白濁する現象が認められる。これは外力によりポリマー内の分子配列が一つの方向に揃えられることによって、結晶性が発現したことに由来する。
これらの中でも、耐薬品性と扱い性の観点から、ポリアルキレン(例えば、ポリエチレン及びポリプロピレン)が好ましく、ポリアルキレンにおけるアルキレン基の水素原子がフッ素原子によって一部又は全部が置換されたフッ素系ポリアルキレンがより好ましく、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)が特に好ましい。
前記ポリエチレンは、その分岐度により密度が変化し、分岐度が多く、結晶化度が低いものが低密度ポリエチレン(LDPE)、分岐度が少なく、結晶化度の高いものが高密度ポリエチレン(HDPE)と分類され、いずれも用いることができる。これらの中でも、結晶性コントロールの点から、HDPEが特に好ましい。
また、前記結晶性ポリマー微孔性膜は、膜厚みを「10」とし、表面から深さ方向「1」の厚み部分における平均孔径をP1とし、「9」の厚み部分における平均孔径をP2としたとき、P1/P2が2〜10,000が好ましく、3〜100がより好ましい。
また、前記結晶性ポリマー微孔性膜は、非加熱面と加熱面の平均孔径の比(非加熱面/加熱面比)が5倍〜30倍が好ましく、10倍〜25倍がより好ましく、15倍〜20倍が更に好ましい。
ここで、前記露出表面には、結晶性ポリマー微孔性膜の露出している表面以外にも、孔部の周囲、孔部の内部も含まれる。
前記親水性組成物は、少なくともカチオン重合性モノマーを含み、カチオン重合開始剤、溶剤、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
前記カチオン重合性モノマーとは、カチオン種により重合を開始し得る重合性化合物を意味する。
前記カチオン重合性モノマーとしては、例えばエポキシ化合物、オキセタン化合物、ビニル化合物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記エポキシ化合物としては、脂肪族エポキシ及び脂環式エポキシのいずれも用いることができる。
前記脂肪族エポキシの市販品としては、例えば共栄社化学株式会社製エポライト100MF(トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル)、ナガセケムテックス社製EX−411、EX−313、EX−614B、日油株式会社製エピオールE400などが挙げられる。
前記脂環式エポキシの市販品としては、例えばダイセル化学工業株式会社製CEL2000、CEL3000、CEL2021Pなどが挙げられる。
前記オキセタン化合物は、分子内に4員環エーテル、即ちオキセタン環を有する化合物である。
前記オキセタン化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、1,4−ビス〔{(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ}メチル〕ベンゼン、3−エチル−3−(フェノキシメチル)オキセタン、ビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、3−エチル−3−(2−エチルヘキシロキシメチル)オキセタン)、3−エチル−〔{(3−トリエトキシシリルプロポキシ)メチル)オキセタン、オキセタニルシルセスキオキサン、フェノールノボラックオキセタンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記オキセタニルシルセスキオキサンは、オキセタニル基を有するシラン化合物であり、例えば、前記3−エチル−3−〔{(3−トリエトキシシリル)プロポキシ}メチル〕オキセタンを加水分解縮合させることにより得られる、オキセタニル基を複数有するネットワーク状ポリシロキサン化合物である。
前記オキセタン化合物の市販品としては、例えば、東亞合成株式会社製の商品名OXT−101(3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン)、OXT−211(3−エチル−3−(フェノキシメチル)オキセタン)、OXT−221(ジ[1−エチル(3−オキセタニル)]メチルエーテル)、OXT−212(3−エチル−3−(2−エチルヘキシロキシメチル)オキセタン)、などが挙げられる。
前記ビニル化合物としては、カチオン重合可能なものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばスチレン化合物、ビニルエーテル化合物、N−ビニル化合物などが挙げられる。これらの中でも、カチオン重合のしやすさの点でビニルエーテル化合物が特に好ましい。
前記スチレン化合物としては、例えばp−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、m−メトキシスチレン、α−メチル−p−メトキシスチレン、α−メチル−m−メトキシスチレンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
H2C=CH−R1−O−R2
ただし、前記式中、R1は、単結合又はアルキレン基を表し、R2は、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。
前記ビニルエーテル化合物としては、例えばメチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、ヘキシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、メチルプロペニルエーテル、エチルプロペニルエーテル、ブチルプロペニルエーテル、メチルブテニルエーテル、エチルブテニルエーテルなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
H2C=CH−NR3− 又は H2C=CH−N=
ただし、前記式中、R3は、水素原子又はアルキル基を表す。
前記N−ビニル化合物としては、例えばN−ビニルアセトアミド、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルピペリドン、N−ビニルカルバゾール、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記カチオン重合開始剤としては、熱カチオン重合開始剤及び光カチオン重合開始剤のいずれも好適に用いることができる。
前記熱カチオン重合開始剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばベンジルスルホニウム塩、チオフェニウム塩、チオラニウム塩、ベンジルアンモニウム、ピリジニウム塩、ヒドラジニウム塩、カルボン酸エステル、スルホン酸エステル、アミンイミドなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記熱カチオン重合開始剤としては、市販品を入手することが可能であり、例えば、商品名アデカプトン CP77、アデカオプトン CP77(以上、旭電化工業株式会社製)、CI−2639、CI−2624(以上、日本曹達株式会社製)、サンエイド SI−80L、サンエイド SI−100、サンエイド SI−60L(以上、三新化学工業株式会社製)などが挙げられる。
前記光カチオン重合開始剤は、可視光線、紫外線、X線、電子線などの活性エネルギー線の照射によって、カチオン種又はルイス酸を発生し、重合を開始する。
前記光カチオン重合開始剤としては、例えばスルホニウム塩系化合物、ヨウドニウム塩系化合物、などが挙げられる。
前記光増感剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばカルボニル化合物、有機硫黄化合物、過硫化物、レドックス系化合物、アゾ及びジアゾ化合物、ハロゲン化合物、光還元性色素などが挙げられ、具体的には、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、α,α−ジメトキシ−α−フェニルアセトフェノン等のベンゾイン誘導体;ベンゾフェノン、2,4−ジクロロベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン誘導体;2−クロロチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン等のチオキサントン誘導体;2−クロロアントラキノン、2−メチルアントラキノン等のアントラキノン誘導体;N−メチルアクリドン、N−ブチルアクリドン等のアクリドン誘導体;その他、α,α−ジエトキシアセトフェノン、ベンジル、フルオレノン、キサントン、ウラニル化合物、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記光増感剤の市販品としては、例えば、Anthracure(登録商標)UVS−1331(川崎化成工業株式会社製)、カヤキュアDETX−S(日本化薬株式会社製)などが挙げられる。
前記溶剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、エチレングリコール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;テトラヒドロフラン、ジオキサン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエーテル類;ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記酸化防止剤の市販品としては、例えばジブチルヒドロキシトルエン(BHT)、イルガノックス1010、イルガノックス1035FF、イルガノックス565などが挙げられる。
また、前記結晶性ポリマー微孔性膜を溶媒に抽出することができない場合には、膜ごと細かく切り刻み、KBrとまぶした状態で、IRにより測定及び解析を行うこと、及び超臨界メタノールを用いて、ポリマーを分解しつつ、そのコンポーネントをMASS、NMR、IR等で測定及び解析することで確認することができる。
このことは、以下に示す関係を満たすことからも明らかである。
図5Aに示すように、露出表面に前記少なくともカチオン重合性モノマーを含む親水性組成物を重合させてなるポリマーを被覆前の結晶性ポリマー微孔性膜の第1の面における平均孔径d3と、第2の面における平均孔径d4との比(d3/d4)と、
図5Bに示すように、露出表面に前記少なくともカチオン重合性モノマーを含む親水性組成物を重合させてなるポリマーを被覆後(親水化処理後)の結晶性ポリマー微孔性膜の第1の面における平均孔径をd3’と、第2の面における平均孔径d4’との比(d3’/d4’)とが、次式、(d3’/d4’)/(d3/d4)>1、を満たすことが好ましく、(d3’/d4’)/(d3/d4)>1.005がより好ましく、(d3’/d4’)/(d3/d4)>1.01が更に好ましい。前記(d3’/d4’)/(d3/d4)が1以下であると、粒子の目詰まり等により、寿命が極端に短くなることがある。
前記官能性化合物としては、イオン交換基及びキレート基の少なくともいずれかを含む限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、カチオン重合性モノマーとの反応性基、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
前記イオン交換基は、金属イオン等をイオン結合により捕捉する官能基である。
前記イオン交換基としては、金属イオンとイオン結合する官能基である限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スルホン酸基、リン酸基、カルボキシル基等のカチオン交換基、1級アミノ基、2級アミノ基、3級アミノ基、4級アミノ基、4級アンモニウム塩基等のアニオン交換基、などが挙げられる。
前記キレート基は、金属イオン等をキレート(配位)結合により捕捉する官能基である。
前記キレート基としては、金属イオンとキレート(配位)結合する官能基である限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ニトリロトリ酢酸誘導体(NTA)基、イミノジ酢酸基、イミノジエタノール基、アミノポリカルボン酸、アミノポリホスホン酸、ポルフィリン骨格、フタロシアニン骨格、環状エーテル、環状アミン、フェノール及びリジン誘導体、フェナンスロリン基、テルピリジン基、ビピリジン基、トリエチレンテトラアミン基、ジエチレントリアミン基、トリス(カルボキシメチル)エチレンジアミン基、ジエチレントリアミンペンタ酢酸基、ポリピラゾリルホウ酸基、1,4,7−トリアゾシクロノナン基、ジメチルグリオキシム基、ジフェニルグリオキシム基等の多座配位子、などが挙げられる。
前記カチオン重合性モノマーとの反応性基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アミノ基、ヒドロキシル基、イソシアネート基、チオール基、カルボキシル基、もしくは、それらの誘導体基で、好ましくは、アミノ基、ヒドロキシル基、もしくは、それらの誘導体基、などが挙げられる。
前記反応性基を有する化合物の具体例としては、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、ニトリロ三酢酸、ヒドロキシエチレンジアミン三酢酸、ビスヒドロキシエチルグリシン、アミノカルボキシペンチルイミノジ酢酸(同仁化学社製)、タウリン、ヒドロキシプロピルスルホン酸、ホスホリルエタノールアミン、コリン(TCI社製)、などが挙げられる。
結晶性ポリマー微孔性膜の孔壁面にカチオン重合性モノマーを被覆させ、重合させることで固定化するため、官能性化合物がカチオン重合性モノマー重合体の残存エポキシ基に付加反応することにより、非共有結合状態で、結晶性ポリマー微孔性膜に固定される。
また、官能性化合物が結晶性ポリマー微孔性膜に固定されたことは、例えば、特開2005−131482に記載の逆滴定法などにより、確認することができる。
本発明の結晶性ポリマー微孔性膜の製造方法は、親水化処理工程、付加反応処理工程、を少なくとも含み、結晶性ポリマーフィルム作製工程、非対称加熱工程、延伸工程、更に必要に応じてその他の工程を含んでなる。
結晶性ポリマーからなる未焼成の結晶性フィルムを製造する際に用いる結晶性ポリマー原料の種類としては、特に制限はなく、上述した結晶性ポリマーを好ましく用いることができる。これらの中でも、ポリエチレン又はその水素原子がフッ素原子に置換された結晶性ポリマーが使用され、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)が特に好ましい。
原料として使用する結晶性ポリマーは、数平均分子量500〜50,000,000のものが好ましく、1,000〜10,000,000のものがより好ましい。
原料として使用する結晶性ポリマーとしては、ポリエチレンが好ましく、例えば、ポリテトラフルオロエチレンを用いることができる。ポリテトラフルオロエチレンは、通常、乳化重合法により製造されたポリテトラフルオロエチレンを用いることができ、好ましくは乳化重合により得られた水性分散体を凝析することにより取得した微粉末状のポリテトラフルオロエチレンを使用する。
原料として使用するポリテトラフルオロエチレンの数平均分子量は、250万〜1000万が好ましく、300万〜800万がより好ましい。
前記ポリテトラフルオロエチレン原料としては、特に制限はなく、市場で販売されているポリテトラフルオロエチレン原料を適宜選択して使用してもよい。例えば、ダイキン工業株式会社製「ポリフロン・ファインパウダーF104U」などが好適に挙げられる。
なお、結晶性ポリマー未焼成フィルムの製造に際しては、「ポリフロンハンドブック」(ダイキン工業株式会社発行、1983年改訂版)に記載されている事項を適宜採用することができる。
前記非対称加熱工程は、結晶性ポリマーからなるフィルムの一の面を加熱して、該フィルムの厚み方向に温度勾配を形成した半焼成フィルムを形成する工程である。
ここで、前記半焼成とは、結晶性ポリマーをその焼成体の融点以上であり、かつ、その未焼成体の融点+15℃以下の温度で加熱処理することを意味する。
また、本発明において、結晶性ポリマーの未焼成体とは、焼成の加熱処理をしていないものを意味する。また、結晶性ポリマーの融点とは、結晶性ポリマー未焼成体を示差走査熱量計により測定した際に現れる吸熱カーブのピークの温度を意味する。前記焼成体の融点及び未焼成体の融点は、結晶性ポリマーの種類や平均分子量等により変化するが、50℃〜450℃が好ましく、80℃〜400℃がより好ましい。
このような温度は、以下のように考えることができる。例えば、結晶性ポリマーがポリテトラフルオロエチレンである場合には、焼成体の融点が約324℃で未焼成体の融点が約345℃である。従って、半焼成体にするには、ポリテトラフルオロエチレンフィルムの場合、327℃〜360℃が好ましく、335℃〜350℃がより好ましく、例えば345℃の温度に加熱する。半焼成体は、融点約324℃のものと融点約345℃のものが混在している状態である。
また、結晶性ポリマーからなるフィルムの厚み方向の温度勾配としては、非加熱面と加熱面の温度差は30℃以上が好ましく、50℃以上であることがより好ましい。
前記加熱方法としては、特に制限はされないが、フィルムの表面に加熱物を接触させる方法、赤外線照射が特に好ましい。加熱物としては、加熱ロールを選択することが特に好ましい。加熱ロールであれば、工業的に流れ作業で連続的に半焼成を行うことができ、しかも温度制御や装置のメンテナンスも容易である。加熱ロールの温度は、上記の半焼成体にする際の温度に設定することができる。加熱ロールにフィルムを接触させる時間は、目的とする半焼成が十分に進行するのに必要な時間であり、30秒間〜120秒間が好ましく、45秒間〜90秒間がより好ましく、60秒間〜80秒間が更に好ましい。
前記赤外線の一般的な定義は「実用赤外線」(人間と歴史社、1992年発行)を参考にすることができる。本発明において、前記赤外線とは、波長が0.74μm〜1,000μmの電磁波を意味し、そのうち波長が0.74μm〜3μmの範囲を近赤外線とし、波長が3μm〜1,000μmの範囲を遠赤外線とする。
前記赤外線の装置の種類としては、目的の波長の赤外線が照射できれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、一般的に、近赤外線は電球(ハロゲンランプ)、遠赤外線はセラミック、石英、金属酸化面などの発熱体を用いることができる。
また、赤外線照射であれば、工業的に流れ作業で連続的に半焼成を行うことができ、しかも温度制御や装置のメンテナンスも容易である。また非接触であるため、クリーン、かつ毛羽立ちのような欠陥が生じることがない。
前記赤外線照射によるフィルム表面温度は、赤外線照射装置の出力、赤外線照射装置とフィルム表面の距離、照射時間(搬送速度)、雰囲気温度で制御でき、上記の半焼成体にする際の温度に設定することができるが、327℃〜380℃が好ましく、335℃〜360℃がより好ましい。前記表面温度が、327℃未満であると、結晶状態が変化せず、孔径制御ができなくなることがあり、380℃を超えると、フィルム全体が溶融することにより過度に形状が変形したり、ポリマーの熱分解が生じることがある。
前記赤外線の照射時間は、特に制限はなく、目的とする半焼成が十分に進行するのに必要な時間であり、30秒間〜120秒間が好ましく、45秒間〜90秒間がより好ましく、60秒間〜80秒間が更に好ましい。
連続的にフィルムの加熱面を加熱する場合には、フィルムの加熱面と非加熱面とで温度勾配を保持するため、加熱面の加熱と同時に非加熱面を冷却することが好ましい。
前記非加熱面を冷却する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば冷風を吹き付ける方法、冷媒に接触させる方法、冷却した材料に接触させる方法、放冷による冷却等の種々の方法が使用でき、好ましくは、フィルムの非加熱面に冷却物を接触させることにより行う。冷却物としては、冷却物としては、冷却ロールを選択することが特に好ましい。冷却ロールであれば、加熱面の加熱と同様に、工業的に流れ作業で連続的に半焼成を行うことができ、しかも温度制御や装置のメンテナンスも容易である。冷却ロールの温度は、上記の半焼成体にする際の温度と差を生じさせるように設定することができる。冷却ロールにフィルムを接触させる時間は、目的とする半焼成が十分に進行するのに必要な時間であり、加熱工程と同時進行で行うことを前提とすると、通常30秒間〜120秒間であり、好ましくは45秒間〜90秒間であり、より好ましくは60秒間〜80秒間である。
加熱ロール及び冷却ロールの表面材質は、一般に耐久性に優れるステンレス鋼とすることができ、特にSUS316を挙げることができる。本発明の製造方法では、フィルムの非加熱面を加熱及び冷却ロールに接触させることが好ましいが、該加熱及び冷却ロールよりも低い温度に設定されたローラーをフィルムの加熱面に接触させても構わない。例えば、常温に維持されたローラーをフィルム加熱面から圧接させて、フィルムを加熱ロールにフィットさせるようにしてもよい。また、加熱ロールに接触させる前又は後において、フィルムの加熱面をガイドロールに接触させても構わない。
また、前記非対称加熱工程を間欠的に行う場合にも、フィルムの加熱面を間欠的に加熱及び非加熱面を冷却して、非加熱面の温度上昇を抑制することが好ましい。
半焼成したフィルムは、次いで延伸することが好ましい。延伸は、長手方向と幅方向の両方について行うことが好ましい。長手方向と幅方向について、それぞれ逐次延伸を行ってもよいし、同時に二軸延伸を行ってもよい。
長手方向と幅方向について、それぞれ逐次延伸を行う場合には、まず、長手方向の延伸を行ってから幅方向の延伸を行うことが好ましい。
前記長手方向の延伸倍率は、4倍〜100倍が好ましく、8倍〜90倍がより好ましく、10倍〜80倍が更に好ましい。長手方向の延伸温度は、100℃〜300℃が好ましく、200℃〜290℃がより好ましく、250℃〜280℃が特に好ましい。
前記幅方向の延伸倍率は、10倍〜100倍が好ましく、12倍〜90倍がより好ましく、15倍〜70倍が更に好ましく、20倍〜40倍が特に好ましい。幅方向の延伸温度は、100℃〜300℃が好ましく、200℃〜290℃がより好ましく、250℃〜280℃が特に好ましい。
面積延伸倍率は、50倍〜300倍が好ましく、75倍〜280倍がより好ましく、100倍〜260倍が更に好ましい。延伸を行う際には、予め延伸温度以下の温度にフィルムを予備加熱しておいてもよい。
前記親水化処理工程は、フィルムの露出表面に、少なくともカチオン重合性モノマーを含む親水性組成物を付与し、該親水性組成物を重合させる工程である。
前記親水化処理工程を含む結晶性ポリマー微孔性膜の製造方法によれば、紫外線レーザー、ArFレーザーの照射処理、化学エッチング処理などを行うことなく親水化処理することができ、効率的に親水性の前記結晶性ポリマー微孔性膜を製造することができ、かつ親水性、濾過流量、及び濾過寿命に優れた結晶性ポリマー微孔性膜を製造することができる。
前記少なくともカチオン重合性モノマーを含む親水性組成物が、熱カチオン重合開始剤を含有する場合には、加熱処理により、前記親水性組成物をカチオン重合させて、フィルムの露出表面にポリマーが被覆される。
前記加熱処理における温度としては、50℃〜200℃が好ましく、60℃〜180℃がより好ましく、70℃〜160℃が特に好ましい。
前記加熱処理における時間としては、1分間〜120分間が好ましく、1分間〜100分間がより好ましく、1分間〜80分間が特に好ましい。
前記紫外線照射処理の照度条件は、1.0×102mJ/cm2〜1.0×105mJ/cm2の範囲であることが好ましく、5.0×102mJ/cm2〜5.0×104mJ/cm2であることがより好ましい。
前記付加反応工程は、カチオン重合性モノマーの一部に、イオン交換基及びキレート基の少なくともいずれかを含む官能性化合物を付加反応させる工程である。
前記加熱処理における温度としては、50℃〜200℃が好ましく、60℃〜180℃がより好ましく、50℃〜160℃が特に好ましい。
前記加熱処理における時間としては、0.5分間〜300分間が好ましく、0.75分間〜200分間がより好ましく、1分間〜100分間が特に好ましい。
本発明の濾過用フィルタは、本発明の前記結晶性ポリマー微孔性膜を有することを特徴とする。
本発明の結晶性ポリマー微孔性膜を濾過用フィルタとして用いるときは、その非加熱面(平均孔径が大きい面)をインレット側として濾過を行う。即ち、ポアサイズの大きな表面側をフィルタの濾過面に使用する。このように、平均孔径が大きい面(非加熱面)をインレット側として濾過を行うことにより、効率よく微粒子を捕捉することができる。
また、本発明の結晶性ポリマー微孔性膜は比表面積が大きいため、その表面から導入された微細粒子が最小孔径部分に到達する以前に吸着又は付着によって除かれる。したがって、目詰まりを起こしにくく、長期間にわたって高い濾過効率を維持することができる。
本発明の濾過用フィルタの形状としては、ろ過膜をひだ折りするプリーツ型、ろ過膜をのり巻き状にするスパイラル型、円板状のろ過膜を積層させるフレーム・アンド・プレート型、ろ過膜を管状にするチューブ型などがある。これらの中でも、カートリッジあたりのフィルタのろ過に使用する有効表面積を増大させることができる点から、プリーツ型が特に好ましい。
また、劣化したろ過膜を取り換える際にフィルターエレメントのみを取り換えるエレメント交換式フィルターカートリッジと、フィルターエレメントをろ過ハウジングと一体に加工しハウジングごと使い捨てのタイプにしたカプセル式のフィルターカートリッジとに分類される。
図2はカプセル式フィルターカートリッジのハウジングに組込まれる前の精密ろ過膜フィルターエレメントの全体構造を示す展開図である。精密ろ過膜2は2枚のサポート1、3によってサンドイッチされた状態でひだ折りされ、集液口を多数有するフィルターエレメントコア7の廻りに巻き付けられている。その外側にはフィルターエレメントカバー6があり、精密ろ過膜を保護している。円筒の両端には上部エンドプレート4、下部エンドプレート5により、精密ろ過膜がシールされている。
図3は、フィルターエレメントがハウジングに組込まれて一体化されたカプセル式のプリーツフィルターカートリッジの構造を示す。フィルターエレメント10はハウジングベースとハウジングカバーよりなるハウジング内に組込まれている。下部エンドプレートはOリング8を介してハウジングベース中心部にある集水管(不図示)にシールされている。液体は液入口ノズルからハウジング内に入り、フィルターメディア9を通過し、フィルターエレメントコア7の集液口から集められ、液出口ノズル14から排出される。ハウジングベースとハウジングカバーは通常溶着部17で液密に熱融着される。
<結晶性ポリマー微孔性膜(1)の作製>
−半焼成フィルムの作製−
数平均分子量が620万のポリテトラフルオロエチレンファインパウダー(ダイキン工業株式会社製、「ポリフロン・ファインパウダーF104U」)100質量部に、押出助剤として炭化水素油(エッソ石油株式会社製、「アイソパー」)27質量部を加え、丸棒状にペースト押出しを行った。これを、70℃に加熱したカレンダーロールにより50m/分の速度でカレンダー掛けして、ポリテトラフルオロエチレンフィルムを作製した。
次に、得られたポリテトラフルオロエチレンフィルムを250℃の熱風乾燥炉に通して押出助剤を乾燥除去し、平均厚み100μm、平均幅150mm、比重1.55のポリテトラフルオロエチレン未焼成フィルムを作製した。
次に、得られたポリテトラフルオロエチレン未焼成フィルムの一の面(加熱面)を345℃に加熱したロール(表面材質:SUS316)で1分間加熱して、半焼成フィルムを作製した。
20質量%のエポキシ化合物(デナコールEX411、ナガセケムテックス社製)、1.0質量%の官能性化合物としてのヒドロキシエチレンジアミン三酢酸(同仁化学社製)、及び1.0質量%のカチオン重合開始剤(SI100、三新化学株式会社製)を含むメタノール/水混合溶液(メタノールと水との質量比=90質量%:10質量%)に、前記延伸フィルムを10分間浸漬し、引き上げた延伸フィルムを、大気下、150℃で30分間アニール処理を行った。その後、処理後のフィルムをメタノールに30分間浸漬し、洗浄を行い、乾燥した。以上により、結晶性ポリマー微孔性膜(1)を作製した。
<結晶性ポリマー微孔性膜(2)の作製>
実施例1において、下記の親水化処理及び付加反応処理方法に代えた以外は、実施例1と同様にして、結晶性ポリマー微孔性膜(2)を作製した。
−親水化処理及び付加反応処理−
15質量%のエポキシ化合物(E400、日油株式会社製)、5質量%のオキセタン化合物(OXT101、東亜合成株式会社製)、1.0質量%の官能性化合物(ヒドロキシエチレンジアミン三酢酸、同仁化学社製)、及び1.0質量%のカチオン重合開始剤(SI100、三新化学株式会社製)を含むメタノール/水混合溶液(メタノールと水との質量比=90質量%:10質量%)に、前記延伸フィルムを10分間浸漬し、引き上げた該延伸フィルムを、大気下、150℃で30分間アニール処理を行った。その後、処理後のフィルムを沸騰水に30分間浸漬し、洗浄を行い、乾燥させた。
<結晶性ポリマー微孔性膜(3)の作製>
実施例1において、下記の親水化処理及び付加反応処理に代えた以外は、実施例1と同様にして、結晶性ポリマー微孔性膜(3)を作製した。
−親水化処理及び付加反応処理−
20質量%のエポキシ化合物(デコナールEX411、ナガセケムテックス社製)及び1.0質量%のカチオン重合開始剤(SI100、三新化学株式会社製)を含むメタノール溶液に、前記延伸フィルムを10分間浸漬し、引き上げた該延伸フィルムを、大気下で120℃60分間アニール処理を行った。続いて、1.0質量%の官能性化合物(ヒドロキシエチレンジアミン三酢酸、同仁化学社製)水溶液に、前記アニール処理した延伸フィルムを10分間浸漬させ、引き上げた該延伸フィルムを、大気下で150℃10分間アニール処理を行った。その後、処理後のフィルムをメタノールで30分間浸漬し、洗浄を行い、乾燥させた。
<結晶性ポリマー微孔性膜(4)の作製>
実施例1において、延伸フィルムの代わりにポリテトラフルオロエチレン微孔性膜(ジャパンゴアテックス製:対称膜)を用い、下記の親水化処理及び付加反応処理に代えた以外は、実施例1と同様にして、結晶性ポリマー微孔性膜(4)を作製した。
−親水化処理及び付加反応処理−
20質量%のエポキシ化合物(デコナールEX411、ナガセケムテックス社製)及び1.0質量%のカチオン重合開始剤(SI100、三新化学株式会社製)を含むメタノール溶液に、前記ポリテトラフルオロエチレン微孔性膜(ジャパンゴアテックス製:対称膜)を10分間浸漬し、引き上げた該ポリテトラフルオロエチレン微孔性膜を、大気下で120℃60分間アニール処理を行った。続いて、1.0質量%の官能性化合物(ヒドロキシエチレンジアミン三酢酸、同仁化学社製)水溶液に、前記アニール処理したポリテトラフルオロエチレン微孔性膜を10分間浸漬させ、引き上げた該ポリテトラフルオロエチレン微孔性膜を、大気下で150℃10分間アニール処理を行った。その後、処理後のフィルムをメタノールで30分間浸漬し、洗浄を行い、乾燥させた。
−結晶性ポリマー微孔性膜(5)の作製−
実施例1において、親水化処理及び付加反応処理を行わない以外は、実施例1と同様にして、ポリテトラフルオロエチレンの非対称孔膜からなる、結晶性ポリマー微孔性膜(5)を作製した。
−結晶性ポリマー微孔性膜(6)の作製−
実施例1において、延伸フィルムの代わりにポリテトラフルオロエチレン微孔性膜(ジャパンゴアテックス製:対称膜)を用い、親水化処理及び付加反応処理を下記の親水化処理に代えた以外は、実施例1と同様にして、親水性ポリテトラフルオロエチレンの対称孔を有する膜からなる、結晶性ポリマー微孔性膜(6)を作製した。
−親水化処理−
20質量%のエポキシ化合物(デコナールEX411、ナガセケムテックス社製)、及び1.0質量%のカチオン重合開始剤(SI100、三新化学株式会社製)を含むメタノール溶液に、ポリテトラフルオロエチレン微孔性膜(ジャパンゴアテックス社製:対称孔膜)を10分間浸漬し、引き上げた該微孔性膜を、大気下、150℃で30分間アニール処理を行った。その後、処理後のフィルムをメタノールに30分間浸漬及び洗浄を行い、乾燥させた。
実施例1〜4及び比較例1〜2における各結晶性ポリマー微孔性膜を該結晶性ポリマー微孔性膜の長手方向に沿って裁断し、該結晶性ポリマー微孔性膜の厚み方向における裁断面を、走査型電子顕微鏡(日立S−4000型、蒸着は日立E1030型、いずれも日立製作所製)で膜表面の写真(SEM写真、倍率1,000倍〜5,000倍)をとり、得られた写真を画像処理装置(本体名:日本アビオニクス株式会社製、TVイメージプロセッサTVIP−4100II、制御ソフト名:ラトックシステムエンジニアリング株式会社製、TVイメージプロセッサイメージコマンド4198)に取り込んで結晶性ポリマー繊維のみからなる像を得た。得られた像について100個の孔径を測定し、演算処理することにより、平均孔径を求めた。
図4Aは、比較例2におけるポリマー被覆前(親水化処理前)の対称孔を有する結晶性ポリマー微孔性膜の裁断面を模式的に示す図である。
この図4Aにおけるポリマー被覆前(親水化処理前)の対称孔を有する結晶性ポリマー微孔性膜の第1の面における平均孔径をd1とし、第2の面における平均孔径をd2としたとき、観察したSEM像におけるd1とd2との比(d1/d2)は、1.0であった。
図4Bは、比較例2におけるポリマー被覆後(親水化処理後)の対称孔を有する結晶性ポリマー微孔性膜の裁断面を模式的に示す図である。
この図4Bにおけるポリマー被覆後(親水化処理後)の対称孔を有する結晶性ポリマー微孔性膜の第1の面における平均孔径をd1’とし、第2の面における平均孔径をd2’としたとき、観察したSEM像におけるd1’とd2’との比(d1’/d2’)は、1.0であった。
したがって比較例2における(d1’/d2’)/(d1/d2)は、1.0であった。このように非対称加熱処理を行っていない比較例2の対称孔を有する結晶性ポリマー微孔性膜では、ポリマー被覆(親水化処理)前後での比(d1/d2)と比(d1’/d2’)とに変化がないことが分かった。
この図5Aにおけるポリマー被覆前(親水化処理前)の非対称孔を有する結晶性ポリマー微孔性膜の第1の面における平均孔径をd3とし、第2の面における平均孔径をd4としたとき、観察したSEM像におけるd3とd4との比(d3/d4)は、15であった。
図5Bは、実施例1におけるポリマー被覆後(親水化処理後)の非対称孔を有する結晶性ポリマー微孔性膜の裁断面を模式的に示す図である。
この図5Bにおけるポリマー被覆後(親水化処理後)の非対称孔を有する結晶性ポリマー微孔性膜の第1の面における平均孔径をd3’とし、第2の面における平均孔径をd4’としたとき、観察したSEM像におけるd3’とd4’との比(d3’/d4’)は、18.5であった。
したがって実施例1における(d3’/d4’)/(d3/d4)は、1.23であった。
この結果は、SEM像観察前の予想に反し、結晶性ポリマー膜50の平均孔径が第1の面から第2の面に向かって平均孔径が連続的に変化することに加え、少なくともカチオン重合性モノマーを含む親水性組成物を重合させてなるポリマーを用いた親水化処理後における親水性の被覆部55の厚みが、第1の面から第2の面に向かって厚みが更に減少する方向に連続的に変化することに基づくものである。これは、少なくともカチオン重合性モノマーを含む親水性組成物を重合させてなるポリマーを、結晶性ポリマー性微孔膜の第2の面(加熱面)側の緻密部分にいくほど、第1の面(非加熱面)側の粗濾過部分よりも厚く付着させることができ、第1の面から第2の面に向かって平均粒径が連続的に変化する程度が大きい、顕著な非対称構造を形成できるためであると考えられる。
このような結果から、実施例1における結晶性ポリマー微孔性膜においては、親水性に優れることに加え、第1の面における平均孔径と、第2の面における平均孔径との比を大きくとることができるので、目詰まりまでの濾過寿命(濾過流量)を大幅に改善できることが明らかになった。
同様に、実施例3では、d3/d4=15の非対称孔を有する膜に対して、親水化処理後、d3’/d4’=16.4となり、(d3’/d4’)/(d3/d4)=1.09であった。
同様に、実施例4では、d1/d2=1.0の対称孔を有する膜に対して、親水化処理後、d1’/d2’=1.0となり、(d1’/d2’)/(d1/d2)=1.0であった。
同様に、比較例1では、d1/d2=15の非対称孔を有する膜に対して、親水化処理を行っていないので、孔径の変化はなかった。
次に、作製した実施例1〜4及び比較例1〜2の各結晶性ポリマー微孔性膜について、親水性を評価した。
各結晶性ポリマー微孔性膜の親水性は、特許第3075421号公報を参考にして評価した。具体的には、以下のようにして評価した。
初期親水性は、高さ5cmのところから水滴をサンプル表面に落とし、水滴が吸収されるかどうかについて、下記基準で評価した。結果を表1に示す。
〔評価基準〕
A:即時に吸収した
B:自然に吸収した
C:加圧してのみ吸収あるいは、吸収されないが接触角は減少した
D:吸収されない。即ち、水を撥ねる。このD評価は多孔性フッ素樹脂材料に特有である
実施例1〜4及び比較例1〜2の各結晶性ポリマー微孔性膜について、濾過テストを行った。まず、ポリスチレンラテックス(平均粒子サイズ1.5μm)を0.01質量%含有する水溶液を、差圧10kPaとして、濾過し、目詰まるまでの透過量を表1に示す。
実施例1〜4及び比較例1〜2の各結晶性ポリマー微孔性膜について、以下のようにして流量テストを行った。
流量測定は、JIS K3831に従い以下の条件で行った。試験方法の種類は「加圧
濾過試験方法」を用い、サンプルは直径13mmの円形に切り出し、ステンレス製のホル
ダーにセットして測定を行った。試験液としてはイオン交換水を用い、圧力10KPaにおいて100mLの試験液を濾過するのに要した時間を測り、流量(L/min・m2)を計算した。結果を表1に示す。
また、濾過テストにおいては、比較例1のPTFE微孔性膜は、親水性がなく、測定不能であった。また、比較例2は、60mL/cm2を超えなかった。
これに対し、実施例1〜4の各結晶性ポリマー微孔性膜は、イソプロパノールによるプレ親水化処理が不要で、かつ60mL/cm2以上まで濾過が可能であり、本発明の結晶性ポリマー微孔性膜を用いることにより濾過寿命が改善されることが分かった。
また、流量テストにおいても、比較例1のPTFE微孔性膜は、親水性がなく、測定不可能であり、比較例2は、100L/min・m2を超えなかった。これに対し、実施例1〜4の各結晶性ポリマー微孔性膜は、100L/min・m2以上で、本発明の結晶性ポリマー微孔性膜を用いることにより、大幅に流量が向上することが判った。
濾過寿命及び流量が改善される理由としては、泡透過能が向上して、泡による目詰まりが減少することによるものと考えられる。
実施例1〜4及び比較例1〜2の各結晶性ポリマー微孔性膜に対し、200mLの水を100kPaの圧力条件下で通す過程を5回繰り返した。乾燥は、1回通すごとに行った。
耐水性の評価は、以上の過程を経た実施例1〜4及び比較例1〜2における結晶性ポリマー微孔性膜に対し、前記親水性の評価における判断基準(A〜D)に基づき評価することで行った。結果を表2に示す。
耐酸性の評価は、実施例1〜4及び比較例1〜2の各結晶性ポリマー微孔性膜を、1N塩酸水溶液に80℃の温度条件下で5時間浸漬させた後、前記親水性の評価における判断基準(A〜D)に基づき評価することで行った。結果を表2に示す。
耐アルカリ性の評価は、実施例1〜4及び比較例1〜2の各結晶性ポリマー微孔性膜を、1N水酸化ナトリウム水溶液に80℃の温度条件下で5時間浸漬させた後、前記親水性の評価における判断基準(A〜D)に基づき評価することで行った。結果を表2に示す。
イオン吸着性能の評価は、実施例1〜4及び比較例1〜2の各結晶性ポリマー微孔性膜について、特開平2−187136号公報を参考にした。具体的には、10ppmの各金属イオン(塩化銅、塩化ニッケル)含有水溶液を50mL調製し、実施例1〜4及び比較例1〜2における各結晶性ポリマー微孔性膜に、該水溶液を透過させ、透過後の水溶液中に含まれる金属イオン濃度を測定することにより行った。結果を表3に示す。
−フィルターカートリッジ化−
ポリプロピレン不織布2枚の間に、実施例1で作製した結晶性ポリマー微孔性膜を挟んで、ひだ幅10.5mmにプリーツし、その138山分のひだをとって円筒状に丸め、その合わせ目をインパルスシーラーで溶着した。円筒の両端2mmずつを切り落とし、その切断面をポリプロピレン性のエンドプレートに熱溶着してエレメント交換式のフィルターカートリッジに仕上げた。
作製した本発明のフィルターカートリッジは、内蔵する結晶性ポリマー微孔性膜が親水性であるため、水系の処理において煩雑なプレ親水化処理が不要である。また、結晶性ポリマーを用いているため耐溶剤性に優れる。更に孔部が非対称構造を有するため、大流量かつ目詰まりを起こしにくく長寿命であった。
2 精密ろ過膜
3 二次側サポート
4 上部エンドプレート
5 下部エンドプレート
6 フィルターエレメントカバー
7 フィルターエレメントコア
8 Oリング
9 フィルターメディア
10 フィルターエレメント
11 ハウジングカバー
12 ハウジングベース
13 液入口ノズル
14 液出口ノズル
15 エアーベント
16 ドレン
17 溶着部
101 外周カバー
102 膜サポート
103 精密ろ過膜
104 膜サポート
105 コアー
106a、106b エンドプレート
107 ガスケット
108 液体出口
Claims (15)
- 露出表面の少なくとも一部が、少なくともカチオン重合性モノマーを含む親水性組成物を重合させてなるポリマーで被覆されており、
前記カチオン重合性モノマーの一部に、イオン交換基及びキレート基の少なくともいずれかを含む官能性化合物が付加反応してなることを特徴とする結晶性ポリマー微孔性膜。 - カチオン重合性モノマーが、エポキシ化合物、オキセタン化合物、及びビニル化合物から選択される少なくとも1種である請求項1に記載の結晶性ポリマー微孔性膜。
- 官能性化合物が、カチオン重合性モノマーとの反応性基を含む請求項1から2のいずれかに記載の結晶性ポリマー微孔性膜。
- カチオン重合性モノマーとの反応性基が、アミノ基及びヒドロキシル基のいずれかである請求項1から3のいずれかに記載の結晶性ポリマー微孔性膜。
- 第1の面における平均孔径が、第2の面における平均孔径よりも大きく、かつ前記第1の面から前記第2の面に向かって平均孔径が連続的に変化する複数の孔部を有する請求項1から4のいずれかに記載の結晶性ポリマー微孔性膜。
- 露出表面にポリマーを被覆前の結晶性ポリマー微孔性膜の第1の面における平均孔径d3と、第2の面における平均孔径d4との比(d3/d4)と、
露出表面にポリマーを被覆後の結晶性ポリマー微孔性膜の第1の面における平均孔径をd3’と、第2の面における平均孔径d4’との比(d3’/d4’)とが、次式、(d3’/d4’)/(d3/d4)>1、を満たす請求項5に記載の結晶性ポリマー微孔性膜。 - 結晶性ポリマーからなるフィルムの露出表面に、少なくともカチオン重合性モノマーを含む親水性組成物を付与し、該親水性組成物を重合させる親水化処理工程と、
前記カチオン重合性モノマーの一部に、イオン交換基及びキレート基の少なくともいずれかを含む官能性化合物を付加反応させる付加反応処理工程と、
を含むことを特徴とする結晶性ポリマー微孔性膜の製造方法。 - 結晶性ポリマーからなるフィルムの一の面を加熱して、該フィルムの厚み方向に温度勾配を形成した半焼成フィルムを形成する非対称加熱工程と、
前記半焼成フィルムを延伸する延伸工程と、
を更に含む請求項7に記載の結晶性ポリマー微孔性膜の製造方法。 - カチオン重合性モノマーが、エポキシ化合物、オキセタン化合物、及びビニル化合物から選択される少なくとも1種である請求項7から8のいずれかに記載の結晶性ポリマー微孔性膜の製造方法。
- 官能性化合物が、カチオン重合性モノマーとの反応性基を含む請求項7から9のいずれかに記載の結晶性ポリマー微孔性膜の製造方法。
- カチオン重合性モノマーとの反応性基が、アミノ基及びヒドロキシル基のいずれかである請求項7から10のいずれかに記載の結晶性ポリマー微孔性膜の製造方法。
- 付加反応処理における付加反応が、加熱処理で行われる請求項7から11のいずれかに記載の結晶性ポリマー微孔性膜の製造方法。
- 親水化処理における重合と付加反応処理における付加反応とが同時に行われる請求項7から12のいずれかに記載の結晶性ポリマー微孔性膜の製造方法。
- 親水化処理における重合と付加反応処理における付加反応とが逐次に行われる請求項7から12のいずれかに記載の結晶性ポリマー微孔性膜の製造方法。
- 請求項1から6のいずれかに記載の結晶性ポリマー微孔性膜を有することを特徴とする濾過用フィルタ。
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