JP5054623B2 - 形状測定装置 - Google Patents

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Description

本発明は,半導体ウェハ等の被測定物の厚みを非接触で測定する形状測定装置に関するものである。
薄板状の半導体ウェハ(被測定物の一例,以下,ウェハという)の形状測定において,光干渉計を用いた非接触型の形状測定装置が普及している。光干渉計を用いた形状測定によれば,非接触でウェハの表面形状を測定でき,ウェハ表面に傷等を生じさせることなくその表面形状を測定できる。ウェハの形状測定では,その表面全体に渡る形状を測定する必要があるため,一般に,ウェハ周辺のエッジ部を支持(通常は3点支持)した状態で測定がなされる。
ところで,ウェハのような薄板状(例えば,厚みが1mm未満)の被測定物をそのエッジ部のみで支持した場合,わずかな風圧や他の機械の振動等によってウェハが振動する。この振動は,非常に高い測定精度(例えば,誤差20nm以下)が要求されるウェハの形状測定においては,無視できない振幅の振動となる。このようなウェハの振動を防止するため,特許文献1には,透明な剛体をウェハに近接して配置することにより,ウェハの振動を抑制する方法が示されている。しかし,この方法では,透明な剛体を光路に挿入することによって干渉光に乱れが生じるおそれがあるという問題点があった。
また,特許文献2には,光をウェハ1の主面及び主面側の参照面のそれぞれに照射するよう分光するとともに,それらの反射光である物体光(測定光)及び参照光による干渉光を,プリズム等によりウェハの裏面側へ導き,その干渉光に含まれる物体光及び参照光それぞれを,再度ウェハの裏面及び裏面側の参照面それぞれへ分光し,それらの反射光による干渉光を,干渉画像を検出するための受光器に出射する形状測定装置が示されている。
特許文献2に示される発明によれば,振動によって生じる被測定物の変位分が主面側と裏面側とで相殺され,被測定物の振動の影響を受けずに高精度な厚み測定が可能となる。また,光路に光学系以外のものが挿入されないので,干渉光に乱れを生じさせることもない。
特開2002−5640号公報 特開2003−329422号公報
しかしながら,特許文献2に示される発明においても,より高い測定精度が要求された場合に,干渉光を主面側から裏面側へ導く光の伝送経路(空気,プリズム,光ファイバなど)において,物体光及び参照光それぞれの経路のずれが生じないよう光学機器を高精度で調整することが手間であるという課題が生じ得る。
ところで,被測定物の形状を光学的に高精度で測定するにあたり,ロックインアンプ等の位相検波器によって2つの光の位相差を検出し,その位相差を被測定物の形状値に換算することが行われる。
しかしながら,位相検波器は,図10に示されるように,光の検出信号である入力信号の振幅が大きく変化すると,それに応じて出力値(位相差)に誤差が生じてしまう特性を有する場合がある。
図10は,位相検波器における2つの入力信号(光検出器の検出信号)のうちの一方の入力信号の振幅と出力信号の値(2つの入力信号の位相差)との関係の一例を表すグラフである。
図10において,一点鎖線で示される値が2つの入力信号の真の位相差であり,その真の位相差と検出値(出力信号の値)との差が検出誤差である。
図10に示される特性はあくまで一例であり,2つの入力信号の振幅と出力信号の値との間の具体的な関係は,位相検波器ごとに固有の関係であり,再現性がある。なお,図10において,他方の入力信号の振幅は一定に調節されている。
形状測定に用いられる光の強度は,被測定物の表面の反射率のばらつきや,光源の出力のばらつき等の様々なノイズ要因によって変動し得る。そのため,被測定物の形状測定に位相検波器を用いる場合,図10に示されるような位相検波器の特性によって測定誤差が生じることを回避する必要がある。
従って,本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり,その目的とするところは,被測定物の振動やその他のノイズ要因の影響を排除して被測定物の厚みを簡易に高精度で測定できる形状測定装置を提供することにある。
上記目的を達成するために本発明は,例えば薄板状の半導体ウェハ等の被測定物の厚みを非接触で測定するために用いられ,以下の(1)〜(6)に示される各構成要素を備えた形状測定装置である。
(1)所定の光源から出射されるそれぞれ周波数が異なる第1の測定光及び第2の測定光のそれぞれを分岐させて前記被測定物の表裏相対する部位であるおもて面の測定部位及びうら面の測定部位の各方向へ導く導光手段。
(2)前記おもて面の測定部位の方向へ導かれた前記第1の測定光を前記おもて面の測定部位に照射させるとともに,前記おもて面の測定部位の方向へ導かれた前記第2の測定光を第1の参照面に照射させ,前記おもて面の測定部位からの前記第1の測定光の反射光であるおもて面側物体光と前記第1の参照面からの前記第2の測定光の反射光であるおもて面側参照光とを干渉させ,その干渉光の強度信号を出力するおもて面側のヘテロダイン干渉計。
(3)前記うら面の測定部位の方向へ導かれた前記第2の測定光を前記うら面の測定部位に照射させるとともに,前記うら面の測定部位の方向へ導かれた前記第1の測定光を第2の参照面に照射させ,前記うら面の測定部位からの前記第2の測定光の反射光であるうら面側物体光と前記第2の参照面からの前記第1の測定光の反射光であるうら面側参照光とを干渉させ,その干渉光の強度信号を出力するうら面側のヘテロダイン干渉計。
(4)前記おもて面側のヘテロダイン干渉計及び前記うら面側のヘテロダイン干渉計のそれぞれから出力される強度信号の位相差を検出する第1の位相検波手段。
(5)前記おもて面側のヘテロダイン干渉計及び前記うら面側のヘテロダイン干渉計それぞれから出力される強度信号の振幅又はその指標値を測定する振幅測定手段。
(6)前記第1の位相検波手段により検出された前記位相差を前記振幅測定手段の測定値に応じて補正し,補正後の位相差を前記被測定物の厚みに相当する第1の測定値として出力する位相補正手段。
周知のヘテロダイン干渉計の原理により,前記おもて面側のヘテロダイン干渉計の出力信号は,前記被測定物における前記おもて面の測定部位の表面位置(高さ)に応じてその位相が定まるが,その信号の位相には,前記おもて面の測定部位自体の形状の成分と,その被測定物の振動による変位量の成分とが反映される。
同様に,前記うら面側のヘテロダイン干渉計の出力信号の位相には,前記うら面の測定部位自体の形状の成分と,その被測定物の振動による変位量の成分とが反映される。
また,前記おもて面側のヘテロダイン干渉計と前記うら面側のヘテロダイン干渉計とでは,前記第1の測定光及び前記第2の測定光のいずれを参照光又は物体光とするかの対応関係が逆になっている。即ち,被測定物の一方の面(おもて面)において物体光となっている前記第1の測定光が,他方の面(うら面)において参照光となっており,前記一方の面において参照光となっている前記第2の測定光が,前記他方の面において物体光となっている。
このため,前記第1の位相検波手段により検出される位相差は,後述する(e1)式〜(e3)式に示されるように,前記被測定物の振動による変位量の成分が相殺され,前記おもて面の測定部位自体の形状の成分及び前記うら面の測定部位自体の形状の成分のみが反映された変位量,即ち,前記被測定物における前記おもて面の測定部位及び前記うら面の測定部位の位置の厚みに相当する測定値となる。
また,前記第1の位相検波手段は,図10に示されるように,光の検出信号である入力信号の振幅が大きく変化すると,それに応じて出力値(位相差)が大きく変化してしまう特性を有する場合がある。
これに対し,本発明においては,前記振幅測定手段及び前記位相補正手段により,前記第1の位相検波手段に入力される信号(干渉光の強度信号)の振幅に応じて前記第1の位相検波手段の検出結果(位相差)が適切に補正される。これにより,図10に示されるような前記第1の位相検波手段の固有の特性によって測定誤差が生じることが回避される。なお,前記第1の位相検波手段における入力信号の振幅と検出される位相差の検出誤差(要補正量)との関係は,信号発生器等を通じて,前記第1の位相検波手段に対し,位相差及び振幅が既知の信号をその振幅を変化させつつ入力させ,そのときの検出値(位相差)の誤差を測定しておくことにより得られる。
また,前記振幅測定手段の第1の例としては,次の(A1)及び(A2)に示される各構成要素を備えた前記振幅測定手段が考えられる。
(A1)前記おもて面側のヘテロダイン干渉計及び前記うら面側のヘテロダイン干渉計それぞれにおける干渉光を検出する2つの光検出器。
(A2)前記2つの光検出器それぞれの検出信号に基づいて前記おもて面側のヘテロダイン干渉計及び前記うら面側のヘテロダイン干渉計それぞれから出力される強度信号の振幅の指標値を導出する振幅測定値導出手段。
ここで,前記振幅測定手段における前記2つの光検出器が,前記おもて面側のヘテロダイン干渉計及び前記うら面側のヘテロダイン干渉計それぞれにおける干渉光の強度信号を得るための光検出器を兼ねるものであってもよい。
また,前記振幅測定手段の第2の例としては,次の(B1)〜(B3)に示される各構成要素を備えた前記振幅測定手段が考えられる。
(B1)前記おもて面側のヘテロダイン干渉計における前記おもて面側物体光及び前記おもて面側参照光それぞれを検出するおもて面側の2つの光検出器。
(B2)前記うら面側のヘテロダイン干渉計における前記うら面側物体光及び前記うら面側参照光それぞれを検出するうら面側の2つの光検出器。
(B3)前記おもて面側の2つの光検出器の検出信号に基づいて前記おもて面側のヘテロダイン干渉計から出力される強度信号の振幅の指標値を導出し,前記うら面側の2つの光検出器の検出信号に基づいて前記うら面側のヘテロダイン干渉計から出力される強度信号の振幅の指標値を導出する振幅測定値導出手段。
また,前記振幅測定手段の第3の例としては,次の(C1)〜(C3)に示される各構成要素を備えた前記振幅測定手段が考えられる。
(C1)前記導光手段を経て前記おもて面の測定部位及び前記第1の参照面それぞれに照射される前の前記第1の測定光及び前記第2の測定光それぞれを検出するおもて面側の2つの光検出器。
(C2)前記導光手段を経て前記うら面の測定部位及び前記第2の参照面に照射される前の前記第2の測定光及び前記第1の測定光それぞれを検出するうら面側の2つの光検出器。
(C3)前記おもて面側の2つの光検出器の検出信号に基づいて前記おもて面側のヘテロダイン干渉計から出力される強度信号の指標値を導出し,前記うら面側の2つの光検出器の検出信号に基づいて前記うら面側のヘテロダイン干渉計から出力される強度信号の振幅の指標値を導出する振幅測定値導出手段。
ところで,前記第1の測定光及び前記第2の測定光について,光源から前記導光手段により前記おもて面及び前記うら面のそれぞれへ導かれる経路において位相の揺らぎが生じた場合,その揺らぎの影響が前記第1の位相検波手段により検出される位相差に反映され,それが測定誤差となる。
そこで,本発明に係る形状測定装置が,さらに次の(7)〜(13)に示す各構成要素を備えることが考えられる。
(7)前記おもて面の測定部位の方向へ導かれた前記第1の測定光及び前記第2の測定光を前記おもて面側のヘテロダイン干渉計に入力される主光とそれ以外の副光とに分岐させるおもて面側の主副分光手段。
(8)前記おもて面側の主副分光手段により分岐された前記副光(即ち,分岐された前記第1の測定光及び前記第2の測定光)を干渉させるおもて面側の副光干渉手段。
(9)前記おもて面側の副光干渉手段により得られる干渉光を受光してその強度信号を出力するおもて面側の副光強度検出手段。
(10)前記うら面の測定部位の方向へ導かれた前記第1の測定光及び前記第2の測定光を前記うら面側のヘテロダイン干渉計に入力される主光とそれ以外の副光とに分岐させるうら面側の主副分光手段。
(11)前記うら面側の主副分光手段により分岐された前記副光を干渉させるうら面側の副光干渉手段。
(12)前記うら面側の副光干渉手段により得られる干渉光を受光してその強度信号を出力するうら面側の副光強度検出手段。
(13)前記おもて面側の副光強度検出手段及び前記うら面側の副光強度検出手段のそれぞれから出力される強度信号の位相差を検出し,その検出信号を前記被測定物の厚みの補正用の第2の測定値として出力する第2の位相検波手段。
前記(7)〜(13)に示される各構成要素をさらに備えた形状測定装置においては,前記第1の測定光及び前記第2の測定光について,前記おもて面及び前記うら面のそれぞれへ導かれる経路において位相の揺らぎが生じた場合,その揺らぎの成分の合計が,前記第2の位相検波手段により検出される位相差に反映される。従って,前記第1の位相検波手段により検出される位相差から,前記第2の位相検波手段により検出される位相差を差し引いて得られる位相差は,前記位相の揺らぎの影響が除去された測定値となる。
また,本発明に係る形状測定装置が,さらに,次の(14)又は(15)に示される構成要素のいずれかを備えることも考えられる。
(14)前記位相補正手段から出力される前記第1の測定値に基づいて,前記被測定物における前記おもて面の測定部位及び前記うら面の測定部位の位置の厚みを算出してその算出値を出力する第1の厚み算出手段。
(15)前記位相補正手段から出力される前記第1の測定値と前記第2の位相検波手段から出力される前記第2の測定値との差に基づいて,前記被測定物における前記おもて面の測定部位及び前記うら面の測定部位の位置の厚みを算出してその算出値を出力する第2の厚み算出手段。
なお,本発明に係る形状測定装置が,前記第1の厚み算出手段又は前記第2の厚み算出手段を備える外部装置と接続され,本発明に係る形状測定装置がその外部装置に対して前記第1の測定値や前記第2の測定値を出力することも考えられる。
ところで,周波数がわずかに異なる前記第1の測定光及び前記第2の測定光は,同じ光路で導光された後に偏光ビームスプリッタ等の分光手段を通じて再び周波数成分が異なる光(前記第1の測定光及び前記第2の測定光)に分光されると,分光後の光それぞれに,他方の光の成分がノイズとして混入してしまう場合がある。このようなノイズの混入が生じると測定精度が悪化する。
そこで,2つの測定光の光路を重ねることによるノイズ混入の影響を無視できない場合には,前記導光手段が,前記第1の測定光及び前記第2の測定光を,前記光源から前記おもて面側のヘテロダイン干渉計及び前記うら面側のヘテロダイン干渉計に至るまで相互に重ならない光路で導くものであることが考えられる。
さらに,前記おもて面側のヘテロダイン干渉計が,前記第1の測定光及び前記第2の測定光それぞれを相互に重ならない光路を経由させて前記おもて面の測定部位及び前記第1の参照面それぞれに照射させるものであり,前記うら面側のヘテロダイン干渉計が,前記第1の測定光及び前記第2の測定光それぞれを相互に重ならない光路を経由させて前記第2の参照面及び前記うら面の測定部位それぞれに照射させるものであることが考えられる。
これにより,前記第1の測定光及び前記第2の測定光が導光経路において混合されず,ノイズ混入による測定精度の悪化を防止できる。
一方,2つの測定光を異なる光路で導くと,光路を形成する媒体(空気や光ファイバ等)の揺らぎ(気圧,温度,湿度等の変動)の差によって両光路の屈折率に差が生じ,2つの測定光について見かけ上の光路長の変化に差が生じる場合がある。この場合,前記揺らぎに起因するノイズによって測定精度が悪化する。
そこで,前記揺らぎの影響を無視できない場合には,前記導光手段が,前記第1の測定光及び前記第2の測定光を,前記光源から前記おもて面側のヘテロダイン干渉計及び前記うら面側のヘテロダイン干渉計に至るまで同じ光路で導くものであることが考えられる。
同様に,本発明に係る形状測定装置が,厚み補正用の前記第2の測定値を出力する前記第2の位相検波手段を備える場合には,前記導光手段が,少なくとも前記おもて面側の主副分光手段から前記おもて面側のヘテロダイン干渉計に至るまでの前記第1の測定光及び前記第2の測定光それぞれの前記主光を同じ光路で導くとともに,少なくとも前記うら面側の主副分光手段から前記うら面側のヘテロダイン干渉計に至るまでの前記第1の測定光及び前記第2の測定光それぞれの前記主光を同じ光路で導くものであることが考えられる。
さらに,前記おもて面側のヘテロダイン干渉計が,前記導光手段により同じ光路で導かれてきた前記第1の測定光及び前記第2の測定光それぞれを分光させて前記おもて面の測定部位及び前記第1の参照面それぞれに照射させるものであり,前記うら面側のヘテロダイン干渉計が,前記導光手段により同じ光路で導かれてきた前記第1の測定光及び前記第2の測定光それぞれを分光させて前記第2の参照面及び前記うら面の測定部位それぞれに照射させるものであることが考えられる。
これにより,前記第1の測定光及び前記第2の測定光の導光経路において前記揺らぎが生じても,その揺らぎは2つの測定光に等しく影響するので,前記揺らぎに起因する測定精度の悪化を防止できる。
なお,本発明に係る形状測定装置が,厚み補正用の前記第2の測定値を出力する前記第2の位相検波手段を備える場合,前記主副分光手段に至るまでの2つの測定光に揺らぎのばらつきが生じても,そのばらつきは前記第2の測定値によって補正できる。
そして,2つの測定光の光路を重ねることによるノイズが測定精度に与える影響と,前記揺らぎによるノイズが測定精度に与える影響とのいずれが大きいかは測定環境等の条件によって異なるので,2つの測定光の導光手法は状況に応じて適宜選択すればよい。
本発明によれば,前記おもて面の測定部位自体の形状の成分及び前記うら面の測定部位自体の形状の成分のみが反映された前記被測定物の厚みに相当する測定値が得られる。即ち,前記おもて面側と前記うら面側とにおいて,ヘテロダイン干渉計における物体光と参照光との対応関係が逆になっているため,その測定値において,被測定物の振動による変位量の成分は相殺されている。しかも,本発明に係る形状測定装置は,干渉光を被測定物のおもて面からうら面へ伝播させないため,その伝播経路における光路調整(光学機器の調整)を必要とせず,また,その伝播経路において干渉光の揺らぎが生じることもない。さらに,光路に光学系以外のものが挿入されないので,干渉光に乱れを生じさせることもない。
また,本発明においては,位相検波手段に入力される信号(干渉光の強度信号)の振幅に応じてその位相検波手段の検出結果(位相差)が適切に補正される。その結果,図10に示されるような位相検波手段の固有の特性によって測定誤差が生じることが回避される。
以上より,本発明に係る形状測定装置を用いれば,被測定物の振動やその他のノイズ要因の影響を排除して被測定物の厚みを簡易に高精度で測定できる。
以下添付図面を参照しながら,本発明の実施の形態について説明し,本発明の理解に供する。尚,以下の実施の形態は,本発明を具体化した一例であって,本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
ここに,図1は本発明の第1実施形態に係る形状測定装置X1の構成図,図2は形状測定装置X1に採用可能な位相補正用機器の第1実施例の構成図,図3は形状測定装置X1に採用可能な位相補正用機器の第2実施例の構成図,図4は本発明の第2実施形態に係る形状測定装置X2の主要部の構成図,図5は本発明の第3実施形態に係る形状測定装置X3の主要部の構成図,図6は本発明の第4実施形態に係る形状測定装置X4の構成図,図7は形状測定装置X1〜X4に適用可能な光干渉計の第1実施例を表す概略構成図,図8は形状測定装置X1〜X4に適用可能な光干渉計の第2実施例を表す概略構成図,図9は形状測定装置X1〜X4に適用可能な二偏波光源の実施例を表す概略構成図,図10は検波器における入力信号の振幅(信号強度)と出力信号の値(位相差)との関係の一例を表すグラフ,図11は形状測定装置X1〜X4を用いた被測定物の厚み分布測定方法の一例を表す模式図,図12は形状測定装置X1〜X4を用いて被測定物の厚み分布測定を行った場合の測定部位の分布の一例を表す模式図である。
以下,図1に示される構成図を参照しながら,本発明の第1実施形態に係る形状測定装置X1について説明する。
形状測定装置X1は,例えば半導体ウェハなどの薄板状の被測定物1の厚みを非接触で測定するために用いられる測定装置である。
図1に示されるように,形状測定装置X1は,二偏波光源2と,偏光ビームスプリッタ3(以下,PBS3と記載する)と,複数のミラーa11〜a13,b11,b12と,A面側ヘテロダイン干渉計a20及びB面側ヘテロダイン干渉計b20と,A面側振幅測定用信号採取機器a70及びB面側振幅測定用信号採取機器b70と,位相検波器4と,計算機6と,位相補正処理装置7とを備えている。
以下,便宜上,被測定物1の一方の面(図1における上側の面)をA面(前記おもて面に相当),これと表裏の関係にある他方の面をB面(前記うら面に相当)という。また,被測定物1の厚みの測定位置におけるA面側の表面部分をA面測定部位1a(前記おもて面の測定部位に相当),そのA面測定部位1aと表裏相対するB面の表面部分をB面測定部位1b(前記うら面の測定部位に相当)という。
なお,図1には示されていないが,形状測定装置X1は,被測定物1の周辺のエッジ部を支持(例えば3点支持)する支持部と,その支持部を2次元方向(被測定物1の両測定面に平行な2次元方向)に移動させることにより被測定物1を2次元方向に移動させる移動機構とを備えている。そして,形状測定装置X1は,その移動機構により被測定物1を移動させることにより,被測定物1における前記A面測定部位1a及び前記B面測定部位1bの位置を変更しつつ測定値を得る。
前記二偏波光源2は,周波数がわずかに異なる2つのビーム光P1,P2を出射するレーザ光の光源である。なお,図1に示される前記二偏波光源2は,例えば,周波数がわずかに異なる2つのビーム光P1,P2を同軸或いはほぼ同軸(2つの光束の一部が重なる状態)で出射するゼーマンレーザ等である。以下,一方のビーム光を第1ビーム光P1,他方のビーム光を第2ビーム光P2という。
なお,図1においては,便宜上,両ビーム光P1,P2が異なる軸に沿って出射されているように記載されているが,本実施形態においては,両ビーム光P1,P2は同じ軸(同じ光路)又は一部重なる光路に沿って出射されるものとする。
第1ビーム光P1及び第2ビーム光P2は,単波長光であり,それぞれの周波数は,特に限定されるものではないが,例えば,一方のビーム光の周波数ωは5×108MHz程度(可視光のレーザ光源を採用した場合の例)であり,両ビーム光の周波数の差は数十kHz程度である。また,二偏波光源2が出射する第1ビーム光P1及び第2ビーム光P2は,それぞれ偏波面の方向が異なる。ここでは,2つのビーム光P1,P2の偏波面は直交しているものとする。これら第1ビーム光P1及び第2ビーム光P2が,それぞれ周波数が異なる前記第1の測定光及び前記第2の測定光の一例である。
なお,2つのビーム光P1,P2は,1つのビーム光を出射する光源と,出射されたビーム光を2分岐させるビームスプリッタと,2分岐された一方のビーム光の周波数を変換する音響光学素子等により生成されることも考えられる。
前記PBS3は,二偏波光源2から出射される第1ビーム光P1(周波数:ω)及び第2ビーム光(周波数:ω+Δω)のそれぞれを2分岐させる。そして,PBS3により分岐された一方の第1ビーム光P1及び第2ビーム光P2は,3つのミラーa11,a12,a13により,被測定物1の前記A面測定部位1aの方向へ導かれる。また,PBS3により分岐された他方の第1ビーム光P1及び第2ビーム光P2は,2つのミラーb11,b12により,被測定物1の前記B面測定部位1bの方向へ導かれる。なお,前記PBS3及び各ミラーa11〜a13,b11,b12が,前記導光手段の一例である。
図1に示す例では,2つのビーム光P1,P2が同じ光路で導かれるので,両ビーム光の導光経路において揺らぎが生じても,その揺らぎは2つのビーム光P1,P2に等しく影響するので,揺らぎに起因する測定精度の悪化を防止できる。
なお,第1ビーム光P1及び第2ビーム光P2を前記A面測定部位1a及び前記B面測定部位1bのそれぞれへ導く光学機器としては,ミラーの他,光ファイバ等も考えられる。
前記A面側ヘテロダイン干渉計a20(前記おもて面側のヘテロダイン干渉計に相当)は,図1に示すように,偏光ビームスプリッタa21(以下,A面側PBS(a21)という),2つの4分の1波長板a22及びa23,A面側参照板a24,偏光板a25(以下,A面側第1偏光板a25という)及び光検出器a26(以下,A面側第1光検出器a26という)を備えている。一方の4分の1波長板a22は,前記A面側PBS(a21)と前記A面測定部位1aとの間に配置され,他方の4分の1波長板a23は,前記A面側PBS(a21)と前記A面側参照板a24との間に配置されている。
前記A面側PBS(a21)は,ミラーa11〜a13によって前記A面測定部位1aの方向へ導かれた第1ビーム光P1を透過させることにより,その第1ビーム光P1を前記A面測定部位1aに照射させるとともに,同じく前記A面測定部位1aの方向へ導かれた第2ビーム光P2を反射することにより,その第2ビーム光P2を前記A面側参照板a24の表面(前記第1の参照面に相当)に照射させる。図1に示す例では,前記第1ビーム光P1及び前記第2ビーム光P2は,それぞれ前記A面測定部位1aの表面及び前記A面側参照板a24の表面に対して垂直入射される。
さらに,前記A面側PBS(a21)は,前記A面測定部位1aからの前記第1ビーム光P1の反射光と,前記A面側参照板a24の表面からの前記第2ビーム光P2の反射光との両方を,前記A面側第1偏光板a25の方向(同じ方向)へ導く。
なお,4分の1波長板a22の存在により,前記A面側PBS(a21)から前記A面測定部位1a側へ出射される第1ビーム光P1の偏光の状態(P偏光かS偏光か)と,前記A面測定部位1aに反射して前記A面側PBS(a21)に入射される第1ビーム光P1の偏光の状態とが入れ替わる。同様に,4分の1波長板a23の存在により,前記A面側PBS(a21)から前記A面測参照板a24側へ出射される第2ビーム光P2の偏光の状態と,前記A面測参照板a24に反射して前記A面側PBS(a21)に入射される第2ビーム光P2の偏光の状態とが入れ替わる。
前記A面側第1偏光板a25は,所定方向(両ビーム光の偏波面の方向の中間方向)の偏波面の光のみを透過させることにより,前記A面測定部位1aからの前記第1ビーム光P1の反射光と,前記A面側参照板a24の表面からの前記第2ビーム光P2の反射光とを干渉させる。その干渉光(以下,A面測定干渉光という)は,後述するビームスプリッタa71を経て前記A面側第1光検出器a26に入力(入射)される。
前記A面側第1光検出器a26は,前記A面測定干渉光を受光して光電変換を行うことにより,前記A面測定干渉光の強度信号Sig1(電気信号)を出力する。
一方,前記B面側ヘテロダイン干渉計b20は,前記A面側ヘテロダイン干渉計a20と同様の構成を備えるが,両者は,前記第1ビーム光P1及び前記第2ビーム光P2のいずれを参照光(参照板への照射光)又は物体光(測定部位への照射光)とするかの対応関係が逆になっている。
即ち,前記B面側ヘテロダイン干渉計b20(前記うら面側のヘテロダイン干渉計に相当)は,図1に示すように,偏光ビームスプリッタb21(以下,B面側PBS(b21)という),2つの4分の1波長板b22及びb23,B面側参照板b24,偏光板b25(以下,B面側第1偏光板b25という)及び光検出器b26(以下,B面側第1光検出器b26という)を備えている。一方の4分の1波長板b22は,前記B面側PBS(b21)と前記B面測定部位1bとの間に配置され,他方の4分の1波長板b23は,前記B面側PBS(b21)と前記B面側参照板b24との間に配置されている。
前記B面側PBS(b21)は,ミラーb11〜b12によって前記B面測定部位1bの方向へ導かれた第2ビーム光P2を透過させることにより,その第2ビーム光P2を前記B面測定部位1bに照射させるとともに,同じく前記B面測定部位1bの方向へ導かれた第1ビーム光P1を反射することにより,その第1ビーム光P1を前記B面側参照板b24の表面(前記第2の参照面に相当)に照射させる。図1に示す例では,前記第2ビーム光P2及び前記第1ビーム光P1は,それぞれ前記B面測定部位1bの表面及び前記B面側参照板b24の表面に対して垂直入射される。
さらに,前記B面側PBS(b21)は,前記B面測定部位1bからの前記第2ビーム光P2の反射光と,前記B面側参照板b24の表面からの前記第1ビーム光P1の反射光との両方を,前記B面側第1偏光板b25の方向(同じ方向)へ導く。
なお,4分の1波長板b22の存在により,前記B面側PBS(b21)から前記B面測定部位1b側へ出射される第2ビーム光P2の偏光の状態(S偏光かP偏光か)と,前記B面測定部位1bに反射して前記B面側PBS(b21)に入射される第2ビーム光P2の偏光の状態とが入れ替わる。同様に,4分の1波長板b23の存在により,前記B面側PBS(b21)から前記B面測参照板b24側へ出射される第1ビーム光P1の偏光の状態と,前記B面測参照板b24に反射して前記B面側PBS(b21)に入射される第1ビーム光P1の偏光の状態とが入れ替わる。
前記B面側第1偏光板b25は,所定方向(両ビーム光の偏波面の方向の中間方向)の偏波面の光のみを透過させることにより,前記B面測定部位1bからの前記第2ビーム光P2の反射光と,前記B面側参照板b24の表面からの前記第1ビーム光P1の反射光とを干渉させる。その干渉光(以下,B面測定干渉光という)は,後述するビームスプリッタb71を経て前記B面側第1光検出器b26に入力(入射)される。
前記B面側第1光検出器b26は,前記B面測定干渉光を受光して光電変換を行うことにより,前記B面測定干渉光の強度信号Sig2(電気信号)を出力する。
前記位相検波器4(前記第1の位相検波手段に相当)は,前記A面側ヘテロダイン干渉計a20及び前記B面側ヘテロダイン干渉計b20のそれぞれから出力される強度信号Sig1,Sig2の位相差ΔΦsを検出し,その検出値を電気信号(検出信号)として出力するものである。例えば,前記位相検波器4として,ロックインアンプを採用することができる。
周知のヘテロダイン干渉計の原理により,前記A面側ヘテロダイン干渉計a20の出力信号Sig1の位相は,前記A面測定部位1aの表面位置(高さ)に応じて定まるが,出力信号Sig1の位相には,前記A面測定部位1a自体の形状(凹凸)の成分と,前記被測定物1の振動による変位量の成分との両方が反映される。
同様に,前記B面側ヘテロダイン干渉計b20の出力信号Sig2の位相は,前記B面測定部位1bの表面位置(高さ)に応じて定まるが,出力信号Sig2の位相には,前記B面測定部位1b自体の形状(凹凸)の成分と,前記被測定物1の振動による変位量の成分との両方が反映される。
また,前述したように,前記A面側ヘテロダイン干渉計a20と前記B面側ヘテロダイン干渉計b20とでは,前記第1ビーム光P1及び前記第2ビーム光P2のいずれを参照光又は物体光とするかの対応関係が逆になっている。
このため,前記位相検波器4により検出される位相差ΔΦsは,被測定物1の振動による変位量の成分がA面側とB面側とで相殺され,前記A面測定部位1a自体の形状(凹凸)の成分及び前記B面測定部位1b自体の形状(凹凸)の成分のみが反映された変位量,即ち,被測定物1における前記A面測定部位1a及びB面測定部位1bの位置の厚みに相当する測定値となる。
次に,数式を用いて,形状測定装置X1の測定原理について説明する。
まず,数式で用いられる符号について説明する。
ω:第1ビーム光L1の周波数。
ω+Δω:第2ビーム光L2の周波数。
λ:第1ビーム光L1の波長。なお,Δω/ωの値はごく小さいので,λは第2ビーム光L2の波長と等しいと近似できる。
L1:A面側PBS(a21)からA面測定部位1aまでの光路長。
L2:B面側PBS(b21)からB面測定部位1bまでの光路長。
M1:A面側PBS(a21)からA面側参照板a24表面までの光路長。
M2:B面側PBS(b21)からB面側参照板b24表面までの光路長。
ΔL1:A面測定部位1aの形状に基づく表面変位量(表面高さ)。
ΔL2:B面測定部位1bの形状に基づく表面変位量(表面高さ)。
ΔN:被測定物1の振動による変位量。
なお,tは時間,iは自然数の変数を表す。
形状測定装置X1は,測定前に,前記二偏波光源2から前記A面側補正用干渉計a30及び前記B面側補正用干渉計b30のそれぞれに至る過程において,ビーム光P1,P2(即ち,両ヘテロダイン干渉計a20,b20への入力光)に位相の揺らぎの差が生じない状態(以下,入力光に位相揺らぎの差がない状態という),或いはそう近似できる程度の状態に設定されているものとする。
前記入力光に位相揺らぎの差がない状態或いはそう近似できる程度の状態とする方法としては,例えば,前記A面測定部位1a及び前記B面測定部位1bの方向へ導かれる両ビーム光P1,P2の光路を極力同一の光路とすることや,その光路の周囲を覆う断熱材を設けることにより両ビーム光P1,P2の光路の温度を極力一定に保持すること等が考えられる。また,両ビーム光P1,P2をA面測定部位1a及びB面測定部位1bへ導くミラーや光ファイバ等の導光手段を,固定された堅牢な(高強度の)支持部材に固着させること等も有効である。
まず,前記A面側ヘテロダイン干渉計a20の出力信号Sig1の強度I1は,次の(e1)式により表される。
Figure 0005054623
また,前記B面側ヘテロダイン干渉計b20の出力信号Sig2の強度I2は,次の(e2)式により表される。
Figure 0005054623
ここで,被測定物1の振動に起因する変位量ΔNは,前記A面側と前記B面側とで正負が逆となって影響し,さらに,前記A面側と前記B面側とで,ヘテロダイン干渉計における物体光と参照光との対応関係が逆になっているため,この(e1)式及び(e2)式において,変位量ΔNの符号は同じとなる。
前記(e1)式及び(e2)式(最終行に記載の式)において,"4π/λ"以降の項が,各周波数Δωの周期変化の位相を決定する。そして,前記入力光に位相揺らぎの差がない状態における前記位相検波器4により検出される出力信号Sig1,Sig2の位相差ΔΦs1は,次の(e3)式により表される。
Figure 0005054623
前記(e3)式において,A面側及びB面側の相殺効果により,被測定物1の振動に起因する変位量ΔNが除去(相殺)されていることがわかる。
また,前記(e3)式において,位相差ΔΦs1は,前記位相検波器4を通じて測定される値であり,その他における(ΔL1−ΔL2)以外の数値は既知の不変量である。そのため,前記入力光に位相揺らぎの差がない状態,或いはそう近似できる程度の状態であれば,計算機6によって測定値ΔΦsを前記(e3)式に適用する(ΔΦs1の部分に代入する)計算を行うことにより,被測定物1の厚み(ΔL1−ΔL2)を算出できるはずである。
なお,(ΔL1−ΔL2)は,被測定物1の厚みの絶対値を表すものでなく,他の測定部位の厚みに対する相対値を評価する指標(相対的な厚みを表す値)であるが,半導体ウェハ等の被測定物の形状測定においては,相対的な厚みを表す値の分布を得ることに重要な意味がある。
しかしながら,図10に示されるように,前記位相検波器4においては,入力信号の振幅に応じてその出力信号(位相差の検出値ΔΦs)に誤差が生じる。
それに対し,形状測定装置X1においては,前記位相補正処理装置7により,その誤差分が補正(修正)され,補正後(誤差修正後)の位相差ΔΦs’が,前記計算機6に伝送される。その補正処理の詳細については後述する。
以下,形状測定装置X1における前記位相検波器4の検出信号(位相差ΔΦs)の補正について説明する。
前記A面側振幅測定用信号採取機器a70は,前記A面側ヘテロダイン干渉計a20から出力され,前記位相検波器4に入力される干渉光の強度信号の振幅の指標値を導出するために用いられる信号(以下,A面側振幅測定用信号Obs1という)を採取(検出)するための機器である。
同様に,前記B面側振幅測定用信号採取機器b70は,前記B面側ヘテロダイン干渉計b20から出力され,前記位相検波器4に入力される干渉光の強度信号の振幅の指標値を導出するために用いられる信号(以下,B面側振幅測定用信号Obs1という)を採取(検出)するための機器である。
具体的には,前記A面側振幅測定用信号採取機器a70は,ビームスプリッタa71及び光検出器a72を備えている。
前記ビームスプリッタa71は,前記A面側ヘテロダイン干渉計a20における干渉光(前記A面側第1偏光板a25を通過後の光)を二分岐させる(分光する)。また,前記光検出器a71は,前記A面側ヘテロダイン干渉計a20における干渉光(前記ビームスプリッタa72により二分岐された干渉光の一方)を検出する。この光検出器a71の検出信号が,前記A面側振幅測定用信号Obs1である。
同様に,前記B面側振幅測定用信号採取機器b70も,ビームスプリッタb71及び光検出器b72を備えている。
前記ビームスプリッタb71は,前記B面側ヘテロダイン干渉計b20における干渉光(前記B面側第1偏光板b25を通過後の光)を二分岐させる(分光する)。また,前記光検出器b71は,前記B面側ヘテロダイン干渉計b20における干渉光(前記ビームスプリッタb72により二分岐された干渉光の一方)を検出する。この光検出器b71の検出信号が,前記B面側振幅測定用信号Obs2である。
以上に示したように,2つの光検出器a71,b71により,前記A面側ヘテロダイン干渉計a20及び前記B面側ヘテロダイン干渉計b20それぞれにおける干渉光(の強度)が検出され,その検出信号Obs1,Obs2が前記位相補正処理装置7へ伝送される。
また,前記位相補正処理装置7は,次の3つの処理を実行する演算装置である。
その1つは,前記A面側振幅測定用信号Obs1に基づいて,前記位相検波器4に入力されるA面側の干渉光の強度信号(前記A面側第1光検出器a26の出力信号)の振幅の指標値を算出(導出)するA面側振幅指標値算出処理である。
2つ目は,前記B面側振幅測定用信号Obs2に基づいて,前記位相検波器4に入力されるB面側の干渉光の強度信号(前記B面側第1光検出器b26の出力信号)の振幅の指標値を算出(導出)するB面側振幅指標値算出処理である。
3つ目は,前記位相検波器4により検出された位相差ΔΦsを,A面側及びB面側それぞれについて算出された前記振幅の指標値に応じて補正し,補正後の位相差ΔΦs’を前記被測定物1の厚みに相当する測定値(前記第1の測定値に相当)として前記計算機6へ出力する位相補正処理である。
ここで,前記位相補正処理装置7によるA面側及びB面側それぞれの前記振幅の指標値の算出方法について説明する。
各光干渉計a20,b20それぞれにおける干渉光の強度は,MHzオーダーの高い周波数で振動する。
そのため,例えば,2つの前記光検出器a72,b72が,干渉光の強度の振動成分(高周波成分)を十分に検出できるほど時定数の小さな光検出器であるとすると,その検出信号(強度信号)は,MHzオーダーの高い周波数で振動する。そのような高周波数の信号について,高速サンプリングによりその信号波形を捉え,その信号波形から信号の振幅を検出することも不可能ではないが,非常に処理能力の高い高性能の信号処理装置が必要となり実用的でない。
そこで,2つの前記光検出器a72,b72が,干渉光の強度の振動成分を十分に検出できるほど時定数の小さな光検出器である場合,次の手順により前記位相検波器4の入力信号の振幅の指標値を算出(測定)することが考えられる。
まず,前記位相補正処理装置7が,ランダムなタイミングで2つの前記光検出器a72,b72の検出信号の信号値を多数サンプリングし,サンプリングした信号値をその記憶部に記録する。このときのサンプリングの時間間隔は,干渉光の強度の振動周期より長くてもよい。
次に,前記位相補正処理装置7が,サンプリングした信号値の変動幅(ばらつき)を算出し,その変動幅を前記位相検波器4の入力信号の振幅の指標値として算出する。
但し,以上の手順によれば,信号値の変動幅の算出のために十分な数のサンプルを得るために,干渉光の強度の振動周期に対して十分に長い時間をかけて信号値のサンプリングを行う必要がある。
一方,2つの前記光検出器a72,b72として,干渉光の強度信号の振動周期よりも時定数の大きな光検出器を採用することも考えられる。或いは,2つの前記光検出器a72,b72が十分に時定数の小さな光検出器であり,前記位相補正処理装置7が,その検出信号の入力時に高周波成分をカットして入力するものであってもよい。これらの場合,高周波成分が平滑化された干渉光の強度信号が得られる。このように高周波成分が平滑化された干渉光の強度信号の信号値は,干渉光の検出信号(前記位相検波器4の入力信号)の振幅と高い相関を示す。
そこで,前記位相補正処理装置7が,高周波成分が平滑化された干渉光の強度信号の信号値をサンプリングし,その信号値そのものやその信号値の所定サンプル数の平均値,或いはその信号値に予め定められた係数の乗算により振幅相当値に換算した値等を,前記位相検波器4の入力信号の振幅の指標値として算出することが考えられる。
但し,高周波成分が平滑化された干渉光の強度信号と,前記位相検波器4の入力信号の振幅とが高い相関を示すという前提は,光源(前記二偏波光源2)から出力される測定光P1,P2の強度の変動が無視できる程度に小さい,参照光Pa2,Pb1の強度の変動が無視できる程度に小さい,等の条件下で成立する。従って,そのような条件が成立しない場合には振幅の測定誤差が大きくなる。
なお,A面側振幅測定用信号採取機器a70,B面側振幅測定用信号採取機器b70及び前記振幅の指標値を算出する前記位相補正処理装置7が,表裏各面のヘテロダイン干渉計a20,b20それぞれから出力される強度信号の振幅の指標値を測定する振幅測定手段の一例である。
次に,前記位相補正処理装置7による位相補正処理の具体例について説明する。
前述したように,前記位相検波器4における2つの入力信号の振幅に応じた出力信号値(位相差ΔΦs)の誤差の特性(図10参照)は,位相検波器ごとに固有の特性である。そのため,前記位相検波器4における2つの入力信号の振幅と出力信号値(位相差ΔΦs)の誤差との関係を予め実測し,その実測結果に基づく補正テーブルや補正式を前記位相補正処理装置7の記憶部に予め記憶させておく。
例えば,所定の信号発生器を通じて,前記位相検波器4に対し,位相差及び振幅が既知の信号をその振幅を変化させつつ入力させ,そのときの検出値(位相差ΔΦs)の誤差の特性を測定しておく。その際,前記位相検波器4における前記B面測定干渉光の強度信号Sig2の入力端への信号の振幅を一定にし,前記位相検波器4における前記A面測定干渉光の強度信号Sig1の入力端への信号の振幅のみを変化させた場合の誤差特性と,前記A面測定干渉光の強度信号Sig1の入力端への信号の振幅を一定にし,前記位相検波器4における前記B面測定干渉光の強度信号Sig2の入力端への信号の振幅のみを変化させた場合の誤差特性との両方を測定しておく。
前記位相検波器4における入力信号の振幅に応じた検出値ΔΦsの誤差は,2つの入力信号の入力端それぞれについて独立して生じるためである。
そして,事前に測定した信号Sig1及び信号Sig2それぞれの入力端についての入力信号の振幅と位相差ΔΦsの誤差との対応関係(誤差特性)を,前記位相補正処理装置7により算出される前記位相検波器4の入力信号の振幅の指標値と位相差ΔΦsの誤差との対応関係に換算し,換算後の対応関係を表す補正テーブル又は補正式を,前記位相補正処理装置7の記憶部に記憶させておく。
ここで,前記位相補正処理装置7が,時定数の小さな前記光検出器a72,b72を通じてサンプリングした多数の信号値の変動幅から前記振幅の指標値を算出する場合,事前に測定した誤差特性における前記入力信号の振幅を,前記振幅の指標値それ自体へ置き換えることにより,前記振幅の指標値と位相差ΔΦsの誤差との対応関係が得られる。
一方,前記位相補正処理装置7が,高周波成分が平滑化された干渉光の強度信号に基づいて前記振幅の指標値を算出する場合,前記干渉光の強度信号の値の平方根又はその平方根に既知の誤差要因に関する補正(干渉効率等に関する補正)を施した値を前記振幅の指標値とし,事前に測定した誤差特性における前記入力信号の振幅を前記振幅の指標値へ置き換えることにより,前記振幅の指標値と位相差ΔΦsの誤差との対応関係が得られる。
そして,前記位相補正処理装置7は,A面側について算出された前記振幅の指標値を,信号Sig1の入力端側についての前記補正テーブル又は補正式に適用することにより,位相差ΔΦsの第1の誤差Δψ1を算出する。
同様に,前記位相補正処理装置7は,B面側について算出された前記振幅の指標値を,信号Sig2の入力端側についての前記補正テーブル又は補正式に適用することにより,位相差ΔΦsの第2の誤差Δψ2を算出する。
さらに,前記位相補正処理装置7は,前記位相検波器4の検出値(位相差ΔΦs)から前記第1の誤差Δψ1及び前記第2の誤差Δψ2を加算することにより,補正後の位相差ΔΦs’(=ΔΦs+Δψ1+Δψ2)を算出する。
前記計算機6は,不図示のCPU,ROM,RAM,各種信号ΔΦs’,Obs1,Obs2を入力する信号入力インターフェース等を備え,所定のプログラムを実行することにより各種の演算を行うものである。
形状測定装置X1においては,前記計算機6は,前記位相補正処理装置7から出力される測定値である補正後の位相差ΔΦs’に基づいて,被測定物1における前記A面測定部位1a及び前記B面測定部位1bの位置の厚みを算出し,その算出値を出力する(前記第1の厚み算出手段の一例)。なお,算出値の出力とは,例えば,前記計算機6が備える記憶部(ハードディスク等)へ書き込むこと,所定の通信インターフェースを通じて外部装置へ送信すること,又は液晶表示装置等の所定の表示部に算出値の情報を表示させること等を意味する。
具体的には,前記計算機6は,補正後の位相差ΔΦs’を前記(e3)式に適用する(ΔΦs1の部分に代入する)計算を行うことにより,被測定物1の厚み(ΔL1−ΔL2)を算出する。
形状測定装置X1において,被測定物1の振動により生じる変位ΔNは,ビーム光P1,P2の波長λに比べて十分に大きいため,もし,変位ΔNの影響が除去されないとすると,被測定物1の厚みを実質的に測定できない状態となる。
例えば,位相検波器により,前記A面側第1光検出器a26の検出信号Sig1と,前記A面側第2光検出器a33の検出信号Ref1との位相差ΔΦaを検出した場合,各測定部位における位相差ΔΦaの分布において,いわゆる位相とびが多数回生じるため,被測定物1の厚み分布を表す連続した値の分布を正確に求めることが困難となる。
しかしながら,形状測定装置X1においては,前記位相検波器4の検出値Φs及びその補正値Φs’において,被測定物1の振動による変位量ΔNの成分が相殺され,A面測定部位1a自体の形状の成分及びB面測定部位1b自体の形状の成分のみが反映された被測定物1の厚みに相当する測定値が得られる。しかも,形状測定装置X1は,干渉光を被測定物1のA面(おもて面)からB面(うら面)へ伝播させないため,その伝播経路における光路調整(光学機器の調整)を必要とせず,また,その伝播経路において干渉光の揺らぎが生じることもない。さらに,光路に光学系以外のものが挿入されないので,干渉光に乱れを生じさせることもない。
次に,図2及び図3に示される構成図を参照しつつ,前記形状測定装置X1に採用可能な位相補正用機器の第1実施例及び第2実施例について説明する。なお,図2及び図3ににおいて,図1に示された装置の構成要素と同じ構成要素に対しては図1と同じ符号が付されている。
図2に示される第1実施例は,前記振幅の指標値の導出に用いられる前記A面側振幅測定用信号Obs1及び前記B面側振幅測定用信号Obs2を検出する2つの前記光検出器a72,b72が,前記A面側ヘテロダイン干渉計a20及び前記B面側ヘテロダイン干渉計b20それぞれにおける干渉光の強度信号を得るための2つの前記光検出器a26,b26と兼用される例である。
このような構成も,本発明の実施形態の一例である。
また,図3に示される第2実施例も,前記振幅の指標値の導出に用いられる前記A面側振幅測定用信号Obs1及び前記B面側振幅測定用信号Obs2を検出する2つの前記光検出器a72,b72が,前記A面側ヘテロダイン干渉計a20及び前記B面側ヘテロダイン干渉計b20それぞれにおける干渉光の強度信号を得るための2つの前記光検出器a26,b26と兼用される例である。
さらに,図3に示される第2実施例においては,前記位相検波器4が,入力信号Sig1,Sig2(干渉光の強度信号)それぞれの振幅As1,As2の検出し,その検出信号を出力する機能を備えている場合の例である。
そして,この第2実施例においては,前記位相補正処理装置7は,前記位相検波器4から前記位相差ΔΦsとともに2つの入力信号それぞれの振幅As1,As2の情報も取得する。さらに,前記位相補正処理装置7は,前記位相検波器4から得た振幅As1,As2に応じて,前記位相検波器4から得た前記位相差ΔΦsを補正し,補正後の位相差ΔΦs’を前記計算機6に出力する。
このような構成も,本発明の実施形態の一例である。
次に,図4に示される主要部の構成図を参照しつつ,本発明の第2実施形態に係る形状測定装置X2について説明する。
形状測定装置X2は,図1に示した前記形状測定装置X1と基本的な装置構成及び測定原理は同じである。従って,以下,形状測定装置X2について,前記形状測定装置X1と異なる部分についてのみ説明する。なお,図4において,図1に示された装置の構成要素と同じ構成要素に対しては図1と同じ符号が付されている。また,図4において,光源及び光源から被測定物1のA面側及びB面側への導光機器,A面側及びB面側の干渉計a20,b20の一部,並びに前記計算機6の記載が省略されている。
形状測定装置X2は,前記形状測定装置X1と比較し,前記位相検波器4の検出値(位相差ΔΦs)の誤差の補正に用いる前記振幅の指標値を測定する機器のみが異なる。
図4に示されるように,形状測定装置X2は,前記形状測定装置X1におけるA面側及びB面側それぞれの振幅測定用信号採取機器a70,b70の代わりに,A面側振幅測定用信号採取機器a701及びB面側振幅測定用信号採取機器b701を備えている。
さらに,形状測定装置X2は,前記振幅の指標値As1’,As2’を算出してその算出値を前記位相補正処理装置7に対して出力する第1振幅算出装置a8及び第2振幅算出装置b8を備えている。
また,前記A面側振幅測定用信号採取機器a701は,第1ビームスプリッタa71及び第2ビームスプリッタa73と,第1偏光板a74及び第2偏光板a75と,第1光検出器a721及び第2光検出器a722とを備えている。
前記第1ビームスプリッタa71により,前記A面側ヘテロダイン干渉計a20におけるA面側の物体光Pa1及びA面側の参照光Pa2が二分岐(分光)される。そして,前記第1ビームスプリッタa71により二分岐された一方の光の対Pa1,Pa2が,前記偏光板a25を通じてA面側の干渉光Pa12となる。
一方,前記第1ビームスプリッタa71により二分岐された他方の光の対Pa1,Pa2は,さらに,前記第2ビームスプリッタa73によって二分岐される
。そして,前記第2ビームスプリッタa73により二分岐された一方の光の対Pa1,Pa2のうち,A面側の物体光Pa1のみが前記第1偏光板a74を通過し,その物体光Pa1が前記第1光検出器a721によって検出される。
また,前記第2ビームスプリッタa73により二分岐された他方の光の対Pa1,Pa2のうち,A面側の参照光Pa2のみが前記第2偏光板a75を通過し,その参照光Pa2が前記第2光検出器a722によって検出される。
このように,前記第1光検出器a721及び前記第2光検出器a722は,前記偏光板a25を通過して干渉光となる前のA面側の物体光Pa1及びA面側の参照光Pa2それぞれを検出する。A面側の物体光Pa1の検出信号Obs11(強度信号)及びA面側の参照光Pa2の検出信号Obs12(強度信号)は,前記第1振幅算出装置a8に伝送される。
一方,前記B面側振幅測定用信号採取機器b701も,第1ビームスプリッタb71及び第2ビームスプリッタb73と,第1偏光板b74及び第2偏光板b75と,第1光検出器b721及び第2光検出器b722とを備えている。
前記第1ビームスプリッタb71により,前記B面側ヘテロダイン干渉計b20におけるB面側の参照光Pb1及びB面側の物体光Pb2が二分岐(分光)される。そして,前記第1ビームスプリッタb71により二分岐された一方の光の対Pb1,Pb2が,前記偏光板b25を通じてB面側の干渉光Pb12となる。
また,前記第1ビームスプリッタb71により二分岐された他方の光の対Pb1,Pb2は,さらに,前記第2ビームスプリッタb73によって二分岐される
。そして,前記第2ビームスプリッタb73により二分岐された一方の光の対Pb1,Pb2のうち,B面側の参照光Pb1のみが前記第1偏光板b74を通過し,その参照光Pb1が前記第1光検出器b721によって検出される。
また,前記第2ビームスプリッタb73により二分岐された他方の光の対Pb1,Pb2のうち,B面側の物体光Pb2のみが前記第2偏光板b75を通過し,その物体光Pb2が前記第2光検出器b722によって検出される。
このように,前記第1光検出器b721及び前記第2光検出器b722は,前記偏光板b25を通過して干渉光となる前のB面側の参照光Pb1及びB面側の物体光Pb2それぞれを検出する。B面側の参照光Pb1の検出信号Obs21(強度信号)及びB面側の物体光Pa2の検出信号Obs22(強度信号)は,前記第2振幅算出装置b8に伝送される。
また,前記第1振幅算出装置a8は,A面側の2つの検出信号Obs11,Obs12の信号値から,2つの検出信号Obs11,Obs12を合成した信号の振幅As1’を算出する。その合成信号の振幅As1’は,前記位相検波器4に入力されるA面側の干渉光の強度信号Sig1の振幅に相当する。
同様に,前記第2振幅算出装置b8は,B面側の2つの検出信号Obs21,Obs22の信号値から,2つの検出信号Obs21,Obs22を合成した信号の振幅As1’を算出する。その合成信号の振幅As2’は,前記位相検波器4に入力されるB面側の干渉光の強度信号Sig2の振幅に相当する。
このように,前記第1振幅算出装置a8は,A面側の2つの光検出器a721,a722の検出信号Obs11,Obs12に基づいて,前記A面側ヘテロダイン干渉計a20から出力される強度信号Sig1の振幅の指標値As1’を導出(算出)する。さらに,前記第2振幅算出装置b8は,B面側の2つの光検出器b721,b722の検出信号Obs21,Obs22に基づいて,前記B面側ヘテロダイン干渉計b20から出力される強度信号Sig2の振幅の指標値As2’を導出(算出)する。
そして,形状測定装置X2における前記位相補正処理装置7は,前記位相検波器4により検出された位相差ΔΦsを,前記振幅の指標値As1’,As2’に応じて補正する。補正方法は,前記形状測定装置X1の場合と同様である。
形状測定装置X2においては,干渉前の2つの光の強度信号から,その2つの光の干渉光の強度信号の振幅を算出する。
このような形状測定装置X2も,本発明の実施形態の一例であり,前記形状測定装置X1と同様の作用効果が得られる。
次に,図9に示す構成図を参照しつつ,前記形状測定装置X1,X2及び後述する形状測定装置X3,X4に適用可能な二偏波光源の実施例(以下,二偏波光源2’という)について説明する。なお,図9において,前記形状測定装置X1が備える構成要素と同じ構成要素については,同じ符号が付されている。
図9に示されるように,二偏波光源2’は,単波長レーザ光源c1と,ビームスプリッタc2と,複数のミラーc3,c4,c6と,光周波数シフターc5とを備えている。
前記単波長レーザ光源c1は,周波数ωの単波長レーザ光を出力するレーザ光源である。例えば,前記短波長レーザ光源c1として,波長633nmのレーザ光を出力するヘリウムネオンレーザ等を採用することが考えられる。
前記単波長レーザ光源c1の出射光は,前記ビームスプリッタc2により2分岐され,その一方の分岐光がそのままミラーc3,c4により導光されて前記第1ビーム光P1として前記PBS3(偏光ビームスプリッタ)へ導かれる。なお,このPBS3は,無偏光のビームスプリッタであってもよい。
また,前記ビームスプリッタc2により2分岐された他方の分岐光は,前記光周波数シフターc5によってΔωだけ周波数シフト(周波数ωから周波数ω+Δωへの周波数変換)が施され,その後,ミラーc6により導光されて前記第2ビーム光P2として前記PBS3(偏光ビームスプリッタ)へ導かれる。前記光周波数シフターc5は,例えば,音響光学素子(AOM)等である。
また,前記ミラーc4及び前記ミラーc6は,前記第1ビーム光P1及び前記第2ビーム光P2それぞれを,相互に重ならない光路で前記PBS3へ入射させる。
これにより,前記PBS3及びその分岐光(前記第1ビーム光P1及び前記第2ビーム光P2の分岐光)は,A面側の前記ミラーa11,a12,a13及びB面側の前記ミラーb11,b12により,前記PBS3から前記A面側ヘテロダイン干渉計a20及び前記B面側ヘテロダイン干渉計b20に至るまで相互に重ならない光路で導くことができる。
なお,図9には,前記ビームスプリッタc2により2分岐された一方の分岐光についてのみ,前記光周波数シフターc5によって周波数シフトを行う例を示したが,前記ビームスプリッタc2により2分岐された2つの分岐光それぞれを,周波数のシフト量の異なる(シフト量の差がΔωである)周波数シフターによって周波数シフトを行うことも考えられる。
また,2つのビーム光P1,P2を同軸で出射するゼーマンレーザの出力光を,偏光ビームスプリッタによって第1ビーム光P1と第2ビーム光P2とに分離し,分離後の第1ビーム光P1及び第2ビーム光P2を異なる光路(重ならない光路)で前記PBS3(偏光ビームスプリッタ)に入射させることも考えられる。
これにより,2つのビーム光P1,P2が導光経路において混合されず,ノイズ混入による測定精度の悪化を防止できる。
次に,図5に示される主要部の構成図を参照しつつ,本発明の第3実施形態に係る形状測定装置X3について説明する。
形状測定装置X3は,図1及び図4に示した前記形状測定装置X1,X2と基本的な装置構成及び測定原理は同じである。従って,以下,形状測定装置X3について,前記形状測定装置X1,X2と異なる部分についてのみ説明する。なお,図5において,図1及び図4に示された装置の構成要素と同じ構成要素に対しては図1及び図4と同じ符号が付されている。また,図5において,光源及び光源から被測定物1のA面側及びB面側への導光機器,並びに前記計算機6の記載が省略されている。
形状測定装置X3においては,例えば,図9に示される前記二偏波光源2’が採用され,前記第1ビーム光P1及び前記第2ビーム光P2が,ミラーa13,b13等の光学機器(導光手段)により,光源から前記A面側ヘテロダイン干渉計a20及び前記B面側ヘテロダイン干渉計b20に至るまで相互に重ならない光路で導かれる。
また,形状測定装置X3におけるA面側ヘテロダイン干渉計a201及びB面側ヘテロダイン干渉計b201は,ビーム光P1,P2の光路が分離されていることに起因して,図1に示された2つのヘテロダイン干渉計a20,b20と比較して,参照板(ミラーa24’,b24’)の構成が異なっている。
即ち,前記A面側ヘテロダイン干渉計a201は,図5に示されるように,前記A面側第1偏光板a25,前記A面側第1光検出器a26及び前記4分の1波長板a22に加え,偏光ビームスプリッタa21’及びミラーa24’を備えている。
前記ミラーa24’は,前記ミラーa11〜a13(図1参照)によって前記第1ビーム光P1とは異なる光路で導かれた前記第2ビーム光P2を,前記偏光ビームスプリッタa21’の方向へ反射する。このミラーa24’の表面は,当該A面側ヘテロダイン干渉計a201における参照面である。
また,前記偏光ビームスプリッタa21’は,前記第2ビーム光P2とは異なる光路で導かれた前記第1ビーム光P1を透過させることにより,その第1ビーム光P1を前記A面測定部位1aに照射させる。図5に示される例では,前記第1ビーム光P1は,前記A面測定部位1aの表面に対して垂直入射され,前記第2ビーム光P2は,前記ミラーa24’の表面(参照面)に対して斜め入射される。
さらに,前記偏光ビームスプリッタa21’は,前記A面測定部位1aからの前記第1ビーム光P1の反射光を前記A面側第1偏光板a25の方向へ反射するとともに,前記ミラーa24’の表面(参照面)からの前記第2ビーム光P2の反射光を前記A面側第1偏光板a25方向へ透過させる。これにより,前記A面測定部位1aからの前記第1ビーム光P1の反射光と,前記ミラーa24’の表面(参照面)からの前記第2ビーム光P2の反射光とが,同じ光路に沿って(光軸が重なった状態で)進行しつつ前記A面側第1偏光板a25を通過することによって相互に干渉する。その干渉光(前記A面測定干渉光)は,前記A面側第1光検出器a26に入力(入射)され,前記A面測定干渉光の強度信号Sig1が得られる。
同様に,前記B面側ヘテロダイン干渉計b201も,図5に示されるように,前記B面側第1偏光板b25,前記B面側第1光検出器b26及び前記4分の1波長板b22に加え,偏光ビームスプリッタb21’及びミラーb24’を備えている。
前記B面側ヘテロダイン干渉計b201も,2つのビーム光P1,P2のいずれが物体光又は参照光になるかという対応関係がA面側と逆になっていること以外は,前記A面側ヘテロダイン干渉計a201と同様の機能を有している。
即ち,形状測定装置X3における2つのヘテロダイン干渉計a201,b201の機能は,図1に示された2つのヘテロダイン干渉計a20,b20の機能と同じである。
なお,図5に示されるように,前記A面側ヘテロダイン干渉計a201は,前記第1ビーム光P1及び前記第2ビーム光P2それぞれを相互に重ならない光路を経由させてA面側の測定部位1a及び参照面それぞれに照射させる。
同様に,前記B面側ヘテロダイン干渉計b201は,前記第1ビーム光P1及び前記第2ビーム光P2それぞれを相互に重ならない光路を経由させてB面側の参照面及び測定部位1bそれぞれに照射させる。
また,図5に示されるように,形状測定装置X3は,前記形状測定装置X2におけるA面側及びB面側それぞれの振幅測定用信号採取機器a70,b70の代わりに,A面側振幅測定用信号採取機器a702及びB面側振幅測定用信号採取機器b702を備えている。
さらに,形状測定装置X3は,前記形状測定装置X2と同様に,前記振幅の指標値As1’,As2’を算出してその算出値を前記位相補正処理装置7に対して出力する第1振幅算出装置a8及び第2振幅算出装置b8を備えている。
形状測定装置X3における前記形状測定装置X2と異なる点は,前記振幅の指標値As1’,As2’の算出に用いられる信号Obs11,Obs12,Obs21,Obs22が,A面側及びB面側それぞれにおいて,前記ミラーa13,b13等の導光機器を経てA面及びB面それぞれの測定部位1a,1b及び参照面(ミラーa24’,b24’の表面)それぞれに照射される前の前記第1ビーム光P1及び前記第2ビーム光P2それぞれを検出する光検出器a721,a722,b721,b722の検出信号である点である。
図5に示されるように,前記A面側振幅測定用信号採取機器a702は,第1ビームスプリッタa711及び第2ビームスプリッタa712と,第1光検出器a721及び第2光検出器a722とを備えている。
前記第1ビームスプリッタa711により,前記A面側ヘテロダイン干渉計a20に入力されるA面側の前記第1ビーム光P1が二分岐(分光)され,二分岐された一方の光が,前記測定部位1aに照射されて物体光Pa1となる。
そして,前記第1ビームスプリッタa711により二分岐された他方の光が,前記第1光検出器a721によって検出される。
また,前記第2ビームスプリッタa712により,前記A面側ヘテロダイン干渉計a20に入力されるA面側の前記第2ビーム光P2が二分岐(分光)され,二分岐された一方の光が,A面側の参照面(ミラーa24’の表面)に照射されて参照光Pa2となる。
そして,前記第2ビームスプリッタa712により二分岐された他方の光が,前記第2光検出器a722によって検出される。
このように,前記第1光検出器a721及び前記第2光検出器a722により,前記ミラーa13等の導光機器を経てA面側の前記測定部位1a及び参照面それぞれに照射される前の前記第1ビーム光P1及び前記第2ビーム光P2それぞれが検出される。
また,前記第1振幅算出装置a8により,前記形状測定装置X2の場合と同様に,前記第1光検出器a721の検出信号Obs11及び前記第2光検出器a722の検出信号Obs12に基づいて,A面側の前記振幅の指標値As1’が算出される。
また,前記B面側振幅測定用信号採取機器b702も,第1ビームスプリッタb711及び第2ビームスプリッタb712と,第1光検出器b721及び第2光検出器b722とを備えている。
前記第1ビームスプリッタb711により,前記B面側ヘテロダイン干渉計b20に入力されるB面側の前記第1ビーム光P1が二分岐(分光)され,二分岐された一方の光が,参照面(ミラーb24’の表面)に照射されて参照光Pb1となる。
そして,前記第2ビームスプリッタb711により二分岐された他方の光が,前記第2光検出器b721によって検出される。
また,前記第2ビームスプリッタb712により,前記B面側ヘテロダイン干渉計b20に入力されるB面側の前記第2ビーム光P2が二分岐(分光)され,二分岐された一方の光が,B面側の測定部位1bに照射されて物体光Pb2となる。
そして,前記第2ビームスプリッタb712により二分岐された他方の光が,前記第2光検出器b722によって検出される。
このように,前記第1光検出器b721及び前記第2光検出器b722により,前記ミラーb13等の導光機器を経てB面側の参照面及び前記測定部位1bそれぞれに照射される前の前記第1ビーム光P1及び前記第2ビーム光P2それぞれが検出される。
また,前記第2振幅算出装置b8により,前記形状測定装置X2の場合と同様に,前記第1光検出器b721の検出信号Obs21及び前記第2光検出器b722の検出信号Obs22に基づいて,B面側の前記振幅の指標値As2’が算出される。
なお,形状測定装置X3における前記位相補正処理装置7により,前記振幅の指標値As1’,As2’に基づく位相差ΔΦsの補正処理が行われる内容は,前記形状測定装置X2の場合と同様である。
このような形状測定装置X3も,本発明の実施形態の一例であり,前記形状測定装置X1と同様の作用効果が得られる。
前記形状測定装置X1,X2では,干渉光の強度信号,或いは干渉光の元になる物体光及び参照光それぞれの強度信号に基づいてA面側及びB面側それぞれにおける前記振幅の指標値が得られる。そのようにして得られる前記振幅の指標値には,光源の出力変動や,光源から参照面や測定部位1a,1bに至るまでの測定光に加わる外乱,被測定物1の測定部位1a,1bの状態変動(表面角度や反射率の変動),等に起因する振幅変動が反映される。
従って,前記形状測定装置X1,X2によれば,高い精度で位相差ΔΦsの補正を行うことができる。
一方,前記形状測定装置X3において得られる前記振幅の指標値には,被測定物1の測定部位1a,1bの状態変動に起因する振幅変動が反映されない。
従って,前記形状測定装置X3は,前記位相検波器4の入力信号の振幅変動に関し,光源の出力変動や,光源から参照面や測定部位1a,1bに至るまでの測定光に加わる外乱の要因が支配的である場合に有効である。
ところで,前記形状測定装置X1における両ヘテロダイン干渉計a20,b20へ入力されるビーム光P1,P2は,前記二偏波光源2から前記A面側補正用干渉計a30及び前記B面側補正用干渉計b30のそれぞれに至る過程において,温度や湿度の変化等により位相の揺らぎが生じた場合,その揺らぎの影響が測定値ΔΦs(位相差)に反映され,それが測定誤差となる。その測定誤差の問題を解消するものが,本発明の第4実施形態に係る形状測定装置X4である。
以下,図6に示される主要部の構成図を参照しつつ,本発明の第4実施形態に係る形状測定装置X4について説明する。
形状測定装置X4は,図1に示した前記形状測定装置X1と基本的な装置構成及び測定原理は同じである。従って,以下,形状測定装置X4について,前記形状測定装置X1と異なる部分についてのみ説明する。なお,図6において,図1に示された装置の構成要素と同じ構成要素に対しては図1と同じ符号が付されている。また,図6において,光源及び光源から被測定物1のA面側及びB面側への導光機器の記載が省略されている。
形状測定装置X4は,前記形状測定装置X1と比較し,A面側補正用干渉計a30及びB面側補正用干渉計b30,並びに第2位相検波器5が追加されている点で異なる。なお,前記形状測定装置X1も備えていた前記位相検波器4のことを,図6及び以下の説明において,便宜上,第1位相検波器4と記載する。
図6に示されるように,前記A面側補正用干渉計a30は,ビームスプリッタa31(以下,A面側BS(a31)という),偏光板a32(以下,A面側第2偏光板a32という)及び光検出器a33(以下,A面側第2光検出器a33という)を備えている。
前記A面側BS(a31)は,前記A面測定部位1aの方向へ導かれた第1ビーム光P1及び第2ビーム光P2を,前記A面側ヘテロダイン干渉計a20に入力される直前の位置において,そのA面側ヘテロダイン干渉計a20に入力されるビーム光(以下,主光という)と,それ以外のビーム光(以下,副光という)とに分岐させる(前記おもて面側の主副分光手段の一例)。
前記A面側第2偏光板a32は,所定方向(両ビーム光の偏波面の方向の中間方向)の偏波面の光のみを透過させることにより,前記A面側BS(a31)により分岐された前記副光(即ち,分岐された第1ビーム光P1及び第2ビーム光P2)を干渉させる(前記おもて面側の副光干渉手段の一例)。
前記A面側第2光検出器a33は,前記A面側第2偏光板a32により得られる干渉光を受光して光電変換を行うことにより,その干渉光の強度信号Ref1(電気信号)を出力する(前記おもて面側の副光強度検出手段の一例)。
また,前記B面側補正用干渉計b30は,被測定物1のB面側において,前記A面側補正用干渉計a30と同様の構成を備えるものである。
即ち,前記B面側補正用干渉計b30は,図1に示すように,ビームスプリッタb31(以下,B面側BS(b31)という),偏光板b32(以下,B面側第2偏光板b32という)及び光検出器b33(以下,B面側第2光検出器b33という)を備えている。
前記B面側BS(b31)は,前記B面測定部位1bの方向へ導かれた第1ビーム光P1及び第2ビーム光P2を,前記B面側ヘテロダイン干渉計b20に入力される直前の位置において,そのB面側ヘテロダイン干渉計b20に入力されるビーム光(主光)と,それ以外のビーム光(副光)とに分岐させる(前記うら面側の主副分光手段の一例)。
前記B面側第2偏光板b32は,所定方向(両ビーム光の偏波面の方向の中間方向)の偏波面の光のみを透過させることにより,前記B面側BS(b31)により分岐された前記副光(即ち,分岐された第1ビーム光P1及び第2ビーム光P2)を干渉させる(前記うら面側の副光干渉手段の一例)。
前記B面側第2光検出器b33は,前記B面側第2偏光板b32により得られる干渉光を受光して光電変換を行うことにより,その干渉光の強度信号Ref2(電気信号)を出力する(前記うら面側の副光強度検出手段の一例)。
また,前記第2位相検波器5(前記第2の位相検波手段に相当)は,前記A面側第2光検出器a33及び前記B面側第2光検出器b33のそれぞれから出力される強度信号Ref1,Ref2の位相差ΔΦrを検出し,その検出値を電気信号(検出信号)として出力するものであり,例えば,ロックインアンプを採用することができる。ここで,前記第2位相検波器5の出力信号の値(位相差ΔΦr)は,後述するように,前記被測定物1の厚みの補正用の測定値(前記第2の測定値に相当)である。
前記第1ビーム光P1及び前記第2ビーム光P2について,前記二偏波光源2から前記PBS3及びミラーa11〜a13,b11,b12によりA面測定部位1a及びB面測定部位1bのそれぞれへ導かれる経路において位相の揺らぎが生じた場合,その揺らぎの影響が前記第1位相検波器4により検出される位相差ΔΦsに反映され,それが測定誤差となる。
しかしながら,そのような位相の揺らぎの成分のA面側及びB面側の合計は,前記第2位相検波器5により検出される位相差ΔΦrに反映される。従って,前記位相補正処理装置7により得られる振幅に基づく補正後の位相差ΔΦs’に対し,前記第2位相検波器5により検出される位相差ΔΦrを差し引く補正を行うことにより得られる位相差(ΔΦs’−ΔΦr)は,2つのヘテロダイン干渉計a20,b20に至るまでの両ビーム光P1,P2の位相の揺らぎの影響が除去された測定値となる。
そこで,形状測定装置X4においては,前記計算機6は,前記位相補正処理装置7から出力される補正後の位相差ΔΦs’と,前記第2位相検波器5から出力される測定値である位相差ΔΦrとの差に基づいて,被測定物1における前記A面測定部位1a及び前記B面測定部位1bの位置の厚みを算出し,その算出値を出力する(前記第2の厚み算出手段の一例)。
具体的には,前記計算機6は,前記(e3)式におけるΔΦs1を,(ΔΦs’−ΔΦr)に置き換えた式に基づいて被測定物1の厚み(ΔL1−ΔL2)を算出する。これにより,その算出値は,両ビーム光P1,P2の位相の揺らぎの影響を受けない値となる。
このような形状測定装置X4も,本発明の実施形態の一例である。もちろん,前記A面側補正用干渉計a30,前記B面側補正用干渉計b30及び前記第2位相検波器5が,前記形状測定装置X2又はX3に追加された装置も,本発明の実施形態の一例である。
また,前記形状測定装置X1〜X4において,ヘテロダイン干渉計a20,a201,b20,b201は,被測定物1の表面(A面,B面)に対して略垂直に測定光を入射させるものであるが,光学系を組みかえることにより,測定光を被測定物1の表面(A面,B面)に対して斜めに入射させ,その反射光により干渉光を得るタイプの干渉計を採用してもよい。
以下,図7及び図8に示す概略構成図を参照しつつ,前記形状測定装置X1〜X4に適用可能なヘテロダイン干渉計の第2実施例(図7参照:以下,A面側ヘテロダイン干渉計a202及びB面側ヘテロダイン干渉計b202という)及び第3実施例(図8参照:以下,A面側ヘテロダイン干渉計a203及びB面側ヘテロダイン干渉計b203という)について説明する。
これら第2実施例及び第3実施例におけるヘテロダイン干渉計a202,b202,a203,b203は,測定光(ビーム光)を被測定物1の表面に斜めに入射させるものである。
なお,図7及び図8において,前記A面側振幅測定用信号採取機器(a70又はa701)及びB面側振幅測定用信号採取機器(b70又はb701)の記載は省略されている。
図7に示されるように,前記A面側ヘテロダイン干渉計a202は,前記A面側PBS(a21)と,前記A面側参照板a24と,ビームスプリッタa28と,前記A面側第1偏光板a25及び前記A面側第1光検出器a26とを備えている。
前記A面側ヘテロダイン干渉計a202においては,前記A面側PBS(a21)が,それを透過した前記第1ビーム光P1が前記A面側測定部位1aの表面(平面)に対して斜めに入射するよう配置されている。
そして,前記A面側PBS(a21)は,前記第2ビーム光P2とは異なる光路で導かれた前記第1ビーム光P1を透過させることにより,その第1ビーム光P1を前記A面測定部位1aに照射させる(斜め入射させる)とともに,前記第2ビーム光P2を反射することにより,その第2ビーム光P2を前記A面側参照板a24の表面(第1の参照面)に照射させる(斜め入射させる)。
また,前記ビームスプリッタa28は,前記A面測定部位1aからの前記第1ビーム光P1の反射光(正反射光)を前記A面側第1偏光板a25の方向へ透過させるとともに,前記A面側参照板a24の表面からの前記第2ビーム光P2の反射光(正反射光)を前記A面側第1偏光板a25の方向へ反射する。これにより,前記ビームスプリッタa28を透過した前記A面測定部位1aからの前記第1ビーム光P1の反射光と,前記ビームスプリッタa28に反射した前記A面側参照板a24の表面からの前記第2ビーム光P2の反射光とが,同じ光路に沿って(光軸が重なった状態で)進行しつつ前記A面側第1偏光板a25を通過することによって相互に干渉する。その干渉光(前記A面測定干渉光)は,前記A面側第1光検出器a26に入力(入射)され,前記A面測定干渉光の強度信号Sig1が得られる。
同様に,前記B面側ヘテロダイン干渉計b202は,前記B面側PBS(b21)と,前記B面側参照板b24と,ビームスプリッタb28と,前記B面側第1偏光板b25及び前記B面側第1光検出器b26とを備えている。
前記B面側ヘテロダイン干渉計b202においては,前記B面側PBS(b21)が,それを透過した前記第2ビーム光P2が前記B面側測定部位1bの表面(平面)に対して斜めに入射するよう配置されている。
そして,前記B面側PBS(b21)は,前記第1ビーム光P1とは異なる光路で導かれた前記第2ビーム光P2を透過させることにより,その第2ビーム光P2を前記B面測定部位1bに照射させる(斜め入射させる)とともに,前記第1ビーム光P1を反射することにより,その第1ビーム光P1を前記B面側参照板b24の表面(第2の参照面)に照射させる(斜め入射させる)。
また,前記ビームスプリッタb28は,前記B面測定部位1bからの前記第2ビーム光P2の反射光(正反射光)を前記B面側第1偏光板b25の方向へ透過させるとともに,前記B面側参照板b24の表面からの前記第1ビーム光P1の反射光(正反射光)を前記B面側第1偏光板b25の方向へ反射する。これにより,前記ビームスプリッタb28を透過した前記B面測定部位1bからの前記第2ビーム光P2の反射光と,前記ビームスプリッタb28に反射した前記B面側参照板b24の表面からの前記第1ビーム光P1の反射光とが,同じ光路に沿って(光軸が重なった状態で)進行しつつ前記B面側第1偏光板b25を通過することによって相互に干渉する。その干渉光(前記B面測定干渉光)は,前記B面側第1光検出器b26に入力(入射)され,前記B面測定干渉光の強度信号Sig2が得られる。
図7に示されるように,測定光を被測定物1に対して斜め入射させるヘテロダイン干渉計が採用された形状測定装置も,本発明の実施形態の一例である。
また,図8に示されるように,第3実施例における前記A面側ヘテロダイン干渉計a203及び前記B面側ヘテロダイン干渉計b203は,それぞれ前記A面側ヘテロダイン干渉計a202及び前記B面側ヘテロダイン干渉計b202の構成において,前記A面側PBS(a21)及び前記B面側PBS(b21)が,それぞれミラーa27’,b27’に置き換えられた構成を有している。
そして,前記A面側ヘテロダイン干渉計a203においては,前記第1ビーム光P1がそのまま前記A面測定部位1aに斜め入射する。
また,前記ミラーa27’が,前記第2ビーム光P2を反射して前記A面側参照板a24の表面(第1の参照面)に斜め入射させる。
そして,前記ビームスプリッタa28が,前記A面測定部位1aからの前記第1ビーム光P1の反射光(正反射光)を前記A面側第1偏光板a25の方向へ透過させるとともに,前記A面側参照板a24の表面からの前記第2ビーム光P2の反射光(正反射光)を前記A面側第1偏光板a25の方向へ反射する。これにより,前記ビームスプリッタa28を透過した前記A面測定部位1aからの前記第1ビーム光P1の反射光と,前記ビームスプリッタa28に反射した前記A面側参照板a24の表面からの前記第2ビーム光P2の反射光とが相互に干渉する。
同様に,前記B面側ヘテロダイン干渉計b203においては,前記第2ビーム光P2がそのまま前記B面測定部位1bに斜め入射する。
また,前記ミラーb27’が,前記第1ビーム光P1を反射して前記B面側参照板b24の表面(第2の参照面)に斜め入射させる。
そして,前記ビームスプリッタb28が,前記B面測定部位1bからの前記第2ビーム光P2の反射光(正反射光)を前記B面側第1偏光板b25の方向へ透過させるとともに,前記B面側参照板b24の表面からの前記第1ビーム光P1の反射光(正反射光)を前記B面側第1偏光板b25の方向へ反射する。これにより,前記ビームスプリッタb28を透過した前記B面測定部位1bからの前記第2ビーム光P2の反射光と,前記ビームスプリッタb28に反射した前記B面側参照板b24の表面からの前記第1ビーム光P1の反射光とが相互に干渉する。
図8に示されるようなヘテロダイン干渉計が採用された形状測定装置も,本発明の実施形態の一例である。
次に,図11に示される模式図を参照しつつ,前記形状測定装置X1〜X4を用いた被測定物1の厚み分布測定方法の一例について説明する。
前記形状測定装置X1〜X4は,被測定物1の振動の影響を受けることなく,被測定物1の特定の部位の厚みを高精度かつ高速で測定できる。そこで,被測定物1をその中央部や端部等で支持し,被測定物1をその厚み方向に直交する平面内(被測定物1の表裏各面に平行な面内)で移動させつつ前記形状測定装置X1により厚み測定を行えば,被測定物1の厚み分布を高精度で容易に測定できる。図11は,そのような厚み分布測定方法の一例を表すものである。
図11に示す厚み分布測定方法においては,半導体ウェハ等の円盤状の被測定物1が,その縁部(エッジ部)において,円周上の三箇所に配置された支持部44により3点支持される。これら3つの支持部44は,前記円周の中心に向かって伸びる回転軸41に連結されている。
さらに,その支持軸41は,ステッピングモータ等の回転駆動部42によって回転駆動される。これにより,被測定物1は,その中央部を回転中心として回転される。
また,前記支持軸41及び前記回転駆動部42は,直線移動機構43により,被測定物1の表裏各面に平行な方向(厚み方向に直交する方向)に所定の移動範囲内で直線移動される。即ち,前記直線移動機構43は,被測定物1をその半径方向に沿って移動させる。
また,前記支持軸41,前記回転駆動部42及び前記直線移動機構43を備えた被測定物支持機構は,前記形状測定装置X1における前記A面側ヘテロダイン干渉計a20(或いは,a201〜a203のいずれか)による測定光(前記第1ビーム光P1)の照射位置と前記B面側ヘテロダイン干渉計b20(或いは,b201〜b203のいずれか)による測定光(前記第2ビーム光P2)の照射位置との間に被測定物1を支持する。
そして,前記回転駆動部42による被測定物1の回転と,前記直線移動機構43による被測定物1の直線方向の移動とを併用することにより,被測定物1における測定部位1a,1bの位置を順次変更しつつ前記形状測定装置X1による厚み測定を実行する。
例えば,被測定物1を一定速度で連続的に回転及び直線移動させつつ,一定周期で,或いは測定点1a,1bの位置が予め定められた位置となるごとに,前記計算機6が,位相差ΔΦs’, ΔΦrのデータを前記位相補正処理装置7及び前記第2位相検波器5各々から取得する。さらに,前記計算機6が,それら2つの位相差ΔΦs’,ΔΦrの差(=ΔΦs−ΔΦr)を前記(e3)式のΔΦs1に代入することにより,被測定物1の厚み(ΔL1−ΔL2)を算出する。
図12は,被測定物1における測定点の分布の一例を表す模式図である。
被測定物1を回転及び直線移動させつつ干渉光の位相検出を順次行った場合,図12に示されるように,測定点1a,1bの位置は,被測定物1の表面における渦巻き状の線(波線)に沿って順次変化する。
そして,前記被測定物支持機構41〜43により前記被測定物1の保持位置を二次元方向に移動させつつ前記形状測定装置X1〜X4による厚み測定を順次行い,その測定データを所定の記憶部に記憶させれば,被測定物1の厚み分布データが得られる。
ここで,円盤状の被測定物1の厚みが薄い場合,その被測定物1は,図11に示すように一部で支持されると,わずかな風圧や床の振動によって厚み方向(図11においては上下方向)に振動する。しかしながら,前記形状測定装置X1〜X4は,被測定物1がそのように振動しても,その振動の影響を受けずに高精度で被測定物1の厚み分布を測定できる。
なお,被測定物1をその表面に平行な面内(厚み方向に直交する面内)で位置決めする機構は,図11に示される機構の他,いわゆるX−Yプロッタのように,被測定物1の支持部(前記支持軸41)を交差する2直線それぞれに沿って移動させる機構であってもよい。
本発明は,半導体ウェハ等の被測定物についての形状測定装置に利用可能である。
本発明の第1実施形態に係る形状測定装置X1の構成図。 形状測定装置X1に採用可能な位相補正用機器の第1実施例の構成図。 形状測定装置X1に採用可能な位相補正用機器の第2実施例の構成図。 本発明の第2実施形態に係る形状測定装置X2の主要部の構成図。 本発明の第3実施形態に係る形状測定装置X3の主要部の構成図。 本発明の第4実施形態に係る形状測定装置X4の構成図。 形状測定装置X1〜X4に適用可能な光干渉計の第1実施例を表す概略構成図。 形状測定装置X1〜X4に適用可能な光干渉計の第2実施例を表す概略構成図。 形状測定装置X1〜X4に適用可能な二偏波光源の実施例を表す概略構成図。 検波器における入力信号の振幅(信号強度)と出力信号の値(位相差)との関係の一例を表すグラフ。 形状測定装置X1〜X4を用いた被測定物の厚み分布測定方法の一例を表す模式図。 形状測定装置X1〜X4を用いて被測定物の厚み分布測定を行った場合の測定部位の分布の一例を表す模式図。
符号の説明
X1〜X4:本発明の実施形態に係る形状測定装置
1 :被測定物
1a:A面測定部位
1b:B面測定部位
2,2’:二偏波光源
3 :偏光ビームスプリッタ
4 :位相検波器(第1位相検波器)
5 :第2位相検波器
6 :計算機
7 :位相補正処理装置
a11〜a13,b11,b12:ミラー
a20,a201〜a203:A面側ヘテロダイン干渉計
a30:A面側補正用干渉計
b20,b201〜b203:B面側ヘテロダイン干渉計
b30:B面側補正用干渉計
a70,a701,a702:A面側振幅測定用信号採取機器
b70,b701,b702:B面側振幅測定用信号採取機器
P1 :第1ビーム光
P2 :第2ビーム光
Pa1:A面側の物体光
Pa2:A面側の参照光
Pb1:B面側の参照光
Pb2:B面側の物体光
Pa12:A面側の干渉光
Pb12:B面側の干渉光

Claims (9)

  1. 被測定物の厚みを非接触で測定するために用いられる形状測定装置であって,
    所定の光源から出射されるそれぞれ周波数が異なる第1の測定光及び第2の測定光のそれぞれを分岐させて前記被測定物の表裏相対する部位であるおもて面の測定部位及びうら面の測定部位の各方向へ導く導光手段と,
    前記おもて面の測定部位の方向へ導かれた前記第1の測定光を前記おもて面の測定部位に照射させるとともに,前記おもて面の測定部位の方向へ導かれた前記第2の測定光を第1の参照面に照射させ,前記おもて面の測定部位からの前記第1の測定光の反射光であるおもて面側物体光と前記第1の参照面からの前記第2の測定光の反射光であるおもて面側参照光とを干渉させ,その干渉光の強度信号を出力するおもて面側のヘテロダイン干渉計と,
    前記うら面の測定部位の方向へ導かれた前記第2の測定光を前記うら面の測定部位に照射させるとともに,前記うら面の測定部位の方向へ導かれた前記第1の測定光を第2の参照面に照射させ,前記うら面の測定部位からの前記第2の測定光の反射光であるうら面側物体光と前記第2の参照面からの前記第1の測定光の反射光であるうら面側参照光とを干渉させ,その干渉光の強度信号を出力するうら面側のヘテロダイン干渉計と,
    前記おもて面側のヘテロダイン干渉計及び前記うら面側のヘテロダイン干渉計のそれぞれから出力される強度信号の位相差を検出する第1の位相検波手段と,
    前記おもて面側のヘテロダイン干渉計及び前記うら面側のヘテロダイン干渉計それぞれから出力される強度信号の振幅又はその指標値を測定する振幅測定手段と,
    前記第1の位相検波手段により検出された前記位相差を前記振幅測定手段の測定値に応じて補正し,補正後の位相差を前記被測定物の厚みに相当する第1の測定値として出力する位相補正手段と,
    を具備してなることを特徴とする形状測定装置。
  2. 前記振幅測定手段が,
    前記おもて面側のヘテロダイン干渉計及び前記うら面側のヘテロダイン干渉計それぞれにおける干渉光を検出する2つの光検出器と,
    前記2つの光検出器それぞれの検出信号に基づいて前記おもて面側のヘテロダイン干渉計及び前記うら面側のヘテロダイン干渉計それぞれから出力される強度信号の振幅の指標値を導出する振幅測定値導出手段と,
    を具備してなる請求項1に記載の形状測定装置。
  3. 前記振幅測定手段における前記2つの光検出器が,前記おもて面側のヘテロダイン干渉計及び前記うら面側のヘテロダイン干渉計それぞれにおける干渉光の強度信号を得るための光検出器を兼ねるものである請求項2に記載の形状測定装置。
  4. 前記振幅測定手段が,
    前記おもて面側のヘテロダイン干渉計における前記おもて面側物体光及び前記おもて面側参照光それぞれを検出するおもて面側の2つの光検出器と,
    前記うら面側のヘテロダイン干渉計における前記うら面側物体光及び前記うら面側参照光それぞれを検出するうら面側の2つの光検出器と,
    前記おもて面側の2つの光検出器の検出信号に基づいて前記おもて面側のヘテロダイン干渉計から出力される強度信号の振幅の指標値を導出し,前記うら面側の2つの光検出器の検出信号に基づいて前記うら面側のヘテロダイン干渉計から出力される強度信号の振幅の指標値を導出する振幅測定値導出手段と,
    を具備してなる請求項1に記載の形状測定装置。
  5. 前記振幅測定手段が,
    前記導光手段を経て前記おもて面の測定部位及び前記第1の参照面それぞれに照射される前の前記第1の測定光及び前記第2の測定光それぞれを検出するおもて面側の2つの光検出器と,
    前記導光手段を経て前記うら面の測定部位及び前記第2の参照面に照射される前の前記第2の測定光及び前記第1の測定光それぞれを検出するうら面側の2つの光検出器と,
    前記おもて面側の2つの光検出器の検出信号に基づいて前記おもて面側のヘテロダイン干渉計から出力される強度信号の指標値を導出し,前記うら面側の2つの光検出器の検出信号に基づいて前記うら面側のヘテロダイン干渉計から出力される強度信号の振幅の指標値を導出する振幅測定値導出手段と,
    を具備してなる請求項1に記載の形状測定装置。
  6. 前記位相補正手段から出力される前記第1の測定値に基づいて,前記被測定物における前記おもて面の測定部位及び前記うら面の測定部位の位置の厚みを算出してその算出値を出力する第1の厚み算出手段を具備してなる請求項1〜5のいずれかに記載の形状測定装置。
  7. 前記おもて面の測定部位の方向へ導かれた前記第1の測定光及び前記第2の測定光を前記おもて面側のヘテロダイン干渉計に入力される主光とそれ以外の副光とに分岐させるおもて面側の主副分光手段と,
    前記おもて面側の主副分光手段により分岐された前記副光を干渉させるおもて面側の副光干渉手段と,
    前記おもて面側の副光干渉手段により得られる干渉光を受光してその強度信号を出力するおもて面側の副光強度検出手段と,
    前記うら面の測定部位の方向へ導かれた前記第1の測定光及び前記第2の測定光を前記うら面側のヘテロダイン干渉計に入力される主光とそれ以外の副光とに分岐させるうら面側の主副分光手段と,
    前記うら面側の主副分光手段により分岐された前記副光を干渉させるうら面側の副光干渉手段と,
    前記うら面側の副光干渉手段により得られる干渉光を受光してその強度信号を出力するうら面側の副光強度検出手段と,
    前記おもて面側の副光強度検出手段及び前記うら面側の副光強度検出手段のそれぞれから出力される強度信号の位相差を検出し,その検出信号を前記被測定物の厚みの補正用の第2の測定値として出力する第2の位相検波手段と,
    を具備してなる請求項1〜5のいずれかに記載の形状測定装置。
  8. 前記位相補正手段から出力される前記第1の測定値と前記第2の位相検波手段から出力される前記第2の測定値との差に基づいて,前記被測定物における前記おもて面の測定部位及び前記うら面の測定部位の位置の厚みを算出してその算出値を出力する第2の厚み算出手段を具備してなる請求項7に記載の形状測定装置。
  9. 前記導光手段が,前記第1の測定光及び前記第2の測定光を,前記光源から前記おもて面側のヘテロダイン干渉計及び前記うら面側のヘテロダイン干渉計に至るまで相互に重ならない光路で導いてなり,
    前記おもて面側のヘテロダイン干渉計が,前記第1の測定光及び前記第2の測定光それぞれを相互に重ならない光路を経由させて前記おもて面の測定部位及び前記第1の参照面それぞれに照射させ,
    前記うら面側のヘテロダイン干渉計が,前記第1の測定光及び前記第2の測定光それぞれを相互に重ならない光路を経由させて前記第2の参照面及び前記うら面の測定部位それぞれに照射させてなる請求項1〜8のいずれかに記載の形状測定装置。
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