図1は、本発明の一実施形態である通信システム100の概略図である。
なお、本実施形態においては、内線番号の自動付与の動作をベースに説明するが、内線番号ではなく、電話番号を割り振るようにすることも可能である。
図示するように、通信システム100は、中継装置としてのゲートウェイ(以下、GWという)110と、IP電話130A〜130E(個々のものを区別しない場合には、IP電話130という)と、アナログ電話150と、パーソナルコンピュータ(以下、PCという)160と、を備え、IP電話130、アナログ電話150及びPC160は、LAN(Local Area Network)170を介して相互に情報の送受信を行うことができるようにされており、また、IP電話130、アナログ電話150及びPC160は、GW110を介して、WAN(Wide Area Network)171に接続することができるようにされている。
図2は、GW110の概略図である。
図示するように、GW110は、記憶部111と、制御部116と、WANポート123と、LANポート124と、アナログポート125と、を備える。
記憶部111は、設定情報記憶領域112と、通信情報記憶領域113と、内線情報記憶領域114と、外線情報記憶領域115と、を備える。
設定情報記憶領域112には、GW110を介して行う通信における設定を特定する情報が記憶される。
例えば、本実施形態においては、図3(設定テーブル112aの概略図)に示すような設定テーブル112aが設定情報記憶領域112に記憶される。
設定テーブル112aは、コンフィグフィールド112bと、選択範囲フィールド112cと、設定値フィールド112dと、を有する。
コンフィグフィールド112bには、GW110を介した通信において設定を行う項目を特定する情報が格納される。
ここで、本実施形態においては、GW110を介した通信において設定を行う項目として、内線番号自動設定、LANIPアドレス、DHCP付与範囲、内線代表番号、先頭内線番号、内線番号割当間隔及び内線番号付与範囲が設けられており、それぞれの項目に対応するレコードの選択範囲フィールド112cに格納されている選択範囲から、設定値フィールド112dにおいて設定値を選択するようにされている。
内線番号自動設定の項目に対応するレコード112eでは、GW110を介してLAN170に接続するIP電話130に内線番号を設定するか否かが特定される。即ち、選択範囲フィールド112cに格納されている「有り」又は「無し」のうちから、「有り」を設定値フィールド112dに格納すると、IP電話130に内線番号を設定する処理を後述する制御部116が行い、「無し」を格納するとそのような処理を制御部116は行わないようになる。
LANIPアドレスの項目に対応するレコード112fでは、GW110が、自装置に収容する装置(例えば、IP電話130等)が接続されるネットワーク(ここでは、LAN170)で使用するIPアドレスが特定される。このレコード112fでは、選択範囲フィールド112cは空欄にされており、設定値フィールド112dにIPアドレスを特定する情報が格納される。
DHCP付与範囲の項目に対応するレコード112gでは、GW110の制御部116が、自装置に収容する装置(ここでは、IP電話130及びPC160)にDHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)に従って割り振るIPアドレスの範囲が特定される。ここでは、選択範囲フィールド112cにおいてIPアドレスの範囲が「192.168.0.1〜192.168.0.254」と定められており、この範囲の中から設定値フィールド112dに割り振りを行うIPアドレスの範囲を特定する情報が格納される。
内線代表番号の項目に対応するレコード112hでは、GW110に収容するIP電話130の代表となる内線番号(本実施形態では、全てのIP電話130を呼び出す(鳴動させる)内線番号)が特定される。ここでは、選択範囲フィールド112cにおいて、内線の代表番号を選択する範囲が「0〜9999」と定められており、この範囲の中から設定値フィールド112dに代表内線番号を特定する情報が格納される。
先頭内線番号の項目に対応するレコード112iでは、GW110の制御部116が自装置に収容するIP電話130に割り振る内線番号の先頭となる番号が特定される。ここでは、選択範囲フィールド112cにおいて、内線番号の先頭を選択する範囲が「0〜9999」と定められており、この範囲の中から設定値フィールド112dに内線番号の先頭となる番号を特定する情報が格納される。
内線番号割当間隔の項目に対応するレコード112jでは、GW110の制御部116が自装置に収容するIP電話130に割り振る内線番号の間隔が特定される。ここでは、選択範囲フィールド112cにおいて、内線番号の間隔を選択する範囲が「+1」、「+10」又は「+100」と定められており、この範囲の中から設定値フィールド112dに内線番号の間隔を特定する情報が格納される。
内線番号付与範囲の項目に対応するレコード112kでは、GW110の制御部116が、内線番号を設定するIP電話130に割り振るIPアドレスの範囲を特定する。ここでは、選択範囲フィールド112cにおいて、内線番号を設定するIP電話130に割り振るIPアドレスの範囲が「192.168.0.1〜192.168.0.254」と定められており、この範囲の中から設定値フィールド112dにIPアドレスの範囲を特定する情報が格納される。
なお、設定値フィールド112dに格納する設定値については、コンフィグフィールド112bに格納されている項目と、選択範囲フィールド112cに格納されている範囲と、を特定の表示形式にして図示しない表示部に表示することで、図示しない入力部を介して、設定値の入力を受け付けるようにすることも可能である。また、コンフィグフィールド112bに格納されている項目と、選択範囲フィールド112cに格納されている範囲と、をLAN170又はWAN171に接続されている他の装置に送信し、当該他の装置において、特定の表示形式にして当該他の装置の表示部に表示し、当該他の装置の入力部を介して設定値の入力を受け付けるようにすることも可能である。
図2に戻り、通信情報記憶領域113には、GW110を介して通信を行う装置に割り振る情報が記憶される。
例えば、本実施形態においては、図4(通信テーブル113aの概略図)に示すような通信テーブル113aが通信情報記憶領域113に記憶される。
通信テーブル113aは、Noフィールド113bと、種別フィールド113cと、IPアドレスフィールド113dと、MACアドレスフィールド113eと、内線番号フィールド113fと、グループ番号フィールド113gと、を有する。
Noフィールド113bには、各々のレコードを一意に識別するための識別番号が格納される。
種別フィールド113cには、GW110を介して通信を行う装置の種別を特定する情報が格納される。
ここで、本実施形態においては、種別フィールド113cに「アナログ」の文字列が格納されている場合にはアナログ電話150を示し、「IP−TEL」の文字列が格納されている場合にはIP電話130を示し、「PC」の文字列が格納されている場合には、PC160を示すものとする。
IPアドレスフィールド113dには、種別フィールド113cで特定される種別の装置に割り振るIPアドレスを特定する情報が格納される。
なお、種別フィールド113cに「アナログ」の文字列が格納されているレコードのIPアドレスフィールド113dには、「Don’t Care」の文字列が格納されており、これはIPアドレスを割り振らないことを示している。
MACアドレスフィールド113eには、IPアドレスフィールド113dに格納されているIPアドレスを割り振った装置から取得したMACアドレスを特定する情報が格納される。
なお、種別フィールド113cに「アナログ」の文字列が格納されているレコードのMACアドレスフィールド113eには、「Don’t Care」の文字列が格納されており、これはMACアドレスを取得しないことを示している。
内線番号フィールド113fには、種別フィールド113cで特定される種別の装置に割り振る内線電話を特定する情報が格納される。
なお、種別フィールド113cに「PC」の文字列が格納されているレコードの内線番号フィールド113fには、「Don’t Care」の文字列が格納されており、これは内線番号を割り振らないことを示している。
グループ番号フィールド113gには、種別フィールド113cで特定される種別の装置が属するグループを一意に識別するための識別情報であるグループ番号が格納される。
なお、種別フィールド113cに「PC」の文字列が格納されているレコードのグループ番号フィールド113eには、「Don’t Care」の文字列が格納されており、これはグループを識別しないことを示している。
ここで、後述するように、通信テーブル113aについては、通信システム100での通信を開始する前等の適切な時期に、全体制御部117が設定テーブル112aに格納されている情報に基づいて生成し、通信情報記憶領域113に記憶する。
図2に戻り、内線情報記憶領域114には、GW110を介して通信を行う装置(ここでは、LAN170に接続されている装置)のアドレスと、内線番号と、グループと、を特定する情報が格納される。
例えば、本実施形態においては、図5(内線テーブル114aの概略図)に示すような内線テーブル114aが内線情報記憶領域114に記憶される。
内線テーブル114aは、IPアドレスフィールド114bと、内線番号フィールド114cと、グループ番号フィールド114dと、内線代表フィールド114eと、を有する。
IPアドレスフィールド114bには、GW110に収容される装置のIPアドレスを特定する情報が格納される。
内線番号フィールド114cには、IPアドレスフィールド114bで特定されるアドレスに配置された装置の内線番号を特定する情報が格納される。
グループ番号フィールド114dには、IPアドレスフィールド114bで特定されるアドレスに配置された装置が属するグループのグループ番号を特定する情報が格納される。
内線代表フィールド114eには、IPアドレスフィールド114bで特定されるアドレスに配置された装置の代表内線番号を特定する情報が格納される。
ここで本実施形態においては、内線テーブル114aの各々のレコードには、SIP(Session Initiation Protocol)のREGISTER処理により必要な情報が格納される。
図2に戻り、外線情報記憶領域115には、WAN171側に接続されている装置から、GW110に収容される装置に接続する際のグループ毎の外線番号を特定する情報が格納される。
例えば、本実施形態においては、図6(外線テーブル115aの概略図)に示すような外線テーブル115aが外線情報記憶領域115に記憶される。
外線テーブル115aは、外線番号フィールド115bと、グループ番号フィールド115cと、を有する。
外線番号フィールド115bには、後述するグループ番号フィールド115cで特定されるグループに属する装置に、WAN171側に接続されている(WAN171側からGW110を介して接続する)装置から通信を行う際の外線番号を特定する情報が格納される。
グループ番号フィールド115cには、GW110に収容されている装置のグループ番号を特定する情報が格納される。
ここで、本実施形態においては、外線テーブル115aは、通信システム100での通信を開始する前等の適切な時に予め外線情報記憶領域115に記憶しておく。
図2に戻り、制御部116は、全体制御部117と、SIP呼制御部118と、DHCP制御部119と、RTP制御部120と、アナログ制御部121と、DSP制御部122と、を備える。
全体制御部117は、GWでの処理の全体を制御する。
特に、全体制御部117は、WANポート123を介して送受信する情報と、アナログポート125を介して送受信する情報と、の間のプロトコルの変換を行う。
また、全体制御部117は、GW110の初期設定として、通信システム100での処理を開始する前等の適切なときにおいて、設定情報記憶領域112に記憶されている設定テーブル112aに格納されている情報から、通信テーブル113aを生成して通信情報記憶領域113に記憶する処理を行う。
まず、全体制御部117は、GW110のオペレータより、アナログポートに接続されるアナログ電話150の個数の入力を受け付ける。なお、これらの情報の入力は、図示しない入力部を介して入力を受け付けたり、LAN170又はWAN171に接続されている他の装置から入力を受け付けたりすればよい。
このようにして受け付けたアナログ電話150の個数に対応する数のレコードを通信テーブル113aに生成する。
そして、全体制御部117は、生成したレコードにおいて、Noフィールド113bには「1」から連番となる自然数による一意の識別番号を格納し、種別フィールド113cには「アナログ」の文字列を格納し、IPアドレスフィールド113d及びMACアドレスフィールド113eには「Don’t Care」の文字列を格納し、内線番号フィールド113fには設定テーブル112aの先頭内線番号の項目に対応するレコード112iの設定値フィールド112dに格納されている先頭内線番号から順に、内線番号割当間隔の項目に対応するレコード112jの設定値フィールド112dに格納されている間隔の値を各々加算することにより生成した内線番号を格納し、グループ番号フィールド113gは空欄とする。
即ち、内線番号フィールド113fには、識別番号「1」のレコードでは、設定テーブル112aの先頭内線番号の項目に対応するレコード112iの設定値フィールド112dに格納されている先頭内線番号が格納され、以下のレコードでは、各々一つ上のレコードの内線番号に、設定テーブル112aの内線番号割当間隔の項目に対応するレコード112jの設定値フィールド112dに格納されている間隔の値を加算した値が格納される。
次に、全体制御部117は、設定テーブル112aのDHCP付与範囲の項目に対応するレコード112gの設定値フィールド112dに格納されているDHCP付与範囲を取得して、このDHCP付与範囲に含まれるIPアドレスの個数を算出して、算出した個数に対応する数のレコードを通信テーブル113aに生成する。
そして、全体制御部117は、生成したレコードにおいて、Noフィールド113bには一つ上のレコードから連番となる自然数による一意の識別番号を格納する。
また、全体制御部117は、生成したレコードの種別フィールド113cには、後述するIPアドレスフィールド113dにおいて、設定テーブル112aの内線番号付与範囲の項目に対応するレコード112kの設定値フィールド112dに格納されているIPアドレスの範囲に含まれるIPアドレスが格納されているレコードには「IP−TEL」の文字列を、そのほかのIPアドレスの範囲に含まれるIPアドレスが格納されているレコードには「PC」の文字列を、格納する。
さらに、全体制御部117は、生成したレコードのIPアドレスフィールド113dには、DHCP付与範囲の項目に対応するレコード112gの設定値フィールド112dに格納されているIPアドレスの範囲に含まれるIPアドレスを各々のレコードに一意となるように格納する。
また、全体制御部117は、生成したレコードの内線番号フィールド113fには、種別フィールド113cに「IP−TEL」の文字列が格納されているレコードには、内線番号が格納されている一つ上のレコードに格納されている内線番号に、設定テーブル112aの内線番号割当間隔の項目に対応するレコード112jの設定値フィールド112dに格納されている間隔の値を各々加算することにより生成した内線番号を、種別フィールド113cに「PC」の文字列が格納されている場合には、「Don't Care」の文字列を、格納する。
さらに、全体制御部117は、生成したレコードのMACアドレスフィールド113eは空欄とし、グループ番号フィールド113gは、種別フィールド113cに「IP−TEL」の文字列が格納されている場合には、空欄とし、種別フィールド113cに「PC」の文字列が格納されている場合には、「Don't Care」の文字列を格納する。
そして、全体制御部117は、以上のようにして生成した通信テーブル113aを通信情報記憶領域113に記憶する。
図2に戻り、SIP呼制御部118は、SIPに従った呼制御を行う。
また、本実施形態においては、SIP呼制御部118は、GW110に収容するIP電話130から初めてREGISTERリクエストを受信した場合には、特定のメッセージ(ここでは、SUBSCRIBEリクエスト)をIP電話130に送信して、IP電話130より当該IP電話130が所属するグループを特定する情報を取得する処理を行う。
DHCP制御部119は、DHCPに従って、IPアドレス等、通信に必要な情報を配信する処理を行う。
また、本実施形態においては、DHCP制御部119は、設定情報記憶領域112に記憶される設定テーブル112aの内線番号自動設定の項目に対応するレコード112eの設定値フィールド112dに「有り」の文字列が格納されている場合には、GW110に収容するIP電話130よりDHCPREQUESTを受信したときに、当該IP電話130に内線番号を付与する処理を行う。
RTP制御部120は、RTP(Real-time Transport Protocol)に従った処理を行う。
例えば、RTP制御部120は、アナログポート125より入力された音声信号をRTPパケット化し、このRTPパケットを、SIP呼制御部118より指定されたIPアドレスを宛先としてWANポート123又はLANポート124に出力する。
また、RTP制御部120は、WANポート123又はLANポート124より入力されたRTPパケットから音声信号を復元し、これをアナログポート125に出力する。
アナログ制御部121は、アナログポート125に接続されているアナログ電話150間の信号の送受信を制御する。
DSP制御部122は、LANポート124に接続されているIP電話130間の情報の送受信を制御する。
WANポート123は、WAN171を介して情報の送受信を行うインターフェースである。
LANポート124は、LAN170を介して情報の送受信を行うインターフェースである。
アナログポート125は、アナログ電話150との間で情報の送受信を行うインターフェースである。
図7は、IP電話130の概略図である。
図示するように、IP電話130は、記憶部131と、制御部132と、受話器140と、表示部141と、操作部142と、LANポート143と、を備える。
記憶部131には、IP電話130で通信を行う際に必要となる情報が記憶される。例えば、本実施形態においては、GW110から通知されるIPアドレス及び内線番号を特定する情報が記憶される。
制御部132は、全体制御部133と、SIP呼制御部134と、DHCP制御部135と、RTP制御部136と、アナログ制御部137と、DSP制御部138と、操作表示制御部139と、を備える。
全体制御部133は、IP電話130での処理の全体を制御する。
SIP呼制御部134は、SIPに従った呼制御を行う。
特に、本実施形態においては、SIP呼制御部134は、REGISTERリクエストにGW110から通知された内線番号を含めて、GW110に送信する処理を行う。
さらに、SIP呼制御部134は、GW110から特定のメッセージ(ここでは、SUBSCRIBEリクエスト)を受信した場合には、後述する操作表示制御部139に指示を出し、表示部141にグループ番号の入力を受け付ける表示を行うように指示を出し、操作部142を介して入力されたグループ番号をNOTIFYリクエストに含めて、GW110に送信する処理を行う。
DHCP制御部135は、DHCPに従って、IPアドレス等、通信に必要な情報をGW110より受信する処理を行う。
特に、本実施形態においては、DHCP制御部135は、DHCPREQUESTにおいて、オプション情報格納領域にIP電話であることを識別することができるタグ値を付した情報を格納して、GW110に送信する処理を行う。
ここで、IP電話であることを識別することができるタグ値については、未定義のタグ値のうちから任意のタグ値を、GW110が識別できるように予め特定しておけばよい。
また、本実施形態においては、DHCP制御部135は、GW110から受信したDHCPACKに内線番号が含まれている場合には、後述する操作表示制御部139に指示を出し、含まれている内線番号を表示部141に表示するように指示を出す。
RTP制御部136は、RTPに従った処理を行う。
例えば、RTP制御部136は、アナログ制御部137から出力されてきた音声信号をRTPパケット化し、このRTPパケットを、SIP呼制御部134より通知されたIPアドレスを宛先としてLANポート143に出力する。
また、RTP制御部136は、LANポート143を介して受け取ったRTPパケットから音声信号を復元し、これをアナログ制御部137に出力する。
アナログ制御部137は、受話器140との間で送受信するアナログ信号を制御する。
DSP制御部138は、デジタル信号の制御を行う。
操作表示制御部139は、表示部141及び操作部142で入出力する情報を制御する。
例えば、本実施形態においては、操作表示制御部139は、SIP呼制御部134からの指示に応じて、表示部141にグループ番号の入力を受け付ける表示を行う。
また、操作表示制御部139は、DHCP制御部135からの指示に応じて、GW110から通知された内線番号を特定する情報を表示部141に表示する。
受話器140は、スピーカ(図示せず)及びマイク(図示せず)を有し、スピーカを介して音声を出力し、マイクを介して音声の入力を受け付ける。
表示部141は、情報を出力する。
操作部142は、情報の入力を受け付ける。
LANポート143は、LAN170を介して情報の送受信を行うインターフェースである。
図1に戻り、アナログ電話150及びPC160については、汎用のものを使用すればよいため、詳細な説明を省略する。
図8は、IP電話130とGW110との間の初期設定処理を示すシーケンス図である。
まず、IP電話130のDHCP制御部135は、DHCPに従ったDISCOVERメッセージを、LANポート143を介してマルチキャストで送信する(S10)。
このようなDISCOVERメッセージを受信したGW110では、DHCP制御部119が、LANポート124を介して、DHCPに従ったOFFERメッセージをマルチキャストで返信する(S11)。
そして、IP電話130のDHCP制御部135は、IP電話であることを識別することができるタグ値(ここでは、当該タグ値を「125」とする)をオプション情報格納領域に格納したDHCPのREQUESTメッセージを生成して(S12)、LANポート143を介してマルチキャストで送信する(S13)。
このようなREQUESTメッセージを受信したGW110では、DHCP制御部119が、REQUESTメッセージのオプション情報格納領域に格納されている情報を確認し、IP電話であることを識別することができるタグ値(ここでは、「125」)が含まれているか否かを確認する。
そして、このようなタグ値が含まれている場合には、DHCP制御部119は、通信情報記憶領域113に記憶されている通信テーブル113aにおいて、種別フィールド113cに「IP−TEL」の文字列が格納されているレコードのうち、MACアドレスフィールド113eにMACアドレスを特定する情報が格納されていないレコードの中から一のレコードを特定し、特定したレコードのIPアドレスフィールド113d及び内線番号フィールド113fに格納されているIPアドレス及び内線番号を取得し、さらに、DHCP制御部119は、特定したレコードのMACアドレスフィールド113eに、受信したREQUESTメッセージに含まれている送信元であるIP電話130のMACアドレスを格納する(S14)。
また、DHCP制御部119は、ステップS14で取得したIPアドレスと内線番号を特定する情報を含むDHCPのACKメッセージを生成して(S15)、LANポート124を介してブロードキャストで送信する(S16)。
このようなACKメッセージを受信したIP電話130では、DHCP制御部135が、ACKメッセージに含まれるIPアドレスと内線番号とを抽出し、記憶部131に記憶するとともに、操作表示制御部139に指示することで、抽出した内線番号を表示部141に表示する(S17)。
次に、IP電話130のSIP呼制御部134は、ステップS16で受信したACKメッセージに含まれるIPアドレス及び内線番号を含むREGISTERリクエストを生成して(S18)、GW110に送信する(S19)。
このようなREGISTERリクエストを受信したGW110では、SIP呼制御部118が200OKレスポンスをIP電話130に返信する(S20)。
また、SIP呼制御部118は、REGISTERリクエストを送信してきたIP電話のMACアドレスがMACアドレスフィールド113eに格納されているレコードを通信テーブル113aから特定し、特定したレコードの内線番号フィールド113fにREGISTERリクエストに含まれている内線番号が格納されているか否かを確認する(S21)。
そして、このような内線番号が格納されていない場合には、SIP呼制御部118は、当該特定したレコードの内線番号フィールド113fにREGISTERリクエストに含まれている内線番号を格納するとともに、内線情報記憶領域114に記憶されている内線テーブル114aに新たなレコードを作成し、作成したレコードのIPアドレスフィールド114b及び内線番号フィールド114cに、REGISTERリクエストに含まれているIPアドレス及び内線番号をそれぞれ格納する(S22)。なお、SIP呼制御部118は、作成したレコードの内線代表フィールド114eに設定テーブル112aの内線代表番号の項目に対応するレコード112hの設定値フィールド112dに格納されている内線代用番号を格納する。
次に、SIP呼制御部118は、グループ番号を送信する指示を特定する情報を含むSUBSCRIBEリクエストをIP電話130に送信する(S23)。
このようなSUBSCRIBEリクエストを受信したIP電話130では、SIP呼制御部134が、202(Accepted)レスポンスをGW110に送信する(S24)。
また、SIP呼制御部134は、操作表示制御部139に指示を出し、操作表示制御部139は、表示部141にグループ番号の入力を要求する表示を出力する(S25)。
そして、SIP制御部134は、操作部142を介してグループ番号の入力を受け付けると(S26)、入力を受け付けたグループ番号を含むNOTIFYリクエストを生成して(S27)、GW110に送信する(S28)。
このようなNOTIFYリクエストを受信したGW110では、SIP呼制御部118が、ステップS22で作成したレコードのグループ番号フィールド114dに、NOTIFYリクエストに含まれるグループ番号を格納するとともに、NOTIFYリクエストの送信元のMACアドレスがMACアドレスフィールド113eに格納されている通信テーブル113aのレコードを特定し、特定したレコードのグループ番号フィールド113gに当該グループ番号を格納する(S29)。
そして、SIP呼制御部118は、200OKレスポンスをIP電話130に返信する(S30)。
図9は、GW110のDHCP制御部119での初期設定処理のフローチャートである。
まず、GW110のDHCP制御部119は、LANポート124を介して、DHCPのDISCOVERメッセージを受信すると(S40)、DHCPのOFFERメッセージを、LANポート124よりブロードキャストで送信する(S41)。
そして、DHCP制御部119は、LANポート124を介して、DHCPのREQUESTメッセージを受信すると(S42)、受信したREQUESTメッセージのオプション情報格納領域にタグ値が「125」の情報があるか否かを確認し(S43)、タグ値が「125」の情報がある場合にはステップS44に進み、ない場合にはステップS48に進む。
ステップS44では、通信情報記憶領域113に記憶されている通信テーブル113aにおいて、種別フィールド113cに「IP−TEL」の文字列が格納されているレコードのうち、MACアドレスフィールド113eに、ステップS42で受信したREQUESTメッセージの送信元であるIP電話130のMACアドレスが格納されているレコードがあるか否かを確認する。そして、このようなMACアドレスが格納されているレコードがない場合にはステップS45に進み、ある場合にはステップS51に進む。
ステップS45では、DHCP制御部119は、通信情報記憶領域113に記憶されている通信テーブル113aにおいて、種別フィールド113cに「IP−TEL」の文字列が格納されているレコードのうち、MACアドレスフィールド113eにMACアドレスを特定する情報が格納されていないレコードの中から一のレコードを特定し、特定したレコードのIPアドレスフィールド113d及び内線番号フィールド113fに格納されているIPアドレス及び内線番号を取得する。
そして、DHCP制御部119は、ステップS45で特定したレコードのMACアドレスフィールド113eに、ステップS42で受信したREQUESTメッセージに含まれている送信元であるIP電話130のMACアドレスを格納する(S46)。
そして、DHCP制御部119は、ステップS45で取得したIPアドレス及び内線番号を含むDHCPのACKメッセージを生成する(S47)
一方、ステップS48では、DHCP制御部119は、通信情報記憶領域113に記憶されている通信テーブル113aにおいて、種別フィールド113cに「PC」の文字列が格納されているレコードのうち、MACアドレスフィールド113eにMACアドレスを特定する情報が格納されていないレコードの中から一のレコードを特定し、特定したレコードのIPアドレスフィールド113dに格納されているIPアドレスを取得する。
そして、DHCP制御部119は、ステップS48で特定したレコードのMACアドレスフィールド113eに、ステップS42で受信したREQUESTメッセージに含まれている送信元であるIP電話130のMACアドレスを格納する(S49)。
そして、DHCP制御部119は、ステップS48で取得したIPアドレスを含むDHCPのACKメッセージを生成する(S50)。
ステップS51では、DHCP制御部119は、ステップS44で、通信情報記憶領域113に記憶されている通信テーブル113aのレコードのうち、MACアドレスフィールド113eに、ステップS42で取得したREQUESTメッセージの送信元であるIP電話130のMACアドレスが格納されているレコードのIPアドレスフィールド113d及び内線番号フィールドよりIPアドレス及び内線番号を取得する。
そして、DHCP制御部119は、ステップS51で取得したIPアドレス及び内線番号を含むDHCPのACKメッセージを生成する(S52)。
そして、DHCP制御部119は、生成したDHCPのACKメッセージを、LANポート124よりブロードキャストで送信する(S53)。
なお、DHCP制御部119は、通信テーブル113aにおいて、種別フィールド113cに「PC」の文字列が格納されているレコードのMACアドレスフィールド113eに格納されている情報については、リース期間が切れることにより削除するが、そのほかの情報については、GW110のオペレータからの指示がない限り、変更及び削除は行わないようにすることが望ましい。
図10は、GW110のSIP呼制御部118での初期設定処理のフローチャートである。
まず、GW110のSIP呼制御部118は、LANポート124を介して、REGISTERリクエストを受信すると(S60)、SIPに従った応答処理(例えば、200OKレスポンスを返信等)を行う(S61)。
次に、SIP呼制御部118は、REGISTERリクエストの送信元のMACアドレスを特定し、特定したMACアドレスがMACアドレスフィールド113eに格納されているレコードを通信テーブル113aから特定し、特定したレコードの内線番号フィールド113fにREGISTERリクエストに含まれている内線番号が格納されているか否かを確認する(S62)。そして、このような内線番号が格納されていない場合には(S62でNo)、ステップS63に進み、このような内線番号が格納されている場合には、ステップS69に進む。
ステップS63では、SIP呼制御部118は、ステップS62で特定したレコードの内線番号フィールド113fにREGISTERリクエストに含まれている内線番号を格納するとともに、内線情報記憶領域114に記憶されている内線テーブル114aに新たなレコードを作成し、作成したレコードのIPアドレスフィールド114b及び内線番号フィールド114cに、REGISTERリクエストに含まれているIPアドレス及び内線番号をそれぞれ格納し、さらに、作成したレコードの内線代表フィールド114eに設定テーブル112aの内線代表番号の項目に対応するレコード112hの設定値フィールド112dに格納されている内線代用番号を格納する。
そして、SIP呼制御部118は、グループ番号を送信する指示を特定する情報を含むSUBSCRIBEリクエストを、LANポート124を介してREGISTERリクエストの送信元に送信する(S64)。
次に、SIP呼制御部118は、202レスポンスを受信し(S65)、NOTIFYリクエストを受信すると(S66)、NOTIFYリクエストにグループ番号が含まれるか否かを確認する(S67)。
そして、SIP呼制御部118は、NOTIFYリクエストにグループ番号が含まれている場合には、ステップS68に進み、グループ番号が含まれていない場合には、処理を終了する。
ステップS68では、SIP呼制御部118は、ステップS63で生成したレコードのグループ番号フィールド114dに、NOTIFYリクエストに含まれているグループ番号を格納するとともに、NOTIFYリクエストの送信元のMACアドレスがMACアドレスフィールド113eに格納されている通信テーブル113aのレコードを特定し、特定したレコードのグループ番号フィールド113gに当該グループ番号を格納する(S68)。
ステップS69では、SIP呼制御部118は、内線情報記憶領域114に記憶されている内線テーブル114aに新たなレコードを作成し、作成したレコードのIPアドレスフィールド114b及び内線番号フィールド114cに、REGISTERリクエストに含まれているIPアドレス及び内線番号をそれぞれ格納し、さらに、作成したレコードの内線代表フィールド114eに設定テーブル112aの内線代表番号の項目に対応するレコード112hの設定値フィールド112dに格納されている内線代用番号を格納する。
図11は、WAN171側のIP電話180から、GW110に収納されているIP電話130に接続する処理を示すシーケンス図である。ここで、IP電話130A及びIP電話130Bは、ともにグループ番号「1」のグループに所属し、このグループには「111111111」の外線番号が割り当てられているものとする。
まず、IP電話180は、外線番号「111111111」を特定したINVITEリクエストをGW110に送信する(S70)。
このようなINVITEリクエストを受信したGW110では、SIP呼制御部118が、外線情報記憶領域115に記憶されている外線テーブル115aの外線番号フィールド115bから外線番号「111111111」が格納されているレコードを特定し、特定したレコードのグループ番号フィールド115cからグループ番号を取得する(S71)とともに、IP電話180に100TRYINGレスポンスを送信する(S72)。
そして、GW110のSIP呼制御部118は、ステップS72で特定されたグループ番号がグループ番号フィールド114dに格納されているレコードを内線テーブル114aから特定し、特定したレコードのIPアドレスフィールド114bに格納されているIPアドレスを有するIP電話130A及びIP電話130BにそれぞれINVITEリクエストを送信する(S73、S74)。
このようなINVITEリクエストを受信したIP電話130A及びIP電話130Bは、それぞれのSIP呼制御部134が、100TRYINGレスポンスをGW110に送信する(S75、S76)。
また、IP電話130A及びIP電話130Bは、それぞれのSIP呼制御部134が、180RINGINGレスポンスをGW110に送信し(S77、S78)、GW110は、SIP呼制御部118が、IP電話180に180RINGINGレスポンスを送信する(S79)。
そして、IP電話180は、PRACKリクエストをGW110に送信し(S80)、これに対して、GW110は、200OKレスポンスをIP電話180に返信する(S81)。
そして、例えば、IP電話130Aの受話器140がオフフックされる等により、INVITEに応じる指示の入力が行われると(S82)、IP電話130AのSIP呼制御部134は、200OKレスポンスをGW110に返信し(S83)、GW110は、IP電話180に200OKレスポンスを送信する(S84)。
これに対して、IP電話180がACKリクエストをGW110に送信し(S85)、GW110のSIP呼制御部118が、IP電話130AにACKリクエストを転送することで(S86)、IP電話180とIP電話130Aとの間の通話が可能となる(S87)。
また、GW110のSIP呼制御部118は、IP電話130Aからの200OKレスポンスを受信すると(S83)、IP電話130BにCANCELリクエストを送信する(S87)。
CANCELリクエストを受信したIP電話130Bでは、200OKレスポンスをGW110に送信し(S88)、さらに、487レスポンスをGW110に送信する(S89)。
このようなレスポンスを受信したGW110では、ACKリクエストをIP電話130Bに送信して(S90)、IP電話130Bとの間の処理を終了する。
以上のように、本実施形態によれば、DHCPのメッセージを介して、GW110に主要するIP電話130の内線番号を自動的に付与することができ、また、SIPのメッセージを介して、IP電話130のグループ化を容易に行うことができるようになる。
なお、IP電話130については、フロアや部署毎にグループを設定することにより、グループ毎にIP電話130を鳴動させる等の利用が可能となる。
さらに、通信テーブル113aのIP電話130に関連する情報については原則として削除されないため、IP電話130は、同じ内線番号を継続して使用することができるようになる。
なお、以上に記載した実施形態においては、SIPのSUBSCRIBEリクエストを受信したIP電話130においてグループ番号を入力して、NOTIFYリクエストをGW110に送信するようにしているが、このような態様に限定されず、SUBSCRIBEリクエストを受信したIP電話130において通信に関連する他の設定情報、例えば、変更する内線番号、発信者番号、転送先番号、鳴動時間、着信拒否番号、着信拒否時間等を特定する情報の入力を受け付けて、SUBSCRIBEリクエストに含めてGW110に送信することも可能である。このようなSUBSCRIBEリクエストを受信したGW110では、SIP呼制御部118が、通信テーブル113a又は内線テーブル114aにこれらの情報を格納して、SIPに従った呼制御を行う際に、特定された情報に応じた処理(例えば、特定された発信者番号をINVITEリクエストに挿入、INVITEリクエストを転送先番号で特定されるIP電話130に送信、INVITEリクエストを受信してから鳴動時間が経過した場合にはエラーレスポンスをリクエストの送信元に返信、INVITEリクエストの送信元の電話番号が着信拒否番号である場合にはエラーレスポンスをリクエストの送信元に返信、着信拒否時間にINVITEリクエストを受信した場合にはエラーレスポンスをリクエストの送信元に返信)を行う。
さらに、以上に記載した実施形態においては、SUBSCRIBEリクエストメッセージ及びNOTIFYリクエストメッセージを用いているが、このような態様に限定されず、例えば、INFOメッセージ、MESSAGEメッセージ又は予め定められた独自の形式のメッセージを用いることも可能である。
また、以上に記載した実施形態においては、中継装置をGWを用いて説明したが、このような態様に限定されず、配下の通信装置に対して電話番号を設定する装置である交換装置(ボタン電話装置、構内交換機等)にも適用可能である。
さらに、中継装置は、あるネットワークから受信したデータを別のネットワークに送信したり、元のネットワークに戻したり(送信したり)、する装置であるネットワーク間接続装置(例えば、ブリッジ、スイッチ、ルータ等)にも適用することができる。