JP5052571B2 - 貯湯式加熱ユニット - Google Patents

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本発明は、貯湯式加熱ユニットに関し、特に、液々熱交換器を備えた貯湯式加熱ユニットに関する。
従来、内部に湯を貯える貯湯槽と、貯湯槽内に貯えられた湯が循環する湯循環回路と、放熱器が接続され、熱媒体が流れる放熱回路と、湯循環回路を循環する湯と放熱回路を流れる熱媒体との間で熱交換させる液々熱交換器と、液々熱交換器より下流側の湯循環回路に配設され、湯循環回路内の湯を循環させるポンプとを備える貯湯式加熱ユニットが知られている。
例えば、特許文献1には、貯湯槽内の湯がヒートポンプで加熱され、この加熱された湯と給水管から供給される水との間で液々熱交換器によって熱交換させて、湯を供給することが開示されている。貯湯槽の上部に高温の湯が貯えられるので、貯湯槽の上部から湯を吸い出して液々熱交換器に供給するように構成されている。
このように構成した場合、液々熱交換器を貯湯槽の上方に配設すると、液々熱交換器に空気が滞留し、この滞留した空気が流されてポンプに達し、ポンプがエア噛み不良を起すという問題が生じる。一方、貯湯槽の下方は循環ポンプ等の種々の機器が配設されておりスペースに余裕がないため、液々熱交換器を貯湯槽の下方に配設すると貯湯槽を持ち上げる土台が必要となり、貯湯槽の重心が上がり不安定となるとともに、貯湯槽の水抜きが困難になるという問題が生じる。そのため、液々熱交換器は貯湯槽の側方に配設される。
特開2008−224076号公報
しかしながら、液々熱交換器が貯湯槽の側方に配設されるため、貯湯式加熱ユニットの設置面積が大きくなり、貯湯式加熱ユニットの設置が限定されるという問題がある。
本発明は、上記事情に鑑み、設置面積が小さな貯湯式加熱ユニットを提供することを目的とする。
本発明に係る貯湯式加熱ユニットは、内部に湯を貯える貯湯槽と、該貯湯槽内に貯えられた湯が循環する湯循環回路と、放熱器が接続され、熱媒体が流れる放熱回路と、前記湯循環回路を循環する湯と前記放熱回路を流れる熱媒体との間で熱交換させ、前記貯湯槽の上方に配設された液々熱交換器と、該液々熱交換器より下流側の前記湯循環回路に配設され、当該湯循環回路内の湯を循環させるポンプと、前記液々熱交換器と前記ポンプとの間の前記湯循環回路に介設された気液分離器と、前記貯湯槽と前記気液分離器とを連通し、該気液分離器が分離した気体を前記貯湯槽に戻す戻し通路とを備えることを特徴とする。
この貯湯式加熱ユニットは、液々熱交換器が貯湯槽の上方に配設されているので、液々熱交換器が貯湯槽の側方に配設されたものと比べて、設置面積が小さい。
しかし、液々熱交換器を貯湯槽の上方に配設すると、液々熱交換器に空気が滞留し、この滞留した空気が湯循環回路を流れる。そこで、液々熱交換器とポンプとの間の湯循環回路に気液分離器を介設し、湯循環回路を流れる空気を気液分離器で分離することによって、空気がポンプに達し、ポンプがエア噛み不良を起すことを防止している。なお、気液分離器は液々熱交換器より体積が小さいので、例え、気液分離器を貯湯槽の側方に配置したとしても、設置面積は小さくなる。
また、本発明に係る貯湯式加熱ユニットにおいて、前記戻し通路に設けられ、前記ポンプの作動時は当該戻し通路を閉じる開閉弁を備え、前記気液分離器は上部に空気貯留室を有することが好ましい。
この場合、ポンプの作動時は、気液分離器が分離した空気を貯湯槽に戻す戻し通路を開閉弁が閉じている。そのため、貯湯槽から湯を吸い出し湯循環回路に供給しているとき、分離された空気は気液分離器上部の空気貯留室に一時的に貯えられ、戻し通路から貯湯槽に戻された空気がそのまま湯循環回路に供給することが防止されるので、湯循環回路内を流れる空気を削減することができる。
なお、放熱器は、放熱回路を流れる熱媒体の熱量を放出するものであり、床暖房機や温風暖房機などの暖房機の他に給湯器を含む。また、放熱回路は、その内部を熱媒体が循環するものの他、一端から供給された熱媒体としての水が液々交換器で加熱して他端から湯として放出するものなど、循環回路以外の回路を含む。
また、本発明に係る貯湯式加熱ユニットにおいて、前記湯循環回路の湯吸込口が、前記貯湯槽の湯面より下方に位置することが好ましい。
この場合、湯吸込口から湯面上部の空気が湯循環回路に吸い込まれることを防止できるので、湯循環回路内を流れる空気をさらに削減することができる。
本発明の実施形態に係る貯湯式加熱ユニットを備えた貯湯式加熱システムの概略全体構成図。 暖房運転を開始した場合における貯湯式加熱システムの動作フローチャート。 本発明の他の実施形態に係る貯湯式加熱ユニットを備えた貯湯式加熱システムにおいて、暖房運転を開始した場合の動作フローチャート。
本発明の実施形態に係る貯湯式加熱ユニット1を具備した貯湯式加熱システムを、図面を参照して説明する。
この貯湯式加熱システムは、図1に概略全体構成図を示すように、貯湯式加熱ユニット1、ヒートポンプユニット2、暖房用放熱ユニット(放熱器)3、及びリモートコンローラ4を備えている。
貯湯式加熱ユニット1は、貯湯槽11、第1湯循環回路(湯循環回路)12、第2湯循環回路13、暖房循環回路(放熱回路)14、液々熱交換器15、循環ポンプ(ポンプ)16、気液分離器17、戻し通路18、電磁弁(開閉弁)19、主コントローラ20等を備えている。
貯湯槽11は、その内部に湯を保温して貯える。給水口21を介して水道に連通する給水管22が貯湯槽11の下部に連通しており、給水管22を介して貯湯槽11内に水が供給される。なお、貯湯槽11の底部には、排水弁23が設けられており、排水弁23を作業者が手動で開弁することにより、貯湯槽11内の湯が排水可能となっている。
第1湯循環回路12は、一端が貯湯槽11の下部に連通しており、他端に貯湯槽11の上部に配設された導出管24を備えている。貯湯槽11の上部に貯えられた高温の湯が導出管24から導出されて、第1湯循環回路12を循環し、貯湯槽11の下部に戻る。導出管24の吸込口24aは、貯湯槽11の湯面より下方に位置しており、吸込口24aから湯面上部の空気が第1湯循環回路12に導出されることを防止している。導出管24は、ストロー状の細長い管から構成されており、その下端面に吸込口24aが開設されている。
第2湯循環回路13は、一端が貯湯槽11の下部に、他端が貯湯槽11の上部にそれぞれ連通されており、ヒートポンプユニット2が介設されている。貯湯槽11の下部に貯えられた低温の湯(又は水)は、導出されて、第2湯循環回路13を循環し、ヒートポンプユニット2により加熱されて、高温の湯となって貯湯槽11の上部に戻る。貯湯槽11の上方であって、ヒートポンプユニット2の下流側の第2湯循環回路13には、安全弁25が付設されており、貯湯槽11の内圧が耐圧を超えることを防止している。
暖房循環回路14は、暖房用放熱ユニット3が接続された放熱回路であり、熱媒体が流れる。ここでは、熱媒体は、湯水であるが、湯水以外の不凍液などであってもよい。そして、ここでは、暖房循環回路14は、暖房用放熱ユニット3が介設されており、内部を湯水が循環する。
液々熱交換器15は、貯湯槽11の上方に配設されており、第1湯循環回路12を循環する湯と暖房循環回路14を流れる湯水(低温の湯水又は水)との間で熱交換を行う。貯湯槽11に貯えられた高温の湯が第1湯循環回路12を介して液々熱交換器15に導かれる。液々熱交換器15に導かれた第1湯循環回路12を流れる高温の湯の熱により、暖房循環回路14を流れる湯水が、加熱され温度上昇して、暖房用放熱ユニット3に向って流れる。液々熱交換器15は、例えば、その内部の第1湯循環回路12と暖房循環回路14とが高熱伝導性を有する銅板を介して連接して蛇行するように構成されている。
循環ポンプ16は、液々熱交換器15より下流側の第1湯循環回路12に配設されており、第1湯循環回路12内の湯を循環させる。循環ポンプ16は、ここでは、貯湯槽11の下方に配置されている。
気液分離器17は、液々熱交換器15と循環ポンプ16との間の第1湯循環回路12に介設されており、第1湯循環回路12を循環する湯内に含まれる空気を分離する。気液分離器17内で湯の速度が落ちることにより、湯内の空気が分離して上方に移動する。分離した空気は、気液分離器17の上部の空気貯留室17aに蓄積される。気液分離器17は、ここでは、貯湯槽11の下方に配置されている。
気液分離器17は、例えば、湯の温度上昇により溶解度が低下して発生(析出)した空気を分離するものであり、第1湯循環回路12に介在される管の一部の断面積を拡大して湯の流速を下げ、かつ、気泡の上昇と逆方向の流れを作ることにより、湯内の空気を分離する。ただし、気液分離器17の構成は、これに限定されない。
戻し通路18は、気液分離器17の上部の空気貯留室17aと貯湯槽11の下部とを連通している。空気貯留室17aに蓄積された空気は、戻し通路18を介して貯湯槽11内に戻る。
開閉弁としての電磁弁19は、戻し通路18に付設されており、戻し通路18の開閉(戻し通路18の連通、遮断)を行う。電磁弁19は、ここでは、常開電磁弁であり、閉信号を受信したときのみ、戻し通路18を閉じる。
主コントローラ20は、リモートコントローラ4に無線又は有線によって接続されており、貯湯式加熱ユニット1内の機器の作動制御を行う。コントローラ20は、リモートコントローラ4に入力設定された設定情報、貯湯式加熱ユニット1内の図示しない各種センサからの計測情報等に基づいて循環ポンプ16、電磁弁19等の作動制御を行う。主コントローラ20は、循環ポンプ16の作動時は、電磁弁19が戻し通路18を閉じているよう、電磁弁19に閉信号を送信する。主コントローラ20は、タイマー21を内蔵している。
ヒートポンプユニット2は、貯湯槽11内の湯を加熱する加熱ユニットであり、第2湯循環回路13に介設されている。ヒートポンプユニット2は、貯湯槽11の下部から第2湯循環回路13を介して低温の湯又は水を導き出して加熱し、高温となった湯を貯湯槽11の上部に戻すことにより、貯湯槽11内の湯を加熱する。ヒートポンプユニット2は、蒸発器31、熱媒体循環回路32、圧縮機33、膨張弁34、凝縮器35、循環ポンプ36、ヒートポンプコントローラ37等を備えている。
蒸発器31は、電動モータ38の駆動により回転するファン39を有しており、ファン39の回転により供給された空気と蒸発器31内の熱媒体循環回路32を通過する熱媒体との間で熱交換が行われる。ここでは、熱媒体として、代替フロンであるハイドロフルオロカーボン(HFC)を用いているが、他の熱媒体、例えばHFC以外の代替フロンや二酸化炭素等を用いてもよい。
圧縮機33は、蒸発器31より下流側の熱媒体循環回路32に設けられており、蒸発器31から吐出されて熱媒体を圧縮し高圧高温として、凝縮器35に送り込む。膨張弁34は、蒸発器31より上流側の熱媒体循環回路32に設けられており、圧縮機33で加圧された熱媒体の圧力を解放する。
凝縮器35は、圧縮機33で高圧・高温とされた熱媒体が第2湯循環回路13を通過する湯を熱交換により加熱する。貯湯槽11の下部に貯えられた低温の湯又は水は、循環ポンプ36によって第2湯循環回路13を介して凝縮器35に導かれ、凝縮器35で熱交換により加熱されて高温の湯となって貯湯槽11の上部に戻される。これにより、貯湯槽11の上部には、高温の湯が貯えられる。
ヒートポンプコントローラ37は、主コントローラ20に接続されており、ヒートポンプユニット2内の機器の作動制御を行う。ヒートポンプコントローラ37は、リモートコントローラ4や主コントローラ20からの入力情報、及びヒートポンプユニット2内の図示しない各種センサからの計測情報等に基づいて、圧縮機33、循環ポンプ36、電動モータ38等の作動制御を行う。また、ヒートポンプコントローラ37は、ヒートポンプユニット2内の前記各種センサからの計測情報等を主コントローラ20に送信する。
暖房用放熱ユニット3は、液々熱交換器15で加熱された熱媒体の放熱を行う放熱器であり、暖房循環回路14に介設されている。暖房用放熱ユニット3は、ここでは、パネル式の床暖房機であり、暖房循環回路14に介装されたマット状の放熱マット41、循環ポンプ42、暖房コントローラ43等を備えている。なお、暖房用放熱ユニット3として、温風式の暖房機等を用いてもよい。
液々熱交換器15によって加熱された湯は、循環ポンプ42によって暖房循環回路14を介して放熱マット41に導かれ、放熱マット41で放熱して周囲空気を加熱する。
暖房コントローラ43は、主コントローラ20に接続されており、暖房用放熱ユニット3内の機器の作動制御を行う。暖房コントローラ43は、リモートコントローラ4や主コントローラ20からの入力情報、及び暖房用放熱ユニット3内の図示しない各種センサからの計測情報等に基づいて、循環ポンプ42等の作動制御を行う。また、暖房コントローラ43は、暖房用放熱ユニット3内の前記各種センサからの計測情報等を主コントローラ20に送信する。
リモートコントローラ4は、主コントローラ20と相互通信可能に接続されており、暖房運転のON(運転)・OFF(停止)の指示が操作入力される運転スイッチ4a等を備えている。運転スイッチ4aからON指示が入力されているとき、貯湯式加熱ユニット1及び暖房用放熱ユニット3は運転状態又は運転待機状態となり、運転スイッチ4aからOFF指示が入力されているとき、貯湯式加熱ユニット1及び暖房用放熱ユニット3は運転停止状態が原則として維持される。ヒートポンプユニット2は、貯湯槽11に貯えられた湯の温度等により運転状態が定まる。
以下、使用者がリモートコントローラ4の運転スイッチ4aをON操作した場合における貯湯式加熱システムの制御動作について、図2もフローチャートを参照して、説明する。なお、貯湯式加熱ユニット1内の制御動作は、リモートコントローラ4を介して主コントローラ20により行われる。ヒートポンプユニット2、暖房用放熱ユニット3内の制御動作は、主コントローラ20を介してそれぞれヒートポンプコントローラ37、暖房コントローラ43により行われる。
運転スイッチ4aがON操作されると(STEP1:YES)、まず、暖房用放熱ユニット3内の循環ポンプ42の運転を開始し、暖房運転を開始する(STEP2)。そして、通電して電磁弁19を閉じ、戻し通路18を遮蔽した後(STEP3)、貯湯式加熱ユニット1内の循環ポンプ16の運転を開始し、液々熱交換器15により暖房循環回路14内の湯を加熱する(STEP4)。このとき、タイマー21をリセットし、タイマー21による計時を開始する(STEP5)。
運転スイッチ4aがOFF操作されると(STEP6:YES)、貯湯式加熱ユニット1内の循環ポンプ16の運転を停止した後(STEP7)、通電を停止して電磁弁19を開け、戻し通路18を連通し、気液分離器17上部の空気貯留室17aに蓄積された気体を貯湯槽11内に導く(STEP8)。そして、暖房用放熱ユニット3内の循環ポンプ42の運転を停止して、暖房運転を停止する(STEP9)。
運転スイッチ4aがOFF操作されないまま(STEP6:NO)、タイマー21による計時が所定時間T1、例えば3時間を超えると(STEP10:YES)、運転スイッチ4aがOFF操作された場合(STEP6:YES)と同様に、貯湯式加熱ユニット1内の循環ポンプ16の運転を停止した後(STEP11)、通電を停止して電磁弁18を開け、戻し通路18を連通し、気液分離器17上部の空気貯留室17aに蓄積された気体を貯湯槽11内に導き(STEP12)、その後、暖房用放熱ユニット3内の循環ポンプ42の運転を停止して、暖房運転を停止する(STEP13)。このとき、タイマー21をリセットし、タイマー21による計時を開始する(STEP14)。なお、所定時間T1は、気液分離器17で分離される空気の量と、気液分離器17の空気貯留室17a内に蓄積可能な空気の容量とに依存する。
タイマー21による計時が所定時間T2、例えば3分を超えると(STEP15:YES)、運転スイッチ4aがON操作された場合(STEP1:YES)と同様に、暖房用放熱ユニット3内の循環ポンプ42の運転を開始し、暖房運転を再開する(STEP2)。そして、通電して電磁弁19を閉じ、戻し通路18を遮蔽した後(STEP3)、貯湯式加熱ユニット1内の循環ポンプ16の運転を開始し、液々熱交換器15により暖房循環回路14内の湯を加熱する(STEP4)。このとき、タイマー21をリセットし、タイマー21による計時を開始する(STEP5)。なお、所定時間T2は、気液分離器17の空気貯留室17a内に蓄積された空気を戻し通路18を介して貯湯槽11に戻すことが可能な時間に依存する。
以上のように、液々熱交換器15が貯湯槽11の上方に配設されているので、液々熱交換器15が貯湯槽11の側方に配設された従来のものと比べて、貯湯式加熱ユニット1、ひいては貯湯式加熱システムの設置面積が小さくなる。
液々熱交換器15を貯湯槽11の上方に配設したことにより、液々熱交換器15に空気が滞留し、この滞留した空気が第1湯循環回路12を流れる。しかし、液々熱交換器15と循環ポンプ16との間の第1湯循環回路12に気液分離器17が介設されている。そのため、第1湯循環回路12を流れる空気は気液分離器17で分離され、分離した空気が気液分離器17の上部の空気貯留室17aに一旦蓄積されるので、空気が循環ポンプ16に達して、循環ポンプ16がエア噛み不良を起すことが防止されている。
さらに、循環ポンプ16の作動時は、気液分離器17が分離した空気を貯湯槽11に戻す戻し通路18を電磁弁19が閉じている。そのため、貯湯槽11から湯を吸い出して第1湯循環回路12に供給しているときは、戻し通路18が閉じられているので、戻し通路18から貯湯槽11に戻された空気がそのまま第1湯循環回路12に供給されることが防止されている。
次に、本発明の実施形態の変形に係る貯湯式加熱ユニット1を具備した貯湯式加熱システムを、図面を参照して説明する。
この貯湯式加熱ユニット1においては、開閉弁として逆止弁19aを用いたものであり、他の構成は前述した貯湯式加熱ユニット1と同じである。逆止弁19aは、循環ポンプ16を運転しているときのみ、そのポンプ圧によって戻し通路18を閉じる。
以下、この貯湯式加熱システムにおいて、使用者がリモートコントローラ4の運転スイッチ4aをON操作した場合におけるの制御動作について、図3のフローチャートも参照して、説明する。
運転スイッチ4aがON操作されると(STEP21:YES)、まず、暖房用放熱ユニット3内の循環ポンプ42の運転を開始し、暖房運転を開始する(STEP22)。そして、貯湯式加熱ユニット1内の循環ポンプ16の運転を開始すると(STEP23)、そのポンプ圧によって逆止弁19aが閉じられ、戻し通路18が遮蔽され(STEP24)、液々熱交換器15により暖房循環回路14内の湯を加熱する。このとき、タイマー21をリセットし、タイマー21による計時を開始する(STEP25)。
運転スイッチ4aがOFF操作されると(STEP26:YES)、貯湯式加熱ユニット1内の循環ポンプ16の運転を停止すると(STEP27)、逆止弁19aが開いて、戻し通路18が連通し、気液分離器17上部の空気貯留室17aに蓄積された気体が貯湯槽11内に導かれる(STEP28)。そして、暖房用放熱ユニット3内の循環ポンプ42の運転を停止して、暖房運転を停止する(STEP29)。
運転スイッチ4aがOFF操作されないまま(STEP26:NO)、タイマー21による計時が所定時間T1、例えば3時間を超えると(STEP30:YES)、運転スイッチ4aがOFF操作された場合(STEP26:YES)と同様に、貯湯式加熱ユニット1内の循環ポンプ16の運転を停止すると(STEP31)、逆止弁19aが開いて、戻し通路18が連通し、気液分離器17上部の空気貯留室17aに蓄積された気体が貯湯槽11内に導かれる(STEP32)。その後、暖房用放熱ユニット3内の循環ポンプ42の運転を停止して、暖房運転を停止する(STEP33)。このとき、タイマー21をリセットし、タイマー21による計時を開始する(STEP34)。
タイマー21による計時が所定時間T2、例えば3分を超えると(STEP35:YES)、運転スイッチ4aがON操作された場合(STEP21:YES)と同様に、暖房用放熱ユニット3内の循環ポンプ42の運転を開始し、暖房運転を開始する(STEP22)。そして、貯湯式加熱ユニット1内の循環ポンプ16の運転を開始すると(STEP23)、そのポンプ圧によって逆止弁19aが閉じられて、戻し通路18が遮断され(STEP24)、液々熱交換器15により暖房循環回路14内の湯を加熱する。このとき、タイマー21をリセットし、タイマー21による計時を開始する(STEP25)。
この貯湯式加熱システムは、前述した貯湯式加熱システムと同様の効果を有する。
なお、本発明に係る貯湯式加熱ユニットは、上述したものに限定されない。例えば、上述した貯湯式加熱ユニット1においては、暖房用放熱ユニット3が介設された暖房循環回路14を備える場合について説明した。しかしながら、液々熱交換器15で第1湯循環回路12を循環する湯と熱交換を行う熱媒体が流れる回路は循環回路に限定されない。例えば、一端が給水管22に連通され、他端にシャワーヘッド等を備えた給湯回路等であってもよい。
また、開閉弁として常開電磁弁19又は逆止弁19aを用いる場合について説明した。しかしながら、循環ポンプ16の作動時に戻し通路18を遮蔽可能なものであれば、開閉弁として他の弁を用いてもよい。
また、貯湯槽11内の湯をヒートポンプユニット2を用いて加熱する場合について説明した。しかしながら、貯湯槽11内の湯を加熱する手段は限定されない。例えば、貯湯槽11内に備わり、貯湯槽11内に湯を直接加熱するヒーター等の発熱体であってもよい。また、第2湯循環回路13を循環する湯を加熱するバーナー等の燃焼手段であってもよい。
1…貯湯式加熱ユニット、2…ヒートポンプユニット、3…暖房用放熱ユニット(放熱器)、4…リモートコンローラ、4a…運転スイッチ、11…貯湯槽、12…第1湯循環回路(湯循環回路)、13…第2湯循環回路、14…暖房循環回路(放熱回路)、15…液々熱交換器、16…循環ポンプ(ポンプ)、17…気液分離器、17a…空気貯留室、18…戻し通路、19…電磁弁(開閉弁)、19a…逆止弁(開閉弁)、24…導出管、24a…吸込口。

Claims (3)

  1. 内部に湯を貯える貯湯槽と、
    該貯湯槽内に貯えられた湯が循環する湯循環回路と、
    放熱器が接続され、熱媒体が流れる放熱回路と、
    前記湯循環回路を循環する湯と前記放熱回路を流れる熱媒体との間で熱交換させ、前記貯湯槽の上方に配設された液々熱交換器と、
    該液々熱交換器より下流側の前記湯循環回路に配設され、当該湯循環回路内の湯を循環させるポンプと、
    前記液々熱交換器と前記ポンプとの間の前記湯循環回路に介設された気液分離器と、
    前記貯湯槽と前記気液分離器とを連通し、該気液分離器が分離した気体を前記貯湯槽に戻す戻し通路とを備えることを特徴とする貯湯式加熱ユニット。
  2. 前記戻し通路に設けられ、前記ポンプの作動時は当該戻し通路を閉じる開閉弁を備え、前記気液分離器は上部に空気貯留室を有することを特徴とする請求項1に記載の貯湯式加熱ユニット。
  3. 前記湯循環回路の湯吸込口が、前記貯湯槽の湯面より下方に位置することを特徴とする請求項1又は2に記載の貯湯式加熱ユニット。
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