JP5052557B2 - 原子層堆積装置及び薄膜形成方法 - Google Patents
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Description
このような用途に用いられる薄膜には、電気的特性や物理的特性の均一性が求められる。下記特許文献1には、均一な膜質の薄膜を形成するために、複数のガス導入口を備えるインジェクターを用いて均一なプロセスガスを導入する構成が記載されている。
この再現性の低下は、原料ガス導入により反応チャンバ等の内部に不要な膜が堆積することで、原料ガスの流れが変化することに起因すると考えられている。
原子層堆積装置は、TMA(Tri-Methyl-Aluminium)等の原料ガスと、オゾンO3等の酸化ガスを交互に供給して、原子単位で堆積して薄膜を形成する装置である。
基板10上に薄膜を形成する原子層堆積装置(ALD装置)の概略の装置構成を示す模式断面図を図1に示す。なお、以下の説明では、図1の横方向をX方向、縦方向をZ方向、紙面に垂直な方向をY方向とする。
真空容器20の内部は、排気部80により所定の圧力に維持される。また、ガス導入部30により、真空容器20の内部に原料ガスが導入される。導入される原料ガスの流れとともにパーティクルが流れる場合、レーザ光源部40から照射されたレーザ光がパーティクルを照射することにより、散乱光が生じる。
パーティクルにより生じる散乱光は、測定部50により測定され、制御部60は測定されたデータを処理する。制御部60により処理されたデータは、出力部70により出力される。また、制御部60は、測定結果に応じて、ガス導入部30が真空容器20の内部に導入するガスの流量を制御する。
以下、これらの構成について、より詳細に説明する。
排気口82には、排気部80が接続されている。排気部80は、排気管84と、真空ポンプ86と、を備える。真空ポンプ86は、例えば、ターボ分子ポンプが用いられる。排気部80により、真空容器20の内部は、所定の圧力に維持される。
真空容器20には、基板10の幅方向(Y方向)に沿って、複数のガス導入口24が一列に配列されて設けられている。ガス導入口24は、基板10に向けて均一に原料ガスを流すため、基板10が載置される位置(基板載置位置)よりも広い範囲に、等間隔に設けられている。
ガス導入管32は、原料ガス(例えば、TMA等の有機金属のガス)、酸化ガス(例えば、オゾン)、パージガス(例えば、窒素ガス)などのガスを真空容器20の内部に導入する。図1に示した例では、ガス導入管32とバルブ34をそれぞれ1つずつ示しているが、原料ガスを導入するガス導入管と酸化ガスを導入するガス導入管を異なる導入管とするために、ガス導入管とバルブを複数備える構成としてもよい。
バルブ34は、ガス導入管32を流れるガスの流量を調整する。バルブ34の開閉量は、コンピュータなどの制御部60により制御される。制御部60がバルブ34の開閉量を制御する方法については、後述する。
レーザ光源部40は、レーザダイオード42と、シリンドリカルレンズ44と、を備える。レーザダイオード42は、例えば、発振波長が535nm、出力1W、発振形態がCW(Continuous Wave)のものを用いる。シリンドリカルレンズ44は、レーザダイオード42から出射されたレーザ光48をシート状のビームにする。
なお、本実施形態では、シート状のレーザ光48を形成するためにシリンドリカルレンズ44を用いたが、レーザ光源部40から出射されるレーザ光がシート状となるものであれば、他の形態を用いてもよい。例えば、シート状のレーザ光を出射するレーザ光源を用いてもよい。
図4に示す例では、散乱光の軌跡が2つ示されているが、これは、測定用窓52を介して、2つのパーティクルからの散乱光が測定されたことを示している。制御部60は、散乱光の軌跡から、パーティクルの進行方向や速さ、すなわち、パーティクルの速度ベクトルを求める。また、制御部60は、ガス導入口24の方向に散乱光の軌跡を伸ばすことにより、各パーティクルが通過したガス導入口24の位置を特定する。
これより、軌跡94の散乱光を生じさせたパーティクルが通過したガス導入口24には、軌跡90の散乱光を生じさせたパーティクルが通過したガス導入口24に比べて、多くの膜が堆積していると推定することができる。
これに対し、本実施形態の原子層堆積装置は、測定部50が測定した画像データを制御部60が処理し、その結果に応じて、制御部60がバルブ34の開閉量を制御することにより、過剰な流量の原料ガスが流れるのを抑制しつつ、原料ガスの流れが悪くなったガス導入口24からも十分な流量の原料ガスを供給することができる。
すなわち、全てのガス導入口24から十分な流量のガスが供給される条件を満たしつつ、過剰な量のガスが供給されることを抑制すべく、制御部60は、画像データを処理した結果に基づいて、バルブ34の開閉量をフィードバック制御する。
また、自己停止作用を利用して、薄膜形成処理当初から過剰な流量の原料ガスを供給して、均一な薄膜を形成することもできるが、この方法は過剰な原料ガスを流すことになるため、原料ガスの使用効率が低くなる。
これに対して、本実施形態に示したALD装置は、過剰な流量の原料ガスが供給されることを抑制し、原料ガスの使用効率を向上することができる。
これにより、ユーザは、ガス導入口24バルブ34のクリーニングや交換を行うべき時期を知ることができる。
20 真空容器
22 基板支持部
24 ガス導入口
30 ガス導入部
32 ガス導入管
34 バルブ
40 レーザ光源部
42 レーザダイオード
44 シリンドリカルレンズ
46 レーザ導入窓
48 レーザ光
50 測定部
52 測定用窓
54 干渉フィルター
56 イメージインテンシファイア
58 高速度カメラ
60 制御部
70 出力部
80 排気部
82 排気口
84 排気管
86 真空ポンプ
90,94 軌跡
92,96 ベクトル
Claims (8)
- 基板上に薄膜を形成する原子層堆積装置であって、
基板載置位置に載置した基板上に薄膜を形成する原料ガスを導入するガス導入口を備える容器と、
前記ガス導入口と正対する位置から該ガス導入口に向けてレーザを照射するレーザ光源部と、
前記ガス導入口から原料ガスを導入する際に、原料ガス成分からなるパーティクルが前記レーザに照射されることにより、基板載置位置の前記ガス導入口側の端と該ガス導入口との間で生じる散乱光を測定する測定部と、
を有することを特徴とする原子層堆積装置。 - 前記ガス導入口を流れるガスの流量を調整する調整部と、
前記測定部が測定した結果に応じて、前記調整部を制御する制御部と、
を有する、請求項1に記載の原子層堆積装置。 - 前記制御部は、前記測定部が測定した前記散乱光から求まる、パーティクルの速度ベクトルの大きさが所定値未満である場合、前記ガス導入口を流れるガスの流量が多くなるように、前記調整部を制御する、請求項2に記載の原子層堆積装置。
- 前記制御部は、前記測定部が測定した前記散乱光から求まる、パーティクルの速度ベクトルの成分であって、前記ガス導入口から原料ガスを導入する方向と垂直な方向の成分の大きさが所定値以上である場合、前記ガス導入口を流れるガスの流量が多くなるように、前記調整部を制御する、請求項2又は3に記載の原子層堆積装置。
- 前記容器には、前記ガス導入口が一列に複数設けられ、
前記レーザは、一列に複数設けられた前記ガス導入口を照射するシート状のレーザである、請求項1乃至4のいずれかに記載の原子層堆積装置。 - 前記容器は、前記基板載置位置の前記ガス導入口側の端と該ガス導入口との間であって、前記シート状のレーザがなす面と平行な面に、前記散乱光が透過する測定用窓を備える、請求項5に記載の原子層堆積装置。
- 前記測定部が測定した結果を出力する出力部を備え、
前記制御部は、前記測定部が測定した結果に応じて、前記出力部がメンテナンスの時期を知らせる報知信号を出力するように、前記出力部を制御する、請求項1乃至6のいずれかに記載の原子層堆積装置。 - 原子層堆積方法により基板上に薄膜を形成する薄膜形成方法であって、
前記基板上に薄膜を形成する原料ガスを導入する工程と、
前記原料ガスを導入するガス導入口と正対する位置から、該ガス導入口に向けてレーザを照射する工程と、
前記ガス導入口から原料ガスを導入する際に、原料ガス成分からなるパーティクルが前記レーザに照射されることにより、基板を載置する基板載置位置の前記ガス導入口側の端と該ガス導入口との間で生じる散乱光を測定する工程と、
を有することを特徴とする薄膜形成方法。
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