JP5052086B2 - 小動物捕獲用ホットメルト粘着剤組成物 - Google Patents

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本発明は、有害小動物捕獲用ホットメルト粘着剤組成物に関する。さらに詳しくは、小生物、詳しくは、ゴキブリ、ハエ等の有害昆虫、及び、ネズミ等の有害小動物を捕獲するにあたり、優れた粘着力を有するスチレン系熱可塑性エラストマーを含む有害小動物捕獲用ホットメルト粘着剤組成物に関する。
従来、ゴキブリ、ハエ等の有害昆虫やネズミ等の有害小動物などの小生物を捕獲する手段としては、厚紙やプラスチックシートなどの支持体に粘着性を有した組成物を塗布した捕獲具を、小生物の通り道に設置し、粘着捕獲する方法が、取り扱い上や衛生上の観点からも一般的である。
小動物捕獲用の粘着組成物としては、ネズミの様な脚力の強い小動物においても、粘着剤組成物を塗工した粘着層に踏み込んだ際に、その脚を引き抜かれないだけの粘着性能とその脚に追従する追従性能が重要である。また、粘着剤組成物を支持体へ塗工する際の温度や溶融粘度などの塗工作業性が良好である事や、捕獲具の保管、運搬、使用時による粘着剤組成物の流れ出し等を考慮した耐フロー性が良好である事が必要である。
これまでに、各種小動物の捕獲用に用いる粘着剤組成物については各種報告されている。例えば、通常の粘着力および流れ出し防止効果を維持しつつ、濡れネズミのように体表面に水分を含むような小動物に対しても捕獲性を発揮できる小動物捕獲用粘着剤組成物として、(a)液状ゴムを粘着剤組成物全体の85〜95重量%。(b)その液状ゴムに可溶で、かつ粘度平均分子量が10000〜2500000のゴム状有機高分子化合物を粘着剤組成物全体の1〜8重量%。(c)エチレン系重合体セグメントとビニル系重合体セグメントが結合したグラフト共重合体を粘着剤組成物全体の1〜8重量%。を配合する事により得られる粘着剤組成物が特開平11−349402号公報に報告されているが、この小動物捕獲用粘着剤組成物では、初期の粘着性・耐フロー性・作業性に関しては非常に優れているものの、配合成分上、どうしても凝集力が小さくなってしまう。そのため、小動物等が粘着層に踏み込み、逃げようとして脚を大きく引き上げた際に、足の引き上げ距離と反比例して応力が低下してしまい、結果、大型のネズミ等の小動物には逃げられるといった問題が生じている。
また、捕獲率、捕獲性能の維持性等に優れた小生物捕獲用粘着剤組成物として、(i)重量平均分子量50000〜500000、スチレン含有量10〜30モル%のA−B−A型スチレン−ジエン系ブロック共重合体。(ii)軟化点が65℃以上の粘着付与樹脂。(iii)25℃で液状の粘着付与樹脂。(iv)数平均分子量200〜2500の液状ポリブテン。について、(i)100重量部に対して、(ii)50〜150重量部、(iii)5〜50重量部、(iv)10〜100重量部、配合する事により得られる粘着剤組成物が特開2001−157539号公報に報告されているが、この粘着剤組成物は、良好な粘着性が得られるものの、配合成分上、どうしても硬度が高くなる傾向がある。故に、力の小さなゴキブリや小生物の捕獲には、非常に優れているものの、ネズミの様な小動物の捕獲を目的とした際には、粘着層が固いために、粘着層に踏み込んだ小動物の脚と粘着層との接地面積が小さく、脚への絡み付きも非常に小さい。よって、脚力が強く、脚の引き上げ距離が大きくなる小動物の捕獲には不向きである。
さらに従来の小動物捕獲用粘着剤組成物は捕獲性能を上げるために、凝集力向上を主目的とした改良を行っているため、溶融粘度が高くなり作業性が良くはなかった。
このように、小動物捕獲用として求められる前記全ての性能を兼ね備えた粘着剤組成物は未だ報告されていないのが現状である。
特開平11−349402号公報 特開2001−157539号公報 特公昭55−38100号公報 特公昭61−54764号公報 特開平9−143443号公報 特許第3437779号公報
従来の小動物捕獲用粘着剤組成物では、小動物等が粘着層に踏み込み、逃げようとした際に、足の引き上げ距離が大きくなるに従い、応力が著しく低下するため、逃げられるといった問題があった。本発明は、そのような従来技術に存在する問題点を改善するためになされたものである。
従来の小動物捕獲用粘着剤組成物と同様の耐フロー性を維持しつつ、小動物が粘着層に踏み込んだ際の柔軟性、密着性に優れ、更に小動物の足の引き上げ距離が大きくなるに伴い、応力が上がることにより、粘着層に踏み込んだ小動物を捕獲することができる粘着剤組成物を提供することを目的とする。
本発明は、良好な粘着性、及び追従性により捕獲率・捕獲性能に優れた小動物捕獲用の粘着剤組成物を提供する。
本発明は、室温下において、15mm押し込み時の応力が0.15Kg以下、引き上げ時の伸びが60mm以上であり、60mm引き上げ時の応力が0.05Kg以上である小動物捕獲用ホットメルト粘着剤組成物を提供する。
前記ホットメルト粘着剤組成物が、スチレン系熱可塑性エラストマーを含むホットメルト粘着剤組成物である前記の小動物捕獲用ホットメルト粘着剤組成物は、本発明の好ましい態様である。
前記した粘着剤組成物が、下記(1)〜(3)の成分を含むものである小動物捕獲用ホットメルト粘着剤組成物は、本発明の好ましい態様である。
(1)135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]が1dl/g以上のスチレン系熱可塑性エラストマー、
(2)数平均分子量が250〜5,000の軟化剤、及び
(3)軟化点が60℃以上である天然または合成系粘着付与樹脂。
前記した粘着剤組成物において、前記成分(1)が100重量部、成分(2)が300〜4000重量部、および成分(3)が200〜3000重量部の割合である前記の小動物捕獲用粘着剤組成物は、本発明の好ましい態様である。
前記小動物捕獲用ホットメルト粘着剤組成物が、アプリケーターを使用し、70〜150℃で溶融・塗工することが可能である小動物捕獲用ホットメルト粘着剤組成物は、本発明の好ましい態様である。
本発明はまた、(1)135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]が1dl/g以上のスチレン系熱可塑性エラストマー(1)100重量部と、300〜4000重量部の(2)数平均分子量が250〜5,000の軟化剤、及び200〜3000重量部の(3)軟化点が60℃以上である天然または合成系粘着付与樹脂を含む小動物捕獲用ホットメルト粘着剤組成物を提供する。
本発明により、良好な粘着性、及び追従性により捕獲率・捕獲性能に優れた小動物捕獲用の粘着剤組成物が提供される。
本発明によれば、従来市販されている小動物捕獲用粘着剤組成物と同等の耐フロー性を持ち、作業性が良くかつ小動物の捕獲性能に優れ、従来の粘着剤組成物では捕獲困難であった濡れネズミに対しても優れた捕獲性能を発揮する小動物捕獲用粘着剤組成物を提供することができる。
以下、この発明の小動物捕獲用ホットメルト粘着剤組成物の実施形態について詳細に説明する。
従来の小動物捕獲用粘着剤組成物では、基本的にポリブテンと、ポリイソブチレンやブチルゴム、若しくは、低分子量あるいは中分子量のエラストマーを用いるために、凝集力が低く、小動物等が粘着層に踏み込み、逃げようとした際に、足の引き上げ距離が大きくなるに従い、応力が著しく低下するため、逃げられるといった問題があった。しかしながら、その他高分子量エラストマーを使用すると、溶融粘度の高騰、粘着性の低下などから、小動物の捕獲性能を損なうといった問題があった。本発明はこれら従来公知の小動物捕獲用粘着剤組成物の欠点を改善したものである。
すなわち、本発明は、室温下において、15mm押し込み時の応力が0.15Kg以下、引き上げ時の伸びが60mm以上であり、60mm引き上げ時の応力が0.05Kg以上である小動物捕獲用ホットメルト粘着剤組成物を提供する。
さらに、前記ホットメルト粘着剤組成物が、室温下において80mm引き上げ時の応力が0.10Kg以上である小動物捕獲用ホットメルト粘着剤組成物は、好ましい態様である。
上記の特徴を発揮する小動物捕獲用ホットメルト粘着剤組成物を得るには、それを構成するベースポリマーとしてスチレン系熱可塑性エラストマー、好ましくは分子量の高いスチレン系エラストマーを選択することが好ましい。スチレン系熱可塑性エラストマーを含むホットメルト粘着剤組成物であって、室温下において、15mm押し込み時の応力が0.15Kg以下、引き上げ時の伸びが60mm以上であり、60mm引き上げ時の応力が0.05Kg以上である小動物捕獲用ホットメルト粘着剤組成物は本発明の好ましい態様である。
従来の小動物捕獲用粘着剤組成物のように15mm押し込み時の応力が0.15Kg以上の粘着剤組成物では硬度が高すぎるため、小動物が粘着層に自重で踏み込んだ際に、小動物の足に粘着剤組成物が絡み付かず、接触面積の不足から捕獲に充分な粘着性を確保することができない。これに対し本発明のホットメルト粘着剤組成物においては、15mm押し込み時の応力が0.15Kg以下と非常に柔軟であることにより、小動物が粘着層に踏み込むと足が粘着剤組成物に沈み込み、足裏のみならず足側面にまで粘着剤組成物が付着し、接触面積を稼ぐことができる。このことにより水分や油分等の汚れにより従来の粘着剤組成物では捕獲することが困難であった濡れネズミをも捕獲することができる。
また、従来の小動物捕獲用粘着剤組成物においては、引き上げ距離が大きくなるに従い応力が著しく低下するために、粘着層に踏み込んだ小動物が逃げようとした際に、足の動きに追従することができず、逃げられてしまうが、本発明のホットメルト粘着剤組成物においては、引き上げ時の伸びが60mm以上であるので、小動物を逃がすことなく捕獲できる。
さらに、従来の小動物捕獲用粘着剤組成物においては、粘着組成物の凝集力が小さいため、引き上げ時の強度が低く、逃げようとする小動物に充分な抵抗を与えることができず、小動物を捕獲することができないが、本発明のホットメルト粘着剤組成物においては、60mm引き上げ時の応力が0.05Kg以上なので、小動物を捕獲することができる。
引き上げ時の強度に関しては、従来の小動物捕獲用粘着剤組成物も、引き上げ初期の強度が高いものがあったが、従来の小動物捕獲用粘着剤組成物には、引き上げ距離が長くなるにつれて強度が急激に低下する傾向があった、このため粘着層に踏み込んだ小動物に逃げられる原因となっていた。本発明のホットメルト粘着剤組成物は従来の小動物捕獲用粘着剤組成物と同等の粘着力を有し、かつ引き上げ距離に伴って引き上げ強度が高くなるよう配合設計されている。
従来の小動物捕獲用粘着剤組成物は凝集力を発現するために軟化剤の配合量が制限され、その結果柔軟性を欠くものであった。粘着剤組成物が柔軟であれば前述のように小動物の足との接触面積が大きくなり、小動物の捕獲性能は飛躍的に向上する。
本発明では高分子量のベースポリマーを用いることにより、比較的多量の軟化剤を配合することを可能とし、小動物捕獲用粘着剤組成物に必要な凝集力や耐フロー性および作業性を維持したまま、従来の小動物捕獲用粘着剤組成物では発現しなかった柔軟性を付与することに成功した。
すなわち本発明の小動物捕獲用ホットメルト粘着剤組成物は、従来の小動物捕獲用粘着剤組成物ではみられなかった柔軟性により粘着層と小動物の足との接触面積を大きくし、かつ高い粘着力および凝集力により逃げようとする小動物の足から剥がれることなく追従し、一度粘着層に踏み込んだ小動物を捕らえて逃さないことを可能とするものである。
本発明において、ホットメルト粘着剤組成物の評価項目となる「15mm押し込み時の応力」、「引き上げ時の伸び」および「60mm引き上げ時の応力」は、以下の測定方法に従って測定することができる。測定方法としてJIS Z 0237:粘着テープ・粘着シート試験方法を参考とし、押し込み時の応力、及び引き上げ時の強度・伸びを測定できるように一部変更したものを用いた。その方法の詳細は下記のとおりである。
内径27mm×高さ20mmの円筒内にホットメルト粘着剤組成物を充填した物を試験片とし、その試験片に直径10mm×長さ60mmのステンレス製の円柱をテストスピード100mm/minで15mm押し込んだ後、直ちにテストスピード100mm/minで引き上げる方法によりその応力および伸びを測定する。試験片に円柱を15mm押し込んだ際の応力を押し込み時の応力とし、試験片より円柱を引き上げた際の強度および引き上げ距離を引き上げ時の応力、伸びとした。測定方法の概要を添付の図1に示した。
図1の(1)は、試験装置と試験片を示す図である。円筒1内に粘着剤組成物3が充填されており、ステンレス製の円柱2が示されている。(2)は、円柱2をテストスピード100mm/minで粘着剤組成物3に押し込んだ様子を示す図である。(3)には円柱2がテストスピード100mm/minで引き上げられ、それにつれて粘着剤組成物3が延びている様子が示されている。(4)は円柱2を引き上げた結果、粘着剤組成物3が伸びきって円柱2から離れた様子を示す図である。
粘着剤組成物の評価において、押し込み時の応力は、粘着剤組成物の柔軟性の目安となり、また引き上げ時の応力、伸びは、粘着剤組成物の密着性、追従性および凝集力の目安となる。
本発明の小動物捕獲用ホットメルト粘着剤組成物の好適な組成は、以下の成分(1)〜(3)を含む小動物捕獲用ホットメルト粘着剤組成物である。
(1)135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]が1dl/g以上のスチレン系熱可塑性エラストマー、
(2)数平均分子量が250〜5,000の軟化剤、及び
(3)軟化点が60℃以上である天然または合成系粘着付与樹脂。
前記成分(1)〜(3)の好ましい量割合としては、成分(1)が100重量部と、成分(2)が300〜4000重量部、成分(3)が200〜3000重量部の割合であることが好ましい。
本発明においてベースポリマーとして用いるスチレン系エラストマーは、極限粘度[η]が1.0dl/g以上のものである。本発明で言うところの極限粘度[η]とは、135℃中で測定した値をいう。
スチレン系熱可塑性エラストマーとしては極限粘度[η]が1dl/g以上のものであれば特に限定されるものではないが、好ましい例としては、スチレン/ブタジエンブロックコポリマー(S−B)、(S−B−S)、スチレン/イソプレンブロックコポリマー(S−I)、(S−I−S)及びスチレン/ブタジエン−イソプレンのブロックコポリマー(S−B・I)、(S−B・I−S)並びにこれらブロックコポリマーの水添物例えばSEBS及びSEPSを挙げることができる。スチレン系熱可塑性エラストマーは、例示したポリマーをカルボキシル変性したものであってもいいし、コポリマーのスチレンブロックの中にスチレンの外、スチレンとα−メチルスチレンなどの芳香族系ビニル化合物の共重合物が含まれたものであってもよい。
これらスチレン系熱可塑性エラストマーの中でも、スチレンーイソプレンースチレンブロック共重合体の水添物、スチレンーブタジエンースチレンブロック共重合体の水添物が好ましく用いられる。また、スチレン系熱可塑性エラストマー中のスチレン系の占める割合は5〜50重量%、好ましくは10〜40重量%が、柔軟性とゴム弾性のバランスの観点から好ましい。
本発明で用いるスチレン系エラストマーは、市販品を入手して使用してもよい。市販品としては、例えば商品名「セプトン4055」、「セプトン2006」(いずれも(株)クラレ社製)などがあり、容易に入手することができる。
本発明のスチレン系熱可塑性エラストマーは、極限粘度[η]が1以上、好ましくは1〜10、より好ましくは1.2〜6のものであることが望ましい。本発明でいう極限粘度[η]とは、135℃デカリン中で測定した値をいう。
本発明において使用される軟化剤としては、プロセスオイル、液状ゴムなどを挙げることができる。プロセスオイルの好ましい例としては、パラフィンオイル、ナフテンオイル、アロマオイルなどを挙げることができる。これらは単独で使用しても、複数種を併用して使用してもよい。液状ゴムの好ましい例としては、液状ポリイソプレン、液状ポリブタジエン、液状ポリブテン、液状1,2ポリブタジエン、液状スチレン−ブタジエンゴム、マレイン化ポリブタジエン、末端水酸基ポリブタジエン、マレイン化ポリブテンなどを挙げることができる。これらは単独で使用しても、複数種を併用して使用してもよい。
本発明の軟化剤としては、数平均分子量が250〜5,000の軟化剤が好ましいので、上記した軟化剤のうち数平均分子量が250〜5,000のものを選択して使用することが好ましい。
本発明において使用される粘着付与樹脂は、軟化点が60℃以上である天然または合成系粘着付与樹脂である。粘着付与樹脂としては特に制限はなく、従来公知の粘着付与樹脂から軟化点が60℃以上である天然または合成系粘着付与樹脂を適宜選択して使用することができる。このような軟化点が60℃以上の粘着付与剤としては、脂環族系水添タッキファイヤー、ロジン、変性ロジン、またはこれらのエステル化物、脂肪族系石油樹脂、脂環族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、脂肪族成分と芳香族成分の共重合石油樹脂、低分子量スチレン樹脂、イソプレン系樹脂、アルキルフェノール樹脂、テルペン樹脂、クマロン・インデン樹脂などを挙げることができる。中でもロジン系および/または石油樹脂系の粘着剤組成物が好ましく用いられる。
上記軟化点が60℃以上の天然または合成系粘着付与樹脂を配合することによって、粘着剤組成物の常温における凝集力、及び表面タックを高めることができる。この粘着付与樹脂を配合することによって、小動物が粘着層に踏み込んだ際に、充分な接着性を維持することができ、本発明の小動物捕獲用の粘着剤組成物として優れた効果を発揮するためには必要不可欠な成分である。
本発明の小動物捕獲用ホットメルト粘着剤組成物として柔軟性と粘着性のバランスの観点から、成分(3)軟化点が60℃以上の天然または合成系粘着付与樹脂の配合量は、成分(2)数平均分子量が250〜5,000の軟化剤の配合量に対して、重量比で1/2〜3/4の配合比率であることが望ましい。
本発明のホットメルト粘着剤組成物には、発明の目的を損なわない範囲で添加剤を配合してもより。本発明のホットメルト粘着剤組成物に配合しうる添加剤の例としては、ワックスなどの改質剤、他の熱可塑性エラストマーおよび/または熱可塑性樹脂、無機および/または有機充填剤、あるいは顔料、各種安定剤などを挙げることができる。このような添加剤は、例えば(1)135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]が1dl/g以上のスチレン系熱可塑性エラストマー100重量部に対して、0.1〜1000重量部程度の割合で、発明の目的を損なわない範囲で配合することができる。
本発明の小動物捕獲用ホットメルト粘着剤組成物は、アプリケーターを使用して、70〜150℃、好ましくは100〜140℃で溶融・塗工することが可能であるので、任意の大きさ、形状の台紙などの基材に容易に塗工して、ゴキブリ、ハエなどの有害昆虫およびネズミなどの有害小動物を捕獲する小動物捕獲用に使用することができる。
以下、実施例および比較例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって、何ら制限されるものではない。
実施例および比較例において得られた粘着組成物の特性は、以下の方法で評価した。
(A)溶融粘度
ブルックフィールド型自動回転粘度計により測定した。
スピンドルNo.29
回転数 5rpm
測定温度 120℃
(B)押し込み応力および引き上げ応力
前述の測定方法により評価した。
(C)作業性
アプリケーターを用いて120℃で溶融、塗工したときの作業性を下記の基準で評価した。
○ : 良い
△ : 普通
× : 悪い
とした。
(D)小動物捕獲性能
試料を塗布厚1mmになるよう台紙に塗工し、ネズミの通路に設置し、ネズミに通路を走らせて捕獲性能を評価した。
◎: 逃げ跡なし(濡れネズミも捕獲)
○: 捕獲はするも逃げ跡あり
△: 逃げ跡多い
×: 捕獲できず
(E)耐フロー性
塗布幅約12mm、塗布厚が1mmになるように試料を台紙に塗付し、試料が固化する前に支柱(直径19mm、重量0.4g)を貼り付けた。試料を塗布した台紙を80℃の高温槽中、垂直に立てかけて1時間後の支柱のズレにより垂下性を評価した。
○: 支柱のズレなし
×: 支柱のズレあり
本発明の実施例、比較例において使用した原材料は下記のとおりである。
(a)スチレン系熱可塑性エラストマー:スチレン系ブロックコポリマー(商品名 セプトン4055、スチレン含量:30%、[η]:1.46dl/g、(株)クラレ製)
(b)液状ポリブテン−1:商品名 PB−100R(出光石油化学社製、数平均分子量:960)
(c)液状ポリブテン−2:商品名 PB−15H(出光石油化学社製、数平均分子量:550)
(d)液状ポリブテン−3:商品名 HV−300(日本石油化学社製、数平均分子量:
1400)
(e)水添石油樹脂−1:商品名 エスコレッツ5300(トーネックス社製、軟化点:100℃)
(f)水添石油樹脂−2:商品名 リガレッツ1094(理化ハーキュレス社製、軟化点:94℃)
(g)水添テルペン樹脂:クリアロンP115(ヤスハラケミカル社製、軟化点:115℃)
(h)液状樹脂:アビトールE(理化ハーキュレス社製)
(i)酸化防止剤:商品名 トミノックスTT(エーピーアイ コーポレーション社製、ヒンダードフェノール系酸化防止剤)
(j)ブチルゴム:商品名 JSR Butyl1065(日本合成ゴム社製)
(k)ポリエチレン:商品名 ペトロセン208(東ソー社製)
(実施例1〜3、比較例1〜4)
表1に記載した配合成分を、表1および表2に示す割合で混合し、180℃のニーダー内で1時間混練することにより、各粘着組成物を作製した。得られた粘着組成物について、物性を測定した。結果を表1に示す。
Figure 0005052086
表1に示したように実施例1〜3はいずれも小動物の捕獲性能を有している。中でも実施例1は軟化剤の少ない実施例2に比べ押し込み時の強度が弱いため、小動物が粘着組成物を踏んだ際に小動物の足と接する面積が広い。このことは水分や油分等による小動物の足の汚れにより従来の粘着組成物では捕獲できなかった小動物の捕獲に大きく寄与している。実施例3は実施例1よりも押し込み時の強度は弱いが粘着付与樹脂の配合量が少ないために引き上げ時の強度が弱く、小動物捕獲性能に劣る。
比較例1は、実施例1〜3と比較して、軟化剤の配合量が非常に少ない為に、凝集力が強すぎる上に、押し込み時の応カが非常に高く、柔軟性に欠ける。また、粘着付与樹脂の配合量も少ない為に、表面の粘着性も不足しており、引き上げ強度測定時において、円柱より剥がれ測定出来ない。このことは、小動物が粘着層を踏んだ際に小動物の足と接する面積が小さく、充分な接着性能を得ることができない。また、逃げようと小動物が足を引き上げた際の追従性不足により、小動物捕獲性能に劣り、溶融粘度が非常に高いことから、作業性においても問題がある。比較例2は、実施例1〜3と比較して、軟化剤の配合量が非常に多い為に、押し込み時の応力は低いものの、引き上げ時の応力が小さい。このことは、小動物が粘着剤へ踏み込み、逃げようとした際に)小動物へ充分な抵抗を与えることができず、小動物捕獲性能に劣る。また、軟化剤の配合量が多すぎる配合系であることから、垂下性に欠け、常温においても垂れ流れる事から、製品保管時における形状保持性能としても間題がある。
ブチルゴムを主成分とする比較例3は引き上げ距離が長くなると引き上げ強度が急激に弱くなり、小動物に逃げられる原因となっていた。スチレン系ブロックコポリマーを主成分とする比較例4は、粘着性に優れているものの、液状物の配合量が少ない配合である事から、粘着剤組成物としては柔軟性に欠ける為に、押し込み強度が高い。よって、体重の軽い小動物が粘着層を踏んだ際には、小動物の足と接する面積が小さい為、充分な接着性能を得る事ができず、脚の引き上げに対して追従する事が出来ない為に、小動物捕獲性能に劣る。また、溶融粘度が高く、溶融・塗布工程等の作業性が悪い。
これに対し、実施例1〜3は、押し込み時の応力が小さく、引き上げ距離が長くなるのに伴って引き上げ強度が強くなり、捕獲率が良い。このように実施例1〜3はその柔軟性(押し込み強度の弱さ)と高い凝集カ(引き上げ強度および伸び)の相乗効果により小動物の足に絡みつき、動き回る小動物の足に追従し逃さない。上記のように実施例1〜3は小動物捕獲性能、塗布作業性および垂下性のバランスがとれるよう配合設計されていることが分かる。
(実施例4〜6、比較例5〜7)
実施例1で得られた粘着組成物について、押し込み距離と押し込み応力の関係、および引き上げ距離と引き上げ応力の関係を、温度23℃(実施例4)、40℃(実施例5)および0℃(実施例6)で測定した結果を、それぞれ図2、3および4に示した。
また比較例3で得られた粘着組成物について、同様にして押し込み距離と押し込み応力の関係を、温度23℃(比較例5)、40℃(比較例6)および0℃(比較例7)で測定した結果を、それぞれ図2、3および4に併せて示した。
図2〜4から、実施例4〜6においては、比較例5〜7と比較して、押し込み応力は低いことが、また引き上げ応力においては比較例では、引き上げ距離の小さいときは引き上げ応力が大きいが、距離が増大するにつれて引き上げ応力が急速に低下するのに対して、実施例では引き上げ距離の増加につれて引き上げ応力が増大し、かなりの距離大きな引き上げ応力を維持することがわかる。このことは、実施例の粘着組成物では、容易に小動物を捕獲し、容易には逃がさないことを表している。
本発明により提供される小動物捕獲用ホットメルト粘着剤組成物は、良好な粘着性、及び追従性により捕獲率・捕獲性能に優れた小動物捕獲用ホットメルト粘着剤組成物である。
本発明によれば、従来市販されている小動物捕獲用粘着剤組成物と同等の耐フロー性を持ち、作業性が良くかつ小動物の捕獲性能に優れ、従来の粘着剤組成物では捕獲困難であった濡れネズミに対しても優れた捕獲性能を発揮する小動物捕獲用粘着剤組成物が提供される。
本発明により提供される小動物捕獲用ホットメルト粘着剤組成物は、従来の小動物捕獲用ホットメルト粘着剤組成物と同様の耐フロー性を維持しつつ、小動物が粘着層へ踏み込んだ際の柔軟性が非常に高く、小動物の足への絡み付きが大きいため、水分や油等で汚れた小動物においても、安定した粘着性を発揮し、逃げようとした際の脚への追従性、引き上げに距離に伴う応力の増加、すなわち高い凝集力の付与により、優れた捕獲性能を発揮する小動物捕獲用ホットメルト粘着剤組成物である。
ホットメルト粘着剤組成物の測定方法を示す概略図である。 実施例1と比較例1の粘着剤組成物の押し込み応力および引き上げ応力の23℃での測定結果を示すグラフである。 図2の測定を、40℃で行った測定結果を示すグラフである。 図2の測定を、0℃で行った測定結果を示すグラフである。
符号の説明
1.円筒
2.円柱
3.粘着剤組成物

Claims (3)

  1. (1)135℃デカリン中で測定した極限粘度〔η〕が1dl/g以上のスチレン系熱可塑性エラストマー100重量部と、300〜4000重量部の(2)数平均分子量が250〜5,000の軟化剤、及び200〜3000重量部の(3)軟化点が60℃以上である天然または合成系粘着付与樹脂を含み、室温下において、15mm押し込み時の応力が0.15Kg以下、引き上げ時の伸びが60mm以上であり、60mm引き上げ時の応力が0.05Kg以上である小動物捕獲用ホットメルト粘着剤組成物。
  2. 前記小動物捕獲用粘着剤組成物が、アプリケーターを使用し、70〜150℃で溶融・塗工することが可能であることを特徴とする請求項1に記載の小動物捕獲用ホットメルト粘着剤組成物。
  3. (1)135℃デカリン中で測定した極限粘度〔η〕が1dl/g以上のスチレン系熱可塑性エラストマー100重量部と、300〜4000重量部の(2)数平均分子量が250〜5,000の軟化剤、及び200〜3000重量部の(3)軟化点が60℃以上である天然または合成系粘着付与樹脂を含む小動物捕獲用ホットメルト粘着剤組成物。
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