JP5050168B2 - 鉄道車両の車体構造 - Google Patents
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以上に例示したように、鉄道車両の車体強度は、台枠、側壁、屋根といった各部材に必要な強度が確保された状態で、各々固定されることにより構成されたものであり、衝突事故等、車体に外力が加わるような事態においても、車体の変形が最小限に抑えられるように、種々の取り組みがなされている(例えば、特許文献1、特許文献2参照。)。
本発明によれば、車体に横方向から外力が加わった場合に、その外力を、屋根外板と天井板との空間に収まる範囲内で可能な限り幅広に形成された、高強度のタルキによって受け止めることで、車体の断面形状の変化を抑制することが可能となる。しかも、切欠きは空調風道及び配線スペースに充てられていることから、従来の鉄道車両の車体構造と同様に、空調設備や配線の設置が可能となる。一方、切欠きは、タルキに車幅方向の力が加わった際の応力集中部となることから、タルキが外力を受け止める際に、切欠き部分に変形を来しても、切欠き以外の部分が前述のごとく幅広で高強度に形成されており、切欠き以外の部分が突っ張り合うことで、切欠き部分の変形がタルキ全体の変形へと広がることを防ぎ、車体の断面形状の変化を、効率よく抑えることが可能となる。
更に、本発明によれば、タルキに設けられた断面積の急減少部において、意図的にタルキの強度を部分的に低下させることにより、かかる断面積の急減少部が、タルキに車幅方向の力が加わった際の応力集中部となり、タルキの変形を意図的に制御することが可能となる。
前記タルキがこのように構成されることで、タルキの構造の複雑化を回避しつつ、車体に横方向から外力が加わった場合の、屋根の強度を高めることが可能となる。
本発明によれば、屋根外板と天井板との空間に、空調風道及び配線スペースを確保しつつ、補強部材によって、車体に横方向から外力が加わった場合の、屋根の強度を高めることが可能となる。
本発明によれば、タルキが、屋根外板と天井板との空間であって空調風道、空調機材及び配線スペースを避けた位置に設けられた複数の補強部材を含むことにより、車体に横方向から外力が加わった場合の、屋根の強度を高めることが可能となる。
この構成によれば、タルキに車幅方向の力が加わって変形が生じる際に、強度保持部材が隣接する補強部材に当接して突っ張ることにより、タルキの変形を抑制し、車体の断面形状の変化を、効率良く抑えることが可能となる。
この構成によれば、タルキに車幅方向の力が加わって変形が生じ、強度保持部材が隣接する補強部材に当接して突っ張る際に、強度保持部材の壁によって確実に荷重が受止められ、タルキの変形を抑制し、車体の断面形状の変化を、効率良く抑えることが可能となる。
この構成によれば、タルキに車幅方向の力が加わって変形が生じ、強度保持部材が隣接する補強部材に当接して突っ張る際に、強度保持部材が、隣接する補強部材の切欠きに収まるようにして確実に受止められ、タルキの変形を抑制し、車体の断面形状の変化を、効率良く抑えることが可能となる。
タルキ22は、板材を屋根外板12と天井板16との空間形状に合わせて打抜くと共に、その外周端部を折り曲げることにより構成されたものであり、車体10に横方向から外力が加わった場合の、車体剛性を確保している。又、板材とチャネル材とを組み合わせることにより、タルキ22を構成することとしても良い。
しかも、図2の例によれば、既存のチャネル材14からなるタルキ22を屋根に備える鉄道車両に対しても、補強部材24を追加することで、車体10に横方向から外力が加わった場合の、屋根の強度を高めることが可能となる。
本発明の実施の形態に係る鉄道車両の車体構造は、図3に示されるように、タルキ22は、屋根外板12と天井板16との空間であって空調風道18、ファン等の空調機材及び配線スペース20を避けた位置に設けられた、複数の補強部材26を含むものである。そして、タルキ22の車幅方向の中央部の一箇所に、下方に開口して断面積を部分的に急減少させる、断面積の急減少部28が設けられている。なお、図3の例では、図2の例と同様に、車幅方向の全体に渡り設けられたチャネル材14を有しており、チャネル材14と補強部材26とによってタルキ22を構成しているが、図1の例の如く、チャネル材14を用いずに補強部材26のみでタルキ22を構成することとしても良い。
又、断面積の急減少部34において、意図的にタルキ22の強度を部分的に低下させており、かかる断面積の急減少部34は、タルキ22に車幅方向の力が加わった際の応力集中部となることから、タルキ22の変形を意図的に制御することが可能となる。従って、図7に示されるように、車体横方向から力が加わった場合に、タルキ22を断面積の急減少部34にて屈曲させることにより、衝撃を吸収するとともに、想定外の変形が車体に生じることを、可能な限り回避することができる。
しかも、強度保持部材36、37、44の車幅方向端部に、荷重を受ける壁36a、37a、44aが設けられていることから、タルキ22に車幅方向の力が加わって変形が生じ、強度保持部材36、37、44が隣接する補強部材30又は32に当接して突っ張る際に、強度保持部材36、37、44の壁36a、37a、44aによって確実に荷重が受止められ、タルキ22の変形を抑制し、車体10の断面形状の変化を、効率良く抑えることが可能となる。
その他、本発明に係る参考例と同様の作用効果については、詳しい説明を省略する。
Claims (7)
- 屋根外板の内側に固定された車幅方向に延びるタルキが、屋根外板と天井板との空間に収まる範囲内で可能な限り上下に幅広に形成され、なおかつ、前記タルキに、空調風道又は配線スペースに充てられる切欠きが設けられ、前記タルキの車幅方向の一箇所若しくは数箇所に、下方に開口して断面積を部分的に急減少させる、断面積の急減少部が設けられていることを特徴とする鉄道車両の車体構造。
- 前記タルキは、車幅方向の全体に渡り一体に形成されていることを特徴とする請求項1記載の鉄道車両の車体構造。
- 前記タルキは、車幅方向の全体に渡り設けられたチャネル材と、屋根外板と天井板との空間であって空調風道及び配線スペースを避けた位置に部分的に設けられた補強部材とを組み合わせてなることを特徴とする請求項1記載の鉄道車両の車体構造。
- 前記タルキは、屋根外板と天井板との空間であって空調風道、空調機材及び配線スペースを避けた位置に設けられた複数の補強部材を含むことを特徴とする請求項1記載の鉄道車両の車体構造。
- 前記タルキを構成する補強部材の少なくとも一つには、前記断面積の急減少部を挟んで、隣接する補強部材と対向する強度保持部材が設けられていることを特徴とする請求項3又は4記載の鉄道車両の車体構造。
- 前記強度保持部材の車幅方向端部に、荷重を受ける壁が設けられていることを特徴とする請求項5記載の鉄道車両の車体構造。
- 前記補強部材の、前記断面積の急減少部を挟んで隣接する補強部材の強度保持部材との対向位置に、前記断面積の急減少部を車幅方向に広げる切欠きが設けられていることを特徴とする請求項5又は6記載の鉄道車両の車体構造。
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