JP5048031B2 - 導電性接着剤およびそれを用いた回路 - Google Patents

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Description

本発明は、導電性接着剤に関し、さらに詳しくは、導電性に優れ、半導体素子、チップ部品またはディスクリート部品を、マイグレーションを発生させないで印刷配線基板に接着できる導電性接着剤に関する。また、本発明は、このような導電性接着剤を用いて、半導体素子などを接合させた回路に関する。
半導体の実装技術の一つとして、フリップチップ方式による接合がある。そこでは、ハンダメッキによりバンプを形成した半導体素子を用い、ハンダにより該半導体素子の接合を行う。また、銀などの貴金属粉末を使用した導電性接着剤を用いる接合、および樹脂ボールに金などをメッキした粉末を使用して、異方性導電フィルムを用いる電子部品の接合が試みられている。
一方、印刷配線基板を用いる回路の形成においても、チップ部品やディスクリート部品の接合にはハンダが使用される。ハンダの代わりに導電性接着剤を用いて、これらの部品を実装することも行われている。しかし、該接着剤に導電粒子として銀を使用すると、優れた導電性を有する導電層が得られるが、電圧を印加するとマイグレーションを起こすことがある。(IEEE Transaction on Components, Packaging and Manufacturing Technology, Part B, Vol.17, No.1, p83 参照)。また、錫メッキなどを施す際に、高温の影響を受けて、接着強さが低下する。
現在、電子部品の接合には、鉛−錫合金ハンダが使用されている。廃棄された電子機器に使用されているハンダが酸性雨により溶解し、地下水に溶け込み、飲料水などに地下水を使用するところでは、公衆衛生上の問題を生じている。したがって、錫−銀系、錫−亜鉛系のような、融点がより高いハンダを用いる傾向がある。しかしながら、ハンダを用いる方法では、洗浄剤を使用する場合があり、作業環境および安全面で好ましくない。
ニッケルおよびニッケル合金の粉末は、マイグレーションを起こさない導電粒子であるが、それを用いて形成された導電層は、比抵抗が大きく、かつ高温にさらされると比抵抗がさらに大きくなるので、満足できるものではなかった。
特開平9−157613号公報には、導電粒子として、表面がニッケルおよび/またはニッケル−ホウ素合金である金属粒子を、ポリオキシアルキレンリン酸エステル誘導体とポリオキシアルキレンアルキル(もしくはアルケニル)アミンまたはその誘導体との混合物で表面処理して得られた導電粒子を、反応性希釈剤を含むエポキシ樹脂と組み合わせることにより、マイグレーションを起こさず、かつ高温にさらされても安定した導電性を有する導電層を与える導電性接着剤が得られることが開示されている。しかし、最近の傾向としては、より高い導電性を有し、かつ高温のハンダに接着するような温度条件で加工しても、比抵抗の上昇が少ない導電性接着剤が求められている。
特開平11−80647またはMaterial stage, Vol.1, No.7, p.51 2001には200℃で加熱すると銀の微粒子が結合することが記載されており導電接着剤への展開が示されている。超微粉の銀を主として使用するので膜厚が得られず、またマイグレーションが起こる。
本発明の課題は、上記のような状況に対応して、電圧を印加してもマイグレーションを起こさず、高い導電性を有し、ハンダの代わりに使用できる導電性接着剤、および該導電性接着剤を用いた回路を提供することである。
本発明者らは、この課題を達成するために検討を重ねた結果、導電接着剤の金属構成が、特定の組成範囲の銀−錫を存在せしめることで、上記の課題を達成でき、特に予期しなかったことに、上記の銀−錫の組成範囲であれば錫に銀粉を併用してもマイグレーションを起こさず、微粒子の金属粉末を併用することで金属同士が溶融し、接続することを見出して、本発明を完成するに至った。
発明の要旨
本発明の導電性接着剤は、導電粒子および樹脂を含む導電性接着剤において、該導電粒子の30重量%以上が銀と錫から実質的になり、該導電接着剤の金属成分の銀:錫のモル比が77.5:22.5〜0:100の範囲にあることを特徴とするものであり、本発明の回路は、上記の導電性接着剤を用いて、半導体素子、チップ部品、ディスクリート部品またはそれらの組合せを接合させた回路である。
本発明に導電粒子として用いられる、銀と錫から実質的になる銀−錫粉は、本発明において特徴的な成分であり、マイグレーションを起こさず、かつ形成される導電層に高い導電性を付与する。該金属粉は、銀と錫のモル比が、77.5:22.5から0:100であり、好ましくは75:25〜20:80である。両成分の合計数を100として表したとき、銀のモル比が77.5を越えるとマイグレーションが発生する。
該銀−錫粉は、同じ粉体粒子中の表面に銀と錫の原子が複合的に存在するものであれば、どのような形態のものでもよく、合金粉、混合塩の水溶液から還元共沈法によって得られた共沈粉、およびで被覆した銀粉をスタンプ法によってリン片状にして、表面に銀とが存在する複合粉などが例示される。均質な銀−錫粉が得られて、安定した効果を示すことから、合金粉が好ましい。なお、銀粉と錫粉を単に混合した混合粉でも、本発明の効果を得る事ができる。
このような銀−錫合金粉は、たとえば、銀とを所望のモル比になるように混合して溶融した後、アルゴン雰囲気中にノズルより吹き出して合金粉とし、所定の粒径以下のものを採取する方法;このようにしてアトマイズした粉末を、さらにプラズマ炉によって気化し、ついで冷却により固化させて合金粉を得る方法;その他、混合粉を任意の手段で加熱して合金化する方法などによって得ることができる。
銀−錫粉の形状は、球状でもりん片状でもよく、他の形状、たとえば針状や枝状のものを用いてもよい。また、それらの混合物でもよい。
接着剤の状態で系が安定に保たれ、印刷の場合に目づまりを起こさず、かつ導電性の高い導電層が得られることから、球状粉の場合、平均粒径が0.1〜10μmのものが好ましく、りん片状の場合、その扁平面の平均直径、すなわち長径と短径の平均として2〜20μmのものが好ましい。アスペクト比は、通常10〜200であり、好ましくは20〜50である。
このような組成の銀−錫粉を、導電粒子中、95重量%以下、好ましくは90重量%以下、さらに好ましくは85重量%以下配合する。該銀と錫の量が接着剤中の金属構成比で77.5:22.5から0:100の範囲では、マイグレーションがなく、かつ導電性の高い導電層を形成しうる導電性接着剤が得られる。
本発明においては、導電粒子として、上記の銀−錫粉のほかに、他の金属粉および/または炭素粉を併用することができる。併用しうる金属粉としては、銀粉、錫粉、ビスマス粉もしくはインジウム粉、またはこれらの金属の2種以上の合金粉、共沈粉および/または複合粉など(以下、「合金粉など」という。ただし、上記のモル比の組成を有する銀−錫粉を除く。)が例示され、該合金粉などとしては、銀−錫ビスマス粉、銀−錫インジウム粉および上記のモル比以外の組成を有する銀−錫粉が例示される。使用される金属の粒子径として5から60nmの範囲、好ましくは8から20nmにある微粒子導電粉が好ましい。
また、炭素粉としては、カーボンブラック、グラファイトおよびそのメソフェーズなどが挙げられる。
これらの微粒子導電粉の配合量は、低い接続抵抗が得られることから、上記の組成の金属粉に対して40重量%から2重量%が好ましい。40重量%以上の場合、ペーストの粘度が上昇し印刷適正、デイスペンス適正が良くない。2重量%以下では金属の結合が少なく、接続抵抗が高くなる。超微粒子導電分は公知の方法で生産することができる。プラズマ、アーク放電による方法などがあげられる。
このうち、特に注目すべき金属粉は、微粒子の導電粉である。従来、銀粉は、マイグレーションを起こすと考えられてきたが、予期しなかったことに、導電粒子として上記の銀−錫粉と銀粉を併用することにより、マイグレーションを起こさず、導電性の優れた導電層を与える導電性接着剤を得ることができる。このような銀粉は、優れた導電性が得られ、かつマイグレーションがないことから、上記の組成の銀−錫粉に対して4〜12重量%配合することがより好ましい。
特に注目すべき他の金属粉は、錫粉、ビスマス粉および銀−ビスマス粉である。錫粉、ビスマス粉および/または銀−ビスマス粉を、上記の組成の銀−錫粉と併用することにより、接着剤の硬化温度で、錫粉、銀−錫粉とビスマスとの反応によって金属接合を生じ、高い導電性が得られる。このような錫粉、ビスマス粉または銀−ビスマス粉の配合量は、上記の組成の銀−錫粉に対して0.1〜20重量%の範囲がより好ましい。
導電性接着剤中の導電粒子の配合量は、印刷適性と、硬化して得られる導電層の導電性から、該導電粒子と樹脂の合計量に対して、60〜98重量%が好ましく、70〜95重量%がさらに好ましい。
本発明の導電性接着剤は、上記の導電粒子に加えて、バインダーとして機能する樹脂を含む。該樹脂は、熱可塑性樹脂でも熱硬化性樹脂でもよい。熱可塑性樹脂としては、アクリル樹脂、エチルセルロース、ポリエステル、ポリスルホン、フェノキシ樹脂、ポリイミドなどが例示される。熱硬化性樹脂としては、尿素樹脂、メラミン樹脂、グアナミン樹脂のようなアミノ樹脂;ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、フェノールノボラック型、脂環式などのエポキシ樹脂;オキセタン樹脂;レゾール型、ノボラック型のようなフェノール樹脂;シリコーンエポキシ、シリコーンポリエステルのようなシリコーン変性有機樹脂などが好ましい。これらの樹脂は、単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
これらのうち、導電性を損ねない量の樹脂を配合しても、優れた接着性が得られ、また耐熱性も優れていることから、エポキシ樹脂およびレゾール型フェノール樹脂が好ましく、ビスフェノールA型およびビスフェノールF型エポキシ樹脂が特に好ましい。
樹脂として、常温で液状である樹脂を用いると、有機溶媒を用いないでビヒクルとすることができ、乾燥工程を省略できる。このような液状樹脂としては、液状エポキシ樹脂、液状フェノール樹脂などが例示される。液状エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂の平均分子量が約400以下のもの;p−グリシドキシフェニルジメチルトリルビスフェノールAジグリシジルエーテルのような分岐状多官能ビスフェノールA型エポキシ樹脂;ビスフェノールF型エポキシ樹脂;フェノールノボラック型エポキシ樹脂の平均分子量が約570以下のもの;ビニル(3,4−シクロヘキセン)ジオキシド、3,4−エポキシシクロヘキシルカルボン酸(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル、アジピン酸ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)5,1−スピロ(3,4−エポキシシクロヘキシル)−m−ジオキサンの少なくとも一種を構成成分としてなる脂環式エポキシ樹脂;ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジル、3−メチルヘキサヒドロフタル酸ジグリシジル、ヘキサヒドロテレフタル酸ジグリシジルの少なくとも一種を構成成分としてなるグリシジルエステル型エポキシ樹脂;ジグリシジルアニリン、ジグリシジルトルイジン、トリグリシジル−p−アミノフェノール、テトラグリシジル−m−キシリレンジアミン、テトラグリシジルビス(アミノメチル)シクロヘキサンの少なくとも一種を構成成分としてなるグリシジルアミン型エポキシ樹脂;ならびに1,3−ジグリシジル−5−メチル−5−エチルヒダントインを構成成分としてなるヒダントイン型エポキシ樹脂が例示される。
また、液状樹脂に、混合系が流動性を示す範囲内で、相溶性であって、常温で固体ないし超高粘性を呈する樹脂を混合して用いてもよく、そのような樹脂として、高分子量のビスフェノールA型エポキシ樹脂、ジグリシジルビフェニル、ノボラックエポキシ樹脂、テトラブロモビスフェノールA型エポキシ樹脂のようなエポキシ樹脂;ノボラックフェノール樹脂などが例示される。
エポキシ樹脂の場合、硬化機構としては、自己硬化型樹脂を用いても、アミン類、イミダゾール類、酸無水物またはオニウム塩のような硬化剤や硬化促進剤を用いてもよく、アミノ樹脂やフェノール樹脂を、エポキシ樹脂の硬化剤として機能させてもよい。
本発明に用いられる代表的なエポキシ樹脂は、フェノール樹脂によって硬化するものである。フェノール樹脂としては、エポキシ樹脂の硬化剤として通常用いられるフェノール樹脂初期縮合物であればよく、レゾール型でもノボラック型でもよいが、硬化の際の応力が緩和され、優れた耐ヒートサイクル性を得るためには、その50重量%以上がアルキルレゾール型またはアルキルノボラック型のフェノール樹脂であることが好ましい。また、アルキルレゾール型フェノール樹脂の場合、優れた印刷適性を得るためには、平均分子量が2,000以上であることが好ましい。これらのアルキルレゾール型またはアルキルノボラック型フェノール樹脂において、アルキル基としては、炭素数1〜18のものを用いることができ、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチル、ノニル、デシル基のような炭素数2〜10のものが好ましい。
エポキシ樹脂の硬化剤として用いるフェノール樹脂の量は、エポキシ樹脂と該フェノール樹脂の種類によっても異なるが、硬化後に比抵抗の高温における優れた安定性を得るためには、エポキシ樹脂とフェノール樹脂の重量比が、4:1〜1:4の範囲が好ましく、4:1〜1:1がさらに好ましい。
導電性接着剤中の樹脂の配合量は、印刷適性と、硬化して得られる導電層の導電性から、該樹脂と導電粒子の合計に対して、2〜40重量%が好ましく、5〜30重量%がさらに好ましい。
本発明の導電ペーストは、導電粒子および樹脂の種類と量を選択し、また必要に応じて希釈剤を用いることにより、素子、基板などに印刷または塗布する方法に応じて、適切な粘度に調製することができる。たとえば、スクリーン印刷に用いられる場合、常温における導電ペーストの見掛粘度は、10〜500Pa・sが好ましく、15〜300Pa・sがさらに好ましい。希釈剤としては、有機溶媒、および特に樹脂がエポキシ樹脂の場合には、反応性希釈剤を用いることができる。
有機溶媒は、樹脂の種類に応じて選択される。有機溶媒としては、トルエン、キシレン、メシチレン、テトラリンのような芳香族炭化水素類;テトラヒドロフランのようなエーテル類;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロンのようなケトン類;2−ピロリドン、1−メチル−2−ピロリドンのようなラクトン類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、さらにこれらに対応するプロピレングリコール誘導体のようなエーテルアルコール類;それらに対応する酢酸エステルのようなエステル類;ならびにマロン酸、コハク酸などのジカルボン酸のメチルエステル、エチルエステルのようなジエステル類が例示される。有機溶媒の使用量は、用いられる導電粒子および樹脂の種類と量比、ならびに導電ペーストを印刷または塗布する方法などにより、任意に選択される。
本発明の導電性接着剤に、印刷や塗布によって任意のパターンを形成したり、細部に充填するために、適切な流動性を与え、かつ、溶媒の揮発による肉やせや作業環境の悪化を防ぐ必要がある場合は、希釈剤の一部または全部として、反応性希釈剤を用いることが好ましい。反応性希釈剤としては、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリ(2−ヒドロキシプロピレン)グリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ブタンジオールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、ジグリシジルアニリン、1,4−シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル、1,3−ビス(3−グリシドキシプロピル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンのようなジグリシジル化合物;およびトリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテルのようなトリグリシジル化合物が例示され、必要に応じてn−ブチルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、グリシジルメタクリレートのようなモノグリシジルエーテル型反応性希釈剤、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレートのようなモノグリシジルエステル型反応性希釈剤を併用してもよい。希釈剤として有機溶媒を用いずに、反応性希釈剤のみを用いた場合は、溶媒除去の代わりに、適切な条件で、これらを重合、硬化させて、導電層中に取り込むことができる。
本発明の導電性接着剤には、このほか、必要に応じて、分散助剤として、ジイソプロポキシ(エチルアセトアセタト)アルミニウムのようなアルミニウムキレート化合物;イソプロピルトリイソステアロイルチタナートのようなチタン酸エステル;脂肪族多価カルボン酸エステル;不飽和脂肪酸アミン塩;ソルビタンモノオレエートのような界面活性剤;またはポリエステルアミン塩、ポリアミドのような高分子化合物などを用いてもよい。また、無機および有機顔料、シランカップリング剤、レベリング剤、チキソトロピック剤、消泡剤などを配合してもよい。
本発明の導電性接着剤は、配合成分を、らいかい機、プロペラ撹拌機、ニーダー、ロール、ポットミルなどのような混合手段により、均一に混合して調製することができる。調製温度は、特に限定されず、たとえば常温で調製することができる。
本発明の導電性接着剤は、スクリーン印刷、グラビア印刷、ディスペンスなど、任意の方法で基板に印刷または塗布することができる。有機溶媒を用いる場合は、印刷または塗布の後、常温で、または加熱によって、該溶媒を揮散させる。本発明の導電性接着剤を希釈剤なしに、または希釈剤として反応性希釈剤のみを配合して用いた場合は、上記の溶媒除去の工程は必要ない。ついで、樹脂を、樹脂および硬化剤や硬化触媒の種類に応じて、通常70〜250℃、たとえばフェノール樹脂を硬化剤として用いるエポキシ樹脂の場合、150〜200℃で2〜30分加熱して硬化させて、基板表面の必要な部分に、導電回路を形成させることができる。
このようにして、本発明の導電性接着剤を用いて、半導体素子、チップ部品およびディスクリート部品の1種または2種以上を接合させた回路を、基板表面に形成させることができる。
本発明の導電接着剤を錫メッキ、はんだメッキ、パラジウムメッキ、銀パラジウム端子電極のチップ部品、錫メッキ、はんだメッキ、パラジウムメッキを施した半導体素子と、銅張り基板、銅の上にニッケル、金のメッキをほどこした基板、銀、銅、銀パラジウムペーストをセラミック基板上に印刷、焼成したセラミック基板を本発明の導電接着剤を加熱、接合させる。このとき5から100nmの導電粒子と球状または鱗片状の導電粉末が融着し結合する。この際銀は錫と融着し銀錫合金を生成する。融着温度を下げるため、ビスマス、インジウム、これ尾ら金属を含有した合金粉末も併用する事もできる。接合した接着剤は銀錫合金を含有し、マイグレーションを起こさない。
以下、参考例、実施例および比較例によって、本発明をさらに詳細に説明する。本発明は、これらの実施例によって限定されるものではない。なお、これらの例において、部は重量部を示す。
参考例1 − 銀−錫合金粉の作製
表1に示すモル比になるように、銀粉と錫粉を混合して得た混合粉を、ノズルを設けた溶融装置内で溶融し、ノズルから合金の融点よりも低い温度のアルゴン雰囲気中に噴出することにより、微粉末を得た。これを分級して、表1に示す平均粒径を有する球状の銀−錫合金粉を作製した。
Figure 0005048031
上記の銀−錫合金粉以外に、下記の金属粉を用いた。
銀粉、フレーク状、平均粒径10μm;
ビスマス粉、球状、平均粒径15μm;
銀−ビスマス粉、Ag:Biのモル比5:1の合金粉、球状、平均粒径15μm;
銀−インジウム粉、Ag:Inのモル比5:1の合金粉、球状、平均粒径20μm;
錫粉、球状、平均粒径15μm
実施例1〜8、比較例1
三本ロールを用いて、表2に示す導電粒子、平均分子量900のビスフェノールA型エポキシ樹脂およびレゾール型アルキルフェノール樹脂を配合し、均一になるまで混合した後、2−エチル−4−メチルイミダゾールを加えて混合した。混合物をニーダーに移し、混合しながらジエチレングリコールモノブチルエーテルを、25℃における系の見掛粘度が150Pa・sになるように加え、混合を続けることにより、導電性接着剤を調製した。いずれも、導電粒子の合計配合量が85部、樹脂の配合量が15部である。ただし、導電粒子として、比較例1の接着剤は、銀粉のみを用いたものである。
(1) 回路試料の作製
上記のようにして得られた導電性接着剤を、厚さ75μmのメタルマスクを用いて、銅張ガラスエポキシ回路基板の銅面に孔版印刷した。これに錫メッキされた2012サイズのチップ抵抗器を圧着し、150℃で30分加熱して、該接着剤を硬化させることにより、回路基板にチップ抵抗器を接続させて、回路試料を作製した。
(2) 接続抵抗の測定
回路試料の接続抵抗を測定した。
(3) 接着強度の測定
回路試料の接着部を横からプッシュプルゲージ(丸菱科学機械製作所製、PGD II型)で突いて、数値を読みとることにより剥離に要する力を測定して、接着強度(初期値)とした。
同様の回路試料を、下記:
150℃に30分放置
85℃、85%RHに30分放置
−40℃に30分放置
を1サイクルとするヒートサイクル試験に1,000サイクルかけた後、同様に接着強度を測定した。
(4) マイグレーション試験
前記のようにして調製した接着性組成物を、セラミックス基板上にスクリーン印刷し、150℃で30分加熱して硬化させて、線間2mmの対向電極を作成した。電極間に電圧10Vを印加して、イオン交換水を1滴、電極間に滴下し、電流が100mA流れた時間をマイグレーション時間とした。
以上の結果を、まとめて表2に示す。
Figure 0005048031
表2から明らかなように、比較例1の導電性接着剤から得られた試料は、マイグレーションが著しく、またヒートサイクル試験後の接着強度が著しく低下していた。それに対して、本発明の導電性接着剤から得られた試料は、優れた接続抵抗と接着強度を示すばかりでなく、マイグレーションが少なく、かつヒートサイクル試験後も、接着強度の低下がほとんどなかった。
参考例2 銀−錫合金粉の作製
表3に示すモル比になるように、銀粉と錫粉を混合して得た混合粉を、ノズルを設けた溶融装置内で溶融し、ノズルから合金の融点よりも低い温度のアルゴン雰囲気中に噴出することにより、微粉末を得た。これを分級して、表3に示す平均粒径を有する球状の銀−錫合金粉を作製した。
参考例3〜6 超微粒子銀粉、錫粉、ビスマス粉、銅粉、銀錫合金粉
アルゴン雰囲気下でプラズマ放電する中を金属粉末が通過する際、蒸発し、補修タンクで超微粒子の粉末とさせた。合金粉はあらかじめ溶融噴霧し50μm近辺の粉末を準備した。この粉末をアルゴン雰囲気下でプラズマ気化させた。
上記の銀−錫合金粉以外に、下記の金属粉を用いた。
球状銀粉、フレーク状銀粉、球状錫粉で粒径は表3に記載した。
実施例9〜19、比較例2〜5
三本ロールを用いて、表3に示す導電粒子、平均分子量900のビスフェノールA型エポキシ樹脂(平均分子量:380)およびレゾール型アルキルフェノール樹脂(平均分子量:3400)をエポキシ樹脂:フェノール樹脂=10:5(重量比)の割合で配合し、均一になるまで混合した後、2−エチル−4−メチルイミダゾールを加えて混合した。混合物をニーダーに移し、混合しながらジエチレングリコールモノブチルエーテルを、25℃における系の見掛粘度が150Pa・sになるように加え、混合を続けることにより、導電性接着剤を調製した。いずれも、導電粒子の合計配合量が85重量部、樹脂の配合量が15重量部である。ただし、導電粒子として、比較例2の接着剤は、銀粉のみを用いたものであり、比較例3の接着剤は、銀粉の一部を10nmの微粉に置き換えたものである。接続抵抗は低下するがマイグレーションは悪い。比較例4は銀錫合金粉末を使った例だが、粒子径が大きく、金属融着がないので接続抵抗が高い。また、比較例5は従来の鉛錫共晶はんだを用いたものである。
(1) 回路試料の作製
上記のようにして得られた導電性接着剤を、実施例1〜8と同様にして、回路試料を作製した。
(2) 接続抵抗の測定
回路試料の接続抵抗を測定した。
(3) 接着強度の測定
実施例1〜8と同様にして、接着強度を測定した。
(4) マイグレーション試験
実施例1〜8と同様にして、マイグレーション時間を測定した。
以上の結果を、まとめて表3に示す。
Figure 0005048031
表3から明らかなように、比較例2および比較例3の導電性接着剤から得られた試料は、マイグレーションが著しく、またヒートサイクル試験後の接着強度が著しく低下していた。それに対して、本発明の導電性接着剤から得られた試料は、優れた接続抵抗と接着強度を示すばかりでなく、マイグレーションが少なく、かつヒートサイクル試験後も、接着強度の低下がほとんどなかった。
加熱硬化後の接着剤層を観察すると実施例15以外において銀3錫の結晶を観察することができた。この安定な結晶が生成することでマイグレーションが防止できると考えられる。
本発明の導電性接着剤は、基材に印刷または塗布して硬化させることにより、マイグレーションを起こさず、高い導電性を有し、ハンダの代わりに使用でき、あるいは溶融状態の高融点ハンダと接触するなど、高温にさらしても比抵抗の変化が少なく、特に高温において湿分の存在に起因する腐食により比抵抗が上昇することがない導電層を形成することができる。
このような利点を生かして、本発明の導電性接着剤は、半導体や電子部品の接合や実装にきわめて有用であり、これを用いてマイクロ電子回路の形成を有利に行うことができる。

Claims (9)

  1. 導電粒子及び樹脂を含む導電性接着剤において、
    導電粒子が、(1)銀−錫合金粉と銀粉の混合粉、又は銀−錫合金粉と錫粉の混合粉である、銀と錫からなり、平均粒径0.1〜10μmの球状粉及び/又は扁平面の平均直径が2〜20μmのリン片状粉、並びに(2)平均直径が5〜60nmの銀、錫、銀−錫合金、ビスマス、インジウム、銅又はこれらの2種以上の合金粉からなる群より選択される少なくとも一種の金属粉を含み、
    導電粒子の30〜95重量%が、成分(1)であり、
    成分(1)に対して、成分(2)が2〜40重量%であり、かつ、
    導電性接着剤の金属成分の銀:錫のモル比が77.5:22.5〜20:80の範囲にあることを特徴とする、導電性接着剤。
  2. 成分(1)に対して、成分(2)が25重量%以下である、請求項1に記載の導電性接着剤。
  3. 導電粒子の40重量%以上が、成分(1)である、請求項1又は2に記載の導電性接着剤。
  4. 導電性接着剤の金属成分の銀:錫のモル比が77.5:22.5〜62.5:37.5の範囲にある、請求項1〜3のいずれか一項に記載の導電性接着剤。
  5. 成分(2)が、成分(1)に対して4〜12重量%の銀粉を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の導電性接着剤。
  6. 成分(2)が、成分(1)に対して0.1〜20重量%のビスマス粉及び/又は銀−ビスマス粉を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の導電性接着剤。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項記載の導電性接着剤を用いて、半導体素子、チップ部品、ディスクリート部品又はそれらの組合せを接合させた回路。
  8. 請求項1〜6のいずれか一項記載の導電接着剤で接続した接着剤の組成が半導体素子、チップ部品、デイスクリート部品の端子電極、基板のランド部の金属と合金化している接続を持つ回路。
  9. 請求項8記載の合金化した接続構造部に銀−錫合金が金属中に含有される回路。
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