JP5119766B2 - 導電性接着剤およびこれを用いた電子部品 - Google Patents

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Description

本発明は、導電性接着剤およびこれを用いた電子部品に関する。
従来、コンデンサ素子などの電子素子チップを外部電極に接合する際に、導電性接着剤が使用されることが多い。
このような導電性接着剤は、通常、エポキシ樹脂とイミダゾール化合物と導電性金属粒子とを含有する。
しかし、従来の導電性接着剤は、導電性が必ずしも十分ではなかった。
そこで、導電性を向上させる目的で、フェノール樹脂を含有させた導電性接着剤が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2000−192000号公報
しかしながら、特許文献1に記載のように、フェノール樹脂を含有する導電性接着剤では、製造する際にエポキシ樹脂を予め適温(例えば50℃)に温めて、各成分を混合させる必要があり、製造に手間がかかった。また、液状成分が少なくフェノール樹脂が溶解しにくいため、多量の反応性希釈剤をさらに含有させる必要があった。
しかも、このようにして得られた、多量の反応性希釈剤を含有する導電性接着剤は、その硬化物の接着強度が不十分であった。
本発明は上記事情を鑑みてなされたもので、製造が簡易であり、導電性を低下させることなく、接着強度を向上させた導電性接着剤およびこれを用いた電子部品の実現を目的とする。
本発明者らは鋭意検討した結果、フェノール樹脂として、室温で液状のフェノール樹脂を用いることで、反応性希釈剤の含有量を低減し、接着強度を向上させることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の導電性接着剤は、室温で液状のビスフェノールF型エポキシ樹脂を2〜10質量%、室温で液状のノボラック型フェノール樹脂を2〜10質量%、反応性希釈剤を2〜10質量%、イミダゾール化合物を0.05〜0.9質量%、および導電性金属粒子を70〜90質量%含有し、前記反応性希釈剤がグリシジルオルトトルイジンおよびエチレングリコールジグリシジルエーテルの少なくとも一方であり、前記イミダゾール化合物がイミダゾール系エポキシ硬化促進剤であることを特徴とする。
ここで、前記室温で液状のノボラック型フェノール樹脂の含有量が、前記室温で液状のビスフェノールF型エポキシ樹脂100質量部に対して50〜250質量部であることが好ましい。
また、本発明の電子部品は、前記導電性接着剤を用いて製造されたことを特徴とする。
なお、本発明において「室温」とは、10〜40℃の範囲における温度を意味する。
本発明によれば、製造が簡易であり、導電性を低下させることなく、接着強度を向上させた導電性接着剤およびこれを用いた電子部品を実現できる。
また、本発明の導電性接着剤を用いれば、電子部品を製造する際に、導電性接着剤を仮硬化させる場合であっても、仮硬化条件の設定が容易であり、作業性を向上できる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の導電性接着剤は、エポキシ樹脂と、フェノール樹脂と、反応性希釈剤と、イミダゾール化合物と、導電性金属粒子とを含有する。
本発明に用いられるエポキシ樹脂は、バインダーとして導電性接着剤に含有されるものであり、室温で液状である。
このようなエポキシ樹脂としては、ビスフェノールF型のエポキシ樹脂、ビスフェノールA型のエポキシ樹脂、ウレタン変性エポキシ樹脂、ゴム変性エポキシ樹脂、ナフタレン系、フェノールノボラック系のエポキシ樹脂などが挙げられる。中でもビスフェノールF型のエポキシ樹脂が好ましい。これらエポキシ樹脂は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
エポキシ樹脂の含有量は、当該導電性接着剤100質量%中、2〜10質量%であり、3〜8質量%が好ましい。エポキシ樹脂の含有量の下限値が上記値より小さくなると、接着強度が弱くなり、接着剤として機能しにくくなる。一方、含有量の上限値が上記値より大きくなると、導電性金属粒子の接続が悪くなり、導電性が得られにくくなる。
本発明に用いられるフェノール樹脂は、硬化剤として導電性接着剤に含有されるものであり、室温で液状である。上述したように、従来はフェノールを溶解させるために多量の反応性希釈剤を必要としたが、本発明では室温で液状のフェノール樹脂を用いるので、該フェノール樹脂は容易に他の各成分に溶解できる。そのため、後述する反応性希釈剤を多量に用いる必要がなく、反応性希釈剤の含有量を低減できる。その結果、導電性接着剤を硬化させた硬化物の接着強度を向上できる。
また、室温で液状のフェノール樹脂を用いることで、導電性接着剤を無溶剤型の接着剤とすることができる。
このようなフェノール樹脂としては、液状ノボラック型フェノール樹脂が挙げられる。
フェノール樹脂の含有量は、当該導電性接着剤100質量%中、2〜10質量%であり、3〜8質量%が好ましい。フェノール樹脂の含有量の下限値が上記値より小さくなると、導電性接着剤の強度を十分に高めることができなくなる。一方、含有量の上限値が上記値より大きくなると、高温高湿下やヒートサイクル下での抵抗が上昇する。
また、フェノール樹脂は、前記エポキシ樹脂100質量部に対して、50〜250質量部含まれることが好ましく、より好ましくは80〜150質量部である。エポキシ樹脂に対するフェノール樹脂の含有量が上記範囲内であれば、エポキシ樹脂(主剤)とフェノール樹脂(硬化剤)の含有量のバランスがより良好となり、導電性接着剤が硬化しやすくなり、接着強度も向上しやすくなる。
なお、本発明においては、室温で液状のフェノール樹脂に、該フェノール樹脂の特性を損なわない範囲内で、室温で固形のフェノール樹脂を1種以上含有させてもよい。
室温で固形のフェノール樹脂としては、クレゾールノボラック樹脂、ジシクロペンタジエン系フェノール樹脂、テルペン系フェノール樹脂、トリフェノールメタン系樹脂、フェノールアラルキル樹脂などが挙げられる。
室温で固形のフェノール樹脂の含有量は、室温で液状のフェノール樹脂100質量部に対して、0〜20質量部が好ましい。
反応性希釈剤としては、グリシジルオルトトルイジン、エチレングリコールジグリシジルエーテル、2-エチルヘキシルグリシジルエーテル、グリシジルメタクリレート、シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテルなどが挙げられる。中でもグリシジルオルトトルイジンが好ましい。これら反応性希釈剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
反応性希釈剤の含有量は、当該導電性接着剤100質量%中、2〜10質量%であり、3〜8質量%が好ましい。反応性希釈剤の含有量の下限値が上記値より小さくなると、導電性接着剤とした際の粘度が高くなりすぎ、後述する導電性金属粒子の分散性が低下する。その結果、導電性接着剤が塗布しにくくなり、作業性が低下する。一方、含有量の上限値が上記値より大きくなると、導電性接着剤の硬化物がもろくなり、接着強度が低下する。
イミダゾール化合物は硬化促進剤として導電性接着剤に含有される。
イミダゾール化合物が含まれると、導電性接着剤の硬化性が良好となり、その結果、硬化物の耐熱性が向上する。
このようなイミダゾール化合物としては、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、4,4’−メチレンビス(2−エチル−5−メチルイミダゾール)、2−ヘプタデシルイミダゾール等のイミダゾール系エポキシ硬化促進剤などが挙げられる。これらイミダゾール化合物は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
イミダゾール化合物の含有量は、当該導電性接着剤100質量%中、0.05〜0.9質量%であり、0.1〜0.5質量%が好ましく、0.2〜0.4質量%がより好ましい。イミダゾール化合物の含有量の下限値が上記値より小さくなると、硬化性が低下する。一方、含有量の上限値が上記値より大きくなると、導電性接着剤を仮硬化させる場合は、仮硬化条件(仮硬化時間や仮硬化温度など)が厳しくなり(すなわち、仮硬化条件の設定範囲が狭まり)、作業性が低下する。
導電性金属粒子としては、銀粒子、銅粒子、銀メッキ銅粒子、スズメッキ銅粒子、ニッケル粒子などを使用できる。また、形状は、略球形のものであっても、フレーク状のものであってもよいが、フレーク状のものが好ましい。
導電性金属粒子の含有量は、当該導電性接着剤100質量%中、70〜90質量%であり、75〜87質量%が好ましい。導電性金属粒子の含有量の下限値が上記値より小さくなると、導電性金属粒子の接続が悪くなり、導電性が得られにくくなる。一方、含有量の上限値が上記値より大きくなると、接着強度が弱くなると共に、必要以上にコストが上がってしまう。
また、導電性金属粒子と、樹脂成分(すなわち、前記エポキシ樹脂および前記フェノール樹脂の合計)の質量比(固形分比)は、導電性金属粒子/樹脂成分=75/25〜90/10が好ましく、80/20〜85/15がより好ましい。導電性金属粒子と、樹脂成分の質量比が上記範囲内であれば、導電性、接着強度ともに優れた硬化物となる。
本発明の導電性接着剤は、本発明の効果を損なわない範囲で、カップリング剤などの任意成分を適宜含有してもよい。
また、本発明においては、溶剤を含有させて溶剤型の接着剤としてもよい。この場合、溶剤としては、接着剤用として用いられるものであれば特に制限されず、公知のものを使用できる。
ただし、本発明の導電性接着剤は、上述したようにフェノール樹脂として室温で液状のフェノール樹脂を含有するので、溶剤を含まない無溶剤型の接着剤として用いることができる。本発明の導電性接着剤は、無溶剤型であっても、溶剤型であってもよいが、無溶剤型の接着剤として用いるのが好ましい。
本発明の導電性接着剤が無溶剤型である場合、溶剤型に比べて、溶剤の揮発に起因する導電性接着剤の粘度上昇を抑制できる。そのため、導電性接着剤をスクリーン印刷やメタルマスク印刷により電極上に塗布する場合でも、印刷面にカスレが生じるのを効果的に防ぐことができる。また、ディスペンサーを用いた塗布方法の場合でも、針先が乾燥するのを防ぐことができるので、導電性接着剤の吐出量を一定に保つことができる。
ただし、ディスペンサーを用いた塗布方法は、通常、粘度の低い導電性接着剤を塗布するのに適しているため、塗布後に電極上などで導電性接着剤が広がりやすくなる。一方、スクリーン印刷やメタルマスク印刷は、粘度の高い導電性接着剤にも対応できるので、導電性接着剤を塗布する場合は、スクリーン印刷やメタルマスク印刷にて塗布するのが好ましい。中でも、スクリーン印刷が好ましい。
本発明の導電性接着剤は、以上説明したエポキシ樹脂と、フェノール樹脂と、反応性希釈剤と、イミダゾール化合物と、導電性金属粒子とをプラネタリーミキサーやロールミルなどで混合することにより得られる。
本発明によれば、室温で液状のフェノール樹脂を用いるので、該フェノールは容易に各成分に溶解できる。そのため、従来のように予めエポキシ樹脂を温めておく必要がなく、導電性接着剤を簡易に製造できる。
このようにして得られる導電性接着剤は、23℃における粘度が50〜1000dPa・sであることが好ましく、より好ましくは、200〜800dPa・sであり、さらに好ましくは300〜700dPa・sである。粘度の下限値が上記値より小さくなると、電極上に塗布した際に、導電性接着剤が流れやすくなる。一方、粘度の上限値が上記値より大きくなると、電極上への塗布が困難となる傾向にある。
本発明の導電性接着剤は種々の用途に使用できるが、電子素子チップを外部電極に接合する場合に好適である。
本発明の電子部品は、上述した導電性接着剤を用いることにより製造されるので、接着強度が高い。電子部品の用途としては、例えば、コンデンサ、コイル、トランス等の受動部品や、LSI(大規模集積回路)、ダイオード、トランジスタ等の半導体デバイス部品などが挙げられる。
なお、電子素子チップとしては、コンデンサ素子、CPS、BGA、FC等の半導体チップなどが挙げられる。また、導電性接着剤を塗布する外部電極としては特に制限されないが、例えば、金、銀、スズ、銅などの金属を含む電極が挙げられる。
電子部品を製造する方法としては、特に制限されず、例えば、外部電極上に上述した印刷方法により導電性接着剤を塗布した後、該導電性接着剤上に電子素子チップを配置し、導電性接着剤を硬化(本硬化)させる方法が挙げられる。また、接着強度を向上させる目的で、導電性接着剤を本硬化させる前に、電子素子チップに荷重を加える荷重工程を設けて、該電子素子チップの表面の濡れ性を向上させたり、荷重工程の前にさらに導電性接着剤を仮硬化させる仮硬化工程をさらに設けたりしてもよい。
外部電極上に塗布された導電性接着剤の膜厚は、20〜500μmが好ましく、20〜120μmがより好ましく、40〜100μmがさらに好ましい。膜厚の下限値が上記値より小さくなると、接着強度が弱くなり、電子素子チップと外部電極との密着性が低下する傾向にある。一方、膜厚の上限値が上記値より大きくなると、必要以上にコストが上がってしまう。
導電性接着剤を本硬化させる際の本硬化温度は、特に制限されないが、例えば130〜250℃が好ましく、140〜180℃がより好ましい。本硬化温度の下限値が上記値より小さくなると、導電性接着剤の硬化が不十分となり、電子素子と電極との密着性が低下する。一方、本硬化温度の上限値が上記値より大きくなると、必要以上にコストが上がってしまう。
また、本硬化時間は、特に制限されないが、例えば5〜60分が好ましく、15〜40分がより好ましい。本硬化時間の下限値が上記値より小さくなると、導電性接着剤の硬化が不十分となり、電極と電子素子との密着性が低下する傾向にある。一方、本硬化時間の上限値が上記値より大きくなると、必要以上にコストが上がってしまう。
なお、導電性接着剤を本硬化する前に仮硬化する場合、仮硬化温度は、特に制限されないが、例えば90〜160℃が好ましく、100〜150℃がより好ましい。仮硬化温度の下限値が上記値より小さくなると、仮硬化時間が長くなり、作業性が低下する。一方、仮硬化温度の上限値が上記値より大きくなると、導電性接着剤を仮硬化の状態で止めておくのが困難となる。
また、仮硬化時間は、仮硬化温度に依存するので一概には決められないが、仮硬化温度の設定範囲を高くするに従って、仮硬化時間の設定範囲を低くするのが好ましい。
さらに、電子素子チップに荷重を加える場合、荷重は0.2〜4.4kg/cmが好ましく、0.4〜2.2kg/cmがより好ましい。荷重の下限値が上記値より小さくなると、電子素子チップの表面の濡れ性が十分に向上せず、電子素子チップと外部電極との密着性が低下する傾向にある。一方、荷重の上限値が上記値より大きくなると、導電性接着剤が押しつぶされる。そのため、電極同士が隣接するような外部電極を用いる場合、電極同士が短絡しやすくなる。
ところで、導電性接着剤を本硬化させる前に仮硬化させる方法は、導電性接着剤上の電子素子に荷重を加える場合、導電性接着剤の広がりによる電極同士の短絡を防止したり、接着強度をより向上させたりする有効な手段ではあるが、仮硬化条件(例えば仮硬化時間や仮硬化温度など)を設定するのが困難であった。また、導電性接着剤の種類によっては、仮硬化条件が厳しくなり(すなわち、仮硬化条件の設定範囲が狭まり)、作業性が低下する場合もあった。これは、導電性接着剤には通常、硬化を円滑に行うために硬化促進剤であるイミダゾール化合物が含まれるが、該イミダゾール化合物は反応がシャープなため、仮硬化時の反応を途中で止めることが困難であることに起因する。
一方、本発明に用いる室温で液状のフェノール樹脂は反応が穏やかであるため、仮硬化のように硬化反応を途中で止めることが可能である。そのため、イミダゾール化合物は反応を完結させる本硬化反応のみに作用することとなるので、本発明の導電性接着剤であれば、イミダゾール化合物の含有量を上記範囲内まで低減することが可能であり、導電性接着剤を仮硬化させる際の仮硬化条件の設定が容易である。例えば、イミダゾールの含有量が上記範囲内であれば、導電性接着剤の種類に依存せずに仮硬化時間や仮硬化温度の設定範囲を広げられるので、作業性を向上できる。
以上のように、本発明によれば、フェノール樹脂として室温で液状のフェノール樹脂を用いるので、反応性希釈剤の含有量を低減できる。従って、導電性を低下させることなく、接着強度を向上させた導電性接着剤を、簡易に製造できる。
また、本発明の導電性接着剤は、硬化促進剤であるイミダゾール化合物の含有量を低減できるので、本硬化の前に仮硬化を行う場合でも、仮硬化条件の設定が容易であり、作業性を向上できる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
<実施例1>
(導電性接着剤の製造)
表1に示す配合量(質量%)にて、室温で液状のエポキシ樹脂としてビスフェノールF型のエポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン(株)製、「EP806」)と、室温で液状のフェノール樹脂として液状ノボラック型フェノール樹脂(明和化成(株)製、「MEH8005」)と、反応性希釈剤としてグリシジルオルトトルイジン(日本化薬(株)製、「GOT」)と、イミダゾール化合物(硬化促進剤)としてイミダゾール系エポキシ硬化促進剤(四国化成工業(株)製、「2P4MHZ」)と、導電性金属粒子としてフレーク銀粉(福田金属箔粉工業(株)製、「AGC−GS」)とを、ロールミルで混合して、導電性接着剤を製造した。
<測定>
得られた導電性接着剤について、混練性、接着強度、比抵抗、および広がり性の各測定を行った。
なお、以下に示す各測定方法は、電子部品の接着強度、比抵抗、および広がり性を調べる代用試験であり、各例の導電性接着剤を用いて得られる電子部品についても、これら代用試験の測定結果と同様の傾向を示す。
(混練性の評価)
導電性接着剤の製造において、各成分をロールミルにて混合する際の混練性について、目視にて以下のように評価した。結果を表1に示す。なお、○を合格とする。
○:ペースト化できる。
×:ペースト化できない。
(接着強度の測定)
アセトンで洗浄した無機ガラス板(約80mm×40mm×0.2mm)上にニチバン(株)製のセロテープ(登録商標)(商品名:CT405A−18、厚さ:0.05mm)を、約1cm間隔で平行になるように2枚貼り付けた。次いで、2枚のセロテープ(登録商標)の間に導電性接着剤を載せ、ガラス棒でしごき塗りをした後、2枚のセロテープ(登録商標)を剥がした。その後、120℃×10分の条件にて導電性接着剤を仮硬化させた。次いで、5個のステンレスナット(西精工(株)製、「M3」)を、ピンセットを使用して仮硬化させた導電性接着剤上に並べた。5Nスケールのバネ秤を用いて、各ナットの中心にバネ秤の軸の先端が垂直に当たるようにし、表1に示す荷重を加えた。さらに、150℃×30分の条件で導電性接着剤を本硬化させた。
室温に戻した後、アイコーエンジニアリング社製のプッシュプルゲージの軸の先端をナットの一つの面に垂直になるように当て、水平方向に5±0.5mm/分の速度でナットが剥がれるまで押して、剥がれた時点での強度を求めた。5個のナットについて、同様に押して、剥がれた時点での強度を求めた。5個の平均値を接着強度とし、以下のように評価した。結果を表1に示す。なお、○を合格とする。
○:10N/mm以上。
△:5N/mm以上、10N/mm未満。
×:5N/mm未満。
(比抵抗の測定)
ガラス板(約80mm×40mm×2mm)上にニチバン(株)製のセロテープ(登録商標)(商品名:CT405A−18、厚さ:0.05mm)を、約1cm間隔で平行になるように2枚貼り付けた。次いで、2枚のセロテープ(登録商標)の間に導電性接着剤を載せ、ガラス棒でしごき塗りをした後、2枚のセロテープ(登録商標)を剥がした。その後、120℃×10分の条件にて導電性接着剤を仮硬化させた。さらに、150℃×30分の条件で導電性接着剤を本硬化させ、室温に戻した後、抵抗値、膜厚、電極幅を測定した。
抵抗値はADVANTEST社製のデジタルマルチメーター(商品名:R6581D)を用いて測定した。膜厚は、(株)小坂研究所製の表面粗さ計(商品名:SE3500)を用いて測定した。
各測定値をもとに、比抵抗(ρ[Ω・cm])を下記式(2)にて算出し、以下のように評価した。結果を表1に示す。なお、式(2)中、Rは測定サンプルの抵抗値(Ω)、Aは測定サンプルの電極間距離(cm)、Bは測定サンプルの電極幅(cm)、Cは測定サンプルの膜厚(cm)であり、○を合格とする。
ρ=R×{(B×C)/A} ・・・(2)
○:3×10−4Ω・cm未満。
△:3×10−4Ω・cm以上、1×10−3Ω・cm未満。
×:1×10−3Ω・cm以上。
(広がり性の測定)
2枚のガラス板(約80mm×40mm×2mm)を用意し、一方のガラス板の上に、膜厚が30μmになるように導電性接着剤を塗布し、120℃×10分の条件にて導電性接着剤を仮硬化させた。その後、もう一方のガラス板を導電性接着剤上に載せて、表1に示す荷重を加えた。荷重を加える前後の導電性接着剤の様子を顕微鏡(25倍)にて観察した。各々の面積を求め、下記式(1)にて広がり性を算出し、以下のように評価した。結果を表1に示す。なお、○を合格とする。
広がり性(%)=荷重後の導電性接着剤の面積(mm)/荷重前の導電性接着剤の面積(mm)×100 ・・・(1)
○:100%以上、120%未満。
△:120%以上、130%未満。
×:130%以上。
<実施例2〜5>
導電性接着剤を構成する各成分の配合量を表1に示す値に変更した以外は、実施例1と同様にして導電性接着剤を製造し、各測定を行った。結果を表1に示す。
<実施例6>
実施例1で得られた導電性接着剤を用い、実施例1と同様の測定を行った。ただし、各測定においては、導電性接着剤を仮硬化せずに実施した。結果を表1に示す。
<比較例1〜6>
導電性接着剤を構成する各成分の配合量を表2に示す値に変更した以外は、実施例1と同様にして導電性接着剤を製造し、各測定を行った。結果を表2に示す。
<比較例7、8>
導電性接着剤を構成する各成分の配合量を表2に示す値に変更し、かつ、室温で液状のフェノール樹脂(液状ノボラック型フェノール樹脂)の代わりに、室温で固体状のフェノール樹脂(固形フェノールノボラック型のフェノール樹脂、群栄化学工業(株)製、「PSM−6200」)を用いた以外は、実施例1と同様にして導電性接着剤を製造し、各測定を行った。結果を表2に示す。
Figure 0005119766
Figure 0005119766
表1、2から明らかなように、実施例で得られた導電性接着剤は、接着強度と比抵抗の結果が良好であった。特に、導電性接着剤を仮硬化させた場合(実施例1〜5)は、荷重を加えても、荷重前後での導電性接着剤の面積が変化せず、広がり性の結果も良好であった。
一方、比較例1で得られた導電性接着剤は、室温で液状のフェノール樹脂を含有せず、かつ、反応性希釈剤の配合量が多かったため、接着強度が実施例に比べて低かった。また、比抵抗が実施例に比べて上昇した。さらに、イミダゾール化合物の配合量が多かったため、比較例1の導電性接着剤の場合、実施例と同じ仮硬化条件では、荷重を加えると導電性接着剤が押しつぶされて、広がりやすかった。
比較例2で得られた導電性接着剤は、反応性希釈剤の配合量が少なかったため、混練性が悪く、ペースト化できなかった。これは、比較例2で配合した反応性希釈剤の量が少なく、電性接着剤の粘度が上昇したことによるものと推定できる。
比較例3で得られた導電性接着剤は、イミダゾール化合物の配合量が多かったため、接着強度が低かった。
比較例4で得られた導電性接着剤は、室温で液状のエポキシ樹脂の配合量が多かったため、比抵抗が実施例に比べて著しく上昇した。また、室温で液状のフェノール樹脂の配合量に比べてエポキシ樹脂の配合量が多かったため(フェノール樹脂の6.5倍)、接着強度も低かった。
比較例5で得られた導電性接着剤は、反応性希釈剤の配合量が多かったため、実施例に比べて接着強度が低く、広がり性が劣っていた。
比較例6で得られた導電性接着剤は、室温で液状のエポキシ樹脂の配合量が少なかったため、実施例に比べて接着強度が低く、広がり性が劣っていた。
比較例7で得られた導電性接着剤は、室温で液状のフェノール樹脂に代えて固体状のフェノール樹脂を用いたため、混練性が悪く、ペースト化できなかった。
比較例8で得られた導電性接着剤は、比較例7に比べて反応性希釈剤の配合量を増やしたので混練性は改善されたが、接着強度や広がり性が実施例に比べて劣っていた。

Claims (3)

  1. 室温で液状のビスフェノールF型エポキシ樹脂を2〜10質量%、室温で液状のノボラック型フェノール樹脂を2〜10質量%、反応性希釈剤を2〜10質量%、イミダゾール化合物を0.05〜0.9質量%、および導電性金属粒子を70〜90質量%含有し、
    前記反応性希釈剤がグリシジルオルトトルイジンおよびエチレングリコールジグリシジルエーテルの少なくとも一方であり、
    前記イミダゾール化合物がイミダゾール系エポキシ硬化促進剤であることを特徴とする導電性接着剤。
  2. 前記室温で液状のノボラック型フェノール樹脂の含有量が、前記室温で液状のビスフェノールF型エポキシ樹脂100質量部に対して50〜250質量部であることを特徴とする請求項1に記載の導電性接着剤。
  3. 請求項1または2に記載の導電性接着剤を用いて製造されたことを特徴とする電子部品。
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