JP5046288B2 - 液体噴出ポンプ - Google Patents

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本発明は液体噴出ポンプに関し、詳しくは、液噴出後の液切れが良く、ヘッド内での液詰まり等がなく、しかも極力上方突出幅を低く構成できる液体噴出ポンプに関する。
液体噴出ポンプとして、上方付勢状態で押込み可能に突設したステムの上端に押下ヘッドを嵌着したものが知られている。これらは押下ヘッドの押込みにより装着した容器体内の液をステムを介して噴出口より噴出する如く構成している。これらポンプの一般的な押下ヘッドは、ステムに嵌着させる縦筒と、該縦筒上部に基端を開口して先端の噴出口に連通する横筒とを備えている。また、この様な単純構成のものを改良し、噴出口を閉塞するように弾性体で付勢された弁部材を備え、押し下げ時に噴出口が開放状態となる如く構成したものも提案されている。
上記押し下げヘッドは、ステム内と連通する摺動筒を備えた装着筒部材と、摺動筒外周に摺動下降可能に嵌合させたシリンダを備えた本体と、本体の横筒に嵌着させて先端に噴出口を開口させた筒状の噴出口部材と、前方付勢状態で噴出口を閉塞し、シリンダ内と連通する連絡口より噴出口に至る流路を画成してなる弁部材と、横筒後壁の窓孔を介してその後方へ突出した弁部材後端部に上端を連係させるとともに、下端部を上記装着筒部材の頂板上面に当接係止させ、装着筒部材に対する本体の押し下げ時に弁部材を後方へ引き出す如く揺動可能に本体に枢着した梃部材とを備えている。
特開2004−000834号公報
上記押下ヘッドを備えたポンプは常時安定した液の噴出を行えるとともに、液切れが良く、噴出口の密閉性にも優れ、しかもヘッドの押し下げを容易に行え、長期の使用にも充分安定した液の噴出を行える優れたものである。反面、その構造上背丈が高くなる傾向があり、その点に形状的制限が生じている。
本発明は上記した点に鑑みてなされたもので、液切れが良く、噴出口の密閉性に優れ、しかもその背丈を極力小さくすることができ、また、部材数も少なく形成できる液体噴出ポンプを提案する。
第1の手段として、以下の通り構成した。即ち、容器体2に嵌合させた装着キャップAと、装着キャップAより上方付勢状態で押し込み可能に起立したステム22の上端に嵌着した押下ヘッド23とを備え、該押下ヘッド23は、先端に噴出口41を開口した弁室Rを有する噴出口部材31と、弁室R内周に後部外周を摺動可能に嵌合させるとともに、前方付勢状態で噴出口41を閉塞し、且つ、ステム22内と連通する連絡口40より噴出口41に至る流路を画成してなる弁部材32とを備え、前記装着キャップAよりガイド板15を立設するとともに、弁部材32の後端部にリンク33を固定し、押下ヘッド23の押し下げによりリンク33の摺動部がガイド板15の摺動面上を摺動して後方へ移行するとともに、弁部材32を後方へ移行させて噴出口41を開口する如く構成し、前記リンク33の摺動部を、弁部材32の後端部に嵌着固定した取付基板60の両側縁より前方へそれぞれ突設した摺動突起61下面の後方へ下る第1摺動部63と、前面の垂直な第2摺動部64とで構成し、前記ガイド板15の摺動面を、上面の後方へ下る第1摺動面f1と、後面の垂直な第2摺動面f2とで構成した。
の手段として、以下の通り構成した。即ち、容器体2に嵌合させた装着キャップAと、装着キャップAより上方付勢状態で押し込み可能に起立したステム22の上端に嵌着した押下ヘッド23とを備え、該押下ヘッド23は、先端に噴出口41を開口した弁室Rを有する噴出口部材31と、弁室R内周に後部外周を摺動可能に嵌合させるとともに、前方付勢状態で噴出口41を閉塞し、且つ、ステム22内と連通する連絡口40より噴出口41に至る流路を画成してなる弁部材32とを備え、前記装着キャップAよりガイド板15を立設するとともに、弁部材32の後端部にリンク33を固定し、押下ヘッド23の押し下げによりリンク33の摺動部がガイド板15の摺動面上を摺動して後方へ移行するとともに、弁部材32を後方へ移行させて噴出口41を開口する如く構成し、前記リンク33の摺動部を、弁部材32の後端部に嵌着固定した取付基板60の両側縁より前方へそれぞれ突設した摺動突起61前部下部コーナー部の円弧状の第1摺動部63a と、摺動突起61前面の垂直な第2摺動部64a とで構成し、前記ガイド板15の摺動面を、ガイド板15の上面から後面に亘り円弧状に形成された円弧状摺動面f3で構成した。
本発明の液体噴出ポンプは、噴出口41側に付勢されて常時噴出口41を閉塞している弁部材32を備えているため、噴出口41内部の液の乾燥,固化を確実に防止でき、また、液噴出後の液切れの良さを発揮できる。しかも、リンク33により押下ヘッド23の押し下げと同時に噴出口41の開口を自動的に行える便利があり、その上、従来品と比較して高さを極力低く押さえることができる利点がある。また、リンク33は弁部材32に嵌着させることから特別リンク33を装着するための部材を必要とせず、従来の梃部材を備えたものと比較して部材数の削減にもなる。
また、前記リンク33の摺動部を、弁部材32の後端部に嵌着固定した取付基板60の両側縁より前方へそれぞれ突設した摺動突起61下面の後方へ下る第1摺動部63と、前面の垂直な第2摺動部64とで構成し、前記ガイド板15の摺動面を、上面の後方へ下る第1摺動面f1と、後面の垂直な第2摺動面f2とで構成した場合には、弁部材32を後方へ引き出した後、押下ヘッド23の充分な押し下げが可能であり、シリンダB容量の大きいポンプに適したものとなる。
また、前記リンク33の摺動部を、弁部材32の後端部に嵌着固定した取付基板60の両側縁より前方へそれぞれ突設した円板状の摺動突起61縁部の円弧状の摺動部として構成し、前記ガイド板15の摺動面を、円板状に形成されたガイド板15縁部の摺動面として構成した場合には、後方へ引き出された弁部材32が元に戻り易くなる利点がある。
以下、本発明の実施例の形態を図面を参照して説明する。
図1は本発明の液体噴出ポンプ1を容器体2に装着した状態を示すもので、液体噴出ポンプ1は、装着キャップAと、シリンダBと、上下動部材Cとを備えている。
装着キャップAは、容器体口頸部外周に螺合させた装着筒10の上端より頂壁11を延設し、頂壁11周縁部から上方へ立設した案内壁12の上端縁より外周壁13を垂設している。頂壁11の中央には上下動部材Cを突設させるための窓孔14を開口し、窓孔14の周縁部分の頂壁11は環状に隆起させた隆起部11a に形成している。また、この隆起部11a 上より一対のガイド板15を立設している。各ガイド板15は窓孔14両側に平行して立設しており、側方からみて先端部が山形に形成され、一方の後方へ下る傾斜面を第1摺動面f1とし、後面の垂直面を第2摺動面f2として構成している。
シリンダBは、上端を隆起部11a 内に嵌着固定して装着キャップAに固定しており、下端部を容器体2内に垂下させている。
上下動部材Cは、シリンダB内周に嵌合させた環状ピストン20を備え、環状ピストン20の内周縁を第1コイルスプリングs1により常時上方付勢されているピストンガイド21の外周に摺動可能に嵌合させ、また、ピストンガイド21の上端には、上端を装着キャップAの窓孔14より上方に上下動可能に突出したステム22を嵌着し、更に、ステム22の上端に押下ヘッド23を嵌着している。
ピストンガイド21の下端開口は、その下方に上下動可能に装着されたポペット弁体24の上端により閉塞されており、ポペット弁体24はシリンダ下端の弁座とで吸込み弁25を形成している。また、ピストンガイド21の下部に穿設した透孔26を環状ピストン20により開閉可能に閉塞している。環状ピストン20はその内周上端がステム22下面に当接する状態と、内周下端がピストンガイド21の上向き段部27に当接する状態までの間の上下動が可能に構成しており、吐出弁28の役割を果たしている。
押下ヘッド23は、本体30と、噴出口部材31と、弁部材32と、リンク33とを備えている。本体30は、周壁34上端縁より頂壁35を延設してなる下端開口の筒状をなすカバー部を備え、また、カバー部内の前部に頂壁35と一部を共有して一体に形成するとともに、周壁34前部に前面を開口し、後壁36a 中央に窓孔37を穿設した横筒36と、横筒36内後部に横筒36と二重筒状に形成したシリンダ筒38と、横筒36下面より垂設してステム22上端に嵌着させた嵌合筒39とを備えている。嵌合筒39の上端の横筒36には連絡口40を開口している。
噴出口部材31は、横筒34とで内部に弁室Rを形成する。また、横筒34の先端部に後部を嵌着し、テーパ状に窄めた先端部を横筒36より突出して本体30に嵌着しており、先端に噴出口41を開口している。また、内面には周方向複数のリブ42を突設している。
弁部材32は、横棒状をなし、先端を噴出口41に圧接して閉塞するとともに、後端を窓孔37より突出させ、また、外周前後方向中間部より後方へスカート状部50を延設するともに、スカート状部50後端縁より折り返した逆スカート状部51の外周縁をシリンダ筒38内周に摺動可能に嵌合させている。これにより、ステム22内から連絡口40を介し噴出口41に至る液流路を画成している。また、横筒36の後壁36a 前面と、スカート状部50の分岐部分とに介在させた第2コイルスプリングs2により前方へ付勢している。更に、後端部を窓孔37より突設し、突出部分にリンク係合用の環状凹部52を凹設している。
リンク33は、弁部材32の後端部を挿通嵌合させた取付基板60の両側縁よりそれぞれ横筒36の両側に摺動突起61を延設して構成している。取付基板60は、所定位置に穿設した嵌合孔62に弁部材32の後端部を強制的に貫通させてその環状凹部52を嵌合させて抜け出しを防止する如く構成しており、取付基板60が後方へ移行すれば、弁部材32が後方へ移行する如く嵌着している。また、摺動突起61は、下面及び先端面がガイド板15の摺動面を摺動する如く構成しており、当初ガイド板15の第1摺動面f1上を、下面の後方へ下る傾斜面をなす第1摺動部63が摺動し、リンク33が後方へ所定幅移行した後、摺動突起61先端面の第2摺動部64がガイド板15の第2摺動面f2を摺動する如く構成している。
上記の如く構成した液体噴出ポンプを使用する場合に付いて説明する。図1の状態から押下ヘッド23を押圧して上下動部材Cを第1コイルスプリングs1の上方付勢力に抗して押し下げると、ポペット弁体24が下降して吸込み弁25が閉じ、環状ピストン20がピストンガイド21に対して相対的に上昇して透孔26が開口し、即ち吐出弁28が開き、シリンダB内の加圧液がステムを介して弁室R内に導入される。
また、この際、弁部材32は、当初図3(a) に示す状態にあり、ここから押下ヘッド23が下降すると、図3(b) に示す如く、リンク33の第1摺動部63がガイド板15の第1摺動面f1上を摺動してリンク33が後方へ移行し、それに伴って弁部材32も第2コイルスプリングs2の弾発力に抗して後方へ引き出され、噴出口41が開口する。これにより弁室R内の加圧液は噴出口41より噴出される。次いでなおも押下ヘッド23を押し下げると、第1摺動面f1から第1摺動部63が外れて、図3(c) に示す如く、リンク33の第2摺動部64がガイド板15の第2摺動面f2に当接摺動し押下ヘッド23は更なる下降が可能となり、環状ピストン20の必要位置までの下降が可能となる。
次いで押下ヘッド23の押圧を解除すれば、第1コイルスプリングs1の作用で上下動部材Cが上昇し、その際、環状ピストン20がピストンガイド21に対して相対下降して吐出弁28が閉じ、シリンダB内の負圧により吸込み弁25が開いて容器体2内の液をシリンダB内に導入する。また、この際、第2摺動部64が第2摺動面f2から外れ、弁部材32は第2コイルスプリングs2の作用で前方へ押し戻され、それに伴ってリンク33も元の状態に移行される。
図4は他の例を示し、図1の例に於いて、形状の相違するリンク33及びガイド板15を使用した例を示す。本例に於けるリンク33は、図1のリンク33と同様、弁部材32の後端部に嵌着固定した取付基部60の両側縁より前方へ摺動突起61をそれぞれ突設した形態をなしている。本例に於ける摺動部は、摺動突起61前部下部コーナー部の円弧状の第1摺動部63a と、摺動突起61前面の垂直な第2摺動部64a とで構成している点が相違している。また、本例に於けるガイド板15は先端部が円板状に形成されており、その円弧状縁部を円弧状摺動面f3として構成している。
また、この場合も押下ヘッド23が下降すると、リンク33の第1摺動部63a がガイド板15の円弧状摺動面f3上を摺動してリンク33が後方へ移行し、それに伴って弁部材32も第2コイルスプリングs2の弾発力に抗して後方へ引き出され、噴出口41が開口する。これにより弁室R内の加圧液は噴出口41より噴出される。次いでなおも押下ヘッド23を押し下げると、第2摺動部64a が円弧状摺動面f3の後部を摺動するようになり、押下ヘッド23は更なる下降が可能となり、環状ピストン20の必要位置までの下降が可能となる。
次いで押下ヘッド23の押圧を解除すれば、第1コイルスプリングs1の作用で上下動部材Cが上昇し、第2摺動部64a及び第1摺動部63a が順次円弧状摺動面f3を摺動し、それに伴って弁部材32は第2コイルスプリングs2の作用で前方へ押し戻されて噴出口41が閉塞され、リンク33も元の状態に移行される。
液体噴出ポンプの縦断面図である。(実施例1) リンクとガイド板を説明する説明図である。(実施例1) 作用を説明する説明図である。(実施例1) 液体噴出ポンプの一部切欠き側面図である。(実施例2)
符号の説明
1…液体噴出ポンプ A…装着キャップ
10…装着筒,11…頂壁,11a …隆起部,12…案内壁,13…外周壁,14…窓孔,
15…ガイド板,f1…第1摺動面,f2…第2摺動面,f3…円弧状摺動面 B…シリンダ
C…上下動部材
20…環状ピストン,21…ピストンガイド,22…ステム,23…押下ヘッド,
24…ポペット弁体,25…吸込み弁,26…透孔,27…上向き段部,28…吐出弁,
30…本体,31…噴出口部材,32…弁部材,33…リンク,34…周壁,35…頂壁,
36…横筒,36a …後壁,37…窓孔,38…シリンダ筒,39…嵌合筒,40…連絡口,
41…噴出口,42…リブ,50…スカート状部,51…逆スカート状部,
52…環状凹部,60…取付基部,61…摺動突起,62…嵌合孔,
63,63a …第1摺動部,64,64a …第2摺動部,s1…第1コイルスプリング,
s2…第2コイルスプリング,R…弁室
2…容器体

Claims (2)

  1. 容器体に嵌合させた装着キャップと、装着キャップより上方付勢状態で押し込み可能に起立したステム22の上端に嵌着した押下ヘッド23とを備え、該押下ヘッド23は、先端に噴出口41を開口した弁室を有する噴出口部材(31)と、弁室内周に後部外周を摺動可能に嵌合させるとともに、前方付勢状態で噴出口41を閉塞し、且つ、ステム22内と連通する連絡口40より噴出口41に至る流路を画成してなる弁部材32とを備え、前記装着キャップよりガイド板15を立設するとともに、弁部材32の後端部にリンク33を固定し、押下ヘッド23の押し下げによりリンク33の摺動部がガイド板15の摺動面上を摺動して後方へ移行するとともに、弁部材32を後方へ移行させて噴出口(41)を開口する如く構成し、前記リンク(33)の摺動部を、弁部材(32)の後端部に嵌着固定した取付基板(60)の両側縁より前方へそれぞれ突設した摺動突起(61)下面の後方へ下る第1摺動部(63)と、前面の垂直な第2摺動部(64)とで構成し、前記ガイド板(15)の摺動面を、上面の後方へ下る第1摺動面(f1)と、後面の垂直な第2摺動面(f2)とで構成したことを特徴とする液体噴出ポンプ。
  2. 容器体(2)に嵌合させた装着キャップ(A)と、装着キャップ(A)より上方付勢状態で押し込み可能に起立したステム(22)の上端に嵌着した押下ヘッド(23)とを備え、該押下ヘッド(23)は、先端に噴出口(41)を開口した弁室(R)を有する噴出口部材(31)と、弁室(R)内周に後部外周を摺動可能に嵌合させるとともに、前方付勢状態で噴出口(41)を閉塞し、且つ、ステム(22)内と連通する連絡口(40)より噴出口(41)に至る流路を画成してなる弁部材(32)とを備え、前記装着キャップ(A)よりガイド板(15)を立設するとともに、弁部材(32)の後端部にリンク(33)を固定し、押下ヘッド(23)の押し下げによりリンク(33)の摺動部がガイド板(15)の摺動面上を摺動して後方へ移行するとともに、弁部材(32)を後方へ移行させて噴出口(41)を開口する如く構成し、前記リンク(33)の摺動部を、弁部材(32)の後端部に嵌着固定した取付基板(60)の両側縁より前方へそれぞれ突設した摺動突起(61)前部下部コーナー部の円弧状の第1摺動部(63a )と、摺動突起(61)前面の垂直な第2摺動部(64a )とで構成し、前記ガイド板(15)の摺動面を、ガイド板(15)の上面から後面に亘り円弧状に形成された円弧状摺動面(f3)で構成したことを特徴とする液体噴出ポンプ。
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