JP5045571B2 - 検査マスタ,装置検査方法および絶縁検査装置 - Google Patents

検査マスタ,装置検査方法および絶縁検査装置 Download PDF

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Description

本発明は,絶縁検査装置の維持管理に用いる検査マスタ,装置検査方法および絶縁検査装置に関する。さらに詳細には,複数の検査項目に対応する検査マスタ,装置検査方法および絶縁検査装置に関するものである。
近年,低公害等の観点からハイブリッド自動車,電気自動車等が注目されている。従来から,これらの車両に搭載される車両駆動用モータにおいては,高精度の性能特性が要求されることから,そのモータの構成部品についても種々の性能検査が行われている。例えば,3相モータの絶縁検査項目としては,線間抵抗検査,絶縁抵抗検査,絶縁耐圧検査,インパルス検査がある。
また,モータコイルの絶縁検査では,定期的に,絶縁検査装置自体が正常に稼動しているか否かを確認する維持管理が実施される。この維持管理では,既知の抵抗をマスタとして使用し,各測定項目において理論通りの値が出力されているか否かを検査する。絶縁検査装置内の試験機に故障が生じていたり,試験機の校正にずれが生じている場合には,マスタの測定結果が異常となる。これにより,絶縁検査装置の異常が検出でき,結果としてワークの誤判定を回避することができる。
絶縁検査装置の維持管理では,測定項目ごとに個別のマスタを用意する。そして,測定項目ごとに作業者がマスタを交換する作業が行われる。このマスタとしては,維持管理用にマスタを用意してもよいし,流動するワークのうちの1つをマスタとして保管してもよい。
また,モータコイルの絶縁検査技術としては,例えば特許文献1に,コイルの各相の高圧サージ後の波形を記憶し,その波形を基に良否判定を行うマスタレスの絶縁試験方法が開示されている。
特開平9−33600号公報
しかしながら,前記した従来の絶縁検査装置には,次のような問題があった。すなわち,測定項目ごとのマスタの交換作業が作業者による手作業であり,検査準備に時間がかかる。マスタの測定中はワークの絶縁検査が中断することから,維持管理に時間がかかることは望ましくない。
また,マスタの交換作業を短縮するために,測定項目ごとのマスタを1つのマスタボックスにまとめ,そのマスタボックスにリレーを搭載し,リレーによって自動的に各種マスタの切り替えを行うことが考えられる。しかし,リレーの駆動用電源が必要となったり,リレーの故障や接触抵抗の変化などによって正常な測定が困難になることが想定される。
また,流動するワークのうちの1つをマスタ(マスタワーク)とする場合には,コイルが巻回されたステータがマスタワークとなる。しかし,マスタワークは,温度変化に伴って線間抵抗値が変化してしまう。また,絶縁抵抗試験や絶縁耐圧試験では高電圧を印加することから,繰り返し試験を行うことで絶縁性能が低下してしまう。絶縁性能が低下すると,インパルス特性にも影響を及ぼす。すなわち,マスタワークを使用すると,温度による測定値のばらつきおよび繰り返し行うことによる絶縁性能の耐久劣化が懸念される。そのため,長期的にも短期的にも安定した測定が困難になる。
また,特許文献1に開示された絶縁検査装置では,マスタレスの構成であることから,マスタに関する問題は回避できる。しかし,特許文献1に開示された絶縁検査装置は,不良の種類を特定するために,インパルス検査,線間抵抗検査,絶縁抵抗検査,絶縁耐圧検査などを組み合わせる検査に対応するものではない。
本発明は,前記した従来の検査技術が有する問題点を解決するためになされたものである。すなわちその課題とするところは,複数の測定項目に対応し,作業者による切り替え作業の手間が少なく,安定した測定が可能な検査マスタ,装置検査方法および絶縁検査装置を提供することにある。
この課題の解決を目的としてなされた検査マスタは,複数の端子によって構成される相端子群と,アース端子と,インパルス検査用のインダクタンスと線間抵抗検査用の抵抗器とが電気的に直列に接続された第1接続体を複数有し,各第1接続体の一方が相端子群の各端子に接続され,各第1接続体の他方同士が接続されている第1構造体と,絶縁抵抗検査用の抵抗器と絶縁耐圧検査用のコンデンサとが電気的に並列に接続された第2接続体を有し,当該第2接続体がアース端子に接続されている第2構造体とを備え,第1構造体の各第1接続体と第2構造体の第2接続体とが電気的に直列に接続されていることを特徴としている。
本発明の検査マスタは,複数の測定項目(具体的には,線間抵抗検査,絶縁抵抗検査,絶縁耐圧検査,インパルス検査)それぞれに必要な電子部品が上記の接続構成となるように配線されている。そして,維持管理(マスタ測定)時では,測定項目ごとに,適切な端子間に適切な検査電流ないし検査電圧が出力される。
例えば,絶縁検査装置に組み込まれた線間抵抗測定器を検査するには,当該線間抵抗測定器のうち,一方の端子を検査マスタの相端子群のうちの1つの端子に接続し,他方の端子を検査マスタの相端子群のうちの他の端子に接続し,線間抵抗測定器にて検査マスタに直流の電流を流して抵抗値を取得する。すなわち,第1構造体の第1接続体同士が接続していることから,各相の線間抵抗検査用の抵抗器が第1構造体内で直列に接続されている。それらの抵抗器に直流電流を流して相間の抵抗値を取得する。そして,取得した抵抗値が検査マスタの既知の値から得られる理論値の許容範囲内であるか否かによって線間抵抗測定器の良否を判断できる。
また,例えば,絶縁検査装置に組み込まれた絶縁抵抗試験機を検査するには,絶縁抵抗試験機のうち,一方の端子を検査マスタの相端子群のすべての端子が同電位となるように接続し,他方の端子を検査マスタのアース端子に接続し,絶縁抵抗試験機にて検査マスタに直流の電圧を印加して抵抗値を取得する。すなわち,第1構造体と第2構造体とが直列に接続していることから,第1構造体を介して第2構造体の絶縁抵抗検査用の抵抗器に直流電圧が印加される。なお,直流電圧であることから,絶縁耐圧検査用のコンデンサは検査に影響しない。この絶縁抵抗検査用の抵抗器の両端に直流電圧を印加して絶縁抵抗を取得する。そして,取得した抵抗が検査マスタの既知の値から得られる理論値の許容範囲内であるか否かによって絶縁抵抗試験機の良否を判断できる。
また,例えば,絶縁検査装置に組み込まれた絶縁耐圧試験機を検査するには,絶縁耐圧試験機のうち,一方の端子を検査マスタの相端子群のすべての端子が同電位となるように接続し,他方の端子を検査マスタのアース端子に接続し,絶縁耐圧試験機にて検査マスタに交流の電圧を印加して電流を測定する。すなわち,第1構造体と第2構造体とが直列に接続していることから,第1構造体を介して第2構造体に交流電圧が印加される。この第2構造体のコンデンサに交流電圧を印加して電流を測定する。そして,測定した電流が検査マスタの既知の値から得られる理論値の許容範囲内であるか否かによって絶縁耐圧試験機の良否を判断できる。
また,例えば,絶縁検査装置に組み込まれたインパルス試験機を検査するには,インパルス試験機のうち,一方の端子を検査マスタの相端子群のうちの1つの端子に接続し,他方の端子を検査マスタの相端子群のうちの他の端子に接続し,インパルス試験機にて検査マスタにインパルス電圧を印加して電圧または電流の少なくとも一方を測定する。この第1構造体のインパルス検査用のインダクタンスにインパルス電圧を印加して電圧または電流の少なくとも一方の振動波形を取得する。そして,取得した振動波形が検査マスタの既知の値から得られる理論振動波形と略同一の範囲内であるか否かによってインパルス試験機の良否を判断できる。
すなわち,本発明の検査マスタは,1つのマスタによって上記4つの検査を行うことができる。そのため,被検体である絶縁検査装置と本検査マスタとを接続した後は,絶縁検査装置内で検査対象の試験機と検査マスタとの電気的接続のオンオフを切り替えるだけで,各試験機によるマスタ測定をすべて行うことができる。よって,作業者による測定項目ごとのマスタの交換作業がなく,マスタ測定を行う時間が短縮できる。また,1つのマスタであることから,管理が容易である。また,本発明の検査マスタは,内部にリレー等の切替器を設ける必要がない。そのため,駆動用電源が必要なく,切替器の故障や接触抵抗の影響を受けずに正常な測定を行うことができる。
また,本発明の検査マスタは,相端子群を構成する端子が,ワークのコイルの端子と同一外形であり,アース端子が,ワークのステータコアと同一外形であるとよりよい。なお,ここでいう「同一」は,厳密な同一を意味するものではなく,作業者が両者の外形をほぼ同じであると認識でき,生産ラインに投入可能であれば,同一の範囲に含まれる。
検査マスタの相端子をワークの相端子と同形状にすることで,検査マスタをワークと同様に生産ラインに投入することができる。そして,生産ラインに投入することで,絶縁検査装置の稼働を停止することなく,1サイクルタイムでマスタ測定を完了することができる。よって,より短期間で維持管理を完了することができる。また,作業者にとっても,検査マスタがワークと同形状であることから,検査マスタの接続作業がワークの接続作業と同じになり,作業者の負担が軽減される。
また,本発明は,本発明の検査マスタと,線間抵抗測定器,絶縁抵抗試験機,絶縁耐圧試験機,インパルス試験機のうちの少なくとも2つを備える試験機群と,試験機群の端子と検査マスタの端子との電気的接続のオンオフを切り替える切替器とを備えることを特徴とする絶縁検査装置を含んでいる。なお,試験機群を構成する各試験機は,それぞれ単体の試験機である必要はなく,1つの試験機で複数の試験項目を兼ねてもよい。
本発明の絶縁検査装置は,本発明の検査マスタを組み込み,切替器によってワークの絶縁検査とマスタ測定とを切り替える。これにより,絶縁検査装置の稼働を停止することなく,1サイクルタイムでマスタ測定を完了することができる。よって,より短期間で維持管理を完了することができる。さらに,切替器によって自動で端子を接続することが可能であり,接続作業なしでマスタ測定を完了することができる。
本発明によれば,複数の測定項目に対応し,作業者による切り替え作業の手間が少なく,安定した測定が可能な検査マスタ,装置検査方法および絶縁検査装置が実現されている。
以下,本発明を具体化した実施の形態について,添付図面を参照しつつ詳細に説明する。なお,本実施の形態は,車両駆動用モータのコイルの絶縁検査に利用される絶縁検査装置の維持管理用の検査マスタに本発明を適用したものである。
[検査マスタの構成]
まず,検査マスタの構成について説明する。本形態の検査マスタ100は,図1に示すように,インパルス検査用のリラクタンス20U,20V,20Wと,線間抵抗検査用の抵抗器30U,30V,30Wと,絶縁抵抗検査用の抵抗器40と,絶縁耐圧検査用のコンデンサ50とを備え,入出力端子として,U相端子10Uと,V相端子10Vと,W相端子10Wと,アース端子11とが設けられている。
具体的に,検査マスタ100では,インダクタンス20Uと抵抗器30Uとが電気的に直列に接続され,さらにインダクタンス20UがU相端子10Uに接続されている。また,インダクタンス20Vと抵抗器30Vとが電気的に直列に接続され,さらにインダクタンス20VがU相端子10Vに接続されている。また,インダクタンス20Wと抵抗器30Wとが電気的に直列に接続され,さらにインダクタンス20WがU相端子10Wに接続されている。また,抵抗器30U,30V,30Wが接点60に接続されており,U相端子10Uに接続する接続体(インダクタンス20Uおよび抵抗器30U)と,V相端子10Vに接続する接続体(インダクタンス20Vおよび抵抗器30V)と,W相端子10Wに接続する接続体(インダクタンス20Wおよび抵抗器30W)とが電気的に接続されている。
また,検査マスタ100では,抵抗器40とコンデンサ50とが電気的に並列に接続された接続体(抵抗器40およびコンデンサ50)を有し,当該接続体の一方がアース端子11に接続され,他方が接点60に接続されている。
すなわち,検査マスタ100は,U相端子10Uに接続する接続体(第1接続体)と,V相端子10Vに接続する接続体(第1接続体)と,W相端子10Wに接続する接続体(第1接続体)とで構成される構造体(第1構造体)と,アース端子11に接続する接続体(第2接続体)で構成される構造体(第2構造体)とを備え,第1構造体の各接続体と第2構造体の接続体とが直列に接続されている。
検査マスタ100を構成する各電子部品(抵抗器,インダクタンス,コンデンサ)の電気抵抗,静電容量は既知の値である。そして,測定対象であるワークに特性が近似するような電子部品が選択されている。
[絶縁検査装置の構成]
続いて,本形態の絶縁検査装置の構成について説明する。本形態の絶縁検査装置200は,図2に示すように,線間抵抗検査用の線間抵抗測定器230と,絶縁抵抗検査および絶縁耐圧検査用の絶縁抵抗・絶縁耐圧試験機240と,インパルス検査用のインパルス試験機250と,各試験機に接続し,電気的接続状態を切り替える切替器270とを備え,入出力端子として,U相端子210Uと,V相端子210Vと,W相端子210Wと,アース端子211とが設けられている。
絶縁検査装置200の維持管理を行う際には,図2に示すように,検査マスタ100のU相端子10UとU相端子210Uとを接続し,検査マスタ100のV相端子10VとV相端子210Vとを接続し,検査マスタ100のW相端子10WとW相端子210Wとを接続し,検査マスタ100のアース端子11とアース端子211とを接続する。そして,測定項目ごとに切替器270によって各試験機と検査マスタ100との電気的接続のオンオフを切り替える。絶縁検査装置200では,線間抵抗検査,絶縁抵抗検査,絶縁耐圧検査,インパルス検査の4種の検査を行うことができる。なお,通常のワークの絶縁性能検査を行う際にも,検査マスタと同様に接続し,測定項目ごとに切替器270によって各試験機とワークとの電気的接続のオンオフを切り替える。
絶縁検査では,検査マスタ100を定期的に測定することで,絶縁検査装置200の正常稼働を確認する。また,ワークの検査において異常が検出された場合に,ワークの異常であるか絶縁検査装置200の異常であるかを,検査マスタ100を測定することで判断する。
なお,本形態の絶縁検査装置200では,絶縁抵抗・絶縁耐圧試験機240が絶縁抵抗検査と絶縁耐圧検査との2つの検査を実施する試験機を兼ねているが,それぞれの検査ごとに別体の試験機であってもよい。また,すべての検査を実施可能な1つの試験機であってもよい。すなわち,前述の4つの検査項目を実施可能であればよく,試験機が一体であるか別体であるかは問題ではない。
[絶縁検査装置の維持管理の検査手順]
続いて,絶縁検査装置200の各検査項目の検査手順について説明する。なお,各検査の実施順序は不問である。
[線間抵抗検査]
まず,線間抵抗検査について説明する。線間抵抗検査では,線間抵抗測定器230によって,UV相間,VW相間,WU相間の各相間に直流の電流を流して抵抗値を取得する。そこで,線間抵抗検査のマスタ測定では,切替器270によって,線間抵抗測定器230と検査マスタ100とを接続する。より具体的に,UV相間の線間抵抗を測定する場合には,線間抵抗測定器230を検査マスタ100のU相端子10UおよびV相端子10Vと接続し,W相端子10Wを非接続として,U相端子10UとV相端子10Vとの間に直流電流を流し,U相端子10UとV相端子10Vとの間の電圧を測定し,UV相間の抵抗値を演算する。取得した抵抗値が検査マスタ100の既知の値から得られる理論値と略同一であれば正常と判断する。一方,略同一とならなければ,線間抵抗測定器230の異常と判断する。
なお,UV相間の線間抵抗検査では,インパルス検査用のインダクタンス20U,20Vと線間抵抗検査用の抵抗器30U,30Vとの合成抵抗を測定することになる。そのため,検査マスタ100の既知の値から得られる理論値もこの合成抵抗となる。VW相間およびWU相間の線間抵抗検査においても同様である。
[絶縁抵抗検査]
次に,絶縁抵抗検査について説明する。絶縁抵抗検査では,絶縁抵抗・絶縁耐圧試験機240によって,抵抗器40の両端に直流の電圧を印加して抵抗値を取得する。そこで,絶縁抵抗検査のマスタ測定では,切替器270によって,絶縁抵抗・絶縁耐圧試験機240と検査マスタ100とを接続する。より具体的に,各相端子210U,210V,210Wが同電位となるように接続し,各相端子10U,10V,10Wとアース端子11との間に直流電圧を印加し,電流を測定し,相端子・アース端子間の抵抗値を演算する。取得した抵抗値が検査マスタ100の既知の値から得られる理論値と略同一であれば正常と判断する。一方,略同一とならなければ,絶縁抵抗・絶縁耐圧試験機240の異常と判断する。
なお,抵抗器40と並列に接続されているコンデンサ50は,直流電圧印加時においては無限大の抵抗となり,抵抗測定には影響しない。また,抵抗器30U,30V,30Wは,抵抗器40と直列に接続されているが,抵抗値の単位に違い(抵抗器30U,30V,30Wはミリオーム単位,抵抗値40はメガオーム単位)があることから,抵抗測定には影響しない。
[絶縁耐圧検査]
次に,絶縁耐圧検査について説明する。絶縁耐圧検査では,絶縁抵抗・絶縁耐圧試験機240によって,抵抗器40とコンデンサ50とで構成される並列回路の両端に交流の電圧を印加して電流値を測定する。そこで,絶縁耐圧検査のマスタ測定では,切替器270によって,絶縁抵抗・絶縁耐圧試験機240と検査マスタ100とを接続する。より具体的に,各相端子210U,210V,210Wが同電位となるように接続し,各相端子10U,10V,10Wとアース端子11との間に交流電圧を印加し,電流を測定する。測定して得られた電流が検査マスタ100の既知の値から得られる理論値の範囲内であれば正常と判断する。一方,範囲内とならなければ,絶縁抵抗・絶縁耐圧試験機240の異常と判断する。
なお,絶縁耐圧検査では,交流電圧を抵抗器40とコンデンサ50とで構成される並列回路の合成インピーダンスに印加するため,電流を測定することができる。
[インパルス検査]
次に,インパルス検査について説明する。インパルス検査では,インパルス試験機250によって,UV相間,VW相間,WU相間の各相間に高調波のインパルス電圧を印加して電圧の振動波形(インパルス波形)および電流のインパルス波形を測定する。そこで,インパルス検査のマスタ測定では,切替器270によって,インパルス試験機250と検査マスタ100とを接続する。より具体的に,UV相間のインパルス波形を測定する場合には,インパルス試験機250を検査マスタ100のU相端子10UおよびV相端子10Vと接続し,W相端子10Wを非接続として,U相端子10UとV相端子10Vとの間にインパルス電圧を印加し,電圧および電流を測定することで電圧および電流のそれぞれのインパルス波形を取得する。取得したインパルス波形が検査マスタ100の既知の値から得られる理論波形と略同一であれば正常と判断する。一方,略同一とならなければ,インパルス試験機250の異常と判断する。
なお,抵抗器30U,30V,30Wは,それぞれインダクタンス20U,20V,20Wと直列に接続されているが,インピーダンスの単位に違い(抵抗器30U,30V,30Wのインピーダンスはミリオーム単位,インダクタンス20U,20V,20Wのインピーダンスはキロオーム単位)があることから,電圧ないし電流の測定には影響しない。
また,本インパルス検査では,電圧および電流のそれぞれのインパルス波形を取得しているが,いずれか一方のみであってもよい。すなわち,インパルス検査は,電圧または電流の少なくとも一方を測定することで実施可能である。
以上詳細に説明したように本形態の検査マスタ100は,1つのマスタによって上記4つの検査を行うことができる。そのため,被検体である絶縁検査装置200と本検査マスタ100とを接続した後は,絶縁検査装置200内の切替器270によって検査対象の試験機と検査マスタ100との電気的接続のオンオフを切り替えるだけで,各試験機によるマスタ測定を行うことができる。よって,作業者による測定項目ごとのマスタの交換作業がなく,マスタ測定を行う時間が短縮できる。つまり,設備の停止時間を最小限にすることができる。また,1つのマスタであるため,管理が容易である。
また,検査マスタ100は,その内部にリレー等の切替器を設ける必要がない。そのため,駆動用電源が必要なく,切替器の故障や接触抵抗の影響を受けずに正常な測定を行うことができる。
また,検査マスタ100を構成する各電子部品(抵抗器,インダクタンス,コンデンサ)は,温度の影響に対して変化が少ないものを使用することができる。そのため,ワークをマスタとして利用するものと比較して,絶縁検査装置200周辺の温度が変化した場合であっても,測定値のばらつきが小さく,正常な測定を行うことが期待できる。
また,絶縁抵抗検査用の抵抗器40および絶縁耐圧検査用のコンデンサ50は,検査電圧に対して十分に耐圧が高いものを使用することができる。そのため,ワークをマスタとして利用するものと比較して,繰り返し測定を行ったとしても,劣化の度合いが小さく,正常な測定を長期的にも短期的にも行うことが期待できる。
[第1の応用例]
第1の応用例では,検査マスタの端子をワークの端子と同一形状にした検査マスタについて説明する。
図3は,ワーク90の外観形状を示している。ワーク90は,ステータコア95に3相コイル92が巻回されたものであり,U相端子91U,V相端子91V,W相端子91Wがコイル束92から引き出されている。各相端子91U,91V,91Wは,絶縁検査装置200の各相端子210U,210V,210Wと接続可能な形状(本応用例ではリング状)をなしている。また,ステータコア95は,絶縁検査装置200のアース端子211と電気的に接続される。
図4は,本応用例の検査マスタ300の外観形状を示している。検査マスタ300は,ワーク90のステータコア95と同形状のアース端子311と,絶縁検査用の各電子部品を搭載する回路部380と,回路部380から引き出され,ワーク90の各相端子91U,91V,91Wと同形状のU相端子310U,V相端子310V,W相端子310Wとから構成されている。回路部380には,図1に示した検査マスタ100の回路が構成されており,回路部380のアース端子がアース端子311であり,回路部380の各相端子がそれぞれU相端子310U,V相端子310V,W相端子310Wとなる。
マスタ基板やマスタボックスによってマスタ測定を行う場合(実施の形態)には,絶縁検査装置200の稼働を一旦停止し,生産ライン上のワークの代わりに検査マスタ100を接続して検査を再開することになる。
一方,検査マスタ300の接続端子をワークの接続端子と同形状にした場合(第1の応用例)には,ワークと同様に生産ラインに投入することができる。そして,生産ラインに投入することで,絶縁検査装置200の稼働を停止することなく,1サイクルタイムでマスタ測定を完了することができる。よって,より短期間で維持管理を完了することができる。また,作業者にとっても,ワークと同形状であることから,検査マスタ300の接続作業がワークとの接続作業と同じになる。そのため,作業者の負担が軽減される。
[第2の応用例]
第2の応用例では,図1に示した検査マスタ100を組み込んだ絶縁検査装置について説明する。
本応用例の絶縁検査装置400は,図5に示すように,線間抵抗測定器230と,絶縁抵抗・絶縁耐圧試験機240と,インパルス試験機250と,切替器270と,検査マスタ100と,検査マスタ100への電気的接続のオンオフを切り替える切替器480とを備え,入出力端子として,U相端子210Uと,V相端子210Vと,W相端子210Wと,アース端子211とが設けられている。
すなわち,絶縁検査装置400は,図1に示した検査マスタ100を組み込み,切替器480によってワークの絶縁検査とマスタ測定とを切り替える。これにより,絶縁検査装置400の稼働を停止することなく,マスタ測定を完了することができる。よって,より短期間で維持管理を完了することができる。さらに,切替器480によって自動で端子を接続することが可能であり,接続作業なしでマスタ測定(維持管理)を完了することができる。
なお,本実施の形態は単なる例示にすぎず,本発明を何ら限定するものではない。したがって本発明は当然に,その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良,変形が可能である。すなわち,本形態の実施例では,車両駆動用モータのコイルについて検査を行っているが,これに限るものではない。例えば,家電製品用モータに利用されるコイルの絶縁検査に本発明を適用してもよい。
また,本形態の実施例では,3相モータのコイルについて検査を行っているが,これに限るものではない。すなわち,複数の相によって構成されるモータに利用されるコイルの絶縁検査であれば適用可能である。
実施の形態にかかる検査マスタの構成を示す図である。 実施の形態にかかる絶縁検査装置の構成を示す図である。 第1の応用例にかかるワークの外観を示す図である。 第1の応用例にかかる検査マスタの外観を示す図である。 第2の応用例にかかる絶縁検査装置の構成を示す図である。
符号の説明
100 検査マスタ
10U U相端子
10V V相端子
10W W相端子
11 アース端子
20U,20V,20W (インパルス検査用)インダクタンス
30U,30V,30W (線間抵抗検査用)抵抗器
40 (絶縁抵抗検査用)抵抗器
50 (絶縁耐圧検査用)コンデンサ
60 接点
200 絶縁検査装置
230 線間抵抗測定器
240 絶縁抵抗・絶縁耐圧試験機
250 インパルス試験機
270 切替器

Claims (7)

  1. 複数の端子によって構成される相端子群と,
    アース端子と,
    インパルス検査用のインダクタンスと線間抵抗検査用の抵抗器とが電気的に直列に接続された第1接続体を複数有し,各第1接続体の一方が前記相端子群の各端子に接続され,各第1接続体の他方同士が接続されている第1構造体と,
    絶縁抵抗検査用の抵抗器と絶縁耐圧検査用のコンデンサとが電気的に並列に接続された第2接続体を有し,当該第2接続体が前記アース端子に接続されている第2構造体とを備え,
    前記第1構造体の各第1接続体と前記第2構造体の第2接続体とが電気的に直列に接続されていることを特徴とする検査マスタ。
  2. 請求項1に記載する検査マスタにおいて,
    前記相端子群を構成する端子は,ワークのコイルの端子と同一外形であり,
    前記アース端子は,ワークのステータコアと同一外形であることを特徴とする検査マスタ。
  3. 請求項1または請求項2に記載する検査マスタを利用して絶縁検査装置の検査を行う装置検査方法において,
    前記絶縁検査装置に組み込まれた線間抵抗測定器のうち,一方の端子を前記検査マスタの相端子群のうちの1つの端子に接続し,他方の端子を前記検査マスタの相端子群のうちの他の端子に接続し,
    前記線間抵抗測定器にて前記検査マスタに直流の電流を流して抵抗値を取得することを特徴とする装置検査方法。
  4. 請求項1または請求項2に記載する検査マスタを利用して絶縁検査装置の検査を行う装置検査方法において,
    前記絶縁検査装置に組み込まれた絶縁抵抗試験機のうち,一方の端子を前記検査マスタの相端子群のすべての端子が同電位となるように接続し,他方の端子を前記検査マスタのアース端子に接続し,
    前記絶縁抵抗試験機にて前記検査マスタに直流の電圧を印加して抵抗値を取得することを特徴とする装置検査方法。
  5. 請求項1または請求項2に記載する検査マスタを利用して絶縁検査装置の検査を行う装置検査方法において,
    前記絶縁検査装置に組み込まれた絶縁耐圧試験機のうち,一方の端子を前記検査マスタの相端子群のすべての端子が同電位となるように接続し,他方の端子を前記検査マスタのアース端子に接続し,
    前記絶縁耐圧試験機にて前記検査マスタに交流の電圧を印加して電流を測定することを特徴とする装置検査方法。
  6. 請求項1または請求項2に記載する検査マスタを利用して絶縁検査装置の検査を行う装置検査方法において,
    前記絶縁検査装置に組み込まれたインパルス試験機のうち,一方の端子を前記検査マスタの相端子群のうちの1つの端子に接続し,他方の端子を前記検査マスタの相端子群のうちの他の端子に接続し,
    前記インパルス試験機にて前記検査マスタにインパルス電圧を印加して電圧または電流の少なくとも一方を測定することを特徴とする装置検査方法。
  7. 請求項1に記載する検査マスタと,
    線間抵抗測定器,絶縁抵抗試験機,絶縁耐圧試験機,インパルス試験機のうちの少なくとも2つを備える試験機群と,
    前記試験機群の端子と前記検査マスタの端子との電気的接続のオンオフを切り替える切替器とを備えることを特徴とする絶縁検査装置。
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