JP5043372B2 - 鉄道車両における集電方法及び装置 - Google Patents

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本発明は、高速走行を要求される鉄道車両における集電方法及び装置に関する。
従来、電気鉄道における集電方法には、代表的なものとして、架空接触電線を敷設して当該架空接触電線から集電する方法及び剛体架線を敷設して当該剛体架線から集電する方法及び第三軌条を敷設して当該第三軌条から集電する方法並びに走行軌道桁に剛体構造とした給電用及び帰線用の導電軌条を敷設して当該導電軌条から集電する方法などが存在するが、高速で走行することを要求される鉄道においては概ね全ての鉄道において、架空接触電線を敷設して専ら当該架空接触電線から集電する方法が採用されている。
さらに、現在集電方法の主流となっているところの架空接触電線を敷設して当該架空接触電線から集電する方法においては、高速走行時の波動伝播速度、空気抵抗、隧道突入時の気圧及び気流の変動に対処するために、パンタグラフなどの集電装置の構造を、シングルアーム型のものとしたり、シリンダにより上下の動きを制御したり、集電のための摺り板の形状を翼型にしたり、集電装置の周囲に囲いを設けて集電装置本体への空気抵抗を低減する措置を施したものなどが採用されている。
ところで、鉄道車両には、臨界速度が存在し、軌道などの施設が有する波動伝播速度を超えた速度で走行することはできない。車両の速度が波動伝播速度と等しくなると、架空接触電線においては集電装置の離線による破損が生じ、軌道においてはその変形が無限大となり破壊が生じる。
一般的には、理論上の波動伝播速度は、架空接触電線においては120メートル毎秒、軌道においては200乃至300メートル毎秒前後であるとされている。
また、現実の集電速度の限界は、架空接触電線の波動伝播速度の70パーセント程度とされており、実際の営業走行においても、80メートル毎秒は営業速度として達成されているものの、85メートル毎秒を超える速度での走行は、架空接触電線からの安定した集電が困難で、営業速度としては達成されていないのが実状である。
仮に、今後の技術開発において技術の蓄積により速度の向上が図られたとしても、架空接触電線による臨界速度の存在が避けることのできない壁として立ちはだかることとなるのはやむを得ない事実である。
特開平08−065808 財団法人鉄道総合技術研究所著「鉄道技術用語辞典」丸善株式会社 平成9年12月25日発行 112頁 214頁 311頁 577頁 眞鍋克士著「鉄道における波動と振動」株式会社交通新聞社 平成14年9月16日発行 68乃至84頁 久保田博著「新版鉄道用語事典」株式会社グランプリ出版 平成15年6月16日発行 86頁 158頁 224乃至228頁 255乃至256頁 久保田博著「鉄道工学ハンドブック」株式会社グランプリ出版 平成16年2月23日発行 118乃至125頁 248乃至249頁 274頁
今日の高度に発展した文明社会においては、船舶、鉄道、自動車、航空機などの交通機関は、物資の輸送及び人の移動の手段として我々の生活に欠くことのできない重要なものとなっている。
更に、長距離を高速且つ大量に輸送することを要求される現在の交通事情においては、航空機が速度における優位性から、その要求に応えうる交通機関として特に発展を遂げてきた。
ところで、近来の地球環境についての問題即ちいわゆる温暖化の問題が顕在化するにつれ、交通機関においても二酸化炭素の排出量の低減が求められているが、現在のところ動力を石油を主とする化石燃料に頼る航空機においては二酸化炭素の排出量についての問題の解決が期待できず、この点において鉄道特に電気鉄道に対して再び熱い期待の眼差しが寄せられ、更なる高速化が求められている。
しかしながら、鉄道の高速化については、これを妨げるところの空気抵抗、騒音、蛇行動その他の振動そして架空接触電線からの集電に際しての波動伝播速度などについての問題が存在し、航空機に準ずる程度の高速化の達成が為されていないというのが実状であった。
本発明は、従来の技術の有するこれらの問題点に鑑みて為されたものであり、その目的とするところは、架空接触電線からの集電をするための集電装置を有し且つ第三軌条からの集電をするための集電装置をも有する鉄道車両において、停止時、分岐器通過時及び低速走行時などにおいては架空接触電線から集電して、第三軌条から集電をする際に生じる停車場における人の感電などの危険の回避、分岐器通過時における分岐器の構造から生じる集電の困難性の回避をしつつも、85メートル毎秒を超えて走行することが可能な走行区間を高速で走行するような場合においては、専ら第三軌条から集電を行うことにより、架空接触電線から集電をする際において生ずる空気抵抗、騒音、波動伝播速度についての問題を回避し、電気鉄道におけるより一層の高速化を達成するための方法を提供すると共に、集電装置を脱線防止装置及び制動装置として機能させようとするものである。
上記目的を達成するために、本発明は鉄道車両における集電方法及び装置として、第三軌条を走行軌条と走行軌条との間に形成された溝内に配置すると共に、集電装置を溝内に位置するように配置し、そして、鉄道車両の車輪の接地面の幅よりも溝の壁面と集電装置との隙間の間隔を僅かに小さくすることにより、走行軌条から車輪が脱落する前に集電装置を溝の壁面と接触させることにより集電装置を脱線防止装置として利用すると共に、集電装置に制動装置を設けて溝の壁面又は底面との間で摩擦を発生させることにより鉄道車両の速度を減速させるという手段を講じるものである。
本発明は、上述の通り構成されているので、次に記載する効果を奏する。
停車場などの車両が通常停止すべき区域において停止しているときに、第三軌条からではなく、架空接触電線から集電を行えば、人の感電の可能性を回避することができる。
このため、750ボルト程度に抑制されていた電圧を、現在高速鉄道で採用されている電圧即ち25000ボルト程度まで増圧することができ、一層の高速化に対応することが可能となる。
車両が分岐器を通過するときに、第三軌条からではなく、架空接触電線から集電を行えば、第三軌条からの集電における構造上の問題から解放される。
85メートル毎秒を超えて走行する際に、専ら第三軌条から集電を行えば、架空接触電線における集電に際して発生する空気抵抗、騒音、振動など問題から解放されるのみならず、架空接触電線の波動伝播速度による臨界速度からの列車最高速度の限界からも解放される。臨界速度は、架空接触電線によるものではなく軌道によるものとなり、倍増する。
即ち、第三軌条からの集電そして架空接触電線からの集電において生じる問題点が顕著に発生し走行の障害となるときに、問題となる集電方法を採用しないため、上述の点以外においても、それぞれの集電方法における技術上の問題点から解放されることとなる。
第三軌条は、架空接触電線に比して、その支持物などにおいても複雑な構造の設備が不要であり、また、銅、アルミニウムなどの高価な材料が不要となるため、著しく安価となり、鉄道建設時の費用負担を軽減することとなる。
また、軌道道床構造に、コンクリート道床軌道、スラブ軌道などを用いれば、維持管理を殆ど必要とせず、保守点検などの維持管理費用を著しく軽減することとなる。
更に、通常の経年による劣化のほか、強風、地震災害などの場合においても、第三軌条は架空接触電線に比して、断線などの虞が少なく、耐久性において優れている。
第三軌条からの集電において、第三軌条が軌道の中央に敷設され、更に、当該第三軌条が溝の中に敷設されているような構造になっていれば、感電しにくい構造となり、また、第三軌条からの集電をするための集電装置に脱線防止装置及び制動装置としての機能を持たせることもできる。また、脱線事故、車両事故などの万が一の際においても感電、短絡その他の事故を極力回避し、被害を軽減させることができる。
現在の鉄道における車輪の輪縁即ちいわゆるフランジの高さはせいぜい30ミリメートル程度である。第三軌条からの集電をするための集電装置に脱線防止装置としての機能を持たせた場合には、第三軌条を設置するための溝の深さ及び第三軌条からの集電をするための集電装置の高さに車輪の輪縁即ちいわゆるフランジの高さの10倍程度の高さを確保することは容易であり、このことを考慮すれば、非常に有効な脱線防止装置となる。
第三軌条からの集電をするための集電装置においては、集電靴即ちいわゆるシューが一般的に採用されているが、集電輪即ちいわゆるタイヤとすることも可能であり、集電輪即ちいわゆるタイヤにより集電を行えば、騒音を低減させることができ、摩耗などの問題も著しく減少するため、高速化への対応が容易になる。
本発明により、航空機、自動車などに比して、著しく二酸化炭素の排出量の少ない電気鉄道による旅客及び貨物の輸送量が増大し、高速電気鉄道が新たな発展を遂げ、更にその電力の主たる供給源を現在その可能性を有望視されているところの太陽光、風力などのエネルギーに依ることとなれば、二酸化炭素の排出量の低減に大きく寄与することとなり、地球環境への負荷の軽減に大きな貢献をすることとなる。
以下、本発明の実施例を図面に従って説明する。
図1、図3、図5、図7、図9に示すものは、実施例の斜視図である。そして、図2、図4、図6、図8、図10に示すものは、実施例における鉄道車両の動力部分の側面図である。また、図11に示すものは、実施例における鉄道車両の動力部分の断面図である。
さらに図12、図13、図14に示すものは、実施例における鉄道車両の動力部分の断面図であり、車輪、集電装置、軌道の部分を拡大したものである。
本発明における集電方法の手順及び集電装置を図1乃至図10を中心に説明すると、
(イ)まず前提として、その一部に架空接触電線からの集電が可能となる施設を有し且つその一部に第三軌条からの集電が可能となる施設をも有した鉄道が存在し、更に架空接触電線からの集電をするための集電装置7を有し且つ第三軌条からの集電をするための集電装置8をも有した鉄道車両4が存在する。鉄道車両4が備えている架空接触電線から集電を行うための集電装置7は現在用いられているいわゆるパンタグラフと同様に形成されている。パンタグラフは周知の構成を有しており、その説明は省略する。鉄道車両4が備えている第三軌条からの集電をするための集電装置8は、集電輪、集電輪を第三軌条に追随させるためのリンクなどの機構部分、これを保持する緩衝装置、またこれらの集電輪等を昇降させるための昇降装置、車両と集電装置とを電気的に絶縁するための絶縁体などから形成されている。なお、第三軌条は走行軌条と走行軌条との間の中央部に作られた溝のような部分に配置され、同様に第三軌条からの集電をするための集電装置も車体の中心線上に設置されているのが望ましい。
(ロ)これらの鉄道においては、鉄道車両は走行等の条件に最も適した集電を行う。
(ハ)そのため、まず停車場5などの鉄道車両が通常停止すべき区域において鉄道車両4が停止しているときには、鉄道車両4及びその動力部分10は架空接触電線からの集電をするための集電装置7により架空接触電線2から集電を行う。図1及び図2がこれにあたる。但し、今後安全面をはじめとした技術的な問題点等が解決されれば、この場合においても、第三軌条からの集電を同時にまたは選択して行うことは不可能ではない。
(ニ)また、停車場などの鉄道車両が通常停止すべき区域から走行を開始したときまたは分岐器6を通過するときには、鉄道車両4及びその動力部分10は架空接触電線からの集電をするための集電装置7により架空接触電線2から集電を行う。図3及び図4がこれにあたる。但し、今後安全面をはじめとした技術的な問題点等が解決されれば、この場合においても、第三軌条からの集電を同時にまたは選択して行うことは不可能ではない。
(ホ)次に、鉄道車両が85メートル毎秒以下の速度で走行すべき区域において走行するときには、鉄道車両4及びその動力部分10は架空接触電線からの集電をするための集電装置7により架空接触電線2から集電を行う。但し、この85メートル毎秒以下の速度で走行すべき区域において走行する場合においても、空気抵抗その他の諸事情などの技術的または経済的側面から必要があるときは以下に述べる集電の切り替え等を早期に行い、架空接触電線からの集電または第三軌条からの集電を同時にまたは選択して行うことが可能である。図5及び図6がこれにあたる。
(ヘ)そして、85メートル毎秒を超えて走行することが可能な走行区間を走行するために、鉄道車両が加速している場合においては、鉄道車両4及びその動力部分10は、架空接触電線からの集電から第三軌条からの集電に切り替えるために、架空接触電線からの集電をするための集電装置7及び第三軌条からの集電をするための集電装置8により架空接触電線2からの集電及び第三軌条3からの集電を同時に行う。なおこの場合においても、空気抵抗その他の諸事情などの技術的または経済的側面から必要があるときは、架空接触電線からの集電または第三軌条からの集電を選択して行うことが可能である。図7及び図8がこれにあたる。
(ト)更に、鉄道車両が充分に加速し、85メートル毎秒を超えて走行することが可能な走行区間を走行するときには、鉄道車両4及びその動力部分10は専ら第三軌条からの集電をするための集電装置8により第三軌条3からの集電を行う。また、この85メートル毎秒を超えて走行することが可能な走行区間を走行する場合においては、何らかの事情により85メートル毎秒以下の速度で走行し若しくは停止しなければならないような状況が発生しても第三軌条3からの集電を行う。図9及び図10がこれにあたる。
(チ)なお、これらの鉄道において、鉄道車両が85メートル毎秒を超えて走行することが可能な走行区間を走行する状態から減速し、85メートル毎秒以下の速度で走行すべき区域を走行するまでの場合においても、鉄道車両4及びその動力部分10は、第三軌条からの集電から架空接触電線からの集電に切り替えるために、第三軌条からの集電をするための集電装置8及び架空接触電線からの集電をするための集電装置7により第三軌条3からの集電及び架空接触電線2からの集電を同時に行う。また、この場合においても、空気抵抗その他の諸事情などの技術的または経済的側面から必要があるときは、第三軌条からの集電または架空接触電線からの集電を選択して行うことが可能である。図7及び図8がこれにあたる。
となる。
これに加えて、本発明における脱線防止及び制動の手順並びにこれらの機能をも備えた集電装置を図12乃至図14を中心に説明すると、
(リ)本発明における第三軌条からの集電をするための集電装置8を、脱線防止装置として機能させる場合、図12にみられるように、少なくとも車輪即ちいわゆるタイヤの幅aから車輪の輪縁即ちいわゆるフランジの部分の幅bを差し引いた車輪の接地面即ちいわゆるトレッドの部分の幅cよりも、第三軌条を設置するための溝の部分の壁面16と第三軌条からの集電をするための集電装置8との隙間の間隔dを脱線防止装置として機能するよう僅かに小さくしておくといった構造を必要とする。そして、図13にみられるように、せり上がり等により車輪11が脱線をし始め、ある一方の側の車輪の輪縁即ちいわゆるフランジ13が走行軌条1に乗り上がり始めると、もう一方の側の車輪が軌道の内側に脱落する前に、第三軌条からの集電をするための集電装置8が第三軌条を設置するための溝の部分の壁面16または摩擦を発生させるための金属板等17と接触して、車輪の脱落を防止し、脱線防止装置として機能する。これは、現在用いられている護輪軌条即ちいわゆるガードレールにおける作用と同様であり、これを代替する機能を有する。
(ヌ)また、本発明における第三軌条からの集電をするための集電装置8を、制動装置として機能させる場合、図12にみられるように、第三軌条からの集電を行うための集電装置8の両方の側面に制動装置14を組み込んでおく。第三軌条を設置するための溝の部分の壁面16にも制動装置との摩擦を発生させるための金属板等17を設置しておくと望ましい。そして、図14にみられるように、制動装置14の作用を受けた制動子15及び摩擦を発生させるための金属板等17により摩擦を発生させて走行している車両の速度を減速させる。なお、当該制動装置は、車輪を制動するなどの従来の方式の制動装置と併せて用いても単独で用いても構わない。また、摩擦を発生させるための金属板等17を取り付ける位置については、第三軌条を設置するための溝の部分の壁面16だけでなく、第三軌条を設置するための溝の部分の底面に第三軌条の両脇に設置するとしてもよい。この場合当該制動装置の作用は、制動子を下方に押しつけて金属板等と摩擦を発生させることとなる。因みに、非常停止時などにおいては、摩擦を発生させるための金属板等17を有しない区間においても非常用の制動装置として用いることは可能であり、これにより地震災害などの場合にあっても脱線転覆等の回避に貢献することができる。
となる。
また、本発明による集電方法の手順は、現在の鉄道においても実際に用いられているところの自動列車運転装置、自動列車制御装置、列車集中制御装置などを転用するなどして自動的に行われるのが望ましい。即ち、車両が集電方法を切り替えるべき区間を通過したときには、自動列車運転装置などが集電装置の切り替え信号を発生させて、その信号を車両が受け取り、当該信号に基づいて車両が集電装置を切り替えるなどとするとよい。
このとき、自動列車運転装置などにおける切り替え作業おいては、装置の補完のために運転士並びに車掌その他の要員による確認作業を付加すべきである。これは、例えば、集電装置周辺に設置された監視装置により映し出された映像を運転士並びに車掌その他の要員自らが直接目視して集電装置の切り替えを確認するというものであり、自動列車運転装置などには集電装置の切り替えの確認作業を行わないと非常停止装置が作用するように設定をしておき、運転士並びに車掌その他の要員による確認作業が完了した後においてのみ非常停止装置の作用を解除することができるなどとしておくものである。これにより集電装置の切り替え不良があった場合には、これを可能な限り早期に認識し、その後の車両の非常停止などの事故防止ための対応を迅速なものとすることができる。
なお、本発明による集電装置の切り替え不良による事故については、特に上述の(チ)で述べたようなとき、即ち第三軌条からの集電をするための集電装置8による集電から架空接触電線からの集電をするための集電装置7による集電に切り替えるときに、第三軌条からの集電をするための集電装置8を格納できないまま第三軌条3または第三軌条3が敷設された溝を有する区間から第三軌条3または第三軌条3が敷設された溝を有しない区域に進行した場合、格納できないままの第三軌条からの集電をするための集電装置8に起因する脱線及び転覆などの重大な事故の発生が懸念されるため、これに対処するために、複数の事故防止についての対策が必要である。
幾つか具体例を挙げれば、例えば、一つには、第三軌条3を有する溝の部分の深さは変えずに幅を徐々に狭くしてゆく区域を設けて、第三軌条からの集電をするための集電装置8が格納できない場合に第三軌条からの集電をするための集電装置8を左右から挟み込んで摩擦を発生させて、制動装置として機能させて車両を停止させる方法、また一つには、このようなときに第三軌条からの集電をするための集電装置8に摩擦が生じ加速度が生じたときに、これらの摩擦または加速度を検知して非常停止装置を作用させて車両を停止させる方法、そしてもう一つには、自動列車運転装置などによる集電装置の切り替え不良の検知により非常停止装置を作用させて車両を停止させる方法、さらに、第三軌条3を有する溝の部分に重量物が落下した場合などに対処するために、進行方向から第三軌条からの集電をするための集電装置8に一定以上の力が加わると、第三軌条からの集電をするための集電装置8が脱落して車両の脱線及び転覆を防止する方法などである。事故防止の観点からこれら以外にも事故防止装置を複数装備させて、第三軌条から集電するための集電装置に起因する事故の防止に努める必要がある。
因みに、本発明における台車または台車をその一部とした動力部分10においては、車体で多く採用され始めているところのいわゆるモノコック構造のように、車体及び台車を一体化し全体を台車構造として、断面から見ると全体を大きな逆U字型にして強度を得るといった方法を採用することも可能である。また、本発明に加え大幅な広軌化をも同時に導入すれば、全体として低重心化でき、地震、横風などに対してもさらに強くなるうえに、一つの車軸に対し複数の電動機を設置し駆動することが可能となる。
本発明の実施例の斜視図であり、停車場などの鉄道車両が通常停止すべき区域において車両が停止し、架空接触電線から集電を行っている状態を示したものである。 本発明の実施例の鉄道車両の動力部分の側面図であり、図1の走行状態における集電の態様を示した図である。なお、一部が透視図である。 本発明の実施例の斜視図であり、停車場などの鉄道車両が通常停止すべき区域などから走行を開始したときまたは分岐器を通過するときに、架空接触電線から集電を行っている状態を示したものである。 本発明の実施例の鉄道車両の動力部分の側面図であり、図3の走行状態における集電の態様を示した図である。なお、一部が透視図である。 本発明の実施例の斜視図であり、鉄道車両が85メートル毎秒以下の速度で走行すべき区域において走行するときに、車両が架空接触電線から集電を行っている状態を示したものである。 本発明の実施例の鉄道車両の動力部分の側面図であり、図5の走行状態における集電の態様を示した図である。なお、一部が透視図である。 本発明の実施例の斜視図であり、鉄道車両が85メートル毎秒を超えて走行することが可能な走行区間を走行するために、車両が加速している場合において、架空接触電線からの集電から第三軌条からの集電に切り替えるために、架空接触電線からの集電及び第三軌条からの集電を同時に行っている状態を示したものである。そして、鉄道車両が85メートル毎秒を超えて走行することが可能な走行区間を走行する状態から減速し、85メートル毎秒以下の速度で走行すべき区域を走行するまでの場合において、第三軌条からの集電から架空接触電線からの集電に切り替えるために、架空接触電線からの集電及び第三軌条からの集電を同時に行っている状態を示したものでもある。 本発明の実施例の鉄道車両の動力部分の側面図であり、図7の走行状態における集電の態様を示した図である。なお、一部が透視図である。 本発明の実施例の斜視図であり、鉄道車両が充分に加速し、85メートル毎秒を超えて走行することが可能な走行区間を走行するときに第三軌条からの集電を行っている状態を示したものである。 本発明の実施例の鉄道車両の動力部分の側面図であり、図9の走行状態における集電の態様を示した図である。なお、一部が透視図である。 本発明の実施例の鉄道車両の動力部分の断面図であり、図7の走行状態における集電の態様を示した図である。なお、一部が透視図である。 本発明の実施例の鉄道車両の動力部分の断面図であり、車輪、集電装置、軌道の部分を拡大した断面図である。なお、一部が透視図である。 本発明の実施例の鉄道車両の動力部分の断面図であり、車輪、集電装置、軌道の部分を拡大した断面図である。車輪がせり上がりを起こし、脱線しつつあるが、第三軌条からの集電をするための集電装置が脱線防止装置として機能している状態を示した図である。なお、一部が透視図である。 本発明の実施例の鉄道車両の動力部分の断面図であり、車輪、集電装置、軌道の部分を拡大した断面図である。第三軌条からの集電をするための集電装置が制動装置として機能している状態を示した図である。なお、一部が透視図である。
符号の説明
1・・・走行軌条
2・・・架空接触電線
3・・・第三軌条
4・・・鉄道車両
5・・・停車場
6・・・分岐器
7・・・架空接触電線からの集電をするための集電装置
8・・・第三軌条からの集電をするための集電装置
9・・・車体
10・・・台車または台車をその一部とした動力部分
11・・・車輪即ちいわゆるタイヤ
12・・・電動機
13・・・車輪の輪縁即ちいわゆるフランジ
14・・・制動装置
15・・・制動子
16・・・第三軌条を設置するための溝の部分の壁面
17・・・摩擦を発生させるための金属板等
a・・・車輪即ちいわゆるタイヤの幅
b・・・車輪の輪縁即ちいわゆるフランジの部分の幅
c・・・車輪の接地面即ちいわゆるトレッドの部分の幅
d・・・第三軌条を設置するための溝の部分の壁面16と第三軌条からの集電をするための集電装置8との隙間の間隔

Claims (6)

  1. 第三軌条からの集電をするための集電装置を有する鉄道車両における集電方法において、
    前記第三軌条を走行軌条と走行軌条との間に形成された溝内に配置すると共に、前記集電装置を前記溝内に位置するように配置し、そして、前記鉄道車両の車輪の接地面の幅よりも前記溝の壁面と前記集電装置との隙間の間隔を僅かに小さくすることにより、前記走行軌条から前記車輪が脱落する前に前記集電装置を前記溝の壁面と接触させることにより前記集電装置を脱線防止装置として利用することを特徴とする集電方法。
  2. 請求項1に記載の集電方法において、
    前記集電装置に制動装置を組み込み、前記制動装置によって前記溝の側壁又は底面との間で摩擦を発生させることにより前記鉄道車両の速度を減速させるようにしたことを特徴とする集電方法。
  3. 請求項2に記載の集電方法において、
    前記溝の側壁又は底面に前記制動装置との間で摩擦を発生させる部材を設置したことを特徴とする集電方法。
  4. 第三軌条からの集電をするための鉄道車両における集電装置において、
    走行軌条と走行軌条との間に形成されて前記第三軌条が配置された溝内に位置するように配置され、前記鉄道車両の車輪の接地面の幅よりも前記溝の壁面と当該集電装置との隙間の間隔を僅かに小さくすることにより、前記走行軌条から前記車輪が脱落する前に前記集電装置を前記溝の壁面と接触させることにより脱線防止装置として機能するようにしたことを特徴とする集電装置。
  5. 請求項4に記載の集電装置において、
    当該集電装置に制動装置を組み込み、前記制動装置によって前記溝の側壁又は底面との間で摩擦を発生させることにより前記鉄道車両の速度を減速させるようにしたことを特徴とする集電装置。
  6. 請求項4又は5に記載の集電装置において、
    当該集電装置は前記鉄道車両の内部に格納可能としたことを特徴とする集電装置。
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