JP5042928B2 - ヒートポンプ式給湯機 - Google Patents
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Description
一般に,ヒートポンプ式給湯機では,タンクユニットが商用交流電源に接続され,該タンクユニットからヒートポンプユニットに電源供給が行われる。ここに,図3は従来の一般的なヒートポンプ式給湯の一例であるヒートポンプ式給湯機Yの概略構成を示すブロック図である。
タンクユニット102は,商用交流電源100に接続されており,該商用交流電源100からの交流電源は,端子板121,漏電ブレーカ122を介して制御回路123に供給される。また,制御回路123には,その交流電源を低圧の直流電源に変換する電源回路などが設けられており,該電源回路からの直流電源によってマイコン124が駆動される。
そして,ヒートポンプユニット101とタンクユニット102とは,各々に設けられた端子板113,125を介して,電源供給経路131,132及び信号経路133によって接続されている。これにより,ヒートポンプユニット101では,タンクユニット102から電源供給経路131,132を通じて供給された交流電源が,マイコン112などが搭載された制御回路111に入力される。
但し,ヒートポンプ式給湯機Yでは,ヒートポンプユニット101のマイコン112の暴走などによって,ヒートポンプサイクルの駆動による貯湯タンク内の温水の加熱が継続的に行われ,該貯湯タンク内の温水が異常高温に達するおそれがある。
そこで,タンクユニット102からヒートポンプユニット101への電源供給経路131上には,タンクユニット102に設けられた貯湯タンク内の温水が異常高温に達した場合に作動して,電源供給経路131を遮断するサーモスタット126を設けることが望ましい。これにより,ヒートポンプユニット101のマイコン112の暴走などによって温水の異常加熱が発生した場合には,サーモスタット126の作動によってヒートポンプユニット101の電源が強制的に切られ,安全性が確保される。
図4に示すように,ヒートポンプ式給湯機Zでは,ヒートポンプユニット101が商用交流電源100に接続されており,該商用交流電源100からの交流電源は,端子板114,漏電ブレーカ115を介して制御回路111に供給される。そして,ヒートポンプユニット101から電源供給経路131,132を介してタンクユニット102への電源供給が行われる。
このように構成されたヒートポンプ式給湯機Zにおいても,タンクユニット102に設けられた貯湯タンク内の温水が異常高温に達した場合に,ヒートポンプユニット101の電源を強制的に切ることが望ましい。
しかしながら,そのためには,図4に示すように,商用交流電源100からヒートポンプユニット101に電源を供給する電源供給経路141を,タンクユニット102に設けられたサーモスタット126を経由するように配線することになり,ヒートポンプユニット101とタンクユニット102との間の接続配線数を増加させる必要があるという問題が生じる。
従って,本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり,その目的とするところは,ヒートポンプユニットからタンクユニットに電源供給が行われる構成において,それらの間の接続配線数を増加させることなく,該タンクユニットの貯湯タンク内の温水の異常加熱発生時にヒートポンプユニットの電源を確実に切断することのできるヒートポンプ式給湯機を提供することにある。
本発明によれば,前記ヒートポンプユニットの制御回路の暴走などによって前記タンクユニットの貯湯タンク内の温水が異常高温に達した場合に,該ヒートポンプユニットへの電源供給を強制的に遮断して安全性を確保することができる構成を,前記ヒートポンプユニットと前記タンクユニットとの間の接続配線数を増加させることなく実現することができる。
また,前記ヒートポンプユニットへの電源供給が遮断されると,前記タンクユニットへの電源供給も遮断されることになるため,該タンクユニットにおける貯湯タンクからの出湯を行うこともできなくなる。
そのため,前記貯湯タンクから温水を出湯する出湯経路上において温水を加熱する補助加熱手段を有し,所定の電源に接続される補助加熱ユニットを更に備えてなり,少なくとも前記タンクユニットの制御回路及び前記貯湯タンクから温水を出湯するための駆動系への電源供給が前記補助加熱ユニットから行われてなることが望ましい。これにより,前記ヒートポンプユニットの電源供給を遮断した後も,前記タンクユニットの貯湯タンクから温水を出湯することができる。
ここに,図1は本発明の実施の形態に係るヒートポンプ式給湯機Xの概略構成を示すブロック図である。
まず,図1を用いて,本発明の実施の形態に係るヒートポンプ式給湯機Xの概略構成について説明し,その後,該ヒートポンプ式給湯機Xの動作について説明する。
図1に示すように,ヒートポンプ式給湯機Xは,冷媒が循環されるヒートポンプサイクル(不図示)を有するヒートポンプユニット1と,前記ヒートポンプサイクルによって加熱された後の温水を貯湯する貯湯タンク(不図示)を有するタンクユニット2とを備えている。なお,前記ヒートポンプサイクルは,圧縮機や室外空気熱交換器,膨張機構,水熱交換器などを有するものであって従来と異なるものではない。ヒートポンプ式給湯機Xでは,前記ヒートポンプサイクルに冷媒が循環されることにより前記水熱交換器における冷媒との熱交換によって前記貯湯タンク内の水(温水)が加熱される。
漏電ブレーカ12は,商用交流電源10からヒートポンプユニット1への電源供給経路上に設けられ,該漏電ブレーカ12の二次側における過電流,短絡又は漏電(地絡)の発生を検出することによって作動し,該電源供給経路を遮断することにより二次側への電源供給を停止させる配線用遮断器である。例えば,漏電ブレーカ12は漏洩電流や零相電流を監視することによって漏電(地絡)を検出する。なお,漏電ブレーカ12は,ユーザなどによる所定の操作に応じて復旧される。
制御回路13には,交流電源を低圧の直流電源に変換する電源回路(不図示)などが設けられており,該電源回路からの直流電源がマイコン14などに供給される。
マイコン14は,制御回路13に設けられた不図示のRAMやROMなどを用いて各種の制御プログラムを実行することにより当該ヒートポンプユニット1を統括的に制御するものである。例えば,マイコン14は,タンクユニット2のマイコン23との通信を行うことにより,該タンクユニット2の貯湯タンク内の温水を沸き上げる貯湯運転などを実行する。
制御回路22には,ヒートポンプユニット1から供給された交流電源を低圧の直流電源に変換する電源回路(不図示)などが設けられており,該電源回路からの直流電源がマイコン23などに供給されることにより該マイコン23は駆動する。マイコン23は,制御回路22に設けられた不図示のRAMやROMなどを用いて各種の制御プログラムを実行することにより当該タンクユニット2を統括的に制御するものである。前述したように,マイコン23は,ヒートポンプユニット1のマイコン14との通信を行うことにより,該タンクユニット2の貯湯タンク内の温水を沸き上げる貯湯運転などを実行する。
そのため,本発明の実施の形態に係るヒートポンプ式給湯機Xには,タンクユニット2の貯湯タンク内の温水が異常高温に達した場合に,ヒートポンプユニット1の電源を強制的に遮断する強制遮断回路40が設けられている。以下,係る強制遮断回路40について詳説する。
サーモスタット41は,タンクユニット2に設けられた貯湯タンク内の温水が予め設定された異常高温に達したことを検知して作動するものであって,該サーモスタット41に直列接続されたリレー42への通電の有無を切り換えるものである。具体的に,サーモスタット41は,貯湯タンク内の温水が前記異常高温に達した場合(以下「高温異常」という)に,直流回路41aを遮断してリレー42への通電を遮断する。なお,一度サーモスタット41が作動すると,該サーモスタット41は,ユーザなどによる所定の復旧操作がなされるまで作動状態,即ち直流回路41aを遮断した状態で維持される。
リレー42は,該リレー42への通電/非通電によって,電源供給経路31をアースに接続する地絡ライン45上に設けられた接点42b(第1の接点に相当)の開/閉を切り換えるものである。即ち,リレー42への通電がなされている状態では,接点42bが開かれるため,地絡ライン45は遮断されることになる。
また,リレー43は,マイコン23によって通電/非通電が制御されるものであって,その通電/非通電によって,地絡ライン45上の接点42bに直列接続された接点43a(第2の接点に相当)の閉/開を切り換える。即ち,リレー43への通電がなされていない状態では,接点43aが開かれるため,地絡ライン45は遮断される。
まず,ヒートポンプ式給湯機Xに電源が投入される際の強制遮断回路40の動作について説明する。
ヒートポンプユニット1からタンクユニット2への電源供給がなされていない状態では,該タンクユニット2の制御回路22の電源回路(不図示)から直流電源が出力されないため,マイコン23が動作しておらず,また,直流回路41aには通電がなされない。
従って,リレー42及びリレー43には共に通電がなされず,接点42bは閉じた状態であって,接点43aは開放された状態である。即ち,電源供給経路31に接続された地絡ライン45は遮断された状態にある。
この場合,タンクユニット2では,制御回路22の電源回路から直流電源が出力されることにより,マイコン23が駆動し,また,直流回路41aに通電がなされることになる。この時点で,サーモスタット41が作動していなければ,該サーモスタット41を介してリレー42に通電がなされることになり,該リレー42が作動して接点42bが開かれる。これにより,地絡ライン45は接点42bの後段に接続された接点43aの開閉にかかわらず遮断される。
そして,リレー43への通電が開始されると,該リレー43が作動して接点43aが閉じられることになる。この時点では,リレー42が作動しており,接点42bが開かれた状態であるため,接点43aが閉じられても,地絡ライン45は遮断された状態である。
このようにヒートポンプ式給湯機Xでは,高温異常が発生しておらずサーモスタット41が作動していない場合には,電源供給経路31上に漏電が発生しておらず,ヒートポンプユニット1の漏電ブレーカ12が作動しないため,商用交流電源10からの電源供給によって給湯運転などを実行することができる。
ヒートポンプ式給湯機Xにおいて,例えばヒートポンプユニット1のマイコン14の暴走などによって該ヒートポンプユニット1のヒートポンプサイクルの駆動が継続し,タンクユニット2の貯湯タンク内の温水が異常加熱されて異常高温に達した場合には,その旨がサーモスタット41によって検知される。
そして,サーモスタット41が作動すると,直流回路41aが遮断されてリレー42への通電は切断され,接点42bが閉じられる。このとき,地絡ライン45上の接点43aは閉じられているため,接点42bが閉じられると,該地絡ライン45が確立することになり,電源供給経路31がアースに接続されることになる。
これにより,ヒートポンプユニット1に設けられた漏電ブレーカ12が,電源供給経路31のアース接地による零相電流を検知し,漏電(地絡)が発生したと判断して作動することになり,ヒートポンプユニット1への電源供給は遮断される。
なお,漏電ブレーカ12が作動した後は,ユーザやサービスマンなどによってサーモスタット41の復旧作業が行われない限り,仮に漏電ブレーカ12の復旧操作を行っても,再度電源供給経路31に漏電が発生するため,該漏電ブレーカ12によってヒートポンプユニット1への電源供給は遮断されることになる。
さらに,ヒートポンプ式給湯機Xにおいて,商用交流電源10からヒートポンプユニット1への電源供給が漏電ブレーカ12によって遮断されている状態であっても,該商用交流電源10からの交流電源をヒートポンプユニット1の漏電ブレーカ12をバイパスしてタンクユニット2に供給するように回路構成を切り換えることのできる切換スイッチをヒートポンプユニット1の漏電ブレーカ12と端子板11との間に設けておくことも他の実施例として考えられる。これにより,ヒートポンプユニット1の非稼働時であってもタンクユニット2を単体で稼働して,貯湯タンク内の温水の出湯を行うことが可能である。
そこで,本実施例では,ヒートポンプユニット1への電源供給が遮断された後でも,タンクユニット2の貯湯タンク内の温水を出湯することができるように構成されたヒートポンプ式給湯機X1について説明する。
ここに,図2は,本実施例に係るヒートポンプ式給湯機X1の概略構成を示すブロック図である。なお,図1に示したヒートポンプ式給湯機Xと同様の構成については同じ符号を付してその説明を省略する。
これにより,マイコン23は,検出回路46からの通知によって,直流回路41a上における通電の有無や,高温異常の発生の有無を判断することができる。従って,マイコン23は,高温異常の発生を不図示の表示部などに表示することや,後述の補助加熱ユニット5を用いた出湯運転を行うか否かなどの判断を行うことができる。
ここで,タンクユニット2の制御回路22には,補助加熱ユニット5から供給される交流電源を低圧の直流電源に変換する電源回路(不図示)などが設けられており,該電源回路からの直流電源がマイコン23などに供給される。また,制御回路22の電源回路からの直流電源は,前記貯湯タンク内の温水を出湯するための循環ポンプなどの駆動系にも供給される。
即ち,ヒートポンプ式給湯機X1では,タンクユニット2におけるマイコン23及び前記循環ポンプなどの駆動系は,補助加熱ユニット5から供給される交流電源によって駆動される。
このとき,補助加熱ユニット5のマイコン54では,信号経路63及び電源供給経路62を通じて,タンクユニット2のマイコン23から高温異常の発生の有無を示す異常発生信号が入力されたか否かによって,前記補助加熱装置を用いた出湯運転を実行するか否かが判断される。
また,高温異常が発生していない場合には,ヒートポンプユニット1からタンクユニット2に電源供給を行い,高温異常発生時には,補助加熱ユニット5からタンクユニット2に電源供給を行うように切り換える切換回路をタンクユニット2に設けておくことも他の実施例として考えられる。
11,15,21,28,51,55…端子板
12…漏電ブレーカ(配線用遮断器の一例)
13…制御回路
14…マイコン
2…タンクユニット
22…制御回路
23…マイコン
31,32,61,62…電源供給経路
33,63…信号経路
40…強制遮断回路
41…サーモスタット
42…リレー(第1の継電器に相当)
42b…接点(第1の接点に相当)
43…リレー(第2の継電器に相当)
43a…接点(第2の接点に相当)
44…抵抗
45…地絡ライン
46…検出回路
5…補助加熱ユニット
52…漏電ブレーカ
53…制御回路
54…マイコン
Claims (3)
- 冷媒が循環されるヒートポンプサイクルを有するヒートポンプユニットと,前記ヒートポンプサイクルに循環される冷媒との熱交換によって加熱された後の温水を貯湯する貯湯タンクを有するタンクユニットとを備えてなり,前記ヒートポンプユニットが所定の電源に接続され,該ヒートポンプユニットから前記タンクユニットに電源供給が行われるヒートポンプ式給湯機であって,
前記ヒートポンプユニットが,前記所定の電源から該ヒートポンプユニットへの電源供給経路上に設けられ,過電流,短絡又は漏電の発生に応じて前記電源供給経路を遮断する配線用遮断器を備えてなり,
前記タンクユニットが,前記貯湯タンク内の温水が予め設定された異常高温に達したことを条件に,前記ヒートポンプユニットから該タンクユニットへの電源供給経路に過電流,短絡又は漏電を発生させることにより前記配線用遮断器を作動させる強制遮断回路を備えてなることを特徴とするヒートポンプ式給湯機。 - 前記強制遮断回路が,前記貯湯タンク内の温水が前記異常高温に達したことを条件に作動して回路を遮断するサーモスタットと,前記サーモスタットに直列接続された第1の継電器と,前記ヒートポンプユニットから前記タンクユニットへの電源供給経路をアースに接続する経路上に設けられ,前記第1の継電器への通電/非通電に応じて開/閉となる第1の接点と,前記ヒートポンプユニットからの電源供給によって駆動する制御回路と,前記制御回路によって通電/非通電が制御される第2の継電器と,前記第1の接点に直列接続され,前記第2の継電器への通電/非通電に応じて閉/開となる第2の接点とを含んでなり,
前記制御回路が,少なくとも前記第1の継電器への通電がなされた後に前記第2の継電器への通電を開始するものである請求項1に記載のヒートポンプ式給湯機。 - 前記貯湯タンクから温水を出湯する出湯経路上において温水を加熱する補助加熱手段を有し,所定の電源に接続される補助加熱ユニットを更に備えてなり,
少なくとも前記タンクユニットの制御回路及び前記貯湯タンクから温水を出湯するための駆動系への電源供給が前記補助加熱ユニットから行われてなる請求項1又は2のいずれかに記載のヒートポンプ式給湯機。
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