JP5042343B2 - 成膜方法及び成膜装置 - Google Patents

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Description

本発明は、プラズマCVD法による成膜方法及び成膜装置に関する。
長尺状の連続基材を巻取りながらプラズマCVD法によって保護膜を成膜する方法として、例えば特許文献1〜4に挙げられる手法が知られている。特許文献1では、容器内に設けた金網状の陽極に電源を供給し、陽極を通過する原料ガスをプラズマ化して、アースとした冷却回転ドラムに接触した磁気記録媒体の基材表面に保護膜を形成する技術が開示されている。特許文献2では、高周波プラズマCVD法により、容器内に設けた一対の平行平板電極間でグロー放電を発生させ原料ガスをプラズマ化して、電極間に連続基材を複数回走行させて磁気記録媒体の基材表面に保護膜を形成する技術が開示されている。また、特許文献3では、高周波プラズマCVD法により、容器内に設けた電極と温調ドラム間でグロー放電を発生させ、原料ガスをプラズマ化して温調ドラムに接した高分子フィルムの表面に酸化チタンの反射防止膜を形成する技術が開示されている。さらに、特許文献4では、マイクロ波プラズマCVD法により、プラズマが放射される反応管を容器に設け、反応管に対向する位置に設けたキャンロールにベースフィルムを供給し、磁気記録媒体のベースフィルム表面に保護膜を形成する技術が開示されている。
しかしながら、特許文献1に記載の方法では、原料ガスをプラズマ化させる手段が連続基材に対向する位置に設けられた陽極グリッドにある。そのため、連続基材から離れた位置でプラズマ化された原料ガスを連続基材に供給することになるので、同時に成膜できる面積が限られる。よって、連続基材の全面への成膜や成膜の大面積化を達成しようとすると、陽極グリッドを複数用意する必要があり、装置が複雑で高価になる。また、陽極グリッドを通して原料ガスが供給されるので、長時間の成膜で堆積物が陽極グリッドに形成され、その結果、放電の安定性が損なわれる。
また、特許文献2及び3に記載の高周波プラズマCVD法による成膜方法では、対向電極にも成膜されるので、長時間成膜した時には対向電極に堆積した膜からのダストの発生や放電インピーダンスの変化による成膜条件の変動の問題がある。特許文献4に記載のマイクロ波プラズマCVDによる成膜方法では、原料ガスをプラズマ化させる手段が連続基材に対向する位置に設けられた反応管に導いたマイクロ波である。連続基材から離れた位置でプラズマ化された原料ガスを基材に供給する方法であるので、同時に成膜できる面積が限られ、成膜速度も遅い。さらに、連続基材の全面への成膜や大面積化には反応管を複数用意する必要があり、装置が複雑で高価となる。
また、特許文献1〜4に記載の従来技術では、磁気テープや反射防止フィルムなどの樹脂を連続基材としているため、成膜温度を150℃程度以下として基材への熱負荷を低減する必要があり、そのためには、基材から離れた位置でプラズマを形成せざるを得なかった。さらに、樹脂製の連続基材は導電性がなく直接電極として電力を供給できないので、基材表面に沿ってプラズマを形成することができなかった。
なお、連続基材を巻取りながら成膜する方法には、プラズマCVD法以外にもスパッタ法や蒸着法が知られている。しかしながら、スパッタ法や蒸着法のいずれの方法においても原料ガスは、基材に対向するターゲット材や蒸発源から供給される。そのため、同時に成膜できる面積が限られる。また、原料ガスの供給源からの距離によって成膜された膜の特性が異なるなどの問題がある。さらに、スパッタ法ではプラズマCVD法と比べて成膜速度が遅く、蒸着法は蒸発源が点源であり、処理面積の拡大には複数の蒸発源を設置する必要があるので、装置が複雑で高価となる。
特開平11−350146号公報 特開平6−150310号公報 特開2000−336196号公報 特開平11−158637号公報
本発明は、上記問題点を解決するために成されたものであり、均一成膜及び成膜面積の大面積化を可能とし、さらに、基材表面の全面への同時成膜を可能とする成膜方法及び成膜装置を提供することを目的とする。
本発明の成膜方法は、成膜炉と、該成膜炉内に配置され送り出しリールと巻取りリールとからなる一対の回転電極リールと、該成膜炉を陽極とし該回転電極リールを陰極として電圧を印加可能なプラズマ電源と、膜の成分となる原料ガスを該成膜炉内に供給する原料ガス供給手段と、該成膜炉内を真空排気する排気手段と、を備える成膜装置を用いて、該排気手段により該成膜炉内を真空排気するとともに該原料ガス供給手段により該原料ガスを該成膜炉内に供給して、プラズマCVD法によって長尺状の導電性基材の基材表面に該膜を形成する成膜方法であって、該送り出しリールに巻かれた状態にある円筒形状を呈する導電性基材を送り出し基材部とし、該巻取りリールに巻取られた状態にある円筒形状を呈する導電性基材を巻取り基材部とし、該送り出しリール及び該巻取りリール間に位置する導電性基材をリール間基材部としたとき、該リール間基材部の全面が該原料ガスに接するように該導電性基材を該送り出しリールから送り出し該巻取りリールで巻取りながら、該プラズマ電源から該回転電極リールに負電圧を印加して該リール間基材部の該基材表面に沿ってプラズマシースを形成するとともに、該原料ガスを該プラズマシースで活性化して該基材表面に接触させることにより該基材表面に該膜を形成することを特徴とする。
本発明の成膜方法において、前記成膜装置は、該成膜炉内に配置され前記プラズマ電源の陽極と結線された近接陽極をさらに備え、前記導電性基材の前記送り出しリールからの送り出し及び/又は前記巻取りリールへの巻取りが可能となるように、前記送り出し基材部の両端面及び外周面並びに前記巻取り基材部の両端面及び外周面のうちの少なくとも一つの面を該近接陽極で覆い、該近接陽極で覆われた該面と該近接陽極との電極間隔をプラズマシース幅より小さくするのが好ましい。
本発明の成膜方法において、前記成膜炉は、前記導電性基材が通過する隙間が設けられた隔壁によって、前記送り出しリールを収納する送り出し側回転電極室と、前記巻取りリールを収納する巻取り側回転電極室と、前記リール間基材部を収納する成膜室と、に分離されており、前記送り出し基材部と前記陽極としての該成膜炉又は前記近接陽極との送り出し側電極間隔及び前記巻取り基材部と前記陽極としての該成膜炉又は該近接陽極との巻取り側電極間隔のうちの少なくとも一方の電極間隔がプラズマシース幅より小さくなるように、該送り出し側回転電極室の室内圧力及び該巻取り側回転電極室の室内圧力のうちの少なくとも一方を前記排気手段又はガス流量によって制御するのが好適である。
また、本発明の成膜方法において、前記送り出し側電極間隔及び前記巻取り側電極間隔の増減に従わせて、前記送り出し側回転電極室の前記室内圧力及び前記巻取り側回転電極室の前記室内圧力のうちの少なくとも一方を制御してもよい。
本発明の成膜方法において、前記膜が非晶質炭素膜であってもよい。また、前記導電性基材は、ステンレス鋼、アルミニウム、銅又はチタンのいずれかからなる金属箔であってもよい。
本発明の成膜装置は、成膜炉と、該成膜炉内に配置され送り出しリールと巻取りリールとからなる一対の回転電極リールと、該成膜炉を陽極とし該回転電極リールを陰極として電圧を印加可能なプラズマ電源と、膜の成分となる原料ガスを該成膜炉内に供給する原料ガス供給手段と、該成膜炉内を真空排気する排気手段と、を備え、該排気手段により真空排気されるとともに該原料ガス供給手段により該原料ガスが供給された該成膜炉内で、プラズマCVD法によって長尺状の導電性基材の基材表面に該膜を形成する成膜装置であって、該送り出しリールに巻かれた状態にある円筒形状を呈する導電性基材を送り出し基材部とし、該巻取りリールに巻取られた状態にある円筒形状を呈する導電性基材を巻取り基材部とし、該送り出しリール及び該巻取りリール間に位置する導電性基材をリール間基材部としたとき、該リール間基材部の全面が該原料ガスに接するように該導電性基材を該送り出しリールから送り出し該巻取りリールで巻取りながら、該プラズマ電源から該回転電極リールに負電圧を印加した時に、該リール間基材部の該基材表面と該陽極としての該成膜炉との電極間隔が該基材表面に沿って形成されるプラズマシース幅より大きく設定されていることを特徴とする。
本発明の成膜装置は、前記成膜炉内に配置され前記プラズマ電源の陽極と結線された近接陽極をさらに備え、該近接陽極は、前記導電性基材の前記送り出しリールからの送り出し及び/又は前記巻取りリールへの巻取りが可能となるように、前記送り出し基材部の両端面及び外周面並びに前記巻取り基材部の両端面及び外周面のうちの少なくとも一つの面を覆い、該近接陽極で覆われた該面と該近接陽極との電極間隔がプラズマシース幅より小さく設定されているのが好ましい。
また、本発明の成膜装置において、前記成膜炉は、前記導電性基材が通過する隙間が設けられた隔壁によって、前記送り出しリールを収納する送り出し側回転電極室と、前記巻取りリールを収納する巻取り側回転電極室と、前記リール間基材部を収納する成膜室と、に分離されており、前記排気手段は、前記送り出し基材部と前記陽極としての該成膜炉又は前記近接陽極との送り出し側電極間隔及び前記巻取り基材部と前記陽極としての該成膜炉又は該近接陽極との巻取り側電極間隔のうちの少なくとも一方の電極間隔がプラズマシース幅より小さくなるように、該送り出し側回転電極室の室内圧力及び該巻取り側回転電極室の室内圧力のうちの少なくとも一方を制御するが好適である。
本発明の成膜方法によれば、導電性基材を送り出しリールから送り出し巻取りリールで巻取りながら、回転電極リールに負電圧を印加するので、回転電極リールに接する導電性基材にも負電圧が印加されて、基材表面に沿ってプラズマシースが形成される。そして、原料ガスをプラズマシースで活性化して基材表面に接触させるので、基材表面に均一に成膜することができる。
また、本発明の成膜方法によれば、一対の回転電極リールを用いて導電性基材の送り出し及び巻取りを行うので、回転電極リールの軸方向幅や送り出しリールと巻取りリールの間隔を長くしても成膜が可能であり、成膜面積の大面積化が図れる。さらに、本発明の成膜方法によれば、リール間基材部の基材表面の全面が原料ガスに接するように導電性基材を送り出しリールから送り出し巻取りリールで巻取るので、リール間基材部の基材表面の全面への同時成膜が可能である。
また、本発明の成膜方法によれば、導電性基材を回転電極リール間で送り出し巻取りながら成膜を行うので、基材表面に膜が形成されては巻取りリールに巻き取られ、送り出しリールからは新たな基材が供給される。そのため、基材表面に膜が堆積し続けることがなく、また送り出しリールから供給された新たな基材表面にプラズマシースが形成される。したがって、安定したグロー放電が維持される。よって、長尺状の導電性基材の基材表面に均一な膜を連続的に形成することが可能となる。
第1実施形態の一例である成膜装置の概略説明図である。 第2実施形態の一例である成膜装置の概略説明図である。 第2実施形態の他の一例である成膜装置の概略説明図である。 図2のX−X’線で切った断面を模式的に表す図であり、(a)が導電性基材の巻取り開始時を示し、(b)が導電性基材の巻取り終了時を示す。 第3実施形態の一例である成膜装置の概略説明図である。 実施例1の非晶質炭素膜の膜厚の測定結果を示す図である。
以下に、本発明の実施形態を図を用いて説明する。
[成膜方法]
(第1実施形態)
本実施形態の成膜方法は、以下の成膜装置を用いて、プラズマCVD法(より具体的には直流プラズマCVD法)によって導電性基材6の基材表面に膜を形成する成膜方法である。まず、本実施形態の成膜装置を説明する。図1は本実施形態の一例である成膜装置の概略説明図である。
本実施形態の成膜装置は、成膜炉1と、一対の回転電極リール2と、プラズマ電源3と、原料ガス供給手段4と、排気手段5と、を備える。本実施形態の成膜装置は、その他に熱電対、赤外線放射温度計などの温度測定手段や膜厚測定手段などを適宜具備してもよい。
成膜炉1は、成膜炉1内を真空気密可能である。また、成膜炉1の壁面は導電性を有している。そして、成膜炉1の壁面は、プラズマ電源3の陽極31に結線され、接地(アース)されている。
一対の回転電極リール2は、導電性基材6(後述する)を送り出すことが可能な送り出しリール21と導電性基材6を巻取ることが可能な巻取りリール22とからなる。送り出しリール21は、導電性を有する回転軸211と、絶縁と真空シール機構を備えた一対の軸受け212、212と、を備える。回転軸211は、成膜炉1に回転可能に一対の軸受け212、212で保持されている。回転軸211の一端側は成膜炉1の炉外に延伸され、図示しない絶縁機構を介してトルク制御モータ213の回転軸と同軸に接続されている。また、回転軸211は、プラズマ電源3の陰極32と結線され、負電圧が印加可能となっている。
巻取りリール22は、導電性を有する回転軸221と、絶縁と真空シール機構を備えた一対の軸受け222、222と、を備える。回転軸221は、成膜炉1に回転可能に一対の軸受け222、222で保持されている。回転軸221の一端側は成膜炉1の炉外に延伸され、図示しない絶縁機構を介して定回転制御モータ223の回転軸と同軸に接続されている。また、回転軸221は、プラズマ電源3の陰極32と結線され、負電圧が印加可能となっている。
定回転制御モータ223の回転軸をB方向(図1に示すB矢印方向)に回転させることにより、巻取りリール22の回転軸221がB方向に回転して、導電性基材6は回転軸221に巻取られる。定回転制御モータ223を用いることにより、導電性基材6の巻取りを一定速度で行うことができる。このとき、送り出しリール21の回転軸211の回転方向はB方向とは逆のA方向(図1に示すA矢印方向)となる。トルク制御モータ213は、導電性基材6の巻取り中に、回転軸211の回転方向(A方向)と逆の方向に一定トルクを付加する。これにより、リール間基材部63(後述する)の張力を一定に保つことができる。
プラズマ電源3は、陽極31と陰極32とを備え、直流高電圧を発生する。プラズマ電源3は、通常の直流プラズマCVD法に用いられるプラズマ電源であれば、特に限定はない。陽極31は、成膜炉1の壁面に結線され、接地(アース)されている。陰極32は、回転電極リール2に結線されている。
原料ガス供給手段4は、膜の成分となる原料ガスの貯蔵庫である原料ガス貯蔵庫41と、原料ガスを成膜炉1に供給する原料ガス供給管42と、原料ガスの供給量を調整する流量調整機構43と、からなる。原料ガスは、例えば、マスフローコントローラ(MFC)などの流量調整機構43により原料ガスの流量が調整され、原料ガス供給管42を経て成膜炉1内に供給される。
排気手段5は、成膜炉1内を真空排気する真空ポンプ51と、排ガスの流路となる排気通路52と、成膜炉1内の室内圧力を調整可能な排気調整機構53と、からなる。真空ポンプ51は、真空排気することができれば、特に限定はない。排気調整機構53は、例えば、排気通路52中にバルブを設けて、バルブの開度によって成膜炉1内の室内圧力を調整することができる。
本実施形態の成膜方法は、上記構成の成膜装置を用いて、プラズマCVD法によって導電性基材6の基材表面に膜を形成する。プラズマCVD法では、高電圧が加えられた二つの電極の間に直流グロー放電を発生させる。この直流グロー放電を利用して、電極間に導入した原料ガスを電離して、マイナス電位側の電極(基材)表面に薄膜を堆積させる。グロー放電を安定に継続して形成するためには、(i)グロー放電中の電子が電界で陽極側へ加速され気体分子に衝突して気体分子を電離させ、(ii)電離された気体分子が陽イオンとなり加速されて陰極へ衝突し陰極表面から二次電子を放出させ、(iii)放出された二次電子が陽極側へ加速され途中で気体分子に衝突し再び気体分子を電離させる、という3つの工程を1サイクルとして繰り返されることが必要であると考えられている。
原料ガスは、形成しようとする膜の種類に応じて適宜選択可能であるが、例えば、炭化水素ガス、炭化水素ガスを含む混合ガス、炭化水素系ガス又は炭化水素系ガスを含む混合ガスを用いることができる。炭化水素ガスは、例えば、メタン、エチレン、アセチレン、ヘキサン、ベンゼン、トルエンなどを用いることができる。炭化水素系ガスは、例えば、窒素を含むピリジン又はアニリン、ケイ素を含むテトラメチルシランなどを用いることができる。また、原料ガスは、水素、アルゴン、ヘリウム、窒素又はこれらの混合ガスの希釈ガスなどを含んでもよい。原料ガスに、炭素を含む炭化水素ガスや炭化水素系ガスなどを用いることにより、形成される膜を非晶質炭素膜とすることができる。
導電性基材6は、長尺状で導電性があれば特に限定はないが、回転電極リール2に巻取ることができる程度の可撓性及び柔軟性がある薄板状であるのが好ましい。例えば、ステンレス鋼、アルミニウム、銅又はチタンのいずれかからなる金属箔を用いることができる。導電性基材6の厚さは、プラズマシース幅に影響するものではないが、0.001〜0.5mm、より好ましくは0.01〜0.2mmである。
なお、本明細書においては、送り出しリール21に巻かれた状態にある円筒形状を呈する導電性基材6を送り出し基材部61とし、巻取りリール22に巻取られた状態にある円筒形状を呈する導電性基材6を巻取り基材部62とし、送り出しリール21及び巻取りリール22間に位置する導電性基材6をリール間基材部63とする。本実施形態で用いる成膜装置は、陰極としてのリール間基材部63の基材表面と陽極としての成膜炉1との電極間隔は、基材表面に沿って形成されるプラズマシース幅(後述する)より大きく設定されている。
成膜温度は、プラズマCVD法で成膜する際に一般的に用いられている温度条件であればよいが、好ましくは300〜600℃である。ここで、成膜温度とは、導電性基材6の基材表面での温度である。成膜温度が300℃より低いと、成膜速度が遅くなり、導電性基材6と膜との密着性も低下する。成膜温度が600℃より高いと、導電性基材6と膜との反応によって中間層を形成して、膜の特性が変わる場合があり、形成される膜が粒状化して緻密性を損ねる場合もある。
成膜時の圧力は、好ましくは1〜1000Pa、より好ましくは5〜500Paである。成膜時の圧力が1Paより低いと、放電電流が小さくなり、成膜速度が低下して生産性が落ちる。成膜時の圧力が1000Paより高いとグロー放電の発生が不安定となり、広面積で均一なグロー放電の発生が困難となる。成膜時の圧力が5〜500Paであると、成膜速度を低下させることなく安定したグロー放電が発生する。
成膜時の印加電圧は、好ましくは200V以上、より好ましくは250V以上である。成膜時の印加電圧が200Vより低くなると、原料ガスの分解が起こりにくくなり、成膜速度が低下して生産性が落ちる。逆に、成膜時の印加電圧が高いほど原料ガスの分解が促進されるので、成膜時の印加電圧を1000V以上にすれば、成膜温度を500℃未満にすることができる。さらには、成膜時の印加電圧を2000V以上にすれば、成膜温度を450℃未満に下げることができる。そのため、非晶質炭素膜を形成する場合に緻密な膜を形成することができる。
次に、本実施形態の成膜方法を説明する。まず、上記構成の成膜装置に導電性基材6をセットする。導電性基材6は、一端側を送り出しリール21に巻かれた状態として、他端を巻取りリール22に固定する。次に、排気手段5により、所定の真空度となるまで成膜炉1内を真空排気する。真空排気後に、原料ガス供給手段4により原料ガスを成膜炉1内に供給する。所定の処理圧が確保されたら、プラズマ電源3から成膜炉1を陽極として回転電極リール2に所定の負電圧を印加する。そして、所定の回転数で定回転制御モータ223を駆動させ、導電性基材6の巻取り時の張力が一定になるように、トルク制御モータ213を駆動させる。これにより、リール間基材部63に一定の張力をかけながら導電性基材6を送り出しリール21から送り出し、巻取りリール22で巻取る。
回転電極リール2に負電圧を印加することによって、回転電極リール2に接する導電性基材6にも負電圧が印加され、陽極としての成膜炉1と導電性基材6との間に負グロー放電が発生し、導電性基材6の基材表面に沿って均一なプラズマシースPが形成される。本実施形態では、送り出し基材部61の軸方向両端面及び外周面、巻取り基材部62の軸方向両端面及び外周面、並びにリール間基材部63の全面に沿ってプラズマシースPが形成される。そして、成膜炉1内に供給された膜の原料となる原料ガスは基材表面周囲のプラズマシースPで活性化されて基材表面に接触することにより基材表面に均一に成膜することができる。ここで、本明細書において「活性化」とは、例えば、原料ガスをプラズマシースPでイオン化又は励起してイオン及びラジカルとすることをいい、「接触」とは、例えば、イオンを基材表面に衝突させ、基材表面にラジカルを堆積させることをいう。なお、この他にも、プラズマCVD法によって導電性基材6の基材表面に膜を形成する際に生じる種々の現象を含み、これらの現象に限定されるものではない。
本実施形態では、リール間基材部63の全面が原料ガスに接するように導電性基材6を送り出しリール21から送り出し巻取りリール22で巻取るので、リール間基材部63の基材表面の全面に同時に成膜することができる。なお、本実施形態では、送り出し基材部61の軸方向両端面及び外周面、並びに巻取り基材部62の軸方向両端面及び外周面に沿ってもプラズマシースPが形成されるので、送り出し基材部61の軸方向両端面及び外周面、並びに巻取り基材部62の軸方向両端面及び外周面にも膜が形成される。
従来技術では、連続基材から離れた位置でプラズマ化された原料ガスを連続基材に供給して膜を形成していた。一方、本実施形態の成膜方法は、導電性基材6の基材表面に沿ってプラズマシースPが形成され、原料ガスがプラズマシースPで活性化されて膜を形成している。さらに、本実施形態の成膜方法は、一対の回転電極リール2を用いて導電性基材6の送り出し及び巻取りを行うので、回転電極リール2の軸方向幅や送り出しリール21と巻取りリール22との間隔を長くしても成膜が可能である。よって、本実施形態の成膜方法は、成膜面積の大面積化が図れる。また、本実施形態の成膜方法は、導電性基材6を回転電極リール2間で送り出し巻取りながら成膜を行うので、基材表面に膜が形成されては巻取りリール22に巻き取られ、送り出しリール21からは新たな基材が供給される。そのため、基材表面に膜が堆積し続けることがなく、また送り出しリール21から供給された新たな基材表面にプラズマシースPが形成される。したがって、安定したグロー放電が維持される。よって、長尺状の導電性基材6の基材表面に均一な膜を連続的に形成することが可能となる。
さらに、本実施形態の成膜方法は、対向電極(陽極)である成膜炉1への成膜がほとんどなく、原料ガスが有効に消費されて成膜速度が速い。また、長時間成膜しても成膜炉1への成膜がほとんどないので、成膜炉1に堆積した膜によるダストの発生を防止することができる。そのため、成膜炉1に堆積した膜によるダストによって放電インピーダンスが変化して成膜条件が変動するといった問題も生じにくい。
本実施形態の成膜方法は、導電性基材6を陰極として負電圧を印加するので、グロー放電によって電離された気体分子の陽イオンが基材表面に衝突する。そのため、基材表面に気体分子の陽イオンによるイオン衝撃を付加することができる。イオン衝撃によって基材表面がクリーニングされる。また、陽イオンと基材表面との衝突時の加熱によって、膜と導電性基材6との密着性が向上する。さらに、膜の形成時にもイオン衝撃を付加することができるので、膜構造の制御も可能となる。
(第2実施形態)
本実施形態の成膜方法は、第1実施形態の成膜方法及び成膜装置に対して、以下の点が相違する。図2は、第2実施形態の一例である成膜装置の概略説明図である。
本実施形態の成膜装置は、成膜炉1内に導電性を有する一対の近接陽極7、7をさらに備えている。各近接陽極7は、図示しない送り出し基材部61及び図示しない巻取り基材部62をそれぞれ覆って、成膜炉1の壁面に図示しない保持手段により保持されている。各近接陽極7は、成膜炉1の壁面及びプラズマ電源3の陽極31と結線されている。
近接陽極7は、金属製で円形底面、円形天井面及び円筒状側面を有する。各近接陽極7は、送り出し基材部61の軸方向両端面及び外周面と、巻取り基材部62の軸方向両端面及び外周面と、をそれぞれ覆う。近接陽極7は、導電性基材6を通過させるための隙間が設けられたゲート71を円筒状側面に有している。ゲート71は、導電性基材6の送り出しリール21からの送り出し及び巻取りリール22への巻取りを可能にする。つまり、ゲート71は、送り出し基材部61及び巻取り基材部62を近接陽極7で覆った場合に、導電性基材6を送り出し巻取ることができなくなることを防止する。その他の構成は、図1に示す成膜装置と同じである。
図3は、第2実施形態の他の一例である成膜装置の概略説明図である。本実施形態の成膜装置は、図2の成膜装置と比べて、送り出し基材部61の外周面及び巻取り基材部62の外周面が近接陽極7、7で覆われていない点が相違する。つまり、本実施形態における近接陽極7は、送り出し基材部61(又は巻取り基材部62)の軸方向一端面及び軸方向他端面をそれぞれ覆う一対の略円板部よりなる。したがって、本実施形態の成膜装置では、送り出し基材部61の軸方向両端面及び巻取り基材部62の軸方向両端面が近接陽極7、7でそれぞれ覆われている。その他の構成は、図2に示す成膜装置と同じである。
本実施形態の成膜方法では、送り出し基材部61の両端面及び外周面並びに巻取り基材部62の両端面及び外周面のうちの少なくとも一つの面を近接陽極7で覆う。すなわち、図2に示す成膜装置の実施形態では、送り出し基材部61の両端面及び外周面並びに巻取り基材部62の両端面及び外周面のすべての面を近接陽極7で覆い、図3に示す成膜装置の実施形態では、送り出し基材部61の両端面及び巻取り基材部62の両端面を近接陽極7で覆う。図2及び図3に示される成膜装置以外にも、例えば、送り出し基材部61又は巻取り基材部62の一方のみを近接陽極7で覆うことも可能である。また、送り出し基材部61及び/又は巻取り基材部62の外周面のみを近接陽極7で覆うことも可能である。さらに、送り出し基材部61及び/又は巻取り基材部62の軸方向一端面のみを覆うことも可能である。
ここで、「覆う」とは、送り出し基材部61の両端面及び外周面並びに巻取り基材部62の両端面及び外周面のうちの少なくとも一つの面と、近接陽極7の一つの面と、が対向するように、近接陽極7を配することをいう。そして、本実施形態の成膜方法では、近接陽極7で覆われた面と近接陽極7との電極間隔をプラズマシース幅より小さくすることに特徴がある。
一般的に「プラズマシース」とは、陰極表面から負グローまでの発光の弱い領域を指す。既述のとおり、成膜炉1の壁面を陽極、導電性基材6を陰極としてグロー放電を安定に継続し、導電性基材6の基材表面近傍にプラズマシースPの形成を持続させるためには、前記(i)〜(iii)の3つの工程を1サイクルとして繰り返されることが必要である。グロー放電を維持するのに必要なエネルギーと必要な量の電子を両極間における電界によって得ているので、陰極と陽極との電極間隔がプラズマシースより小さくなり過ぎると、電子が十分に加速されず、気体分子を励起する程の運動エネルギーを持てなくなる。そのため、グロー放電が弱くなり、さらにはグロー放電が形成されなくなる。本明細書の「プラズマシース幅」とは、陰極である導電性基材6の基材表面から負グローまでの発光の弱い領域の幅である。
本実施形態の成膜方法では、近接陽極7で覆われた面と近接陽極7との電極間隔をプラズマシース幅より小さくして、近接陽極7で覆われた基材表面には、プラズマシースPを形成しないようにしている。そのため、近接陽極7で覆われた基材表面は、膜の形成が抑えられる。図2の成膜装置を例に説明する。図4は、図2のX−X’線で切った断面を模式的に表す図であり、(a)が導電性基材6の巻取り開始時を示し、(b)が導電性基材6の巻取り終了時を示す。
図4の(a)において、導電性基材6の巻取り開始時は、送り出しリール21の回転軸211に導電性基材6が巻かれた状態であり、送り出し基材部61の外周面と近接陽極7との距離はL1である。また、巻取りリール22の回転軸221には、導電性基材6の一端が固定されており、導電性基材6の一端と近接陽極7との距離はL2である。つまり、導電性基材6の巻取り開始時における導電性基材6の外周面と近接陽極7との距離の最大値はL2となる。
一方、導電性基材6の送り出し及び巻取りが行われ、導電性基材6の巻取り終了時を示す図4の(b)においては、巻取りリール22の回転軸221に導電性基材6がすべて巻取られ、巻取り基材部62の外周面と近接陽極7との距離はL1となる。また、送り出しリール21の回転軸211には、導電性基材6の一端が固定され、導電性基材6の一端と近接陽極7との距離はL2となる。つまり、導電性基材6の巻取り終了時における導電性基材6の外周面と近接陽極7との距離の最大値はL2となる。また、導電性基材6の送り出し及び巻取りが行われている際は、導電性基材6の外周面と近接陽極7との距離は、送り出しリール21及び巻取りリール22のいずれにおいても、L1〜L2の間の値となる。
送り出しリール21及び巻取りリール22に負電圧を印加すると、送り出し基材部61及び巻取り基材部62が陰極となり、近接陽極7が陽極となる。導電性基材6の巻取り開始から終了までの送り出し基材部61の外周面と近接陽極7との電極間隔は、L1〜L2の間の値となり、電極間隔の最大値はL2となる。また、導電性基材6の巻取り開始から終了までの巻取り基材部62の外周面と近接陽極7との電極間隔は、L1〜L2の間の値となり、電極間隔の最大値はL2となる。したがって、電極間隔の最大値L2がプラズマシース幅より小さくなるように、導電性基材6を近接陽極7で覆うことにより、近接陽極7で覆われた送り出し基材部61及び巻取り基材部62の外周面ではプラズマシースPが形成されず、成膜しないようにすることができる。
また、送り出し基材部61及び巻取り基材部62の軸方向両端面においては、軸方向端面と近接陽極7との電極間隔がプラズマシース幅より小さくなるように、軸方向端面を近接陽極7で覆うことにより、近接陽極7で覆われた送り出し基材部61及び巻取り基材部62の軸方向端面ではプラズマシースPが形成されず、成膜しないようにすることができる。
次に、図2に示す成膜装置を用いた成膜方法を説明する。成膜方法は、第1実施形態の成膜方法と同様であるが、プラズマシースPが形成される場所及び膜が形成される場所が、第1実施形態とは異なる。本実施形態では、リール間基材部63の全面に沿ってのみプラズマシースPが形成される。送り出し基材部61及び巻取り基材部62全体が近接陽極7で覆われているので、送り出し基材部61の軸方向両端面及び外周面、並びに巻取り基材部62の軸方向両端面及び外周面には、プラズマシースPは形成されない。そして、成膜炉1内に供給された膜の原料となる原料ガスは、リール間基材部63の基材表面のプラズマシースPで活性化されて基材表面に接触することにより、リール間基材部63の基材表面に均一に成膜することができる。リール間基材部63の全面が原料ガスに接するように導電性基材6を送り出しリール21から送り出し巻取りリール22で巻取るので、リール間基材部63の基材表面の全面に同時に成膜することができる。
通常、導電性基材6が回転電極リール2に巻かれた状態にある送り出し基材部61及び巻取り基材部62と、回転電極リール2に巻かれていないリール間基材部63とでは、成膜時の導電性基材6の特性が若干異なる。例えば、送り出し基材部61及び巻取り基材部62とリール間基材部63とでは、熱容量が異なるので、成膜時の基材表面温度が若干異なる。また、送り出し基材部61及び巻取り基材部62は、導電性基材6が回転電極リール2に巻かれて屈曲しているので、導電性基材6に応力が生じる。このため、仮に、送り出し基材部61及び巻取り基材部62の外周面等に膜が形成されると、その膜の特性は、リール間基材部63の基材表面に形成された膜の特性とは異なるものになる恐れがある。
その点、図2に示す成膜装置を用いた本実施形態では、送り出し基材部61及び巻取り基材部62全体を近接陽極7で覆うことによって、成膜される範囲を回転電極リール2に巻かれていないリール間基材部63に限定することができる。そのため、形成される膜の特性を均一にすることができる。
次に、図3に示す成膜装置を用いた成膜方法を説明する。成膜方法は、第1実施形態の成膜方法と同様であるが、プラズマシースPが形成される場所及び膜が形成される場所が、第1実施形態とは異なる。本実施形態では、送り出し基材部61の外周面及び巻取り基材部62の外周面並びにリール間基材部63の全面に沿ってプラズマシースPが形成される。送り出し基材部61の軸方向両端面及び巻取り基材部62の軸方向両端面が近接陽極7で覆われているので、送り出し基材部61の軸方向両端面及び巻取り基材部62の軸方向両端面には、プラズマシースPは形成されない。そして、成膜炉1内に供給された膜の原料となる原料ガスは、導電性基材6の基材表面のプラズマシースPで活性化されて基材表面に接触することにより、導電性基材6の基材表面に均一に成膜することができる。リール間基材部63の全面が原料ガスに接するように導電性基材6を送り出しリール21から送り出し巻取りリール22で巻取るので、リール間基材部63の基材表面の全面に同時に成膜することができる。なお、図3に示す成膜装置を用いた本実施形態では、送り出し基材部61の軸方向両端面及び巻取り基材部62の軸方向両端面にはプラズマシースPが形成されないので、送り出し基材部61の軸方向両端面及び巻取り基材部62の軸方向両端面では膜の形成が抑えられる。
本実施形態では、導電性基材6の基材表面以外への成膜を防止することができる。送り出し基材部61の軸方向両端面及び巻取り基材部62の軸方向両端面に膜が形成されて、長時間の成膜によって膜が堆積することを防止できる。そのため、堆積した膜が飛散してダストを発生して、膜質を劣化させることを防止できる。また、基材表面以外に成膜しないので、原料ガスを無駄にしない。
(第3実施形態)
本実施形態の成膜方法は、第2実施形態の成膜方法及び成膜装置に対して、以下の点が相違する。図5は、第3実施形態の一例である成膜装置の概略説明図である。
成膜炉1は、2つの隔壁F、Fによって、送り出しリール21を収納する送り出し側回転電極室11と、巻取りリール22を収納する巻取り側回転電極室12と、リール間基材部63を収納する成膜室13と、に分離されている。隔壁Fは金属製で、その一部は開口され、その開口部分に絶縁性材料よりなる隙間形成部材F1が挿入保持されている。隙間形成部材F1は、導電性基材6が通過する隙間が設けられており、隔壁Fと隙間を通過する導電性基材6とは絶縁されている。隙間は、送り出し側回転電極室11及び巻取り側回転電極室12において原料ガスの流入があっても、最大電極間隔(後述する)がプラズマシース幅より小さくなるように、送り出し側回転電極室11及び巻取り側回転電極室12の圧力変動を抑制できる程度の開口とすることができる。そして、隙間は、成膜室13において原料ガスの流出があっても、リール間基材部63と成膜室13との電極間隔が基材表面に沿って形成されるプラズマシース幅より大きくなるように、成膜室13の圧力変動を抑制できる程度の開口とすることができる。隙間の大きさは、例えば、厚さが150μm、基材幅が100mmの導電性基材6を用いた場合は、導電性基材6の厚さ方向に略2mm、基材幅方向に略120mmとすることができる。
原料ガス供給手段4、4、4がそれぞれ独立に各室11〜13に原料ガス及び希釈ガスを供給できるように、原料ガス供給管42、42、42は、各室11〜13にそれぞれ接続されている。本実施形態において、成膜室13に供給される原料ガスは、既述の炭化水素ガス、炭化水素ガスを含む混合ガス、炭化水素系ガス又は炭化水素系ガスを含む混合ガスを用いることができ、既述の希釈ガスなどを含んでもよい。送り出し側回転電極室11及び巻取り側回転電極室12には、上記の炭化水素ガスなどは供給しないで、希釈ガスを供給する。
なお、図5に示す成膜装置は原料ガス供給手段4を3つ備えるが、原料ガス供給手段4を1つ備え、原料ガス供給管42を成膜室13のみに接続することもできる。この場合に成膜室13に供給される原料ガスは、上記の炭化水素ガスなどを用いることができ、上記の希釈ガスなどを含んでもよい。
また、各室11〜13には排気手段5がそれぞれ備えられ、各室11〜13ごとに室内圧力を制御することができる。室内圧力の制御は、排気調整機構53を用いる。排気調整機構53は、例えば、排気通路52中にバルブを設けて、バルブの開度によって室内圧力を調整することができる。なお、室内圧力の制御は、ガス流量を調整することによっても可能である。その他の構成は、図2に示す成膜装置と同じである。
本実施形態の成膜方法は、上記構成の成膜装置を用いて、送り出し基材部61と近接陽極7との送り出し側電極間隔及び巻取り基材部62と近接陽極7との巻取り側電極間隔の双方の電極間隔の最大値である最大電極間隔がプラズマシース幅より小さくなるように、送り出し側回転電極室11の室内圧力及び巻取り側回転電極室12の室内圧力の双方を排気手段5、5又はガス流量によってそれぞれ制御することに特徴がある。
室内圧力が高くなるとプラズマシース幅は小さくなり、逆に、室内圧力が低くなるとプラズマシース幅は大きくなる。よって、成膜したくない送り出しリール21を収納する送り出し側回転電極室11の室内圧力及び巻取りリール22を収納する巻取り側回転電極室12の室内圧力を低くすることにより、送り出し側回転電極室11及び巻取り側回転電極室12におけるプラズマシース幅を大きくすることができる。また、成膜時は、導電性基材6の巻取りが進むにつれて、送り出し基材部61の外周面と近接陽極7との送り出し側電極間隔及び巻取り基材部62の外周面と近接陽極7との巻取り側電極間隔は変化する。成膜時に、双方の電極間隔の最大値である最大電極間隔がプラズマシース幅より小さくなるように、送り出し側回転電極室11の室内圧力及び巻取り側回転電極室12の室内圧力を低く設定しておくことにより、送り出し基材部61の外周面及び巻取り基材部62の外周面にはプラズマシースPを形成しないで、リール間基材部63の基材表面のみにプラズマシースPを形成することができ、リール間基材部63の基材表面のみに成膜することができる。以下、本実施形態の成膜方法を具体的に説明する。
上記構成の成膜装置に導電性基材6をセットする。導電性基材6は、一端側を送り出しリール21に巻かれた状態として、他端を巻取りリール22に固定する。次に、排気手段5、5、5により、所定の到達真空度となるまで送り出し側回転電極室11、巻取り側回転電極室12及び成膜室13をそれぞれ真空排気する。真空排気後に、原料ガス供給手段4により、希釈ガスを含む原料ガスを成膜室13内に供給し、原料ガス供給手段4、4により、希釈ガスを送り出し側回転電極室11及び巻取り側回転電極室12にそれぞれ供給する。本実施形態においては、図示しない送り出し基材部61の両端面及び外周面並びに図示しない巻取り基材部62の両端面及び外周面のすべての面が近接陽極7で覆われているので、後述するように、送り出し基材部61及び巻取り基材部62での成膜が抑制される。しかしながら、送り出し側回転電極室11及び巻取り側回転電極室12において、導電性基材6の基材表面に原料ガス成分が付着する可能性がある。送り出し側回転電極室11及び巻取り側回転電極室12に希釈ガスを供給することにより、送り出し側回転電極室11及び巻取り側回転電極室12において、導電性基材6の基材表面に原料ガス成分が付着するのを防止することができる。
排気手段5、5により、送り出し側回転電極室11及び巻取り側回転電極室12の双方の室内圧力を上記の最大電極間隔がプラズマシース幅より小さくなる圧力とする。成膜室13の室内圧力は、排気手段5により、成膜条件の所定圧力とする。例えば、成膜速度を上げるために、送り出し側回転電極室11及び巻取り側回転電極室12の室内圧力より高い圧力とすることができる。
各室11〜13の室内圧力が確保されたら、プラズマ電源3から成膜炉1を陽極として回転電極リール2に所定の負電圧を印加する。そして、所定の回転数で定回転制御モータ223を駆動させ、導電性基材6の巻取り時の張力が一定になるように、トルク制御モータ213を駆動させる。これにより、リール間基材部63に一定の張力をかけながら導電性基材6を送り出しリール21から送り出し、巻取りリール22で巻取る。
回転電極リール2に負電圧を印加することによって、回転電極リール2に接する導電性基材6にも負電圧が印加され、陽極としての成膜炉1と導電性基材6との間に負グロー放電が発生し、リール間基材部63の基材表面に沿って均一なプラズマシースPが形成される。そして、成膜室13内に供給された膜の原料となる原料ガスは、リール間基材部63の基材表面周囲のプラズマシースPで活性化されて基材表面に接触することにより、リール間基材部63の基材表面に均一に成膜することができる。
本実施形態の成膜方法では、リール間基材部63の基材表面のみに成膜することによる図2に示す成膜装置を用いた第2実施形態の効果に加えて、次の効果を有する。
送り出し側回転電極室11及び巻取り側回転電極室12の室内圧力を低くして、送り出しリール21及び巻取りリール22におけるプラズマシース幅を大きくすることにより、プラズマシース幅より小さい範囲で最大電極間隔を大きくとることができる。そのため、巻取りの開始から終了までの間に巻取ることができる導電性基材6の巻取り量を多くすることができる。したがって、一定量の導電性基材6を成膜するときに、最大電極間隔が小さい場合と比べて、成膜装置に導電性基材6をセットする回数を低減でき、生産性の向上が図れる。
また、成膜室13は、送り出し側回転電極室11の室内圧力及び巻取り側回転電極室12の室内圧力とは独立した室内圧力とすることができるので、成膜条件で選択される任意の室内圧力とすることができる。そのため、例えば、成膜速度を上げるために、成膜室13の室内圧力は、送り出し側回転電極室11の室内圧力及び巻取り側回転電極室12の室内圧力より高い圧力とすることができる。成膜速度を速くすることができるので、生産性の向上が図れる。
本実施形態の成膜方法では、成膜開始前に最大電極間隔がプラズマシース幅より小さくなるように、送り出し側回転電極室11の室内圧力及び巻取り側回転電極室12の室内圧力を排気装置5、5によって設定したが、導電性基材6の送り出し及び巻取りに合わせて、送り出し側回転電極室11の室内圧力及び巻取り側回転電極室12の室内圧力を排気装置5、5によって設定することもできる。
送り出しリール21側は、導電性基材6の送り出しが進むと、送り出し基材部61の外周面と近接陽極7との送り出し側電極間隔は増加する。送り出し開始時には、排気装置5により、送り出し側回転電極室11の室内圧力をプラズマシース幅が送り出し側電極間隔より大きくなる所定圧力にしておく。導電性基材6の送り出しが進むにつれて、送り出し側電極間隔は増加するので、導電性基材6の送り出しに従って、送り出し側回転電極室11の室内圧力を送り出し開始時よりも低くして、送り出しリール21側のプラズマシース幅を送り出し開始時より大きくする。すなわち、送り出し側電極間隔が増加するにつれて、送り出し側回転電極室11の室内圧力を送り出し開始時よりも低くして、送り出しリール21側のプラズマシース幅を送り出し開始時より大きくすることにより、導電性基材6の送り出しの開始から終了まで、送り出し側電極間隔がプラズマシース幅より大きくならないようにする。この方法により、導電性基材6の送り出しの開始から終了まで、送り出し基材部61の外周面では、プラズマシースPを形成しないようにすることができ、送り出し基材部61の外周面では膜の形成が抑えられる。
一方、巻取りリール22側は、導電性基材6の巻取りが進むと、巻取り基材部62の外周面と近接陽極7との巻取り側電極間隔は減少する。巻取り開始時には、排気装置5により、巻取り側回転電極室12の室内圧力をプラズマシース幅が巻取り側電極間隔より大きくなる所定圧力にしておく。導電性基材6の巻取りが進むにつれて、巻取り側電極間隔は減少するので、巻取り側回転電極室12の室内圧力は巻取り開始時と同じであってもよい。導電性基材6の巻取りに従って、プラズマシース幅が巻取り側電極間隔より小さくならない範囲で、巻取り側回転電極室12の室内圧力を巻取り開始時よりも高くして、巻取りリール22側のプラズマシース幅を巻取り開始時より小さくしてもよい。この方法により、導電性基材6の巻取りの開始から終了まで、巻取り基材部62の外周面では、プラズマシースPを形成しないようにすることができ、巻取り基材部62の外周面では膜の形成が抑えられる。
本実施形態は、図5に示す成膜装置を用いた成膜方法であるので、送り出し基材部61及び巻取り基材部62が近接陽極7でそれぞれ覆われている。したがって、本実施形態では、送り出し側電極間隔における陽極は近接陽極7であり、巻取り側電極間隔における陽極は近接陽極7である。本発明の成膜方法では、図5に示す成膜装置に対して、送り出し基材部61及び巻取り基材部62が近接陽極7、7で覆われていない成膜装置を用いることもできる。この場合は、送り出し側電極間隔における陽極は成膜炉1(送り出し側回転電極室11)であり、巻取り側電極間隔における陽極は成膜炉1(巻取り側回転電極室12)である。また、成膜装置は原料ガス供給手段4を1つ備え、原料ガス供給管42を成膜室13に接続する。この場合に成膜室13に供給される原料ガスは、既述の炭化水素ガスなどを用いることができ、既述の希釈ガスなどを含んでもよい。
なお、本実施形態で用いる成膜装置は、金属製の隔壁Fの一部が開口され、その開口部分に絶縁性材料よりなる隙間形成部材F1が挿入保持されているが、本実施形態に限定されるものではない。本発明では、隔壁Fと隙間を通過する導電性基材6とが絶縁され、送り出し側回転電極室11及び巻取り側回転電極室12において隙間から原料ガスの流入があっても、最大電極間隔がプラズマシース幅より小さくなるように、送り出し側回転電極室11及び巻取り側回転電極室12の圧力変動を抑制でき、成膜室13において隙間から原料ガスの流出があっても、リール間基材部63と成膜室13との電極間隔が基材表面に沿って形成されるプラズマシース幅より大きくなるように、成膜室13の圧力変動を抑制できる程度の隙間であればよい。例えば、金属製の隔壁Fに、導電性基材6が通過可能な所定大きさの開口部を設けて、開口部分に表面処理による絶縁膜を形成してもよい。また、例えば、絶縁性材料よりなる隔壁Fに、導電性基材6が通過可能な所定大きさの開口部を設けてもよい。
[成膜装置]
本発明の成膜装置は、プラズマCVD法によって導電性基材の表面に膜を形成する成膜装置である。本発明の成膜装置を構成する各構成要素は[成膜方法]の欄で詳説した各構成要素と同様であるので、先の説明をもって本発明の成膜装置の説明に代える。
以下に、本発明の実施例を説明する。
(実施例1)
本実施例は、図1に示す成膜装置を用いて成膜した。導電性基材6には、厚さ150μm、基材幅100mmのステンレス鋼を用い、原料ガスには、炭化水素系ガスとしてのピリジンと希釈ガスとしての窒素を用いた。
まず、排気手段5により成膜炉1内を到達真空度が5×10−3Paまで排気した。つぎに、原料ガス供給手段4により、水素とアルゴンの混合ガスを成膜炉1内に供給した。その後、排気調整機構53により、成膜炉1内の室内圧力を5Paとした。成膜炉1内が所定の室内圧力になったところで、プラズマ電源3により陽極31と陰極32との間に300Vの電圧を印加した。電圧を印加すると、導電性基材6の周辺にグロー放電が生じた。その後、導電性基材6の基材温度を放射温度計で計測しながら、約430℃になるまで、徐々に成膜炉1の室内圧力と印加電圧を増加させた。
導電性基材6の基材温度が約430℃になったところで、原料ガス供給手段4の流量調整機構43により、ピリジン流量を70sccm、窒素流量を120sccmとして成膜炉1内に供給した。成膜炉1の室内圧力8Pa、印加電圧3000V、基材送り速度0.32m/minの成膜条件で、非晶質炭素膜を導電性基材6の基材表面に形成しながら連続的に導電性基材6を巻き取った。陰極である導電性基材6と陽極である成膜炉1との電極間隔は、プラズマシース幅より大きく設定されている。特に、リール間基材部63の表面及び裏面とも成膜炉1との電極間隔は、基材表面に沿って形成されるプラズマシース幅より大きく設定されている。導電性基材6は、送り出しリール21から送られて巻取りリール22に巻き取られるまで、約4minの間プラズマシースPにさらされて膜が形成された。
成膜後、導電性基材6を成膜炉1内で冷却し非晶質炭素膜の膜厚を測定した。非晶質炭素膜の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)により写真撮影して、非晶質炭素膜の膜厚を測定した。非晶質炭素膜の膜厚の測定結果を図6に示す。図6は、導電性基材6の巻取りリール22に固定された一端からの距離と非晶質炭素膜の膜厚との関係を示す。測定結果から、約100nmの非晶質炭素膜が、導電性基材6の長尺方向(送り出し、巻取り方向)全体に、導電性基材6の両面に亘って均一に形成されたことが確認できた。
(実施例2)
実施例2は、図2に示す成膜装置を用いて成膜した。成膜中の成膜炉1内の室内圧力を5Pa、陰極である送り出し基材部61と陽極である近接陽極7との最大電極間隔及び陰極である巻取り基材部62と陽極である近接陽極7との最大電極間隔を10mmとした。また、送り出し基材部61及び巻取り基材部62が近接陽極7で覆われていないと仮定した場合の送り出し基材部61及び巻取り基材部62におけるプラズマシース幅は40mmである。その他の成膜条件及び成膜手順は、実施例1と同様にした。
(実施例3)
実施例3は、図2に示す成膜装置を用いて成膜した。成膜中の成膜炉1内の室内圧力を8Pa、陰極である送り出し基材部61と陽極である近接陽極7との最大電極間隔及び陰極である巻取り基材部62と陽極である近接陽極7との最大電極間隔を10mmとした。また、送り出し基材部61及び巻取り基材部62が近接陽極7で覆われていないと仮定した場合の送り出し基材部61及び巻取り基材部62におけるプラズマシース幅は30mmである。その他の成膜条件及び成膜手順は、実施例1と同様にした。
(実施例4)
実施例4は、図2に示す成膜装置を用いて成膜した。成膜中の成膜炉1内の室内圧力を3Pa、陰極である送り出し基材部61と陽極である近接陽極7との最大電極間隔及び陰極である巻取り基材部62と陽極である近接陽極7との最大電極間隔を30mmとした。また、送り出し基材部61及び巻取り基材部62が近接陽極7で覆われていないと仮定した場合の送り出し基材部61及び巻取り基材部62におけるプラズマシース幅は50mmである。その他の成膜条件及び成膜手順は、実施例1と同様にした。
(実施例5)
実施例5は、図2に示す成膜装置を用いて成膜した。成膜中の成膜炉1内の室内圧力を5Pa、陰極である送り出し基材部61と陽極である近接陽極7との最大電極間隔及び陰極である巻取り基材部62と陽極である近接陽極7との最大電極間隔を30mmとした。また、送り出し基材部61及び巻取り基材部62が近接陽極7で覆われていないと仮定した場合の送り出し基材部61及び巻取り基材部62におけるプラズマシース幅は40mmである。その他の成膜条件及び成膜手順は、実施例1と同様にした。
(比較例1)
比較例1は、図2に示す成膜装置を用いて成膜した。成膜中の成膜炉1内の室内圧力を8Pa、陰極である送り出し基材部61と陽極である近接陽極7との最大電極間隔及び陰極である巻取り基材部62と陽極である近接陽極7との最大電極間隔を30mmとした。また、送り出し基材部61及び巻取り基材部62が近接陽極7で覆われていないと仮定した場合の送り出し基材部61及び巻取り基材部62におけるプラズマシース幅は30mmである。その他の成膜条件及び成膜手順は、実施例1と同様にした。
実施例2〜5及び比較例1の成膜条件及びプラズマシース幅並びに送り出し基材部61及び巻取り基材部62での膜形成の有無を表1に示す。
Figure 0005042343
陰極である送り出し基材部61と陽極である近接陽極7との最大電極間隔及び陰極である巻取り基材部62と陽極である近接陽極7との最大電極間隔がプラズマシース幅より小さい実施例2〜5では、送り出し基材部61及び巻取り基材部62での膜形成はほとんどみられなかった。一方、陰極である送り出し基材部61と陽極である近接陽極7との最大電極間隔及び陰極である巻取り基材部62と陽極である近接陽極7との最大電極間隔がプラズマシース幅と同じである比較例1では、送り出し基材部61及び巻取り基材部62での膜形成がみられた。
(実施例6)
実施例6は、図5に示す成膜装置を用いて成膜した。成膜中の成膜室13内の室内圧力を5Pa、送り出し側回転電極室11及び巻取り側回転電極室12の室内圧力を1Paとした。室内圧力の調整は、各室11〜13に設けられた排気装置5によって行った。また、送り出し側電極間隔の最大値は30mm、巻取り側電極間隔の最大値は60mmである。送り出し側及び巻取り側とも、送り出し基材部61及び巻取り基材部62が近接陽極7で覆われていないと仮定した場合の送り出し基材部61及び巻取り基材部62におけるプラズマシース幅は70mm以上である。成膜室13に供給する原料ガスは、実施例1と同様に炭化水素系ガスとしてのピリジンと希釈ガスとしての窒素を用いた。送り出し側回転電極室11及び巻取り側回転電極室12には、希釈ガスとして窒素を供給した。その他の成膜条件及び成膜手順は、実施例1と同様にした。
(比較例2)
比較例2は、図5に示す成膜装置を用いて成膜した。成膜中の成膜室13内の室内圧力を5Pa、送り出し側回転電極室11及び巻取り側回転電極室12の室内圧力を3Paとした。室内圧力の調整は、各室11〜13に設けられた排気装置5によって行った。また、送り出し側電極間隔の最大値は30mm、巻取り側電極間隔の最大値は60mmである。送り出し側及び巻取り側とも、送り出し基材部61及び巻取り基材部62が近接陽極7で覆われていないと仮定した場合の送り出し基材部61及び巻取り基材部62におけるプラズマシース幅は50mmである。その他の成膜条件及び成膜手順は、実施例6と同様にした。
実施例6及び比較例2の成膜条件及びプラズマシース幅並びに送り出し基材部61及び巻取り基材部62での膜形成の有無を表2に示す。
Figure 0005042343
送り出し側電極間隔の最大値及び巻取り側電極間隔の最大値がプラズマシース幅より小さい実施例6では送り出し基材部61及び巻取り基材部62での膜形成はほとんどみられなかった。一方、巻取り側電極間隔の最大値がプラズマシース幅より大きい比較例2では、巻取り基材部62での膜形成がみられた。
1:成膜炉
11:送り出し側回転電極室 12:巻取り側回転電極室 13:成膜室 F:隔壁
2:回転電極リール
21:送り出しリール 22:巻取りリール
3:プラズマ電源
31:陽極 32:陰極
4:原料ガス供給手段
5:排気手段
6:導電性基材
61:送り出し基材部 62:巻取り基材部 63:リール間基材部
7:近接陽極

Claims (9)

  1. 成膜炉と、
    該成膜炉内に配置され送り出しリールと巻取りリールとからなる一対の回転電極リールと、
    該成膜炉を陽極とし該回転電極リールを陰極として電圧を印加可能なプラズマ電源と、
    膜の成分となる原料ガスを該成膜炉内に供給する原料ガス供給手段と、
    該成膜炉内を真空排気する排気手段と、
    を備える成膜装置を用いて、
    該排気手段により該成膜炉内を真空排気するとともに該原料ガス供給手段により該原料ガスを該成膜炉内に供給して、プラズマCVD法によって長尺状の導電性基材の基材表面に該膜を形成する成膜方法であって、
    該送り出しリールに巻かれた状態にある円筒形状を呈する導電性基材を送り出し基材部とし、該巻取りリールに巻取られた状態にある円筒形状を呈する導電性基材を巻取り基材部とし、該送り出しリール及び該巻取りリール間に位置する導電性基材をリール間基材部としたとき、
    該リール間基材部の全面が該原料ガスに接するように該導電性基材を該送り出しリールから送り出し該巻取りリールで巻取りながら、該プラズマ電源から該回転電極リールに負電圧を印加して該リール間基材部の該基材表面に沿ってプラズマシースを形成するとともに、該原料ガスを該プラズマシースで活性化して該基材表面に接触させることにより該基材表面に該膜を形成することを特徴とする成膜方法。
  2. 前記成膜装置は、該成膜炉内に配置され前記プラズマ電源の陽極と結線された近接陽極をさらに備え、
    前記導電性基材の前記送り出しリールからの送り出し及び/又は前記巻取りリールへの巻取りが可能となるように、前記送り出し基材部の両端面及び外周面並びに前記巻取り基材部の両端面及び外周面のうちの少なくとも一つの面を該近接陽極で覆い、該近接陽極で覆われた該面と該近接陽極との電極間隔をプラズマシース幅より小さくする請求項1に記載の成膜方法。
  3. 前記成膜炉は、前記導電性基材が通過する隙間が設けられた隔壁によって、前記送り出しリールを収納する送り出し側回転電極室と、前記巻取りリールを収納する巻取り側回転電極室と、前記リール間基材部を収納する成膜室と、に分離されており、
    前記送り出し基材部と前記陽極としての該成膜炉又は前記近接陽極との送り出し側電極間隔及び前記巻取り基材部と前記陽極としての該成膜炉又は該近接陽極との巻取り側電極間隔のうちの少なくとも一方の電極間隔がプラズマシース幅より小さくなるように、該送り出し側回転電極室の室内圧力及び該巻取り側回転電極室の室内圧力のうちの少なくとも一方を前記排気手段又はガス流量によって制御する請求項1又は2に記載の成膜方法。
  4. 前記送り出し側電極間隔及び前記巻取り側電極間隔の増減に従わせて、前記送り出し側回転電極室の前記室内圧力及び前記巻取り側回転電極室の前記室内圧力のうちの少なくとも一方を制御する請求項3に記載の成膜方法。
  5. 前記膜が非晶質炭素膜である請求項1〜4のいずれか1項に記載の成膜方法。
  6. 前記導電性基材は、ステンレス鋼、アルミニウム、銅又はチタンのいずれかからなる金属箔である請求項1〜5のいずれか1項に記載の成膜方法。
  7. 成膜炉と、
    該成膜炉内に配置され送り出しリールと巻取りリールとからなる一対の回転電極リールと、
    該成膜炉を陽極とし該回転電極リールを陰極として電圧を印加可能なプラズマ電源と、
    膜の成分となる原料ガスを該成膜炉内に供給する原料ガス供給手段と、
    該成膜炉内を真空排気する排気手段と、
    を備え、該排気手段により真空排気されるとともに該原料ガス供給手段により該原料ガスが供給された該成膜炉内で、プラズマCVD法によって長尺状の導電性基材の基材表面に該膜を形成する成膜装置であって、
    該送り出しリールに巻かれた状態にある円筒形状を呈する導電性基材を送り出し基材部とし、該巻取りリールに巻取られた状態にある円筒形状を呈する導電性基材を巻取り基材部とし、該送り出しリール及び該巻取りリール間に位置する導電性基材をリール間基材部としたとき、該リール間基材部の全面が該原料ガスに接するように該導電性基材を該送り出しリールから送り出し該巻取りリールで巻取りながら、該プラズマ電源から該回転電極リールに負電圧を印加した時に、該リール間基材部の該基材表面と該陽極としての該成膜炉との電極間隔が該基材表面に沿って形成されるプラズマシース幅より大きく設定されていることを特徴とする成膜装置。
  8. 前記成膜炉内に配置され前記プラズマ電源の陽極と結線された近接陽極をさらに備え、
    該近接陽極は、前記導電性基材の前記送り出しリールからの送り出し及び/又は前記巻取りリールへの巻取りが可能となるように、前記送り出し基材部の両端面及び外周面並びに前記巻取り基材部の両端面及び外周面のうちの少なくとも一つの面を覆い、該近接陽極で覆われた該面と該近接陽極との電極間隔がプラズマシース幅より小さく設定されている請求項7に記載の成膜装置。
  9. 前記成膜炉は、前記導電性基材が通過する隙間が設けられた隔壁によって、前記送り出しリールを収納する送り出し側回転電極室と、前記巻取りリールを収納する巻取り側回転電極室と、前記リール間基材部を収納する成膜室と、に分離されており、
    前記排気手段は、前記送り出し基材部と前記陽極としての該成膜炉又は前記近接陽極との送り出し側電極間隔及び前記巻取り基材部と前記陽極としての該成膜炉又は該近接陽極との巻取り側電極間隔のうちの少なくとも一方の電極間隔がプラズマシース幅より小さくなるように、該送り出し側回転電極室の室内圧力及び該巻取り側回転電極室の室内圧力のうちの少なくとも一方を制御する請求項7又は8に記載の成膜装置。
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