JP5041421B2 - 面発光レーザ素子の製造方法および面発光レーザ素子 - Google Patents

面発光レーザ素子の製造方法および面発光レーザ素子 Download PDF

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Description

本発明は、垂直共振器型の面発光レーザ素子の製造方法および面発光レーザ素子に関するものである。
従来の面発光レーザ素子として、半導体や誘電体からなる上部および下部多層膜反射鏡の間に活性層を積層してメサポスト構造を有し、さらに電流注入効率を上げるために、電流経路を制限する電流狭窄層を形成した垂直共振器型の面発光レーザ素子が開示されている(特許文献1、2参照)。この電流狭窄層は、AlAsからなる被酸化層を選択酸化熱処理して形成したものであり、中心に位置するAlAsからなる円形の電流注入部と、電流注入部の周囲に位置するAlからなる電流狭窄部とを有するものである。この電流注入部は、面発光レーザ素子に電流を注入した際の電流経路になるとともに、レーザ光が出射する開口部になる。
また、特許文献1、2に開示される面発光レーザ素子は、製造時には、活性層を含む半導体層を積層し、積層した半導体層上に、金属からなり、中心にレーザ光が出射する開口部を有する円環電極を形成し、形成した円環電極をマスクとして、積層した半導体層をメサポスト状にエッチングするので、メサポストの中心と電流注入部の中心とを高精度に一致させることができる。その結果、単一横モード発振する面発光レーザ素子を歩留まり良く製造することができる。
米国特許第6916672号明細書 米国特許第6750071号明細書
しかしながら、本発明者らが従来の面発光レーザ素子を精査したところ、従来の面発光レーザ素子は、発振しきい値電流が設計値よりも大きくなるという問題があることを見出した。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、発振しきい値電流が小さい面発光レーザ素子の製造方法および面発光レーザ素子を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る面発光レーザ素子の製造方法は、垂直共振器型の面発光レーザ素子の製造方法であって、基板上に下部多層膜反射鏡を積層し、前記下部多層膜反射鏡上に活性層を含む複数の半導体層を積層する積層工程と、前記積層した半導体層上に金属からなり中心に開口部を有する円環電極を形成する円環電極形成工程と、前記形成した円環電極をマスクとして前記積層した半導体層をメサポスト状にエッチングするメサポスト形成工程と、前記形成したメサポストに、電気抵抗が増大するような前記円環電極の意図しない変質を伴う熱処理を施す熱処理工程と、前記円環電極に周方向に沿って接触する環状または円弧状の接触部を設けた引き出し電極を形成する引き出し電極形成工程と、を含むことを特徴とする。
また、本発明に係る面発光レーザ素子の製造方法は、上記発明において、前記引き出し電極形成工程は、開口角度が0度より大きく180度以下の円弧状の接触部を形成することを特徴とする。
また、本発明に係る面発光レーザ素子の製造方法は、上記発明において、前記積層工程は、AlAsまたはAl1−xGaAs(0<x<1)からなる被酸化層を積層する被酸化層積層工程を含み、前記熱処理工程は、前記積層した被酸化層を選択酸化熱処理してAlAsまたはAl1−xGaAsからなる電流注入部とAlまたは(Al1−xGaからなる電流狭窄部を形成することを特徴とする。
また、本発明に係る面発光レーザ素子の製造方法は、上記発明において、前記円環電極形成工程は、Ptを含む円環電極を形成し、前記熱処理工程は、前記円環電極に含まれるPtのPtAsへの変質を伴う熱処理を施すことを特徴とする。
また、本発明に係る面発光レーザ素子の製造方法は、上記発明において、前記円環電極上に誘電体からなる上部多層膜反射鏡を形成する上部多層膜反射鏡形成工程を含むことを特徴とする。
また、本発明に係る面発光レーザ素子は、垂直共振器型の面発光レーザ素子であって、基板と、前記基板上に積層した下部多層膜反射鏡と、前記下部多層膜反射鏡上に形成された、活性層を含む複数の半導体層を有するメサポストと、前記メサポスト上に形成され、中心に開口部を有するとともに前記メサポストの外周と一致する外周を有する円環電極と、前記円環電極に周方向に沿って接触する環状または円弧状の接触部を設けた引き出し電極と、を備えたことを特徴とする。
また、本発明に係る面発光レーザ素子は、上記発明において、前記接触部は、開口角度が0度より大きく180度以下の円弧状であることを特徴とする。
また、本発明に係る面発光レーザ素子は、上記発明において、前記メサポストは、選択酸化熱処理によって形成された、AlAsまたはAl1−xGaAs(0<x<1)からなる電流注入部とAlまたは(Al1−xGaからなる電流狭窄部とを有する電流狭窄層を含むことを特徴とする。
また、本発明に係る面発光レーザ素子は、上記発明において、前記円環電極は、PtAsを含むことを特徴とする。
また、本発明に係る面発光レーザ素子は、上記発明において、前記円環電極上に誘電体からなる上部多層膜反射鏡を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、熱処理に伴って電気抵抗が増大するように円環電極が意図せず変質してしまっても、円環電極に周方向に沿って接触する環状または円弧状の接触部を設けた引き出し電極を形成することによって、活性層に注入される電流の周方向における不均一性が解消されるため、発振しきい値電流が小さい面発光レーザ素子を実現できるという効果を奏する。
以下に、図面を参照して本発明に係る面発光レーザ素子の製造方法および面発光レーザ素子の実施の形態を詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
(実施の形態)
はじめに、本発明の実施の形態に係る面発光レーザ素子について説明する。本実施の形態に係る面発光レーザ素子は、GaAs系半導体材料からなる面発光レーザ素子である。
図1は、本実施の形態に係る面発光レーザ素子100の模式的な断面図である。図1に示すように、この面発光レーザ素子100は、基板101と、基板101上に形成された下部多層膜反射鏡である下部DBRミラー102と、バッファ層103と、n型コンタクト層104と、多重量子井戸構造を有する活性層105と、下部傾斜組成層106と、外周に位置する電流狭窄部107aと電流狭窄部107aの中心に位置する円形の電流注入部107bとを有する電流狭窄層107と、上部傾斜組成層108と、p型クラッド層109と、p型コンタクト層110とが順次積層形成されている。そして、活性層105からp型コンタクト層110までが円柱状のメサポストM1を構成している。
なお、上記各構成要素は、たとえば以下のようなものである。すなわち、基板101は、アンドープのGaAsからなる。また、下部DBRミラー102は、GaAs/Al0.9Ga0.1As層の34ペアからなる。また、n型コンタクト層104は、n型GaAsからなる。また、活性層105は、層数が3のGaInNAs井戸層と層数が4のGaAs障壁層が交互に積層した構造を有しており、最下層のGaAs障壁層はn型クラッド層としても機能する。また、電流狭窄層107については、電流狭窄部107aはAlからなり、電流注入部107bは、直径が6〜7μmであり、AlAsからなる。下部傾斜組成層106および上部傾斜組成層108は、AlGaAsからなり、厚さ方向において電流狭窄層107に近づくにつれてそのAs組成が段階的に増加するように構成されている。また、p型クラッド層109、p型コンタクト層110は、それぞれp型、p型のGaAsからなる。
また、メサポストM1上に、中心に開口部111aを有するとともに、メサポストM1の外周と一致する外周を有するp側円環電極111が形成されている。p側円環電極111の外径は、たとえば30μmであり、開口部111aの内径は、たとえば11〜14μmである。
さらに、p側円環電極111上からメサポストM1の外周にわたって誘電体からなる上部多層膜反射鏡である上部DBRミラー115が形成されている。上部DBRミラー115は、たとえばα−Si/SiOの5〜6ペアからなるが、たとえばSiN/SiO、またはα−Si/Alのペアを、その材料の屈折率に応じて99%程度の適切な反射率がえられるようなペア数にしたものでもよい。また、n型コンタクト層104は、メサポストM1の下部から半径方向外側に延びており、その表面にたとえばAuGeNi/Auからなる半円環状のn側電極112が形成されている。n側電極112は、たとえば外径が82μm、内径が42μmである。また、上部DBRミラー115が形成されていない領域には、表面保護のためにSiNなどの誘電体からなるパッシベーション膜113が形成されている。
また、n側電極112に対して、パッシベーション膜113に形成された開口部を介して接触するように、Auからなるn側引き出し電極114が形成されている。一方、p側円環電極111に対しても、パッシベーション膜113に形成された開口部を介して接触するように、Auからなるp側引き出し電極116が形成されている。そして、n側電極112およびp側円環電極111は、それぞれn側引き出し電極114およびp側引き出し電極116によって、外部に設けた不図示の電流供給回路に電気的に接続している。
そして、この面発光レーザ素子100は、電流供給回路からそれぞれn側引き出し電極114およびp側引き出し電極116を介してn側電極112およびp側円環電極111間に電圧を印加し、電流を注入すると、電流狭窄層107によって電流経路が電流注入部107b内に狭窄されて、電流が高い電流密度で活性層105に供給される。その結果、活性層105はキャリア注入されて自然放出光を発光する。そして、注入電流がしきい値以上になると、この自然放出光が下部DBRミラー102と上部DBRミラー115とが構成する光共振器によってレーザ発振し、p側円環電極111の開口部111aからレーザ光が出力する。
つぎに、p側引き出し電極116の構造について具体的に説明する。図2は、p側円環電極111およびp側引き出し電極116の要部を示す平面図である。図2に示すように、p側引き出し電極116には、環状の接触部116aが設けられ、この接触部116aが、p側円環電極111に周方向に沿って接触している。
ここで、p側円環電極111は、その形成時にはPt/Ti層の構造を有しており、電気抵抗値が1〜2Ω程度であったが、電流狭窄層107を形成すべき選択酸化熱処理に伴い、意図せずPtが砒化し、PtAsに変質してしまっている。その結果、p側円環電極111の電気抵抗が形成時よりも100〜1000倍程度に増大している。そのため、p側円環電極111には電流が流れにくい状態になっているが、p側引き出し電極116は、環状の接触部116aによってp側円環電極111に接触しているので、活性層105には周方向において均一に電流が注入される。その結果、しきい値電流は低減する。
なお、従来は、p側円環電極を電気抵抗が小さいPtで形成していたため、p側引き出し電極は、p側円環電極311の一部において接触するだけで、p側円環電極には全周にわたって電流が流れ、活性層には周方向において均一に電流が注入されると考えられていた。
しかしながら、本発明者らが実際に面発光レーザ素子を作製してみると、その発振しきい値電流が設計値よりも大きくなるという現象が観測された。本発明者らがその原因を精査したところ、p側円環電極が変質してPtAsとなり、その電気抵抗が極めて増大していることを見出した。
そこで、本発明者らは、本実施の形態のように、p側引き出し電極116に、p側円環電極111に周方向に沿って接触する環状の接触部116aを設けることによって、活性層105に注入される電流の周方向における不均一性が解消され、しきい値電流を低減できることに想到したのである。
つぎに、面発光レーザ素子100の製造方法について説明する。図3、4は、面発光レーザ素子100の製造方法について説明する説明図である。
はじめに、エピタキシャル成長法によって、基板101上に下部DBRミラー102、バッファ層103、n型コンタクト層104、活性層105、下部傾斜組成層106、AlAsからなる被酸化層117、上部傾斜組成層108、p型クラッド層109、p型コンタクト層110を順次積層する。つぎに、蒸着法によって、p型コンタクト層110上にPt/Ti層の構造を有する円環状のp側円環電極118を形成する。つぎに、p側円環電極118の内側をマスクで覆い、p側円環電極118を金属マスクとして、n型コンタクト層104に到る深さまでウェットエッチングして円柱状のメサポストM1を形成し、さらに別のマスクを形成し、バッファ層103に到る深さまでn型コンタクト層104をエッチングする。その結果、図3に示すメサポストM1が形成された構造が得られる。なお、上記のようにp側円環電極118を金属マスクとしてメサポストM1を形成するので、メサポストM1の中心と後に形成する電流注入部107bの中心とを高精度に一致させることができる。その結果、単一横モード発振する面発光レーザ素子を歩留まり良く製造することができる。
つぎに、水蒸気雰囲気中において熱処理を行って、被酸化層117をメサポストM1の外周側から選択酸化する。このとき、被酸化層117においてAlAs+HO→Al+AsHなる化学反応が起こり、被酸化層117の外周側からAlAsがAlとなり、電流狭窄部107aが形成される。上記化学反応は被酸化層117の外周側から均一に進行するので、中心にはAlAsからなる電流注入部107bが形成される。ここでは、熱処理時間等を調整して、電流注入部107bの直径が6〜7μmになるようにする。
一方、上記の化学反応によって生成したAsHは飛散し、p側円環電極118に含まれるPtと、Pt+AsH→PtAs+3Hなる化学反応を起こす。その結果、p側円環電極118は変質し、p側円環電極111となる。以上のようにして、図4に示すような、電流狭窄部107aと電流注入部107bとを有する電流狭窄層107と、p側円環電極111とが形成される。なお、この変質によって、p側円環電極111の電気抵抗は、p側円環電極118の100〜1000倍程度まで増大する。
つぎに、メサポストM1の外周側のn型コンタクト層104の表面に、半円環状のn側電極112を形成する。つぎに、全面にパッシベーション膜113を形成した後、n側電極112およびp側円環電極118上においてパッシベーション膜113に開口部を形成し、これらの開口部を介してn側電極112に接触するn側引き出し電極114と、p側円環電極111に接触するp側引き出し電極116を形成する。なお、p側円環電極118上に形成する開口部は、接触部116aを形成すべき形状とする。つぎに、上部DBRミラー115を形成する。
つぎに、基板101の裏面を研磨し、基板101の厚さをたとえば150μmに調整する。その後、素子分離を行い、図1に示す面発光レーザ素子100が完成する。
つぎに、本発明の実施例として、上記の製造方法によって、図1に示す構造を有し、p側引き出し電極の幅が異なる2種類の面発光レーザ素子を製造した(実施例1、2)。なお、実施例2のp側引出し電極の幅は、実施例1のp側引出し電極よりも広くなっている。一方、比較例として、図10、11に示す構造を有し、p側引き出し電極の幅が異なる2種類の面発光レーザ素子を製造した(比較例1、2)。なお、比較例2のp側引出し電極の幅は、比較例1のp側引出し電極よりも広くなっている。
図10は、比較例に係る従来構造の面発光レーザ素子300の模式的な断面図である。図1に示すように、この面発光レーザ素子300は、面発光レーザ素子100と同様に、基板301と、下部DBRミラー302と、バッファ層303と、n型コンタクト層304と、活性層305と、下部傾斜組成層306と、電流狭窄部307aと電流注入部307bとを有する電流狭窄層307と、上部傾斜組成層308と、p型クラッド層309と、p型コンタクト層310と、p側円環電極311と、n側電極312と、パッシベーション膜313と、n側引き出し電極314と、上部DBRミラー315と、p側引き出し電極316とを備えており、活性層305からp型コンタクト層310までが円柱状のメサポストM3を構成している。しかしながら、図11に示すように、p側引き出し電極316は、p側円環電極311に一部でのみ接触している点で、面発光レーザ素子100とは異なる。
そして、実施例および比較例に係る各面発光レーザ素子について、しきい値電流を測定した。図5は、実施例1に係る面発光レーザ素子の注入電流と光出力との関係を示す図である。なお、線L1〜L3は、それぞれ素子温度が25℃、50℃、90℃の場合を示している。図5に示すように、実施例1に係る面発光レーザ素子のしきい値電流は、素子温度が25℃、50℃、90℃の場合にそれぞれ0.58mA、0.62mA、1.03mAと低い値であった。
一方、図6は、比較例1に係る面発光レーザ素子の注入電流と光出力との関係を示す図である。なお、線L4〜L6は、それぞれ素子温度が25℃、50℃、90℃の場合を示している。図6に示すように、比較例1に係る面発光レーザ素子のしきい値電流は、素子温度が25℃、50℃、90℃の場合にそれぞれ1.71mA、1.88mA、2.76mAであり、各温度とも実施例1の場合と比較して高い値であった。
さらに、図7は、実施例および比較例に係る各面発光レーザ素子のしきい値電流を示した図である。なお、素子温度は25℃である。また、図7において、サンプル番号1、2がそれぞれ実施例1、2に対応し、サンプル番号3、4がそれぞれ比較例1、2に対応しており、各サンプルともN数が500程度である。図7に示すように、実施例1、2の場合は、しきい値電流の中央値が1mA程度であるのに対して、比較例1、2の場合は、しきい値電流の中央値が2mA近くに増大していた。
以上説明したように、本実施の形態に係る面発光レーザ素子100は、p側引き出し電極116に、p側円環電極111に周方向に沿って接触する環状の接触部116aを設けたことによって、発振しきい値電流が小さいものとなる。
(変形例)
なお、上記実施の形態では、p側引き出し電極116に環状の接触部116aを設けたが、接触部の形状は環状に限られず、円弧状でもよい。以下、実施の形態の変形例として、接触部を円弧状にした面発光レーザ素子について説明する。
図8は、本変形例に係る面発光レーザ素子のp側円環電極211およびp側引き出し電極216の要部を示す平面図である。なお、他の部分の構造については実施の形態に係る面発光レーザ素子100と同様である。図8に示すように、p側引き出し電極216には、開口角度が角度θである円弧状の接触部216aが設けられ、この接触部116aが、p側円環電極111に周方向に沿って接触している。このように、接触部116aが円弧状であっても、活性層に注入する電流の周方向における不均一性は解消される。
ここで、図9は、接触部216aの開口角度としきい値改善率との関係を示す図である。なお、しきい値改善率とは、図11に示す従来形状のp側引き出し電極を用いた場合からのしきい値電流の低下率を相対的に示すものであり、実施の形態のような接触部が円環状のp側引き出し電極を用いた場合におけるしきい値電流の低下率を改善率100%として表したものである。
図9に示すように、開口角度が40度の場合は、開口角度が0度、すなわち接触部が円環状の場合と同様にしきい値改善率が100%であり、開口角度が180度の場合は、しきい値改善率が50%である。したがって、接触部が円弧状の場合は、その開口角度が180度以上であれば、しきい値電流が十分に低下するので好ましい。
なお、上記実施の形態では、被酸化層はAlAsからなるものであったが、Al1−xGaAs(0<x<1)からなるものでもよい。被酸化層がAl1−xGaAsからなる場合は、電流狭窄層は、電流狭窄部が(Al1−xGaからなり、電流注入部がAl1−xGaAsからなるものとなる。また、上記実施の形態は、被酸化層の選択酸化熱処理によって、円環電極に含まれるPtが変質するものであったが、本発明はこの場合に限定されない。さらに、面発光レーザ素子の製造時において、円環電極を形成した後に熱処理を行う場合に、この熱処理に伴って半導体材料の組成物等が円環電極と化学反応するなどして、円環電極の電気抵抗が増大するような意図しない変質が発生する場合には、本発明を適用できる。
本発明の実施の形態に係る面発光レーザ素子の模式的な断面図である。 図1に示す面発光レーザ素子のp側円環電極およびp側引き出し電極の要部を示す平面図である。 図1に示す面発光レーザ素子の製造方法について説明する説明図である。 図1に示す面発光レーザ素子の製造方法について説明する説明図である。 実施例1に係る面発光レーザ素子の注入電流と光出力との関係を示す図である。 比較例1に係る面発光レーザ素子の注入電流と光出力との関係を示す図である。 実施例および比較例に係る各面発光レーザ素子のしきい値電流を示した図である。 実施の形態の変形例に係る面発光レーザ素子のp側円環電極およびp側引き出し電極の要部を示す平面図である。 図8に示す接触部の開口角度としきい値改善率との関係を示す図である。 比較例に係る従来構造の面発光レーザ素子の模式的な断面図である。 図10に示す面発光レーザのp側円環電極およびp側引き出し電極の要部を示す平面図である。
符号の説明
100、300 面発光レーザ素子
101、301 基板
102、302 下部DBRミラー
103、303 バッファ層
104、304 n型コンタクト層
105、305 活性層
106、306 下部傾斜組成層
107、307 電流狭窄層
107a、307a 電流狭窄部
107b、307b 電流注入部
108、308 上部傾斜組成層
109、309 p型クラッド層
110、310 p型コンタクト層
111、118、211、311 p側円環電極
111a、311a 開口部
112、312 n側電極
113、313 パッシベーション膜
114、314 n側引き出し電極
115、315 上部DBRミラー
116〜316 p側引き出し電極
116a、216a 接触部
117 被酸化層
L1〜L4 線
M1、M3 メサポスト
θ 角度

Claims (6)

  1. 垂直共振器型の面発光レーザ素子の製造方法であって、
    基板上に下部多層膜反射鏡を積層し、前記下部多層膜反射鏡上に活性層を含む複数の半導体層を積層する積層工程と、
    前記積層した半導体層上に金属からなり中心に開口部を有する円環電極を形成する円環電極形成工程と、
    前記形成した円環電極をマスクとして前記積層した半導体層をメサポスト状にエッチングするメサポスト形成工程と、
    前記形成したメサポストに、電気抵抗が増大するような前記円環電極の変質を伴う熱処理を施す熱処理工程と、
    前記円環電極に周方向に沿って接触する開口角度が0度より大きく180度以下の円弧状の接触部を設けた引き出し電極を形成する引き出し電極形成工程と、
    を含み、
    前記円環電極形成工程は、Ptを含む円環電極を形成し、
    前記熱処理工程は、前記円環電極に含まれるPtのPtAs への変質を伴う熱処理を施す
    ことを特徴とする面発光レーザ素子の製造方法。
  2. 前記積層工程は、AlAsまたはAl1−xGaAs(0<x<1)からなる被酸化層を積層する被酸化層積層工程を含み、
    前記熱処理工程は、前記積層した被酸化層を選択酸化熱処理してAlAsまたはAl1−xGaAsからなる電流注入部とAlまたは(Al1−xGaからなる電流狭窄部とを有する電流狭窄層を形成することを特徴とする請求項1に記載の面発光レーザ素子の製造方法。
  3. 前記円環電極上に誘電体からなる上部多層膜反射鏡を形成する上部多層膜反射鏡形成工程を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の面発光レーザ素子の製造方法。
  4. 垂直共振器型の面発光レーザ素子であって、
    基板と、
    前記基板上に積層した下部多層膜反射鏡と、
    前記下部多層膜反射鏡上に形成された、活性層を含む複数の半導体層を有するメサポストと、
    前記メサポスト上に形成され、中心に開口部を有するとともに前記メサポストの外周と一致する外周を有する円環電極と、
    前記円環電極に周方向に沿って接触する開口角度が0度より大きく180度以下の円弧状の接触部を設けた引き出し電極と、
    を備え
    前記円環電極は、当該円環電極に含まれていたPtが変質して形成されたPtAs を含む
    ことを特徴とする面発光レーザ素子。
  5. 前記メサポストは、選択酸化熱処理によって形成された、AlAsまたはAl1−xGaAs(0<x<1)からなる電流注入部とAlまたは(Al1−xGaからなる電流狭窄部とを有する電流狭窄層を含むことを特徴とする請求項に記載の面発光レーザ素子。
  6. 前記円環電極上に誘電体からなる上部多層膜反射鏡を備えたことを特徴とする請求項4または5に記載の面発光レーザ素子。
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