JP5041174B2 - 量子暗号装置 - Google Patents
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Description
情報理論で無条件安全性が証明されている暗号方式にワンタイムパッド法がある。ワンタイムパッド法は通信文と同じ長さの暗号鍵を用い、暗号鍵を1回で使い捨てることが特徴である。ベネット(Bennett)、ブラッサ−ド(Brassard)著 IEEEコンピュータ、システム、信号処理国際会議(IEEE Int.Conf.on Computers,Systems,and Signal Processing,Bangalore,India,p.175(1984))(非特許文献1)で、現在BB84プロトコルとして広く知られている、ワンタイムパッド法に使用する暗号秘密鍵を安全に配送する具体的なプロトコルがベネット(Bennett)らによりはじめて提案された。これを契機に量子暗号の研究が盛んになっている。量子暗号は物理法則が暗号の安全性を保証するため、計算機の能力の限界に依存しない究極の安全性保証が可能になる。現在多く検討されている量子暗号装置では一ビットの情報を単一光子の状態にエンコードして伝送する。これは、光子が他の量子系に比べると環境による擾乱に強いと同時に、既存の光ファイバー通信技術の活用により長距離の暗号鍵配布が期待できるためである。
理論的にその安全性が証明されている量子暗号装置では、非特許文献1に記載されているように量子力学的2自由度系の2つの区別可能な状態とそれに共役な状態(その重ね合わせ状態)を利用して秘密鍵が安全に伝送される。盗聴行為は量子力学的状態に擾乱を与え、正規送受信者のデータ中のエラーから漏洩情報量が推定できるようにプロトコルが設計されている。このような情報通信に用いられる量子状態はしばしば量子情報と呼ばれる。量子情報を担う量子力学的2自由度系は量子ビットと呼ばれ、それは数学的にはスピン1/2系と等価である。以下、情報担体となる物理系が光子の場合について、従来技術を記述する。
本発明に関わる、光子を量子ビット担体とし長距離伝送のため光ファイバーを伝送路として用いる暗号鍵配布装置について、以下に従来技術を説明する。光子を用いた量子暗号装置については、ツビンデン(Zbinden)ほか著「Experimental Quantum Cryptography」、「INTRODUCTION TO QUANTUM COMPUTATION AND INORMATION(ロー(Lo)ら編著)」(World Scientific、1998年出版)、120ページ(非特許文献2)、エカート(Ekert)ほか著「Quantum Cryptography」、「The Physics of Quantum Information(ボウメスター(Bouwmeester)ら編著)」(Springer、2000年出版)、15ページ(非特許文献3)、ジサン(Gisin)ほか著「Quantum Cryptography」 レビュー・オブ・モダン・フジックス(Rev.Mod.Phys.)、74号(2002年出版)、145−195ページ(非特許文献4)に詳細な説明がある。非特許文献1では、光子の持ちうる2つの偏波基底状態に情報をエンコードする、偏波コーディングと呼ばれる量子暗号装置の実装が提案された。しかしながら、偏波コーディングには伝送路中の偏波回転の実時間制御および補償が必要となるため、光ファイバーを伝送路として用いる長距離暗号鍵配布システムの実装方法としてはあまり使われない。長距離暗号鍵配布システムとしては、2連微弱光パルス間の相対位相に情報をエンコードする、位相コーディングと呼ばれる量子暗号装置の実装がやはりベネットらにより提案され、実現されている。
図5は非特許文献2〜4に記載がある、位相コーディングによる量子暗号装置の代表的実装例を示している。この装置では、2つの非対称マッハツェンダー干渉系を光ファイバー伝送路で直列に連結した構造の光学干渉系が用いられる。送信側に装備された微弱レーザ光源(51)で発生した微弱な短光パルスを送信側の非対称マッハツェンダー干渉系(52)に入射することにより、光ファイバー伝送路上にその長短尺光路差だけ空間的に分離したコヒーレント2連微弱光パルス(58)を準備する。ここで、コヒーレントという言葉は、長短尺光路差の明確に定義された非対称マッハツェンダー干渉系(52)により2連微弱パルスの2つのパルスの間に相対位相が明確に定義できることを意味する。2連微弱光パルス(58)は光ファイバー伝送路(53)上を伝送中に擾乱を受けるが、それらの相対的位相関係や偏波面の関係は保存され、受信側の非対称マッハツェンダー干渉系(54)に与えられる。
受信側の非対称マッハツェンダー干渉系(54)により、2連微弱光パルス(58)は3連微弱光パルス(59)に変換され、下流側の2つのポートに出力される。光子検出器(55)により、非対称マッハツェンダー干渉系(54)の2つの下流ポートに出力される3連微弱光パルス(59)の中央の光パルス中に含まれる光子の有無を識別し記録する。
3連微弱光パルス(59)のうち、中央の光パルスには、送信側で非対称マッハツェンダー干渉系の長尺を通り受信部で短尺を通ってきた光パルスと、送信側で短尺を通り受信側で長尺を通ってきた光パルスが寄与し、これら寄与する2つの光パルスの干渉により、2つの出力ポートへの出力光強度比は2連微弱光パルス(58)の光学遅延(相対的な位相)に正弦波関数的に依存する。
この光学干渉システムにおいて、2連微弱光パルス(58)の光学遅延(相対的な位相)に変調を与えることにより、量子暗号の原理に基づく暗号鍵配布を行うことができる。
この目的のため、光パルスが送信側の非対称マッハツェンダー干渉系(52)を通過中に内包された位相変調器(56)で{0、π/2、π、3π/2}の4値の位相変調を行い、光ファイバー(53)伝送後の2連パルスが受信側の非対称マッハツェンダー干渉系(54)を通過中に内包された位相変調器(57)で{0、π/2}の2値の位相変調を行う。
非対称マッハツェンダー干渉系(52)および(54)における光学遅延を適切に調整することにより、非特許文献1に提案された非直交4状態を用いる量子暗号鍵配布プロトコルを実行し、安全な鍵配布を行うことが可能である。
このような位相コーディングに基づく量子暗号装置は、光ファイバー伝送路(53)との相性も良く、長距離鍵配布が可能であるというメリットがあるが、送受信者がそれぞれ持つ非対称マッハツェンダー干渉系(52、54)の相対光学遅延を光波長なみの精度で維持しなければならないという問題がある。
これら送受信者に分散して配置された非対称マッハツェンダー干渉系(52、54)の光学遅延は温度変化その他の原因により独立にゆらいだりドリフトしたりするため、光干渉効果は容易に消失する。
この問題を解決するためには、両非対称マッハツェンダー干渉系(52、54)の相対光学遅延変化を測定し、測定結果をフィードバックして相対光学遅延を一定に維持するアクティブな制御装置が必要となる。このような測定装置はそれ自体がシステムを複雑化するだけではなく、測定に用いる参照光がシステムノイズを増加させ、量子暗号装置の性能劣化の原因となる。
このような問題を解決するため、南部ほか著「BB84 Quantum Key Distribution System Based on Silica−Based Planar Lightwave Circuits」 ジャパン・ジャーナル・オブ・アプライド・フィジックス(Jpn J.Appl.Phys.)、43号(2004年出版)、L1109ページ(非特許文献5)、木村ほか著「Single−photon Interference over 150km Transmission Using Silica−based Integrated−optic Interferometers for Quantum Cryptography」 ジャパン・ジャーナル・オブ・アプライド・フィジックス(Jpn J.Appl.Phys.)、43号(2004年出版)、L1217ページ(非特許文献6)に記載されているように、近年、平面光回路(PLC:Photonic Lightwave Circuit)技術を応用した量子暗号装置が考案され開発されている。この量子暗号装置では、非対称マッハツェンダー干渉系をシリコン基板上にパターニングで形成した光導波路で作製することにより、外乱により影響を受けることのない安定な光学干渉系を、温度制御というパッシブな制御のみによって実現することができ、低雑音のシステムを構築できるというメリットがある。
しかしながら、PLCを用いた実装の場合、先に示したような位相変調器を内包した低損失な非対称マッハツェンダー干渉系を製作することは現状技術では容易ではないと言う問題点がある。PLCに位相変調器に内包させることによるコスト増は問題としないとしても、デバイスの光学損失の増加は、微弱光を情報担体として用いる量子暗号装置の性能劣化に直結するため、容認できない問題である。
この問題を解決するため、位相変調器を非対称マッハツェンダー干渉系の外部に配置した、図6に示したような量子暗号装置が考案され、開発されている。
この装置では、送信側に装備された微弱レーザ光源(61)で発生した微弱な短光パルスを送信側のPLCにより構成された非対称マッハツェンダー干渉系(62)に入射することより、光ファイバー伝送路上にその長短尺光路差だけ空間的に分離したコヒーレント2連微弱光パルス(69)を準備する。2連微弱光パルス(69)は光ファイバー伝送路(63)上を伝送される。PLCによって構成された受信側の非対称マッハツェンダー干渉系(64)により、2連微弱光パルス(69)は3連微弱光パルス(70)に変換され、下流側の2つのポートに出力される。光子検出器(65)により、非対称マッハツェンダー干渉系(64)の2つの下流ポートに出力される3連微弱光パルス(70)の中央の光パルス中に含まれる到着光子の有無を識別し記録する。
この場合、送信側の非対称マッハツェンダー干渉系(62)の下流には、図6に示すように、直列に位相変調器(PMA1、PMA2)(66)、(67)が挿入されている。これら位相変調器(PMA1、PMA2)(66)、(67)に、それぞれの変調器の2連微弱光パルス(69)の通過時に同期してパルス的な変調信号が印可され、これにより、2連微弱光パルス(69)の一方のパルスに選択的に{0、π/2、π、3π/2}の4値の位相変調を与え、もって2連微弱光パルス(69)の光学遅延(相対位相)に4値変調を与える。
一方、受信側の非対称マッハツェンダー干渉系(64)の上流にも直列に位相変調器(PMB1)(68)が挿入され、当該位相変調器(PMB1)(68)に、2連微弱光パルス(69)の通過時に同期してパルス的な変調信号を印可することにより、2連微弱光パルス(69)の一方のパルスに選択的に{0、π/2}の2値の位相変調を与え、もって、2連微弱光パルス(69)の光学遅延(相対位相)に2値変調を与える。
送信側および受信側の非対称マッハツェンダー干渉系(62)および(64)における光学遅延を適切に調整することにより、図5の量子暗号装置と同様に非特許文献1に提案された非直交4状態を用いる量子暗号鍵配布プロトコルを実行し、安全な鍵配布を行うことが可能である。
上記のPLCを用いた量子暗号装置が機能することは確認されているが、2連微弱光パルスの位相変調を行うためにパルス的位相変調を行う必要があり、装置が煩雑になる。例えば、非対称マッハツェンダー干渉系の長短尺光路差は典型的には5ナノ秒程度であり、2連微弱光パルスの一方のパルスに選択的に位相変調を与えるためには、1ナノ秒オーダのパルス的変調装置が必要になる。
このため、パルス変調を光パルスの通過に同期して与えるための高精度な信号同期システムも必要で、その調整作業は容易とは言えない。また、挿入する位相変調器の光学損失を考えると、位相変調器を不要にすること、或いは、少なくすることが望ましい。
この問題は、非特許文献5〜6に示されたように、2つの非対称マッハツェンダー干渉系をPLCで構成することにより回避できるが、信号変調のためにパルス的位相変調とその高精度同期信号系が必要になり装置とその調整が複雑化する。すなわち、どちらの実装方法を選んでも、装置の複雑化を避けることが困難であった。
本発明は上記従来技術の抱える問題点を鑑みてなされたものであり、その目的は正規利用者の持つべき装置が従来技術より簡単な装置構成で済む、量子暗号装置を提供することにある。
第二の本発明の量子暗号装置は、量子ビットの情報担体となる光子を発生する微弱コヒーレント光源と、平面光回路により構成された2つ以上の非対称マッハツェンダー干渉系と、偏波ビームスプリッターまたは偏波面を切り替える偏波スイッチと、光伝送路上の偏波面を攪乱する偏波面スクランブラーまたは偏光子と、該光子を伝送する光伝送路と、光子検出器と、送信者の送付データと受信者の観測データを記録する装置と、正規利用者間で古典的な通信を行うための古典通信路を有することを特徴とする。
本発明の量子暗号装置においては、PLCで構成した非対称マッハツェンダー干渉系を利用することによって、非対称マッハツェンダー干渉系の光路長の相対差を維持するアクティブな制御装置を排除すると同時に、高速かつ高精度の信号変調装置を排除することを特徴としている。
本発明の第一の発明においては、PLCにより構成された非対称マッハツェンダー干渉系を3つ以上用いることにより、送信者あるいは受信者あるいは両者の信号変調装置を排除する。
本発明の第二の発明においては、PLCにより構成された非対称マッハツェンダー干渉系と共に偏波ビームスプリッターまたは偏波面を90度切り替える偏波スイッチおよび偏波面スクランブラー又は偏光子を併用することにより、送信者あるいは受信者あるいは両者に必要とされていた高速・高精度の位相変調装置をより低速・低精度な偏波面変調器に置き換える。
図2は本発明の第二の実施例に係る量子暗号装置を示す構成図である。
図3は本発明の第三の実施例に係る量子暗号装置を示す構成図である。
図4は本発明の第四の実施例に係る量子暗号装置を示す構成図である。
図5は従来の量子暗号装置の一例を示す構成図である。
図6は従来の量子暗号装置の他の例を示す構成図である。
以下、図を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。以下の実施例では、装置の簡単化および製造コストの低減を念頭において、ほぼ同一の構成からなる装置を送受信者で共用可能な、送受信者で対称的な構成の量子暗号装置を説明するが、本発明はそのような構成上の制約をうけることは一切ない。以下に示す4つの実施例の任意の送信装置と任意の受信装置を組み合わせた量子暗号装置を実施することも同様に可能であることは言うまでもない。
図1は本発明の第一の実施例に係る量子暗号装置の構成図である。送信装置は量子ビットの情報担体となる光子を発生する4組の微弱レーザ光源からなる光源部(11)と、2組のPLCにより構成された非対称マッハツェンダー干渉系からなる干渉部(12)を備え、他方、受信装置は2組のPLCにより構成された非対称マッハェンダー干渉系からなる干渉部(12)と、4組の光子検出器(D00、D01、D10、D11)からなる検出部(13)により構成されている。また、送信装置と受信装置は微弱光を伝送する光伝送路(14)により接続されている。即ち、図1に示された量子暗号装置は、送信側に4つの微弱レーザ光源を備えると共に、送受信側に2組ずつ、合計4組のマッハツェンダー干渉系を設け、これによって、位相変調器を不要にした構成を特徴とする。
図2は本発明の第二の実施例に係る量子暗号装置の構成図である。送信装置は量子ビットの情報担体となる光子を発生する4組の微弱レーザ光源からなる光源部(21)、2組の偏波ビームスプリッターからなる偏波部(22)、PLCにより構成された非対称マッハツェンダー干渉系からなる干渉部(23)、偏波面を攪乱する偏波面スクランブラー(24)により構成されている。
一方、受信装置は、PLCにより構成された単一の非対称マッハツェンダー干渉系からなる干渉部(23)、2組の偏波ビームスプリッターからなる偏波部(22)、4組の光子検出器からなる検出部(25)により構成され、送信装置と受信装置は微弱光を伝送する光伝送路(26)により接続されている。図からも明らかな通り、第二の実施例は、送信装置側及び受信装置側において併せて2つの非対称マッハツェンダー干渉系を備えると共に、送信装置側及び受信装置側に、それぞれ2組の偏波ビームスプリッターを有する偏波部(22)を有しており、位相変調器を排除していることを特徴としている。
図3は本発明の第三の実施例に係る量子暗号装置の構成図である。送信装置は量子ビットの情報担体となる光子を発生する2組の微弱レーザ光源からなる光源部(31)、2組の偏波面スイッチからなるスイッチ部(32)、PLCにより構成された単一の非対称マッハツェンダー干渉系からなる干渉部(33)、偏波面を攪乱する偏波面スクランブラー(34)により構成されている。
他方、受信装置は、PLCにより構成された単一の非対称マッハツェンダー干渉系からなる干渉部(33)、2組の偏波面スイッチからなるスイッチ部(32)、2組の光子検出器からなる光子検出部(35)により構成されている。送信装置と受信装置は微弱光を伝送する光伝送路(36)により接続されている。図3からも明らかな通り、第三の実施例は、送信装置側及び受信装置側において併せて2つの非対称マッハツェンダー干渉系を備えると共に、送信装置側及び受信装置側に、それぞれ2組の偏波面スイッチからなるスイッチ部(32)を有しており、位相変調器を排除していることを特徴としている。
図4は本発明の第四の実施例に係る量子暗号装置の構成図である。送信装置は量子ビットの情報担体となる光子を発生する2組の微弱レーザ光源からなる光源部(41)、2組の偏波コントローラからなる偏波制御部(42)、PLCにより構成された単一の非対称マッハツェンダー干渉系からなる干渉部(43)、単一の偏波面スイッチからなるスイッチ部(44)、及び偏波面を攪乱する偏波面スクランブラー(45)により構成されている。
受信装置は、単一の偏波面スイッチからなるスイッチ部(44)、PLCにより構成された単一の非対称マッハツェンダー干渉系からなる干渉部(43)、2組の光子検出器からなる検出部(46)により構成されている。送信装置及び受信装置は微弱光を伝送する光伝送路(47)により接続されている。図4に示された例では、送信装置側及び受信装置側において併せて2つのPLCにより構成された非対称マッハツェンダー干渉系(43)が、偏波面スイッチ(44)及び偏波面スクランブラー(45)と共に設けられ、これによって、位相変調器を不要にしている。
図1〜4には示されていないが、送受信者の記録装置はパーソナルコンピュータによって構成することができ、且つ、量子暗号鍵を配布した後、通常のインターネット等の古典通信路を介して、通信が行われる。
以下、図を参照しながら本発明の4つの実施例の動作について順次説明する。
図1に示した本発明の第一の実施例において、正規送信者は同一波長λのコヒーレント光を発生する4組の微弱レーザ光源によって構成される光源部(11)からランダムに光源を選び、選ばれた光源から微弱な短光パルスを出射する。各非対称マッハツェンダー干渉系の2つの入力ポートに短光パルスを入射すると、入力ポートの選択に従ってπだけ相対位相の異なるコヒーレントな2連微弱光パルス(相対位相が明確に定義された2つの光パルス)を出力ポート上に準備することができる。
ここで、mを整数、nをPLC導波路の実効屈折率として、長短尺光路差が(m+1/2)λ/2nだけ異なる2組の干渉系からなる干渉部(12)が設けられているものとする。即ち、干渉部(12)を構成する一方の干渉系の長短尺光路差をL1、他方の干渉系の長短尺光路差をL2とすれば、L1―L2=(m+1/2)λ/2nであるものとする。2組の干渉系(12)の出力ポートを光カップラーで共通の光伝送路に結合する。
干渉部(12)を構成する2組の干渉系は、それぞれ、入力ポートの選択に従って0基底系:{0、π}およびπ/2基底系:{π/2、3π/2}の互いに共役な基底系に属する2連微弱光パルスを光伝送路上に準備できる。従って、微弱レーザ光源(11)をランダムに選択することにより、非直交4状態を用いる量子暗号に必要となる、相対位相が{0、π/2、π、3π/2}オフセットした4種のコヒーレント2連微弱光パルス(15)をランダムに光伝送路上に準備することが出来る。
一方、受信装置は送信装置と同様の長短尺光路差を有する2組のPLCにより構成された非対称マッハツェンダー干渉系からなる干渉部(12)を持ち、その入力ポートは光カップラーで微弱光を伝送する光伝送路(14)に結合されている。それぞれの干渉系からの3連微弱光パルス出力(16)の中央のパルスに含まれる到着光子の有無が4組の光子検出器(13)で検出される。
このとき、光源部(11)における微弱レーザ光源(LD00〜LD11)の選択が{LD00またはLD01}であり、かつ、検出部13における光子検出器(D00〜D11)の光子検出が{D00またはD01}である場合(全事象の1/4)、および、光源部(11)における微弱レーザ光源(LD00〜LD11)の選択が{LD10またはLD11}かつ光子検出器(13)の光子検出が{D10またはD11}である場合(全事象の1/4)に、光源選択と光子検出された検出器が完全相関するように、温度制御などの方法により干渉部(12)を制御することができる。
これ以外の光源選択と光子検出された検出器の組合せに関しては、両者の間には完全に相関がなく、秘密鍵生成には用いない。以上の動作は、非直交4状態を用いる量子暗号装置の必要十分条件を満たしており、提案されたプロトコルに従えば無条件安全な秘密鍵を送受信者間で共有することが可能である。
この装置構成によると、従来技術のように2連微弱光パルスのひとつのパルスを選択的に変調するような高速な信号変調器は一切不要で、光源部11を構成する微弱レーザ光源(11)を単に選択して駆動するだけでよく、量子暗号装置を簡便に構成できる。干渉部(12)の精密制御が必要になるが、これはPLC技術を利用することにより容易に解決できる。光子検出器が2倍に増えるため、暗計数による雑音は2倍に増えるが、位相変調器が不要であるためその光学損失の排除によりほぼキャンセルできる。
次に、図2に示した第二の本発明の第一の実施例について説明する。正規送信者は同一波長λのコヒーレント光を発生する4組の微弱レーザ光源(LD00〜LD11)からなる光源部(21)から、ランダムに光源を選び、選ばれた光源から微弱な短光パルスを出射する。光源部(21)を構成する4組の微弱レーザ光源LD00およびLD01、LD10およびLD11は互いに直交する直線偏波微弱パルス光を発生する。ここでは、微弱レーザ光源LD00およびLD10はTE偏波を発生し、他方、微弱レーザ光源LD01およびLD11はTM偏波を発生しているものとする。
4組の微弱レーザ光源LD00、およびLD10、LD01およびLD11で発生された微弱パルス光は、偏波部(22)を構成する2組の偏波ビームスプリッターを介して、単一のPLCにより構成された非対称マッハツェンダー干渉系の2つの入力ポートに入射される。
具体的に言えば、光源部(21)の微弱レーザ光源LD00およびLD10から出射された短パルス光(TE偏波)は、干渉部(23)を構成する基板面に平行な偏波面を有し、他方、微弱レーザ光源LD01およびLD11から出射された短パルス光(TM偏波)は、干渉系(23)の基板面に垂直な偏波面を有している。図示された干渉部(23)は、シリカ導波路の複屈折特性を利用して、TE偏波光とTM偏波光に対して長短尺光路差が(m+1/2)λ/2n異なるように、荒い温度調整によって制御される。これにより、干渉部(23)の入力パルス光の偏波面を選択することによって、準備する2連微弱光パルスの属する基底系を相対位相0基底系:{0、π}およびπ/2基底系:{π/2、3π/2}から自由に選択することができる。
同時に、入力ポートの選択によって出力2連微弱光パルスの相対位相を{0、π}から選択して制御することができる。2連微弱光パルスは、偏波面スクランブラー(24)を通過することによって2連微弱光パルスの偏波面と選択基底の間の相関を消去した後に微弱光を伝送する光伝送路(26)に出力される。以上の装置構成により、光源部(21)を構成する微弱レーザ光源(LD00〜LD11)をランダムに選択することにより、非直交4状態を用いる量子暗号に必要となる、相対位相が{0、π/2、π、3π/2}オフセットした4種のコヒーレント2連微弱光パルス(27)をランダムに光伝送路上に準備することが出来る。
一方、受信装置は送信装置と同様の長短尺光路差を有するPLCにより構成された単一の非対称マッハツェンダー干渉系からなる干渉部(23)を持ち、その入力ポートの1つは微弱光を伝送する光伝送路(26)に結合されている。出力ポート下流に接続された偏波部(22)を構成する2つの偏波ビームスプリッターにより、干渉部(23)のTE偏波光は検出部(25)の光子検出器D00およびD10に、TM偏波光は光子検出器D01およびD11に導かれる。
偏波部(22)の偏波ビームスプリッターの3連微弱光パルス出力(28)の中央のパルスに含まれる到着光子の有無が4組の光子検出器(D00〜D11)で検出される。受信側の干渉部(23)を構成する単一の非対称マッハツェンダー干渉系は送信側と同様に、その長短尺光路差がTE/TM偏波面選択によって(m+1/2)λ/2n異なるように、荒い温度調整によって制御されている。このとき、光源(21)の選択が微弱レーザ光源{LD00またはLD01}であり、かつ、検出部(25)の光子検出が光子検出器{D00またはD01}である場合(全事象の1/4)、および光源(21)の選択が微弱レーザ光源{LD10またはLD11}かつ検出部(25)の光子検出が光子検出器{D10またはD11}である場合(全事象の1/4)に光源選択と光子検出された検出器が完全相関するように、微少な温度制御により干渉系(23)を制御することができる。これ以外の光源選択と光子検出された検出器の組合せに関しては、両者の間には完全に相関がなく、秘密鍵生成には用いない。
以上の動作は、非直交4状態を用いる量子暗号装置の必要十分条件を満たしており、提案されたプロトコルに従えば無条件安全な秘密鍵を送受信者間で共有することが可能である。
この装置構成によると、従来技術のように2連微弱光パルスのひとつのパルスを選択的に変調するような高速な信号変調器は一切不要で、単に微弱レーザ光源(11)を選択して駆動するだけでよく、量子暗号装置を簡便に構成できる。先述の実施例に比べて干渉部(23)を構成する非対称マッハツェンダー干渉系の個数を減らすことができるが、偏波ビームスプリッター(22)による光学損失が増加する。また、光子検出器数が2倍に増えるため、暗計数による雑音は2倍に増える。
次に、図3に示した実施例について説明する。正規送信者は、同一波長λのコヒーレント光を発生する光源部(31)の2組の微弱レーザ光源からランダムに光源を選び、選ばれた光源から微弱な短光パルスを出射する。光源部(31)を構成する微弱レーザ光源は、明確に偏波が定義された直線偏波微弱パルス光を発生し、その偏波面は偏波部32を構成する2組の偏波スイッチにより、干渉部(33)によって定義されるTEおよびTM偏波に切り替えることができる。偏波部(32)を構成する偏波スイッチは、偏波変調器及び偏光子によって構成することができる。その出力光は単一のPLCにより構成された単一の非対称マッハツェンダー干渉系からなる干渉部(33)の2つの入力ポートに入射される。
干渉部(33)を構成する非対称マッハツェンダー干渉系は、TE偏波光とTM偏波光に対して長短尺光路差が(m+1/2)λ/2n異なるように、荒い温度調整によって制御される。これにより、非対称マッハツェンダー干渉系の入力パルス光の偏波面を、偏波部(32)を構成する偏波スイッチ(POLSW)で選択することによって、準備する2連微弱光パルスの属する基底系を相対位相0基底系:{0、π}およびπ/2基底系:{π/2、3π/2}から自由に選択することができる。同時に、入力ポートの選択によって出力2連微弱光パルスの相対位相を{0、π}から選択して制御することができる。2連微弱光パルスは、偏波面スクランブラー(34)を通過することによって2連微弱光パルスの偏波面と選択基底の間の相関を消去した後に微弱光を伝送する光伝送路(36)に出力される。
以上の装置構成により、微弱レーザ光源および偏波スイッチの動作をランダムに選択することにより、非直交4状態を用いる量子暗号に必要となる、相対位相が{0、π/2、π、3π/2}オフセットした4種のコヒーレント2連微弱光パルス(15)をランダムに光伝送路上に準備することが出来る。
一方、受信装置は送信装置と同様の長短尺光路差を有するPLCにより構成された非対称マッハツェンダー干渉系からなる干渉部(33)を持ち、その入力ポートの一方は微弱光を伝送する光伝送路(36)に結合されている。出力ポート下流に接続された偏波部(32)を構成する偏波スイッチにより、干渉部(33)の出力光のTE偏波成分又はTM偏波成分が選択され、検出部35の光子検出器D0、D1に導かれる。受信装置の偏波スイッチ(POLSW)の3連パルス出力(38)の中央のパルスに含まれる到着光子の有無が検出部35の2組の光子検出器で検出される。受信装置の干渉部(33)は送信側と同様に、その長短尺光路差がTE/TM偏波面選択によって(m+1/2)λ/2n異なるように、荒い温度調整によって制御されている。
このとき、送受信装置における偏波部(32)を構成する偏波スイッチの選択が同一偏波の場合(全事象の1/2)に光源選択と光子検出された検出器が完全相関するように、微少な温度制御により干渉部(33)を制御することができる。一方、送受信装置における偏波部(32)の偏波スイッチの選択が異なる偏波の場合(全事象の1/2)は、光源選択と光子検出された検出器の間には完全に相関がなく、秘密鍵生成には用いない。
以上の動作は、非直交4状態を用いる量子暗号装置の必要十分条件を満たしており、提案されたプロトコルに従えば無条件安全な秘密鍵を送受信者間で共有することが可能である。
この装置構成によると、従来技術のように、2連微弱光パルスのひとつのパルスを選択的に変調するような高速な信号変調器は不要で、2つの微弱レーザ光源からの偏波面を、システム繰り返し周期で動作可能な低速の2組の偏波スイッチで選択するだけでよい。この実施例では、干渉部(33)を構成する非対称マッハツェンダー干渉系の個数は2個で済むが、偏波部(32)を構成する偏波スイッチによる光学損失が増加する。しかし、この実施例では、光子検出器が2個で済むため、暗計数による雑音増加はない。
最後に、図4に示した実施例について説明する。正規送信者は同一波長λのコヒーレント光を発生する光源部(41)の2組の微弱レーザ光源から、ランダムに光源を選び、選ばれた光源から微弱な短光パルスを出射する。光パルスは偏波制御部(42)を構成する偏波コントローラによって、干渉部(43)の非対称マッハツェンダー干渉系によって定義されるTEおよびTM偏波の等重率の重ね合わせ状態、例えば、円偏光に変換される。
制御部(42)の出力光は、単一のPLCにより構成された非対称マッハツェンダー干渉系からなる干渉部(43)の2つの入力ポートに入射される。干渉部(43)は、TE偏波光とTM偏波光に対して長短尺光路差が(m+1/2)λ/2n異なるように、荒い温度調整によって制御される。その出力光のTEまたはTM偏波成分が偏波部(44)の偏波スイッチにより選択され、偏波面スクランブラー(45)を通過することによって2連微弱光パルスの偏波面と選択基底の間の相関を消去した後に微弱光を伝送する光伝送路(47)に出力される。以上の装置構成により、干渉部(43)の出力パルス光の偏波面を偏波スイッチで選択することによって、準備する2連微弱光パルスの属する基底系を相対位相0基底系:{0、π}およびπ/2基底系:{π/2、3π/2}から自由に選択することができる。同時に、入力ポートの選択によって出力2連微弱光パルスの相対位相を{0、π}から選択して制御することができる。従って、光源部(41)の微弱レーザ光源(LD0、LD1)および偏波部(44)の偏波スイッチの動作をランダムに選択することにより、非直交4状態を用いる量子暗号に必要となる、相対位相が{0、π/2、π、3π/2}オフセットした4種のコヒーレント2連微弱光パルス(48)をランダムに光伝送路(47)上に準備することが出来る。
一方、受信装置は送信装置と同様の長短尺光路差を有するPLCにより構成された非対称マッハツェンダー干渉系からなる干渉部(43)を持ち、その入力ポートは干渉部(43)によって定義されるTEおよびTM偏波成分を選択して透過する偏波スイッチ(44)を介して微弱光を伝送する光伝送路(47)に結合されている。2連微弱光パルス(48)のTEまたはTM偏波成分が偏波スイッチ(44)により選択され、送信装置と同様に長短尺光路差がTE/TM偏波面選択によって(m+1/2)λ/2n異なるように、荒い温度調整によって制御されている干渉部(43)を構成する単一の非対称マッハツェンダー干渉系に入射する。干渉部(43)の出力光のTE偏波成分又はTM偏波成分は検出部(46)の光子検出器(D0、D1)に導かれ、その3連パルス出力(49)の中央のパルスに含まれる到着光子の有無が検出部(46)の2組の光子検出器(D0、D1)で検出される。
このとき、送受信装置の偏波部(44)における偏波スイッチ(POLSW)の選択が同一偏波の場合(全事象の1/2)に光源選択と光子検出された検出器が完全相関するように、微少な温度制御により干渉部(43)を制御することができる。
送受信装置の偏波部(44)の偏波スイッチ(POLSW)の選択が異なる偏波の場合(全事象の1/2)は、光源選択と光子検出された検出器の間には完全に相関がなく、秘密鍵生成には用いない。
以上の動作は、非直交4状態を用いる量子暗号装置の必要十分条件を満たしており、提案されたプロトコルに従えば無条件安全な秘密鍵を送受信者間で共有することが可能である。
この装置構成によると、従来技術のように2連微弱光パルスのひとつのパルスを選択的に変調するような高速な信号変調器は不要で、光源部(41)の微弱レーザ光源の偏波面をシステム繰り返し周期で動作可能な低速の偏波スイッチ(44)で選択するだけでよい。干渉部(43)の個数は2個で済むが、偏波部(44)の偏波スイッチ(POLSW)による光学損失が増加する。この実施例では、光子検出器(D0、D1)が2個で済むため、暗計数による雑音増加はない。
尚、第一〜第四の実施例に係る送信装置をそれぞれ第一〜第四の実施例に係る受信装置と組み合わせて用いる場合について説明したが、第一〜第四の実施例に係る送信装置は他の実施例に係る受信装置と組み合わせて使用することができる。
以上の本発明の共通の特徴は、従来技術のように高速な信号変調器は不要か、あるいはシステム繰り返し周期で動作可能な低速の信号変調で済むことにあり、PLCで構成した非対称マッハツェンダー干渉系の適用と相まって、正規利用者の持つべき装置の構造が簡単化でき、その取扱いを容易化できる。従って、非特許文献1〜6に開示された量子暗号装置に比べて、正規利用者の装置および装置運用のための経済的および技術的負担を大幅に軽減することができる。
本発明に係る量子暗号装置は、簡単な装置構成で長距離に亘って暗号鍵を配布することができ、セキュリティの高い通信システムに資するところ大である。
Claims (15)
- 量子ビットの情報担体となる光子を送信する送信側と、当該送信側と光伝送路を介して接続され、前記光子を受信する受信側とを備えた量子暗号装置において、前記送信側と前記受信側には、平面光回路(PLC)により構成された3つ以上の非対称マッハツェンダー干渉系が設けられており、これによって前記送信側及び受信側の双方の位相変調器を不要としたことを特徴とする量子暗号装置。
- 請求項1において、前記送信側は、同一波長のコヒーレントパルス光を発生する4組の微弱レーザ光源と、前記PLCによって構成された2組の非対称マッハツェンダー干渉系とを有し、当該2組の非対称マッハツェンダー干渉系は互いに異なる長短尺光路差を備えていることを特徴とする量子暗号装置。
- 請求項2において、前記PLCによって構成された2組の非対称マッハツェンダー干渉系の長短尺光路差をそれぞれL1およびL2とするとき、L1−L2=(m+1/2)λ/2n(但し、mは整数、nは各非対称マッハツェンダー干渉系を構成する導波路の実行屈折率、λは前記コヒーレント光の波長)で表されることを特徴とする量子暗号装置。
- 請求項3において、前記4組の微弱レーザ光源のコヒーレント光は、ランダムに選択されて、前記PLCによって構成された2組の非対称マッハツェンダー干渉系に入力され、前記光伝送路上には、非直交4状態を有する2連微弱光パルスが送信されることを特徴とする量子暗号装置。
- 請求項1〜4のいずれかにおいて、前記受信側は、前記PLCによって構成された2組の非対称マッハツェンダー干渉系と、4組の光子検出器とを有していることを特徴とする量子暗号装置。
- 請求項1〜4のいずれかにおいて、前記受信側は、前記PLCによって構成され、前記光伝送路に接続された単一の非対称マッハツェンダー干渉系と、当該単一の非対称マッハツェンダー干渉系の2つの出力ポートに接続された2つの偏波ビームスプリッターと、4組の光子検出器とを有することを特徴とする量子暗号装置。
- 請求項1〜4のいずれかにおいて、前記受信側は、前記PLCによって構成され、前記光伝送路に接続された単一の非対称マッハツェンダー干渉系と、当該単一の非対称マッハツェンダー干渉系の2つの出力ポートに接続され、出力光のTE及びTM偏波成分を選択する2つの偏波スイッチと、2組の光子検出器とを有することを特徴とする量子暗号装置。
- 請求項1〜4のいずれかにおいて、前記受信側は、前記光伝送路に接続され、前記光伝送路上の光パルスのTEまたはTM偏波成分を選択する偏波スイッチと、前記PLCによって構成され、前記偏波スイッチに接続された単一の非対称マッハツェンダー干渉系と、2組の光子検出器とを有することを特徴とする量子暗号装置。
- 量子ビットの情報担体となる光子を送信する送信側と、当該送信側と光伝送路を介して接続され、前記光子を2連微弱光パルスとして受信する受信側とを備えた量子暗号装置において、前記送信側と前記受信側には、平面光回路(PLC)により構成された2つ以上の非対称マッハツェンダー干渉系と、偏波ビームスプリッターまたは偏波面を切り替える偏波スイッチとが設けられており、これによって、前記送信側及び受信側の双方の位相変調器を不要としたことを特徴とする量子暗号装置。
- 請求項9において、前記送信側は、互いに直交する同一波長の直線偏波コヒーレントパルス光を発生する2組(計4つ)の微弱レーザ光源と、前記2組の光源から出力された直線偏波微弱パルスの偏波面を選択する2つの偏波ビームスプリッターと、PLCによって構成され、前記2つの偏波ビームスプリッターと接続された単一の非対称マッハツェンダー干渉系とを含むことを特徴とする量子暗号装置。
- 請求項9において、前記送信側は、同一波長のコヒーレント光を発生する2組の微弱レーザ光源と、前記2組の光源にそれぞれ接続され、互いに異なる偏波光を選択する2組の偏波スイッチと、前記PLCによって構成され、前記2組の偏波スイッチに接続された単一の非対称マッハツェンダー干渉系とを有することを特徴とする量子暗号装置。
- 請求項9又は11において、前記送信側は、前記単一の非対称マッハツェンダー干渉系の単一の出力ポートと前記光伝送路との間に接続された偏波スクランブラーを有していることを特徴とする量子暗号装置。
- 請求項9において、前記送信側は、同一波長のコヒーレント光を発生する2組の微弱レーザ光源と、前記2組の光源からのコヒーレント光を選択し、選択されたコヒーレント光の偏波面を円偏光に変換する偏波コントローラと、前記PLCによって構成され、前記偏波コントローラに接続された単一の非対称マッハツェンダー干渉系と、前記単一の非対称マッハツェンダー干渉系及び前記光伝送路に接続された偏波スイッチとを有することを特徴とする量子暗号装置。
- 請求項13において、前記送信側は、前記偏波スイッチと前記光伝送路との間に接続された偏波スクランブラーを有していることを特徴とする量子暗号装置。
- 請求項9〜14のいずれかにおいて、前記受信側は、PLCによって構成された単一の非対称マッハツェンダー干渉系を含んでいることを特徴とする量子暗号装置。
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