JP5040836B2 - ギヤポンプ及びその製造方法 - Google Patents
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Description
本発明は、ポンプ室を形成する内周面の面粗さの悪化を回避することを目的とする。
請求項2の発明では、外周に歯を有する一対のギヤが互いに噛み合った状態でロータハウジング内のポンプ室に収容されており、前記一対のギヤが駆動軸の回転に基づいてポンプ室で回転され、前記一対のギヤの回転動作によって、前記ポンプ室に流体が吸入され、前記ポンプ室から流体が吐出されるギヤポンプであって、前記ギヤと前記ロータハウジングとは同種系の金属で形成されるとともに、前記歯の頂部の表面にダイヤモンド・ライク・カーボンのコーティング層が設けられたギヤポンプの製造方法において、前記歯の頂部と、前記ポンプ室を形成する前記ロータハウジングの内周面との間のクリアランスを小さくすべく、慣らし運転時において前記歯の頂部の表面に設けられた前記コーティング層によって前記ポンプ室を形成する前記ロータハウジングの内周面を切削する。
図1に示すように、鉄系の材質(例えば鋳鉄)で形成されているロータハウジング11の一端にはフロントカバー12が連結されており、ロータハウジング11の他端にはリヤカバー13が連結されている。ギヤポンプ10を構成するロータハウジング11、フロントカバー12及びリヤカバー13は、ネジ30によって共締めされている。フロントカバー12とリヤカバー13とには駆動軸14がプレーンベアリング15,16を介して回転可能に支持されている。駆動軸14は、ロータハウジング11内のポンプ室111を挿通されており、ポンプ室111内の駆動軸14には駆動ギヤ17が一体形成されている。
(1)DLCは、硬度が大きく、且つ摺動性に優れている。このような材質のDLCのコーティング層24,25によって内周面114,115を切削すれば、ポンプ室111を形成する内周面114,115の面粗さの悪化を回避することができる。
(3)同種系の金属同士の摺接による凝着を回避しようとするには、慣らし運転時に低速回転で吐出圧力を徐々に高めてゆくといった対処もあるが、慣らし運転に時間が掛かる。
DLCは、同種系の金属からなるギヤ17,21とロータハウジング11との摺接を阻止して凝着を防止する。
駆動ギヤ17を一体形成した駆動軸14の全表面は、ニッケル−リンメッキ(以下においてはNi−Pメッキと記すこともある)のコーティング層26と、コーティング層26の全表面に形成されたDLCのコーティング層27とによって被覆されている。被動ギヤ21を一体形成した被動軸18の全表面は、Ni−Pメッキのコーティング層28と、コーティング層28の全表面に形成されたDLCのコーティング層29とによって被覆されている。Ni−Pメッキであるコーティング層26,28は、無電解メッキで形成されている。
(4)駆動軸14及び被動軸18の母材(地金)の硬度と、DLCの硬度との差が大きい場合、駆動ギヤ17及び被動ギヤ21の表面に高硬度のDLCを直接設けた場合には、駆動ギヤ17及び被動ギヤ21の母材の硬度とDLCの硬度との大きな差がDLCの剥離を招くおそれがある。
○駆動ギヤ17の歯170の頂部171にのみDLCのコーティング層を設けてもよく、被動ギヤ21の歯210の頂部211にのみDLCのコーティング層を設けてもよい。
○駆動軸14及び被動軸18の材質には、鉄系以外の材質(例えばアルミニウム系等)を用いてもよい。
〔1〕前記ダイヤモンド・ライク・カーボンよりも硬度が低いメッキが前記歯の頂部の表面と前記コーティング層との間に設けられている。
〔2〕前記〔1〕項のメッキは、ニッケル系メッキ(Ni−P・メッキ等)である。
〔3〕前記一対のギヤの一方は、駆動軸に一体形成されており、前記一対のギヤの他方は、被動軸に一体形成されており、前記一方のギヤ(駆動ギヤ)を含む駆動軸の全表面にダイヤモンド・ライク・カーボンのコーティング層が設けられており、前記他方のギヤ(被動ギヤ)を含む被動軸の全表面にダイヤモンド・ライク・カーボンのコーティング層が設けられている。
Claims (2)
- 外周に歯を有する一対のギヤが互いに噛み合った状態でロータハウジング内のポンプ室に収容されており、前記一対のギヤが駆動軸の回転に基づいてポンプ室で回転され、前記一対のギヤの回転動作によって、前記ポンプ室に流体が吸入され、前記ポンプ室から流体が吐出されるギヤポンプにおいて、
前記ギヤと前記ロータハウジングとは同種系の金属で形成されるとともに、前記歯の頂部の表面にダイヤモンド・ライク・カーボンのコーティング層が設けられており、
前記歯の頂部と、前記ポンプ室を形成する前記ロータハウジングの内周面との間のクリアランスを小さくすべく、慣らし運転時において前記歯の頂部の表面に設けられた前記コーティング層によって前記ポンプ室を形成する前記ロータハウジングの内周面が切削されてなるギヤポンプ。 - 外周に歯を有する一対のギヤが互いに噛み合った状態でロータハウジング内のポンプ室に収容されており、前記一対のギヤが駆動軸の回転に基づいてポンプ室で回転され、前記一対のギヤの回転動作によって、前記ポンプ室に流体が吸入され、前記ポンプ室から流体が吐出されるギヤポンプであって、前記ギヤと前記ロータハウジングとは同種系の金属で形成されるとともに、前記歯の頂部の表面にダイヤモンド・ライク・カーボンのコーティング層が設けられたギヤポンプの製造方法において、
前記歯の頂部と、前記ポンプ室を形成する前記ロータハウジングの内周面との間のクリアランスを小さくすべく、慣らし運転時において前記歯の頂部の表面に設けられた前記コーティング層によって前記ポンプ室を形成する前記ロータハウジングの内周面を切削するギヤポンプの製造方法。
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