JP2005105955A - ギヤポンプロータ - Google Patents
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Abstract
【課題】 ポンプの耐久性を確実に向上させることができるギヤポンプロータを提供することにある。
【解決手段】 ケーシング30内に収納され、互いが噛み合って回転することにより、流体をケーシング30内に吸入,吐出する構成とされたギヤポンプロータ10,20であって、ビッカース硬さHvが600以上とされるとともに、少なくとも両端面10a,20aは表面粗さが1.6z以下とされている。
【選択図】 図1
【解決手段】 ケーシング30内に収納され、互いが噛み合って回転することにより、流体をケーシング30内に吸入,吐出する構成とされたギヤポンプロータ10,20であって、ビッカース硬さHvが600以上とされるとともに、少なくとも両端面10a,20aは表面粗さが1.6z以下とされている。
【選択図】 図1
Description
本発明は、ケーシング内に収納され、互いが噛み合って回転することにより、流体を前記ケーシング内に吸入,吐出する構成とされたギヤポンプロータに関するものである。
この種のギヤポンプロータを備えたギヤポンプは、従来から、自動車の潤滑油用ポンプ,自動変速機用ポンプ,および燃料搬送用のポンプなどとして広範囲に使用されている。このようなギヤポンプとしては、一対のギヤポンプロータが外接した構成の外接型ギヤポンプと、内接した構成の内接型ギヤポンプとが知られている。後者の内接型ギヤポンプは、外歯が形成されたインナーロータと、この外歯に噛み合う内歯が形成されたアウターロータと、流体が吸入される吸入ポートおよび流体が吐出される吐出ポートが形成されたケーシングとを備えており、インナーロータを回転させることによって外歯が内歯に噛み合ってアウターロータを回転させ、両ロータ間に形成される複数のセルの容積変化によって流体を吸入、吐出するようになっている。
ここで、流体に水分やアルコール分が含有されている場合には、これらの両ロータ表面に錆びが発生し易く、これにより、両ロータに焼付けが発生し易いので、このような不具合の発生を抑制するために、インナーロータおよびアウターロータは、一般に、鉄系の焼結合金により形成され、この表面にNiめっき層が形成されている。
また、前記両ロータは、一般に、高硬度化が図られており長期にわたる使用によっても各摺動部分に損傷が発生することを抑制し、両ロータ間に形成されるセルの液密性を長期にわたって維持することができるようになっている。
また、前記両ロータは、一般に、高硬度化が図られており長期にわたる使用によっても各摺動部分に損傷が発生することを抑制し、両ロータ間に形成されるセルの液密性を長期にわたって維持することができるようになっている。
このようなギヤポンプロータの製造方法として、次の2つの方法が知られている。
1つ目は、鉄系の焼結合金部品を形成した後に、この部品に研削加工を施し、その後、スチーム処理を施して焼結合金部品の表面に四三酸化鉄Fe3O4からなる酸化被膜を形成する。その後、ショットピーニングを施し、被膜形成時にこの膜表面に付着したスケールを除去した後に、無電解Niめっきを施し、前記酸化被膜表面にNiめっき層を形成し、前記各ロータを形成する。
2つ目は、鉄系の焼結合金部品を形成した後に、この部品表面を脱脂し、その後、バレル研磨を施した後に、スチーム処理、および無電解Niめっきをこの順に施し、前記各ロータを形成する。
特開平8−144964号公報
1つ目は、鉄系の焼結合金部品を形成した後に、この部品に研削加工を施し、その後、スチーム処理を施して焼結合金部品の表面に四三酸化鉄Fe3O4からなる酸化被膜を形成する。その後、ショットピーニングを施し、被膜形成時にこの膜表面に付着したスケールを除去した後に、無電解Niめっきを施し、前記酸化被膜表面にNiめっき層を形成し、前記各ロータを形成する。
2つ目は、鉄系の焼結合金部品を形成した後に、この部品表面を脱脂し、その後、バレル研磨を施した後に、スチーム処理、および無電解Niめっきをこの順に施し、前記各ロータを形成する。
ところがこのようなギヤポンプロータの製造方法では、このロータの表面粗さを小さくすることが困難であり、従来のギヤポンプロータでは、ポンプを駆動するモータの消費電流値を低減させること、および前記両ロータがケーシングと当接する両端面などに発生する摩擦力を低減させることが困難であるという問題があった。したがって、前記両ロータ表面に形成されたNiメッキ層の剥離発生を長期間防止することができず、比較的短期間の使用で前記両ロータに錆びが発生し、ポンプの耐久性を向上させることが困難であるという問題があった。
本発明は、このような事情を考慮してなされたもので、ポンプの耐久性を向上させることができるとともに、このポンプを駆動するモータの消費電流値を低減させることができるギヤポンプロータを提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、この発明は以下の手段を提案している。
請求項1に係る発明は、ケーシング内に収納され、互いが噛み合って回転することにより、流体を前記ケーシング内に吸入,吐出する構成とされたギヤポンプロータであって、ビッカース硬さHvが600以上とされるとともに、少なくとも両端面は表面粗さが1.6z以下とされていることを特徴とする。
請求項1に係る発明は、ケーシング内に収納され、互いが噛み合って回転することにより、流体を前記ケーシング内に吸入,吐出する構成とされたギヤポンプロータであって、ビッカース硬さHvが600以上とされるとともに、少なくとも両端面は表面粗さが1.6z以下とされていることを特徴とする。
この発明に係るギヤポンプロータによれば、ビッカース硬さが前記範囲に設定されているので、高硬度化を図ることができ耐摩耗性の向上を図ることができる。また、このポンプロータの表面のうち、少なくとも両端面は表面粗さが前記範囲に設定されているので、このポンプロータが収納されるケーシングとの間に発生する摩擦力の低減を図ることができ、このポンプを駆動するモータの消費電流値を低減させることができるとともに、めっきの剥離発生を抑制することが可能になり、このポンプの機械効率の向上と、耐久性の向上とを図ることができる。
請求項2に係る発明は、請求項1記載のギヤポンプロータにおいて、鉄系の焼結合金からなる本体部にスチーム処理またはガス軟窒化処理が施された後に、バレル研磨が施され、ロックウェル硬さをHRB90以上とするとともに、少なくとも両端面の表面粗さを1.3z以下とし、その後、無電解Niめっきが施されて形成されたことを特徴とする。
この発明に係るギヤポンプロータによれば、スチーム処理またはガス軟窒化処理により前記本体部表面を高硬度とした後に、バレル研磨を施すので、この研磨後の表面粗さを小さくすることができ、形成するギヤポンプロータの表面のうち、少なくとも両端面の表面粗さを確実に小さくすることができる。
本発明に係るギヤポンプロータによれば、耐摩耗性の向上を図ることができ、また、このポンプロータが収納されるケーシングとの間に発生する摩擦力の低減を図ることができ、このポンプを駆動するモータの消費電流値を低減させることができるとともに、めっきの剥離発生を抑制することが可能になり、このポンプの機械効率の向上と、耐久性の向上とを図ることができる。
以下、本発明に係るギヤポンプロータの一実施形態を図1および図2を参照しながら説明する。
このギヤポンプロータとしての内接型ギヤポンプロータは、図1に示すように、n枚(nは自然数、本実施形態においてはn=10)の外歯11が形成されたインナーロータ10と、各外歯11と噛み合う(n+1)枚(本実施形態では11枚)の内歯21が形成されたアウターロータ20とを備え、この内接型ギヤポンプロータがケーシング30の内部に収納されてギヤポンプが構成されている。
このギヤポンプロータとしての内接型ギヤポンプロータは、図1に示すように、n枚(nは自然数、本実施形態においてはn=10)の外歯11が形成されたインナーロータ10と、各外歯11と噛み合う(n+1)枚(本実施形態では11枚)の内歯21が形成されたアウターロータ20とを備え、この内接型ギヤポンプロータがケーシング30の内部に収納されてギヤポンプが構成されている。
インナーロータ10、アウターロータ20の歯面間には、両ロータ10,20の回転方向に沿ってセルCが複数形成されている。各セルCは、両ロータ10,20の回転方向前側と後側で、インナーロータ10の外歯11とアウターロータ20の内歯21とがそれぞれ接触することによって個別に仕切られ、かつ両端面10a,20aをケーシング30によって仕切られており、これによって独立した流体搬送室を形成している。そして、セルCは両ロータ10、20の回転に伴って回転移動し、1回転を1周期として容積の増大、減少を繰り返すようになっている。
ケーシング30には容積が増大するときのセルCに連通する吸入ポートと、減少するときのセルCに連通する吐出ポートとが設けられており、吸入ポートからセルCに吸入された流体が両ロータ10,20の回転に伴い搬送されて吐出ポートから吐出されるようになっている。
ここで、各ロータ10,20の中心Oi,Ooを結ぶ直線上で正対するインナーロータ10の歯先部12先端と、アウターロータ20の歯先部22先端とのクリアランスをチップクリアランスと呼ぶ。このチップクリアランスの大きさtは、これらの中心Oi,Ooを通る直線上反対側で噛み合うインナーロータ10の歯先部12とアウターロータ20の歯溝部23とのクリアランスがゼロとなるように両ロータ10,20を配置したときの大きさとする。
ロータ駆動時においては、インナーロータ10の中心Oiおよびアウターロータ20の中心Ooは、この中心Oi,Ooを通る直線上2カ所で対向する各歯面間のクリアランスがそれぞれ均等のt/2となるように偏心して配置される。この中心Oi,Ooの偏心量をeとする。
ロータ駆動時においては、インナーロータ10の中心Oiおよびアウターロータ20の中心Ooは、この中心Oi,Ooを通る直線上2カ所で対向する各歯面間のクリアランスがそれぞれ均等のt/2となるように偏心して配置される。この中心Oi,Ooの偏心量をeとする。
インナーロータ10は、回転軸に取り付けられて中心Oiを中心として回転可能に支持されており、インナーロータ10の基礎円Diに外接して滑りなく転がる外転円Aiによって創成される外転サイクロイド曲線と、基礎円Diに内接して滑りなく転がる内転円Biによって創成される内転サイクロイド曲線とを基にして外歯11の歯形が形成されている。
アウターロータ20は、中心Ooをインナーロータ10の中心Oiに対して偏心(偏心量:e)させて配置され、ケーシング30内に中心Ooを中心として回転可能に支持されている。アウターロータ20の内歯21は、基礎円Doに外接して滑りなく転がる外転円Aoによって創成される外転サイクロイド曲線と、基礎円Doに内接して滑りなく転がる内転円Boによって創成される内転サイクロイド曲線とを基にして歯形が形成されている。
ここで、前記両ロータ10,20は、鉄系の焼結合金により形成され、これらの表面には、図2に示すように、四三酸化鉄Fe3O4からなる酸化被膜14またはFe2N,Fe3Nからなるε相を有する窒化被膜14と、無電解Niめっきにより形成されたNiめっき層15とがこの順に形成され、ケーシング30の表面のうち、前記両ロータ10,20との摺動面には、ポリテトラフルオロエチレン(商品名テフロン(登録商標))からなる図示しない被膜が形成されている。
前記両ロータ10,20表面に形成された酸化被膜14または窒化被膜14の厚さは、2μm以上8μm以下とされ、Niめっき層15の厚さは、約10μmとされている。
これらの両ロータ10,20はそれぞれ、JIS規格Z2244に規定された微小ビッカース硬さ試験方法により試験力0.49Nで測定した場合の硬さHv(0.49N)が600以上とされている。また、前記両ロータ10,20は、少なくとも両端面10a,20aの表面粗さが1.6z以下とされている。なお、両ロータ10,20の両端面10a,20aとは、これらの両ロータ10,20の回転軸線と交差する表面であって、内接型ギヤポンプロータがケーシング30の内部に収納された構成において、これらの両端面10a,20aの略全面がケーシング30と当接する表面のことをいう。
これらの両ロータ10,20はそれぞれ、JIS規格Z2244に規定された微小ビッカース硬さ試験方法により試験力0.49Nで測定した場合の硬さHv(0.49N)が600以上とされている。また、前記両ロータ10,20は、少なくとも両端面10a,20aの表面粗さが1.6z以下とされている。なお、両ロータ10,20の両端面10a,20aとは、これらの両ロータ10,20の回転軸線と交差する表面であって、内接型ギヤポンプロータがケーシング30の内部に収納された構成において、これらの両端面10a,20aの略全面がケーシング30と当接する表面のことをいう。
以上のように構成されたインナーロータ10およびアウターロータ20の製造方法について説明する。
まず、鉄系の焼結合金粉末を図示しない粉末成形装置により圧紛体を形成し、その後、この圧紛体を焼結し焼結合金部品を形成した後に、切削や研削などの機械加工を施し、寸法精度が前記焼結合金部品よりさらに向上された本体部を形成する。その後、この本体部にスチーム処理またはガス軟窒化処理を施し、表面に四三酸化鉄Fe3O4からなる酸化被膜14またはFe2N,Fe3Nからなるε相を有する窒化被膜14を形成する。
まず、鉄系の焼結合金粉末を図示しない粉末成形装置により圧紛体を形成し、その後、この圧紛体を焼結し焼結合金部品を形成した後に、切削や研削などの機械加工を施し、寸法精度が前記焼結合金部品よりさらに向上された本体部を形成する。その後、この本体部にスチーム処理またはガス軟窒化処理を施し、表面に四三酸化鉄Fe3O4からなる酸化被膜14またはFe2N,Fe3Nからなるε相を有する窒化被膜14を形成する。
ここで、スチーム処理は、炉内温度が500℃から600℃に設定された水蒸気中に30分から90分間放置することをいい、この処理により、オープンポア内を含む前記本体部の表面に酸化被膜14が形成され、この本体部の高硬度化や、錆び発生の抑制が図られる。具体的には、本体部は、ロックウェル硬さがHRB85以上とされる。
また、ガス軟窒化処理は、炉内温度が500℃から600℃に設定された窒化雰囲気ガス中に30分から120分間放置することをいい、この処理により、オープンポア内を含む前記本体部の表面に窒化被膜14が形成され、この本体部の高硬度化や、錆び発生の抑制が図られる。具体的には、本体部は、ロックウェル硬さがHRB85以上とされる。
また、ガス軟窒化処理は、炉内温度が500℃から600℃に設定された窒化雰囲気ガス中に30分から120分間放置することをいい、この処理により、オープンポア内を含む前記本体部の表面に窒化被膜14が形成され、この本体部の高硬度化や、錆び発生の抑制が図られる。具体的には、本体部は、ロックウェル硬さがHRB85以上とされる。
次に、複数種のメディアによりバレル研磨を施す。このバレル研磨を実施する装置としては、例えば、それぞれ回転可能に支持された複数の研磨槽が、公転軸線を中心に環状配置されたものがある。そして、これらの各研磨槽に複数種のメディアおよび前記本体部を投入した状態で、各研磨槽を公転させながら自転させることにより、前記本体部表面を研磨する。このバレル研磨により、本体部は、ロックウェル硬さがHRB90以上となり、少なくとも当該本体部の両端面の表面粗さは1.3z以下となる。
その後、無電解Niめっきを施し、本体部表面に厚さ約10μmのNiめっき層15を形成する。このNiめっき層15は、例えば、アルカリ浴による無電解Niめっき処理により浴成分に次亜リン酸ナトリウムを使用することにより形成され、NiとPとを主成分として含有する。
次に、各ロータ10,20の表面に形成されたNiめっき層15に熱処理を施して硬化させる。この熱処理の方法としては、Niめっき層15が形成された両ロータ10,20を、炉内温度が400℃とされた炉の中に約1時間放置する。これにより、Niめっき層15は非晶質からNiおよびPの金属間化合物(アモルファス結晶)が析出され、この層15の通常のビッカース硬さがHv500程度であるところを、Hv600〜1000程度まで高められることになる。
次に、各ロータ10,20の表面に形成されたNiめっき層15に熱処理を施して硬化させる。この熱処理の方法としては、Niめっき層15が形成された両ロータ10,20を、炉内温度が400℃とされた炉の中に約1時間放置する。これにより、Niめっき層15は非晶質からNiおよびPの金属間化合物(アモルファス結晶)が析出され、この層15の通常のビッカース硬さがHv500程度であるところを、Hv600〜1000程度まで高められることになる。
以上により、ビッカース硬さHv(0.49N)が600以上とされ、少なくとも両端面10a,20aの表面粗さが1.6z以下とされたインナーロータ10およびアウターロータ20が形成される。
以上説明したように、本実施形態に係るギヤポンプロータによれば、ビッカース硬さHv(0.49N)が600以上とされているので、高硬度化を図ることができ耐摩耗性の向上を図ることができ、また、両ロータ10,20の少なくとも両端面10a,20aの表面粗さが1.6z以下とされているので、このポンプロータが収納されるケーシング30との間に発生する摩擦力の低減を図ることができ、このポンプを駆動するモータの消費電流値を低減させることができるとともに、めっきの剥離発生を抑制することが可能になり、このポンプの機械効率の向上と、耐久性の向上とを図ることができる。
また、これらの両ロータ10,20を形成するに際し、バレル研磨を施す前に予め、スチーム処理またはガス窒化処理を施し、前記本体部のロックウェル硬さをHRB85以上とするので、バレル研磨によってこれらのロータ10,20の表面粗さを確実に小さくすることができる。すなわち、バレル研磨においては、前述したように、研磨槽を自転させつつ公転させることにより、本体部表面を研磨するので、この本体部にスチーム処理などが施されず高硬度化されていない状態でこの研磨を施しても、この表面粗さは小さくなり難いことになるが、硬さを前記範囲に設定すると、この研磨により表面粗さが確実に低減され、結果として、前記両ロータ10,20の表面粗さを確実に低減することができる。
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。例えば、本実施形態においては、ケーシング30の各ロータ10,20との摺動部分にポリテトラフルオロエチレンの被膜を形成して構成したが、同様の効果を得る手段として、スチーム処理、ガス軟窒化処理、またはスチーム処理後にガス軟窒化処理を施しても良い。
また、前記両ロータ10,20の表面のうち、少なくとも両端面10a,20aの表面粗さを1.6z以下とした構成を示したが、例えばこれらの両ロータ10,20の歯面、および両端面10a,20aの表面粗さを前記範囲に設定してもよく、さらには、両ロータ10,20の全面の表面粗さを前記範囲に設定してもよい。特に、前記両ロータ10,20の両端面10a,20aのみならず、アウターロータ20の外周面20b(図1参照)の表面粗さをも前記範囲に設定した構成においては、前述した機械効率の向上および耐久性の向上の双方をさらに確実に図ることができる。
さらに、インナーロータ10の外歯11およびアウターロータ20の内歯21の歯面形状をそれぞれ、サイクロイド曲線に基づいた形状としたが、これに限らず、例えばトロコイド曲線であってもよいし、この歯面形状を形成する転円の数も前記実施形態に限定されるものではない。また、インナーロータ10の外歯11の歯数をn枚としたときに、アウターロータ20の内歯21の歯数が(n+1)枚とした構成を示したが、この構成に限らない。
また、酸化皮膜14または窒化皮膜14をバレル研磨後に、図2に示すように、前記本体部表面に層状に残存させた構成を示したが、これに限らず、例えば前記本体部表面のうち少なくともオープンポア内に残存させ、この他の部分を除去するようにしてもよい。
さらに、前記実施形態では、いわゆる内接型ギヤポンプロータを示したが、これに限らず、本発明はいわゆる外接型ギヤポンプロータにも適用可能である。
また、酸化皮膜14または窒化皮膜14をバレル研磨後に、図2に示すように、前記本体部表面に層状に残存させた構成を示したが、これに限らず、例えば前記本体部表面のうち少なくともオープンポア内に残存させ、この他の部分を除去するようにしてもよい。
さらに、前記実施形態では、いわゆる内接型ギヤポンプロータを示したが、これに限らず、本発明はいわゆる外接型ギヤポンプロータにも適用可能である。
ポンプの耐久性を確実に向上させることができるとともに、このポンプを駆動するモータの消費電流値を低減させることができる。
10 インナーロータ
10a インナーロータの端面
11 外歯
20 アウターロータ
20a アウタロータの端面
21 内歯
30 ケーシング
C セル
10a インナーロータの端面
11 外歯
20 アウターロータ
20a アウタロータの端面
21 内歯
30 ケーシング
C セル
Claims (2)
- ケーシング内に収納され、互いが噛み合って回転することにより、流体を前記ケーシング内に吸入,吐出する構成とされたギヤポンプロータであって、
ビッカース硬さHvが600以上とされるとともに、少なくとも両端面は表面粗さが1.6z以下とされていることを特徴とするギヤポンプロータ。 - 請求項1記載のギヤポンプロータにおいて、
鉄系の焼結合金からなる本体部にスチーム処理またはガス軟窒化処理が施された後に、バレル研磨が施され、ロックウェル硬さをHRB90以上とするとともに、少なくとも両端面の表面粗さを1.3z以下とし、その後、無電解Niめっきが施されて形成されたことを特徴とするギヤポンプロータ。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2009162106A (ja) * | 2008-01-07 | 2009-07-23 | Sumitomo Electric Sintered Alloy Ltd | 内接歯車ポンプ用ロータと同ロータの製造方法 |
JP2009162105A (ja) * | 2008-01-07 | 2009-07-23 | Sumitomo Electric Sintered Alloy Ltd | 内接歯車ポンプ用ロータと同ロータの製造方法 |
JP2012188975A (ja) * | 2011-03-09 | 2012-10-04 | Nagaoka Univ Of Technology | 内接歯車型膨張機 |
-
2003
- 2003-09-30 JP JP2003340908A patent/JP2005105955A/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
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