JP5040311B2 - 資源管理システム、資源情報提供方法、及び、プログラム - Google Patents

資源管理システム、資源情報提供方法、及び、プログラム Download PDF

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Description

本発明は、資源管理システム、資源情報提供方法、及び、プログラムに関し、更に詳しくは、分散情報システムにおける資源情報の提供を行う資源管理システム、資源情報提供方法、及び、プログラムに関する。
従来のクラスタ向けの資源情報管理システムは、各ノードの性能が均質で、ノード間は高速ネットワークで接続されていたため、全てのノードから情報を集める処理は高速で安定していた。しかし、広域ネットワークで接続された複数のクラスタや、異機種混合のパーソナルコンピュータなどを統合管理するシステムでは、資源情報を検索する範囲が大きいほど、資源情報の取得に時間がかかり、また、検索する対象によって処理時間に差が生じる。
広域分散システムの資源情報管理システムとして、非特許文献1に記載されたMDS(Monitoring Discovery System)がある。MDSでは資源情報をディレクトリで管理しており、資源情報の検索処理が発生すると、要求された資源情報を取得して、これをディレクトリ内にキャッシュする。同じ資源情報に対する検索処理が発生したときには、キャッシュされた資源情報を、検索元に提供することができるため、検索にかかる時間を短縮できる。MDSで収集する資源情報には、あらかじめキャッシュの有効期限が定められており、クライアントが有効期限を過ぎた情報を要求した場合は、キャッシュの情報を破棄し、最新の情報を取得する処理が行われる。MDSは階層的に複数のMDSを連携させることができ、単一のクラスタから大規模分散システムまで様々な形態のシステムで利用できる。
ここで、ネットワークサーバを用いたデータ更新方法としては、特許文献1に記載された技術がある。この技術では、キャッシュ内に保持されたデータに対するクライアント端末によってアクセスされる頻度を検出し、キャッシュの保持期限が切れる前に、メインサーバからデータを読み出して、キャッシュ内に保持されたデータを更新する。これにより、今後もクライアント端末によってアクセスされると予想されるキャッシュデータの更新を、自動的に行うことができ、最新のデータを、短時間でクライアント端末に転送することができる。
特開2001−175527号公報(図1、要約) Grid information services for distributed resource sharing Czajkowski, K.; Fitzgerald, S.; Foster, I.; Kesselman, C.; High Performance Distributed Computing, 2001. Proceedings. 10th IEEE International Symposium on , 7-9 Aug. 2001
上記MDSの資源情報更新方式及び特許文献1のデータ更新方法では、情報がキャッシュ内に存在していても、キャッシュの有効期限が切れている場合には情報を収集する処理が生じるため、検索に時間がかかるという問題がある。また、一度も検索されていない情報に初めて検索を要求する場合には、キャッシュに情報が存在しないため、情報を収集する処理が生じるため、検索に時間がかかることとなる。また、キャッシュの有効期限内であれば高速に情報が取得できるものの、同一条件の検索処理であってもキャッシュの状態に応じて検索にかかる時間が異なるため、検索時間が安定しないという問題もある。
本発明の目的は、上記従来技術の問題点を解消し、最新の資源情報を高速に、かつ、安定に提供できる資源管理システム、資源情報提供方法、及び、プログラムを提供することである。
本発明は、その第1の視点において、分散システムのネットワーク接続された複数の資源に関する資源情報を資源利用者からの要求に応じて提供する資源情報提供サーバを備える資源管理システムにおいて、前記資源情報提供サーバが、資源情報を記憶する資源情報記憶部と、該資源情報記憶部に記憶された資源情報の更新スケジュールを記憶するスケジュール記憶部と、前記スケジュール記憶部に記憶された更新スケジュールに従って前記資源情報を取得し、該取得した資源情報によって前記資源情報記憶部に記憶された資源情報を更新する資源情報更新部とを備え、前記スケジュール記憶部は、資源情報を取得すべき資源毎に設定された更新間隔を持ち、且つ、同時に取得する資源情報の数が、資源情報提供サーバのメモリ容量に基づいて、予め設定された同じタイミングで取得できる資源情報の数の上限を超えないように、資源毎に資源情報の更新タイミングを規定する更新スケジュールを記憶することを特徴とする資源管理システムを提供する。
本発明第1の視点の資源管理システムでは、資源情報記憶部に記憶された資源情報が更新スケジュールに従って更新され、資源利用者には、資源情報記憶装置から資源情報が提供される。このため、要求があるたびに資源情報を取得する必要がなく、資源利用者に、資源情報を高速に提供することができる。また、資源情報記憶部に記憶された資源情報が、資源毎に設定された更新間隔を持つ更新スケジュールに従って更新されるため、資源毎に、その資源の特性に応じた資源情報の更新処理を実現できる。また、更新スケジュールには、同じタイミングで取得できる資源情報の数が予め設定された上限を超えないように資源情報の更新タイミングが規定されているため、資源情報提供サーバ又は通信回線の負荷が過度に上昇することを防止できる。
本発明は、第2の視点において、分散システムのネットワーク接続された複数の資源に関する資源情報を資源利用者からの要求に応じて提供する資源情報提供サーバを備える資源管理システムにおいて、前記資源情報提供サーバが、資源情報を記憶する資源情報記憶部と、該資源情報記憶部に記憶された資源情報の更新スケジュールを記憶するスケジュール記憶部と、前記スケジュール記憶部に記憶された更新スケジュールに従って前記資源情報を取得し、該取得した資源情報によって前記資源情報記憶部に記憶された資源情報を更新する資源情報更新部と、資源利用者による資源情報の要求、資源の状態、資源情報提供サーバの状態、及び、通信回線の状態の少なくとも1つに応じて、同時に取得する資源情報の数が、資源情報提供サーバのメモリ容量に基づいて予め設定された同じタイミングで取得できる資源情報の数の上限を越えないように、記更新スケジュールを動的に修正する動的スケジュール生成部とを備えることを特徴とする資源管理システムを提供する。
本発明の第2の視点の資源管理システムでは、資源情報記憶部に記憶された資源情報が更新スケジュールに従って更新され、資源利用者には、資源情報記憶装置から資源情報が提供される。このため、要求があるたびに資源情報を取得する必要がなく、資源利用者に、資源情報を高速に提供することができる。また、動的スケジュール生成手段が、例えば資源の状態の変化に応じて、その変化した資源情報を早急に更新するように更新スケジュールを動的に修正(変更)することで、資源利用者に、最新の資源情報を提供できる。また、同じタイミングで取得できる資源情報の数の上限を超えないように、更新スケジュールを動的に修正するため、資源情報提供サーバ又は通信回線の負荷が過度に上昇することを防止できる。
本発明は、第3の視点において、分散システムのネットワーク接続された複数の資源に関する資源情報を資源利用者からの要求に応じて提供する資源情報提供サーバを用いて資源情報を提供する方法において、同時に取得する資源情報の数が、資源情報提供サーバのメモリ容量に基づいて、予め設定された同じタイミングで取得できる資源情報の数の上限を超えないように、資源毎に資源情報の更新タイミングを規定する更新スケジュールを、スケジュール記憶装置に記憶するステップと、前記スケジュール記憶装置に記憶された更新スケジュールに従って資源情報を取得し、該取得した資源情報を資源情報記憶装置に記憶するステップと、前記資源情報記憶装置に記憶された資源情報を資源情報利用者からの要求に応答して提供するステップとを有することを特徴とする資源提供方法を提供する。
本発明は、第4の視点において、分散システムのネットワーク接続された複数の資源に関する資源情報を資源利用者からの要求に応じて提供する資源情報提供サーバを作動させるためのプログラムであって、前記資源情報提供サーバに、同時に取得する資源情報の数が、資源情報提供サーバのメモリ容量に基づいて、予め設定された同じタイミングで取得できる資源情報の数の上限を超えないように、資源毎に資源情報の更新タイミングを規定する更新スケジュールを、スケジュール記憶装置に記憶する処理と、前記スケジュール記憶装置に記憶された更新スケジュールに従って資源情報を取得し、該取得した資源情報を資源情報記憶装置に記憶する処理と、前記資源情報記憶装置に記憶された資源情報を資源情報利用者からの要求に応答して提供する処理とを実行させることを特徴とするプログラムを提供する。
本発明の第3の視点の資源情報提供方法及び第4の視点のプログラムでは、資源情報記憶装置に記憶された資源情報が更新スケジュールに従って更新され、資源利用者には、資源情報記憶装置から資源情報が提供される。このため、要求があるたびに資源情報を取得する必要がなく、資源利用者に、資源情報を高速に提供することができる。また、更新スケジュールには、同じタイミングで取得できる資源情報の数が予め設定された上限を超えないように資源情報の更新タイミングが規定されているため、資源情報提供サーバ又は通信回線の負荷が過度に上昇することを防止できる。
本発明は、第5の視点において、分散システムのネットワーク接続された複数の資源に関する資源情報を資源利用者からの要求に応じて提供する資源情報提供サーバを用いて資源情報を提供する方法において、スケジュール記憶装置に記憶されている資源情報の更新タイミングを規定する更新スケジュールに従って資源情報を取得し、該取得した資源情報を資源情報記憶装置に記憶するステップと、資源利用者による資源情報の要求、資源の状態、資源情報提供サーバの状態、及び、通信回線の状態の少なくとも1つに応じて、同時に取得する資源情報の数が、資源情報提供サーバのメモリ容量に基づいて予め設定された同じタイミングで取得できる資源情報の数の上限を超えないように、記更新スケジュールを動的に修正するステップと、前記資源情報記憶装置に記憶された資源情報を資源情報利用者からの要求に応答して提供するステップとを有することを特徴とする資源提供方法を提供する。
本発明は、第6の視点において、分散システムのネットワーク接続された複数の資源に関する資源情報を資源利用者からの要求に応じて提供する資源情報提供サーバを作動させるためのプログラムであって、前記資源情報提供サーバに、スケジュール記憶装置に記憶されている資源情報の更新タイミングを規定する更新スケジュールに従って資源情報を取得し、該取得した資源情報を資源情報記憶装置に記憶する処理と、資源利用者による資源情報の要求、資源の状態、資源情報提供サーバの状態、及び、通信回線の状態の少なくとも1つに応じて、同時に取得する資源情報の数が、資源情報提供サーバのメモリ容量に基づいて予め設定された同じタイミングで取得できる資源情報の数の上限を超えないように、記更新スケジュールを動的に修正する処理と、前記資源情報記憶装置に記憶された資源情報を資源情報利用者からの要求に応答して提供する処理とを実行させることを特徴とするプログラムを提供する。
本発明の第5の視点の資源情報提供方法及び第6の視点のプログラムでは、資源情報記憶装置に記憶された資源情報が更新スケジュールに従って更新され、資源利用者には、資源情報記憶装置から資源情報が提供される。このため、要求があるたびに資源情報を取得する必要がなく、資源利用者に、資源情報を高速に提供することができる。また、資源情報の更新スケジュールが動的に修正されるため、例えば、資源の状態の変化に応じて、その変化した資源情報を早急に更新するように更新スケジュールを動的に修正(変更)することで、資源利用者に、最新の資源情報を提供できる。また、同じタイミングで取得できる資源情報の数の上限を超えないように、更新スケジュールを動的に修正するため、資源情報提供サーバ又は通信回線の負荷が過度に上昇することを防止できる。
本発明の資源管理システム、資源情報提供方法、及び、プログラムでは、資源情報記憶装置に記憶された資源情報が更新スケジュールに従って更新され、資源利用者には、資源情報記憶装置から資源情報が提供される。このため、要求があるたびに資源情報を取得する必要がなく、資源利用者に、資源情報をその鮮度を保ったまま高速に提供することができる。また、資源情報の提供に要する時間を均一化して、資源検索を安定化させることができる。
本発明の第1の視点の資源管理システムでは、前記更新間隔は資源の種類毎に異なる時間を有することが好ましい。この場合、更新間隔の設定が容易になる。
また、前記資源情報提供サーバは、該資源情報提供サーバの性能、資源情報の予想された更新頻度、資源利用者からの予想された資源情報の要求頻度、各資源情報の更新に要すると予測された更新時間、及び、資源数の少なくとも1つの情報に基づいて前記更新スケジュールを生成して、前記スケジュール記憶部に保存する静的スケジュール生成部を更に備えることも好ましい態様である。この場合、サーバの性能や資源の特性等に応じた更新処理を実現できる。
本発明の第1の視点の資源管理システムでは、前記資源情報提供サーバは、資源の状態、資源情報提供サーバの状態、通信回線の状態の少なくとも1つに応じて、前記スケジュール記憶部に記憶された更新スケジュールを動的に修正する動的スケジュール生成部を更に備えることが好ましい。この場合、例えば、資源の状態の変化に応じて、その変化した資源情報を早急に更新するように更新スケジュールを動的に修正(変更)することで、資源利用者に、最新の資源情報を提供できる。
本発明の資源管理システムでは、前記動的スケジュール生成部が、資源数の増加又は減少に対応して前記更新スケジュールを修正することができる。この場合、資源数に応じた更新処理を実現できる。
本発明の資源管理システムでは、前記動的スケジュール生成部は、資源利用者からの資源情報の要求が発生すると、該要求が発生した資源情報の更新間隔を短くすることが好ましい。この場合、要求されることが多い資源情報の更新間隔を短くすることで、最新の資源情報を提供することができる。
本発明の資源管理システムでは、前記動的スケジュール生成部は、資源又は通信回線の障害が発生すると、該障害に関連がある資源情報の更新間隔を短くすることが好ましい。この場合、障害に対する正確かつ迅速な対応を行うために必要な資源情報について、最新の資源情報を提供することができる。
本発明の資源管理システムでは、前記動的スケジュール生成部は、資源の構成の変更があると、該変更があった資源の資源情報の更新間隔を短くすることが好ましい。この場合、資源情報記憶部に記憶された資源情報を、最新の資源情報ですばやく更新することができる。
本発明の資源管理システムでは、前記動的スケジュール生成部は、資源情報の更新に際して変化がなかった資源情報の更新間隔を長くすることが好ましい。この場合、変化が少ない資源情報の更新間隔を伸ばすことにより、資源情報の更新処理にかかる負荷を低減できる。
本発明の資源管理システムでは、前記動的スケジュール生成部は、前記資源情報提供サーバ又は通信回線の負荷が上昇すると、資源情報の更新間隔を全体的に長くすることが好ましい。この場合、資源情報の更新処理にかかる負荷を低減して、資源情報提供サーバ又は通信回線の負荷を下げることができる。
本発明の資源管理システムでは、前記資源から資源情報を収集するエージェントを更に備え、該エージェントは前記資源情報更新部に資源情報を送信する構成を採用することができる。資源情報提供サーバは、エージェントを介して、資源情報を収集することができる。
本発明の資源情報管理システムでは、前記エージェントは、通知条件及び資源情報を指定した自動通知要求を登録しており、該自動通知要求で指定された通知条件が発生すると、該自動通知要求で指定された資源情報を前記資源情報更新部に送信する構成を採用できる。この場合、エージェント側から資源情報を通知させることにより、資源情報提供サーバ側からエージェントにアクセスしなくても資源情報を更新することができ、エージェントアクセス数を削減して、処理負担を軽減することができる。その際、例えば通知条件として、資源情報提供サーバがエージェントから通知を受ける時間帯を指定することで、資源情報提供サーバ側は、エージェントからの通知をいつ受けるのかをあらかじめ知ることができる。
本発明の資源情報管理システムでは、前記更新スケジュールは、前記資源情報更新部が所定時間間隔で繰り返し行う各回のポーリングに際して、取得すべき資源情報を規定する構成を採用できる。この場合、資源情報更新部は、取得すべきと指定された資源情報を取得して、資源情報記憶部に記憶された資源情報を更新する。
本発明の資源情報管理システムでは、前記資源提供サーバのメモリ容量に基づいて、各回のポーリングで取得される資源情報の上限を定めることができる。更新スケジュールの生成に際して、同時に取得される資源情報が定められた上限を超えないようにすることで、資源情報提供サーバ又は通信回線の負荷が過度に上昇することを防止できる。
以下、図面を参照し、本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は、本発明の第1実施形態の資源管理システムの構成を示している。資源管理システム100は、複数の資源利用者端末1と、複数の資源提供サーバ2と、複数のエージェント3とを有する。資源管理システム100は、管理対象のシステムを構成するサーバ、ネットワーク、アプリケーションなどの資源を統合運用管理できるシステムとして構成される。
資源利用者端末1及び資源提供サーバ2は、ワークステーション等のコンピュータシステム上で動作する。資源提供サーバ2は、例えば、アプリケーションの実行環境(資源)を提供するデータセンタとして構成され、資源利用者端末1にその実行環境を提供する。エージェント3は、資源の情報を取得できるソフトウェア及びハードウェア上で動作する。エージェント3は、例えばサーバ、ネットワーク機器等の設定情報や、アプリケーションの割り当て帯域情報等を、資源情報31として取得する。資源提供サーバ2は、複数のエージェント3と通信して、エージェント3が取得した資源情報31を収集する。
資源利用者端末1は、監視コンポーネント11と、自律制御コンポーネント12と、資源選択コンポーネント13とを備える。監視コンポーネント11は、資源提供サーバ2に資源情報の検索要求を送信して資源情報を取得する。監視コンポーネント11は、取得した資源情報に基づいて、資源の状態の監視を行い、監視対象の資源の状態に基づいて、所定のイベントを発生する。監視コンポーネント11は、例えば、資源提供サーバ2の負荷情報を取得し、負荷がしきい値を超えたときには、その旨を示すイベントを発生する。
監視コンポーネント11は、発生したイベントを、自律制御コンポーネント12に入力する。自律制御コンポーネント12は、イベントと起動すべきアクションとの対応関係を制御ポリシとして記憶している。自律制御コンポーネント12は、制御ポリシを参照し、監視コンポーネント11から入力したイベントに基づいて、起動すべきアクションを決定し、そのアクションの実行要求を資源選択コンポーネント13に入力する。自律制御コンポーネント12は、例えば、監視コンポーネント11から、使用中のサーバ資源の負荷がしきい値を超えた旨のイベントを入力して、サーバ資源の追加を示すアクションの実行要求を資源選択コンポーネント13に入力する。
資源選択コンポーネント13は、アクションを実行する際の資源選択機能を提供する。資源選択コンポーネント13は、必要に応じて、監視コンポーネント11を介して、資源提供サーバ2から資源情報を取得し、取得した資源情報に基づいて、何れの資源提供サーバ2に対して、アクションの実行要求を送るかを決定する。資源選択コンポーネント13は、例えば、サーバ資源の追加を示すアクションの実行要求が入力されると、複数の資源提供サーバ2から資源情報を取得して追加可能なサーバを保有する資源提供サーバ2を検索し、追加可能なサーバを保有する資源提供サーバ2に、サーバ資源の追加を示すアクションの実行要求を送信する。
資源提供サーバ2は、資源情報検索コンポーネント21と、資源管理コンポーネント22と、ワークフロー管理コンポーネント23とを備える。資源管理コンポーネント22は、管理対象のエージェント3へのアクセスを管理する。資源管理コンポーネント22は、管理対象の複数のエージェント3と通信して資源情報31を収集し、これを保持する。資源情報検索コンポーネント21は、資源利用者端末1からの資源情報の検索処理の要求を受け付け、資源管理コンポーネント22から資源情報を取得して、取得した資源情報を資源利用者端末1に返送する。
ワークフロー管理コンポーネント23は、資源利用者端末1からのアクション実行要求を受け付け、そのアクション実行要求に基づいて、詳細なワークフローを生成する。その際、ワークフロー管理コンポーネント23は、必要に応じて、資源情報検索コンポーネント21に資源情報の検索要求を送信し、資源情報を取得する。エージェント3は、コマンドの実行、アプリケーションのプロパティファイルの書き換え、割り当て状態の管理等を行う機能を有している。ワークフロー管理コンポーネント23が生成したワークフローは、資源管理コンポーネント22を介してエージェント3に送信され、エージェント3によって実行される。
図2は、資源管理コンポーネント22及びエージェント3の詳細な構成を示している。エージェント3は、マネージャ接続部301と、資源情報取得部302とを有する。マネージャ接続部301は、資源管理コンポーネント22との間の接続を管理する。資源情報取得部302は、管理対象から、資源情報31を取得する。
資源管理コンポーネント22は、検索処理部221、資源情報記憶部222、資源情報更新部(キャッシュ更新部)223、静的スケジュール生成部224、スケジュール記憶部225、エージェント接続管理部226、及び、ワークフロー実行部227を有する。エージェント接続管理部226は、エージェント3と通信を行う。ワークフロー実行部227は、ワークフロー管理コンポーネント23が生成したワークフローを入力し、そのワークフローに基づいて、エージェント接続管理部226を介してエージェント3を操作し、ワークフローを実行させる。
静的スケジュール生成部224は、資源情報毎に、資源情報の更新スケジュール(キャッシュ更新スケジュール)を生成し、これをスケジュール記憶部225に記憶する。スケジュール記憶部225が記憶する更新スケジュールは、入力手段4を用いて、管理者により、直接に操作することもできる。資源情報更新部223は、スケジュール記憶部225が記憶する更新スケジュールに基づいて、エージェント接続部管理部226を介して、エージェント3から資源情報31を取得し、これを資源情報記憶部(キャッシュ)222に格納する。
資源情報更新部223は、例えば、所定時間間隔でポーリングを行って、エージェント3から資源情報31を取得する。スケジュール記憶部225は、資源情報更新部223の各回のポーリングにおいて、更新すべき資源情報を指定するタイムテーブルを静的スケジュールとして記憶しており、資源情報更新部223は、そのタイムテーブルで指定された資源情報を取得して、資源情報記憶部222に記憶された資源情報を更新する。検索処理部221は、資源情報検索コンポーネント21からの要求に基づいて、資源情報記憶部222内を検索し、要求された資源情報を、資源情報検索コンポーネント21に返送する。
静的スケジュール生成部224には、静的スケジュールの生成に際して、資源管理コンポーネント22を実現するコンピュータシステムの性能情報や、資源情報の更新頻度、資源情報の更新にかかる時間、資源情報の用途、サーバやネットワークの性能、管理対象の数等の情報(パラメータ)を参照する。そして、各資源の特徴や性質、利用者の要求を満たしつつ、システムの性能に見合ったキャッシュ更新処理が実現する静的スケジュールを生成する。
静的スケジュールの生成に当たっては、同時エージェントアクセス数や更新間隔を適切に設定して、サーバやネットワークに過度な負担が発生しないように考慮する。例えば、数10台のサーバホストに対してエージェントアクセスを行う場合には、資源情報更新部223を実現するコンピュータやネットワークの負荷が過度に高くなることを避けるため、同時エージェントアクセス数を制限し、エージェントアクセスのタイミングを数秒ずつずらす。また、管理対象の資源情報数が多いときには、各資源の更新間隔を少しずつ長めにとり、エージェントアクセスが頻発することを防ぐ。
静的スケジュール生成部224は、記憶装置内に、例えばCPU性能及びメモリ容量に基づいて、ポーリング間隔及び同時エージェントアクセス数を決定するためのルールを有している。静的スケジュール生成部224は、資源管理コンポーネント22を実現するコンピュータシステムのCPUの性能情報やメモリ容量を取得し、記憶装置内に記憶されたルールに基づいて、ポーリング間隔及び同時エージェントアクセス数を決定する。資源情報更新部223は、このように決定された時間間隔でポーリングを行う。
静的スケジュール生成部224は、CPUクロックが高速であるほど、ポーリング間隔を短く設定し、メモリ容量が多いほど、同時エージェントアクセス数を多くする。例えば、静的スケジュール生成部224は、CPUクロックが2GHz以上であれば、ポーリング間隔を1秒に設定し、メモリ容量が1GB以上あれば、同時エージェントアクセス数を15に設定する。
静的スケジュール生成部224は、各資源情報の更新頻度を、資源の特性に応じて設定する。静的スケジュール生成部224は、例えば、CPU利用率やメモリ利用量などの更新頻度が高いものは、構成情報や設定情報など更新頻度が低いものに比して更新間隔を短めに設定する。また、資源情報の取得にかかる時間が長いものについては、更新間隔を長めに設定する。
各資源情報には、優先度を設定することができる。静的スケジュール生成部224は、優先度が高く設定されている資源情報を優先的に更新させるようにする。この場合、利用者からの要求が多い資源情報の優先度を高く設定することで、その資源情報を、優先的に更新させることができる。ただし、この場合でも、更新頻度が高い情報を必要とする利用者が少ないものについては、更新間隔を通常よりも長く設定する。
図3は、静的スケジュール生成部224による静的スケジュール生成のアルゴリズムを示している。以下では、資源情報の分類としては、サーバホスト、ネットワーク機器、割り当て帯域情報の3つを考える。また、資源情報更新部223のポーリング間隔は1秒であり、同時エージェントアクセス数(最大値)は7であるとする。静的スケジュール生成部224は、資源の分類毎に、資源情報の取得に要するおよその時間と、資源情報の更新間隔の初期値とを記憶した資源プロファイルを有している。この資源プロファイルは、ネットワークバンド幅に応じて、複数個用意しておくことができる。管理者が、入力手段4を用いて、資源の分類を指定して資源情報の登録を行うと、静的スケジュール生成部224は、資源プロファイルを参照して、各資源情報の更新間隔を設定する(ステップA1)。
静的スケジュール生成部224が、図4に示す資源プロファイルを有する場合について考える。この資源プロファイルは、例えば、ネットワークバンド幅が100B/sであるときの更新間隔等を規定している。この場合、サーバホストとして、Host01〜Host08が登録されると、静的スケジュール生成部224は、各サーバホストの資源情報の更新間隔を、3secに設定する。また、ネットワーク機器として、L2SW(レイヤ2スイッチ)、L3SW(レイヤ3スイッチ)、FW(ファイヤーウォール)、PS(帯域制御装置)、LB(ロードバランサ)が登録されると、それらネットワーク機器の資源情報の更新間隔を、8secに設定し、アプリケーションの割り当て帯域情報として、AP1の帯域情報、AP2の帯域情報が登録されると、それらアプリケーションの帯域情報の更新間隔を5秒に設定する。
静的スケジュール生成部224は、分類した資源に属する資源情報の数に応じて、同時エージェントアクセス数を分割し(ステップA2)、分類毎に、同時エージェントアクセス数を設定する。例えば、静的スケジュール生成部224は、サーバホストについての同時エージェントアクセス数を4に設定し、ネットワーク機器についての同時エージェントアクセス数を2に設定し、アプリケーションの帯域情報についての同時エージェントアクセス数を1に設定する。
静的スケジュール生成部224は、全ての分類について更新スケジュールを生成したか否かを判断し(ステップA3)、未処理の分類が存在する場合には、分類毎に更新スケジュールを作成する処理を実行する。分類毎の更新スケジュールの作成処理では、まず、各資源情報に設定された優先度に従って、資源情報をソートする(ステップA4)。次いで、優先度が高いものから順に、ステップA1で設定された更新間隔に従って、エージェントアクセスを割り当てていく(ステップA5)。静的スケジュール生成部224は、ステップA4とステップA5とを各分類について行い、全ての分類について更新スケジュールを作成したと判断すると、処理を終了する。
図5は、静的スケジュール生成部224によって生成された静的スケジュールを例示している。同図において、横軸は、現時刻からの経過時間を示しており、各回のポーリングに対応している。また、斜線で示す領域は、斜線で示す回のポーリングにおいて、資源情報の更新が行われるように指定されていることを示している。
静的スケジュール生成部224は、ステップA5において、同じ分類に属する各資源情報の更新を、その分類の資源情報のデフォルトの更新間隔の間のどのタイミングで行うかを決定して、更新間隔分の更新パターンを生成する。その際、静的スケジュール生成部224は、ステップA2で設定された各分類での同時エージェントアクセス数を越えないように、各資源情報の更新タイミングを調整する。例えば、ホストサーバについては、静的スケジュール生成部224は、その分類に属する資源情報のそれぞれについて、その資源情報の更新間隔(3秒)の間のどのタイミングで、更新を行うかを決定して、更新周期3秒間の更新パターンを生成する。その後、生成した更新パターンを、順次に繰り返し配置して、図5に示すような更新スケジュールを生成する。
図6は、キャッシュ更新処理の動作をフローチャートで示している。資源情報更新部223は、スケジュール記憶部225から、今回(図5に示すタイムテーブルの1秒後)のポーリングにおいて更新すべき資源情報のリストを取得し(ステップB1)、キャッシュ更新を行う必要がある資源情報を確認する。資源情報更新部223は、ステップB1で取得したリストに基づいて、キャッシュ更新処理に必要なエージェントアクセス要求を生成し(ステップB2)、生成したエージェントアクセス要求を、エージェント接続管理部226に受け渡す。この要求を受け取ったエージェント接続管理部226は、更新対象のエージェント3と通信し、資源情報を取得するための処理を実行する(ステップB3)。エージェント接続管理部226は、エージェント3から最新の資源情報31を取得し(ステップB4)、取得した資源情報31を、資源情報記憶部222に格納する(ステップB5)。
例えば、スケジュール記憶部225に、図5に示すようなタイムテーブルが格納されて
いるときには、資源情報更新部223は、ステップB1で、スケジュール記憶部225から「Host01」、「Host04」、「L2SW」、「PS」、「AP1」を取得し、今回のポーリングにおいて更新すべき資源情報が、Host01、Host04、L2S、PSの設定情報と、アプリケーションAP1の割り当て帯域情報とであることを確認する。その後、資源情報更新部223は、ステップB2で、更新対象の資源情報を取得するエージェント3に対してアクセス要求を生成する。これにより、資源情報記憶部222に格納された各資源についての資源情報のうち、更新スケジュールで指定された資源の資源情報が更新される。
図7は、資源情報の検索要求を処理する際の動作をフローチャートで示している。資源利用者端末1が、検索要求を資源提供サーバ2に入力すると、検索処理部221は、資源情報検索コンポーネント21を介して、検索要求を受け付ける(ステップC1)。検索処理部221は、資源情報記憶部222にアクセスするための問い合わせの処理の生成や、アクセス制限のチェック処理などの検索前処理を行い(ステップC2)、資源情報記憶部222から資源情報を取得する(ステップC3)。その後、検索処理部221は、結果情報のフォーマット変換や、追加情報の付加などの検索後処理を行い(ステップC4)、検索結果を、検索要求を発生した資源利用者端末1に向けて返送する(ステップC5)。
図8は、資源管理システムの動作をフローチャートで示している。自律制御コンポーネント12は、監視コンポーネント11に、監視すべき資源情報を指定している。監視コンポーネント11は、定期的に、自律制御コンポーネント12により指定された監視対象の資源の資源情報の検索処理を発生し、図7に示す手順に従って、検索対象の資源情報を取得し、資源の状態を監視する(ステップD1)。監視コンポーネント11は、イベント発生の条件を記憶装置内に有しており、その記憶装置を参照し、取得した資源情報に基づいて、イベントを発生させるか否か判断する(ステップD2)。
監視コンポーネント11は、ステップD1で取得した資源情報が、イベント発生の条件に合致すると判断したときには、イベントを発生し、そのイベントの発生を自律制御コンポーネント12に通知する。監視コンポーネント11が発生するイベントには、負荷変動イベント、障害発生イベント、タイマ起動イベントが含まれる。監視コンポーネント11は、ステップD1で取得した資源情報が、イベント発生の条件に合致しないと判断したときには、イベントを発生せずに、ステップD1に戻って、監視状態に戻る。
自律制御コンポーネント12には、通知されたイベントに対して実行すべきアクションが記述された制御ポリシを記憶している。実行すべきアクションには、例えばホスト追加、ネットワーク帯域割り当て変更、アプリケーション負荷通知が含まれる。自律制御コンポーネント12は、発生したイベントの通知を受けると、制御ポリシを検索し(ステップD3)、制御ポリシ内に、通知されたイベントに対するアクションが記述されているか否かを判断する(ステップD4)。ステップD4で、通知されたイベントに対するアクションが制御ポリシに記述されていないと判断されたときには、ステップD1に戻って、監視状態に戻る。ステップD4で、アクションが制御ポリシに記述されていると判断されたときには、自律制御コンポーネント12は、制御ポリシに基づいて、アクションの実行要求を生成し、これを、資源選択コンポーネント13に入力する(ステップD5)。
資源選択コンポーネント13は、入力されたアクションの実行要求に基づいて、監視コンポーネント11を介して資源情報を検索して資源の選択を行い(ステップD6)、要求されたアクションが、現在の環境で処理が可能か否かを判断する(ステップD7)。資源選択コンポーネント13は、例えばサーバ資源の追加要求に対して、空きサーバを検索し、空きサーバを有する資源提供サーバ2のうちの何れかを選択する。その際、空きサーバを有する資源提供サーバ2が1つも存在しないときには、要求されたアクションが実行可能でないと判断する。
資源選択コンポーネント13は、ステップD7で、実行可能でないと判断したときには、管理者にアクションの起動に失敗した旨を通知し(ステップD8)、ステップD1に戻って、監視状態に戻る。資源選択コンポーネント13は、ステップD7で、実行可能であると判断したときには、ステップD6で選択した資源提供サーバ2にアクション実行要求を送信する。
資源提供サーバ2では、ワークフロー管理コンポーネント23によって、アクション実行要求を受信する。ワークフロー管理コンポーネント23は、図示しない記憶装置内に、アクションの実行要求と、その実行要求に対応して生成すべきワークフローとを関連付けて記憶している。ワークフロー管理コンポーネント23は、その記憶装置を参照して、受信したアクション実行要求に基づいて、詳細なワークフローを生成する(ステップD9)。
ワークフロー管理コンポーネント23は、例えば、ロードバランサの対象サーバの追加を示すアクション実行要求を受信したときには、ステップD9でワークフローを生成する際に、資源情報検索コンポーネント21に、現在のロードバランサの設定情報の検索を指示し、その設定情報を取得する。その後、ステップD9において、現在の設定に、追加対象のサーバを加えた設定を生成して、ロードバランサに、設定の変更を行わせるワークフローを生成する。
ワークフロー管理コンポーネント23は、生成したワークフローをワークフロー実行部227に送信し、ワークフローの実行を要求する(ステップD10)。ワークフロー実行部227は、受信したワークフローに基づいて、エージェント接続管理部226を介して、エージェント3に対する操作を実行し(ステップD11)、ワークフローを実行する。
ワークフロー実行部227は、エージェント3に対する操作が成功したか否かを判断し(ステップD12)、成功したと判断したときには、処理の完了通知を行い(ステップD14)、ステップD1に戻って、監視状態に戻る。ワークフロー実行部227は、操作が失敗したと判断したときには、失敗通知を行い(ステップD13)、ステップD1に戻って、監視状態に戻る。ステップD1の資源情報の監視は定期的に行われ、複数のイベントが同時に発生したような場合には、ステップD2からD14までの一連の処理が、複数のイベントに応じて並列に実行される。
本実施形態では、資源提供サーバ2は、スケジュール記憶部225に記憶された更新スケジュールに従って、エージェント3から資源情報31を収集して、これを資源情報記憶部222に格納しており、資源利用者端末1から検索要求があると、資源情報記憶部222に格納された資源情報を資源利用者端末1に返送する。このため、資源利用者端末1は、検索処理が発生するたびに、エージェント3にアクセスして資源情報を取得する場合に比して、検索した資源情報の提供を高速化できる。
本実施形態では、検索処理が発生してから、短時間で資源情報が得られることで、資源がより広く分散した環境での資源の状態監視が行いやすくなる。また、資源選択コンポーネント13からの検索処理が高速化されるため、より広く分散した環境での資源選択処理が高速化される。また、ワークフロー管理コンポーネント23からの検索処理が高速化されるため、ワークフロー生成時間が短縮され、ワークフロー生成処理を安定化できる。
本実施形態では、静的スケジュール生成部224は、資源の分類に応じて、その分類の資源情報の更新間隔を設定して、更新スケジュールを生成する。このため、資源毎に、その資源の特性に応じた資源情報の更新処理を実現できる。また、資源情報記憶部222が、このようにして更新された最新の資源情報を記憶することで、資源利用者端末1に、最新の資源情報を提供することができる。このため、資源利用者端末1は、資源の最新の状態に基づいたイベントの生成が可能となり、迅速にイベントへの自律的な対応ができる。
検索処理が発生してからエージェント3にアクセスし、資源情報を取得してこれを資源利用者端末1に提供する場合には、エージェント3にアクセスする時間がエージェント3毎に異なると、資源利用者端末1が資源情報を取得するのに要する時間が、検索される資源情報毎に異なることとなる。本実施形態では、検索要求された資源情報が、資源情報記憶部222から提供されるため、エージェント3毎の資源情報の取得に要する時間の違いを隠蔽することができ、安定した検索時間で、資源利用者端末1に資源情報を提供することができる。
例えば、ホストを追加するイベント(アクション)が発生した場合について考える。この場合、資源情報の検索に時間がかかり、次のイベント発生時にまでに、前のホスト追加処理がまだ完了していない場合には、次のイベント発生により、ホスト追加処理が2重に起動されることとなる。これを回避するためには、ホスト追加のイベント発生時に、現在ホストの追加処理が起動中であるか否かを調査しなければならない。本実施形態では、安定した検索時間で、資源情報の検索処理が完了するため、イベントの発生周期よりも検索時間を短くすることで、そのような調査が不要となる。このように、本実施形態では、安定した検索時間で資源情報を提供できるため、資源情報の検索処理時間の遅延に起因する様々な状態の管理の負担を軽減することができる。
図9は、本発明の第2実施形態の資源管理システムにおける資源管理コンポーネント22aの構成を示している。資源管理コンポーネント22aは、図2に示す構成に加えて、イベント管理部228、動的スケジュール生成部229、システム状態監視部230、キャッシュ監視部231、検索処理監視部232、及び、障害検出部233を有する。本実施形態では、動的スケジュール生成部229により、スケジュール記憶部225が記憶する更新スケジュールが動的に修正される。
システム状態監視部230は、資源管理コンポーネント22aを実現するコンピュータシステムの負荷情報や、ネットワークのトラフィック量を監視する。システム状態監視部230は、負荷情報やトラフック量に基づいて、所定の条件で、イベントを発生する。キャッシュ監視部231は、資源情報更新部223によって資源情報記憶部222が記憶する資源情報が更新される際に、更新前の資源情報と、更新後の資源情報とを比較して、更新によって変化が生じたか否かを監視し、その変化の有無に応じたイベントを発生する。
検索処理監視部232は、検索処理部221が受け付けた検索処理を監視し、検索処理部221が検索処理を受け付けると、その旨を示すイベントを生成する。障害検出部233は、資源提供サーバ2の管理対象のネットワークを監視し、ネットワークに障害が発生したときには、その旨を示すイベントを生成する。また、本実施形態では、ワークフロー実行部227は、ワークフローを実行する際に、実行するワークフローに応じたイベントを発生する。
イベント管理部228は、ワークフロー実行部227、システム状態監視部230、キャッシュ監視部231、検索処理監視部232、及び、障害検出部233が発生するイベントを監視する。イベント管理部228は、例えば、ワークフロー実行部227が、ワークフローの実行に伴って資源の状態等に変化が生じるワークフローを実行した旨のイベントを発生すると、変化した資源に関する情報をワークフロー実行部227から取得する。その後、資源の状態に変化が生じるワークフローを実行したイベントが発生した旨と、変化した資源に関する情報を、動的スケジュール生成部229に通知する。
イベント管理部228は、例えば、システム状態監視部230が、コンピュータシステムの負荷が上昇した旨のイベントを発生すると、その負荷の情報をシステム状態監視部230から取得し、イベントが発生した旨と、取得した負荷情報を動的スケジュール生成部229に通知する。また、イベント管理部228は、キャッシュ監視部231が、更新によって資源情報に変化がなかった旨のイベントを発生すると、その変化しなかった資源情報に関する情報をキャッシュ監視部231からから取得し、イベントが発生した旨と、変化しなかった資源情報に関する情報とを動的スケジュール生成部229に通知する。
また、イベント管理部228は、例えば、検索処理監視部232が、検索処理が発生した旨のイベントを発生すると、検索された資源情報に関する情報を検索処理監視部232から取得し、イベントが発生した旨と、検索された資源情報に関する情報とを動的スケジュール生成部229に通知する。イベント管理部228は、障害検出部233が、ネットワークに障害が発生した旨のイベントを発生すると、障害発生箇所に関する情報をキャッシュ監視部231から取得し、イベントが発生した旨と、障害発生箇所に関する情報とを動的スケジュール生成部229に通知する。
資源管理システムの運用開始直後では、スケジュール記憶部225は、静的スケジュール生成部224によって生成された更新スケジュールを記憶している。動的スケジュール生成部229は、イベント管理部228からの通知に基づいて、スケジュール記憶部225に記憶された更新スケジュールに変更を加える。或いは、動的スケジュール生成部229は、更新スケジュールを生成し直して、これをスケジュール記憶部225に記憶する。
図10は、キャッシュ更新スケジュールの修正の際の動作をフローチャートで示している。イベント管理部228は、イベントの発生を監視し(ステップE1)、イベントが発生したか否かを判断する(ステップE2)。ステップE2で、イベントが発生していないと判断されたときには、ステップE1に戻り、イベントが発生するまで待機する。
ステップE2でイベントが発生したと判断されたときには、イベント管理部228は、発生したイベントが資源情報の更新スケジュールに影響を与えるものであるか否かを判断し、更新スケジュールの調整が必要か否かを判断する(ステップE3)。ステップE3で、更新スケジュールの調整が必要ないと判断されたときには、ステップE1に戻り、イベントが発生するまで待機する。
イベント管理部228は、ワークフロー実行部が発生するイベントと、ワークフローの実行によって資源の状態に変更が加えられるか否かを示す情報とを、関連付けて記憶しており、その情報を参照して、イベント発生によって、更新スケジュールの調整が必要であるか否かを判断する。イベント管理部228は、例えば、ワークフロー実行部227から、サーバホストやネットワーク機器の設定に変更が加えられるワークフローが実行された旨のイベントが通知されると、ステップE3で、更新スケジュールの調整が必要であると判断する。
イベント管理部228は、システム状態監視部230から、コンピュータシステムの負荷が上昇した旨のイベントが通知されると、ステップE3で、更新スケジュールの調整が必要であると判断し、キャッシュ監視部231から、更新によって資源情報に変化がなかった旨のイベントが通知されると、更新スケジュールの調整が必要であると判断する。また、検索処理監視部232から、資源情報に対する検索処理が発生した旨のイベントの通知を受けると、更新スケジュールの調整が必要であると判断し、障害検出部233から、障害が発生した旨のイベントが通知されると、更新スケジュールの調整が必要であると判断する。
イベント管理部228は、ステップE3で、更新スケジュールの調整が必要と判断すると、動的スケジュール生成部229に、スケジュールに影響を与えるイベントが発生した旨と、ワークフロー実行部227、システム状態監視部230、キャッシュ監視部231、検索処理監視部232、又は、障害検出部233から取得した情報とを通知する。動的スケジュール生成部229は、通知されるイベント毎に、そのイベントに対応してどのように更新スケジュールを調整するのかを決定するためのルールを記述したスケジュール変更方針ファイルを有しており、そのスケジュール変更方針ファイルを参照して、発生したイベントに応じて、更新スケジュールを調整する処理を実行する(ステップE4)。
以下、ステップE4の更新スケジュールの調整について、詳細に説明する。図11は、管理対象のコンピュータシステムを示している。動的スケジュール生成部229が行う更新スケジュールの調整について、同図において、Host01を、プールサーバ50から業務APクラスタ60に移動するワークフローが実行される場合を例に挙げて説明する。この場合、イベント管理部228は、ワークフロー実行部227から、Host01を業務APクラスタ60に移動する旨のイベントの通知を受けて、動的スケジュール生成部229に、発生したイベントに関する情報を通知する。
動的スケジュール生成部229は、監視対象のネットワークシステムの構成に関する情報を、例えばCIM(Common Infomation Model)等の情報モデルとして有している。動的スケジュール生成部229は、その構成に関する情報を参照して、ワークフローが実行されることにより、早急にキャッシュ更新が必要な資源情報をリストアップする。例えば、図11の例では、Host01の割り当て情報、Host01のIPアドレス情報、L2スイッチの設定情報、FWの設定情報、Host01で動作するアプリケーションの情報、アプリケーションのバックエンド(Host05)の情報、LBの設定情報を早急に更新が必要な資源情報としてリストアップする。
スケジュール変更方針ファイルには、資源の設定の変更が発生したときの更新スケジュールの修正方針として、設定変更等される資源情報が直ちに更新されるようにする旨が記述されている。動的スケジュール生成部229は、そのようなスケジュール変更方針ファイルを参照して、早急に更新が必要な資源情報としてリストアップした資源情報を、次の資源情報更新部223のポーリング時に更新させるように、スケジュール記憶部225が記憶する更新スケジュールを修正する。このようにすることで、資源情報更新部229により、資源情報記憶部222に記憶されるそれらの資源情報が直ちに更新され、資源情報記憶部222から、最新の資源情報を提供することができる。
また、ワークフローの実行により、システムの稼動中に、例えばサーバホストが新たに追加され、或いは、削除されると、動的スケジュール生成部229には、その旨のイベントに関する情報が通知される。スケジュール修正方針ファイルには、資源の数が増加、又は、減少したときの変更方針として、変化後の資源の数に適合するように更新スケジュールを生成し直す旨が記述されている。動的スケジュール生成部229は、静的スケジュール生成部224と同様なアルゴリズム(図3)で、変更後の資源数に基づいて同時エージェントアクセス数を決定し、各資源の更新スケジュールを生成する。これにより、資源数に応じた資源情報の更新処理が実現する。
スケジュール変更方針ファイルには、コンピュータシステムの負荷やネットワークのトラフィックが上昇したときの更新スケジュールの変更方針として、負荷又はトラフィックに応じて、更新間隔を長くし、或いは、短くする旨が記述されている。動的スケジュール生成部229は、例えば、システム状態監視部230がCPU負荷が90%を超えた旨のイベントを発生させると、その旨の通知をイベント管理部228を介して受け取る。そして、例えば資源情報更新部223のポーリング間隔を、1秒から1.5秒に変更して、資源情報の更新間隔を全体的に長くする。
また、動的スケジュール生成部229は、例えば、システム状態監視部230がネットワークトラフィック量が5kbps以下である旨のイベントを発生させると、その旨の通知をイベント管理部228を介して受け取る。そして、例えばサーバホストに属する資源情報の更新間隔を、ポーリング間隔一回分だけ短縮して、その資源情報の更新頻度を高くする。このように、リアルタイムに変化するシステムの環境に適応して、更新間隔を変化させることにより、過負荷にならないキャッシュ更新処理を実現できる。
スケジュール変更方針ファイルには、資源情報更新部223による資源情報の更新によって、資源情報記憶部222が記憶する資源情報に変化がないときの更新スケジュールの変更方針として、その資源情報の更新間隔を伸ばす旨が記述されている。動的スケジュール生成部229は、キャッシュ監視部231が更新によって資源情報に変化がなかった旨のイベントを発生させると、その旨の通知をイベント管理部228を介して受け取り、スケジュール記憶部225が記憶する更新スケジュールに修正を加えて、その資源情報の更新間隔を現在の更新間隔よりも伸ばす。
例えば、図11において、Host02の資源情報に変化がないときには、動的スケジュール生成部229は、Host02の資源情報の更新間隔を、静的スケジュール生成部224で設定されたサーバホストについての初期値(3秒)から、4秒に変更する。その後、変更後の更新間隔に基づいて、Host02についての更新スケジュールを作成し、スケジュール記憶部225が記憶する更新スケジュールに修正を加える。このようにすることで、値が変化しない資源情報の更新頻度を下げることができる。
スケジュール変更方針ファイルには、資源情報更新部223による資源情報の更新によって、資源情報記憶部222が記憶する資源情報に変化がないときの更新スケジュールの変更方針として、その資源情報の更新間隔を伸ばす旨が記述されている。動的スケジュール生成部229は、キャッシュ監視部231が更新によって資源情報に変化がなかった旨のイベントを発生させると、その旨の通知をイベント管理部228を介して受け取り、スケジュール記憶部225が記憶する更新スケジュールに修正を加えて、その資源情報の更新間隔を現在の更新間隔よりも伸ばす。
スケジュール変更方針ファイルには、検索処理が発生した資源情報の更新スケジュールの変更方針として、その資源情報の更新間隔を短くする旨が記述されている。動的スケジュール生成部229は、検索処理監視部232が資源情報の検索処理が発生した旨のイベントを発生させると、その旨の通知をイベント管理部228を介して受け取り、スケジュール記憶部225が記憶する更新スケジュールに修正を加えて、検索処理が発生した資源情報及びその資源情報に関連する資源情報の更新間隔を現在の更新間隔よりも短くする。
例えば、図11において、Host01の資源情報に対して検索処理が発生したときには、動的スケジュール生成部229は、Host01の資源情報の更新間隔を、サーバホストについての初期値(5秒)から、4秒に変更する。また、Host01に関連する資源情報の更新間隔を、現在のものよりも短くする。その後、変更後の更新間隔に基づいて、Host01及びそれに関連する資源情報についての更新スケジュールを作成し、スケジュール記憶部225が記憶する更新スケジュールに修正を加える。これにより、利用者の関心の高い資源情報の更新間隔が短くなり、検索頻度が高い資源情報を頻繁に更新させることで、利用者に、最新の資源情報を提供することができる。
スケジュール変更方針ファイルには、障害が発生したときの更新スケジュールの変更方針として、障害が発生した資源に関連がある資源の資源情報を集中的に更新する旨が記述されている。動的スケジュール生成部229は、障害検出部233が障害が発生した旨のイベントを発生させると、その旨の通知をイベント管理部228を介して受け取り、障害が発生した資源に関連がある資源情報の更新スケジュールに修正を加えて、その資源情報の更新が直ちに行われるように、スケジュール記憶部225が記憶する更新スケジュールを修正する。
これにより、障害に対する正確かつ迅速な対応を行うために必要な資源について、最新の資源情報を提供することが可能となる。
本実施形態では、イベント管理部228が管理するイベントにより、動的スケジュール生成部229がスケジュール記憶部225に記憶された更新スケジュールを動的に変化させ、資源情報更新部223は、その動的に変化するスケジュールに基づいて、各資源情報の更新を行う。これにより、第1実施形態で得られる効果に加えて、資源の性質や、資源管理コンポーネント22aを実現するコンピュータシステムの状態等に応じて、効率よく資源情報を収集することができる。
図12は、本発明の第3実施形態の資源管理システムにおけるエージェントの構成を示している。本実施形態では、資源管理システムの全体構成は第1実施形態又は第2実施形態と同様であり、エージェント3のうちの少なくとも一部が、図12に示す構成を有する。本実施形態では、静的スケジュール生成部224又は動的スケジュール生成部229が、エージェント3aに対して、エージェント3側から自動的に資源情報を送信するように要求する。
エージェント3aは、マネージャ接続部301及び資源情報取得部302に加えて、通知管理部303とイベント管理部304とを備える。エージェント3aは、資源情報更新部223から資源情報の送信を要求されると、第1実施形態又は第2実施形態のエージェント3と同様な動作により、要求された資源情報31を取得して、これを資源情報更新部223に送信する。イベント管理部304は、エージェント3aの内部及び外部で発生したイベントを管理する。通知管理部303は、資源情報の自動送信の許可/不許可に関する情報、及び、自動送信が許可される場合の資源情報の送信条件を記憶する。
静的スケジュール生成部224又は動的スケジュール生成部229は、資源情報を自動的に送信すべきエージェント3aに対して、資源情報の送信条件を指定する情報を含む自動通知要求を送信する。エージェント3aでは、静的スケジュール生成部224又は動的スケジュール生成部229から自動通知要求を受信すると、通知管理部303が、資源情報の自動送信が許可である旨を記憶し、その要求に含まれる資源情報の送信条件を記憶する。
静的スケジュール生成部224又は動的スケジュール生成部229は、資源情報の送信条件として、所定時間間隔の送信、或いは、所定のイベントに応答した送信を指定する。エージェント3aは、例えば送信条件として、所定の時間間隔で資源情報を送信するように指定された場合には、その指定された時間間隔毎に資源情報を取得する処理を起動し、取得した資源情報を資源情報更新部223に送信する。また、送信条件として、所定のイベントに応答した送信を要求された場合には、イベント管理部304がその所定のイベントの発生を検出したタイミングで資源情報を取得する処理を起動し、取得した資源情報を資源情報更新部223に送信する。
図13は、通知管理部303に資源情報の自動送信を登録する際の手順をフローチャートで示している。なお、以下では、静的スケジュール生成部224によって資源情報の自動通知要求が送信される例について説明するが、動的スケジュール生成部229が自動通知要求を送信する場合についても、動作手順は同様である。静的スケジュール生成部224(図2)は、静的スケジュールの生成に際して、資源情報の自動通知を要求するエージェントがあるときには、そのエージェント3aに対して、自動通知要求を送信する(ステップF1)。
例えば、静的スケジュール生成部224は、例えば分類がネットワーク機器に属する資源の資源情報を取得するエージェント3aに対して、自動通知要求を送信する。その際、生成した静的スケジュール(図5)に従って、資源情報更新部223がその資源情報を更新するように、送信条件として、資源情報の送信開始時刻と送信間隔とを指定する情報を、自動通知要求に含める。エージェント3aは、マネージャ接続部301が、この自動通知要求を受信する(ステップF2)。通知管理部303は、受信された自動通知要求に従って、資源情報の送信条件を記憶する(ステップF3)。
図14は、エージェント3aが指定された時間間隔に従って資源情報を送信する際の手順をフローチャートで示している。通知管理部303は、自動送信が許可される旨と、指定された資源情報の送信間隔とを記憶している。通知管理部303は、次の資源情報の送信タイミングになるまで待機する(ステップG1)。通知管理部303は、図13に示す手順に従って登録された送信条件で指定された資源情報の送信開始時刻となると、或いは、前回の資源情報の送信から指定された時間が経過すると、資源情報通知のための処理を起動し、資源情報取得部302を介して資源情報31を取得する(ステップG2)。
通知管理部303は、取得した資源情報31を、マネージャ接続部301を介して、資源情報更新部223に向けて送信する(ステップG3)。エージェント3aは、ステップG1〜G3までを繰り返し実行し、指定された時間間隔で資源情報を資源情報更新部223に送信する。資源情報更新部223は、受信した資源情報で、資源情報記憶部222が記憶する資源情報を更新する。
図15は、エージェント3aが所定のイベントに応答して資源情報を送信する際の手順をフローチャートで示している。静的スケジュール生成部224は、エージェント3aに対して、例えば、OSのシステムエラーやアプリケーションエラーが発生した旨のイベント、或いは、エージェント3aのCPU負荷がしきい値を超えた旨のイベントが発生したときに、資源情報を送信するように要求している。イベント管理部304は、不定期に発生するイベントを監視して、イベントが発生するまで待機する(ステップH1)。イベント管理部304は、イベントの発生を検出すると、その旨を通知管理部303に送信する。
通知管理部303は、発生したイベントが、図13に示す手順で記憶した送信条件で、イベント発生に応じて資源情報を送信すべきと指定されているか否かを判断する(ステップH2)。ステップH2で、発生したイベントが、そのイベント発生に応じて資源情報を送信すべきと指定されていると判断したときには、通知管理部303は、資源情報を送信するための処理を起動し、資源情報取得部302を介して資源情報31を取得する(ステップH3)。その後、取得した資源情報31を、マネージャ接続部301を介して、資源情報更新部223に向けて送信する(ステップH4)。ステップH2で、発生したイベントが送信すべきと指定されていないと判断されたときには、ステップH1に戻り、次のイベント発生まで待機する。
図16は、自動通知要求を解除する際の手順をフローチャートで示している。静的スケ
ジュール生成部224は、エージェント3aからの自動通知を解除する際には、該当するエージェント3aに対して、自動通知解除要求を送信する(ステップI1)。通知管理部303は、マネージャ接続部301を介して、この自動通知解除要求を受信し(ステップI2)、記憶されている自動通知設定から解除する自動通知に関する情報を見つけ、これを破棄する(ステップI4)。これ以後、エージェント3aは、資源管理コンポーネント22側からのエージェントアクセスに基づいて、資源情報を、資源情報更新部223に送信する。
例えば、本実施形態の資源管理システム100aを用いて、サーバホストの情報、アプリケーションの情報、ネットワークの情報を扱う場合について考える。資源管理コンポーネント22は、例えば、ネットワーク機器の設定情報を取得するエージェント3aに、資源情報の自動通知を要求する。エージェント3aは、自動通知要求で指定された時間間隔、例えば5秒間間隔で、資源情報を資源管理コンポーネント22に通知する。資源管理コンポーネント22は、ネットワーク機器の設定情報以外の資源情報については、スケジュール記憶部225に記憶されたスケジュールに基づいてエージェントアクセスを行う。
本実施形態では、エージェント3aは、資源管理コンポーネント22によって指定された条件で、資源情報を自動的に送信する。これにより、資源管理コンポーネント22は、エージェントアクセスを実行しなくても、エージェント3aから資源情報を取得することができ、第1実施形態で得られる効果に加えて、資源管理コンポーネント22によるエージェントアクセス数を削減して、処理負担を軽減できる。
本実施形態では、資源情報の自動通知設定は、資源管理コンポーネント22からの自動通知要求により、任意に、設定又は解除できる。また、資源情報の自動通知の条件を、任意に設定できる。これにより、資源管理コンポーネント22側の要求に沿った更新通知処理を実現でき、例えば動的スケジュール生成部229によって更新間隔が変更された場合には、資源管理コンポーネント22は、その変更後の更新間隔で、資源情報を更新できる。また、資源管理コンポーネント22は、エージェント3aのCPU負荷がしきい値を超えた場合の通知や、障害時の通知など、不定期で発生するものについては、エージェント3aから、自動的に送信するようにしている。このようにすることで、定期的にエージェントアクセスを実行しなくても、それらの情報を得ることができる。
ここで、図17は、資源管理コンポーネント22を実現するコンピュータの構成を示している。このコンピュータ220は、入力装置4、資源情報管理用プログラム5、データ処理装置6、出力装置7、及び、記憶装置8で構成される。資源情報管理用プログラム5は、データ処理装置6に読み込まれてデータ処理装置6の動作を制御し、検索処理部221、資源情報更新部223、静的スケジュール生成部224、エージェント接続管理部226、ワークフロー実行部227、イベント管理部228、動的スケジュール生成部229、システム状態監視部230、キャッシュ監視部231、検索処理監視部232、及び、障害検出部233を実現する。記憶装置8は、資源情報記憶部222とキャッシュ更新スケジュール記憶部225とを実現する。第1実施形態〜第3実施形態の資源管理コンポーネント22は、このようなコンピュータ220により実現できる。
なお、第2実施形態では、運用開始状態では、スケジュール記憶部225には、静的スケジュール生成部224が生成した資源毎の更新スケジュールが記憶される例について説明したが、これには限定されない。例えば、入力手段4を用いて、各資源について、同じ更新間隔でキャッシュ更新を行わせる更新スケジュールをスケジュール記憶部225に記憶させて、その更新スケジュールを、動的スケジュール生成229によって修正させることもできる。
図18(a)〜(d)は、更新スケジュールの修正の様子を示している。この例では、はじめ、各資源の更新間隔は、全て4秒に設定されている(同図(a))。ある時刻tから4秒後に更新が行われ、host01、host02、host03の資源情報が、資源情報記憶部222に記憶された資源情報から変更されているときには、動的スケジュール生成部229は、それらホストサーバの資源情報の更新間隔を、4秒から3秒に短縮する。また、L2SW、L3SWの資源情報が、資源情報記憶部222に記憶された資源情報から変更されていなかったときには、動的スケジュール生成部229は、それらネットワーク機器の資源情報の更新間隔を、4秒から5秒に伸ばす(同図(b))。
資源情報更新部223は、変更された更新スケジュールに基づいて、ある時刻tから7秒後に、Host01、Host02、Host03の資源情報の更新を行う。動的スケジュール生成部229は、その更新によって、それらサーバホストの資源情報が変更されなかったときには、それらサーバホストの資源情報の更新間隔を、3秒から4秒に伸ばす(図18(c))。その後、資源情報更新部223は、ある時刻tから9秒後に、L2SW、L3SWの資源情報の更新を行う。動的スケジュール生成部229は、その更新によってそれらネットワーク機器の資源情報が変更されていなかったときには、それらネットワーク機器の資源情報の更新間隔を、5秒から6秒に更に伸ばす(同図(d))。このようにすることで、資源毎の更新スケジュールをあらかじめ用意しておかなくても、資源の状態に応じた更新間隔で、その資源の資源情報を更新することができる。
ところで、資源情報に変化が生じないもの等について、資源情報の更新間隔を徐々に伸ばしていくと、更新間隔が長くなりすぎることも考えられる。このようなことを防ぐためには、動的スケジュール生成部229は、各資源の更新間隔を、あらかじめ定められた上限値よりも長くならないようにするとよい。また、例えば、更新間隔の短縮と延長が繰り返し発生するような場合には、更新間隔が2つの更新間隔の間で変動するような場合が考えられる。このような場合、動的スケジュール生成部229は、変動する2つの更新間隔の平均値を、その資源情報の更新間隔として設定することができる。これにより、更新間隔を安定化させることができる。
以上、本発明をその好適な実施形態に基づいて説明したが、本発明の資源管理システムは、上記実施形態例にのみ限定されるものではなく、上記実施形態の構成から種々の修正及び変更を施したものも、本発明の範囲に含まれる。
本発明の第1実施形態の資源管理システムの構成を示すブロック図。 資源管理コンポーネント22及びエージェント3の詳細な構成を示すブロック図。 静的スケジュール生成部224による静的スケジュール生成のアルゴリズムを示すフローチャート。 資源プロファイルの具体例。 静的スケジュール生成部224によって生成された静的スケジュールの具体例を示すタイムテーブル。 キャッシュ更新処理の動作手順を示すフローチャート。 資源情報の検索要求を処理する際の動作手順を示すフローチャート。 資源管理システムの動作手順を示すフローチャート。 本発明の第2実施形態の資源管理システムにおける資源管理コンポーネント22aの構成を示すブロック図。 キャッシュ更新スケジュールの修正の際の動作手順を示すフローチャート。 管理対象のコンピュータシステムを示すブロック図。 本発明の第2実施形態の資源管理システムにおけるエージェントの構成を示すブロック図。 通知管理部303にスケジュールを登録する際の動作手順を示すフローチャート。 資源情報通知の際の動作手順を示すフローチャート。 イベント起動による情報通知の際の動作手順を示すフローチャート。 自動通知要求を解除する際の動作手順を示すフローチャート。 資源管理コンポーネント22を実現するコンピュータの構成を示すブロック図。 図18(a)〜(d)は、更新スケジュールの修正の様子を示すタイムテーブル。

Claims (22)

  1. 分散システムのネットワーク接続された複数の資源に関する資源情報を資源利用者からの要求に応じて提供する資源情報提供サーバを備える資源管理システムにおいて、
    前記資源情報提供サーバ(2)が、資源情報を記憶する資源情報記憶部(222)と、該資源情報記憶部(222)に記憶された資源情報の更新スケジュールを記憶するスケジュール記憶部(225)と、前記スケジュール記憶部(225)に記憶された更新スケジュールに従って前記資源情報を取得し、該取得した資源情報によって前記資源情報記憶部(222)に記憶された資源情報を更新する資源情報更新部(223)とを備え、
    前記スケジュール記憶部(225)は、資源情報を取得すべき資源毎に設定された更新間隔を持ち、且つ、同時に取得する資源情報の数が、資源情報提供サーバ(2)のメモリ容量に基づいて、予め設定された同じタイミングで取得できる資源情報の数の上限を超えないように、資源毎に資源情報の更新タイミングを規定する更新スケジュールを記憶することを特徴とする資源管理システム。
  2. 前記更新間隔は資源の種類毎に異なる時間を有する、請求項1に記載の資源管理システム。
  3. 前記資源情報提供サーバ(2)は、前記更新スケジュールを生成して、前記スケジュール記憶部に保存する静的スケジュール生成部(224)を更に備える、請求項1又は2に記載の資源管理システム。
  4. 前記更新間隔は、資源情報提供サーバ(2)のCPU性能に基づいて、設定される、請求項1〜3の何れか一に記載の資源管理システム。
  5. 前記資源情報提供サーバ(2)は、資源利用者による資源情報の要求、資源の状態、資源情報提供サーバ(2)の状態、及び、通信回線の状態の少なくとも1つに応じて、同時に取得する資源情報の数が、前記同じタイミングで取得できる資源情報の数の上限を越えないように、記更新スケジュールを動的に修正する動的スケジュール生成部(229)を更に備える、
    ことを特徴とする請求項1〜の何れか一に記載の資源管理システム。
  6. 前記動的スケジュール生成部(229)は、資源数の増加又は減少に対応して前記更新スケジュールを修正する、請求項に記載の資源管理システム。
  7. 前記動的スケジュール生成部(229)は、資源利用者からの資源情報の要求が発生すると、該要求が発生した資源情報の更新間隔を短くする、請求項又はに記載の資源管理システム。
  8. 前記動的スケジュール生成部(229)は、資源又は通信回線の障害が発生すると、該障害に関連がある資源情報の更新間隔を短くする、請求項の何れか一に記載の資源管理システム。
  9. 前記動的スケジュール生成部(229)は、資源の構成の変更があると、該変更があった資源の資源情報の更新間隔を短くする、請求項の何れか一に記載の資源管理システム。
  10. 前記動的スケジュール生成部(229)は、資源情報の更新に際して変化がなかった資源情報の更新間隔を長くする、請求項の何れか一に記載の資源管理システム。
  11. 前記動的スケジュール生成部(229)は、前記資源情報提供サーバ(2)又は通信回線の負荷が上昇すると、資源情報の更新間隔を全体的に長くする、請求項10の何れか一に記載の資源管理システム。
  12. 前記更新スケジュールの修正が必要となるイベントの発生を検出すると、該イベントの内容を特定する内容情報を作成し、作成した内容情報を前記動的スケジュール生成部(229)に送信し、該イベントが資源に関するイベントである場合には、さらに、該イベントに関連する資源を識別する識別情報を作成し、作成した識別情報と前記内容情報とを前記動的スケジュール生成部(229)に送信するイベント管理部(228)を更に備え、
    前記動的スケジュール生成部(229)は、受信した情報に基づいて、前記更新スケジュールを動的に修正する、請求項5〜11の何れか一に記載の資源管理システム。
  13. 前記資源情報更新部(223)による資源情報の取得要請に応答し、要請された資源情報を収集し、収集した資源情報を前記資源情報更新部(223)に送信するエージェント(3)を更に備える、請求項1〜12の何れか一に記載の資源管理システム。
  14. 前記エージェント(3)は、通知条件及び資源情報を指定した自動通知要求を記憶しており、該自動通知要求で指定された通知条件が発生すると、該自動通知要求で指定された資源情報を取得し、取得した資源情報を前記資源情報更新部(223)に送信する、請求項13に記載の資源管理システム。
  15. 前記更新スケジュールは、前記資源情報更新部(223)が所定時間間隔で繰り返し行うポーリングごとに、取得すべき資源情報を規定している、請求項1〜14の何れか一に記載の資源管理システム。
  16. 分散システムのネットワーク接続された複数の資源に関する資源情報を資源利用者からの要求に応じて提供する資源情報提供サーバを備える資源管理システムにおいて、
    前記資源情報提供サーバ(2)が、資源情報を記憶する資源情報記憶部(222)と、
    該資源情報記憶部(222)に記憶された資源情報の更新スケジュールを記憶するスケジュール記憶部(224)と、
    前記スケジュール記憶部(224)に記憶された更新スケジュールに従って前記資源情報を取得し、該取得した資源情報によって前記資源情報記憶部(222)に記憶された資源情報を更新する資源情報更新部(223)と、
    資源利用者による資源情報の要求、資源の状態、資源情報提供サーバ(2)の状態、及び、通信回線の状態の少なくとも1つに応じて、同時に取得する資源情報の数が、資源情報提供サーバ(2)のメモリ容量に基づいて予め設定された同じタイミングで取得できる資源情報の数の上限を越えないように、記更新スケジュールを動的に修正する動的スケジュール生成部(229)とを備えることを特徴とする資源管理システム。
  17. 分散システムのネットワーク接続された複数の資源に関する資源情報を資源利用者からの要求に応じて提供する資源情報提供サーバを用いて資源情報を提供する方法において、
    同時に取得する資源情報の数が、資源情報提供サーバ(2)のメモリ容量に基づいて、予め設定された同じタイミングで取得できる資源情報の数の上限を超えないように、資源毎に資源情報の更新タイミングを規定する更新スケジュールを、スケジュール記憶装置(225)に記憶するステップと、
    前記スケジュール記憶装置(225)に記憶された更新スケジュールに従って資源情報を取得し、該取得した資源情報を資源情報記憶装置(222)に記憶するステップと、
    前記資源情報記憶装置(222)に記憶された資源情報を資源情報利用者からの要求に応答して提供するステップとを有することを特徴とする資源提供方法。
  18. 前記更新スケジュールは、資源毎に設定された更新間隔を持つ、請求項17に記載の資源管理方法。
  19. 分散システムのネットワーク接続された複数の資源に関する資源情報を資源利用者からの要求に応じて提供する資源情報提供サーバを用いて資源情報を提供する方法において、
    ケジュール記憶装置(225)に記憶されている資源情報の更新タイミングを規定する更新スケジュールに従って資源情報を取得し、該取得した資源情報を資源情報記憶装置(222)に記憶するステップと、
    資源利用者による資源情報の要求、資源の状態、資源情報提供サーバ(2)の状態、及び、通信回線の状態の少なくとも1つに応じて、同時に取得する資源情報の数が、資源情報提供サーバ(2)のメモリ容量に基づいて予め設定された同じタイミングで取得できる資源情報の数の上限を超えないように、記更新スケジュールを動的に修正するステップと、
    前記資源情報記憶装置(222)に記憶された資源情報を資源情報利用者からの要求に応答して提供するステップとを有することを特徴とする資源提供方法。
  20. 分散システムのネットワーク接続された複数の資源に関する資源情報を資源利用者からの要求に応じて提供する資源情報提供サーバを作動させるためのプログラムであって、前記資源情報提供サーバ(2)に、
    同時に取得する資源情報の数が、資源情報提供サーバ(2)のメモリ容量に基づいて、予め設定された同じタイミングで取得できる資源情報の数の上限を超えないように、資源毎に資源情報の更新タイミングを規定する更新スケジュールを、スケジュール記憶装置(225)に記憶する処理と、
    前記スケジュール記憶装置(225)に記憶された更新スケジュールに従って資源情報を取得し、該取得した資源情報を資源情報記憶装置(222)に記憶する処理と、
    前記資源情報記憶装置(222)に記憶された資源情報を資源情報利用者からの要求に応答して提供する処理とを実行させることを特徴とするプログラム。
  21. 前記更新スケジュールは、資源毎に設定された更新間隔を持つ、請求項20に記載のプログラム。
  22. 分散システムのネットワーク接続された複数の資源に関する資源情報を資源利用者からの要求に応じて提供する資源情報提供サーバを作動させるためのプログラムであって、前記資源情報提供サーバ(2)に、
    ケジュール記憶装置(225)に記憶されている資源情報の更新タイミングを規定する更新スケジュールに従って資源情報を取得し、該取得した資源情報を資源情報記憶装置(222)に記憶する処理と、
    資源利用者による資源情報の要求、資源の状態、資源情報提供サーバ(2)の状態、及び、通信回線の状態の少なくとも1つに応じて、同時に取得する資源情報の数が、資源情報提供サーバ(2)のメモリ容量に基づいて予め設定された同じタイミングで取得できる資源情報の数の上限を超えないように、記更新スケジュールを動的に修正する処理と、
    前記資源情報記憶装置(222)に記憶された資源情報を資源情報利用者からの要求に応答して提供する処理とを実行させることを特徴とするプログラム。
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