JP5038847B2 - エアレイド不織布用短繊維 - Google Patents

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本発明は、エアレイド不織布用短繊維に関する。更に詳しくは、圧縮された状態で長期間保持されても空気開繊性が良好であり、品位に優れた不織布が得られるエアレイド不織布用短繊維に関する。
近年、生活用品、衛生材料、医療品など分野で、不織布が多く使用されている。さらに最近では、高速で生産でき、嵩高性、通気性、通液性に優れた不織布が得られる、エアレイド不織布の研究・開発が進められている。かかるエアレイド不織布においては、取扱い性や力学特性などに優れたポリオレフィン樹脂や、ポリエステル樹脂といった合成樹脂からなる短繊維を用いたものが多く提案されている(例えば、特許文献1等参照。)。
かかるエアレイド不織布用短繊維においては空気開繊性が重要であり、得られるエアレイド不織布の品位を左右する。例えば、本発明者らの検討によれば、芯成分:ポリエチレンテレフタレート/鞘成分:高密度ポリエチレン芯鞘型複合繊維や芯成分:ポリプロピレン/鞘成分:高密度ポリエチレン芯鞘型複合繊維のような繊維表面に高密度ポリエチレンが露出しているエアレイド不織布用短繊維は、空気開繊性が向上している。更に、形成されたエアレイドウェブ中に、数十本の繊維が平行に揃って束となった未開繊束や、繊維が絡合してできる毛玉状欠点が生成され難く、従来よりもウェブ品位が改善された不織布が得ることができる(例えば、特許文献2参照。)。しかしながら、繊維表面にポリエステル樹脂が露出しているエアレイド不織布用短繊維は、高密度ポリエチレンを繊維表面に配した繊維に比べ繊維摩擦及び捲縮率が高くなり、未開繊束や毛玉状欠点を形成し易い傾向がある。
これを解消するために、本発明者らは、ポリエステル樹脂中にポリオレフィン樹脂を溶融混練時に少量含有させることにより、空気開繊性が改善できることを提案した(例えば、特許文献3参照。)。更には、圧縮梱包機を用いてベール状梱包体として出荷する際(例えば、非特許文献1等を参照)に生じやすいブロック状繊維集合体(繊維間で接合あるいは圧着した塊)を解消するため、梱包体中の繊維密度と水分率を適切な範囲内で低く抑えることが有効であることを提案した(例えば、特許文献4参照。)。
しかしながら、樹脂によっては、かかる梱包体が30℃以上の比較的高温下で保管された場合や、保管期間が2〜3ヶ月以上の長期に渡る場合に、製造直後と比べて繊維の空気開繊性が経時劣化することが判明し、特に繊維表面を構成する樹脂がポリエステル樹脂であるときに顕著であることをつきとめた。
国際公開第97/048846号パンフレット 特開平11−81116号公報 特開2004−027377号公報 特開2005−193929号公報 ポリエステル繊維 p238〜239(H.Ludewig原著 コロナ社 1967年刊)
本発明は、上記従来技術を背景になされたもので、その目的は、圧縮された状態で高温下又は長期に保持された後でも空気開繊性が良好であり、品位に優れた不織布が得られるエアレイド不織布用短繊維を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、特定の平均炭素数の範囲にあるアルキル基、アリール基、又はアルキルアリール基を有するスルホネート金属塩化合物を、繊維表面を構成する樹脂中もしくは繊維処理剤中に含有させる手段で短繊維表面に付着させておくことで、上記課題を大きく軽減できることを見出し、本発明に到達した。
即ち本発明は
短繊維表面を構成する主たる熱可塑性樹脂がイソフタル酸共重合アルキレンテレフタレートを含むポリエステル樹脂であり、かつ熱可塑性樹脂中に下記一般式(I)で表されるスルホン酸金属塩化合物が熱可塑性樹脂重量を基準として0.1〜5.0重量%含有するエアレイド不織布用短繊維、
RSOM ・・・・ (I)
[Rは平均炭素数が14〜22個のアルキル基、アリール基又はアルキルアリール基を示し、Mはアルカリ金属を示す。]
又は
短繊維表面を構成する主たる熱可塑性樹脂がイソフタル酸共重合アルキレンテレフタレートを含むポリエステル樹脂であり、上記一般式(I)で表されるスルホン酸金属塩化合物を固形分中の5〜50重量%含有した繊維処理剤を、短繊維重量に対して0.05〜0.3重量%付着させたエアレイド不織布用短繊維である
本発明の短繊維は、梱包圧縮後に比較的高温又は長期保管されても開繊性の悪化が低減され、繊維在庫管理を容易できる利点がある。更には、梱包以外でも、不織布製造工程での計量工程や輸送工程で強い圧縮を受ける場合も、同様に地合いの良好な不織布を提供することができる。
以下本発明の実施形態について詳細に説明する。スルホン酸金属塩化合物を表面に付着させることによるエアレイド不織布用短繊維の開繊性改善効果が殊に大きいのは、短繊維表面を構成する主たる熱可塑性樹脂がポリエステル樹脂からなる場合である。
ここで、「繊維表面を構成する主たる熱可塑性樹脂がポリエステル樹脂」であるという表現は、2つの意味合いを含んでいる。一つは、短繊維表面に露出しているポリエステル樹脂は、ポリエステル樹脂以外に、本来の物性を損なわない程度に他の熱可塑性ポリマー、例えばナイロン−6等のポリアミド類、ポリエチレン、ポリスチレン等のポリオレフィン類などを含有してもよい、という意味である。特許文献3に示されるように、少量のポリオレフィン樹脂を溶融混練したポリエステルエアレイド不織布用短繊維はエアレイド工程における開繊性を向上させる効果があり、本発明はこの範疇を含むものである。
もう一つは、前述のポリエステル樹脂により短繊維表面の30%以上が被覆されていることを示し、該ポリエステル樹脂のみからなるホモ繊維(単一成分繊維)や、該ポリエステル樹脂を表面に配し、他方の組成や分子量の異なるポリエステル樹脂や、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリオレフィン等と組み合わせた同芯芯鞘型や偏芯芯鞘型、サイドバイサイド型、分割型、海島型等の複合繊維といった繊維形態を含みうることを意味する。本発明の技術は、特に短繊維表面の全てが該ポリエステル樹脂によって被覆されているホモ繊維(単一成分繊維)や同芯芯鞘型複合繊維、芯部が露出していない偏芯芯鞘型複合繊維において、特に効果を発揮する。更に、鞘成分の熱可塑性樹脂の主たる成分、好ましくは70重量%以上がポリエステル樹脂とする芯鞘型複合繊維である場合が好ましい。更には、上記短繊維の断面形状は中実断面の他、1個以上の中空部を有するものでもよい。また、丸断面に限定されることはなく、楕円断面、3〜8葉断面等の多葉断面、3〜8角形等の多角形断面などの異形断面でもよい。なお、これらの溶融〜口金からの吐出にあたっては、通常のポリエステル繊維に用いられる公知の製造方法を適用できる。
ポリエステル樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリヘキサメチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等の芳香族ポリエステルや、ポリ(α−ヒドロキシ酸)のようなポリグリコール酸やポリ乳酸からなる重合体又はこれらの共重合体、ポリ(ε−カプロラクトン),ポリ(β−プロピオラクトン)のようなポリ(ω−ヒドロキシアルカノエート)、ポリ−3−ヒドロキシプロピオネート、ポリ−4−ヒドロキシブチレート、ポリ−6−ヒドロキシカプロレート、ポリ−7−ヒドロキシヘプタノエート、ポリ−8−ヒドロキシオクタノエート及びこれらとポリ−5−ヒドロキシバリレートやポリ−4−ヒドロキシブチレートとの共重合体のようなポリ(ω−ヒドロキシアルカノエート)、ポリエチレンオキサレート、ポリエチレンサクシネート、ポリエチレンアジペート、ポリエチレンアゼレート、ポリブチレンオキサレート、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンアジペート、ポリブチレンセバケート、ポリヘキサメチレンセバケート、ポリネオペンチルオキサレート又はこれらの共重合体といった脂肪族ポリエステル、これらにイソフタル酸、フタル酸、ジブロモテレフタル酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカン酸、蓚酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、β−オキシエトキシ安息香酸、p−オキシ安息香酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸のような金属スルホイソフタル酸などの酸成分や、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,3−トリメチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、ネオペンチルグリコール、ビスフェノールA、ビスフェノールS、ポリエチレングリコール、ポリトリメチレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどのグリコール成分を共重合したもの等、従来知られているものを例示できる。更にポリエステルが実質的に線状である範囲でトリメリット酸、ピロメリット酸の如きポリカルボン酸、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールの如きポリオールを使用してもよい。
中でも、短繊維表面を構成する熱可塑性樹脂の主たる成分が、結晶性が低いために繊維間摩擦が比較的大きいイソフタル酸共重合アルキレンテレフタレートである場合に、本発明の効果が大きい。すなわち、ポリエステルを構成する酸成分の40〜100モル%がテレフタル酸成分、60〜0モル%がイソフタル酸成分であり、グリコール成分がエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ヘキサメチレングリコールのうちの一成分以上で構成される芳香族ポリエステルである場合が好ましく、芳香族ポリエステルが結晶性ポリエステルの場合と非晶性ポリエステルの場合の双方を含む。
また、前述の樹脂には必要に応じて、触媒のほか、各種の添加剤、例えば、艶消し剤、熱安定剤、光安定剤、中和剤、造核剤、エポキシ安定剤、滑剤、抗菌剤、難燃剤、帯電防止剤、可塑剤、消泡剤、整色剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、蛍光増白剤、染料や顔料などが添加されていてもよい。
本発明で用いるスルホン酸金属塩化合物とは、下記一般式(I)で表されるものである。
RSOM ・・・・ (I)
[Rは平均炭素数が14〜22個のアルキル基、アリール基又はアルキルアリール基を示し、Mはアルカリ金属を示す。]
かかる有機スルホン酸金属塩化合物においては、有機基であるRは直線状でも分岐した側鎖を有していてもよく、セカンダリーアルキル基を有するスルホン酸金属塩の形態であるアルキルスルホン酸金属塩を含む。また、Rが単一の分子鎖長や単一の炭素数である必要はなく、分子鎖長や炭素数が分布をもってもよいし、各種のアルキル基、アリール基又はアルキルアリール基を有するアルキルスルホン酸金属塩の混合物であってもよい。
ここでは、アルキル基、アリール基、アルキルアリール基において分岐部分も総合計した炭素数の平均が14〜22個のものが好適に用いられる。特に好ましくは16〜20個である。平均炭素数が14個より小さいと湿度や圧力による繊維間の粘着が起こりやすくなり、エアレイド不織布中に未開繊束の形で残りやすくなる。逆に22個より大きいと帯電防止効果が小さく、結果として静電気による繊維凝集が起こりやすくなって、エアレイド不織布製造装置の紡出能力が小さくなる。
有機スルホン酸金属塩としては、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩が用いられ、好ましくはナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩等の塩が挙げられるが、中でも、ナトリウムやカリウム等のアルカリ金属塩が好ましく、更にはナトリウム塩が制電性と膠着防止をバランスよく両立する面で好ましい。また金属塩ではないものの、有機スルホン酸の、アミン塩、アルカノールアミン塩、アルキルホスホニウム塩(例えば、P(CCl)も挙げる事ができる。繊維に有機スルホン酸金属塩を含有又は付着させた後、後処理等によりスルホン酸部分のカウンターアニオンがこのようなアニオン種になることもありえるからである。
このようなスルホン酸金属塩化合物としては、ミリスチルスルホン酸ナトリウム(又はカリウム)、セチルスルホン酸ナトリウム(又はカリウム)、ステアリルスルホン酸ナトリウム(又はカリウム)、オレイルスルホン酸ナトリウム(又はカリウム)、ベヘニルスルホン酸ナトリウム(又はカリウム)や、炭素数8〜20個で平均炭素数14個のアルキルスルホン酸ナトリウム(又はカリウム)混合物などが挙げられる。
このようなスルホン酸金属塩化合物を短繊維表面に付着させる手段としては、短繊維表面を構成する熱可塑性樹脂中に分散させておく方法と、繊維処理剤中に分散させてそのエマルジョンを繊維表面に付着させる方法がある。
まず、短繊維表面を構成する熱可塑性樹脂中に分散させる方法については、スルホン酸金属塩化合物を熱可塑性樹脂製造の原料に予め添加しても、該ポリエステル樹脂の重縮合反応時に添加してもよい。重縮合反応時に添加する場合には、スルホン酸金属塩化合物を1度に全量を重縮合反応槽に添加しても、複数回に分けて添加しても良い。該ポリエステル樹脂の重縮合反応終了後に、直接スルホン酸金属塩化合物を添加しても良い。また、予め該ポリエステル等の熱可塑性樹脂をベースとしたマスターバッチを製造し、溶融押出機内で該ポリエステル樹脂と溶融混合する方法や、溶融させたスルホン酸金属塩化合物を溶融押出機の途中や溶融紡糸の吐出以前の段階(例えば、スタティックミキサーやスピンパック内混合)で該ポリエステルに添加し混合する方法等を採用することもできる。なお、スルホン酸金属塩のマスターバッチや溶融押出機への直接溶融混合を行う場合、滑剤や粘着防止、分散助剤等の目的に応じてステアリン酸マグネシウム等やラウロイルモノエタノールアミド、ステアロイルモノエタノールアミド等の脂肪酸モノエタノールアミド、ラウリルジエタノールアミン、ステアリルジエタノールアミン等のアルキルジエタノールアミン、ステアリルアルコール等の脂肪族高級アルコールなどを混合してもよい。
そのスルホン酸金属塩化合物を熱可塑性樹脂中に含有させる場合には、その含有率は熱可塑性樹脂の重量を基準として0.1〜5.0重量%含有させる事が必要である。含有率が5.0重量%を超えると得られるエアレイド不織布用短繊維の強度が著しく低下する恐れがあり、含有率が0.1重量%未満の場合には得られるエアレイド不織布用短繊維は目的とする長期保管時の開繊性の悪化が低減できなくなることがある。より好ましくは0.3〜4.0重量%、より好ましくは0.4〜3.5重量%である。
また、スルホン酸金属塩化合物を繊維処理剤のエマルジョン(水溶液)中に溶解混合して、繊維表面に付着させる方法がある。本発明で用いる範囲のスルホン酸金属塩化合物は30〜80℃の温水中で容易に溶解し、分散性も良好である。
繊維処理剤中の固形分に含まれるスルホン酸金属塩化合物の含有量としては、繊維処理剤の固形分中の5〜50重量%、好ましくは10〜35重量%の範囲にあることが重要である。スルホン酸金属塩化合物の含有率が5重量%未満では繊維の静電気量が高目となり、また圧縮後の粘着防止効果が小さくなる。逆に該含有率が50重量%を超えると、繊維−繊維間摩擦、繊維−金属間摩擦ともに高くなり、更に繊維の粘着性が増す方向であるため、不織布中の未開繊束が多くなり、フォーミングドラムからの紡出能力も小さくなる。
スルホン酸金属塩化合物を含む繊維処理剤の短繊維への付着量としては、短繊維全体重量に対して、0.05〜0.3重量%とする必要がある。好ましい範囲は0.07〜0.2重量%である。付着量が0.05%未満では、樹脂そのものの摩擦の高さにより圧縮後の凝集状態が強固になるため、不織布上に未開繊束や毛玉が生じやすくなる他、スクリーンに繊維塊が詰りやすくなるため、紡出能力が低下する。付着量が0.3重量%より大きくなると、繊維処理剤自体の集束性により未開繊束ができやすくなり、繊維−金属間摩擦が増えるために紡出能力が落ちるため、好ましくない。
本発明のエアレイド不織布用短繊維の繊維長は、従来知られているエアレイド不織布製造装置を通過しやすいように、一般的には1〜30mmと比較的短く、より好ましくは3〜25mmの範囲にされることが好ましい。1mm未満の場合のように短すぎると不織布強度が出ないことが多く、30mmを超える場合のように長すぎると繊維間が絡まりあってスクリーンから排出されにくくなるためである。また、本発明のエアレイド不織布用短繊維の繊度が特に指定されることがないが、一般的に5デシテックスを超える比較的太い繊度であれば空気開繊性は良好であるので、特に5デシテックス以下、特に2.5デシテックス以下の空気開繊が難しい繊度において、本発明の効力は顕著となる。
本発明のエアレイド不織布用短繊維には、捲縮が付与されていても、されていなくてもよい。捲縮を付与するかどうかは不織布の目的や用途などに応じて決めればよい。梱包密度が大きくなると、捲縮の有るものの方が、捲縮のないものと比較して反発性が強くなるために梱包の内圧が高くなる傾向がある。本発明においては、このように内圧が高くなっても、繊維間で接合あるいは圧着して集合体となることがほとんどなく、エアレイド不織布の成形に用いても、スクリーン孔への詰まりがなく、品位に優れた不織布を得ることができる。したがって、上記短繊維に捲縮が有する場合に、本発明に効果がより顕著に現れる。捲縮の形態としては、平面ジグザグ捲縮、スパイラル捲縮、波型捲縮等が挙げられる。また、上記短繊維は、機械捲縮を有する短繊維だけでなく、潜在捲縮性を有する短繊維であってもよい。
以上に説明した本発明のエアレイド不織布用繊維は、例えば次のように製造することができる。
単一成分繊維や複合繊維の場合を含め、ポリエステル樹脂ペレットを溶融押出機等で溶融するか、もしくは連続重合装置から溶融状態で供給されるポリエステル樹脂を目的に応じた口金を装着したスピンパックに供給し、ストランド状で吐出して、口金下5〜200mmの位置で、紡出糸条に10〜40℃の空気を送風して冷却固化させた後、紡糸速度100〜2000m/minで引き取って未延伸糸を得る。ポリエステル樹脂中にスルホン酸金属塩化合物を含有させる具体的手段については既述の通りである。
得られた未延伸糸は、紡糸装置に直結していない延伸機を用いて、公知の短繊維の製造方法により、所定のエアレイド不織布用短繊維を得る。具体的には、収缶した未延伸糸を束ねてトウとし、60〜90℃の温水中で1〜2ステップに分けて延伸する。その後、エアレイド工程通過性や親水性等の機能性を付与する繊維処理剤を付着させ、押込クリンパーにより捲縮を付与し、熱風オーブンによってトウの乾燥と熱セットを行った後、ロータリーカッター等で1〜30mm程度の繊維長にカットし、目的の短繊維を得る。繊維処理剤中にスルホン酸金属塩化合物を含有させる方法については既述の通りである。なお、一般的にポリエステルエアレイド不織布用繊維は、捲縮率が高くなりがちで空気開繊中に絡合して毛玉状繊維塊を形成し易いため、クリンパー前のトウ温度は常温又は水冷等による冷却が基本であり、太繊度等捲縮の掛かり難くクリンパー運転性が不安定(ガタツキ)である場合には、必要最低限の加温をスチームや温水、熱媒、電気ヒータ等で実施するとよい。
本発明においては、特許文献4に示す如く、梱包体の梱包密度は50〜300kg/m、好ましくは100〜250kg/mとし、更には短繊維の水分率を0.5重量%以下とすることが好ましいが、高温高湿度下の保管や2〜3ヶ月の長期保管により、これらの条件内によっても開繊性の劣化が起こるような樹脂からなるエアレイド不織布用短繊維において更に品質を向上させる手段となり得る。ちなみに、上記梱包密度が300kg/mを超えると、梱包されている間に、短繊維同士が圧着して集合体となり、また、繊維を構成するポリマーの種類によっては短繊維同士が融着を起こす。こうした梱包体を開梱して、中の短繊維をエアレイド不織布の成形に用いた場合、該短繊維は、これをスクリーンまで搬送し同時に開繊する空気流では十分開繊されず、スクリーン孔への目詰まりが発生する。また、工程の変動を考慮した場合、梱包密度は250kg/m以下とするのが好ましい。一方、梱包密度が50kg/mより低くなるとベールの形態保持性が悪化してベールの取り扱い性が難しくなり、さらには輸送コストの増大を来すので好ましくない。こうした観点から、梱包密度は100kg/m以上とすることが好ましい。また、短繊維の水分率が0.5重量%より多い場合、梱包前に短繊維間で水分により集束が生じ、さらに梱包されている間にこれが集合体となる。また、短繊維を構成するポリマーによっては水による可塑化効果を生じて、繊維同士がより接合しやすくなる。さらに、水分率が大きくなるほど短繊維が集合体となりやすく、梱包密度が大きくなる傾向にある。水分率は好ましくは0.4重量%以下、より好ましくは0.2重量%以下である。
上記繊維からエアレイド不織布を成形するには公知の方法を用いて行うことができるが、本発明の短繊維を用いることにより品位の高いエアレイド不織布を得ることができる。具体的には、ウェブ1g当りに含まれる繊維が、平行に凝集した未開繊束で長径が1mm以上であるものと、直径5mm以上の毛玉状欠点との合計を「欠点数」と定義して場合、該欠点数が10個以下であることが好ましいが、本発明の短繊維によれば、かかる欠点数の極めて少ないのウェブを安定して得ることができる。
以下、実施例により、本発明を更に具体的に説明するが、本発明は実施例によって何ら限定を受けるものではない。
なお、実施例における各項目は次の方法で測定した。
(1)極限粘度(〔η〕)
オルトクロロフェノールを溶媒として、温度35℃で測定した。
(2)メルトフローレイト(MFR)
JIS K7210記載の方法に従った。
(3)ガラス転移温度(Tg)、融点(Tm)
JIS K7121記載の示査走査熱量測定(DSC)に従って、昇温速度20℃/分の条件で測定した。
(4)単糸繊度
JIS L 1015(1999) 8.5.1 A法に記載の方法により測定した。
(5)繊維長
JIS L 1015(1999) 8.4.1 C法に記載の方法により測定した。
(6)捲縮数、捲縮率
所定の繊維長に切断前のトウより単糸を取り、JIS L 1015(1999) 8.12に記載の方法により測定した。
(7)油剤付着率
所定繊維重量に対し、繊維から20℃のメタノールによって浴比1:20で30分間抽出した残査の重量を測定し、所定繊維重量で除した値を用いた。
(8)短繊維の水分率
JIS L 1015 8.2に記載の「俵水分率」の方法により測定した。
(9)エアレイドウェブ欠点数(未開繊束、毛玉)
Dan−Webforming社のフォーミングドラムユニット(600mm幅、フォーミングドラムの孔形状2.4mm×20mmの長方形、開孔率40%)を用いてドラム回転数200rpm、ニードルロール回転数900rpm、ウェブ搬送速度30m/分の条件で、短繊維100%からなる目付30g/mのエアレイドウェブを採取した。ウェブから1g分を10箇所ランダムに採取し、これに含まれる、繊維が平行に凝集した未開繊束で長径が1mm以上であるものと直径5mm以上の毛玉状欠点を数えた。
(10)地合い
エアレイドウェブの30cm四方における外観を観察し、以下の基準で評価する。
レベル1:直径5mm以上の繊維塊や目付斑(濃淡)が見られず、均一な地合いである。
レベル2:直径5mm以上の繊維塊は5個未満で、目付斑(濃淡)が目視で確認できる。
レベル3:直径5mm以上の繊維塊が5個以上見られ、目付斑(濃淡)が目立ち、不均一な地合いである。
(11)最大紡出量
上記エアレイド不織布製造装置の運転条件において、フォーミングドラムへの繊維供給量を1kg/h単位で徐々に上げて行き、繊維排出不能となった供給量より1kg/hrマイナスした値を最大紡出量と定義した。
(12)静電気
25℃×60%RHの雰囲気でフォーミングドラムから排出された直後のウェブより30mm上方から、静電気測定装置を用いて、ウェブの帯電圧を測定した。
[実施例1]
表1〜表2の樹脂略号co−PBTで示すポリエステルペレット(融点151℃、[η]=0.60dL/g)をベース樹脂とした、アルキル鎖の平均炭素数18個のアルキルスルホン酸ナトリウム塩を10重量%含有するマスターバッチ(MB−Iと称す)を作成した。このMB−I 10重量%とco−PBTペレット85重量%、及びエチレン−無水マレイン酸−アクリル酸エチル共重合ポリオレフィンペレット(融点:98℃、MFR=8g/10分)5重量%をドライブレンドしたペレットを8時間減圧乾燥して溶融押出機に供給した。一方120℃で16時間真空乾燥した表1〜表2の樹脂略号PETで示すポリエチレンテレフタレートを別の溶融押出機で溶融して、各々255℃と280℃の溶融ポリマーとして、前者を鞘成分A、後者を芯成分Bとし、複合比率A:B=50:50(重量比)として、孔径0.3mmの紡糸孔を1032孔有する芯鞘型複合紡糸口金を用いて、複合化して溶融吐出させた。このとき、鞘成分Aに含まれるアルキルスルホン酸ナトリウム塩の添加量は1重量%であった。口金温度は280℃、吐出量は550g/分であった。これを口金下36mmで紡出糸条を25℃の冷風で冷却した後、紡糸油剤として18℃に冷却したラウリルホスフェートカリウム塩0.3重量%水溶液をオイリングローラーで未延伸糸に付与し、紡糸速度1,250m/分でトウ缶に収缶して未延伸糸条を得た。
次いで、70℃温水中で2.45倍、90℃温水中で1.15倍に2段延伸し、ステアリルホスフェートカリウム塩/ポリジメチルシロキサン(ジメチルシロキサン重合体)=65/35(重量比率)からなる繊維処理剤の水溶液に延伸糸条を浸漬した後、スタッフイングボツクスを用いて加温無し(トウ温度30℃)で捲縮数11個/25mm、捲縮率9.5%の機械捲縮を付与し、90℃で60分乾燥した後、ロータリーカッターにて繊維長5.0mmに切断して、単糸繊度1.7デシテックスのポリエステル短繊維を得た。繊維処理剤の付着量は0.11重量%であった。
これを、斉藤鉄鋼(株)製梱包機VK−6型を用いて、100kgの短繊維をポリプロピレン平織りクロス内に圧縮梱包後、針金により結帯して、長さ98cm、幅70cm、高さ80cmの俵型のベールとした。このときの梱包密度は182kg/m、水分率は0.1重量%、梱包時の短繊維の温度は33℃であった。これを平均気温32℃(変動幅26〜36℃)の倉庫内で3ヶ月間保管した後、ベールを開梱して取り出した短繊維のエアレイド性を評価した。得られたエアレイド性は表1の通りで、不織布欠点(未延伸束、毛玉)や静電気が少なく、地合いが良好で、最大紡出量も十分な結果が得られた。
[実施例2〜実施例4、比較例1〜2]
実施例1において、アルキルスルホン酸ナトリウム塩(MB−I)の添加量を変更した他は、同様に実施した。エアレイド性の結果を表1に示す。
[実施例5〜実施例8、比較例3〜4]
実施例1において、アルキルスルホン酸ナトリウム塩の平均炭素数を変更した他は、同様に実施した。エアレイド性の結果を表1に示す。
[実施例9〜11、比較例5〜6]
実施例1において、アルキルスルホン酸ナトリウム塩(MB−I)の添加量を0とし、同使用のアルキルスルホン酸ナトリウム(平均炭素数18)を繊維処理剤中に15重量%となるように添加し、他の成分としてステアリルホスフェートカリウム塩50重量%、ポリジメチルシロキサン(ジメチルシロキサン重合体)35重量%となるように繊維処理剤を調整して、かつ繊維処理剤付着量を変更した以外は、実施例1と同様に実施した。エアレイド性の結果を表1に示す。
Figure 0005038847
[実施例12〜15、比較例7]
実施例10において、繊維処理剤中のアルキルスルホン酸ナトリウム塩とステアリルホスフェートカリウム塩の含有率を変更した以外は同様に実施した。エアレイド性の結果を表2に示す。
[実施例16]
実施例1において、アルキルスルホン酸ナトリウム塩(MB−I)の添加量を0.8重量%とし、同使用のアルキルスルホン酸ナトリウム(平均炭素数18)を繊維処理剤中に10重量%となるように添加し、他の成分としてステアリルホスフェートカリウム塩55重量%、ポリジメチルシロキサン(ジメチルシロキサン重合体)35重量%となるように繊維処理剤を調整して、かつ繊維処理剤付着量を変更した以外は、実施例1と同様に実施した。エアレイド性の結果を表2に示す。
[実施例17]
表1〜表2の樹脂略号co−PETで示すポリエステルペレット(ガラス転移温度65℃の非晶性共重合ポリエステル、[η]=0.54dL/g)をベース樹脂とした、Rの平均炭素数18のアルキルスルホン酸ナトリウム塩10重量%のマスターバッチ(MB−IIと称す)を作成し、MB−II 10重量%とco−PETペレット85重量%、及びエチレン−無水マレイン酸−アクリル酸エチル共重合ポリオレフィンペレット(融点:98℃、MFR=8g/10分)5重量%をドライブレンドしたペレットを8時間減圧乾燥して溶融押出機に供給し、一方120℃で16時間真空乾燥した表1〜表2の樹脂略号PETで示すポリエチレンテレフタレートを別の溶融押出機で溶融して、各々250℃と280℃の溶融ポリマーとして、前者を鞘成分A、後者を芯成分Bとし、複合比率A:B=50:50(重量比)として、孔径0.3mmの紡糸孔を1032孔有する芯鞘型複合紡糸口金を用いて、複合化して溶融吐出させた。このとき、鞘成分Aに含まれるアルキルスルホン酸ナトリウム塩の添加量は1重量%であった。口金温度は280℃、吐出量は690g/分であった。これを口金下30mmで紡出糸条を30℃の冷風で冷却した後、紡糸油剤として常温(実測27℃)のラウリルホスフェートカリウム塩0.3重量%水溶液をオイリングローラーで未延伸糸に付与し、紡糸速度1200m/分でトウ缶に収缶して未延伸糸条を得た。
次いで、70℃温水中で2.85倍、90℃温水中で1.15倍に2段延伸し、ステアリルホスフェートカリウム塩/ポリジメチルシロキサン(ジメチルシロキサン重合体)=65/35(重量%)からなる繊維処理剤の水溶液に延伸糸条を浸漬した後、スタッフイングボツクスを用いて加温無し(トウ温度30℃)で捲縮数11個/25mm、捲縮率9%の機械捲縮を付与し、55℃で60分乾燥した後、ロータリーカッターにて繊維長5.0mmに切断して、単糸繊度1.7デシテックスのポリエステル短繊維を得た。繊維処理剤の付着量は0.11重量%であった。
これを、斉藤鉄鋼(株)製梱包機VK−6型を用いて、100kgの短繊維をポリプロピレン平織りクロス内に圧縮梱包後、針金により結帯して、長さ98cm、幅70cm、高さ80cmの俵型のベールとした。このときの梱包密度は182kg/m、水分率は0.1重量%、梱包時の短繊維の温度は33℃であった。これを平均気温32℃(変動幅26〜36℃)の倉庫内で3ヶ月間保管した後、ベールを開梱して取り出した短繊維のエアレイド性を評価した。得られたエアレイド性は表2の通りで、不織布欠点(未延伸束、毛玉)や静電気が少なく、地合いが良好で、最大紡出量も十分な結果が得られた。
[実施例18]
実施例17において、アルキルスルホン酸ナトリウム塩(MB−I)の添加量を0とし、同使用のアルキルスルホン酸ナトリウム(平均炭素数18)を繊維処理剤中に15重量%となるように添加し、他の成分としてステアリルホスフェートカリウム塩50重量%、ポリジメチルシロキサン(ジメチルシロキサン重合体)35重量%となるように繊維処理剤を調整以外は、実施例1と同様に実施した。エアレイド性の結果を表2に示す。
[比較例8]
実施例17において、アルキルスルホン酸ナトリウム塩(MB−I)の添加量を0とした以外は、同様に実施した。エアレイド性の結果を表2に示す。
参考例19]
表1〜表2の樹脂略号PETで示すポリエチレンテレフタレートペレット(融点256℃、[η]=0.64dL/g)をベース樹脂とした、Rの平均炭素数18のアルキルスルホン酸ナトリウム塩10重量%のマスターバッチ(MB−IIIと称す)を作成し、MB−III10重量%とPETペレット90重量%をドライブレンドし、120℃で16時間真空乾燥した後、溶融押出機に供給して280℃の溶融ポリマーとして、真円孔形状の吐出孔を1305孔有する紡糸口金を用いて溶融吐出させた。この際、口金温度は280℃、吐出量は700g/分であった。さらに、吐出ポリマーを口金下40mmの位置で30℃の冷却風で空冷し1000m/分で巻き取り、未延伸糸を得た。この未延伸糸を70℃の温水中で3.2倍に延伸し、引き続いて90℃の温水中で1.15倍に延伸した後、ステアリルホスフェートカリウム塩/ポリジメチルシロキサン(ジメチルシロキサン重合体)=65/35(重量%)からなる繊維処理剤の水溶液に延伸糸条を浸漬した後、スタッフイングボツクスを用いて加温無し(トウ温度30℃)で捲縮数16個/25mm、捲縮率12%の機械捲縮を付与し、130℃で60分乾燥した後、ロータリーカッターにて繊維長5.0mmに切断して、単糸繊度1.7デシテックスのポリエステル短繊維を得た。繊維処理剤の付着量は0.11重量%であった。
これを、斉藤鉄鋼(株)製梱包機VK−6型を用いて、100kgの短繊維をポリプロピレン平織りクロス内に圧縮梱包後、針金により結帯して、長さ98cm、幅70cm、高さ80cmの俵型のベールとした。このときの梱包密度は182kg/m、水分率は0.1重量%、梱包時の短繊維の温度は33℃であった。これを平均気温32℃(変動幅26〜36℃)の倉庫内で3ヶ月間保管した後、ベールを開梱して取り出した短繊維のエアレイド性を評価した。得られたエアレイド性は表2の通りで、不織布欠点(未延伸束、毛玉)や静電気が少なく、地合いが良好で、最大紡出量も十分な結果が得られた。
参考例20]
実施例19において、アルキルスルホン酸ナトリウム塩(MB−I)の添加量を0とし、同使用のアルキルスルホン酸ナトリウム(平均炭素数18)を繊維処理剤中に15重量%となるように添加し、他の成分としてステアリルホスフェートカリウム塩50重量%、ポリジメチルシロキサン(ジメチルシロキサン重合体)35重量%となるように繊維処理剤を調整以外は、実施例1と同様に実施した。エアレイド性の結果を表2に示す。
[比較例9]
実施例19において、アルキルスルホン酸ナトリウム塩(MB−I)の添加量を0とした以外は、同様に実施した。エアレイド性の結果を表2に示す。
Figure 0005038847
本発明の短繊維は、梱包圧縮後に比較的高温又は長期保管されても開繊性の悪化が低減され、繊維在庫管理を容易できる利点がある。更には、梱包以外でも、不織布製造工程での計量工程や輸送工程で強い圧縮を受ける場合も、同様に地合いの良好な不織布を提供することができる。故に本発明は不織布製造の分野及び短繊維の保存・物流に携わっている業種において特に有益な発明であるといえる。

Claims (5)

  1. 短繊維表面を構成する主たる熱可塑性樹脂がイソフタル酸共重合アルキレンテレフタレートを含むポリエステル樹脂であり、かつ熱可塑性樹脂中に下記一般式(I)で表されるスルホン酸金属塩化合物が熱可塑性樹脂重量を基準として0.1〜5.0重量%含有するエアレイド不織布用短繊維。
    RSOM ・・・・ (I)
    [Rは平均炭素数が14〜22個のアルキル基、アリール基又はアルキルアリール基を示し、Mはアルカリ金属原子を示す。]
  2. 短繊維表面を構成する主たる熱可塑性樹脂がイソフタル酸共重合アルキレンテレフタレートを含むポリエステル樹脂であり、下記一般式(I)で表されるスルホン酸金属塩化合物を固形分中の5〜50重量%含有した繊維処理剤を、短繊維重量に対して0.05〜0.3重量%付着させたエアレイド不織布用短繊維。
    RSOM ・・・・ (I)
    [Rは平均炭素数が14〜22個のアルキル基、アリール基又はアルキルアリール基を示し、Mはアルカリ金属原子を示す。]
  3. 更にステアリルホスフェートカリウム塩およびジメチルシロキサン重合体を含有する繊維処理剤を、該短繊維に付着させる請求項1に記載のエアレイド不織布用短繊維。
  4. 繊維処理剤として更にステアリルホスフェートカリウム塩およびジメチルシロキサン重合体を含む繊維処理剤を用いる請求項2に記載の記載のエアレイド不織布用短繊維。
  5. ポリエステル樹脂を主たる成分とする熱可塑性樹脂が鞘成分である芯鞘型複合繊維である請求項1〜4のいずれかに記載のエアレイド不織布用短繊維。
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