JP5038782B2 - 流体圧機器 - Google Patents

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Description

本発明は、少なくとも、円筒室(シリンダに相当)と、この円筒室を作動液体充填部分と作動気体充填部分とに2分しながら、この円筒室の軸方向にスライドする円柱体(ピストンに相当)と、この円柱体の外周に設けられた運動用Oリング溝と、この運動用Oリング溝に収容され、前記円柱体と前記円筒室との間のシールをする運動用Oリングとを備えた流体圧機器に関する。
運動用Oリングを備えた流体圧機器については、特許文献1に、シール体と摺動面との面圧分布が重要であることが記載されており、図8は、この本発明の背景技術となる運動用Oリングを備えた流体圧機器を示す図である。
この流体圧機器30は、円筒室21と、この円筒室21内で円筒室21の軸中心で回転し、あるいは軸方向にスライドする円柱体22と、円柱体22の外周面と、円筒室21の内周面との間の作動液体のシールをするためのシール溝23と、このシール溝23に嵌め込まれた運動用Oリング25と樹脂リング26とを備えている。
樹脂リング26は「コ」の字断面形状であって、その背面が円筒室21の内周面に接触している。Oリング25は、樹脂リング26の「コ」の字断面の開口側に収容され、その反収容側がシール溝23の底周面に接触している。
このOリング25と樹脂リング26とは、このような組み合わせで用いられ、シールとしての使用状態では、図8に示すように、Oリング25が収容部分に拘束されで断面が楕円になるに変形し、これにより樹脂リング26が、その「コ」の字断面の開口側が更に開くように変形し、以て、この図8で、符号P21、P22で示すような面圧分布が得られるようになっている。
特許文献1によると、このような樹脂リング26の背面の外側ほど高くなるような面圧分布P21、P22により、この樹脂リング26と円筒室21の内周面との間が確実にシールされるということである。
しかしながら、この特許文献1の技術は、上記の効果を生じる面圧分布を得るのに、Oリング25と樹脂リング26とを組み合わせたものを用いる必要があるものであり、シール性の改善をシール溝側で対応しようとするものでもなかった。
一方、流体圧機器の中には、ショックアブソーバー、アキュムレータなどのフリーピストンにおいて、円筒室(シリンダに相当)を作動液体充填部分と作動気体充填部分とに2分しながら、この円筒室の軸方向にスライドする円柱体(ピストンに相当)の外周面と、この円筒室の内周面との間のシールを必要とするものがあり、かかる場合のシール性の向上が望まれていた。
特開平11−230368号公報(図1)
本発明は、上記問題を改善しようとするもので、円筒室と、この円筒室内を作動液体充填部分と作動気体充填部分とに2分しながら軸方向にスライドする円柱体との間のシール性を、運動用Oリングだけを用ながら、運動用Oリング溝側で改善することができる流体圧機器を提供することを目的としている。
本発明の流体圧機器は、少なくとも、円筒室と、この円筒室を作動液体充填部分と作動気体充填部分とに2分しながら、この円筒室の軸方向にスライドする円柱体と、この円柱体の外周に設けられた運動用Oリング溝と、この運動用Oリング溝に収容され、前記円柱体の外周面と前記円筒室の内周面との間のシールをする運動用Oリングとを備えるとともに、前記円筒室の軸方向に沿った前記運動用Oリング溝の溝幅の中心に想定される中心線(M)によって、この運動用Oリング溝の断面積を、作動液体充填部分(W)側の断面積(SA)と作動気体充填部分(V)側の断面積(SB)とに区分するとき、前記運動用Oリング溝の作動液体充填部分側の断面積(SA)を、作動気体充填部分側の断面積(SB)より大きくした流体圧機器である。そして、本発明は次の点で特徴付けられる。
[発明その1]
前記運動用Oリング溝の作動液体充填部分(W)側の溝底面に、前記円柱体の溝側面に近づくほど当該円柱体の軸芯から遠くなる直線状または曲線状の第1勾配面を設けるとともに、前記運動用Oリング溝の作動気体充填部分(V)側の溝底面に、前記円柱体の溝側面に近づくほど当該円柱体の軸芯から遠くなる直線状または曲線状の第2勾配面を設け、更に、
(イ):前記第1勾配面における円柱体の軸方向長さ(L1)と、前記第2勾配面における円柱体の軸方向長さ(L2)とを異ならせることにより、又は、
(ロ):前記第1勾配面における円柱体の溝深さ方向の高さ(H1)と、前記第2勾配面における円柱体の溝深さ方向の高さ(H2)とを異ならせることにより、又は、
(ハ):前記第1勾配面における円柱体の軸方向長さ(L1)と、前記第2勾配面における円柱体の軸方向長さ(L2)とを異ならせ、且つ、前記第1勾配面における円柱体の溝深さ方向の高さ(H1)と、前記第2勾配面における円柱体の溝深さ方向の高さ(H2)とを異ならせることにより、
前記運動用Oリング溝の作動液体充填部分側の断面積(SA)を、前記作動気体充填部分側の断面積(SB)より大きくしたことを特徴とする流体圧機器。
[発明その2]
前記運動用Oリング溝の作動液体充填部分(W)側の溝底面に、前記円柱体の溝側面に近づくほど当該円柱体の軸芯に近くなる直線状または曲線状の勾配面を設けるとともに、前記運動用Oリング溝の作動気体充填部分(V)側の溝底面に、円柱体の軸芯から一定距離だけ離間した位置にて円柱体の軸芯と平行に延びる面を設けることで、前記運動用Oリング溝の作動液体充填部分側の断面積(SA)を、前記作動気体充填部分側の断面積(SB)より大きくしたことを特徴とする流体圧機器。
[発明その3]
前記運動用Oリング溝の作動気体充填部分(V)側の溝底面に、前記円柱体の溝側面に近づくほど当該円柱体の軸芯から遠くなる直線状または曲線状の勾配面を設けるとともに、前記運動用Oリング溝の作動液体充填部分(W)側の溝底面に、円柱体の軸芯から一定距離だけ離間した位置にて円柱体の軸芯と平行に延びる面を設けることで、前記運動用Oリング溝の作動液体充填部分側の断面積(SA)を、前記作動気体充填部分側の断面積(SB)より大きくしたことを特徴とする流体圧機器。
[発明その4]
前記運動用Oリング溝の作動液体充填部分(W)側の溝底面に、前記円柱体の溝側面に近づくほど当該円柱体の軸芯に近くなる直線状または曲線状の第1勾配面(U1)を設けるとともに、前記運動用Oリング溝の作動気体充填部分(V)側の溝底面に、前記円柱体の溝側面に近づくほど当該円柱体の軸芯から遠くなる直線状または曲線状の第2勾配面(U2)を設け、
更に、前記運動用Oリング溝の溝底面に、前記第1勾配面と前記第2勾配面との間において、円柱体の軸芯から一定距離だけ離間した位置にて円柱体の軸芯と平行に延びる面を設けることで、前記運動用Oリング溝の作動液体充填部分側の断面積(SA)を、前記作動気体充填部分側の断面積(SB)より大きくしたことを特徴とする流体圧機器。
本発明の流体圧機器は、少なくとも、円筒室と、この円筒室を作動液体充填部分と作動気体充填部分とに2分しながら、この円筒室の軸方向にスライドする円柱体と、この円柱体の外周に設けられた運動用Oリング溝と、この運動用Oリング溝に収容され、前記円柱体と前記円筒室との間のシールをする運動用Oリングとを備えた流体圧機器であって、
前記運動用Oリング溝の作動液体充填部分側の断面積を、作動気体充填部分側の断面積より大きくしたので、精度のばらつき等があっても、作動液体充填部分側最大面圧勾配が作動気体充填部分側最大面圧勾配より大きくなり、作動液体が作動気体充填部分側に漏れ出すことをより確実に防ぐことができ、円筒室と円柱体との間のシール性を、運動用Oリングだけを用ながら、運動用Oリング溝側で改善することができる。
以下に、本発明の実施の形態(実施例)について、図面を用いて説明する。
図1は、本発明の流体圧機器における運動用Oリング溝の基本原理を説明するもので、(a)は円柱体が停止状態の説明図、(b)は円柱体が作動液体充填部分側に移動している状態の説明図、(c)は円柱体が作動気体充填部分側に移動している状態の説明図、(d)は(a)、(b)、(c)による基本原理の説明の際に用いる式を示す図である。
まず、この図1により、本発明の流体圧機器における運動用Oリング溝の基本原理を説明する。
本発明の流体圧機器20は、フリーピストンや、ショックアブソーバー、アキュムレータなどにおいて、円筒室11(シリンダに相当)を作動液体充填部分Wと作動気体充填部分Vとに2分しながら、この円筒室1の軸方向にスライド(点線の矢印)する円柱体12(ピストンに相当)の外周面と、この円筒室1の内周面との間のシールを必要とする場合に用いられる。
特に、本発明は、上記の流体圧機器20において、円柱体12の外周面に運動用Oリング溝15を設け、ここに運動用Oリング13だけを収容して、作動液体充填部分W側の作動液体が、作動気体充填部分V側に漏れ出さないようにするのに、運動用Oリング溝15の形状を工夫することを着想したものであり、ここではその基本原理を、運動用Oリング溝15に格別の工夫を施していない場合について説明する。
一般に、上記のような条件で用いられる流体圧機器20においては、運動用Oリング13と円筒室11の内周である摺動相手面との間には、微小な厚さの作動液体膜が発生し、その厚さによって、シール性能が決まる。
例えば、円柱体12が作動液体充填部分W側に動くとき(図1(b)の状態)に発生し得る作動液体の膜厚をh1、作動液体充填部分W側と反対側、つまり、作動気体充填部分V側に動くとき(図1(c)の状態)に発生し得る作動液体の膜厚をh2とすると、膜厚h1が膜厚h2以下であること(図1(d)に示す式3が成立すること)が、漏れを防止する条件である。
ここで、膜厚h1は、円柱体12つまり運動用Oリング13が、作動液体充填部分W側に移動した際に、この運動用Oリング13が通過した後に、円筒室11の内面に形成される作動液体の膜厚であるので、形成膜厚h1とも称されるものである。
一方、膜厚h2は、円柱体12、つまり、運動用Oリング13が、作動気体充填部分V側に移動した際、すでに円筒室11の内面に形成されている作動液膜を作動液体充填部分W側に取り込むことのできる膜厚を意味するので、この膜厚h2は取込膜厚h2とも称されるものである。
つまり、図1(d)に示す式3は、形成膜厚h1が取込膜厚h2以下であること、いいかえれば、運動用Oリング13の移動により取り込まれる取込膜厚h2が、運動用Oリング13の移動により形成される形成膜厚h1以上であれば、作動気体充填部分V側に残存する作動液体は増加することはなく、シールが確保されることを示している。
ここで、膜厚h1、膜厚h2は、図1(d)に示す式1、式2によって得られる。ただし、これらの式において、それぞれの符号は、以下の意味内容を持つものである。
μ:作動液体の粘度 ν:円柱体12の移動速度
θ1:運動用Oリング13が作動液体充填部分W側に動くときに発生する面圧分布の作動液体充填部分側の最大面圧勾配=作動液体充填部分側最大面圧勾配
θ2:運動用Oリング13が作動気体充填部分V側に動くときに発生する面圧分布の作動液体と反対側の最大面圧勾配=作動気体充填部分側最大面圧勾配
ここで、膜厚h1、h2と最大面圧勾配θ1、θ2との関係は、他の条件(μ、ν)が変化しないと仮定して、式1、式2から、膜厚h1、h2と、最大面圧勾配θ1、θ2の平方根とが反比例するという関係にある。
より定性的に表現すると、膜厚h1を膜厚h2以下とするには、作動液体充填部分側最大面圧勾配θ1を作動気体充填部分側最大面圧勾配θ2以上にすればよいことになる。
この関係を、実際の流体圧機器20のシール部分で示したのが、図1(a)、(b)、(c)である。なお、これらの図において、運動用Oリング溝15部分は、図1(a)のようにハッチングを用いた断面図で示すのが正しいものであるが、図1(b)以下では、煩雑をさけるために、図1(a)のような断面図表記を省略する。
図1(a)では、円柱体12は静止しており、運動用Oリング溝15に収容された運動用Oリングは、このOリング溝15と円筒室11の内周とに規制されて、変形し、図に示すようなスライド方向の正逆に対して対称な面圧分布P10を受けている。
ここで、円柱体12が作動液体充填部分W側に動くとき、運動用Oリング13は円筒室11の内周との摩擦力により、この動きに抗して運動用Oリング溝15の作動気体充填部分V側に接触して図1(b)に示すように変形し、作動気体充填部分V側に偏った面圧分布P11を受ける。このときの作動液体充填部分側最大面圧勾配θ1は図示のものである。
一方、円柱体12が作動気体充填部分V側に動くとき、Oリング13は円筒室11の内周との摩擦力により、この動きに抗して運動用Oリング溝15の作動液体充填部分W側に接触して図1(c)に示すように変形し、作動液体充填部分W側に偏った面圧分布P12を受ける。このときの作動気体充填部分側最大面圧勾配θ2は図示のものである。
このとき、運動用Oリング溝15の作動液体充填部分W側、作動気体充填部分V側の形状が同一であり、運動用Oリングと円筒室11の内周との摩擦力も等しいと推定できるので、結果、円柱体12が作動液体充填部分W側に動くときの作動液体充填部分側最大面圧勾配θ1と、円柱体12が作動気体充填部分V側に動くときの作動気体充填部分側最大面圧勾配θ2は等しいものと考えられる。
したがって、この場合、式3においてh1≒h2が成立し、特に、運動用Oリング溝15の形状を工夫しなくとも、上記原則により、作動液体充填部分W側の作動液体が、作動気体充填部分V側に漏れ出さないようにすることができる。
しかしながら、現実には、実際の製品におけるOリング溝15の形状の精度ばらつき、円筒室11の内周摺動面の面粗度のばらつきなどにより、面圧分布が想定されたものとならず、作動液体充填部分側最大面圧勾配θ1が、作動気体充填部分側最大面圧勾配θ2より小さくなることがあり、式3が成立しないため、作動液体の漏れが発生することがあった。
本発明は、上記基本原理をこのような流体圧機器のシール性の向上に積極的に利用することを着想し、精度のばらつき等があっても、作動液体充填部分側最大面圧勾配θ1が作動気体充填部分側最大面圧勾配θ2以上となるように、運動用Oリング溝の作動液体充填部分側の断面積を、作動気体充填部分側の断面積より大きくした流体圧機器を提案するものである。
図2(a)は、本発明の流体圧機器の一例において、円柱体が作動気体充填部分側に移動している状態の説明図、(b)は、本発明の流体圧機器の他例において、円柱体が作動液体充填部分側に移動している状態の説明図、(c)〜(f)は、本発明の流体圧機器の他例を示す図である。
なお、本明細書においては、数字の後に英大文字を付加した符号を付したものは、英大文字のない符号を付したものの変形例であることを示す。
図2(a)の流体圧機器10は、少なくとも、円筒室1と、この円筒室1を作動液体充填部分Wと作動気体充填部分Vとに2分しながら、この円筒室1の軸方向にスライドする円柱体2と、この円柱体2の外周に設けられた運動用Oリング溝5と、この運動用Oリング溝5に収容され、円柱体2と円筒室1との間のシールをする運動用Oリング3とを備えたものである。
ここで、運動用Oリング溝5に軸方向の溝幅中心に中心線Mを仮想した場合、この中心線Mで区分される作動液体充填部分側の運動用Oリング溝5の断面積を、図示したように断面積SA、作動気体充填部分側の運動用Oリング溝5の断面積を、図示したように断面積SBとする。
流体圧機器10は、上記のような基本構成において、運動用Oリング溝5の作動液体充填部分W側の断面積SAを、作動気体充填部分V側の断面積SBより大きくしたこと、つまり、図2(a)で解るように、運動用Oリング溝5の作動液体充填部分W側の溝側面だけが、作動液体充填部分W側に突となるような円弧面R1となっており、その分だけ、このような円弧面となっていない作動気体充填部分V側の溝側面に比べ、溝断面積が大きくなっている点を特徴とする。
このようにすると、図2(a)に示すように、円柱体2が作動気体充填部分V側に移動した際、運動用Oリング3が運動用Oリング溝5の作動液体W側の円弧面R1に接触するが、ここで運動用Oリング3が拘束される部分の断面積が大きくなるため、Oリング3の円筒室1の内面に接触する部分での面圧分布P1が小さくなると共に、分布の勾配も小さくなる。
従って、この場合の作動気体充填部分側最大面圧勾配θ2′は、図2(a)に示すように、この円弧面R1の無い場合の作動気体充填部分側最大面圧勾配θ2より小さくなることが推認され、作動液体充填部分側最大面圧勾配θ1が作動気体充填部分側最大面圧勾配θ2′より大きいという状態がよりよく維持され、シール性能を向上させることができる。
つまり、このような運動用Oリング溝5を備えた流体圧機器10によれば、運動用Oリングだけを用いながら、この運動用Oリングによるシール性を、運動用Oリング溝側で改善することができる。
なお、この例の運動用Oリング溝5の場合、作動液体充填部分W側の円弧面R1が運動用Oリング3の円弧断面をその形状に合わせて受け止める所から、Oリング3をより広い範囲に渡って支えて、運動用Oリング3の表面の変形が規制され、高い内部応力の発生も押されられるという点も、耐久性の改善に資するところがある。
したがって、この円弧面R1形状は、運動用Oリングが接触する直前の外周形状に近似していることが望ましい。
図2(b)の流体圧機器10Aは、図2(a)の流体圧機器10に比べ、円柱体2Aに設けられた運動用Oリング溝5Aの作動気体充填部分V側の溝側面だけが、作動液体充填部分W側に突となるような円弧面R2となっており、その分だけ、このような円弧面となっていない作動液体充填部分W側の溝側面に比べ、溝断面積が小さくなっている点を特徴とする。
このようにすると、図2(b)に示すように、円柱体2が作動液体充填部分W側に移動した際、運動用Oリング3が運動用Oリング溝5Aの作動気体充填部分V側の円弧面R2に接触するが、ここで運動用Oリング3が拘束される部分の断面積が小さくなるため、Oリング3の円筒室1の内面に接触する部分での面圧分布P2が大きくなると共に、分布の勾配も大きくなる。
従って、この場合の作動気体充填部分側最大面圧勾配θ1′は、図2(b)に示すように、この円弧面R1の無い場合の作動気体充填部分側最大面圧勾配θ1より大きくなることが推認され、作動液体充填部分側最大面圧勾配θ1′が作動気体充填部分側最大面圧勾配θ2より大きいという状態がよりよく維持され、シール性能を向上させることができる。
つまり、このような運動用Oリング溝5Aを備えた流体圧機器10Aによれば、図2(a)の流体圧機器10と同様の効果、つまり、運動用Oリングだけを用いながら、この運動用Oリングによるシール性を、運動用Oリング溝側で改善することができる。
なお、この場合も、結果的に、運動用Oリング溝の作動液体充填部分W側の断面積を、作動気体充填部分V側の断面積より大きくするという本発明の要件が充足されている。
図2(c)の流体圧機器10Bは、図2(a)の流体圧機器10の特徴と、図2(b)の流体圧機器10Aとの特徴を併せ持つ、つまり、円柱体2Bの運動用Oリング溝5Bの作動液体充填部分W側の溝側面は、作動液体充填部分W側へ突となる円弧面R1、作動気体充填部分V側の溝側面は、作動液体充填部分W側へ突となる円弧面R2となっている点を特徴とする。
このようにすると、本発明の基本原理と、上記図2(a)、(b)の説明とから、より確実に、作動液体充填部分側最大面圧勾配が作動気体充填部分側最大面圧勾配より大きいという状態が確保され、シール性能を向上させることができる。
つまり、この流体圧機器10Bによれば、流体圧機器10、10Aの効果を相乗的に発揮することができる。
なお、図2(a)の運動用Oリング溝5と、図2(b)の運動用Oリング溝5Aとを比べると、その違いは、運動方向に依る作動液体の膜厚の差の取り方のみである。
よって、摩擦や摩耗特性を考慮して、全体的に作動液体の膜厚を厚くしたい場合には、取込膜厚h2を大きくする図2(a)の運動用Oリング溝5を、漏れを少なくすることを重視して、全体的に作動液体の膜厚を薄くしたい場合には、形成膜厚h1を小さくする図2(b)の運動用Oリング溝5Aを採用すればよい。
図2(d)の流体圧機器10Cは、図2(a)の流体圧機器10に比べ、円柱体2Cの運動用Oリング溝5Cの作動液体充填部分W側の溝側面が円弧面R1ではなく、作動液体充填部分W側に突となる山型の凸面T1となっている点が異なる。
このようにしても、運動用Oリング溝の作動液体充填部分W側の断面積を、作動気体充填部分V側の断面積より大きくするという要件は充足され、この流体圧機器10Cは、図2(a)の流体圧機器10と同様の効果を発揮する。加えて、この流体圧機器10Cにおいては、側面形状がよりシンプルな直線の組み合わせで構成された凸面T1となっているので、より製作しやすいという面がある。
図2(e)の流体圧機器10Dは、図2(b)の流体圧機器10Aに比べ、円柱体2Dの運動用Oリング溝5Dの作動気体充填部分V側の溝側面が円弧面R2ではなく、作動液体充填部分W側に突となる山型の凸面T2となっている点が異なる。
このようにしても、運動用Oリング溝の作動液体充填部分W側の断面積を、作動気体充填部分V側の断面積より大きくするという要件は充足され、この流体圧機器10Dは、図2(b)の流体圧機器10Aと同様の効果を発揮する。加えて、この流体圧機器10Dにおいては、側面形状がよりシンプルな直線の組み合わせで構成された凸面T2となっているので、より製作しやすいという面がある。
図2(f)の流体圧機器10Eは、図2(c)の流体圧機器10Bに比べ、円柱体2Eの運動用Oリング溝5Eの作動液体充填部分W側、作動気体充填部分V側の溝側面が円弧面R1、R2ではなく、作動液体充填部分W側に突となる山型の凸面T1、T2となっている点が異なる。
このようにしても、運動用Oリング溝の作動液体充填部分W側の断面積を、作動気体充填部分V側の断面積よりより大きくするという要件は充足され、この流体圧機器10Eは、図2(c)の流体圧機器10Bと同様の効果を発揮する。加えて、この流体圧機器10Eにおいては、側面形状がよりシンプルな直線の組み合わせで構成された凸面T1、T2となっているので、より製作しやすいという面がある。
図3(a)〜(f)は、本発明の流体圧機器の他例を示す図である。これよりすでに説明した部分と同じ部分には同じ符号を付して重複説明を省略する。
図2で説明した流体圧機器10〜10Eは、いずれも、運動用Oリング溝5〜5Eの溝形状について、その溝側面を作動液体充填部分W側に変化させることで、運動用Oリング溝の作動液体充填部分W側の断面積を、作動気体充填部分V側の断面積より大きくするものであった。
これらに比べて、この図3で説明する流体圧機器10F〜10Kは、いずれも、運動用Oリング溝5F〜5Kの溝底面の形状を変化させることで、運動用Oリング溝の作動液体充填部分W側の断面積を、作動気体充填部分V側の断面積より大きくするものである。
また、これよりの変形例については、運動用Oリング溝の作動液体充填部分W側の断面積を、作動気体充填部分V側の断面積より大きくするのに、運動用Oリング溝の形状をどのようにするか、という観点について説明し、その作用効果についてはいちいち説明しないが、上述したものと同様に、いずれの変形例も、運動用Oリング溝の作動液体充填部分W側の断面積を、作動気体充填部分V側の断面積より大きくしたことによる作用効果を発揮するものである。
図3(a)の流体圧機器10Fは、円柱体2Fの運動用Oリング溝5Fにおいて、その作動液体充填部分W側の溝底面だけに円柱体2Fの溝側面に近づくほど直線的に軸芯方向に深くなる半V溝U1を設けたものである。
これに対し、図3(b)流体圧機器10Gは、円柱体2Gの運動用Oリング溝5Gにおいて、その作動気体充填部分V側の溝底面だけに円柱体2Fの溝側面に近づくほど直線的に軸芯から遠くなる勾配面U2を設けたものである。この勾配面U2は、図3(a)の半V溝U1に比べ、運動用Oリング溝の溝底面に対称的な形状である。
図3(c)の流体圧機器10Hは、図3(a)の流体圧機器10Fと図3(b)流体圧機器10Gとの特徴を併せ持つものである。つまり、流体圧機器10Hの円柱体2Hの運動用Oリング溝5Hは、作動液体充填部分W側に半V溝U1を、作動気体充填部分V側に勾配面U2を備えたものである。
図3(d)の流体圧機器10Iは、円柱体2Iの運動用Oリング溝5Iにおいて、作動液体充填部分W側の勾配面U3、作動気体充填部分V側の勾配面U4のいずれもOリングに近づく勾配面としながら、勾配面U3で狭くなる度合いを、勾配面U4で狭くなる度合いに比べて小さくすることで、運動用Oリング溝5Iの作動液体充填部分W側の断面積を、作動気体充填部分V側の断面積より大きくしている。
具体的には、勾配面U3と勾配面U4の高さH1は共通としながら、その円柱体2Iの軸方向長さを、勾配面U3の長さL1に比べ、勾配面U4の長さL2を長くしている。
このようにすると、この運動用Oリング溝5Iでは、運動用Oリング3は、どちらの側に寄せられた場合でも、通常の運動用Oリング溝の場合に比べて、より面圧分布が大きくなりながら、作動液体充填部分側最大面圧勾配θ1が作動気体充填部分側最大面圧勾配θ2より大きいという状態を達成することとなり、シール性能を向上させる。
また、この場合は、双方の面圧勾配が、通常の運動用Oリング溝の場合に比べて大きくなるので、膜厚h1、膜厚h2が双方共小さくなりながら、膜厚h1が膜厚h2以下という条件を満たすこととなり、運動用Oリングによる作動液体の漏れをより確実に防止したい場合に向いている。
図3(e)の流体圧機器10Jは、図3(d)の流体圧機器10Iに比べ、円柱体2Jの運動用Oリング溝5Jにおいて、作動液体充填部分W側の勾配面U3は同じだが、作動気体充填部分V側の勾配面U5が、勾配面U3に対して、長さL1は共通で、高さH2を勾配面U3の高さH1に比べて高くすることで、運動用Oリング溝5Jの作動液体充填部分W側の断面積を、作動気体充填部分V側の断面積より大きくしている。
図3(f)の流体圧機器10Kは、図3(d)の流体圧機器10Iに比べ、円柱体2Kの運動用Oリング溝5Kにおいて、作動液体充填部分W側の勾配面U3は同じだが、作動気体充填部分V側の勾配面U6が、勾配面U3に対して、勾配角度α1は共通で、長さL2を勾配面U3の長さL1に比べて長くすることで、運動用Oリング溝5Jの作動液体充填部分W側の断面積を、作動気体充填部分V側の断面積より大きくしている。
上記の運動用Oリング溝5F〜5Kのいずれを採用するかは、加工性、シール性を考慮して適宜決定されるものである。
なお、図3(d)〜(f)の運動用Oリング溝5I〜5Kのような組み合わせを、図3(a)の運動用Oリング溝5Fの半V溝U1と同様な、溝深さを深くするような底面形状の組み合わせとすることができ、その場合には、作動液体充填部分W側、作動気体充填部分V側の双方の膜厚をより大きくしながら、作動液体充填部分W側の膜厚h1を作動気体充填部分V側の膜厚h2より小さくすることができ、円柱体のスライドがよりスムーズに行われることが要請される場合に向いている。
図4は、図3の運動用Oリング溝の種々の変形例の表を示す図、図5は、図3に示した運動用Oリング溝の変形例の組み合わせ方法の説明図である。
図4の一番左の欄では、それぞれ、これまで説明した図3(a)の運動用Oリング溝5F、図3(b)の運動用Oリング溝5G、図3(c)の運動用Oリング溝5H、図3(d)の運動用Oリング溝5I、図3(e)の運動用Oリング溝5I、及び、図3(f)の運動用Oリング溝5Jが基本変形例として上から下へと列記されている。
真ん中の欄では、それぞれの左隣の基本変形例の半V溝U1、勾配面U2等の長さを変更した追加変形例1がそれぞれ「′」付きで列記されている。
一番右の欄では、これらの変形例の最終的に行き着く先の追加変形例2として、作動液体充填部分W側から作動気体充填部分V側への溝の深さが浅くなっていく勾配面U7を備えた運動用Oリング溝5Mが記載されている。
図5では、図4で示された変形例について、溝底面の勾配面を直線状のものから、曲線状のものへと変化させるパターンが示されている。
図5(a)では、図4で示された運動用Oリング溝5H′について、二つの底面の勾配面U1′′とU2′′とを曲線状の勾配R面UR1、UR2とした運動用Oリング溝5HRと、この運動用Oリング溝5HRの二つの勾配R面UR1、UR2を一体化した勾配R面UR8を備えた運動用Oリング溝5Nとが示されている。
図5(b)では、図4で示された運動用Oリング溝5K′(勾配が途中で、下向きから上向きに変化している。)について、二つの底面の勾配面U3′とU6′とを曲線状の勾配R面UR3、UR6とした運動用Oリング溝5KRと、この運動用Oリング溝5KRの二つの勾配R面UR3、UR6を一体化した勾配R面UR9を備えた運動用Oリング溝5Pとが示されている。
図5(c)では、図4で示された運動用Oリング溝Mについて、勾配面U7を曲線状の勾配R面UR7とした運動用Oリング溝5Qが示されている。
上記の運動用Oリング溝のうち、運動用Oリング5Mは、勾配面U7が単一の直線となっているので、加工性がよい。一方、運動用Oリング5N〜5Qは、勾配R面UR7〜UR9となっているので、ここに接触する運動用Oリングに発生する内部応力を低下させ、局部的な摩耗の発生を防いで耐久性を向上させる。
図6は、図2と図3との運動用Oリング溝の種々の変形例を組み合わせた種々の変形例の表を示す図、図7(a)、(b)は、本発明の流体圧機器の他例を示す図である。
図6において、運動用Oリング溝の溝底面を変化させた変形例として、図3(a)の運動用Oリング溝5F、図3(b)の運動用Oリング溝5G、図3(c)の運動用Oリング溝5h、及び、図3(f)の運動用Oリング溝5Kが表の最上欄に列記されている。
また、運動用Oリング溝の溝側面形状を変化させた変形例として、図2(d)の運動用Oリング溝5C、図2(e)の運動用Oリング溝5D、及び、図2(f)の運動用Oリング溝5Eが表の最左欄に列記されている。
そして、表の他の欄には、それぞれ、最上欄と最左欄の運動用Oリング溝を組み合わせたものが、その符号も組み合わせた形で列記されている。例えば、運動用Oリング溝5Cと運動用Oリング溝5Fとを組み合わせたものは、上から二列目、左から二列目の欄に、運動用Oリング溝5CFとして記載されている。
本発明では、この図6の表などに列記したように、様々なタイプの溝形状を組み合わせることが可能である。
図7の流体圧機器10R、10Sが備える円柱体2R、2Sの運動用Oリング溝5R、5Sは、図3(d)、(e)、(f)の運動用Oリング溝5I、5J、5Kと同様な形状ではあるが、これらのOリング溝5R、5Sの溝側面から溝底面に渡る隅肉部として観念されている点が異なる。
図7(a)の運動用Oリング溝5Rは、隅肉部として、作動液体充填部分W側として、より曲率半径の小さい隅肉R部R3を、作動気体充填部分V側として、より曲率半径の大きい隅肉R部R4を備えている。このような構成であっても、隅肉R部R4が隅肉R部R3に比べてより大きい曲率半径の隅肉なので、運動用Oリング溝の作動液体充填部分W側の断面積を、作動気体充填部分V側の断面積より大きくするものである。
図7(b)の運動用Oリング溝5Sは、図7(a)の運動用Oリング溝5Rに比べ、隅肉部として、R面ではない直線で構成された勾配面とされた、作動液体充填部分W側のより出っ張りの小さい隅肉部C1を、作動気体充填部分V側として、より出っ張りの大きい隅肉部C2を備えている点が異なっている。
このような構成であっても、隅肉部C2が隅肉部C1に比べてより大きく出っ張っているので、運動用Oリング溝の作動液体充填部分W側の断面積を、作動気体充填部分V側の断面積より大きくするものである。
なお、この例においては、作動気体充填部分V側の隅肉部C2は、二つの勾配の異なる直線の組み合わせとなっており、このような隅肉部C2であってもよい。また、このような隅肉部C1、C2の場合、加工・測定が容易である。
また、本発明の流体圧機器は、上記の実施例に限定されず、特許請求の範囲に記載された範囲、実施例の範囲で、種々の変形例、組み合わせが可能であり、これらの変形例、組み合わせもその権利範囲に含むものである。
また、流体圧とは、作動液体として作動油を用いる油圧や、水を用いる水圧や、高分子流体や、空気などを用いるものを含むものである。
本発明の流体圧機器は、円筒室と、この円筒室内を作動液体充填部分と作動気体充填部分とに2分しながら軸方向にスライドする円柱体との間の運動用Oリングによるシール性を、運動用Oリング溝側で改善することが要請される産業分野に用いることができる。
本発明の流体圧機器における運動用Oリング溝の基本原理を説明するもので、(a)は円柱体が停止状態の説明図、(b)は円柱体が作動液体充填部分側に移動している状態の説明図、(c)は円柱体が作動気体充填部分側に移動している状態の説明図、(d)は(a)、(b)、(c)による基本原理の説明の際に用いる式を示す図 (a)は、本発明の流体圧機器の一例において、円柱体が作動気体充填部分側に移動している状態の説明図、(b)は、本発明の流体圧機器の他例において、円柱体が作動液体充填部分側に移動している状態の説明図、(c)〜(f)は、本発明の流体圧機器の他例を示す図 (a)〜(f)は、本発明の流体圧機器の他例を示す図 図3の運動用Oリング溝の種々の変形例の表を示す図 図3に示した運動用Oリング溝の変形例の組み合わせ方法の説明図 図2と図3との運動用Oリング溝の種々の変形例を組み合わせた種々の変形例の表を示す図 (a)、(b)は、本発明の流体圧機器における運動用Oリング溝の他例を示す図 本発明の背景技術となる流体圧機器を示す図
符号の説明
1 円筒室
2〜2S 円柱体
3 運動用Oリング
5〜5S 運動用Oリング溝
10〜10S 流体機器

Claims (5)

  1. 少なくとも、円筒室と、この円筒室を作動液体充填部分と作動気体充填部分とに2分しながら、この円筒室の軸方向にスライドする円柱体と、この円柱体の外周に設けられた運動用Oリング溝と、この運動用Oリング溝に収容され、前記円柱体の外周面と前記円筒室の内周面との間のシールをする運動用Oリングとを備えるとともに、
    前記円筒室の軸方向に沿った前記運動用Oリング溝の溝幅の中心に想定される中心線(M)によって、この運動用Oリング溝の断面積を、作動液体充填部分(W)側の断面積(SA)と作動気体充填部分(V)側の断面積(SB)とに区分するとき、前記運動用Oリング溝の作動液体充填部分側の断面積(SA)を、作動気体充填部分側の断面積(SB)より大きくした流体圧機器であって、
    前記運動用Oリング溝の作動液体充填部分(W)側の溝底面に、前記円柱体の溝側面に近づくほど当該円柱体の軸芯から遠くなる直線状または曲線状の第1勾配面を設けるとともに、前記運動用Oリング溝の作動気体充填部分(V)側の溝底面に、前記円柱体の溝側面に近づくほど当該円柱体の軸芯から遠くなる直線状または曲線状の第2勾配面を設け、更に、
    (イ):前記第1勾配面における円柱体の軸方向長さ(L1)と、前記第2勾配面における円柱体の軸方向長さ(L2)とを異ならせることにより、又は、
    (ロ):前記第1勾配面における円柱体の溝深さ方向の高さ(H1)と、前記第2勾配面における円柱体の溝深さ方向の高さ(H2)とを異ならせることにより、又は、
    (ハ):前記第1勾配面における円柱体の軸方向長さ(L1)と、前記第2勾配面における円柱体の軸方向長さ(L2)とを異ならせ、且つ、前記第1勾配面における円柱体の溝深さ方向の高さ(H1)と、前記第2勾配面における円柱体の溝深さ方向の高さ(H2)とを異ならせることにより、
    前記運動用Oリング溝の作動液体充填部分側の断面積(SA)を、前記作動気体充填部分側の断面積(SB)より大きくしたことを特徴とする流体圧機器。
  2. 前記運動用Oリング溝の溝底面には、前記第1勾配面と前記第2勾配面との間において、円柱体の軸芯から一定距離だけ離間した位置にて円柱体の軸芯と平行に延びる面が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の流体圧機器。
  3. 少なくとも、円筒室と、この円筒室を作動液体充填部分と作動気体充填部分とに2分しながら、この円筒室の軸方向にスライドする円柱体と、この円柱体の外周に設けられた運動用Oリング溝と、この運動用Oリング溝に収容され、前記円柱体の外周面と前記円筒室の内周面との間のシールをする運動用Oリングとを備えるとともに、
    前記円筒室の軸方向に沿った前記運動用Oリング溝の溝幅の中心に想定される中心線(M)によって、この運動用Oリング溝の断面積を、作動液体充填部分(W)側の断面積(SA)と作動気体充填部分(V)側の断面積(SB)とに区分するとき、前記運動用Oリング溝の作動液体充填部分側の断面積(SA)を、作動気体充填部分側の断面積(SB)より大きくした流体圧機器であって、
    前記運動用Oリング溝の作動液体充填部分(W)側の溝底面に、前記円柱体の溝側面に近づくほど当該円柱体の軸芯に近くなる直線状または曲線状の勾配面を設けるとともに、前記運動用Oリング溝の作動気体充填部分(V)側の溝底面に、円柱体の軸芯から一定距離だけ離間した位置にて円柱体の軸芯と平行に延びる面を設けることで、前記運動用Oリング溝の作動液体充填部分側の断面積(SA)を、前記作動気体充填部分側の断面積(SB)より大きくしたことを特徴とする流体圧機器。
  4. 少なくとも、円筒室と、この円筒室を作動液体充填部分と作動気体充填部分とに2分しながら、この円筒室の軸方向にスライドする円柱体と、この円柱体の外周に設けられた運動用Oリング溝と、この運動用Oリング溝に収容され、前記円柱体の外周面と前記円筒室の内周面との間のシールをする運動用Oリングとを備えるとともに、
    前記円筒室の軸方向に沿った前記運動用Oリング溝の溝幅の中心に想定される中心線(M)によって、この運動用Oリング溝の断面積を、作動液体充填部分(W)側の断面積(SA)と作動気体充填部分(V)側の断面積(SB)とに区分するとき、前記運動用Oリング溝の作動液体充填部分側の断面積(SA)を、作動気体充填部分側の断面積(SB)より大きくした流体圧機器であって、
    前記運動用Oリング溝の作動気体充填部分(V)側の溝底面に、前記円柱体の溝側面に近づくほど当該円柱体の軸芯から遠くなる直線状または曲線状の勾配面を設けるとともに、前記運動用Oリング溝の作動液体充填部分(W)側の溝底面に、円柱体の軸芯から一定距離だけ離間した位置にて円柱体の軸芯と平行に延びる面を設けることで、前記運動用Oリング溝の作動液体充填部分側の断面積(SA)を、前記作動気体充填部分側の断面積(SB)より大きくしたことを特徴とする流体圧機器。
  5. 少なくとも、円筒室と、この円筒室を作動液体充填部分と作動気体充填部分とに2分しながら、この円筒室の軸方向にスライドする円柱体と、この円柱体の外周に設けられた運動用Oリング溝と、この運動用Oリング溝に収容され、前記円柱体の外周面と前記円筒室の内周面との間のシールをする運動用Oリングとを備えるとともに、
    前記円筒室の軸方向に沿った前記運動用Oリング溝の溝幅の中心に想定される中心線(M)によって、この運動用Oリング溝の断面積を、作動液体充填部分(W)側の断面積(SA)と作動気体充填部分(V)側の断面積(SB)とに区分するとき、前記運動用Oリング溝の作動液体充填部分側の断面積(SA)を、作動気体充填部分側の断面積(SB)より大きくした流体圧機器であって、
    前記運動用Oリング溝の作動液体充填部分(W)側の溝底面に、前記円柱体の溝側面に近づくほど当該円柱体の軸芯に近くなる直線状または曲線状の第1勾配面(U1)を設けるとともに、前記運動用Oリング溝の作動気体充填部分(V)側の溝底面に、前記円柱体の溝側面に近づくほど当該円柱体の軸芯から遠くなる直線状または曲線状の第2勾配面(U2)を設け、
    更に、前記運動用Oリング溝の溝底面に、前記第1勾配面と前記第2勾配面との間において、円柱体の軸芯から一定距離だけ離間した位置にて円柱体の軸芯と平行に延びる面を設けることで、前記運動用Oリング溝の作動液体充填部分側の断面積(SA)を、前記作動気体充填部分側の断面積(SB)より大きくしたことを特徴とする流体圧機器。
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