JP5037851B2 - 光走査装置および画像形成装置 - Google Patents

光走査装置および画像形成装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5037851B2
JP5037851B2 JP2006125792A JP2006125792A JP5037851B2 JP 5037851 B2 JP5037851 B2 JP 5037851B2 JP 2006125792 A JP2006125792 A JP 2006125792A JP 2006125792 A JP2006125792 A JP 2006125792A JP 5037851 B2 JP5037851 B2 JP 5037851B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
lens
optical
scanning direction
scanning device
optical scanning
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2006125792A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007298685A (ja
Inventor
善紀 林
浩司 酒井
健 上田
賢一郎 齊所
大輔 市井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ricoh Co Ltd filed Critical Ricoh Co Ltd
Priority to JP2006125792A priority Critical patent/JP5037851B2/ja
Priority to US11/740,070 priority patent/US7973990B2/en
Publication of JP2007298685A publication Critical patent/JP2007298685A/ja
Priority to US13/152,989 priority patent/US8077369B2/en
Application granted granted Critical
Publication of JP5037851B2 publication Critical patent/JP5037851B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Mechanical Optical Scanning Systems (AREA)
  • Facsimile Scanning Arrangements (AREA)

Description

本発明は、光走査装置と、その光走査装置を用いたデジタル複写機、ファクシミリ、プリンタ、プロッタ、あるいはこれらの複合機等の画像形成装置に関する。
近年、光走査装置を用いて像担持体である感光体に光ビームを照射して潜像形成を行うデジタル複写機やレーザプリンタ等の画像形成装置においては、光走査による画像形成の高密度化が進みつつあり、感光体上でのビームスポットの小径化が要求されている。
また、前述の高密度化に加え、高速化も進み、これらに対応した光走査装置が要求されている。高速化、高密度化のための手段としては、偏向手段であるポリゴンスキャナの高速回転化という手段が考えられるが、消費電力、騒音の増大、発熱、耐久性劣化等の問題が発生する。
光走査装置においては、低コスト化を狙うために構成レンズの樹脂化を押し進めることが望まれている。
しかし、樹脂製レンズは環境温度の変化によるレンズの面曲率、厚さ、屈折率の変動、光源である半導体レーザの波長変化による屈折率の変動がガラスレンズに比して大きく、その影響は大きい。
ガラスレンズにおいても環境温度の変化によるレンズの面曲率、厚さ、屈折率の変動、光源である半導体レーザの波長変化による屈折率の変動によるピント位置の変動が生じ、スポット径が増大して画像劣化の原因となる。
そこで、これらの問題を解決するために様々な提案がなされている。
例えば特許文献1(特開2004−126192号公報)には、偏向器前光学系において、回折面と屈折面を組み合わせることにより、温度変化によるピント位置変動を低減する技術が提案されている。しかし、この従来技術では、偏向器後の光学系(走査光学系)の温度によるピント位置変動までは考慮されていない。また、同一の感光体を複数ビームで走査するマルチビームについては言及されていない。
特許文献2(特開2003−337295号公報)、特許文献3(特開平11−223783号公報)には、温度変化に伴う走査光学系によるピント位置変動を回折部のパワー変化で補正する技術が提案されている。しかし、第1光学系の光学素子の配置変化までは考慮されていない。また、同一の感光体を複数ビームで走査するマルチビームについては言及されていない。
特許文献4(特開2002−214556号公報)には、走査結像光学系・光走査装置および画像形成装置に関し、回折面を用いずに、偏向器前の光学系に少なくとも3枚のレンズを組み合わせて温度によるピント位置変動を補正する方法が提案されている。
特許文献5(特開2005−258392号公報)には、偏向器前光学系において、回折面と屈折面を組み合わせることにより、温度変化によるピント位置変動を低減する技術が提案されている。この従来技術では、マルチビームについても言及されているが、偏向器前に回折面を2面有している。
特開2004−126192号公報 特開2003−337295号公報 特開平11−223783号公報 特開2002−214556号公報 特開2005−258392号公報 特開平10−333070号公報
前述の問題を解決する手段として、例えば特許文献4に記載の従来技術のように、偏向器前の光学系に少なくとも3枚のレンズを組み合わせて補正する方法があるが、レンズ枚数が増大することによってコストアップとなる。また、この場合でもガラスレンズが1枚は必要であり、これもコストアップの原因となる。
さらにまた、特許文献6のように走査レンズに回折光学面を設けて補正する方法もあるが走査レンズは光束の通過する領域が広く、回折光学面を加工するために時間がかかり、コストアップとなる。
そこで、これらの問題を解決するために、特許文献1、特許文献2、特許文献3などの従来技術では、偏向器前に回折面を用いた樹脂製レンズを用い、温度変動によるビームスポット変動を低減する方法を提案している。
しかし、上記の従来技術においては、マルチビーム特有の課題である、複数ビーム間の波長差については言及しておらず、1つのビームについて性能を獲得できても、もう一つのビームについて性能を獲得できないという課題がある。また、高画質化に対しては、マルチビーム間の光量差が問題となる。
本発明は上記事情に鑑みなされたものであって、従来技術の問題を解決し、低コストで、簡単な構成で、高速、高密度対応であり、かつ、複数ビームとも温度変動にかかわらず安定した小ビームスポットを獲得でき、複数ビーム間の走査線間隔を安定的に獲得でき、なおかつ、マルチビーム間の光量差が少ない構成の光走査装置を提供することを目的とする。また、本発明は、前記光走査装置を用い、高画質対応の画像形成装置を提供することを目的とする。
上述の目的を達成するため、本発明では以下のような技術的手段を採っている。
本発明の第1の手段は、半導体レーザからなる複数の光源と、前記複数の光源からの複数ビームを偏向する偏向手段と、前記複数の光源からの複数ビームを前記偏向手段に導く第1光学系と、前記偏向手段からの複数ビームを被走査面に導く第2光学系とを有し、前記第1光学系は回折面を1つ有し、該1つの回折面を前記複数ビームが共通に通過し、
前記回折面を有する第1光学系を通過するときの前記複数ビームの偏光方向を概略同じ方向とする光走査装置において、
全光学系の主走査方向の横倍率をβm0、副走査方向の横倍率をβs0とするとき、
|βm0|>|βs0|
であって、かつ、前記回折面の回折パワーは主走査方向のパワーの絶対値よりも副走査方向のパワーの絶対値が大きいことを特徴とする。
本発明の第の手段は、第の手段の光走査装置において、前記第1光学系は、前記複数の光源からの発散光束をカップリングする第1レンズと、該第1レンズからのビームを前記偏向手段に導く副走査方向に正のパワーを有する第2レンズからなり、前記第2レンズが前記回折面を有することを特徴とする。
本発明の第の手段は、第の手段の光走査装置において、前記第2レンズの1面は前記回折面を有し、もう一方の面は回折面を有さないことを特徴とする。
また、本発明の第の手段は、第の手段の光走査装置において、前記第2レンズの前記回折面の回折部の主走査方向又は副走査方向のパワーをP1、該P1で定義した方向の前記回折面の屈折部のパワーをP2、前記第2レンズの前記回折面でない面の前記P1で定義した方向のパワーをP3、としたとき、
|P3|≧|P1+P2|
|P1|>|P1+P2|かつ|P2|>|P1+P2|
P1×P3>0
の条件を満たすことを特徴とする。
本発明の第の手段は、第〜第のいずれか1つの手段の光走査装置において、前記第2レンズは樹脂製レンズであることを特徴とする。
また、本発明の第の手段は、第〜第のいずれか1つの手段の光走査装置において、前記第2レンズの回折面の面形状は階段構造であり、ほぼノンパワーとなっていることを特徴とする。
本発明の第の手段は、第1〜第のいずれか1つの手段の光走査装置において、前記第1光学系は、光軸方向について異なる複数の位置に遮光部材を配備したことを特徴とする。
また、本発明の第の手段は、第の手段の光走査装置おいて、前記複数の遮光部材のうち少なくとも1つの遮光部材は前記被走査面でのビーム径を設定するための開口絞りであり、主走査方向及び/または副走査方向において、前記開口絞り以外の少なくとも1つの遮光部材を通過するときのビームの幅は、前記開口絞りを通過するときよりも狭くなることを特徴とする。
本発明の第の手段は、第1〜第のいずれか1つの手段の光走査装置において、前記回折面を通過する前記複数ビーム間の主走査方向の最大距離をΔy、副走査方向の最大距離をΔzとし、主走査方向の回折パワーをPm1、副走査方向の回折パワーをPs1としたとき、
(Δy−Δz)・(|Pm1|−|Ps1|)<0
の条件を満たすことを特徴とする。
本発明の第10の手段は、画像形成装置であって、第1〜第のいずれか1つの手段の光走査装置を用いて画像形成を行うことを特徴とする。
また、本発明の第11の手段は、画像形成装置であって、第1〜第のいずれか1つの手段の光走査装置を用いて多色画像の形成を行うことを特徴とする。
本発明の光走査装置では、半導体レーザからなる複数の光源と、前記複数の光源からの複数ビームを偏向する偏向手段と、前記複数の光源からの複数ビームを前記偏向手段に導く第1光学系と、前記偏向手段からの複数ビームを被走査面に導く第2光学系とを有し、前記第1光学系は回折面を1つ有し、該1つの回折面を前記複数ビームが共通に通過し、前記回折面を有する第1光学系を通過するときの前記複数ビームの偏光方向を概略同じ方向とする光走査装置において、全光学系の主走査方向の横倍率をβm0、副走査方向の横倍率をβs0とするとき、|βm0|>|βs0|であって、かつ、前記回折面の回折パワーは主走査方向のパワーの絶対値よりも副走査方向のパワーの絶対値が大きい構成としているので、複数ビーム間の光量差、波長差に起因する複数ビーム間の走査線間隔の変動を低減でき、複数ビームでのビームスポットの小径化を実現することができる。
本発明の光走査装置では、主走査方向、副走査方向のパワーが異なる回折溝が楕円形状の回折面を1面のみ用いることで、主走査方向、副走査方向を独立に温度補償することができる。また、全光学系の主走査方向の横倍率をβm0、副走査方向の横倍率をβs0とするとき、
|βm0|>|βs0|
の関係を満足することにより、第2レンズにより一度線状に結像することができ、偏向面と被走査面を共役に近づけることができる。そして、このときポリゴンミラー等の偏向手段の面倒れによる走査線間隔の不均一性を低減できる。また、このとき複数ビームの波長差に起因する光学特性(ビームスポット径)の劣化を低減するためには横倍率の絶対値が小さい副走査方向の回折パワーの絶対値を主走査方向の回折パワーよりも大きくするのが良い。
本発明の光走査装置では、発散光束をカップリングする第1レンズ(カップリングレンズ)と、第1レンズからのビームを偏向手段に導く第2レンズとから第1光学系を構成することができる。このとき、上記のように、
|βm0|>|βs0|
の関係があるので、第1レンズ(カップリングレンズ)よりも第2レンズに回折面をもたせることにより、複数ビームの波長差に起因する光学特性(ビームスポット径)の劣化を低減することができる。
本発明では、以上のような構成および効果により、低コストで、簡単な構成で、高速、高密度対応であり、かつ、複数ビームとも温度変動にかかわらず安定した小ビームスポットを獲得でき、複数ビーム間の走査線間隔を安定的に獲得でき、なおかつ、マルチビーム間の光量差が少ない構成の光走査装置を実現することができる。また、本発明では、前記光走査装置を用い、高画質対応の画像形成装置を実現することができる。
[実施形態1]
以下、本発明の構成、動作および作用効果を、図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明に係る光走査装置の基本的な構成例を示す概略構成図であり、光走査装置を構成する光学系を、光軸を通り主走査方向(偏向手段による偏向走査方向)に平行な平面(主走査平面または主走査断面という)上に展開して示した図である。
図1において、符号1,1’は光源(半導体レーザ)、2,2’はカップリングレンズ(第1レンズ)、3はアパーチャ(開口絞り)、4はアナモフィックレンズ(第2レンズ)、5は偏向手段としての偏向器(ポリゴンスキャナ)のポリゴンミラー(図ではポリゴンミラーの1つの偏向面のみを図示してある)、6は偏向器側走査レンズ、7は像面側走査レンズ、8は防塵ガラス、9は像面(被走査面)、10は防音ガラスである。
光源1,1’は厚さ0.3mmのカバーガラスの付いた半導体レーザであり、この光源1,1’から射出した光束はカップリングレンズ2,2’により弱い発散光となり、アパーチャ3を経て、アナモフィックレンズ4により主走査方向は平行光、副走査方向はポリゴンミラー5近傍に集束する光束となる。さらにポリゴンミラー5により偏向され、偏向器側走査レンズ6と像面側走査レンズ7により、防塵ガラス8を経て、像面9に結像する。また、偏向器のポリゴンミラー5と偏向器側走査レンズ6の間に防音ガラス10を配備している。なお、光源1とカップリングレンズ2(光源1’とカップリングレンズ2’)は材質がアルミニウムからなる同一の保持部材に固定されている。
カップリングレンズ(第1レンズ)2,2’は屈折面から構成されるガラス製レンズであり、アナモフィックレンズ(第2レンズ)4は回折面を1面だけ有する樹脂製レンズである。また、走査レンズ6,7は樹脂製レンズである。
ここで、走査レンズに非球面を用いた樹脂製レンズを用いる場合、偏向器(ポリゴンスキャナ)の回転による発熱や画像形成装置の定着手段により、光走査装置が温度上昇する場合、
・波長増加
・屈折率低減
・形状の膨張
等の変動が生じる。
通常の屈折面を用いる場合、上記の3つの変動により、ビームウエスト位置が偏向器から離れる方向(ここではプラス方向とする)に変化する。ところが、第2レンズ4の回折面は波長が長くなると焦点距離が短くなるように変化し、温度上昇が発生した場合に、焦点距離が短くなる方向(ここではマイナス方向とする)に変化し、上記の屈折面による変動と相殺し、トータルとして温度変動時における焦点距離の変化を低減することができる。しかし、複数ビームが回折面を通過する場合には、
(1)複数ビーム間の波長差に起因する回折効率の差、
(2)複数ビーム間の走査線間隔を均一に保つ、
(3)複数ビームでのビームスポットの小径化、
という課題がある。
ここで、波長差に起因する回折効率の差は、回折面を1次次数で設計した場合、回折面が少なければ少ない程良く、前述したビームウエスト位置の安定化を考慮すると、複数ビームの場合、偏向手段より光源側の第1光学系に回折面を1面のみ設定するのが良い。
例えば、波長の中心値が780nmの半導体レーザを複数用いる場合を考えると、半導体レーザの仕様は通常780−10〜780+15[nm]であり、最大で25nm程度の波長差が発生しうる。このとき、回折面が1面だけであれば、回折効率の差は0.35%となり、高画質対応の光走査装置としても許容レベル内であるが、回折面を2面用いると回折効率の差は0.7%となってしまい、高画質対応の光走査装置として問題が発生する。また、複数ビームの場合に、波長差に起因する複数ビーム間の走査線間隔の変動、複数ビームでのビームスポット小径化の獲得のためには、第1光学系に回折面を1面のみ有する構成とするのが良い。
なお、ここでは、走査レンズに樹脂製レンズを用いた場合について説明したが、走査レンズにガラス製レンズを用いる場合にも本発明は適用可能である。
一般に光走査装置の全光学系は主走査方向と副走査方向のパワーが異なるアナモフィック光学系が用いられ、前述したような温度補償を行なうためには、回折面のパワーは主走査方向と副走査方向で異ならせたほうが良い。そのためには、例えば、前述の特許文献5に開示されるように、同心円状の回折面と直線状の回折面を用いることにより、主走査方向、副走査方向について独立に温度補償をするという方法もあるが、前述したような問題が発生する。
そこで、本発明では、主走査方向と副走査方向のパワーが異なる回折溝が楕円形状の回折面を1面のみ用いることで、前述した問題を解決でき、なおかつ、主走査方向と副走査方向を独立に温度補償することができる。また、全光学系の主走査方向の横倍率をβm0、副走査方向の横倍率をβs0とするとき、
|βm0|>|βs0|
の関係を満足することにより、第2レンズ4により一度線状に結像することができ、偏向面と被走査面を共役に近づけることができる。そして、このときポリゴンミラー5等の偏向手段の面倒れによる走査線間隔の不均一性を低減できる。また、このとき、複数ビームの波長差に起因する光学特性(ビームスポット径)の劣化を低減するためには、横倍率の絶対値が小さい副走査方向の回折パワーの絶対値を主走査方向の回折パワーよりも大きくするのが良い。また、発散光束をカップリングするカップリングレンズ(第1レンズ)2と、第1レンズからのビームを偏向手段に導く第2レンズ4とにより第1光学系を構成することができる。このとき、
|βm0|>|βs0|
の関係があるので、カップリングレンズ2よりも第2レンズ4に回折面をもたせるのが良い。
第2レンズ4に副走査方向の回折パワーの絶対値を主走査方向の回折パワーよりも大きくした回折面を有することにより、複数ビームの波長差に起因する光学特性(ビームスポット径)の劣化を低減することができる。なお、第2レンズ4の概略形状は、図2に示すように、第1面が副走査方向に正のパワーを有するシリンドリカル面、第2面が回折パワーと屈折パワーの絶対値が同じで符号が逆となる回折面から構成される。図示したように、回折面形状は階段状となっており、シェーパー加工のような加工痕を発生させないような形成方法が採用でき、加工時間の短縮化も図ることができる。加工時間の短縮化は、加工時の熱の発生の低減など副次的なメリットも派生し、高精度の回折面を得るのに好ましい。もちろん、回折面の面精度も非常に滑らかに仕上げることができるので、散乱光の発生やビームスポット径太りの発生も殆どない。また、この回折面は回折パワーと屈折パワーの絶対値が同じで符号が逆となるため、全体としてのパワーが0(ノンパワー)となり、面間の偏心にも非常に強い構成となっている。
第2レンズ4の回折面は加工誤差や光源の波長ばらつきにより、どうしても光利用効率が低下する。しかし、図2に示すように、回折面を1面のみに採用することで、光利用効率の向上が図れる。
また、第2レンズ4の回折面のパワーは、
・第2レンズの回折面の回折部の主走査方向又は副走査方向のパワーをP1、
・P1で定義した方向の回折面の屈折部のパワーをP2、
・第2レンズの回折面でない面の前記P1で定義した方向のパワーをP3、
としたとき、
(1).|P3|≧|P1+P2|
(2).|P1|>|P1+P2|かつ|P2|>|P1+P2|
(3).P1×P3>0 (→温度補正効果)
の条件を満たすようにする。
ここで、上記の(2)式は回折面の回折部のパワーと屈折部のパワーが相殺されるように設定されるということを示している。
また、|P1|>|P1+P2|は回折部のパワーの絶対値は屈折部のパワーを追加することにより相殺されることを示しており、|P2|>|P1+P2|は屈折部のパワーの絶対値は回折部のパワーを追加することにより相殺されることを示している。このとき、回折面の全体としてのパワーが小さくなる。さらに、(1)式の|P3|≧|P1+P2|を満足することにより、屈折部に面全体のパワーを配分でき、面間の偏心に強い光学素子とすることができる。
また、上記の(2)式を満足することにより、回折面のパワーは低減されるが、このとき、回折面形状は階段状に近づいていく。最も理想的な形状としては階段状になるのが良いが、(2)式を満足するだけで、シェーパー加工のような加工痕を発生させないような形成方法が採用でき、加工時間の短縮化もできる。加工時間の短縮化は、加工時の熱の発生の低減など副次的なメリットも派生し、高精度の回折面を得るのに好ましい。
もちろん、回折面の面精度も非常に滑らかに仕上げることができるので、散乱光の発生やビームスポット径太りの発生も殆どない。特に図1のようなマルチビーム光学系の場合、一方のビームで発生したゴースト光がもう一方の光源に入射するのを避ける必要があるため、上記構成は非常に有効である。また、回折面全体のパワーが小さくなっているため、複数ビームが第2レンズ4の回折面を通過する際に通過位置が異なっていても、面間偏心の影響を受けにくく良好な光学特性を有する光走査装置を実現することができる。
前述したように、屈折部に面全体のパワーを配分することで、面間の偏心に強い光学素子とすることができるが、最も望ましいのは、回折面のパワーを0(ノンパワー)とするのが良い。具体的にはP1=−P2とすれば良い。こうすることにより、屈折面に対し、回折面が偏心していてもビームスポット径の劣化が少ない光走査装置を実現することができる。また、回折面が階段構造であれば、シェーパー加工のような加工痕を発生させないような形成方法が採用でき、加工時間の短縮化も図ることができる。加工時間の短縮化は、加工時の熱の発生の低減など副次的なメリットも派生し、高精度のパワーの回折面を得るのに好ましい。
また、レンズそのもののパワーは入射面と射出面のパワーの合成として与えられるが、一方の面がノンパワーでも反対側のパワーを適切に設定することで、所望のレンズパワーを得ることができる。従って、このような階段構造の回折面は、いかなるパワーのレンズにも採用することができるのである。
もちろん、回折面の面精度も局所的に非平面であるところがないため、非常に滑らかに仕上げることができるので、散乱光の発生やビームスポット径太りの発生も殆どない。特に図1に示すようなマルチビーム光学系の場合、一方の光源からのビームで発生したゴースト光がもう一方の光源に入射するのを避ける必要があるため、上記構成は非常に有効である。また、回折面全体のパワーが小さくなっているため、複数ビームが第2レンズ4を通過する際に通過位置が異なっていても、面間偏心の影響を受けにくく良好な光学特性を有する光走査装置を実現することができる。
第2レンズ4において、不要次数の回折光や散乱光の除去は回折面の課題の1つである。特に図1に示すようなマルチビーム光学系の場合、一方の光源からのビームで発生したゴースト光がもう一方の光源に入射するのを避ける必要があるため、この課題は重要である。通常、偏向器前の第1光学系には半導体レーザの発散角ばらつきにかかわらず、被走査面(像面)上で所望のビームスポット径を得るためのアパーチャ(開口絞り)3が配備される。第2レンズ4の回折面で発生する不要次数の回折光や散乱光の一部は前記開口絞りで除去することができるが、それでは不十分である。
そこで、図3に示すように、前記第1光学系が光軸方向について異なる複数の位置に遮光部材3’,3”を配備した構成とすることにより、不要次数の回折光や散乱光の除去ができ、良好な画像に対応できる光走査装置を実現することができる。さらに、主走査方向及び/または副走査方向において、アパーチャ(開口絞り)3以外の少なくとも1つの遮光部材3’(または3”)を通過するときのビームの幅を開口絞り3を通過するときのビーム幅よりも狭くすることにより、不要次数の回折光や散乱光の除去を有効に行うことができる。なお、開口絞り3を光束幅が狭くなる位置に配備するという方法もあるが、開口絞り3を光束幅が狭くなる位置に配備すると、開口幅の加工誤差によるビームスポット径の変化量が大きくなってしまい、最適解では無い。なお、図3は本発明に係る光走査装置の副走査断面図であるが、主走査方向についても全く同様の考え方が成立する。
前述したように、本発明に係る光走査装置では、複数ビーム間の波長差に起因する回折効率の差を問題にしたが、回折素子以外の光学素子の光利用効率も複数ビーム間で合わせてやる必要がある。そのためには、複数ビームの偏光方向を概略同じ方向にする必要がある。
図1に示す構成の場合、回折面を有するアナモフィックレンズ(第2レンズ)4を通過する2つのビームは、図4に示す斜線を付けた楕円部のようになる。複数ビーム間の主走査方向の最大距離(2つのビームの中心同士の距離)をΔy、副走査方向の最大距離(2つのビームの中心同士の距離)をΔzとするとき、Δy>Δzとなる。この場合には、主走査方向の回折パワーをPm1、副走査方向の回折パワーをPs1とするとき、
|Pm1|<|Ps1|
とすれば、すなわち、
(Δy−Δz)・(|Pm1|−|Ps1|)<0
とすれば、主走査方向の距離が離れても副走査方向の回折パワーの差が少なくなり、複数ビームに同じ程度の回折効果をもたせることができる。
[実施形態2]
図5に本発明に係る光走査装置を用いた画像形成装置の一構成例を示す。図5に示す画像形成装置では、像担持体としての円筒状に形成された感光体ドラム111を有し、その周囲には感光体表面を均一に帯電するための帯電装置112(図では帯電ローラによる接触式のものを示しているが、この他、帯電ブラシや、非接触式のコロナチャージャ等を用いることもできる)、感光体ドラムに光ビームを照射して静電潜像を形成する光走査装置113、感光体ドラム上の静電潜像をトナーで現像する現像装置114、現像により感光体ドラム上で顕像化されたトナー像をシート状の記録媒体Sに転写する転写装置115(図では転写ローラを示しているが、コロナチャージャ等を用いるものであってもよい)、転写後の転写残トナーを除去するクリーニング装置116を有している。また、符号117は定着装置を示している。
感光体ドラム111は、接地された金属等の導電性を持つ円筒の外側表面に、暗中では誘電体、光が当たると導電体となる光導電性の感光体材料からなる感光層が設けられている。
感光体ドラム111は図中の矢印方向へ等速回転され、帯電装置112によって感光体表面に均一に電荷が与えられる。
次に光走査装置113によって感光体ドラム111の一部に画像情報に応じて強度変調された光ビームが照射される。感光体ドラム111の光ビームが露光された部分は導電体となり、感光体表面の電荷が導電性を持つ円筒を介して逃げることにより感光体表面の電荷が無くなる。また、光ビームが露光されなかった部分の電荷はそのまま保持される。このようにして感光体表面に静電潜像が形成される。
次に現像装置114によって感光体表面と同じ極性の電荷に帯電されたトナーが感光体表面の電荷の無くなった部分にのみ付着し、トナー画像として可視像化される。
感光体上のトナー画像は、図示しない給紙部から給紙される記録紙やOHPシート等のシート状記録媒体S上に転写装置114によって静電力及び圧力により転写される。シート状記録媒体S上に転写されたトナー画像は定着装置117によって熱及び圧力を加えることにより定着される。そして、トナー画像を定着されたシート状記録媒体Sは装置外の図示しない排紙部へ排出される。また、トナー画像転写後の感光体111はクリーニング装置116のクリーニング部材(ブレード、ブラシ等)によりクリーニングされて残留トナーや紙粉が除去される。
以上のように、図5に示す構成の画像形成装置では、帯電→露光→現像→転写→定着→クリーニングという工程を経て画像形成を行なうものであるが、光走査装置113に、実施形態1で説明した本発明の光走査装置を用いることにより、低コストで高画質対応の画像形成装置を実現することができる。
[実施形態3]
図6に本発明に係る光走査装置を用いた多色画像形成装置の一構成例を示す。図中の符号111Y,111M,111C,111Kは、転写ベルト118に沿って並設された感光体ドラムであり、図中の矢印方向に回転される。各感光体ドラム111Y,111M,111C,111Kの周囲には、図5と同様に、帯電装置112Y,112M,112C,112K(図では帯電ローラによる接触式のものを示しているが、この他、帯電ブラシや、非接触式のコロナチャージャ等を用いることもできる)、光走査装置113、各色の現像装置114Y,114M,114C,114K、転写装置(転写チャージャ、転写ローラ、転写ブラシ等)115Y,115M,115C,115K、クリーニング装置116Y,116M,116C,116Kが配設されている。また、図中の符号117は定着装置、119は記録紙等のシート状記録媒体Sを積載した給紙カセット、120は給紙ローラ、121は分離ローラ、122は搬送ローラ、123はレジストローラを示している。
感光体ドラム111Y,111M,111C,111Kは潜像形成手段である光走査装置113により画像情報に応じて強度変調された光ビームが露光され、静電潜像が形成される。この露光工程を行う光走査装置113の基本的な構成は実施形態1で説明した通りであり、各感光体ドラム111Y,111M,111C,111Kに対応して4つの光走査装置を配置しても良いが、図6の例では、1つの偏向手段で4系統のマルチビームを振り分けて走査する構成である。すなわち、図6に示す光走査装置では、4つの感光体ドラム111Y,111M,111C,111Kにそれぞれ対応するためのマルチビーム光源と第1、第2光学系を4系統備えており、1つの偏向手段で4系統のマルチビームを左右に振り分けて走査し、第2光学系に設けたミラーで各マルチビームの光路を折り曲げて各感光体ドラム111Y,111M,111C,111Kに照射する構成である。
各感光体ドラム111Y,111M,111C,111Kに形成された静電潜像は、イエロー(Y)現像装置114Y、マゼンタ(M)現像装置114M、シアン(C)現像装置114C、ブラック(K)現像装置114Kによって現像され、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のトナー像として顕像化される。また、この現像工程にタイミングを合わせて給紙カセット119からシート状記録媒体Sが給紙ローラ120と分離ローラ121により1枚ずつ給紙され、搬送ローラ122を経てレジストローラ123に至る。そして、上記の現像工程で顕像化された各感光体ドラム111Y,111M,111C,111K上のトナー像が転写位置に来るタイミングに合わせてレジストローラ123によりシート状記録媒体Sが転写ベルト118に送り出され、転写ベルト118によりシート状記録媒体Sが担持されて各色の転写位置に順次搬送される。そして、転写ベルト118を挟んで各感光体ドラム111Y,111M,111C,111Kに対向して配置された転写装置115Y,115M,115C,115Kにより転写バイアスが印加され、各感光体ドラム111Y,111M,111C,111K上の各色のトナー像がシート状記録媒体Sに順次重ね合わせて転写される。シート状記録媒体S上に転写された4色重ね合わせのトナー画像(カラー画像)は定着装置117によって熱及び圧力を加えることにより定着される。そして、トナー画像を定着されたシート状記録媒体Sは装置外の図示しない排紙部に排出される。また、トナー画像転写後の各感光体ドラム111Y,111M,111C,111Kはクリーニング装置116Y,116M,116C,116Kのクリーニング部材(ブレード、ブラシ等)によりクリーニングされて残留トナーや紙粉が除去される。
なお、図6に示す画像形成装置では、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)のいずれか1色の画像を形成する単色モード、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)のいずれか2色の画像を重ねて形成する2色モード、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)のいずれか3色の画像を重ねて形成する3色モード、上記のように4色の重ね画像を形成するフルカラーモードを有し、これらのモードを図示しない操作部にて指定して実行することで単色、多色、フルカラーの画像形成が可能である。
以下に本発明に係る光走査装置の具体的な実施例(光学系データ)を示す。
本実施例において用いるガラス材料(ガラス1と称する)および樹脂材料(樹脂1と称する)のデータは下記の表1のとおりである。
Figure 0005037851
表1において「中央値」とあるのは、基準温度:25℃における使用波長に対する屈折率、「波長飛び」とあるのは、モードホップにより波長飛びを生じたときの屈折率、「温度変動」とあるのは、温度が基準温度から20度上昇したときの屈折率である。モードホップによる「波長飛び」は、余裕を見て0.8nmの波長変化を想定している。また、下記の表2に、光偏向器以降の光学系データを示す。
Figure 0005037851
表2において、Rmは「主走査方向の近軸曲率半径」、Rsは「副走査方向の近軸曲率半径」であり、Dx、Dyは「各光学素子の原点から次の光学素子の原点までの相対距離」を表しており、単位はmmである。また、走査レンズ6-1は走査レンズ6の第1面(入射面)、走査レンズ6-2は走査レンズ6の第2面(射出面)であり、走査レンズ7-1は走査レンズ7の第1面(入射面)、走査レンズ7-2は走査レンズ7の第2面(射出面)である。
例えば、光偏向器に対するDx、Dyについてみると、光偏向器(ポリゴンミラー5)の回転軸から見て、走査レンズ6の入射面の原点(入射側面の光軸位置)は、光軸方向(x方向(図1の左右方向))に43.3mm(図1のd6の距離)離れ、主走査方向(y方向(図1の上下方向))に2.9mm離れている。
また、表2から、図1中のd7=8mm、d8=101.1mm、d9=3mm、d10=139.9mmとなる。
なお、走査レンズ7と被走査面(像面)9の間には、図1に示すようにガラス1を材質とする厚さ:1.9mmの防塵ガラス8が配置されている。
走査レンズ6と走査レンズ7の各面は非球面であり、全面ともに主走査方向には「下記の式1で与えられる非円弧形状」で、副走査断面(光軸と副走査方向とに平行な仮想的断面)内の曲率が主走査方向に「下記の式2に従って変化」する特殊面である。
すなわち、主走査面(レンズ光軸を含み、主走査方向に平行な仮想的な平断面)内における非円弧形状は、光軸における主走査面内の近軸曲率半径:Rm、主走査方向における光軸からの距離:Y、円錐常数:K、高次の係数:A1,A2,A3,A4,A5,A6,・・・とするとき、光軸方向のデプス:Xを用い、多項式:
X=(Y2/Rm)/[1+√{1-(1+K)(Y/Rm)2}]
+A1・Y+A2・Y2+A3・Y3+A4・Y4+A5・Y5+A6・Y6+・・・(式1)
で表す。奇数次の係数:A1,A3,A5・・・の1以上が「0でない」場合、(式1)で与えられる非円弧形状は主走査方向に非対称となる。
また、副走査方向の曲率(主走査方向に直交する仮想的平断面内におけるレンズ面の曲率)が主走査方向の座標:Yとともに変化する場合、以下の多項式:
Cs(Y)={1/Rs(0)}+B1・Y+B2・Y2+B3・Y3+B4・Y4+B5・Y5+・・・(式2)
で表す。奇数次の係数:B1,B3,B5・・・の1以上が「0でない」とき、(式2)で与えられる「副走査の曲率」は、主走査方向に非対称に変化する。
走査レンズ6の入射側面(特殊面)の係数を下記の表3に示す。また、走査レンズ6の射出側面(特殊面)の係数を下記の表4に示す。さらに走査レンズ7の入射側面(特殊面)の係数を下記の表5に示す。また、走査レンズ7の射出側面(特殊面)の係数を下記の表6に示す。
Figure 0005037851
Figure 0005037851
Figure 0005037851
Figure 0005037851
図1に示す光走査装置の偏向器前光学系(第1光学系)の各要素は以下の如くである。なお、偏向器前光学系(第1光学系)の光学素子の配置は全光学系の主走査/副走査の結像位置が被走査面近傍になるように適切に配置している。
「光源」
光源である半導体レーザ1,1’は設計上の発光波長:655nmであり、標準温度:25℃に対して温度が1℃上昇すると、発光波長が0.20nm長波長側へずれる。モードホップは上記の如く0.8nmの波長変化を想定している。ここでは、それぞれ1つの発光点を有する半導体レーザを2つ配備しているが、もちろん複数の発光点を有する半導体レーザアレイであっても良いし、VCSELアレイであってもかまわない。
「カップリングレンズ」
第1レンズ2,2’であるカップリングレンズは、上述したようなガラス製レンズであり、焦点距離:15mmで略平行の光ビームに変換する機能を有するように配置される。カップリングレンズ2,2’は両面とも非球面が用いられ、非球面係数は開示しないが、カップリングされた光ビームの波面収差を非球面により十分に補正している。
半導体レーザ1とカップリングレンズ2(半導体レーザ1’とカップリングレンズ2’)とは、線膨張係数:2.3×10−5の材質による保持部材に固定的に保持されている。カップリングレンズの材質はガラス製であり、上記の表1に記載のガラス1の屈折率となる。
「アパーチャ」
アパーチャ3は、主走査方向の開口径:5.4mm、副走査方向の開口径:2.28mmの「長方形形状の開口」を有し、カップリングレンズ2,2’によりカップリングされた光ビームをビーム整形する。このとき、図3に示すように、光源とカップリングレンズの間と、アナモフィック光学素子(第2レンズ)4と偏向手段5の間にそれぞれ遮光部材3’、3”を配備する。
「アナモフィック光学素子」
アナモフィック光学素子(第2レンズ)4は、入射側面が「副走査方向にのみパワーを有するシリンドリカル面」で、射出側面は「回折溝が楕円状となる階段状回折面」となっている。
入射面の副走査方向の曲率半径は63.4mmである。射出面は回折面であり、回折面の位相関数φ(y,z)は、下式で表される。
φ(y,z)=C1・Y+C2・Z
C1=−0.0006199,C2=−0.007537
この回折面は主走査曲率半径が425.4mm,副走査曲率半径が35mmのトロイダル面上に形成され、「回折溝が楕円状となる階段状回折面」となる面が形成される。
このとき、主走査方向、副走査方向ともP1=−P2となり、出来上がった回折面は階段形状になる。つまり、第2面のパワーは主走査方向、副走査方向ともノンパワーとなる。
「光偏向器」
光偏向器のポリゴンミラー5は反射面数:4面で、内接円半径:7mmのものである。防音ガラス10は上記の表1のガラス1を材質とし、厚さ:1.9mmで、上記y方向(図の上下方向)からの傾き角:αは16度である。
また、光源側から入射する光ビームの進行方向と、偏向反射面により「被走査面(像面)9における像高:0の位置へ向けて反射される光ビームの進行方向」のなす角:θは、60.55度である。
本実施例の光走査装置における、主走査方向及び副走査方向のビームウエスト位置変動は、下記の表7のようになっている。アナモフィック光学素子(第2レンズ)4の回折面の効果で、それぞれのビームウエスト位置変動が低減されていることがわかる。
Figure 0005037851
本発明に係る光走査装置の基本的な構成例を示す概略構成図である。 アナモフィックレンズ(第2レンズ)の概略形状を示す図である。 図1に示す光走査装置の偏向器以前の光学系の概略構成を示す副走査断面図である。 アナモフィックレンズ(第2レンズ)を通過する2つのビームの説明図である。 本発明に係る画像形成装置の一構成例を示す概略構成図である。 本発明に係る多色画像形成装置の一構成例を示す概略構成図である。
符号の説明
1,1’:光源(半導体レーザ)
2,2’:カップリングレンズ(第1レンズ)
3:アパーチャ(開口絞り)
3’、3”:遮光部材
4:アナモフィックレンズ(第2レンズ)
5:ポリゴンミラー
6:偏向器側走査レンズ
7:像面側走査レンズ
8:防塵ガラス
9:像面(被走査面)
10:防音ガラス
111,111Y,111M,111C,111K:感光体ドラム
112,112Y,112M,112C,112K:帯電装置
113:光走査装置
114,114Y,114M,114C,114K:現像装置
115,115Y,115M,115C,115K:転写装置
116,116Y,116M,116C,116K:クリーニング装置
117:定着装置
118:転写ベルト
119:給紙カセット
120:給紙ローラ
121:分離ローラ
122:搬送ローラ
123:レジストローラ

Claims (11)

  1. 半導体レーザからなる複数の光源と、
    前記複数の光源からの複数ビームを偏向する偏向手段と、
    前記複数の光源からの複数ビームを前記偏向手段に導く第1光学系と、
    前記偏向手段からの複数ビームを被走査面に導く第2光学系とを有し、
    前記第1光学系は回折面を1つ有し、該1つの回折面を前記複数ビームが共通に通過し、
    前記回折面を有する第1光学系を通過するときの前記複数ビームの偏光方向を概略同じ方向とする光走査装置において、
    全光学系の主走査方向の横倍率をβm0、副走査方向の横倍率をβs0とするとき、
    |βm0|>|βs0|
    であって、かつ、前記回折面の回折パワーは主走査方向のパワーの絶対値よりも副走査方向のパワーの絶対値が大きいことを特徴とする光走査装置。
  2. 請求項1に記載の光走査装置において、
    前記第1光学系は、前記複数の光源からの発散光束をカップリングする第1レンズと、該第1レンズからのビームを前記偏向手段に導く副走査方向に正のパワーを有する第2レンズからなり、前記第2レンズが前記回折面を有することを特徴とする光走査装置。
  3. 請求項2に記載の光走査装置において、
    前記第2レンズの1面は前記回折面を有し、もう一方の面は回折面を有さないことを特徴とする光走査装置。
  4. 請求項3記載の光走査装置において、
    前記第2レンズの前記回折面の回折部の主走査方向又は副走査方向のパワーをP1、
    該P1で定義した方向の前記回折面の屈折部のパワーをP2、
    前記第2レンズの前記回折面でない面の前記P1で定義した方向のパワーをP3、
    としたとき、
    |P3|≧|P1+P2|
    |P1|>|P1+P2|かつ|P2|>|P1+P2|
    P1×P3>0
    の条件を満たすことを特徴とする光走査装置。
  5. 請求項2〜4のいずれか1項に記載の光走査装置において、
    前記第2レンズは樹脂製レンズであることを特徴とする光走査装置。
  6. 請求項〜5のいずれか1項に記載の光走査装置において、
    前記第2レンズの前記回折面の面形状は階段構造であり、ほぼノンパワーとなっていることを特徴とする光走査装置。
  7. 請求項〜6のいずれか1項に記載の光走査装置において、
    前記第1光学系は、光軸方向について異なる複数の位置に遮光部材を配備したことを特徴とする光走査装置。
  8. 請求項7に記載の光走査装置おいて、
    前記複数の遮光部材のうち少なくとも1つの遮光部材は前記被走査面でのビーム径を設定するための開口絞りであり、主走査方向及び/または副走査方向において、前記開口絞り以外の少なくとも1つの遮光部材を通過するときのビームの幅は、前記開口絞りを通過するときよりも狭くなることを特徴とする光走査装置。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の光走査装置において、
    前記回折面を通過する前記複数ビーム間の主走査方向の最大距離をΔy、副走査方向の最大距離をΔzとし、主走査方向の回折パワーをPm1、副走査方向の回折パワーをPs1としたとき、
    (Δy−Δz)・(|Pm1|−|Ps1|)<0
    の条件を満たすことを特徴とする光走査装置。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の光走査装置を用いて画像形成を行うことを特徴とする画像形成装置。
  11. 請求項1〜のいずれか1項に記載の光走査装置を用いて多色画像の形成を行うことを特徴とする画像形成装置。
JP2006125792A 2006-04-27 2006-04-28 光走査装置および画像形成装置 Active JP5037851B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006125792A JP5037851B2 (ja) 2006-04-28 2006-04-28 光走査装置および画像形成装置
US11/740,070 US7973990B2 (en) 2006-04-27 2007-04-25 Optical scanning device, optical writing device, and image forming apparatus
US13/152,989 US8077369B2 (en) 2006-04-27 2011-06-03 Optical scanning device, optical writing device, and image forming apparatus

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006125792A JP5037851B2 (ja) 2006-04-28 2006-04-28 光走査装置および画像形成装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007298685A JP2007298685A (ja) 2007-11-15
JP5037851B2 true JP5037851B2 (ja) 2012-10-03

Family

ID=38768239

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006125792A Active JP5037851B2 (ja) 2006-04-27 2006-04-28 光走査装置および画像形成装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5037851B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009300679A (ja) * 2008-06-12 2009-12-24 Ricoh Co Ltd 光走査装置及び画像形成装置
JP2010039326A (ja) * 2008-08-07 2010-02-18 Kyocera Mita Corp 光走査光学装置及びそれを用いた画像形成装置と温度変動に伴う副走査方向の焦点位置変化を補正する方法
KR101599887B1 (ko) * 2009-10-07 2016-03-04 삼성전자주식회사 광주사 장치 및 이를 채용한 전자 사진 방식의 화상 형성 장치
JP5780093B2 (ja) * 2011-09-30 2015-09-16 ブラザー工業株式会社 走査光学装置

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3224339B2 (ja) * 1995-10-11 2001-10-29 キヤノン株式会社 マルチビーム走査光学装置
JP2003295112A (ja) * 2002-04-05 2003-10-15 Canon Inc 走査型画像表示光学系、走査型画像表示装置および画像表示システム
JP4495983B2 (ja) * 2004-02-12 2010-07-07 リコー光学株式会社 光学装置、光走査装置、画像形成装置およびデジタルラボ
JP2006035703A (ja) * 2004-07-28 2006-02-09 Canon Inc 光走査装置およびそれを用いた画像形成装置
JP4732202B2 (ja) * 2006-03-17 2011-07-27 株式会社リコー 光走査装置および画像形成装置
JP4713377B2 (ja) * 2006-03-17 2011-06-29 株式会社リコー 光走査装置および画像形成装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2007298685A (ja) 2007-11-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5024928B2 (ja) 光走査装置及び画像形成装置
JP2008052247A (ja) 光走査装置および画像形成装置
US7564607B2 (en) Light source module, optical scanning device, and image forming apparatus
JP2004354734A (ja) 光走査装置及び画像形成装置
US7550712B2 (en) Optical scanning system with reduced spherical aberration and image forming apparatus using the same
JP4970864B2 (ja) 光走査装置、及びその光走査装置を備える光書込装置、並びにその光走査装置またはその光書込装置を備える画像形成装置
JP5022253B2 (ja) 光走査装置及び画像形成装置
JP2004070107A (ja) 光走査装置及びそれを用いた画像形成装置
JP2009122329A (ja) 光走査装置及びそれを用いた画像形成装置
JP5037851B2 (ja) 光走査装置および画像形成装置
JP2004070108A (ja) 光走査装置及びそれを用いた画像形成装置
JP2004070109A (ja) 光走査装置及びそれを用いた画像形成装置
US7136208B2 (en) Light scanning apparatus and image forming apparatus using the same
KR101884397B1 (ko) 광 주사 장치 및 이를 채용한 전자 사진 방식의 화상 형성 장치
JP4323977B2 (ja) 光走査装置及びそれを用いた画像形成装置
JP4713377B2 (ja) 光走査装置および画像形成装置
JP4979444B2 (ja) 光走査装置及び画像形成装置
JP2005088352A (ja) 走査光学装置及びそれを用いた画像形成装置
JP4378416B2 (ja) 走査光学装置及びそれを用いた画像形成装置
JP3787285B2 (ja) 光走査装置
JP2007183354A (ja) 光走査装置及びそれを用いた画像形成装置
JP3749431B2 (ja) 光走査装置
US20110221856A1 (en) Optical scanner and image forming apparatus using the same
JP2004070110A (ja) 光走査装置及びそれを用いた画像形成装置
JP4208750B2 (ja) 光走査装置及びそれを用いた画像形成装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090219

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110301

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110308

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110506

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20111108

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20111228

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120703

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120705

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150713

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5037851

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150