以下、本発明を実施するための最良の形態を、実施例に基づいて詳細に説明する。
最初に、図1を参照しながら本発明の実施例1を説明する。図1(A)は本実施例の貼り合わせ葉書の折り返しの様子を示す外観斜視図,図1(B)は葉書を見開いた状態を示す斜視図,図1(C)は前記貼り合わせ葉書から切り離したカードの裏面を示す平面図,図1(D-1)及び(D-2)は、前記図1(C)を#A−#A線に沿って切断し矢印方向に見た端面図である。本実施例は、本発明の印刷物を、紙片を剥離可能に貼り合わせた葉書ないし見開き葉書に適用した例である。貼り合わせ葉書は、印刷した葉書を折って、熱と圧を加えて貼り合わせたもので、容易に剥離することができるが、一度剥がすと元に戻せないという特性を有している。また、見開いたときの面積が広いため、官製葉書の数倍以上の情報を掲載できることから、広告やアンケートなどのダイレクトメールにも利用されている。
本実施例の貼り合わせ葉書10(以下、単に「葉書」という)は、3枚の紙片12,14,16が、折り線18,20を介して連接しており、図1(A)に示すように、前記折り線18,20に沿ってZ型に折り返し(折り畳み)可能となっている。前記紙片12の紙面12Aには、配送先の宛名情報が表示されており、他の紙面12B,14A,14B,16A,16Bには、任意の広告内容などが印刷されている。そして、前記紙面12Bと14Bが公知の接着剤30によって剥離可能に接着され、他の紙面14Aと16Aも前記接着剤30によって剥離可能に接着されている。接着剤30としては、例えば、糊やニスが用いられるが、フィルムを接着層として用いるようにしてもよい。このような紙片12,14,16を剥離可能に接着する技術は公知である。
本実施例では、葉書10を貼り合わせた状態において一番外側にくる紙片12の紙面12Aに、住所や氏名が記載された宛名部24を囲むようにミシン目22が略長方形に形成されている。該ミシン目22の形成は、印刷の前後のいずれであってもよい。前記宛名部24は、紙片12と14を図1(B)に示すように見開いた状態で、前記ミシン目22に沿って周囲の紙片12から切り離し、カード26として使用可能となっている。宛名部24が切り離された紙片12には、窓28が形成される。また、前記宛名部24の裏面には、図1(B)及び(C)に示すように、縁部の全周と複数のマス目32を区切る直線部分に、前記紙片12Bと14Bの貼り合わせに用いたものと同様の接着剤30が塗布されている。このように、前記接着剤30を宛名部24の裏面にも塗布することにより、紙片12と14が接着した状態では、宛名部24も紙片14に接着しており、仮にミシン目22の一部が切断されても、カード26が印刷物10から剥がれてしまうことはない。また、前記マス目32の間は、格子状に接着剤30が塗布されているので、宛名部24の中央が紙片14から浮くことも防止できる。
前記カード26は、表面は前記宛名部24となっており、裏面には前記マス目32が複数設けられている。該マス目32は、上述したように接着剤30が塗布されてないため、任意の印刷や押印,あるいは書き込みなどに利用することができる。なお、前記マス目32には、図1(D-1)に示すように、全く接着剤30が塗布されていないことが好ましいが、製造上の誤差によって図1(D-2)に示すように、ごく薄く接着剤30が塗布されていたとしても、前記印刷,押印,書き込みが可能な状態であれば差支えない。例えば、前記マス目32にスタンプを捺印することにより、ポイントカード,会員カード,スタンプラリーの台紙などに利用できる。このとき、カード26の表には、既に住所・氏名などの情報が表示されているため、カード26の利用者が記入する手間を省くことができる。また、カード26が景品交換用の割引クーポンの場合は、葉書10から取り出してカード26を財布に収納しておけば、使い忘れが防止できる。あるいは、カード26を持参した客の宛名部24の情報を、名刺読み取り機などを利用してパソコンに読み込み、顧客情報の管理を迅速に行うために利用してもよい。
このように、実施例1によれば、次のような効果がある。
(1)貼り合わせ葉書10の一番外側にくる紙片12に表示された宛名部24を、ミシン目22で囲んで前記紙片12から切り離してカード26として利用可能にするとともに、前記カード26の裏面にも一部を除いて接着剤30を設けて、紙面14Bに剥離可能に接着した。このため、葉書10の貼り合わせ状態において、前記カード26が紙片12から容易に脱落するのを防止することができるとともに、見開き状態の葉書10からカード26を切り離して利用する際に、前記宛名部24に表示された情報を利用できる。
(2)前記接着剤30が、カード26の裏面の縁部と、複数のマス目32を区切る直線状に塗布されているため、葉書10が貼り合わせ状態のときに、宛名部24の中央が紙片24から浮くのを防止できる。また、前記マス目32には接着剤30が塗布されていないため、任意の印刷,押印,書き込みなどに利用できる。
次に、図2を参照しながら本発明の実施例2を説明する。上述した実施例1は、貼り合わせ葉書に本発明を適用したものであるが、本実施例は、ポスティングなどによって配布される配布物に本発明を適用した例である。図2(A)は本実施例の配布物の貼り合わせ状態を示す外観斜視図,図2(B)は前記配布物を見開き開封した状態を示す斜視図,図2(C)は前記配布物内の葉書を取り出した様子を示す図である。図2に示すように、本実施例の配布物50は、紙片52と54が折り線56を介して連接しており、該折り線56に沿って折り返し、紙面52A,52Bの周囲に設けた図示しない接着剤によって、紙片52と54が剥離可能に貼り合わせられている。また、前記紙片52と54の間には、規定サイズの葉書62が挟み込まれている。
前記紙片52の紙面52Aには、宛名部60を取り囲むようにミシン目58が形成されており、該ミシン目58に沿って宛名部60が紙片52から切り離し可能となっている。他の紙面52B,54A,54Bには、新商品の宣伝やアンケートなどの任意の内容が印刷されている。前記宛名部60の裏面には、接着剤64が塗布されており、前記葉書62の表面62Aに強力に剥離可能に接着されている。すなわち、前記宛名部60の内側と外側で、接着強度に差が設けられている。このため、配布物50の角57から紙片52,54を見開き状態に開封し、前記葉書62を剥がすと、該葉書62に接着された宛名部60がミシン目58に沿って切り離され、図2(C)に示すように前記宛名部60が葉書62の表面62Aに残り、紙片52には窓66が形成される。前記葉書62は、本実施例では、アンケートの回答用紙になっており、前記宛名部60には回答の送付先の宛名情報が予め印字されている。
このように、実施例2によれば、紙片52,54の間に挟み込んだ葉書62に、前記紙片52からミシン目58に沿って切り離し可能な宛名部60を接着剤64によって強力に接着することとした。このため、配布物50が貼り合わせられた状態においては、前記ミシン目58の一部が破れても、宛名部60が容易に脱落することがない。また、配布物50の開封と同時に、前記宛名部60を封入した葉書62の表面62Aに残すこととしたので、宛先記入の手間がなくなるという利点がある。
なお、前記葉書62は、アンケートが匿名回答できるものであれば、そのまま回答のみ記入して投函すればよく、記名回答するものであれば、葉書裏面62Bなどに設けられた図示しない記入欄に必要事項を記入して投函してもよい。あるいは、本実施例の配布物50が特定の回答見込み者に配布されるものである場合には、他方の紙片54に、回答者の宛名情報を印字した宛名部を設けてミシン目で囲むとともに、前記宛名部の裏面に接着剤を塗布して葉書裏面62Bに接着し、配布物50の開封によって前記宛名部を葉書裏面62Bに残すようにしてもよい。この場合は、前記回答者の宛名情報を利用して、配布物50を手渡しやポスティングではなく、郵送で送ることも可能となる。なお、上記説明では、前記宛名部60は、葉書62に接着された状態のまま利用することとしたが、必要に応じて葉書62から剥がし、単体で利用することを妨げるものではない。また、単体で利用する場合の裏面の利用方法も任意であり、例えば、実施例1と同様にマス目を設けてポイントカードとして利用してもよいし、他の情報を記載してもよい。
<変形例>・・・次に、図3を参照して、本実施例の変形例を説明する。なお、図3(A)は変形例の配布物の貼り合わせ状態を示す外観斜視図,図3(B)は前記配布物を見開き開封した状態を示す斜視図,図3(C)は葉書を取り出した後の配布物内を示す図,図3(D)は前記葉書の表裏を示す図である。変形例の配布物50Aの基本構造は、図2に示す配布物50と同様であり、折り線56を介して紙片52,54が連接され、図示しない接着剤で剥離可能に貼り合わせられるとともに、前記紙片52,54間には、規定サイズの葉書70が挟み込まれている。図2に示す例では、前記紙片52に設けた宛名部60には、アンケートの回答先の宛名情報が記載されていたが、本例では、宛名部60Aには、回答者(ないし回答見込み者)の宛名情報が記載されており、該宛名部60Aがミシン目58に沿って紙片52から切り離し可能となっている。
前記宛名部60Aの裏面には、接着剤64が塗布されており、前記葉書70の表面70Aに強力に剥離可能に接着されている。このため、紙片52,54を見開き状態に開封して前記葉書70を剥がすと、該葉書70に接着された宛名部60Aがミシン目58に沿って切り離され、図3(C)に示すように前記宛名部60Aが葉書表面70Aに残る。前記葉書70の裏面70Bには、図3(B)及び(C)に示すように、アンケートの回答先の宛名情報72が予め印字されている。更に、本変形例では、紙面52Bの前記葉書70の下方に、前記紙面52Bから剥離して他の部分に貼付可能なプライバシー保護用のシール74が設けられている。回答者は、アンケートに回答して投函する前に、図3(D)に表裏を示すように、自らの宛名情報が記載されている宛名部60Aに、前記シール74を貼付することでプライバシーを保護することができる。葉書70を受け取った側では、前記シール74を剥がすことにより、差出人を確認することができる。図3に示す例では、前記図2に示す例の効果に加え、自分の宛名情報の記入の手間を省くことができ、プライバシーも保護できるという効果がある。また、図2に示す例と同様に、必要に応じて宛名部60Aを葉書70から剥離し、それぞれを別に利用してもよい。例えば、宛名部60Aをカードとして使用し、葉書70をアンケート葉書として使用するという具合である。
次に、図4を参照しながら本発明の実施例3を説明する。本実施例は、郵送可能な圧着封筒タイプの配布物に本発明を適用した例である。図4(A)は本実施例の配布物の貼り合わせ状態を示す外観斜視図,図4(B)は前記配布物を見開き開封した状態を示す斜視図,図4(C)は配布物から取り出した葉書とカードを示す図,図4(D)は返送する葉書の表裏を示す図である。なお、前記実施例2と同一ないし対応する構成要素には同一の符号を用いることとする(以下の実施例についても同様)。
本実施例の配布物50Bの基本構造は、前記実施例2の配布物50と同様であり、折り線56を介して紙片52,54が連接され、図示しない接着剤によって剥離可能に貼り合わせられるとともに、紙片52,54間には、規定サイズの葉書80が挟み込まれている。図4に示す例では、前記葉書80は、プレゼントの応募用紙になっており、前記紙片52に設けた宛名部60Bには、プレゼントの応募者(ないし応募見込者)の宛名情報が記載されており、該宛名部60Bがミシン目58に沿って紙片52から切り離し可能となっている。
前記宛名部60Bの裏面には、接着剤82が塗布されており、前記葉書80の表面80Aに強力かつ剥離可能に接着されている。すなわち、前記宛名部60Bの内側と外側で、接着強度に差が設けられている。このため、紙片52,54を見開き状態に開封して前記葉書80を剥がすと、該葉書80に接着された宛名部60Bがミシン目58に沿って切り離され、図4(C)(左図)に示すように宛名部60Bが葉書表面80Aに残る。本実施例では、前記接着剤82により宛名部60Bが葉書表面80Aに剥離可能に接着されているため、図4(C)(右図)に示すように、葉書表面80Aから剥離した宛名部60Bをカード84として利用できる。図示の例では、前記カード84の一方の面が前記宛名部60Bとなっており、他方の面には、縁部の全周と複数のマス目86を区切る直線部分に前記接着剤82が塗布されている。
一方、前記葉書80の裏面80Bには、図4(B)及び(D)に示すように、プレゼントの応募先の宛名情報72が予め印字されている。更に、前記紙面52Bの前記葉書80の下方に、前記紙面52Bから剥離して他の部分に貼付可能なシール75が設けられている。本実施例では、前記シール75として、前記カード84よりも大きく透明なシールを用いており、該シール75によって、葉書表面80Aから一度剥離したカード84を、図4(D)に示すように、葉書80(図示の例では表面80A)に落ちないように貼付することが可能となる。このようにすると、例えば、前記複数のマス目86の全てにスタンプ88を押したカード84を、前記スタンプ側が見えるように葉書表面80Aに貼ることで、回答者のプライバシーを保護しながら、プレゼントの抽選などに応募することが容易になる。なお、前記実施例2の変形例と同様に、カード84を剥がさずに返送するようにしてもよい。
このように実施例3によれば、配布物50Bに封入された葉書80からカード84を剥離してカード単体で利用できるとともに、シール75を利用することで前記カード84を剥離した葉書80に再添付して返送することができるという効果がある。
次に、図5を参照しながら本発明の実施例4を説明する。本実施例も、上述した実施例3と同様に、見開き開封される圧着封筒タイプの配布物に、本発明を適用したものであるが、前記配布物に表示されている個人情報の保護及び管理に、特に適した例である。図5(A-1)は貼り合わせ状態の配布物を示す外観斜視図,図5(A-2)は前記(A-1)を縦方向に切断した端面図,図5(B)は前記配布物を見開き開封した状態を示す図,(C)〜(E)は前記配布物内から取り出した葉書の使用例を示す図である。
本実施例の配布物100は、折り線106を介して紙片102,104が連接され、図示しない接着剤によって剥離可能に貼り合わせられるとともに、紙片102,104間には、規定サイズの葉書114が挟み込まれている。前記紙片102には宛名部112が設けられており、アンケートの回答者(ないし回答見込み者)の宛名情報が記載されるとともに、該宛名部112がミシン目110に沿って紙片102から切り離し可能となっている。更に、宛名部112の下方には、横長の略長方形の窓(ないし開口部)122が形成されている。また、前記紙片102の前記葉書114の下方には、紙面102Bから剥離して他の部分に貼付可能なシール138が設けられている。該シール138は、用途に応じて透明としてもよいし不透明としてもよい。
一方、前記葉書114は、図示の例ではアンケートの回答用紙になっており、表面114Aには、コード情報116とアンケート部118が設けられ、裏面114Bにはアンケートの回答先の宛名情報120が設けられている。前記コード情報116は、前記宛名部112に表示された宛名情報に対応するバーコードであって、前記紙片102の窓122に対応する位置に形成されており、紙片102から露出している。このため、前記コード情報116と宛名部112の宛名情報を同時印刷することが可能となる。
前記宛名部112の裏面には、接着剤113が塗布され、前記葉書114の表面114Aに強力かつ剥離可能に接着されている。すなわち、前記宛名部112の内側と外側で、接着強度に差が設けられている。このため、紙片102,104を見開き状態に開封して前記葉書114を剥がすと、該葉書114に接着された宛名部112がミシン目110に沿って切り離され、図5(B)に示すように、宛名部112が葉書表面114Aに残る。前記実施例3と同様に、本実施例においても、前記宛名部112は葉書表面114Aに剥離可能に接着されているため、葉書表面114Aから剥離した宛名部112をカード130として利用できる。図示の例では、前記カード130の一方の面が前記宛名部112となっており、他方の面には、縁部の全周と複数のマス目132を区切る直線部分に、前記接着剤113が塗布されている。
次に、本実施例の使用例を説明する。まず、図5(C)に示す例は、見開き開封した配布物100から葉書114を取り出してカード130を剥離し、該カード130のマス目132にスタンプ134を貯めた上で、該スタンプ134側が表側になるように裏面を接着剤136で葉書表面114Aに貼り付けたものである。この葉書表面114Aのアンケート部118に回答を記入すると、FAXでの回答の送信が可能である。なお、前記カード130は、回答者の宛名情報が記載された宛名部112を葉書表面114Aに貼付するため、前記宛名情報は見えなくなるが、コード情報116を専用の装置で読み取ることにより、回答の受取側では、前記コード情報116と対応した回答者の宛名情報の識別や管理が可能となる。また、図示の例では接着剤136で貼り付けることとしたが、透明のシール138を利用してカード130を葉書表面114Aに貼付してもよい(図示せず)。
図5(D)に示す例は、前記カード130を、不透明なシール138で葉書表面114Aに貼付し、アンケートの回答を記入した上で、郵送によって返送するようにした例である。この場合、カード130のどちらの面を表側にしても、不透明なシール138によって回答者の宛名情報が隠れるため、プライバシーの保護が可能となる。むろん、本例の場合も、前記コード情報116により、回答者の識別や個人情報の管理が可能になることは上述した通りである。更に、図5(E)に示す例では、カード130は会員カードなどとして単体で継続的に利用し、葉書114にはカード130を貼付せずに回答のみを記入して返送するようにしてもよい。
次に、図6を参照して本発明の実施例5を説明する。本実施例は、前記実施例3と同様に本発明を貼り合わせ封書(ないし圧着封書)に適用したものである。図6(A)は本実施例の貼り合わせ封書の一部を開封した状態を示す外観斜視図,図6(B)は貼り合わせ状態を示す断面図,図6(C)は開封状態を示す断面図,図6(D)は封入物からカードを剥がした状態を示す図である。図6に示すように、本実施例の貼り合わせ封書150は、紙片152,154が、折り線156を介して連接しており、該折り線156に沿って折り返し、紙面152B,154Bの周囲に接着剤158を塗布することで、紙片152と154が剥離可能に貼り合わせられている。また、前記紙片152,154の間には、例えば、小冊子やパンフレットのような封入物164が挟み込まれている。
前記紙片152の紙面152Aには、宛名部162を囲みミシン目160が形成されており、該ミシン目160に沿って宛名部162が紙片152から切り離し可能となっている。他の紙面152B,154A,154Bには、任意の印刷を施すようにしてもよいし、差出人の宛名情報のみ紙面154Aに印字する程度であってもよい。前記宛名部162の裏面には、非塗布部分を残すように接着剤166が設けられており、前記宛名部162の裏面が前記封入物164の表面に、強力かつ剥離可能に接着されている。すなわち、前記宛名部162の内側と外側で、接着強度に差が設けられている。このため、貼り合わせ封書150を見開き状態に開封すると、図6(C)に示すように、前記封入物164に接着された宛名部162がミシン目160に沿って切り離され、封入物164の表面に残り、紙片162には窓が形成される。
なお、貼り合わせ封書150を開くときに、図6(A)に示すように右下側の角168から紙面152をめくる場合には、同図に示すコーナーPのように、ミシン目160の間隔を他の部分よりも細かくして、開け口側が切断し易くなるようにしてもよい。あるいは、前記コーナーP付近に設ける接着剤166は、他の部分よりも接着強度が弱いものを利用するようにしてもよい。これらの方法により、開け口側から封書150を開いたときに、ミシン目160が切断しやすくなるため、宛名部162を封入物164の表面にきれいに残すことができる。
前記封入物164とともに封書150から取り出された宛名部162は、前記封入物164から剥離することにより、図6(D)に示すようにカード170として利用可能となっている。例えば、前記宛名部162の裏面に設ける接着剤166を、図6(D)の右側上段に示す例のように、マス目172を残して塗布することにより、前記マス目172をスタンプの捺印などに利用することができる。あるいは、図6(D)の右側下段に示す例のように、縁部のみに接着剤を塗布すると、中央の非塗布部分にクジ174の当たり外れの表示を行うことができる。なお、このような表示は、カード170を剥がした後に現れる封入物164の表面側に設けるようにしてもよい。むろん、前記封入物164の内容や、カード170の表裏面に設ける印刷内容によっては、前記カード170を封入物164の表面に接着したまま利用するようにしてもよい。このほかの作用・効果は、上述した実施例1及び2と同様である。
次に、図7を参照しながら本発明の実施例6を説明する。本実施例は、大きなチラシを四つ折りにしたものを郵送用の配布物200として利用した例である。図7(A)は、本実施例の配布物の貼り合わせ状態を示す平面図,図7(B)は前記配布物の見開き状態を示す斜視図である。本実施例の配布物200は、図7(B)に示すように、折り線204及び206を介して複数の紙片208,210,212,214が連接した大きなチラシ202を利用したものである。該チラシ202は、前記折り線204に沿って矢印F1方向に折り、次いで、折り線206に沿って矢印F2方向に折り、接着剤216を縁部に塗布して剥離可能に貼り合わせられている。前記紙片208の紙面208Aには、宛名部222を囲むミシン目220が形成されるとともに、該ミシン目220の下方にも略長方形の他のミシン目230が形成されている。これらミシン目220,230に沿って紙片208の一部を切り離すと、独立したカード224,232としての利用が可能となっている。他の紙面には、任意の印刷が施されている。
前記カード224(宛名部222)及びカード232の裏面には、縁部に接着剤226が設けられており、前記カード224,232の裏面が、紙面212Bの貼り合わせ部240,242に剥離可能に接着されている。このため、チラシ202を矢印F1方向に開くと、図7(B)に示すように、前記カード224,232がミシン目220,230に沿って切り離され、紙片208には窓228,234が形成される。また、接着剤226による接着強度が強い場合には、前記紙片208及び210を矢印F1方向に開くと、ミシン目220,230が切れて、カード224,232が紙面212Bに残るため、必要な時に紙片212から剥がして利用する。なお、前記カード224は、表面が宛名部222であるため、住所・氏名の記載が必要なポイントカードや各種会員カードに利用できる。また、前記カード232は裏面が割引券となっている。本実施例の基本的作用・効果は、上述した実施例1と同様である。
次に、図8を参照しながら本発明の実施例7を説明する。本実施例は、ポスティングや手渡しなどによって配布される配布物に本発明を適用した例であって、図8(A)は本実施例の配布物の貼り合わせ状態を示す平面図,図8(B)は前記配布物の見開き状態を示す平面図である。図8に示すように、本実施例の配布物300は、紙片302と304が折り線306を介して連接しており、該折り線306に沿って折り返し、紙面302B,304Bに設けた接着剤314によって、紙片302と304が剥離可能に貼り合わせられている。前記紙面302Aには、宛名部312を囲むようにミシン目310が形成されており、該ミシン目310に沿って宛名部312が紙片302から切り離し可能となっている。
前記宛名部312の裏面の縁部には、接着剤314が設けられており、前記紙面304Bに強力かつ剥離可能に接着されている。すなわち、前記宛名部312の内側と外側で、接着強度に差が設けられている。このため、配布物300を角308から見開き状態に開封すると、図8(B)に示すように、前記紙面304Bに接着された宛名部312がミシン目310に沿って切り離されて紙面304Bの表面に残り、紙片302には窓316が形成される。ここで、前記紙面304Bには、前記宛名部312を含み、かつ、規定の葉書サイズとなるように、ミシン目318ないし切り取り線が設けられている。該ミシン目318に沿って紙片304を切り離すと、宛名部312を含む葉書320として利用できる。本実施例の基本的作用・効果は、葉書320を切り離す動作以外は、上述した実施例2と同様である。また、前記実施例5と同様に、前記宛名部312を必要に応じて剥離し、カード単体として利用するようにしてもよい。
次に、図9を参照しながら本発明の実施例8を説明する。上述した実施例はいずれも、複数の紙片が一つ以上の折り線を介して連接した構造となっているが、本実施例は少なくとも一つの紙片が他の紙片に対して、剥離可能かつ分離可能に接着されている例である。図9(A)は、本実施例の貼り合わせ葉書を示す平面図,(B)は前記貼り合わせ葉書の重ね合わせの様子を示す縦方向断面の端面図,(C),(D-1),(D-2)は変形例を示す図である。本実施例の貼り合わせ葉書400は、複数の紙片402,404,406を剥離可能に重ね合わせた構成となっている。前記紙片404,406は、折り線405を介して連接しており、紙面404Bと406Bが接着剤408によって剥離可能に接着されている。
前記紙片402は、ミシン目412で囲まれた領域内に宛名部414が形成されており、紙面402Aの下側には、「○○会社からのプレゼントが裏側にあります!!」というコメント416が設けられている。該コメント416は、貼り合わせ葉書400の受取人に、該葉書が見開き可能であることを示して興味を起こさせるものである。このような紙片402の紙面402Bと、前記紙片404の紙面404Aは、前記接着剤408によって剥離可能に接着されている。なお、前記宛名部414の裏面も前記接着剤408によって紙面404Aに接着されるが、該接着剤408は宛名部414の裏面全体ではなく、一部を除いた部分を接着するのは上述した実施例1と同様である。
本実施例では、上述した実施例1の効果に加え、紙片402が紙面404に対して剥離可能になっているため、紙片402の材質と、紙片404及び406の紙質を異なるものにできるという効果がある。例えば、一番上の紙片402を、年賀状や暑中見舞い葉書などにし、他の紙片404,406を宣伝用にするなどである。なお、紙質のみならず、紙面142の表面加工,色,ツヤなどを、他の紙片404,406と変えるようにしてもよい。特に、紙片402は、宛名部414を切り離してカードとして利用する場合には、上質の紙を使用するとよい。他の紙片404,406に安い紙を用いることにより、大量に安く印刷を行うことができる。なお、前記宛名部414は、角410から紙片402を剥がすときに一緒に剥がれ、そこからミシン目412に沿って切り離してもよいし、紙片404に貼り付いて残ったものを剥がすようにしてもよい。
<変形例>・・・図9(C)には、本実施例の変形例が示されている。前記図9(A)に示す例では、コメント416を紙面402Aに設けることで、貼り合わせ葉書400が剥離可能であることを受取人に示したが、図9(C)に示す貼り合わせ葉書400Aのように、紙面402Aの縁部に略半月形に切れ込み418を設け、紙面404Aの内容の一部を見せて興味を持たせるようにしてもよい。また、図9(D-1)に示すように、紙片404と406をずらして折り返し、紙片404の縁部を覆うように前記紙片402を接着してもよいし、図9(D-2)に示す例のように、ずらして折り返した紙片404と406の間に前記紙片402を挟んで接着するようにしてもよい。
次に、図10を参照しながら本発明の実施例9を説明する。本実施例は、封筒などに設けられた宛名ラベルなどを容易に切り取り可能にした例である。図10(A)は本実施例の封筒を示す平面図,図10(B)は前記封筒から宛名ラベルを切り取った状態を示す平面図,(C)〜(E)は利用例及び変形例を示す図である。本実施例の封筒450は、表側452Aに略長方形の領域を形成するようにミシン目454が形成されており、該ミシン目454で形成される領域内に宛名ラベル456が接着されている。前記ミシン目454で形成する領域を前記宛名ラベル456に対して大きくすると、手作業による接着で多少位置がずれた場合にも対応可能である。むろん、公知の装置によって接着する場合には、若干の余白を設ける程度の寸法に設定すればよい。
前記ミシン目454を設けることにより、封筒450の受取人は、図10(B)に示すように、前記ミシン目454に沿って切り離し片455を切り離すことにより、宛名ラベル456を綺麗に封筒450から取り外すことができ、封筒450には窓458が形成される。このため、封筒450を廃棄する場合などに個人情報を保護することができる。また、窓458以外の部分に破れが生じず、図10(C)に示すように、窓458よりも大きい書類460を収納しても飛び出ることがないため、書類保管用にそのまま再利用することができる。あるいは、内容物の一部を見せる必要がある冊子小包用の封筒として再利用するようにしてもよい。
更に、図10(D)に示す例のように、前記窓458よりも大きい紙に宛名情報を記入し、その縁部を接着剤464で前記窓458の外側に貼ることで、封筒として再利用してもよい。あるいは、図10(E)に示す例のように、前記切り離し片455に、二つ折りにして接着剤472で剥離可能に接着され、表面には宛名が記載された宛名ラベル470を接着し、封筒450から切り離し片455を切り離した後に宛名ラベル470を広げ、窓458を塞ぎ、封筒450を再利用するようにしてもよい。また、封筒450に社名などをいれるとPRになるが、受取人による封筒450の再利用を前提とすると、社名が入っていない方が好ましい場合がある。その場合は、前記切り離し片455や宛名ラベル456に社名などを表示し、PR効果を図るようにしてもよい。あるいは、前記封筒450に入れたときに前記窓458に一致する部分に宛名部が設けられたシート(図示せず)を利用することで、広告主などへの返信や社内メール便用のリユース封筒として使用してもよい。もちろん、切り離し片455を前記実施例のカードのように使用してよい。
なお、本発明は、上述した実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることができる。例えば、以下のものも含まれる。
(1)前記実施例1では、紙片12にミシン目を設けることとしたが、紙片16側にミシン目を設けて、該ミシン目で囲まれた領域に表示された情報を活用するようにしてもよい。他の実施例についても同様に、折り返した状態で一番外側におくる紙片であれば、いずれの紙片にミシン目を設けて切り離し可能としてもよい。
(2)前記実施例1では、印刷物をZ型に折り、実施例2,3,4,5では、印刷物をV型に折ることとしたがこれも一例であり、巻折りや観音開きタイプにするなど、印刷物の折り方は必要に応じて適宜変更してよい。図7のチラシ202の折り方についても同様である。
(3)ミシン目で切離される領域に設ける宛名情報などは、印刷されたものであってもよいし手書きでもよい。
(4)前記実施例1で示したカード26の利用方法も一例である。例えば、図11(A)に示すカード26Aのように、マス目32のいくつかに、QRコード(二次元バーコード)34A,34Bを設ける。そして、該QRコード34A,34Bを読み込むことで、インターネット上の所定のホームページにアクセスし、QRコード34A,34Bが印刷されているマス目32までポイントを貯めると貰えるプレゼントやサービスを、携帯電話やパソコンのディスプレイに、静止画あるいは動画で表示するようにしてもよい。他に、名所・旧跡などの観光地を周るスタンプラリーのような場合、QRコード34A,34Bによって対応するホームページにアクセスすると、該当する観光地が表示されるといった利用も可能である。また、前記QRコード34A,34Bが設けられているマス目32に、図示しないスクラッチ加工を施すようにしてもよい。
また、図11(B)に示すカード26Bのように、あらかじめマス目32に「宿泊」「ツアー」「お土産品」「名所」「バス」「車」「JR」などの文字を印刷しておき、観光地への交通手段によって、該当するマス目32にスタンプを押して、マス目32を早く埋めるようにしてもよい。このときの結果によって交通手段のリサーチを行うことができる。
このほか、配達指定区域の全戸に送付するタウンメール(配達地域指定ゆうメール)を利用することにより、顧客リストがなくても、配達地域を細かく指定して新規顧客を効率的に発掘するために利用してもよい。あるいは、手配りやポスティングで特定エリアに配布し、カード26を客がお店などに持参して、来店時に特定サービスを受けるようにしてもよい。
(5)前記実施例では、郵便やメール便(宅配便)による配達,ポスティング,手渡しなどの配布方法を例にあげたが、店頭に置いて希望者が任意に持って帰ることができるようにしてもよいし、イベント等で配布してもよい。このうち、一部のポスティング,手渡し,店頭置きの場合には、必ずしも印刷物を構成する紙片や切り離し可能部分を接着する必要はなく、複数の紙片を折り線に沿って折り返し、所望の領域を切り離せるようにミシン目を設ければよい(図示せず)。あるいは、図12(A)に示す印刷物500のように、一枚の紙に略長方形の領域を形成するようにミシン目502を設け、該ミシン目502に沿って切断することで、切り離し可能部分504をカードなどとして利用してもよい。図示の例では、紙面500Aには宛名情報504Aが記載され、紙面500B側には複数のマス目504Bが設けられている。このような場合であっても、接着剤を塗布することによって、見栄えの向上を図ることを妨げるものではない。
(6)前記実施例3では、封入物164として小冊子やパンフレットを例にあげたが、これも一例であり、葉書,ファックス用紙,アンケート用紙,試供品など、配布物150の中に封入可能なものであれば、どのようなものを封入してもよい。
(7)前記実施例1のカード26の用途は一例であり、ポイントカードや会員カードのほか、しおり,販促物,お土産品,占いカード,クリスマスカードなどに利用可能である。また、カード26の裏面に、顧客有用情報,差出人宛ての情報,アンケートの回答欄などを設けることにより、他の公知の各種の用途(例えば、招待券,体験チケット,特典券,割引クーポン,バースティガード,プレゼント券など)に適用できる。他の実施例についても同様である。
(8)前記実施例8で示した紙片402の分離も一例であり、該紙片402の全体ではなく一部を分離可能としてもよいし、紙片406側にも、剥離可能かつ分離可能な他の紙片を接着するようにしてもよい。むろん、前記実施例8のみならず、他の実施例に対しても適用可能である。
(9)前記シール74,75,138も一例であり、同様の効果を奏するように、形状,寸法,貼り方を任意に変更してよい。また、これらシール74,75,138を、見開きタイプの印刷物に剥離可能に貼付しておくのも一例であり、他の封筒型の印刷物に、剥離紙に貼付した状態で同封するようにしてもよい。
(10)前記実施例を、雑誌などに封入してもよい。図12(B)に示す例は、前記印刷物500が、雑誌510の内側に封入された例であり、該印刷物500は、ミシン目512に沿って雑誌510から切り離し可能となっている。また、前記実施例4では、配布物100を、郵送可能な圧着封筒タイプとしたが、前記雑誌510などの内側に封入する読者カードとして利用してもよい。例えば、配布物100から切り離したカード130のマス目132の全てに、書店利用時に押されるスタンプを集めて葉書表面114Aに貼付し、更に、アンケート部118に回答を記入して郵送やFAXにより送信することで、プレゼントなどを貰えるようにする。すなわち、アンケートに回答した人に対してのみ有効なスタンプカードとすることで、アンケートの回収率の向上を図ることができる。なお、前記配布物100は、前記図12(B)に示す例のように、ミシン目に沿って雑誌510から切り離し可能としてもよいし、雑誌510全体がパックされていたり、外側が縛られたりしている場合には、単にページ間に挟むだけにしてもよい。また、雑誌510や本などに配布物100を挟む場合は、必ずしもカード130(宛名部112)を葉書表面114Aに圧着する構成とせず、必要に応じて圧着すればよい。
(11)前記実施例で示した印刷物を複数重ね、公知の手法で図12(C)に示すように製本してもよい。同図に示す例は、多数の印刷物500を製本した例であるが、上述した実施例1〜9の印刷物や他の紙片などを組み合わせて製本してもよい。
(12)前記実施例では、紙片を利用した印刷物を例にあげて説明したが、これも一例であり、紙片のほか、プラスチックシートやパルプ,レジンシートなどを用いてもよいし、これらを組み合わせて利用してもよい。
(13)前記実施例で示したミシン目も一例であり、同様の効果を奏するものであれば、他の公知の各種の切り離し線を適用してよい。また、切り離し線の加工方法も、ミシン加工や型を利用した抜き加工(例えば、トムソン加工)など、公知の各種の手法を用いてよい。例えば、図13(C)に示す印刷物550のように、紙片552Aに設けられる切り離し可能部分554の輪郭556を、全抜き加工で形成し、切り離したときの見栄えを向上させるようにしてもよい。このように全抜き加工としても、前記切り離し可能部分554の裏側に、上述した実施例のように接着剤が塗布されていれば、該切り離し可能部分554が紙片552Bから脱落するのを防止することができる。あるいは、切り離し可能部分の輪郭の一部をミシン目で形成し、残りの部分を抜き加工で形成してもよい。
(14)前記実施例では、切り離し可能部の表面に、予め受取人の宛名情報や、アンケートの返送先の宛名情報などを設けておくこととしたが、これも一例であり、切り離し可能部に設ける表示は、必要に応じて適宜変更してよい。例えば、図13(A)に示す印刷物520は、ポスティングで配布されるものであって、紙片522と524が剥離可能に接着されており、前記紙片522には、ミシン目526が形成されている。そして、前記ミシン目526によって囲まれた切り離し可能部分528には、住所及び氏名を書き込むための書き込み欄530が設けられている。このような切り離し可能部分528を紙片522から切り離し、書き込み欄530に住所・氏名を記入することで、上述した実施例と同様に各種カードとして利用できる。なお、前記切り離し可能部分528は、図13(B)に示すように、縁部に沿った複数個所が接着剤540によって、紙片524に対して剥離可能に接着されている。むろん、接着剤540の塗付範囲も一例であり、前記実施例1と同様にマス目を形成するように塗布してもよいし、縁部全体を接着するようにしてもよい。
更に、前記切り離し可能部分528の表面に、前記書き込み欄530のほかに、削ったときに「当たり」や「はずれ」の出るスクラッチ532を設けたり、バーコード534やその他の表示(2次元バーコードなど)を設けたりしてもよい。例えば、前記バーコード534に、印刷物520の配布場所や、配布する人物の性別などの属性を予め登録しておく。そして、印刷物520を受け取った人物が、前記スクラッチ532を削って「当たり」が出た場合には、切り離し可能部分528をお店などに持っていき景品と交換し、店側では前記バーコード534から配布場所などの属性を読み取る。読み取った情報や、書き込み欄530に記入された情報は、店側でマーケティングなどに利用することができる。また、前記接着剤540が塗布されていない部分を、任意の書き込み用,押印用などに利用してもよいし、スクラッチやQRコードなどを設けてもよい。
(15)切り離し可能部分の表面もしくは裏面に、スクラッチ加工部あるいは被覆シールを施し、前記スクラッチ加工部あるいは被覆シール下面に、QRコード,文字,絵,あるいは顧客有用情報などを印刷するようにしてもよい。そして、前記被覆シールを透明や半透明のシールとし、該シールを剥がすことにより情報が浮かび上がる構成としてもよい。また、空気に触れると化学反応するインキ,液晶を利用して温度によって色が変化するインキ,香りがするインキなどを利用してもよい。
(16)前記実施例では、2枚以上の紙片を重ね合わせた構造体(例えば、封筒や貼り合わせ葉書や折り畳み広告など)に本発明を適用したものであるが、一般的に、一枚の紙片で構成されるもの(例えば、しおりなど)にも本発明は適用可能である。例えば、図13(D)に示す印刷物560は、ミシン目566で切り離し可能部分564が仕切られた紙片562Aを、紙片562Bに剥離可能に貼り合わせた構成となっており、これら紙片562A及び562Bを貼り合わせた状態のまましおりとして利用してもよいし、紙片562Aを剥がし、紙片562Bのみをしおりとして利用することも可能である。
(17)前記実施例1では、切り離し可能部分(宛名部24ないしカード26)を略長方形としたが、これも一例であり、図14(A)に示す貼り合わせ葉書10Aのように、紙片12からハート型のカード26Cを切り離し可能な構成としてもよい。このように、切り離し可能部分を、興味を惹きやすい形状や面白い形状にすることによって、販促品としての価値を高めるようにしてもよい。前記カード26Cは、中央部にスクラッチ加工部27が設けられるとともに、縁部に接着剤30が塗布されている。前記スクラッチ加工部27によって被覆された部分には、上述したように任意の情報を設けることが可能である。他の実施例についても同様である。なお、前記スクラッチ加工部27は削られてしまうため、該スクラッチ加工部27上には接着剤30が塗布されていてもよい。あるいは、図14(B)に示す例のように、紙面14Bには、少なくとも前記スクラッチ加工部27に相当する部分には接着剤30を塗布せずに、直接前記スクラッチ加工部27と接するようにしてもよい。
(18)前記実施例で示した紙片同士の貼り合わせも一例であり、重ね合わせた紙片の縁部を接着して、該縁部を切り離すことで印刷物を開封する構成としてもよい。
(19)前記実施例4では、コード情報116としてバーコードを例にあげて説明したが、これは一例であり、切り離し可能部分の表面に表示された情報と対応するものであれば、記号や数字,それらの組み合わせなどを利用してもよい。
(20)本実施例印刷物を、郵便,メール便,ポスティングなどで使用する場合には、全体を透明な袋などに入れてもよい。他の利用方法の場合も同様である。
(21)前記実施例で示した切り離し可能部分の形成位置も一例であり、紙片の縁部を輪郭の一部をして利用してもよい。例えば、長方形の切り離し可能部分を形成する場合であれば、紙片の縁部を長方形の一辺とし、他の三辺をミシン目や抜き加工で形成するなどである。
(22)本発明の印刷物は、上述した実施例で例に挙げた広告用などのほか、水道料金の通知や、地方公共団体などが使用する公的な通知などにも適用可能である。