JP5036725B2 - 血管新生作用を有するチロシルtRNAシンテターゼ組成物及び方法 - Google Patents

血管新生作用を有するチロシルtRNAシンテターゼ組成物及び方法 Download PDF

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Description

関連出願の相互参照
本願は、2005年12月2日に出願された米国仮特許出願第60/741,580号(参照により、本明細書に組み込まれる。)の利益を主張する。
政府の権利についての記述
本明細書に記載されている研究の一部は、国立衛生研究所からのグラント番号CA92577によって支援された。合衆国政府は、本発明に一定の権利を有する。
発明の分野
本発明は、血管新生作用を有するチロシルtRNAシンテターゼ(TyrRS)組成物に関する。より具体的には、本発明は、血管新生作用を有するTyrRSタンパク質バリアント及び血管新生作用を有するその断片並びにこれらを用いて血管新生を刺激する方法に関する。
アミノアシル−tRNAシンテターゼは、タンパク質合成における第一段階として、アミノ酸をそれらの同族tRNAへの付加を触媒する不可欠な酵素である。これらの不可欠な酵素は、特有の配列モチーフの存在及びそれらの触媒ドメインの全体的な構造に基づいて、2つのクラスに分けられる。クラスIシンテターゼは、その10個のメンバーの触媒ドメイン内に、2つの高度に保存されたアミノ酸モチーフ、すなわち配列HIGH(配列番号1)及びKMSKS(配列番号2)を有する。これに対して、クラスIIシンテターゼは、モチーフ1から3と称される3つの高度に縮重した配列モチーフを有する。過去20年にわたって、RNAスプライシング、核外輸送及び遺伝子転写の制御など、tRNAシンテターゼについての幾つかのさらなる役割が発見された。これらのさらなる機能は、これらの古い酵素の長い進化の間に獲得されてきた。これらの追加された機能の多くは、コアシンテターゼ配列に融合された、付加されたドメインの結果である。より高等な真核生物では、2つのシンテターゼの付加されたドメインは、コア酵素の機能とは無関係な機能的な生物学的役割を有することが示されている。例えば、2つのヒトtRNAシンテターゼ、すなわち、チロシル−tRNAシンテターゼ(TyrRS)及びトリプトファニル−tRNAシンテターゼ(TrpRS)の断片は、サイトカイン様活性を有することが示されている。ミニ−TrpRS及びT2−TrpRSとして知られるヒトTrpRSの2つの関連する断片は、血管新生の負の制御因子である。ヒトTyrRS(配列番号3)は、容易に、活性な2つの断片に分離することが可能である。C末端の付加されたドメイン断片は、炎症促進性サイトカイン内皮細胞−単球−活性化ポリペプチドII(EMAPII)と同様の活性を有するのに対して、N末端断片(ミニ−TyrRS、配列番号3の残基1から364)は、血管新生を誘導する。
血管新生は、血管新生促進因子と血管新生抑制因子との注意深いバランスが維持されなければならない、強固に制御されたプロセスである。血管の過剰な増殖又は不十分な増殖をもたらす、このバランスの崩壊には、加齢性黄斑変性、関節リウマチ、創傷治癒の遅延及び多くの他の症状などの疾病が付随する。制御は、転写及び翻訳調節、翻訳後修飾及びリガンドのプロセッシングなど、様々なプロセスを通じて調節される。腫瘍壊死因子α及び肝細胞成長因子などの他の血管新生促進性サイトカインは、前駆体タンパク質のタンパク分解切断によって生成される。同様に、プロテアーゼによる切断は、ヒトTrpRS及びTyrRSからの活性なサイトカイン断片を放出する。
より高等な真核生物のTrpRS及びTyrRS酵素は、βシートセグメントが介在された多数のαコイルを有するRossmann折り畳みを含むコア触媒領域から構成される。ヒトTyrRS(配列番号3の残基1から230)のRossmann折り畳み触媒ドメインは、アンチコドン認識ドメインのRossmann折り畳みドメインのα5コイルとα14コイルの間の水素結合係留を含む(図3、下部パネル及び図4、上部パネル参照)。係留は、タンパク質の活性部位ドメインのα5コイル中のGlu−Leu−Arg(ELR)モチーフを部分的に封鎖する。
ヒトTyrRS及びTrpRSの触媒ドメインは、各々、それぞれ、C末端又はN末端伸長が付加されたそれらの対応するそれぞれの細菌及び下等真核生物酵素の触媒ドメインに相同的である。ヒトTyrRSのC末端伸長は、炎症促進性サイトカインEMAPIIに対して約51%の配列同一性を共有する。各事例において、完全長の酵素は、シンテターゼとして機能的であるが、サイトカインとしては不活性である。高等な真核生物に特有の伸長が取り除かれると、酵素は、血管新生を調節することができる活性なサイトカインとなる。
固有のヒトTyrRS中の触媒性Rossmann折り畳みドメインのα5コイル及びアンチコドン認識ドメインのα14コイルの分離に比べて、これらのコイル間の分離を開くことによって、タンパク質が血管新生作用を有するようになることがここに発見された。本発明は、哺乳動物の組織中の血管新生を刺激するのに有用であるTyrRSタンパク質バリアント及びその断片を提供する。
発明の要旨
本発明は、哺乳動物の組織中の血管新生を刺激するのに適している生物学的に活性なTyrRSタンパク質バリアント及び血管新生作用を有するその断片(本明細書において、「TyrRSポリペプチドバリアントと総称される。)を提供する。本発明の単離されたチロシルtRNA合成酵素(TyrRS)ポリペプチドバリアントは、Rossmann折り畳みドメイン又はその一部、アンチコドン認識ドメイン又はその一部を含み、及びヒトTyrRSのアミノ酸残基配列(配列番号3)に対して、少なくとも1つの非保存的アミノ酸残基置換を含む。バリアントは、固有のヒトTyrRSの血管新生活性より大きい血管新生活性を示す。好ましくは、本発明のTyrRSポリペプチドバリアントは、ヒトTyrRSのアミノ酸残基配列(配列番号3)と比べて少なくとも50%のアミノ酸残基配列同一性、より好ましくは少なくとも80%の配列同一性、最も好ましくは、配列番号3と比べて少なくとも約95%の配列同一性を有する。好ましくは、TyrRSポリペプチドバリアントは、配列番号3の位置46、340及び341に対応する位置の1つ又はそれ以上にアミノ酸残基の非保存的残基置換を含む。
好ましい実施形態において、本発明のTyrRSポリペプチドバリアントは、Rossmann折り畳み領域又はα5コイルを含むその一部及びアンチコドン認識ドメイン又はα14コイルを含むその一部を含む。TyrRSポリペプチドバリアントは、固有のヒトTyrRSのアミノ酸残基配列(配列番号3、図1)と比較して少なくとも約50%の配列同一性を有する、アミノ酸残基配列を有する。このバリアントは、ヒトTyrRSのアミノ酸残基配列に対して少なくとも1つの非保存的アミノ酸残基置換を含み、前記置換は、固有のヒトTyrRS中のα5コイルとα14コイルの分離に比べて、α5コイルとα14コイルの間の分離の間隔を開かせる。好ましくは、α14コイルは、α14コイルの何れかのアミノ酸残基のα炭素とα5コイルの何れかのアミノ酸残基のα炭素間の空間的分離によって測定された場合に、このバリアントの三次構造中のα5コイルから少なくとも約6オングストローム分離される。このバリアントは、好ましくは、α5コイルとα14コイル間に水素結合を含まない。
本発明のTyrRSポリペプチドバリアントの別の好ましい実施形態において、α5コイルはELRモチーフを含み、及び、α14コイルは、α14コイルの何れかのアミノ酸残基のα炭素とα5コイルのELRモチーフの何れかのアミノ酸残基のα炭素間の空間的分離によって測定された場合に、このバリアントの三次構造中のα5コイルのELRモチーフから少なくとも約6オングストローム離れている。このバリアントは、ポリペプチド三次構造の外部部分上の露出されたELRモチーフを提示する。TyrRSポリペプチドバリアントは、ヒトTyrRSのアミノ酸残基配列(配列番号3、図1)と比べて少なくとも約50%のアミノ酸残基配列同一性を有し、及びヒトTyrRSのアミノ酸残基配列と比べて少なくとも1つの非保存的アミノ酸残基置換を含み、該置換は、TyrRSポリペプチドバリアントのα5コイルのELRモチーフとα14コイルのアミノ酸残基との間に水素結合係留の形成を妨げ、又は、その他、バリアントの三次構造中にELRモチーフの露出をもたらす。
さらに別の好ましい実施形態において、TyrRSポリペプチドバリアントは、配列番号3の位置46、340及び341の1つ又はそれ以上に対応するアミノ酸残基の非保存的アミノ酸残基置換を含む。特に好ましい置換は、配列番号3の位置341のチロシンに対応するアミノ酸を、脂肪族側鎖、好ましくはアラニン残基などの非極性脂肪族側鎖を有するアミノ酸残基で置換することである。
本発明のTyrRSバリアントは、哺乳動物(例えば、ヒト)組織中で血管新生を刺激するのに適している。
本発明は、本明細書に記載されているように、組織を本発明のTyrRSポリペプチドバリアントと接触させることによって、哺乳動物の組織中における血管新生及び内皮細胞遊走を刺激する方法も提供する。
発明の詳細な説明
タンパク質中のアミノ酸残基は、主として、アミノ酸の側鎖によって付与される物理化学的特性に基づいて、様々な方法で分類されてきた。例えば、1つの一般的な分類には、(1)グリシン、アラニン、バリン、フェニルアラニン、プロリン、メチオニン、イソロイシン及びロイシンなどの疎水性(非極性)アミノ酸;(2)アスパラギン酸、グルタミン酸、リジン及びアルギニンなどの帯電したアミノ酸;(3)並びにセリン、スレオニン、チロシン、ヒスチジン、システイン、アスパラギン、グルタミン及びトリプトファンなどの極性アミノ酸というアミノ酸の3つのカテゴリーが含まれ、グリシンは、それ自体、第四のカテゴリーに含まれることがある(Chapter 1 of Branden and Tooze, Introduction to Protein Structure, Second Edition, Garland Publishing, Inc. 1998, pages 3−12を参照されたい。参照により、本明細書に組み込まれる。)。
アミノ酸残基は、それらの側鎖が脂肪族又は芳香族であるか、小さいか又は大きいか、極性か又は非極性か、帯電しているか又は帯電していないか、これらの組み合わせなどに基づいてさらに分類することも可能である。本明細書において使用される非極性脂肪族アミノ酸には、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、メチオニン及びプロリンが含まれ、帯電していない大きいアミノ酸には、チロシン、トリプトファン、フェニルアラニン、ロイシン、イソロイシン及びメチオニンが含まれ、小さな非極性アミノ酸には、グリシン、アラニン及びプロリンが含まれる。
本明細書において、及び添付の特許請求の範囲において使用される「非保存的」という用語は、アミノ酸残基の置換に関連して使用される場合、野生型又は天然のタンパク質中のアミノ酸残基を、著しく異なる構造的カテゴリーのアミノ酸残基、例えば、著しく異なる極性分類(すなわち、非極性対極性)、サイズ分類、電荷分類、これらの組み合わせなどを有するアミノ酸残基で置換することを意味する。例えば、非保存的置換の場合、チロシンなどの極性アミノ酸は、非極性アミノ酸、比較的小さな非極性アミノ酸などによって置換することができるのに対して、グリシン又はアラニンなどの小さな非極性アミノ酸は、大きいアミノ酸、帯電したアミノ酸などによって置換することが可能である。
本発明を具体化する好ましい単離されたTyrRSポリペプチドバリアントは、哺乳動物組織中で血管新生を刺激するのに適しており、Rossmann折り畳み領域又はα5コイルを含むその一部及びアンチコドン認識ドメイン又はα14コイルを含むその一部を含む。このバリアントは、このバリアント中のα5コイルとα14コイルの間に分離を含み、該分離は、固有のヒトTyrRS中のα5コイルとα14コイルの間の分離より大きい。好ましくは、α14コイルは、α14コイルの何れかのアミノ酸残基のα炭素とα5コイルの何れかのアミノ酸残基のα炭素間の空間的分離によって測定された場合に、このバリアントの三次構造中のα5コイルから少なくとも約6オングストローム分離される。このバリアントは、好ましくは、α5コイルとα14コイルの間に水素結合を含まない。TyrRSポリペプチドバリアントは、固有のヒトTyrRSのアミノ酸残基配列(配列番号3、図1)と比較して少なくとも約50%、より好ましくは少なくとも約80%、最も好ましくは少なくとも約95%の配列同一性のアミノ酸残基配列同一性を有する。このバリアントは、ヒトTyrRSのアミノ酸残基配列に対して少なくとも1つの非保存的アミノ酸残基置換を含み、前記置換は、固有のヒトTyrRS中のα5コイルとα14コイルの分離に比べて、α5コイルとα14コイルの間の分離の間隔を開かせ、このバリアントに血管新生活性を付与する。
別の好ましい実施形態において、本発明のTyrRSバリアントは、ポリペプチドの三次構造の外部部分の露出されたELRモチーフを提示し、及びヒトTyrRSのアミノ酸残基配列(配列番号3)と比べて少なくとも約50%、好ましくは少なくとも約80%、より好ましくは約95%の配列同一性のアミノ酸残基配列同一性を有するRossmann折り畳み領域又はその一部を含む。TyrRSポリペプチドバリアントは、ヒトTyrRSのアミノ酸残基配列に対して少なくとも1つの非保存的アミノ酸残基置換を含み、前記置換は、触媒性Rossmann折り畳みドメインのα5コイルのELRモチーフを露出させ、これにより、ポリペプチドが血管新生作用を有するようにする。本発明のバリアントにおいて、好ましくは、α14コイルの何れかのアミノ酸残基のα炭素とα5コイルのELRモチーフの何れかのアミノ酸残基のα炭素間の空間的分離によって測定された場合に、α5コイルのELR残基は、好ましくは、それぞれ、バリアントの三次構造中のα14コイルの残基から少なくとも約6オングストローム離れている。
好ましくは、少なくとも1つの非保存的アミノ酸残基の置換は、配列番号3のアミノ酸残基46、340及び341に対応する位置の1つ又はそれ以上におけるアミノ酸残基の置換である。例えば、配列番号3の位置341におけるチロシンは、好ましくは、非極性側鎖を有するアミノ酸残基(例えば、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、メチオニン及びプロリンなどの非極性脂肪族アミノ酸)によって置換されている。配列番号3の位置46のグリシン及び/又は位置340のアラニンに対応するアミノ酸残基は、好ましくは、大きな非極性側鎖を有するアミノ酸残基(例えば、チロシン、トリプトファン、フェニルアラニン、ロイシン、イソロイシン又はメチオニンなどの巨大な非帯電疎水性アミノ酸)によって置換される。本明細書において使用される、配列番号3などの指定された配列内のアミノ酸残基「に対応する」TyrRSポリペプチドバリアント中のアミノ酸という表記は、相同配列が指定された配列と比較された場合に、配列番号3中の指定された位置と(すなわち、対応して)並置されるTyrRSポリペプチドバリアントの相同配列中に位置に存在するアミノ酸を意味する。タンパク質分野の当業者は、相同配列中のアミノ酸残基の付番が、指定された配列(例えば、配列番号3)中の付番と異なり得ることを理解する。
さらに別の実施形態において、本発明の単離されたTyrRSポリペプチドバリアントは、タンパク質又は断片の外部部分の露出されたELRモチーフを提示するRossmann折り畳み領域又はその一部を含み、ヒトTyrRSのアミノ酸残基配列(配列番号3)と比べて少なくとも約50%のアミノ酸残基配列同一性を有する。好ましくは、このバリアントのアミノ酸残基配列は、配列番号3と比べて少なくとも約80%、より好ましくは約95%の配列同一性を有し、配列番号3の位置341に対応する位置に非極性側鎖を有するアミノ酸残基を含む。好ましくは、アミノ酸残基は、非極性脂肪族側鎖を有する。例えば、ヒトTyrRSのチロシン残基341に対応するバリアントのアミノ酸残基は、グリシン残基、アラニン残基、フェニルアラニン残基、バリン残基、ロイシン残基、イソロイシン残基、メチオニン残基又はプロリン残基であり得る。幾つかの実施形態において、ヒトTyrRSのチロシン341に対応するアミノ酸残基は、グリシン残基、アラニン残基又はプロリン残基、好ましくはアラニン残基である。
別の好ましい実施形態において、単離されたTyrRSポリペプチドバリアントは、配列番号4のアミノ酸残基配列(図2)又はその断片を含み、配列番号4の位置341の残基Xは、グリシン残基、アラニン残基、フェニルアラニン残基、バリン残基、ロイシン残基、イソロイシン残基、メチオニン残基又はプロリン残基、好ましくはグリシン、アラニン又はプロリン残基、より好ましくはアラニン残基である。好ましくはTyrRSポリペプチドバリアントは、配列番号4のN末端領域全体(すなわち、残基1から364)を含む。好ましくは、断片は、少なくともRossmann折り畳み領域のα5鎖の残基、すなわち、配列番号4の位置87から104に対応する残基を含む。より好ましくは、断片は、Rossmann折り畳み領域全体(配列番号4の残基1から230)を包含する。
血管新生作用を有する本発明の特に好ましいTyrRSポリペプチドバリアントは、配列番号4のアミノ酸残基配列からなり、配列番号4の位置341の残基Xは、グリシン残基、アラニン残基、フェニルアラニン残基、バリン残基、ロイシン残基、イソロイシン残基、メチオニン残基及びプロリン残基からなる群から選択される。より好ましくは、配列番号4の位置341の残基Xは、グリシン残基、アラニン残基及びプロリン残基からなる群から、最も好ましくはアラニン残基から選択される。
本発明は、哺乳動物の組織中の血管新生を刺激する方法も提供する。本方法は、本明細書に詳しく記載されているような、本発明のTyrRSポリペプチドバリアントの血管新生量と組織を接触させることを含む。
別の態様において、本発明は、哺乳動物の組織中の内皮細胞遊走を刺激する方法を提供する。本方法は、本明細書に詳しく記載されているような、本発明のTyrRSポリペプチドバリアントの内皮細胞遊走刺激量と組織を接触させることを含む。
方法及び操作
プラスミドの構築。TyrRS−341A及びミニ−TyrRS−Y341Aプラスミドは、QuikChange位置指定突然変異誘発キット(Stratagene, La Jolla, CA)を用いて構築した。テンプレートは、それぞれ、野生型TyrRS及びミニ−TyrRSを含有するpET20b(+)(Novagen,Masdison,WI)ベクターであった。全てのタンパク質は、ポリペプチドの単離を促進するために、C末端His−タグとともに発現された。合成オリゴヌクレオチドは、Invitrogen Corporation(Carlsbad,CA)から購入した。
タンパク質の酸性及びエンドトキシンの除去。イー・コリB121−CodonPlus(DE3)−RIL細胞(Stratagene,La Jolla,CA)中で組換えポリペプチドを発現させた。0.8のOD600になるまで細胞を増殖させ、1mMイソプロピルβ−D−チオガラクトピラノシドで3時間誘導した(Roche,Basel,Switzerland)。次いで、細胞を沈降させ、緩衝液A(20mMTris−HCl、pH7.9、30mMイミダゾール、500mMNaCl)中に再懸濁した。音波処理による溶解後に、74,000gでの30分間の遠心によって、細胞破片を分離した。Ni−NTAアフィニティークロマトグラフィーによって、Hisタグを付加されたポリペプチドを精製した。Ni−NTAアフィニティーカラム(Qiagen,Valencia,CA)上に上清をかけ、100mL緩衝液B(0.1%Triton−X114(Sigma,St.Louis,MO)を加えた緩衝液A)及び150mL緩衝液Aで洗浄した。緩衝液Aと緩衝液C(20mMTris−HCl、pH7.9、250mMイミダゾール、500mMNaCl)の線形グラジエントによってポリペプチドを溶出した。95%超純粋なポリペプチドを含有する画分をプールし、濃縮し、保存緩衝液(50%リン酸緩衝化生理的食塩水PBS、pH7.4、50%グリセロール、2mMジチオスレイトールDTT)中に濃縮及び透析した。タンパク質濃度は、ウシ血清アルブミン(BSA,Sigma,St.Louis,MO)を標準として、Bio−RadProtein Assay試薬(Bio−Rad,Hercules,CA)を用いるBradfordアッセイによって測定された。エンドトキシン濃度は、Limulus Amebocyte Lysate(LAL)アッセイ(BioWhittaker,Walkersville,MD)を用いて測定した。
小角度X線散乱。Stanford Synchrotron Radiation Laboratory(SSRL)のビームライン4−2上で、野生型TyrRS及び本発明のTyrRS−Y341Aバリアントに対して、小角度X線散乱(SAXS)測定を実施した。様々な濃度(2から20g/L)で、試料に対してX線散乱曲線を測定した。X線波長(λ)は1.38Åであり、検出装置チャンネルの数字は、運動量移行Q=4π*sinθ/λ(2*θは、散乱角度である。)へ変換された。極めて小さい散乱角度から中程度の散乱角度までをカバーするために(すなわち、約0.01から0.25Å−1のQ域をカバーする2.5メートル及び約0.03から0.93Å−1のQ域をカバーする0.5メートル)、試料から検出装置までの2つの異なる距離を使用した。
雲母ウィンドウを有するポリカーボナートのセルに、分取試料を満たし、測定を通じて20℃に保った。データ収集を通じて、MarCCD165検出装置を使用した。データ収集の典型的な群は、それぞれ10秒間連続して記録された24の二次元散乱画像からなった。マッチする緩衝液の散乱データとともに、一連のデータを処理し、典型的には、タンパク質溶液測定の直後又は直前に記録した。積算された光線強度に対して、データのスケールを調節し、方位的に平均化し、照射による損傷によって通常引き起こされる時間依存性の変化を調べ、統計的に解析した。マッチさせた緩衝液データの変動に比べて約1.5倍高いタンパク質データの統計学的変動が、平均化において許容された。そのレベルを超えて、第一のタンパク質散乱データ枠に関して偏差のより高いレベルを示した全てのデータ枠は、拒絶された。上記データプロセッシング後に、対応するタンパク質散乱曲線から処理された緩衝液散乱曲線を差し引いた。
小角度及び高角度データのスケール調節は、PRIMUSソフトウェアプログラム(Konarev et al. 2003.“PRIMUS:a Windows PC−based system for small−angle scattering data analysis”, J.Appl.Crystallogr.36:1277−1282)によって行い、これは、0.45から1.3のQ*R域中でのGuinierプロットによってR及びI(Q=0)を計算するためにも使用した。SvergunらのGNOM小角度散乱データプロセッシングプログラム(embl−hamburg(dot)de websiteから入手可能)を用いて(当初、小角度データは、最大距離(Dmax)の正確な推定を得るためのみに使用)、実験データの間接Furier変換によって、電子対距離分布関数(P(r)を得た。次いで、モデル構築に関して上で指定されたDmax値を有する高角度データなど、P(r)を再計算した。
プロテアーゼ消化。野生型TyrRS及びTyrRS−Y341Aを、約32μg/プラスミン1μgのタンパク質対プロテアーゼ比及びエラスターゼに対して2500μg/単位で、プラスミン又は白血病エラスターゼと混合した。0.1%の最終濃度になるように、ギ酸の添加によって反応を停止させる前に、20℃で約2時間、混合物を温置した。混合物中の切断断片は、MALDITOF質量分光法によって、及びEdman分解を用いたN末端配列決定によって分析した。
CAM血管新生アッセイ。ニワトリ絨毛尿膜(CAM)血管新生アッセイは、以下の操作によって行った。トリ白血症ウイルスに対する補体固定(COFAL;complement fixation for avian leukosis)陰性の受精卵(Charles River Labs,Storrs,CT)を、38℃/60%湿度で、3.5日間温置した。次いで、卵を開封し、無菌のプラスチック舟形秤中に胚を移した。胚を覆い、37.5℃/90%湿度で温置した。5日後に、PBS約30μL、VEGF及びbFGF(それぞれ、約0.15及び0.5μg)又はTyrRSポリペプチド(1μM)を含有するコラーゲン/メッシュオンプラントを、胚のCAM膜上に配置し、さらに66時間温置した。インプラントの上部メッシュ層を立体顕微鏡下で検査し、箱の総数に対する、血管を含有する「箱」(すなわち、メッシュファイバーによって画される三次元領域)の割合を計数した。
マウスマトリゲル血管新生アッセイ。胸腺欠損wehiマウスの皮下に、PBS、20nMVEGF又は250nMTyrRS、ミニ−TyrRS、TyrRS−Y341A又はミニ−TyrRS−Y341Aが補充された、成長因子が枯渇されたMatrigel(Becton Dickinson)400μLを移植した。5日後に、フルオレセイン標識された内皮結合レクチングリフォニア(Griffonia)(バンデイラエア)(Bandeiraea)シンプリシフォリア(Simplicifolia)IイソレクチンB4(GSL−B4)(Vector Laboratories,Burlingame,CA)をマウスに静脈内注射した。Matrigelプラグを切除し、ラジオイムノ沈降(RIPA;radioimmuno−precipitation)緩衝液(10mMリン酸ナトリウム、pH7.4、150mM塩化ナトリウム、1%NonidetP−40、0.5%デオキシコール酸ナトリウム、0.1%ドデシル硫酸ナトリウム)中にホモゲナイズした。ホモゲナイゼーション後、分光光度分析によって各プラグのフルオレセイン含量を定量した。
内皮細胞遊走アッセイ。10%ウシ胎児血清(FBS)を含有するEGM培地(Cambrex)中の6ウェルプレートのウェル当り約3×10細胞の密度で、ヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC)(Cambrex)を播種し、集密状態の単層になるまで増殖させた。FBSを含有しない培地中で、16時間、細胞を飢餓状態とし、ピペットチップを用いて、ウェル全体にわたって傷をつけた。細胞破片を除去するために、無血清培地で、傷をつけた層を2回洗浄し、TyrRSバリアント及び対照因子の存在下及び不存在下で、細胞を遊走させた。傷をつけてから0及び6時間後に、傷をつけた無細胞領域の画像を撮影し、画像分析ソフトウェア(NIH ImageJ1.33)を用いて分析した。内皮細胞の遊走は、最初の傷の領域と比較した残りの無細胞領域の%として計算され、そこから、各条件に対して閉鎖された%領域を求めた。
アミノ酸活性化。アミノ酸活性化は、ATP−ピロリン酸(PPi)交換反応によってアッセイを行った。Tris−HCl(100mM、pH7.8)、KF(10mM)、MgCl(2mM)、ATP(1mM)、BSA(0.1mg/mL)、NaPPi(2mM、130cpm/nmol)、β−メルカプトエタノール(5mM)、チロシン(2mM)及びポリペプチド200nMを含有する緩衝液中、37℃で反応を行った。
結果と考察
TyrRSの残基YS41は、ELRモチーフ周囲の構造を保護した。ミニ−TyrRS(すなわち、ヒトTyrRSのアミノ酸残基1から364)は、血管新生促進性サイトカインとして作用するが、完全長TyrRSは作用しないことが知られている。血管新生促進活性は、IL−8などのCXCケモカイン中にも存在し、その活性に必要とされるELRモチーフの存在に依存する。Rossmann折り畳み触媒ドメイン(黄色、残基1から230)、アンチコドン認識ドメイン(緑、残基231から364)及びC末端ドメイン(紫、残基364から528)という3つのドメインから構成されるTyrRSのアミノ酸配列の模式図が、図3の上部パネルに示されている。第一の2つのドメインは、活性なコア酵素を形成し、これは、ミニTyrRS(残基1から364)と呼ばれる。ミニ−TyrRSの最近解明された三次構造は、ELRモチーフの周囲に、タンパク質のアンチコドン認識と活性部位ドメインを係留する水素結合ネットワークを明らかにしている(図3、下部パネル参照)。ELRモチーフのR93の側鎖とアンチコドン認識ドメインの主鎖A340の間に、α5コイルをα14コイルに係留する2つの水素結合相互作用が存在する。さらに、Y341の芳香環と主鎖G46の積層的相互作用は、これらのドメインの間に接触を作り出す。これら4つの残基のうち、これまで同定された全ての真核生物のTyrRSタンパク質中で、R93、G46及びY341が保存されている。図3(下部パネル)に示されているように、各断片の表面静電電位の相補性が、α5コイルとα14コイル間の係留に対する証拠を与える。(へリックスα5上)のELRモチーフは、Cドメインによって遮蔽されており、Cドメインが除去されると露出される。この理由のため、ミニTyrRSは血管新生に対して活性であるのに対して、完全長TyrRSは血管新生に対して不活性である。(ヘリックスα14上のアンチコドン認識ドメインからの)Tyr341残基はELRと相互作用し、ELRを封鎖するためにCドメインを係留する上で重要な役割を果たしている。A340も高度に保存されており、S.セレビシアエにおいて、別の小さなアミノ酸であるグリシンによってのみ置換されている。
Y341A変異によるTyrRSの三次元構造の開放を実証するために、2つの独立した方法を使用した。第一の方法は、小角度X線散乱(SAXS)であった。電磁放射の波長が試料粒子のものと同じ長さスケールである場合に、粒子は放射を散乱する。この散乱パターンの検出及び分析は、粒子のサイズ、形状及び内部構造について貴重な情報を与えることができる。SAXS技術は、溶液中での(タンパク質のような)高分子の全体的な立体構造変化を検出するための強力な技術である。野生型ヒトTyrRSとY341A変異の両方で測定された散乱曲線から、各試料に対する電子対距離分布関数を計算した(図5)。続いて、分布関数P(r)から、回転運動の半径(R)及び最大距離(Dmax)に対する値を求めた。
図4は、R93とY341の間の水素結合係留を示している。水素結合係留の破壊は、三次構造を開放し、ELRモチーフを露出させる。野生型ヒトTyrRS及びY341がアラニンによって置換されたバリアント(TyrRS−Y341A)に関する小角度X線散乱研究は、このような開放に対する直接の証拠を与える(図5参照)。X線散乱研究は、電子対距離分布が、野生型タンパク質に比べて、バリアントで広がっていることを示した。TyrRSY341Aは、野生型TyrRSのRより、約4オングストローム大きいRを有し、約20オングストローム大きいDmaxを有する。これは、TyrRSY341Aが、野生型TyrRSに比べて、より開放され、伸長された立体構造を有することを示している。
野生型ヒトTyrRSに比したTyrRS−Y341中の開放構造に対するさらなる裏づけは、プラスミンとエラスターゼを用いた消化研究から得られた。プロテアーゼは、一般に、αヘリックス又はβストランドのような確定された二次構造が存在しない柔軟なループ領域においてタンパク質を切断する。Y341A変異に伴ってELRモチーフを露出させる構造的な開放が存在することは、より弛緩された開放構造上のさらなる切断部位の結果として観察されたさらなる切断断片によって確認された。プラスミンと白血球エラスターゼの両方を使用して、野生型TyrRSに比べて、Y341A変異上にさらなる切断部位が観察された。観察されたさらなる切断部位は、L333、K334及びA337であり、これらは全て、変異部位341に近いアンチコドン認識ドメインのヘリックスα14上に位置している。これは、Y341A変異において、α14が弛緩されており、それ自体を柔軟なループとして提示し、もはやELR領域に係留されていないことを確認した。図6は、ヒトTyrRSの全体的三次構造に対するY341A変異の開放効果を模式的に示している。
Y341A変異は、完全長TyrRS上に血管新生活性を付与した。真核生物間でのその保存及びELRモチーフ周囲の領域中での三次元構造の安定性におけるその関与に鑑みると、Y341は、変異に対する理想的な標的である。係留の破壊がサイトカイン及び酵素活性をどの程度変化させるかを測定するために、この残基は、完全長TyrRS及びミニ−TyrRS中でアラニンに変異された。サイトカイン活性は、血管新生に対するニワトリ絨毛尿膜(CAM)及びMatrigelアッセイにおいて検査された。
ミニ−TyrRS中へのY341A変異の導入は、CAMアッセイ中でのその活性に対して観察可能な効果をもたらさなかった。血管新生は、正常なポリペプチドとバリアントの両方によって促進された。完全長の野生型ヒトTyrRSは、このアッセイでは非活性である。しかしながら、ヒトTyrRSのY341をアラニンに変異させることによって(すなわち、TyrRS−Y341A)、この酵素は血管新生促進性サイトカインへと転化された。CAMアッセイで見られた結果を確認するために、このポリペプチドは、マウスMatrigelプラグモデル中においても検査した。このアッセイでは、PBS又はその他のタンパク質を含有するコラーゲンプラグを皮下に注射した。プラグ内に血管新生促進因子が存在しない場合には、血管は、プラグ内に灌流する。蛍光内皮細胞結合レクチンを注射すると、分光光度分析によって各プラグ内の血管密度を定量することができる。このモデルでは、VEGF及びミニTyrRSは何れも、血管新生活性について陽性であった。野生型TyrRSは非活性であり、血管新生のレベルはPBSと同様であった。これに対して、TyrRS−Y341Aは血管新生を誘導した。これらのデータは、CAMアッセイの結果を独立に確認した。
Y341A変異を有するTyrRSバリアントは、インプラントを含有するCAM膜の領域の新血管新生の顕著な増加を引き起こしたのに対して、野生型ポリペプチド及びPBSは何れも応答を遊蕩しなかった(ポリペプチドは、ナイロンメッシュに包埋されたコラーゲンインプラント中に、1μMの濃度で付与した。)。
図7は、さらに、マウスMatrigelプラグアッセイ中でのTyrRSポリペプチドのインビボ活性をさらに特徴付ける。マウスには、成長因子によって還元されたMatrigelのみで、又は250nMタンパク質と混合して、400μLの皮下注射を投与した。5日の温置後、プラグを除去し、血管の存在について評価した。VEGF165(20nM)を、陽性対照として使用した。以前に報告されたように、ミニ−TyrRSは、このアッセイにおいて血管新生応答を促進した。ミニーTyrRS中のY341のアラニンへの変異(すなわち、ミニ−TyrRS−Y341A)は、この応答に影響を与えなかった。しかしながら、Y341A変異が完全長TyrRS中で成された場合には、野生型TyrRSに比べて、血管新生応答の2倍の増加が認められた。
Y341A変異は、TyrRSがチロシンを活性化する能力を不活化した。アミノ酸活性化は、チロシン依存性のATP−PPi交換反応を測定することによって評価した。図8に示されているように、Y341A点変異は、完全長TyrRS及びミニ−TyrRSがチロシルアデニラートを形成する能力を喪失させる。したがって、tRNAのアミノアシル化に関与する構造要素は、サイトカイン機能に関与する構造要素と異なっている。
本発明のTyrRSバリアントが内皮細胞遊走を刺激する能力(創傷治癒に付随する。)を評価するために、内皮細胞遊走アッセイを使用した。ヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC)を、10%FBSを含有するEGM培地中に播種し、集密状態の単層になるまで増殖させた。FBSを含有しない培地中で、細胞を飢餓状態とし、次いで、ピペットチップを用いて、ウェル全体にわたって傷をつけた。細胞破片を除去するために、無血清培地で、傷をつけた層を洗浄し、TyrRSバリアント及び対照因子の存在下及び不存在下で、細胞を遊走させた。傷をつけてから0及び6時間後に、傷をつけた無細胞領域の画像を撮影し、画像分析ソフトウェア(NIH ImageJ,version1.33)を用いて分析した。内皮細胞の遊走は、最初の傷の領域と比較した残りの無細胞領域の%として計算され、そこから、各条件に対して閉鎖された%領域を求めた。図9は、本発明のTyrRSバリアント及び対照処理で処理された、傷をつけられた内皮細胞培養中の初期創傷の領域と比べた残りの無細胞領域の%(縦線)のグラフを示している。無細胞領域の相対的により小さなパーセントは、内皮細胞遊走及び創傷治癒の改善を示している。図9に示されているように、本発明のTyrRSバリアントは、ミニTyrRSと同程度まで、及び野生型TyrRSを上回る程度まで、内皮細胞遊走を刺激した。
本発明の新規特徴の精神及び範囲から逸脱することなく、上記実施形態の多数の変形及び改変を実施し得る。本明細書に例示されている具体的な実施形態に関する限定は意図されておらず、又は推論すべきでない。
図1は、ヒトTyrRSのアミノ酸残基配列(配列番号3)を示している。 図2は、本発明の好ましいヒトTyrRSバリアントのアミノ酸残基配列(配列番号4)を示している。 図3(上部パネル)は、Rossmann折り畳み触媒ドメイン(黄色、残基1から230)、アンチコドン認識ドメイン(緑、残基231から364)及びC末端ドメイン(紫、残基364から528)という3つのドメインから構成される野生型ヒトTyrRS配列の模式図を示している。第一の2つのドメインは、活性なコア酵素を形成し、これは、ミニTyrRS(残基1から364)と呼ばれる。下のパネルは、実験的に決定された、ミニTyrRS及びCドメインの両方の結晶構造に基づくヒトTyrRSの二量体モデルを示している。 図4(上パネル)は、Y341などの他の残基とのELR領域の相互作用の詳細を示している。下部パネルは、多岐にわたる生物から得たTyrRSの部分的配列の並置を示しており、ヒトTyrRSの3つの領域に対応する残基、すなわち、残基39から55(領域1)、残基87から97(領域2)及び残基337から34(領域3)が並置されている。ドメインの接触に関与する保存された残基は、強調表示されている。列1は、ヒトTyrRSのアミノ酸残基を含み、領域1は配列番号5に対応し、領域2は配列番号6に対応し、及び領域3は配列番号7に対応する。列2は、マウスTyrRSの並置を示し、ヒトTyrRSと同様に、領域1は配列番号5に対応し、領域2は配列番号6に対応し、及び領域3は配列番号7に対応する。列3は、ウシTyrRSの並置を示し、領域1は配列番号5に対応し、領域2は配列番号8に対応し、及び領域3は配列番号9に対応する。列4は、ドロソフィラ・メラノガスター(Drosophila melanogaster)TyrRSの並置を示し、領域1は配列番号5に対応し、領域2は配列番号10に対応し、及び領域3は配列番号11に対応する。列5は、カエノルハブディティス・エレガンス(Caenorhabditis elegans)TyrRSの並置を示し、領域1は配列番号12に対応し、領域2は配列番号13に対応し、及び領域3は配列番号14に対応する。列6は、サッカロミセス・セレビシアエ(Caenorhabditis elegans)TyrRSの並置を示し、領域1は配列番号15に対応し、領域2は配列番号16に対応し、及び領域3は配列番号17に対応する。列7は、サッカロミセス・ポンベ(Caenorhabditis pombe)TyrRSの並置を示し、領域1は配列番号18に対応し、領域2は配列番号19に対応し、及び領域3は配列番号20に対応する。列8は、エシェリヒア・コリ(Escherichia coli)TyrRSの並置を示し、領域1は配列番号21に対応し、領域2は配列番号22に対応し、領域3は配列番号23に対応する。列9は、バチルス・スブティリス(Bacillus subtilis)TyrRSの並置を示し、領域1は配列番号24に対応し、領域2は配列番号25に対応し、及び領域3は配列番号26に対応する。 図5は、ヒトTyrRS及びTyrRS−Y341Aに対するX線散乱分布を示している。電子対距離分布関数は、ヒトTyrRS及びTyrRSのY341A変異に対して、それらの測定された小角度X線散乱(SAXS;small angel x−ray scattering)曲線を用いて計算した。両分子に対して回転運動の半径(R)及び最大距離(Dmax)を計算した。Y341Aは、野生型TyrRSのR及びDmaxより、約4オングストローム大きいR及び約20オングストローム大きいDmaxを有する。 図6は、ELRモチーフを露出させる、ヒトTyrRSの全体的三次構造に対するY341A変異の開放効果を模式的に示している。Y341A変異は、図に示されているとおり、SAXS分析及びプロテアーゼ消化研究によって、TyrRS構造を開放することが示された。 図7は、マウスMartigel血管新生モデルにおけるTyrRS−Y341Aの活性を示している。マウスには、成長因子によって還元されたMatrigelのみで、又は250nMTyrRSタンパク質と混合して、400μLの皮下注射を与えた。ヒトVEGF165(20nM)を、陽性対照として使用した。5日間の温置後に、フルオレセイン標識された内皮結合レクチングリフォニア(Griffonia)(バンデイラエア)(Bandeiraea)シンプリシフォリア(Simplicifolia)I、イソレクチンB4をマウスに静脈内注射した。プラグを切り出し、可溶化し、分光法によってフルオレセイン含量を評価した。開放されたTyrRSY341Aバリアントは、野生型TyrRSに比べて、増加した血管新生活性を有することが観察された。 図8は、ニワトリの絨毛尿膜アッセイ中のヒトTyrRS及びTyrRS−Y341Aの活性を示している。TyrRSタンパク質の血管新生活性は、ニワトリ絨毛尿膜アッセイを用いて、インビボで検査した。TyrRSバリアント(1μM)、VEGFとbFGFの組み合わせからなる陽性対照及び緩衝液のみからなる陰性対照を、ナイロンメッシュに包埋されたコラーゲンオンプラント(onplant)中のCAMに適用した。 図9は、本発明のTyrRSバリアント及び対照処理で処理された、傷を受けた内皮細胞培養物中の初期創傷の面積と比べた残りの無細胞面積の%面積(縦線)のグラフを示している。

Claims (3)

  1. 配列番号4からなるアミノ酸配列又は少なくとも配列番号4の残基1から364からなるその断片を有する単離されたチロシルtRNAシンテターゼ(TyrRS)ポリペプチドバリアントであって、配列番号4の位置341の残基Xaaが、アラニン(Ala)残基である、前記ポリペプチドバリアント。
  2. 血管新生を刺激するための医薬の製造のための請求項1に記載の単離されたポリペプチドバリアントの使用。
  3. 内皮細胞の遊走を刺激して創傷治癒を促進するための医薬の製造における請求項1に記載の単離されたポリペプチドバリアントの使用。
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