JP5036679B2 - タンパク質精製方法 - Google Patents
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Description
(1)以下の段階:
1)生理活性タンパク質含有試料をpHが中性域の低伝導度水溶液状態とし;
2)生じる粒子を除去する、
を含む、生理活性タンパク質含有試料中のDNA夾雑物を除去する方法。
1)生理活性タンパク質含有試料を低伝導度の酸性またはアルカリ性水溶液状態とし;
2)得られる試料のpHを中性域に調整し;
3)生じる粒子を除去する、
を含む、生理活性タンパク質含有試料中のDNA夾雑物を除去する方法。
1)抗体含有試料をプロテインAもしくはプロテインGのアフィニティクロマトグラフィーに適用して、低伝導度の酸性水溶液で溶出し;
2)得られる溶出液に緩衝液を添加してpHを中性域に上昇させ;
3)生じる粒子を除去する、
を含む、抗体含有試料中のDNA夾雑物を除去する方法。
(5)低伝導度の酸性水溶液のイオン強度が、0〜0.2である前記(2)又は(3)に記載の方法。
(6)低伝導度の酸性水溶液の導電率が、0〜300mS/mである前記(2)又は(3)に記載の方法。
(8)酸性水溶液のpHが1.5〜3.9である前記(7)に記載の方法。
(9)処理後の生理活性タンパク質含有試料中のDNA夾雑物がDNA濃度22.5pg/ml以下である前記(1)〜(7)のいずれかに記載の方法。
(11)緩衝液を添加してpHを4.3〜7.5に上昇させる前記(3)に記載の方法。(12)生理活性タンパク質が抗体である前記(1)又は(2)に記載の方法。
(14)抗体がヒト型化抗IL−6レセプター抗体である前記(13)に記載の方法。
(15)抗体がヒト型化抗HM1.24抗原モノクローナル抗体である前記(13)に記載の方法。
(17)抗体がヒト型化抗組織因子抗体である前記(13)に記載の方法。
(18)粒子をフィルター濾過によって除去する前記(1)〜(3)のいずれかに記載の方法。
(21)pHが中性域の低伝導度水溶液中で抗体−DNA複合体を実質的に含まない精製抗体。
(22)精製抗体中のDNA濃度が22.5pg/ml以下である精製抗体。
1)生理活性タンパク質含有試料をpHが中性域の低伝導度水溶液状態とし;
2)生じる粒子を除去する、
を含む方法によって、生理活性タンパク質含有試料中のDNA夾雑物を除去する。
1)生理活性タンパク質含有試料を低伝導度の酸性またはアルカリ性水溶液状態とし;
2)得られる試料のpHを中性域に調整し;
3)生じる粒子を除去する、
を含む方法によって、生理活性タンパク質含有試料中のDNA夾雑物を除去する。
1)抗体含有試料をプロテインAもしくはプロテインGのアフィニティクロマトグラフィーに適用して、低伝導度の酸性水溶液で溶出し;
2)得られる溶出液に緩衝液を添加してpHを中性域に上昇させ;
3)生じる粒子を除去する、
を含む方法によって、抗体含有試料中のDNA夾雑物を除去する。
(1)検討材料(抗体含有試料)
hPM−1抗体(ヒト型化抗IL−6レセプター抗体)産生CHO細胞培養上清液(以下CMと略す)(細胞遠心除去済み:−80℃保存)含有試料は、上記CMを0.22μm Cellulose Acetate(CAと略す)Filter System(CORNING)を用いて濾過し、精製検討に使用した。なお、hPM−1抗体は、特許文献6の実施例10に記載されたヒトエロンゲーションファクターIαプロモーターを利用し、特許文献10の参考例2に記載された方法に準じて作製した。
塩酸溶出検討時
HPLC:L-6200 Intelligent Pump(HITACHI)
L-4200 UV-VIS Detector(HITACHI)
D-2500 Chromato-Integrator(HITACHI)
カラム:HR5/2(Pharmacia社)、5mmI.D.×20mmH
Media:POROS 50A(PerSeptive社)、0.4ml
Lot; A250-039、Code; SPECIAL
粒子検討時
HPLC:Waters PrepLC4000 System(Waters)
Waters2000 System Controller(Waters)
Waters486 Tunable Absorbance Detector(Waters)
Waters741 Data Module(Waters)
分光光度計:U-2000(HITACHI)
カラム:XK26(Pharmacia社)、26mmI.D.×100mmH
Media:POROS 50A(PerSeptive社)、53ml
Lot; A250-039、Code; SPECIAL
hPM−1定量法:直線濃度勾配法によるPLRP−Sカラム(ポリマーラボラトリーズ社)を用いる逆相HPLCにより定量する。
DNA量測定法:スレッシュホールド総DNA定量法により測定する。測定に先だってDNA抽出操作(DNAエキストラクターキット<和光純薬>等)を実施する。また、測定にはスレッシュホールド総DNA定量キット(モレキュラーデバイス社製)を用いる。
濁度測定法:粒子形成の状況をモニターするために測定サンプルを分光光度計U−2000(HITACHI)に供し、660nmにおける吸収を測定する。
プロテインAアフィニティークロマトグラフィーにおいて溶出液として用いる緩衝液組成を変更した検討を行い、hPM−1回収率及び溶出液によるDNA除去状況を確認した。上記抗体含有試料を以下の表1に示す条件でカラムにかけた。表1に示す平衡化緩衝液にてプロテインA樹脂を平衡化し、続いて上記抗体含有試料負荷その後、洗浄1、洗浄2、溶出と実施する。溶出プロファイルをA280nmで監視し、タンパク質のピークを単離した。なお、表中C−P Bufferはクエン酸−リン酸緩衝液を示す。
また、各溶出画分を300mM Tris溶液でpH7.0に調整したところ、塩酸溶出画分(溶出法2、溶出法3)では粒子が生じた。更に、粒子形成とhPM−1回収率及び残存DNA量との相関を求める検討をも行った。
各溶出条件におけるhPM−1回収率を測定した。その結果、溶出法1における回収率は98.6%と良好であった。また溶出法2における回収率では83.8%〜97.1%、溶出法3における回収率では83.5%〜93.7%とばらつきが生じたが、検討スケールが小さい要因(樹脂量:0.4ml)から生じるばらつきであると推測された。そこで、精製スケールをアップした検討(溶出法2)では安定してhPM−1回収率90%以上を示す事を確認した。従って、塩酸溶出の場合であっても、hPM−1の回収率は良好であることが判明した。
溶出液塩酸中の添加NaCl濃度と各種要因相関
溶出液塩酸中の添加NaCl濃度と各種要因相関を調べた結果を表2に示す。
ヒト型化抗PTHrP抗体含有試料(CHO細胞で培養した培養上清を0.45+0.2μm CA SARTOBRAN Pフィルター(sartorius)で濾過したもの)をプロテインAアフィニティーカラムクロマトグラフィーを用いる方法で以下の条件により精製した。なお、抗PTHrP抗体は、特許文献8に記載の方法によって作製した。
精製装置:AKTA explorer(Amersham Pharmacia Biotech)
カラム:HR5/5、C10、XK-26(Amersham Pharmacia Biotech)
樹脂:rProtein A Sepharose Fast Flow
負荷:培養上清直接負荷(pH6.6−7.5)
溶出画分調整:1M Tris水溶液により各種pHに調整し、0.2μm Cellulose Acetate(以下CAと略す)フィルター濾過によりDNAを除去(以下の(1)において条件を検討)。
十分に平衡化した後、上記抗体含有CMを負荷した。続いて結合していない不純物を150mM NaCl入りクエン酸−リン酸緩衝液pH7.5で洗浄、更に導電率を下げる目
的でクエン酸−リン酸緩衝液pH7.5で洗浄を行い、その後20mMクエン酸水溶液にて溶出を実施した。溶出プロファイルをA280nmで監視し、タンパク質ピークを分取した。このプロテインA溶出画分を用いて以下の条件検討を実施した。
残存DNAを効率的に除去するために、フィルター濾過時の最適pH条件を設定する検討を行った。プロテインA溶出画分を、1.0M Tris水溶液により以下の各検討pH(未調整(2.7)、4.0、4.5、5.0、5.5、6.0、6.5、7.0、7.5)に調整した。その後、一定時間放置し、0.22μm CAフィルター濾過処理を行った。その後1.0M Tris水溶液によりpH7に調整し、DNA定量を行った。表3に各検討pH及び放置時間と残存DNAの結果示す。
ヒト型化抗HM1.24抗原モノクローナル抗体含有試料(CHO細胞で培養した培養上清)をプロテインAアフィニティーカラムクロマトグラフィーを用いる方法で以下の表4に記載の条件により精製した。なお、抗HM1.24抗原モノクローナル抗体は、特許文献7に記載の方法によって作製した。
カラム:rProtein A FF、5 mL(16 mmID × 25 mmH)
流速 :5 mL/min(150 cm/h)
サンプル:培養上清直接負荷
EPO含有試料(CHO細胞で培養:中外製薬製)を用いて以下の条件検討を実施する。
残存DNAを効率的に除去するために、フィルター濾過時の最適pH条件を設定する検討を行う。EPO含有試料に低伝導度の酸性溶液(2.5mM HCl水溶液)を添加し、更に20%塩酸を用いて低伝導度の酸性水溶液状態とし、更に試料DNAを添加する。1.0M Tris水溶液により以下の各検討pH(pH=5.0又は6.6)に調整し、続いて0.22μm CAフィルター濾過処理を行う。その後、ろ過前後の画分のDNA定量を行う。以上の検討によりDNAを多量に含んだEPO含有試料からDNA量が効率的に減少するのを確認する。
G−CSF含有試料(CHO細胞で培養:中外製薬製)を用いて以下の条件検討を実施する。
残存DNAを効率的に除去するために、フィルター濾過時の最適pH条件を設定する検討を行う。G−CSF含有試料に低伝導度の酸性溶液(2.5mM HCl水溶液)を添加し、更に20%塩酸を用いて低伝導度の酸性水溶液状態とし、更に試料DNAを添加する。1.0M Tris水溶液により以下の各検討pH(pH=4.3又は6.6)に調整し、続いて0.22μm CAフィルター濾過処理を行う。その後、ろ過前後の画分のDNA定量を行う。以上の検討によりDNAを多量に含んだG−CSF含有試料からDNA量が効率的に減少するのを確認する。
BSA含有試料を用いて以下の条件検討を実施する。
残存DNAを効率的に除去するために、フィルター濾過時の最適pH条件を設定する検討を行う。BSA含有試料に低伝導度の酸性溶液(2.5mM HCl水溶液)を添加し、更に20%塩酸を用いて低伝導度の酸性水溶液状態とし、更に試料DNAを添加する。1.0M Tris水溶液により以下の各検討pH(pH=4.9又は7.5)に調整し、続いて0.22μm CAフィルター濾過処理を行う。その後、ろ過前後の画分のDNA定量を行う。以上の検討によりDNAを多量に含んだBSA含有試料からDNA量が効率的に減少するのを確認する。
Claims (15)
- 以下の段階:
1)抗体含有試料をプロテインAもしくはプロテインGのアフィニティクロマトグラフィーに適用すること、
2)モル濃度が0〜100mMであり、イオン強度が0〜0.2であり、且つ導電率が0〜300mS/mである低伝導度の酸性水溶液で溶出すること、
3)得られる溶出液に緩衝液を添加してpHを中性域に上昇させ、モル濃度が0〜100mMであり、イオン強度が0〜0.2であり、且つ導電率が0〜300mS/mである中性域の低伝導度水溶液状態とすること、及び
4)生じる粒子を除去すること、
を含む、抗体含有試料中のDNA夾雑物を除去する方法。 - 酸性水溶液が塩酸、クエン酸、酢酸の水溶液から選択される、請求項1に記載の方法。
- 酸性水溶液のpHが1.5〜3.9である請求項2に記載の方法。
- 処理後の抗体含有試料中のDNA夾雑物がDNA濃度22.5pg/ml以下である請求項1または2に記載の方法。
- 緩衝液がTris水溶液である請求項1に記載の方法。
- 緩衝液を添加してpHを4.3〜7.5に上昇させる請求項1に記載の方法。
- 抗体がヒト型化モノクローナル抗体である請求項1に記載の方法。
- 抗体がヒト型化抗IL−6レセプター抗体である請求項7に記載の方法。
- 抗体がヒト型化抗HM1.24抗原モノクローナル抗体である請求項7に記載の方法。
- 抗体がヒト型化抗副甲状腺ホルモン関連ペプチド抗体(抗PTHrP抗体)である請求項7に記載の方法。
- 抗体がヒト型化抗組織因子抗体である請求項7に記載の方法。
- 粒子をフィルター濾過によって除去する請求項1に記載の方法。
- 請求項1に記載の方法の工程を含む、精製抗体の製造方法。
- 請求項13に記載の方法で製造した精製抗体を含有する医薬品の製造方法。
- 抗体含有試料をプロテインAもしくはプロテインGのアフィニティクロマトグラフィーに適用した後、且つ、モル濃度が0〜100mMであり、イオン強度が0〜0.2であり、且つ導電率が0〜300mS/mである低伝導度の酸性水溶液で溶出する前に、モル濃度が0〜100mMであり、イオン強度が0〜0.2であり、且つ導電率が0〜300mS/mである低伝導度の水溶液でカラムを洗浄すること、を含む、請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
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