JP3416035B2 - ヒト副甲状腺ホルモン関連ペプチドに対する抗体 - Google Patents

ヒト副甲状腺ホルモン関連ペプチドに対する抗体

Info

Publication number
JP3416035B2
JP3416035B2 JP25873997A JP25873997A JP3416035B2 JP 3416035 B2 JP3416035 B2 JP 3416035B2 JP 25873997 A JP25873997 A JP 25873997A JP 25873997 A JP25873997 A JP 25873997A JP 3416035 B2 JP3416035 B2 JP 3416035B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
chain
antibody
region
ser
dna
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP25873997A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH1192500A (ja
Inventor
功 佐藤
裕二 若原
尚弘 藪田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Chugai Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Chugai Pharmaceutical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Chugai Pharmaceutical Co Ltd filed Critical Chugai Pharmaceutical Co Ltd
Priority to JP25873997A priority Critical patent/JP3416035B2/ja
Publication of JPH1192500A publication Critical patent/JPH1192500A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3416035B2 publication Critical patent/JP3416035B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
  • Saccharide Compounds (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Medicines Containing Antibodies Or Antigens For Use As Internal Diagnostic Agents (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)
  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、副甲状腺ホルモン
関連ペプチドに対するマウスモノクローナル抗体の可変
領域(V領域)とヒト抗体の定常領域(C領域)とから
なるヒト/マウスキメラ抗体、副甲状腺ホルモン関連ペ
プチドに対するマウスモノクローナル抗体の軽鎖(L
鎖)V領域及び重鎖(H鎖)V領域の相捕性決定領域が
ヒト抗体に移植されているヒト型化(humanized)抗
体、該抗体のL鎖及びH鎖、並びに該抗体のL鎖又はH
鎖を構成するV領域を含むポリペプチドに関する。
【0002】本発明はさらに、上記の抗体、特にそのV
領域をコードする塩基配列を含むDNA、及びV領域を
含むL鎖又はH鎖をコードするDNAに関する。本発明
はさらに、該DNAを含む組換えベクター、及び該ベク
ターにより形質転換された宿主に関する。
【0003】本発明はさらに、副甲状腺ホルモン関連ペ
プチドに対するキメラ抗体及びヒト型化抗体の製造方法
に関する。本発明はさらに、副甲状腺ホルモン関連ペプ
チドに対する抗体を有効成分として含む医薬組成物並び
に高カルシウム血症抑制剤及び低リン血症改善剤に関す
る。
【0004】
【従来の技術】悪性腫瘍に伴う高カルシウム血症は、全
悪性腫瘍患者の5〜20%にみられる重篤な合併症状であ
り、放置すれば確実に死に至るため悪性腫瘍の末期的症
状であると考えられている。高カルシウム血症のコント
ロールは患者の治療予後とQOL(Quality of Life)に大
きく影響することから、臨床的に重要な役割を持つ。
【0005】悪性腫瘍患者における高カルシウム血症
は、一般に、腫瘍産生性の体液性骨吸収因子によるHHM
(Humoral hypercalcemia of malignancy)と、骨に転
移又は浸潤した腫瘍の局所的な作用によるLOH(Local O
steolytic hypercalcemia)とに大別される。HHMでは骨
吸収又は骨破壊の亢進によりカルシウムの流出が増加
し、腎のカルシウム排泄能の低下とあいまって高カルシ
ウム血症を生ずると考えられている(和田誠基及び永田
直一,内科69, 644-648 )。
【0006】高カルシウム血症は、血清カルシウム値が
12mg/dlを超えるとその症状が現れると考えられ、その
症状として、初期に食思不振、悪心、嘔吐が悪性腫瘍患
者において非特異的に認められる。高カルシウム血症が
悪化すると、腎遠位尿細管の障害で水分の濃縮力が低下
するために多尿となり、また、悪心、嘔吐により水分が
十分に摂取されないため脱水を伴う。
【0007】悪性腫瘍に伴う高カルシウム血症のうちHH
Mを起こす液性因子として、PTH(副甲状腺ホルモン;Pa
rathyroid Hormone)様の物質である副甲状腺ホルモン
関連ペプチド(Parathyroid Hormone related Peptid
e、以下「PTHrP」という)がMoseley, J. M.らにより見
いだされた(Proc. Natl. Acad. Sci. USA (1987)、84,
5048-5052)。
【0008】その後、PTHrPをコードする遺伝子が単離
され(Suva, L. J. et al., Science(1987) 237, 893)
その解析から、ヒトPTHrPは遺伝子の選択的スプライシ
ングに基づく139、141及び173個のアミノ酸からなる三
種が存在すること、並びに血中では全構造を有するPTHr
P(1-139)の限定分解に基づく様々なフラグメントが存
在することが明らかになった(Baba, H. Clinical Calc
ium (1995) 5, 229-223)。PTHrPは、N末端側第1位から
第13位のアミノ酸13個のうち8個がPTHと同一である他、
第14位から第34位アミノ酸部位においてもPTHと類似の
立体構造を呈するものと推定され、少なくともN末端側
においてはPTHと共通のPTH/PTHrP 受容体に結合する(J
ueppner, H. et al., Science (1991) 254, 1024-102
6、Abou-Samra, A-B. et al., Proc. Natl. Acad. Sci.
USA (1992) 89, 2732-2736)。
【0009】PTHrPは様々な腫瘍組織から産生されるこ
とが報告されているが、腫瘍のみならず、皮膚、中枢神
経、子宮、胎盤、授乳中の乳腺、甲状腺、副甲状腺、副
腎、肝、腎、膀胱をはじめとする、胎児から成人に至る
までの種々の正常な組織により産生されることが明らか
になった(Burtis, W. J. Clin. Chem. (1992) 38, 217
1-2183、Stewart, A. F. & Broadus, A. E. J. Clin. E
ndocrinol. (1991) 71, 1410-1414)。また、PTHrPは、
胎児期から新生児期にかけて母体より高く保たれるカル
シウム代謝調節に重要な役割を演じていると考えられて
いる。
【0010】PTH/PTHrP 受容体は主に骨と腎に存在し
(滋野長平、Clinical Calcium (1995) 5, 355-359)、
PTHrPが受容体に結合することにより複数の細胞内シグ
ナル伝達系が活性化されることが知られている。その一
つは、アデニルシクラーゼであり、もう一つはフォスフ
ォリパーゼCである。アデニルシクラアーゼの活性化に
より、細胞内cAMP濃度が上昇しプロテインキナーゼAが
活性化される。また、フォスフォリパーゼCはフォスフ
ァチヂルイノシトール4, 5-ビスフォスフォネートを分
解してイノシトール1, 4, 5-トリフォスフォネートとジ
アシルグリセロールを生じさせる。これらのシグナル伝
達系にはG蛋白質が関与する(Coleman, D. T. et al.,
Biochemical mechanisms of parathyroid hormone acti
on. In: "Theparathyroids" (Bilezikian, J. P. et a
l.),Raven press, New York, (1994)page 239 )。
【0011】PTHrPは、これらのシグナル伝達系を介し
て、HHMに観察される高カルシウム血症、低リン血症、
腎リン再吸収能の低下、腎性cAMP排泄の増加などを引き
起こす。このように、PTHrPは悪性腫瘍に伴う高カルシ
ウム血症に密接に関連していることが明らかになってい
る。悪性腫瘍に伴う高カルシウム血症の治療には補液を
行う他、カルシトニン、ステロイド剤、インドメタシ
ン、無機リン酸塩、ビスフォスフォネート等が使用され
る。しかしながら、これらの薬剤は連続使用により効果
が低減すること、強い副作用が発現すること、又は薬効
発現が遅いことなどから、より治療効果が高く副作用の
少ない薬剤の使用が期待されている。
【0012】一方、悪性腫瘍に伴う高カルシウム血症治
療の新しい試みとして、Kukreja, S. C.らは、ヒト肺ガ
ン細胞又はヒト喉頭ガン細胞を移植して高カルシウム血
症を生じた無胸腺マウスにPTHrPに対する中和抗血清を
投与すると、血中カルシウム濃度及び尿cAMPレベルが減
少したことを報告している(J. Clin. Invest. (1988)
82, 1798-1802)。佐藤幹二らは、PTHrP産生ヒト腫瘍を
移植したヌードマウスにPTHrP(1-34)に対する抗体を
投与すると、高カルシウム血症を低減させ、マウスの生
存時間を大幅に延長させたことを報告している(J. bon
e & Mine. Res.(1993) 8, 849-860)。また、特開平4-2
28089号には、ヒトPTHrP(1-34)に対するマウス/ヒト
キメラ抗体が開示されている。
【0013】マウスのモノクローナル抗体はヒトにおい
て高度に免疫原性(「抗原性」という場合もある)を有
し、このため、ヒトにおけるマウスモノクローナル抗体
の医学療法的価値は制限されている。例えば、マウス抗
体をヒトに投与すると異物として代謝されうるので、ヒ
トにおけるマウス抗体の半減期は比較的短く、期待され
た効果を充分に発揮できない。さらに、投与したマウス
抗体に対して発生するヒト抗マウス抗体(HAMA)は、血
清病又は他のアレルギー反応など、患者にとって不都合
で危険な免疫応答を惹起する。したがって、マウスモノ
クローナル抗体をヒトに頻回投与することはできない。
【0014】これらの問題を解決するため、非ヒト由来
の抗体、例えばマウス由来のモノクローナル抗体の免疫
原性を低減させる方法が開発された。その一つが、抗体
の可変領域(V領域)はもとのマウスモノクローナル抗
体に由来し、定常領域(C領域)は適当なヒト抗体に由
来するキメラ抗体を作製する方法である。
【0015】得られるキメラ抗体はもとのマウス抗体の
可変領域を完全な形で含有するので、もとのマウス抗体
と同一の特異性をもって抗原に結合することが期待でき
る。さらに、キメラ抗体ではヒト以外に由来するアミノ
酸配列の比率が実質的に滅少しており、それ故にもとの
マウス抗体に比べて免疫原性が低いと予想される。キメ
ラ抗体はもとのマウスモノクローナル抗体と同等に抗原
に結合し、かつ免疫原性が低いが、それでもなおマウス
可変領域に対する免疫応答が生ずる可能性がある(LoBu
glio,A.F.et al., Proc.Natl.Acad.Sci.USA,86,4220-42
24,1989)。
【0016】マウス抗体の免疫原性を低減させるための
第二の方法は一層複雑であるが、しかしマウス抗体の潜
在的な免疫原性をさらに大幅に低下させることが期待さ
れる。この方法においては、マウス抗体の可変領域から
相補性決定領域(complementarity determining regio
n;CDR)のみをヒト可変領域に移植して「再構成」
(reshaped)ヒト可変領域を作製する。ただし、必要に
よっては、再構成ヒト可変領域のCDRの構造をより一
層もとのマウス抗体の構造に近づけるために、CDRを
支持しているフレームワーク領域(FR)の一部のアミ
ノ酸配列をマウス抗体の可変領域からヒト可変領域に移
植する場合がある。
【0017】次に、これらのヒト型化された再構成ヒト
可変領域をヒト定常領域に連結する。最終的に再構成さ
れたヒト型化抗体のヒト以外のアミノ酸配列に由来する
部分は、CDR及び極く一部のFRのみである。CDR
は超可変アミノ酸配列により構成されており、これらは
種特異的配列を示さない。このため、マウスCDRを担
持するヒト型化抗体は、もはやヒトCDRを含有する天
然ヒト抗体より強い免疫原性を有しないはずである。
【0018】ヒト型化抗体については、さらに、Riechm
ann,L.et al.,Nature,332,323-327,1988; Verhoeye,M.e
t al, Science,239,1534-1536,1988; Kettleborough,
C.A.et al.,Protein Engng.,4,773-783,1991; Maeda,H.
et al.,Human Antibodies andHybridoma,2,124-134,199
1; Gorman,S.D.et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA,8
8,4181-4185,1991; Tempest,P.R.et al., Bio/Technolo
gy, 9, 266-271, 1991; Co,M.S.et al., Proc. Natl. A
cad. Sci. USA,88,2869-2873, 1991; Carter,P.et al.,
Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 89,4285-4289,1992; C
o, M. S. et al.,J.Immunol.,148,1149-1154,1992; 及
びSato, K.et al., Cancer Res., 53, 851-856, 1993を
参照のこと。
【0019】前記のごとく、ヒト型化抗体は療法目的の
ために有用であると予想されるが、PTHrPに対するヒト
型化抗体は知られておらず、前記文献にはその示唆もな
されていない。また、ヒト型化抗体の製造方法において
任意の抗体に普遍的に適用し得る画一的な方法は存在せ
ず、特定の抗原に対して十分な結合活性、中和活性を示
すヒト型化抗体を作製するためには種々の工夫が必要で
ある(例えば、Sato,K. et al., Cancer Res.,53,851-8
56,1993を参照のこと)。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、PTHrPに対
するマウスモノクローナル抗体の可変領域(V領域)と
ヒト抗体の定常領域(C領域)とからなるヒト/マウス
キメラ抗体、PTHrPに対するマウスモノクローナル抗体
の軽鎖(L鎖)V領域及び重鎖(H鎖)V領域の相捕性
決定領域がヒト抗体に移植されているヒト型化(humani
zed )抗体、該抗体のL鎖及びH鎖、並びに該抗体のL
鎖又はH鎖を構成するV領域を含むポリペプチドを提供
することを目的とする。
【0021】本発明はさらに、上記の抗体、特にそのV
領域をコードする塩基配列を含むDNA、及びV領域を
含むポリペプチドを含むL鎖又はH鎖をコードするDN
Aを提供することを目的とする。本発明はさらに、該D
NAを含む組換えベクター、及び該ベクターにより形質
転換された宿主を提供することを目的とする。本発明は
さらに、PTHrPに対するキメラ抗体及びヒト型化抗体の
製造方法を提供することを目的とする。本発明はさら
に、中和活性が高いPTHrPに対する抗体を提供すること
を目的とする。本発明はさらに、PTHrPに対する抗体又
はヒト型化抗体を有効成分として含む医薬組成物並びに
高カルシウム血症抑制剤、低リン血症改善剤及びアルカ
ローシス改善剤を提供することを目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
に基づいて鋭意研究を行った結果、PTHrPに対するマウ
スモノクローナル抗体のヒトにおける免疫原性が低減さ
れている抗体を得ることに成功し、本発明を完成するに
至った。すなわち、本発明は、ヒト抗体のL鎖C領域、
及びPTHrPに対するマウスモノクローナル抗体のL鎖V
領域を含むキメラL鎖である。L鎖V領域としては、配
列番号45で表されるアミノ酸配列を含むものが挙げら
れ、L鎖C領域としてはCλ領域のものが挙げられる。
【0023】さらに、本発明は、ヒト抗体のH鎖C領
域、及びPTHrP に対するマウスモノクローナル抗体のH
鎖V領域を含むキメラH鎖である。H鎖V領域として
は、配列番号46で表されるアミノ酸配列を含むものが挙
げられ、C領域としてはCγ1領域のものが挙げられ
る。さらに、本発明は、前記キメラL鎖及びキメラH鎖
を含む、PTHrPに対するキメラモノクローナル抗体であ
る。
【0024】さらに、本発明は、ヒト抗体のL鎖V領域
のフレームワーク領域1〜4、及びPTHrPに対するマウ
スモノクローナル抗体のL鎖V領域の相補性決定領域1
〜3を含む、ヒト型化抗体のL鎖V領域を含むポリペプ
チドである。相補性決定領域1〜3としては、それぞれ
配列番号59〜61で表されるアミノ酸配列を含むものが挙
げられる。フレームワーク領域1〜3としてはそれぞれ
ヒト抗体HSU03868のフレームワーク領域1〜3由来のも
の、かつ、フレームワーク領域4としてはヒト抗体S257
55のフレームワーク4由来のものが挙げられる。あるい
は、フレームワーク領域1〜3としてはそれぞれヒト抗
体HSU03868のフレームワーク領域1〜3と実質的に同一
のもの、かつ、フレームワーク領域4としてはヒト抗体
S25755のフレームワーク領域4と実質的に同一のものが
挙げられる。
【0025】ここで、「実質的に同一」とは、ヒト型化
抗体において使用されるヒト抗体のフレームワーク領域
において、ヒト型化抗体がマウスモノクローナル抗体と
同等の活性を有するように、マウスモノクローナル抗体
の相補性決定領域を形成するために必要なアミノ酸の欠
失、置換、付加等を生じてもよいことを意味する。
【0026】さらに、本発明は、フレームワーク領域中
のKabatの規定(Kabat,E.A.et al.,US Dept. Health and
Human Services,US Government Printing Offices,199
1)による第36番目のアミノ酸がチロシンであり、かつ、
同第49番目のアミノ酸がアスパラギン酸である、ヒト型
化抗体のL鎖V領域を含むポリペプチドである。
【0027】さらに、本発明は、配列番号48〜51で表さ
れるいずれかのアミノ酸配列を含む、ヒト型化抗体のL
鎖V領域を含むポリペプチドである。さらに、本発明
は、フレームワーク領域中のKabat の規定による第45番
目のアミノ酸がリジンであり、かつ、同第87番目のアミ
ノ酸がイソロイシンである、ヒト型化抗体のL鎖V領域
を含むポリペプチドである。さらに、本発明は、配列番
号52〜55で表されるいずれかのアミノ酸配列を含む、ヒ
ト型化抗体のL鎖V領域を含むポリペプチドである。
【0028】さらに、本発明は、ヒト抗体のH鎖V領域
のフレームワーク領域1〜4、及びヒトPTHrP に対する
マウスモノクローナル抗体のH鎖V領域の相補性決定領
域1〜3を含む、ヒト型化抗体のH鎖V領域を含むポリ
ペプチドである。相補性決定領域1〜3としては、それ
ぞれ配列番号62〜64で表されるアミノ酸配列を含むもの
が挙げられ、フレームワーク領域1〜4としては、ヒト
サブグループIII (Human Subgroup III(HSG III)、Kaba
t,E.A.et al.,US Dept.Health and Human Services, US
Government Printing Offices,1991)に属するヒト抗体
のフレームワーク領域1〜4由来のもの、より詳しくは
それぞれヒト抗体S31679のフレームワーク領域1〜4由
来のものが挙げられ、あるいはヒト抗体S31679のフレー
ムワーク領域1〜4と実質的に同一のものが挙げられ
る。
【0029】さらに、本発明は、配列番号56で表される
アミノ酸配列を含む、ヒト型化抗体のH鎖V領域を含む
ポリペプチドである。さらに、本発明は、前記ヒト型化
抗体のL鎖V領域を含むポリペプチド及びヒト抗体のL
鎖C領域を含むポリペプチドを含む、ヒトPTHrP に対す
るヒト型化抗体のL鎖である。ここで、C領域としては
Cλ領域、フレームワーク領域1〜3としてはそれぞれ
ヒト抗体HSU03868のフレームワーク領域1〜3と実質的
に同一のもの、フレームワーク領域4としてはヒト抗体
S25755のフレームワーク領域4と実質的に同一のもの、
そして相補性決定領域1〜3のアミノ酸配列としてはそ
れぞれ配列番号59〜61で表されるものが挙げられる。
【0030】さらに、本発明は、前記ヒト抗体のH鎖C
領域を含むポリペプチド及びH鎖V領域を含むポリペプ
チドを含む、ヒトPTHrP に対するヒト型化抗体のH鎖で
ある。C領域としてはCγ1領域、フレームワーク領域
1〜4としてはHSGIIIに属するヒト抗体由来のフレーム
ワーク領域1〜4由来のもの、そして相補性決定領域1
〜3としてはそれぞれ配列番号62〜64で表されるアミノ
酸配列を含むものが挙げられる。
【0031】さらに、本発明は、抗原性が弱く、中和活
性が高い抗PTHrP 抗体に関する。該PTHrP 抗体はヒトの
疾患の治療に供することが可能な、ヒト抗体、ヒト型化
抗体、キメラ抗体、プライマタイズド抗体などを含む。
また、該抗体は低い解離定数を有するものである。さら
に、本発明の抗体は解離定数が小さいため中和活性が高
く、ヒトの疾患の治療に供することができる。
【0032】本発明の抗体は、1.86×10-7[M] 以下の解
離定数、1.22×10-1[1/Sec]以下の解離速度定数、そし
て6.55×104[1/M.Sec] 以上の結合速度定数を有するも
のである。また、これらの定数は、RI標識されたリガ
ンドを用いたスキャッチャード解析や表面プラズモン共
鳴センサー等により測定することができる。
【0033】さらに、本発明は、ヒトPTHrP に対するマ
ウスモノクローナル抗体のL鎖V領域をコードする塩基
配列を含むDNA又はH鎖V領域をコードする塩基配列
を含むDNAである。L鎖V領域及びH鎖V領域として
は、それぞれ配列番号45、46で表されるアミノ酸配列を
含むものが挙げられ、L鎖V領域をコードする塩基配列
を含むDNAとしては例えば配列番号65で表されるもの
が挙げられ、H鎖V領域をコードする塩基配列を含むD
NAとしては配列番号57で表されるものが挙げられる。
【0034】さらに、本発明は、前記キメラL鎖又はキ
メラH鎖をコードするDNAである。該L鎖をコードす
るDNAとしては例えば配列番号65で表される塩基配列
を含むものが挙げられ、該H鎖をコードするDNAとし
ては配列番号57で表される塩基配列を含むものが挙げら
れる。
【0035】さらに、本発明は、前記ヒト型化抗体のL
鎖V領域コードする塩基配列を含むDNA又はH鎖V領
域をコードする塩基配列を含むDNAである。L鎖V領
域をコードする塩基配列を含むDNAとしては配列番号
66〜74で表されるいずれかの塩基配列を含むものが挙げ
られ、H鎖V領域をコードする塩基配列を含むDNAと
しては配列番号58で表されるものが挙げられる。
【0036】さらに、本発明は、配列番号47〜55で表さ
れるいずれかのアミノ酸配列をコードする塩基配列を含
む、ヒト型化抗体のL鎖V領域のDNAである。該DN
Aとしては、配列番号66〜74で表されるいずれかの塩基
配列を含むものが挙げられる。さらに、本発明は、配列
番号56で表されるアミノ酸配列をコードする、ヒト型化
抗体のH鎖V領域のDNAである。該DNAとしては配
列番号58で表される塩基配列を含むものが挙げられる。
【0037】さらに、本発明は、前記いずれかのDNA
を含む組換えベクターである。さらに、本発明は、前記
組換えベクターにより形質転換された形質転換体であ
る。さらに、本発明は、前記形質転換体を培養し、得ら
れる培養物からヒト副甲状腺関連ペプチドに対するキメ
ラ抗体又はヒト型化抗体を採取することを特徴とするヒ
ト副甲状腺関連ペプチドに対するキメラ抗体又はヒト型
化抗体の製造方法である。
【0038】さらに、本発明は、前記抗体を有効成分と
して含む医薬組成物並びに高カルシウム血症抑制剤及び
低リン血症改善剤である。該カルシウム血症は悪性腫瘍
に起因するものであり、また、悪性腫瘍随伴性高カルシ
ウム血症患者においてはしばしば低リン血症が認められ
る。従って、本発明の抗体は、上記悪性腫瘍に対する治
療又は高カルシウム血症若しくは低リン血状症状の軽減
をするために使用することができる。なお、悪性腫瘍と
しては、例えば膵臓癌、肺癌、咽頭癌、喉頭癌、舌癌、
歯肉癌、食道癌、胃癌、胆管癌、乳癌、腎癌、膀胱癌、
子宮癌、前立腺癌及び悪性リンパ腫からなる群から選ば
れる少なくとも一つが挙げられるが、これらの癌に限定
されるものではなく、高カルシウム血症をもたらす悪性
腫瘍はすべて本発明の高カルシウム血症抑制剤の適用の
対象とすることができる。以下、本発明を詳細に説明す
る。
【0039】
【発明の実施の形態】
1.ヒトPTHrP に対するマウスモノクローナル抗体の作
製 PTHrPに対するマウスモノクローナル抗体は、抗原で免
疫した動物から得られる抗体産生細胞と、ミエローマ細
胞との細胞融合によりハイブリドーマを調製し、得られ
るハイブリドーマからPTHrP活性を特異的に阻害する抗
体を産生するクローンを選択することにより調製するこ
とができる。
【0040】(1) 抗原の調製 動物の免疫に用いるPTHrPとしては、組換えDNA法又
は化学合成により調製したPTHrPのアミノ酸配列の全部
若しくは一部のペプチド、又は高カルシウム血症を惹起
する癌細胞の培養上清液由来のPTHrPなどが挙げられ
る。例えば、公知のPTHrP(Kemp,B.E. et al., Science
(1987)238,1568-1570) の第1〜34番目のアミノ酸から
なるペプチド(PTHrP(1-34))を抗原として用いること
ができる。なお、ヒトPTHrP(1-34)は、配列番号75で表
されるアミノ酸配列を有するものである。
【0041】得られたPTHrPをキャリアータンパク質
(例えばサイログロブリン)に結合させた後、アジュバ
ントを添加する。アジュバントとしては、フロイント完
全アジュバント、フロイントの不完全アジュバント等が
挙げられ、これらの何れのものを混合してもよい。
【0042】(2) 免疫及び抗体産生細胞の採取 上記のようにして得られた抗原を哺乳動物、例えばマウ
ス、ラット、ウマ、サル、ウサギ、ヤギ、ヒツジなどの
哺乳動物に投与する。免疫は、既存の方法であれば何れ
の方法をも用いることができるが、主として静脈内注
射、皮下注射、腹腔内注射などにより行う。また、免疫
の間隔は特に限定されず、数日から数週間間隔で、好ま
しくは4〜21日間間隔で免疫する。
【0043】最終の免疫日から2〜3日後に抗体産生細
胞を採集する。抗体産生細胞としては、脾臓細胞、リン
パ節細胞、末梢血細胞が挙げられるが、一般に脾臓細胞
が用いられる。抗原の免疫量は1回にマウス1匹当た
り、100 μg用いられる。
【0044】(3) 抗体価の測定 免疫した動物の免疫応答レベルを確認し、また、細胞融
合処理後の細胞から目的とするハイブリドーマを選択す
るため、免疫した動物の血中抗体価、又は抗体産生細胞
の培養上清中の抗体価を測定する。抗体検出の方法とし
ては、公知技術、例えばEIA(エンザイムイムノアッセ
イ)、RIA(ラジオイムノアッセイ)、ELISA(酵素連結イ
ムノソルベントアッセイ)等が挙げられる。
【0045】(4) 細胞融合 抗体産生細胞と融合させるミエローマ(骨髄腫)細胞と
して、マウス、ラット、ヒトなど種々の動物に由来し、
当業者が一般に入手可能な株化細胞を使用する。使用す
る細胞株としては、薬剤抵抗性を有し、未融合の状態で
は選択培地(例えばHAT培地)で生存できず、融合し
た状態でのみ生存できる性質を有するものが用いられ
る。一般的に8-アザグアニン耐性株が用いられ、この
細胞株は、ヒポキサンチン−グアニン−ホスホリボシル
トランスフェラーゼを欠損し、ヒポキサンチン・アミノ
プテリン・チミジン(HAT)培地に生育できないもの
である。
【0046】ミエローマ細胞は、既に公知の種々の細胞
株、例えば、P3 (P3x63Ag8.653) (J.Immunol.(1979)12
3:1548-1550) 、P3x63Ag8U.1 (Current Topics in Micr
obiology and Immunology (1978) 81:1-7)、NS-1(Kohle
r,G.and Milstein, C., Eur.J.Immunol.(1976)6:511-51
9)、MPC-11 (Margulies,D.H.et al., Cell (1976) 8:40
5-415)、SP2/0 (Shulman,M. et al., Nature(1978)276:
269-270)、FO(de St.Groth, S.F.et al., J.Immunol. M
ethods (1980) 35:1-21)、S194 (Trowbridge, I.S., J.
Exp.Med. (1978)148:313-323) 、R210 (Galfre,G. et a
l., Nature (1979) 277:131-133)等が好適に使用され
る。
【0047】抗体産生細胞は、脾臓細胞、リンパ節細胞
などから得られる。すなわち、前記各種動物から脾臓、
リンパ節等を摘出又は採取し、これら組織を破砕する。
得られる破砕物をPBS 、DMEM、RPMI1640等の培地又は緩
衝液に懸濁し、ステンレスメッシュ等で濾過後、遠心分
離を行うことにより目的とする抗体産生細胞を調製す
る。
【0048】次に、上記ミエローマ細胞と抗体産生細胞
とを細胞融合させる。細胞融合は、MEM 、DMEM、RPME-1
640 培地などの動物細胞培養用培地中で、ミエローマ細
胞と抗体産生細胞とを、混合比1:1〜1:10で融合促
進剤の存在下、30〜37℃で1〜15分間接触させることに
よって行われる。細胞融合を促進させるためには、平均
分子量1,000〜6,000 のポリエチレングリコール、ポリ
ビニルアルコール又はセンダイウイルスなどの融合促進
剤や融合ウイルスを使用することができる。また、電気
刺激(例えばエレクトロポレーション)を利用した市販
の細胞融合装置を用いて抗体産生細胞とミエローマ細胞
とを融合させることもできる。
【0049】(5) ハイブリドーマの選択及びクローニン
グ 細胞融合処理後の細胞から目的とするハイブリドーマを
選別する。その方法として、選択培地における細胞の選
択的増殖を利用する方法等が挙げられる。すなわち、細
胞懸濁液を適切な培地で希釈後、マイクロタイタープレ
ート上にまき、各ウェルに選択培地( HAT培地など)を
加え、以後適当に選択培地を交換して培養を行う。その
結果、生育してくる細胞をハイブリドーマとして得るこ
とができる。ハイブリドーマのスクリーニングは、限界
希釈法、蛍光励起セルソーター法等により行い、最終的
にモノクローナル抗体産生ハイブリドーマを取得する。
【0050】(6) モノクローナル抗体の採取 取得したハイブリドーマからモノクローナル抗体を採取
する方法としては、通常の細胞培養法や腹水形成法等が
挙げられる。細胞培養法においては、ハイブリドーマを
10〜20%ウシ胎児血清含有 RPMI-1640培地、MEM 培地、
又は無血清培地等の動物細胞培養培地中で、通常の培養
条件(例えば37℃,5%CO2濃度)で2〜14日間培養
し、その培養上清から抗体を取得する。
【0051】腹水形成法においては、ミエローマ細胞由
来の哺乳動物と同種の動物の腹腔内にハイブリドーマを
投与し、ハイブリドーマを大量に増殖させる。そして、
1〜4週間後に腹水又は血清を採取する。上記抗体の採
取方法において、抗体の精製が必要とされる場合は、硫
安塩析法、イオン交換クロマトグラフィー、アフィニテ
ィークロマトグラフィーなどの公知の方法を適宜に選択
して、又はこれらを組み合わせることにより精製する。
【0052】2.キメラ抗体の構築 (1)ヒトPTHrPに対するマウスモノクローナル抗
体のV領域をコードする塩基配列を含むDNAのクローニ
ング (i) mRNAの調製 ヒトPTHrPに対するマウスモノクローナル抗体のV
領域をコードする塩基配列を含むDNAのクローニング
を行うため、回収されたハイブリドーマから公知の方
法、例えばグアニジン−超遠心法(Chirgwin,J.M. ら、
Biochemistry (1979), 18, 5294-5299) 、AGPC法
(Chomczynski,P ら、Analytical Biochemistry (198
7), 162, 156-159)等により全RNAを調製し、mRN
A Purification Kit (Pharmacia 社製)に添付された
Oligo(dT)-セルローススパンカラム等によりmRNAを
調製する。また、Quick Prep mRNA Purification Kit
(Pharmacia 社製) を用いることにより、全RNAの抽
出操作を経ずに、mRNAの調製を行うこともできる。
【0053】(ii)cDNAの調製及び増幅 上記(i) で得たmRNAから、逆転写酵素を用いてL鎖
及びH鎖のV領域におけるcDNAをそれぞれ合成す
る。cDNAの合成は、Oligo-dTプライマー又はL鎖C
領域若しくはH鎖C領域とハイブリダイズする適当なプ
ライマー(例えば配列番号1で表される塩基配列を有す
るMHC2プライマー)を用いることが出来る。cDN
A合成反応は、前記mRNAとプライマーとを混合し、
逆転写酵素の存在下で例えば52℃で30分の反応を行
う。
【0054】cDNAの増幅は、L鎖及びH鎖ともに
5’-Ampli FINDER RACE kit (CLONTECH社)を用いた5’
−RACE法(Frohman,M. A.ら, Proc. Natl. Acad. S
ci. USA 85, 8998-9002, 1988、Belyavsky,A.ら, Nucle
ic Acids Res. 17, 2919-2932,1989)に基づくPCR
(ポリメラーゼ連鎖反応)にて行うことが出来る。すな
わち、上記で合成したcDNAの5’末端にAmpli FIND
ER Anchor(配列番号42)を連結し、L鎖V領域及び
H鎖V領域をコードする塩基配列を含むDNA(以下、
L鎖V領域をコードする塩基配列を含むDNAを「L鎖
V領域のDNA」又は「L鎖V領域をコードするDN
A」と略記することもある(H鎖V領域、C領域等につ
いても同様))についてPCRを行う。
【0055】L鎖V領域のDNAを増幅するためのプラ
イマーとして、例えばAnchorプライマー(配列番
号2)及びマウス抗体のL鎖λ鎖定常領域(Cλ領域)
の保存配列から設計したプライマー(例えば配列番号4
で表される塩基配列を有するMLCプライマー)を用い
ることが出来る。また、H鎖V領域のDNAを増幅する
ためのプライマーとして、例えばAnchorプライマ
ー(配列番号2)及びMHC−G1プライマー(配列番
号3)(S.T.Jones ら, Biotechnology, 9, 88, 1991)
を用いることが出来る。
【0056】(iii) DNAの精製及び塩基配列の決定 PCR産物について、公知手法に従ってアガロースゲル
電気泳動を行い、目的とするDNA断片を切り出した
後、DNAの回収及び精製を行い、ベクターDNAに連
結する。DNAの精製は、市販のキット(例えばGENECL
EAN II; BIO101) を用いて行われる。DNA断片を保持
するためのベクターDNAには公知のもの(例えばpUC1
9 、Bluescript等)を用いることができる。
【0057】前記DNAと上記ベクターDNAとを、公
知のライゲーションキット(宝酒造製)を用いて連結さ
せ、組換えベクターを得る。次に、得られる組換えベク
ターを大腸菌JM109 等に導入した後アンピシリン耐性コ
ロニーを選抜し、公知方法に基づいてベクターDNAを
調製する(J.Sambrook, et al., Molecular Cloning,Co
ld Spring Harbor Laboratory Press, 1989) 。目的と
するDNAの塩基配列は、上記ベクターDNAを制限酵
素で消化した後、公知方法(例えばジデオキシ法)によ
り決定する(J.Sambrook, et al., Molecular Cloning,
Cold Spring Harbor Laboratory Press, 1989) 。本発
明では、自動塩基配列決定装置(DNA Sequencer 373A;
ABI 社) を用いることができる。
【0058】(iv)相補性決定領域 H鎖V領域及びL鎖V領域は、抗原結合部位を形成し、
その全般の構造は互いに類似性を有している。すなわ
ち、それぞれ4つのフレームワーク領域(FR)部分
が、3つの超可変領域、すなわち相補性決定領域(CD
R)により連結されている。FRのアミノ酸配列は比較
的よく保存されているが、一方、CDR領域のアミノ酸
配列の変異性は極めて高い(Kabat,E.A.ら、「Sequence
of Proteinsof Immunological Interest」 US Dept. H
ealth and Human Services, 1983)。
【0059】前記4個のFRの多くの部分は、β−シー
ト構造をとり、その結果3個のCDRはループを形成す
る。CDRは、ある場合にはβ−シート構造の一部を形
成することもある。従って、3個のCDRはFRによっ
て相互に立体的に非常に近い位置に保持され、そしてF
Rは対をなす領域の3個のCDRと共に抗原結合部位を
形成する。
【0060】このような事実に基づき、ヒトPTHrP
に対するマウスモノクローナル抗体の可変領域のアミノ
酸配列をKabatらにより作成された抗体のアミノ酸
配列のデータベース(「Sequence of Proteins of Immu
nological Interest」 US Dept. Health and Human Ser
vices, 1983)にあてはめて、相同性を調べることにより
CDR領域を見い出すことが出来る。
【0061】(2)キメラ抗体の発現ベクターの作製 マウスモノクローナル抗体のマウスL鎖(以下、抗体の
L鎖又はH鎖を表す場合は、マウスについては「マウス
L鎖」、ヒト抗体のH鎖については「ヒトH鎖」のよう
に略記することもある。)及びH鎖V領域をコードする
DNA断片がクローニングされれば、これらのマウスV
領域をコードするDNAを、ヒト抗体定常領域をコード
するDNAと連結して発現させることによってキメラ抗
ヒトPTHrP抗体が得られる。
【0062】キメラ抗体を作製するための基本的な方法
は、クローン化されたcDNAに存在するマウスリーダ
ー配列及びV領域配列を、哺乳類細胞の発現ベクター中
にすでに存在するヒト抗体C領域をコードする配列に連
結することを含んでなる。あるいは、クローン化された
cDNAに存在するマウスリーダー配列及びV領域の配
列をヒト抗体C領域をコードする配列に連結した後、哺
乳類細胞発現ベクターに連結することを含んでなる。
【0063】ヒト抗体C領域を含むポリペプチドは、任
意のヒト抗体のH鎖C領域及びヒト抗体のL鎖C領域の
ものとすることができ、例えばヒトH鎖のものについて
はCγ1、Cγ2、Cγ3又はCγ4、及びL鎖のもの
についてはCλ又はCκを各々挙げることができる。
【0064】キメラ抗体の製造のためには、まず、2種
類の発現ベクター、すなわちエンハンサー/プロモータ
ー系のごとき発現制御領域による制御のもとでマウスL
鎖V領域をコードするDNA及びヒトL鎖C領域をコー
ドするDNAを含む発現ベクター、並びにエンハンサー
/プロモーター系のごとき発現制御領域のもとでマウス
H鎖V領域をコードするDNA及びヒトH鎖C領域をコ
ードするDNAを含む発現ベクターを作製する。次に、
これらの発現ベクターにより哺乳類細胞のごとき宿主細
胞を同時形質転換し、そして形質転換された細胞をイン
−ビトロ又はイン−ビボで培養してキメラ抗体を製造す
る(例えば、WO91/16928参照)。
【0065】あるいは、クローン化されたcDNAに存
在するマウスリーダー配列並びにマウスL鎖V領域をコ
ードするDNA及びヒトL鎖C領域をコードするDNA
と、マウスリーダー配列並びにマウスH鎖V領域をコー
ドするDNA及びヒトH鎖C領域をコードするDNAと
を単一の発現ベクター(例えば、WO94/11523
参照)に導入し、そして該ベクターを用いて宿主細胞を
形質転換し、次にこの形質転換された宿主をイン−ビボ
又はイン−ビトロで培養して目的とするキメラ抗体を生
産させる。
【0066】(i) キメラ抗体H鎖の構築 キメラ抗体のH鎖発現ベクターは、マウスのH鎖V領域
をコードする塩基配列を含むcDNA(以下、「H鎖V
領域のcDNA」ともいう)を、ヒト抗体のH鎖C領域
をコードする塩基配列を含むゲノムDNA(以下、「H
鎖C領域のゲノムDNA」ともいう)又は当該領域をコ
ードするcDNA(以下、「H鎖C領域のcDNA」と
もいう)を含む適当な発現ベクターに導入することによ
り得ることが出来る。H鎖C領域としては、例えばCγ
1、Cγ2、Cγ3又はCγ4領域が挙げられる。
【0067】(i-a) H鎖C領域をコードするゲノムDN
Aを含むキメラH鎖発現ベクターの構築 H鎖C領域をコードするゲノムDNAを有する発現ベク
ターとしては、Cγ1領域をコードするものについて
は、例えばHEF−PMh−gγ1(WO92/197
59参照)又はDHFR−△E−RVh−PM1−f
(WO92/19759参照)が挙げられる。
【0068】ここで、マウスH鎖V領域をコードするc
DNAをこれらの発現ベクターに挿入するにあたり、P
CR法により該cDNAに適当な塩基配列を導入するこ
とが出来る。例えば、該cDNAの5’−末端に適当な
制限酵素の認識配列を有するように、そして転写効率を
よくするため該cDNAの開始コドン直前にKozak
コンセンサス配列を有するように設計したPCRプライ
マー、及び、該cDNAの3’−末端に適当な制限酵素
の認識配列を有するように、そしてゲノムDNAの一次
転写産物が正しくスプライスされmRNAとなるための
スプライスドナー部位を有するように設計したPCRプ
ライマーを用いてPCRを行うことで、これら適当な塩
基配列を発現ベクターに導入することができる。
【0069】こうして構築したマウスH鎖V領域をコー
ドするcDNAを適当な制限酵素で処理した後、上記発
現ベクターに挿入して、H鎖C領域(Cγ1領域)をコ
ードするゲノムDNAを含むキメラH鎖発現ベクターを
構築する。
【0070】(i-b) H鎖をコードする塩基配列を含むc
DNAを含むキメラH鎖発現ベクターの構築 H鎖C領域(例えばCγ1領域)をコードするcDNA
を有する発現ベクターは、以下のようにして構築するこ
とができる。すなわち、ヒト型化PM1抗体のH鎖V領
域及びヒト抗体H鎖C領域Cγ1のゲノムDNA(N. T
akahashi, et al., Cell 29, 671-679 1982)をコード
するDNAを含む発現ベクターDHFR−△E−RVh
−PM1−f(WO92/19759参照)と、ヒト型
化PM1抗体L鎖V領域のゲノムDNAびヒト抗体L鎖
κ鎖C領域のゲノムDNAをコードするDNAを含む発
現ベクターRVl−PM1a(WO92/19759参
照)とを導入したCHO細胞からmRNAを調製し、R
T−PCR法により、ヒト型化PM1抗体H鎖V領域コ
ードするcDNA及びヒト抗体H鎖C領域(Cγ1)を
コードするcDNAをクローニングし、該cDNAを適
当な制限酵素処理を行った動物細胞発現用ベクターに連
結することにより、目的とする発現ベクターが構築され
る。
【0071】ここで、マウスH鎖V領域をコードするc
DNAを、ヒト抗体H鎖C領域Cγ1をコードするcD
NAと直接連結するにあたり、H鎖V領域をコードする
cDNAを含む断片に、PCR法により適当な塩基配列
を導入することが出来る。例えば、該cDNAの5’−
末端に適当な制限酵素の認識配列を有するように、そし
て転写効率をよくするために該cDNAの開始コドン直
前にKozakコンセンサス配列を有するように設計し
たPCRプライマー、及び、該cDNAの3’−末端に
H鎖C領域Cγ1のDNAと直接連結するための適当な
制限酵素の認識配列を有するように設計したPCRプラ
イマーを用いてPCRを行うことで、これら適当な塩基
配列を該cDNAに導入する。
【0072】こうして構築したマウスH鎖V領域をコー
ドするcDNAを適当な制限酵素で処理して、上記H鎖
C領域Cγ1をコードするcDNAと連結して、pCO
S1又はpCHO1のごとき発現ベクターに挿入するこ
とにより、キメラH鎖をコードするcDNAを含む発現
ベクターを構築することが出来る。
【0073】(ii)キメラ抗体L鎖の構築 キメラ抗体のL鎖発現ベクターは、マウスL鎖V領域を
コードするcDNAと、ヒト抗体のL鎖C領域をコード
するゲノムDNA又はcDNAとを連結し、適当な発現
ベクターに導入することにより得ることが出来る。L鎖
C領域としては、例えばκ鎖又はλ鎖が挙げられる。
【0074】(ii-a) キメラL鎖λ鎖をコードするcD
NAを含む発現ベクターの構築 マウスL鎖V領域をコードするcDNAを含む発現ベク
ターを構築するにあたり、PCR法により適当な塩基配
列を該発現ベクターに導入することが出来る。例えば、
該cDNAの5’−末端に適当な制限酵素の認識配列を
有するように、そして転写効率をよくするためのKoz
akコンセンサス配列を有するように設計したPCRプ
ライマー、及び、3’−末端に適当な制限酵素の認識配
列を有するように設計したPCRプライマーを用いてP
CRを行うことで、これら適当な塩基配列を該cDNA
に導入する。
【0075】ヒトL鎖λ鎖C領域をコードするcDNA
は、全塩基配列をDNA合成機で合成し、PCR法によ
り構築することが出来る。ヒトL鎖λ鎖C領域は、アイ
ソタイプの違いにより少なくとも4種類の存在が知ら
れ、いずれのアイソタイプも発現ベクターの構築に用い
ることが可能である。例えば、クローニングしたマウス
モノクローナル抗体L鎖λ鎖C領域との相同性の検索か
ら、ヒトL鎖λ鎖C領域断片のアイソタイプとしてMc
g+ Ke+ Oz− (accession No. X57819) (P.D
ariavachら, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 84, 9074-9
078, 1987)のものを選択して発現ベクターの構築に用い
ることが出来る。公知のヒトL鎖λ鎖C領域、例えばM
cg+ Ke+ Oz− のcDNAを構築するため
に、例えば配列番号11から14に示す4本の下記プラ
イマーに分ける。プライマーMBC1HGP1(配列番
号11)及びMBC1HGP3(配列番号13)はセン
スDNA配列を有し、MBC1HGP2(配列番号1
2)及びMBC1HGP4(配列番号14)はアンチセ
ンスDNA配列を有し、それぞれのプライマーの両端に
20から23bpの相補的配列を有する様に設計する。
【0076】MBC1HGPS(配列番号15)及びM
BC1HGPR(配列番号16)は外部プライマーと呼
ばれ、MBC1HGP1、MBC1HGP4とそれぞれ
相同な配列を有しており、それぞれ適当な制限酵素の認
識配列をそれぞれ含んでいる。PCR法を用いて、4本
のプライマーをアセンブリさせ、完全長のcDNA合成
し、さらに外部プライマーを加えcDNAの増幅を行
う。PCR法によるアセンブリとは、MBC1HGP1
とMBC1HGP2、又はMBC1HGP3とMBC1
HGP4とがその相補的配列によりアニーリングし、M
BC1HGP1−MBC1HGP2断片とMBC1HG
P3−MBC1HGP4断片が合成され、さらに、各断
片の相補的配列によりアニーリングして、完全長のヒト
L鎖λ鎖C領域をコードするcDNAが合成されること
を指す。
【0077】このようにして構築したヒトL鎖λ鎖C領
域をコードするcDNAと、上記のようにして構築した
マウスL鎖V領域をコードするcDNAとを、適当な制
限酵素部位間で連結し、さらにpCOS1又はpCHO
1のごとき発現ベクターに挿入することにより、キメラ
抗体のL鎖λ鎖をコードするcDNAを含む発現ベクタ
ーを構築することが出来る。
【0078】(ii-b)キメラL鎖κ鎖をコードするcDN
Aを含む発現ベクターの構築 マウスL鎖V領域をコードするcDNAを含む発現ベク
ターを構築するにあたり、PCR法により、該cDNA
に適当な塩基配列を導入することが出来る。例えば、該
cDNAの5’−末端に適当な制限酵素の認識配列を有
するように、そして転写効率をよくするためのKoza
kコンセンサス配列を有するように設計したPCRプラ
イマー、及び、3’−末端に適当な制限酵素の認識配列
を有するように設計したPCRプライマーを用いてPC
Rを行うことで、これら適当な塩基配列を該cDNAに
導入する。
【0079】マウスL鎖V領域をコードするDNAと連
結させるためのヒトL鎖κ鎖C領域をコードするDNA
は、例えばゲノムDNAを含むHEF-PM1k-gk(WO9
2/19759参照)から構築することが出来る。PC
R法により、L鎖κ鎖C領域をコードするDNAの5’
−末端及び3’−末端に適当な制限酵素の認識配列を導
入し、上記のようにして構築したマウスL鎖V領域をコ
ードするDNAとL鎖κ鎖C領域をコードするDNAと
を連結し、pCOS1又はpCHO1のごとき発現ベク
ターに挿入することにより、キメラ抗体のL鎖κ鎖をコ
ードするcDNAを含む発現ベクターを構築することが
出来る。
【0080】3.ヒト型化抗体の作製 (1)ヒト抗体との相同性検索 マウスモノクローナル抗体のCDRがヒト抗体に移植さ
れているヒト型化抗体を作製するためには、マウスモノ
クローナル抗体のFRとヒト抗体のFRとの間に高い相
同性が存在することが望ましい。従って、マウス抗ヒト
PTHrPモノクローナル抗体のH鎖及びL鎖のV領域
を、プロテイン・データ・バンクを用いて構造が解明さ
れているすべての既知抗体のV領域と比較する。また、
同時にKabatらにより、抗体のFRの長さ、アミノ
酸の相同性等によって分類されたヒト抗体のサブグルー
プ(HSG:Human subgroup)(Kabat, E.A. ら、US De
p.Health and Human Services, US Government Printin
g Offices,1991) との比較を行う。
【0081】ヒトH鎖V領域の場合は、Kabatらに
よるHSG分類により、HSGI〜IIIに分類すること
が出来、マウス抗ヒトPTHrPモノクローナル抗体H
鎖V領域は、HSGIIIのコンセンサス配列と82.7%の
ホモロジーを有する。一方、ヒトL鎖λ鎖V領域は、K
abatらによるHSG分類により、HSGI〜VIに分
類することが出来、マウス抗ヒトPTHrPモノクロー
ナル抗体L鎖λ鎖V領域は、いずれのサブグループに属
するヒトL鎖λ鎖V領域のコンセンサス配列とも高いホ
モロジーを有さない。
【0082】従って、マウス抗ヒトPTHrPモノクロ
ーナル抗体をヒト型化する際には、ヒトH鎖V領域とし
てHSGIIIに属し、最も相同性の高いヒトH鎖V領
域、又はカノニカルストラクチャー(Chothia C, et a
l., J. Mol. Biol. 196, 901-917,1987)の一致するFR
の構造を有するヒトH鎖V領域をヒト型化抗体の構築に
使用することが望ましい。また、ヒトL鎖λ鎖V領域の
サブグループには相同性の高いコンセンサス配列がない
ことより、プロテイン・データ・バンクに登録されてい
る最も高い相同性を有するヒト抗体L鎖λ鎖V領域をヒ
ト型化抗体の構築に使用することが望ましい。
【0083】(2)ヒト型化抗体V領域をコードするD
NAの設計 ヒト型化抗体V領域をコードするDNAの設計における
第一段階は、設計の基礎となるヒト抗体V領域を選択す
ることである。本発明においては、マウス抗体V領域の
FRと80%以上ホモロジーを有するヒト抗体V領域の
FRを、ヒト型化抗体に用いることができる。ここで、
H鎖V領域のFRとしては、サブグループIIIに属する
もの、例えばS31679(NBRF-PDB、Cuisinier A.M.ら、Eu
r.J.Immunol. 23,110-118,1993) 由来のFRを実質的に
同一なFRの断片として挙げることができる。また、L
鎖V領域のFRとしては、例えばヒト抗体HSU038
68(GEN-BANK、Deftos Mら、Scand. J. Immunol. 39,
95-103, 1994)由来のFR1、FR2及びFR3と、ヒ
ト抗体S25755(NBRF-PDB)由来のFR4
とを実質的に同一なFRの断片として挙げることができ
る。なお、ヒト抗体S31679は、ヒト胎児肝臓のc
DNAライブラリーよりクローニングされた抗体であ
り、ヒト抗体HSU03868は新規ヒトL鎖λ鎖V領
域の遺伝子としてクローニングされた抗体である。
【0084】(3)ヒト型化抗体V領域を含むポリペプ
チドの作製 本発明のヒト型化抗体は、該抗体のC領域、及びV領域
のフレームワーク(FR)領域がヒト由来のものであ
り、V領域の相補性決定領域(CDR)がマウス由来の
ものである(図1)。本発明のヒト型化抗体のV領域を
含むポリペプチドは、鋳型となるヒト抗体のDNA断片
が入手可能ならば、PCR法によるCDR−グラフティ
ングと呼ばれる手法により作製することができる。「C
DR−グラフティング」とは、マウス由来のCDRをコ
ードするDNA断片を作製し、これを鋳型となるヒト抗
体のCDRと入れ換える手法をいう。
【0085】また、鋳型となるヒト抗体のDNA断片が
入手できない場合は、データベースに登録されている塩
基配列をDNA合成機で合成し、PCR法によりヒト型
化抗体V領域のDNAを作製することができる。さら
に、アミノ酸配列のみデータベースに登録されている場
合は、そのアミノ酸配列を基に、Kabat, E. A.らの報告
(US Dep. Health and Human Services, US Government
Printing Offices, 1991)している抗体のコドン使用頻
度に基づいて、全塩基配列を類推することができる。こ
の塩基配列をDNA合成機で合成し、PCR法によりヒ
ト型化抗体V領域のDNAを作製し、これを適当な宿主
に導入して発現させることにより、目的のポリペプチド
を作製することができる。以下に、鋳型となるヒト抗体
のDNA断片が入手できる場合の、PCR法によるCD
R−グラフティングの一般的な概要を示す。
【0086】(i) CDR−グラフティング 図2に示すように、V領域をコードするDNAがFR
1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3及
びFR4をコードするDNAの順で連結されているもの
とする。
【0087】まず、それぞれのCDRに対応するマウス
由来のDNA断片を合成する。CDR1〜3は、先にク
ローニングしたマウスH鎖V領域及びL鎖V領域の塩基
配列を基に合成されたDNAである。グラフティングプ
ライマーBは、センス方向のマウスCDR1とヒト抗体
のFR2にハイブリダイズする配列を有し、グラフティ
ングプライマーEは、アンチセンス方向のCDR1とヒ
ト抗体のFR1にハイブリダイズする配列を有するよう
に合成する(グラフティングプライマーCとF、グラフ
ティングプライマーDとGについても同様)(図2(1)
)。また、FR1の上流の領域及びFR4の下流の領
域にハイブリダイズすることができる適当なプライマー
(外部プライマーという;図2(1) のA及びH)も合成
する。なお、グラフティングプライマーの分離、抽出
は、公知の手法により行うことができる(Sambrook,et
al.,Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Cold S
pringHarbor Laboratory Press, 1989)。
【0088】次に、グラフティングプライマーEと外部
プライマーA、グラフティングプライマーBとF、グラ
フティングプライマーCとG、グラフティングプライマ
ーDと外部プライマーHとを用いて第一PCRを行う。
その結果、それぞれ断片A−E、断片B−F、断片C−
G及び断片D−Hが得られる(図2(2) )。
【0089】前記の通り、グラフティングプライマーB
の上流とグラフティングプライマーEの下流の一部の領
域とが重複するように設計されているので(グラフティ
ングプライマーCとF、DとGについても同様)、これ
らの断片は、適当な温度条件で反応させることにより、
それぞれの相補的配列にアニーリングし、PCRを行う
ことによりAからHまでの長さを有するDNAにアセン
ブリーすることが可能である。そして、V領域をコード
する1本のDNA断片が得られたところで外部プライマ
ーAとHを加え、第二PCRを行うことにより、FR1
〜4はヒト由来のものであるがCDR1〜3はマウス由
来のものとなったヒト型抗体V領域をコードするDNA
を得る。そして、これを適当な宿主に導入して発現させ
ることにより、目的のポリペプチドを得ることができる
(図2(3) )。
【0090】(ii)ヒト型化H鎖V領域をコードするDN
A及び発現ベクターの構築 本発明では、ヒト型化抗体の鋳型となるヒト抗体のH鎖
V領域をコードするDNAを天然から入手することがで
きないため、当該DNAはH鎖V領域をコードするDN
Aの全塩基配列をDNA合成機で合成し、PCR法によ
り構築することが出来る。
【0091】マウス抗ヒトPTHrPモノクローナル抗
体H鎖V領域は、ヒトサブグループIIIに属するS31
679と高い相同性を有する。このヒト抗体を鋳型とし
てヒト型化H鎖V領域をコードするDNAを構築するた
めに、例えば配列番号23から26に示す4本のプライ
マーに分けて使用する。プライマーMBC1HGP1
(配列番号23)及びMBC1HGP3(配列番号2
4)はセンスDNA配列を有し、MBC1HGP2(配
列番号25)及びMBC1HGP4(配列番号26)は
アンチセンスDNA配列を有し、それぞれのプライマー
の両端に15から21bpの相補的配列を有する様に設
計する。
【0092】外部プライマーMBC1HVS1(配列番
号27)、MBC1HVR1(配列番号28)はMBC
1HGP1、MBC1HGP4とそれぞれ相同な配列を
有しており、それぞれ適当な制限酵素の認識配列をそれ
ぞれ含んでいる。PCR法を用いて、4本のプライマー
をアセンブリさせ完全長のcDNA合成し、さらに外部
プライマーを加えDNAの増幅を行う。PCR法による
アセンブリとは、MBC1HGP1とMBC1HGP
2、又はMBC1HGP3とMBC1HGP4とがその
相補的配列によりアニーリングし、MBC1HGP1−
MBC1HGP3断片とMBC1HGP2−MBC1H
GP4断片が合成され、さらに、各断片の相補的配列に
よりアニーリングして、完全長のヒト型化H鎖V領域の
DNAが合成されることを指す。
【0093】ヒト抗体H鎖C領域は任意のヒトH鎖C領
域であることができ、例えばヒトH鎖Cγ1、Cγ2、
Cγ3又はCγ4を挙げることができる。前記のように
して構築したヒト型化抗体H鎖V領域のDNAは、任意
のヒト抗体H鎖C領域、例えばヒトH鎖C領域Cγ1領
域のDNAと連結することができる。キメラ抗体H鎖の
構築で述べたように、適当な制限酵素にて処理した後、
エンハンサー/プロモーター系のごとき発現制御領域の
もとでヒトH鎖C領域をコードするDNAと連結し、ヒ
ト型化H鎖V領域及びヒトH鎖C領域のDNAを含む発
現ベクターを作製する。
【0094】(iii) ヒト型化L鎖V領域をコードするD
NA及び発現ベクターの構築 本発明では、H鎖V領域をコードするDNAの場合と同
様、鋳型となるヒト抗体のL鎖V領域のDNAを天然か
ら入手することができないため、L鎖V領域をコードす
るDNAの全塩基配列をDNA合成機で合成し、PCR
法により構築することが出来る。
【0095】マウス抗ヒトPTHrPモノクローナル抗
体L鎖V領域と最も相同性を有するヒト抗体HSU03
868を鋳型としてヒト型化L鎖V領域のDNAを構築
するために、例えば配列番号29から32に示す4本の
プライマーに分けて使用する。プライマーMBC1LG
P1(配列番号29)及びMBC1LGP3(配列番号
30)はセンスDNA配列を有し、MBC1LGP2
(配列番号31)及びMBC1LGP4(配列番号3
2)はアンチセンスDNA配列を有し、それぞれのプラ
イマーの両端に15から21bpの相補的配列を有する
様に設計する。
【0096】外部プライマーMBC1LVS1(配列番
号33)、MBC1LVR1(配列番号34)はMBC
1LGP1、MBC1LGP4とそれぞれ相同な配列を
有しており、それぞれ適当な制限酵素の認識配列をそれ
ぞれ含んでいる。PCR法を用いて、4本のプライマー
をアセンブリさせ完全長のDNA合成し、さらに外部プ
ライマーを加えDNAの増幅を行う。PCR法によるア
センブリとは、MBC1LGP1とMBC1LGP3、
又はMBC1LGP2とMBC1LGP4とがその相補
的配列によりアニーリングし、MBC1LGP1−MB
C1LGP3断片とMBC1LGP2−MBC1LGP
4断片が合成され、さらに、各断片の相補的配列により
アニーリングして、完全長のヒト型化H鎖V領域をコー
ドするDNAが合成されることを指す。
【0097】ヒト抗体L鎖C領域は任意のヒトL鎖C領
域であることができ、例えばヒトL鎖CλやCκを挙げ
ることができる。前記のようにして構築したヒト型化抗
体L鎖V領域のDNAは、任意のヒト抗体L鎖C領域、
例えばヒトL鎖Cλ領域のものと連結することができ
る。適当な制限酵素で処理した後、エンハンサー/プロ
モーター系のごとき発現制御領域のもとでヒトL鎖λ鎖
C領域をコードするDNAと連結し、ヒト型化L鎖V領
域及びヒトL鎖λ鎖C領域をコードするDNAを含む発
現ベクターを作製する。
【0098】前記のようにして、ヒト型化抗体のV領域
を含むポリペプチドが作製されても、該ポリペプチドが
抗体としての活性(抗原に対する結合活性、中和活性
等)を有するか否かは必ずしも明らかではない。特にL
鎖の場合は、マウス抗ヒトPTHrPモノクローナル抗
体L鎖V領域が、非常に希なVλx遺伝子由来であるた
め、ヒト型化H鎖との組み合わせによりCOS−7のご
とき動物細胞で発現させ、活性の有無を検討する必要が
ある。
【0099】ヒト型化抗体V領域のどのFRが、ヒト型
化抗体の結合活性及び中和活性に寄与するのかを明らか
にする方法として、ハイブリッドV領域を構築し(Ohto
mo,T. et al. Molecular Immunology, 32,407-416,199
5)、確認するのが有効である。本発明のヒト型化抗体L
鎖V領域において、どのアミノ酸を変異させれば活性を
有するものが得られるかを調べるため、ヒト型化抗体の
FR領域の断片をマウス由来のFR領域の断片と組換え
たものをコードするDNAを構築し、ヒト型化のための
各領域の評価を行う。
【0100】図3に示すように、FR1及びFR2はヒ
ト抗体由来であるがFR3及びFR4をマウス抗体由来
に組み換えたV領域を含むポリペプチドを有する抗体
(このような組み換えた断片を有する抗体を「ハイブリ
ッド抗体」という)、FR1のみをヒトのものに組み換
えたハイブリッド抗体、FR2のみをヒトのものに組み
換えたハイブリッド抗体を作製する。そして、これらの
ハイブリッド抗体をコードするDNAを発現ベクターに
組み込み、ヒト型化抗体を一過性に発現させ、抗体の活
性の有無を調べる。
【0101】本発明者は、この方法を用いてL鎖V領域
を含むポリペプチドの抗原結合活性及び中和活性につい
て検討した結果、FR2及びFR3に、置換すべきアミ
ノ酸が存在することが判明した。本発明者は、FR2及
びFR3領域に活性に寄与するアミノ酸が存在すること
が判明し、Kabat, E.A. ら(US Dep. Health and Human
Services, US Government Printing Offices,1991) に
より決定された抗体のアミノ酸番号の第36、45及び49番
目のアミノ酸(FR2領域に存在する)、並びに第87番
目のアミノ酸(FR3領域に存在する)が活性に寄与す
るアミノ酸であることを明らかにした。
【0102】そこで、本発明では、これらのアミノ酸を
変異(例えば置換)させたV領域を含むポリペプチドを
作製する。まず、前記CDR−グラフティングにより、
アミノ酸の変異を導入させるための基本となるアミノ酸
配列を有するV領域を含むポリペプチドを調製する。こ
の基本となるポリペプチドは、配列番号47で表されるア
ミノ酸配列を含むものであり、「バージョンa」とする
(表1のa)。
【0103】次に、このバージョンaを基準として、F
Rのいくつかのアミノ酸を変異させた種々の変異型断片
を作製する。変異の導入は、目的の変異を導入しようと
するアミノ酸をコードするオリゴヌクレオチドプライマ
ー(変異原プライマー)を設計し、該プライマーを用い
たPCRにより行うことができる。このようにして、F
R2及びFR3の特定のアミノ酸を変異させたV領域を
含むポリペプチド(バージョンb〜t)が作製される
(表1のb〜t)。
【0104】
【表1】
【0105】前記のようにして構築したヒト型化抗体L
鎖V領域各バージョンをコードするDNAは、任意のヒ
ト抗体L鎖C領域、例えばヒトL鎖Cλ領域のDNAと
連結することができる。適当な制限酵素で処理した後、
エンハンサー/プロモーター系のごとき発現制御領域の
もとでヒトL鎖λ鎖C領域をコードするDNAと連結
し、ヒト型化L鎖V領域各バージョンをコードするDN
Aと、ヒト型化L鎖λ鎖C領域をコードするDNAとを
含む発現ベクターを作製する。
【0106】また、前記のようにして構築したヒト型化
抗体H鎖V領域及びヒトH鎖C領域をコードするDNA
と、ヒト型化L鎖V領域及びヒトL鎖C領域をコードす
るDNAとを、単一の発現ベクター(例えば、WO94
/11523参照)に導入し、そして該ベクターを用い
て宿主細胞を形質転換し、次にこの形質転換された宿主
をイン−ビボ又はイン−ビトロで培養して目的とするヒ
ト型化抗体を生産させることができる。
【0107】4.キメラ抗体及びヒト型抗体の製造 キメラ抗体又はヒト型化抗体を製造するためには、前記
のようなそれぞれ2種類の発現ベクターを作製する。す
なわち、キメラ抗体については、エンハンサー/プロモ
ーター系のごとき発現制御領域による制御のもとでマウ
スH鎖V領域及びヒトH鎖C領域をコードするDNAを
含む発現ベクター、並びにエンハンサー/プロモーター
系のごとき発現制御領域のもとでマウスL鎖V領域及び
ヒトL鎖C領域をコードするDNAを含む発現ベクター
を作製し、ヒト型化抗体については、エンハンサー/プ
ロモーター系のごとき発現制御領域による制御のもとで
ヒト型化H鎖V領域及びヒトH鎖C領域をコードするD
NAを含む発現ベクター、並びにエンハンサー/プロモ
ーター系のごとき発現制御領域のもとでヒト型化L鎖V
領域及びヒトL鎖C領域をコードするDNAを含む発現
ベクターを作製する。
【0108】次に、これらの発現ベクターにより哺乳類
細胞のごとき宿主細胞を同時形質転換し、そして形質転
換された細胞をイン−ビトロ又はイン−ビボで培養して
キメラ抗体又はヒト型化抗体を製造する(例えば、WO
91/16928参照)。
【0109】また、H鎖V領域及びH鎖C領域をコード
するDNA、並びにL鎖V領域及びL鎖C領域をコード
するDNAを単一ベクターに連結し、適当な宿主細胞を
形質転換し、抗体を産生させることができる。すなわ
ち、キメラ抗体の発現には、クローニングされたcDN
Aに存在するマウスリーダー配列並びにマウスH鎖V領
域及びヒトH鎖C領域をコードするDNAと、マウスリ
ーダー配列並びにマウスL鎖V領域及びヒトL鎖C領域
をコードするDNAとを単一の発現ベクター(例えば、
WO94/11523参照)に導入する。ヒト型化抗体
の発現には、ヒト型化H鎖V領域及びヒトH鎖C領域を
コードするDNAと、ヒト型化L鎖V領域及びヒトL鎖
C領域をコードするDNAとを単一の発現ベクター(例
えば、WO94/11523参照)に導入する。そし
て、これらのベクターを用いて宿主細胞を形質転換し、
次にこの形質転換された宿主をイン−ビボ又はイン−ビ
トロで培養して目的とするキメラ抗体又はヒト型化抗体
を生産させる。
【0110】以上のようにして目的とするキメラ抗体又
はヒト型化抗体をコードするDNAで形質転換した形質
転換体を培養し、産生したキメラ抗体又はヒト型化抗体
は、細胞内又は細胞外から分離し均一にまで精製するこ
とができる。なお、本発明の目的蛋白質であるキメラ抗
体又はヒト型化抗体の分離・精製を、プロテインAアガ
ロースカラムを用いて行うことができる。また、その他
に、通常の蛋白質で用いられる分離・精製方法を使用す
ればよく、何ら限定されるものではない。例えば各種ク
ロマトグラフィー、限外濾過、塩折、透析等を適宜選
択、組合せれば、キメラ抗体又はヒト型化抗体を分離・
精製することができる。
【0111】ヒトPTHrPに対する本発明のキメラ抗
体又はヒト型化抗体を製造するために、任意の発現系を
使用することができる。例えば、真核細胞を用いる場合
は動物細胞(例えば樹立された哺乳類細胞系)、真糸状
菌細胞又は酵母細胞などが挙げられ、原核細胞を用いる
場合は細菌細胞(例えば大腸菌細胞等)などを使用する
ことができる。好ましくは、本発明のキメラ抗体又はヒ
ト型化抗体は哺乳類細胞、例えばCOS細胞又はCHO
細胞中で発現される。
【0112】これらの場合、哺乳類細胞での発現のため
に有用な常用のプロモーターを用いることができる。例
えば、ヒト・サイトメガロウィルス前期(human cytome
galovirus immediate early; HCMV)プロモーターを使用
するのが好ましい。HCMVプロモーターを含有する発
現ベクターの例には、HCMV−VH−HCγ1,HC
MV−VL−HCK等であって、pSV2neoに由来
するもの(WO92−19759)が含まれる。
【0113】また、その他に、本発明のために用いるこ
とのできる哺乳動物細胞における遺伝子発現のプロモー
ターとしては、レトロウイルス、ポリオーマウイルス、
アデノウイルス、シミアンウイルス40(SV40)な
どのウイルスプロモーターやヒト・ポリペプチド・チェ
ーン・エロンゲーション・ファクター1α(HEF−1
α)などの哺乳動物細胞由来のプロモーターを用いれば
よい。例えばSV40のプロモーターを使用する場合
は、Mulliganらの方法(Nature 277,108,1979)、また、
HEF−1αプロモーターを使用する場合は、Mizushim
a, S. らの方法(Nucleic Acids Research, 18, 5322,
1990) に従えば容易に実施することができる。
【0114】複製起原としては、SV40、ポリオーマ
ウイルス、アデノウイルス、牛パピローマウイルス(B
PV)等の由来のものを用いることができ、さらに宿主
細胞系中での遺伝子コピー数増幅のため、発現ベクター
は選択マーカーとして、ホスホトランスフェラーゼAP
H(3' )II又はI(neo)遺伝子、チミジンキナー
ゼ(TK)遺伝子、大腸菌キサンチン−グアニンホスホ
リボシルトランスフェラーゼ(Ecogpt)遺伝子、
ジヒドロ葉酸還元酵素(DHFR)遺伝子等を含むこと
ができる。
【0115】5.キメラ抗体及びヒト型抗体の抗原結合
活性及び中和活性の評価 (1) 抗体の濃度測定 得られた精製抗体の濃度の測定は、ELISAにより行うこ
とができる。抗体濃度測定のためのELISAプレート
を次のようにして調製する。ELISA用96穴プレー
ト(例えばMaxisorp, NUNC)の各穴を、例えば1μg/
mlの濃度に調製したヤギ抗ヒトIgG抗体100 μl で
固相化する。200 μl の希釈バッファー(例えば50mM T
ris-HCl 、1mM MgCl2、0.1M NaCl 、0.05% Tween20、
0.02% NaN3 、1%牛血清アルブミン(BSA)、pH7.
2 )でブロッキングの後、キメラ抗体、ハイブリッド抗
体若しくはヒト型化抗体を発現させたCOS−7細胞若
しくはCHO細胞の培養上清、又は精製キメラ抗体、ハ
イブリッド抗体若しくはヒト型化抗体を段階希釈して各
穴に加え、次にアルカリフォスファターゼ結合ヤギ抗ヒ
トIgG抗体100 μl を加え、1mg/ml の基質溶液(Si
gma 104、p−ニトロフェニルリン酸、SIGMA )を加
え、次に405nm での吸光度をマイクロプレートリーダー
(Bio Rad )で測定する。濃度測定のスタンダードとし
て、Hu IgG1λ Purified (The Binding Site)を用いる
ことができる。
【0116】(2) 抗原結合能の測定 抗原結合測定のためのELISAプレートでは、次のよ
うにして調製する。ELISA用96穴プレートの各穴
を1μg/mlの濃度に調製したヒトPTHrP(1-34) 10
0 μl で固相化する。200 μl の希釈バッファーでブロ
ッキングの後、キメラ抗体、ハイブリッド抗体若しくは
ヒト型化抗体を発現させたCOS−7細胞若しくはCH
O細胞の培養上清、又は精製キメラ抗体、ハイブリッド
抗体若しくはヒト型化抗体を段階希釈して各穴に加え、
次にアルカリフォスファターゼ結合ヤギ抗ヒトIgG抗
体100 μl を加え、1mg/ml の基質溶液(Sigma 104 、
p−ニトロフェニルリン酸、SIGMA )を加え、次に405n
m での吸光度をマイクロプレートリーダー(BioRad)で
測定する。
【0117】(3) 中和活性の測定 マウス抗体、キメラ抗体及びヒト型化抗体の中和活性の
測定は、例えばラット骨肉腫細胞株ROS17/2.8
-5細胞(Sato,K.et al.,Acta Endocrinology116,113-1
20,1987)を用て行うことができる。すなわち、ROS1
7/2.8-5細胞を、4mMのヒドロコルチゾンで刺
激し、PTH/PTHrPレセプターを誘導する。1m
Mのイソブチル-1-メチルキサンチン(IBMX、SI
GMA)でcAMPの分解酵素を阻害し、中和活性を測
定するマウス抗体、キメラ抗体又はヒト型化抗体をPT
HrP(1−34)と等量混合し、各抗体とPTHrP
(1−34)の混合液を各穴に添加する。PTHrPの
刺激により、ラット骨肉腫細胞株ROS17/2.8-
5細胞が産生するcAMPの量を測定することにより、
マウス抗体、キメラ抗体又はヒト型抗体の中和能を評価
することができる。
【0118】(4) PTHrP と抗PTHrP 抗体との相互作用に
おける速度論的解析 本発明では、PTHrP と抗PTHrP 抗体との相互作用におけ
る速度論を、様々な手法を用いて解析することができ
る。具体的には、スキャッチャード解析やBIACORE と呼
ばれる表面プラズモン共鳴センサー(ファルマシアバイ
オテク社により開発・実用化された)により解離定数、
解離速度定数、結合速度定数を測定することが可能であ
るが、本発明では、その一例として、BIACORE と呼ばれ
る表面プラズモン共鳴センサーにより解析する場合を説
明する。
【0119】BIACOREの基本構造は、光源とプリズム、
ディテクターとマイクロ流路から成っている。実際に
は、カセット式のセンサーチップ上にリガンドを固定化
し、そこにアナライトをインジェクションする。両者に
親和性があれば、その結合量が光学的に検出される。
【0120】その検出原理は表面プラズモン共鳴と呼ば
れる現象である。すなわち、ガラスと金属薄膜との界面
に全反射するように入射した光のうち、ある角度の入射
光は表面プラズモンの励起に使われ減衰してしまう。そ
の角度が金属薄膜(センサー)に接している溶媒の濃度
変化に依存して変動する。BIACORE はこの変動を検出す
るというものである。
【0121】BIACOREではこの変化を共鳴シグナル(SPR
signal)と呼び、0.1度の変化を1000RU(resonance un
its )としている。1000RUは表面積1mm2の薄金センサー
上に約1ngの蛋白質が結合した場合の変化量であり、蛋
白質であれば50RU(50pg)程度の変化を十分検出するこ
とができる。検出されたシグナルは、BIACOREに付属し
ているコンピューターがセンサーグラムと呼ばれる結合
曲線に変換し、リアルタイムにコンピューターディスプ
レイ上に描き出される(夏目徹 他、(1995)実験医
学、13,p563-569.)(Karlsson,R. et al.,(1991)
J.Immunol.Methods 145,p229-240.)。
【0122】上記BIACORE によって本発明の抗PTHrP 抗
体のカイネティクスパラメーター、すなわち解離定数
(KD)、解離速度定数(Kdiss) および結合速度定数
(Kass)を測定することができる。本発明の抗PTHrP 抗
体は、解離定数(KD値)が小さい値であるほど中和活
性を有する点で好ましい。本発明の抗PTHrP 抗体におい
て、KD値は1.86×10-7以下であることが好ましく、1.
86×10-8以下であることがより好ましく、3.58×10-10
以下のものが最も好ましい。
【0123】また、KD値は解離速度定数(Kdiss) お
よび結合速度定数(Kass)の2つのパラメーターから決
定される(KD=Kdiss/Kass )。したがって、Kdi
ssの値が小さく、Kass の値が大きければKD値が小さ
くなることは明らかである。具体的には、本発明の抗PT
HrP 抗体の場合、Kdissの値が1.22×10-1 [1/Sec]以下
であればよい。好ましくは、Kdissの値が1.22×10-2
下であり、より好ましくは3.16×10-4以下であり、最も
好ましくは2.32×10-4 [1/Sec]以下である。
【0124】一方、Kass の値は6.55×104 [1/M.Sec]
以上であればよい。好ましくはKass の値は6.55×105
以上であり、より好ましくは0.883 ×106 以上であり、
最も好ましくは1.03×106 [1/M.Sec]以上である。さら
に、Kdissの値が1.22×10-1 [1/Sec]以下であり、か
つ、Kass の値が6.55×104 [1/M.Sec]以上の抗PTHrP
抗体も好ましい。
【0125】さらに具体的には、本発明の抗PTHrP 抗体
は、KD値がKD値は1.02×10-11〜1.86×10-7[M] の
範囲であり、1.02×10-10〜1.86×10-8[M] のものが好
ましく、1.34×10-10〜3.58×10-10[M]のものがより好
ましく、2.25×10-10〜3.58×10-10[M] のものが最も好
ましい。また、Kdiss値は7.38×10-6〜1.22×10-1[1/S
ec]の範囲であり、7.38×10-5〜1.22×10-2[1/Sec]のも
のが好ましく、1.66×10-4〜3.16×10-4[1/Sec]のもの
がより好ましく、1.66×10-4〜2.32×10-4[1/Sec]のも
のが最も好ましい。
【0126】そしてKass 値は、6.55×104〜1.24×107
[1/M.Sec] の範囲であり、6.55×105〜1.24×106[1/M.S
ec] のものが好ましく、7.23×105〜1.03×106 [1/M.S
ec]のものがより好ましく、0.883 ×106〜1.03×106[1/
M.Sec] のものが最も好ましい。これらのKD値、Kdis
s値およびKass 値はスキャッチャード解析、あるいはB
IACORE などの表面プラズモン共鳴センサー等により得
ることができるが、BIACORE を用いて得ることが好まし
い。
【0127】6.抗PTHrP 抗体又はヒト型化抗体を有効
成分として含む医薬組成物及び高カルシウム血症抑制剤 PTHrPに対する抗体又はヒト型化抗体の治療効果を確認
するには、PTHrPに対する抗体又はヒト型化抗体を、高
カルシウム血症を呈した動物に投与し、高カルシウム血
症の指標を測定することによりその治療効果を確認する
ことができる。また、高カルシウム血症を呈した動物及
び高カルシウム血症患者においては、しばしば低リン血
症が認められるが、本発明の抗体は、この低リン血症を
改善するために用いることもできる。
【0128】本発明で使用される抗体は、前記解離定
数、解離速度定数及び結合速度定数を有する抗PTHrP 抗
体(ヒト抗体、キメラ抗体、プライマタイズド抗体を含
む)、あるいはPTHrPに対するヒト型化された抗体であ
る。この抗体は、PTHrPに結合することにより、PTHrPの
活性を中和する抗体であり、特に、好ましくはヒト型化
された#23-57-137-1抗体が挙げられる。ヒト型化#23-57
-137-1抗体の作製方法は、実施例1〜3に記載されてい
る。
【0129】本発明で使用される抗体は、塩析法、HPLC
等を用いたゲル濾過法、プロテインAカラム等を用いた
アフィニティークロマトグラフィー法等の通常の精製手
段を組み合わせて高純度に精製することができる。この
ように精製された抗体は、放射免疫測定法(RIA)、酵
素免疫測定法(EIA、ELISA)、あるいは蛍光抗体法(Im
munofluorescence Analysis)等の通常の免疫学的手段
により、高精度にPTHrPを認識することを確認できる。
【0130】高カルシウム血症を呈する動物には、PTHr
Pを産生する腫瘍細胞を免疫機能が低下又は欠失した実
験動物に移植することにより作製したモデル動物を使用
することができる。移植される腫瘍細胞としては、ヒト
由来の腫瘍細胞が好ましく、例えば、ヒト膵臓癌PAN-7
が挙げられる。また、腫瘍細胞を移植される免疫機能が
低下又は欠失した動物としてはヌードマウス、SCIDマウ
スが挙げられる。高カルシウム血症の抑制の評価は、血
中カルシウム濃度、体重減少、あるいは運動量の低下を
経時観察し、その改善の程度を評価することによって行
われる。
【0131】本発明のPTHrPに対する抗体又はヒト型化
抗体を有効成分として含む医薬組成物及び高カルシウム
血症抑制剤は、非経口的に全身又は局所的に投与するこ
とができる。例えば、点滴などの静脈内注射、筋肉内注
射、腹腔内注射、皮下注射を選択することができ、患者
の年齢、症状により適宜投与方法を選択することができ
る。有効投与量は、一回につき体重1kgあたり0.01mgか
ら1000mgの範囲で選ばれる。あるいは、患者あたり5〜1
0000 mg/body、好ましくは50〜1000mg/bodyの投与量を
選ぶことができる。
【0132】本発明のPTHrPに対する抗体又はヒト型化
抗体を有効成分として含む医薬組成物及び高カルシウム
血症抑制剤は、投与経路次第で医薬的に許容される担体
や添加物を共に含むものであってもよい。このような担
体及び添加物の例として、水、医薬的に許容される有機
溶剤、コラーゲン、ポリビニルアルコール、ポリビニル
ピロリドン、カルボキシビニルポリマー、カルボキシメ
チルセルロースナトリウム、ポリアクリル酸ナトリウ
ム、アルギン酸ナトリウム、水溶性デキストラン、カル
ボキシメチルスターチナトリウム、ペクチン、メチルセ
ルロース、エチルセルロース、キサンタンガム、アラビ
アゴム、カゼイン、ゼラチン、寒天、ジグリセリン、グ
リセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコ
ール、ワセリン、パラフィン、ステアリルアルコール、
ステアリン酸、ヒト血清アルブミン(HSA)、マンニト
ール、ソルビトール、ラクトース、医薬添加物として許
容される界面活性剤などが挙げられる。使用される添加
物は、本発明の剤形に応じて上記の中から適宜又は組み
合わせて選択されるが、これらに限定されるものではな
い。
【0133】なお、本発明の抗体は、種々の癌(悪性腫
瘍)によって誘発される高カルシウム血症に広く使用す
ることができる。これらの癌種は特に限定されるもので
はなく、単一の癌のみならず複数の癌が併発したものも
含まれる。癌種としては、例えば膵臓癌、肺癌、咽頭
癌、喉頭癌、舌癌、歯肉癌、食道癌、胃癌、胆管癌、乳
癌、腎癌、膀胱癌、子宮癌、前立腺癌又は悪性リンパ腫
などが挙げられる。
【0134】
〔参考例1〕
抗PTHrP(1−34)マウスモノクローナル抗体産
生ハイブリドーマの作製 ヒトPTHrP(1−34)に対するモノクローナル抗
体産生ハイブリドーマ#23-57-154 および#23-57-137-
1の作製は、佐藤幹二らによって行われた(Sato, K.et
al., J.Bone Miner.Res.8,849-860,1993)。
【0135】免疫原として使用するために、PTHrP
(1−34)(Peninsula 製)とキャリアータンパクで
あるサイログロブリンをカルボジイミド(Dojinn)を用
いて結合した。サイログロブリンと結合したPTHrP
(1−34)を透析し、タンパク濃度として2μg/ml
となるように調製した後、フロイントアジュバント(Di
fco)と1:1で混合し、エマルジョン作製後、16匹の雌
性BALB/Cマウスの背部皮下又は腹腔内に動物あたり100
μgを11回免疫した。初回免疫は、フロイント完全アジ
ュバントを用い、二回目以降の追加免疫にはフロイント
不完全アジュバントを使用した。
【0136】免疫したマウスの血清中の抗体価の測定
は、以下の方法で行った。すなわち、マウス尾静脈より
採血し、血清分離後RIAバッファーで希釈した抗血清
125I標識PTHrP(1−34)を混合し、結合活性
を測定した。抗体価の上昇したマウスの腹腔に、キャリ
アータンパクを結合していないPTHrP(1−34)
を動物あたり50μgを最終免疫した。
【0137】最終免疫3日目にマウスを屠殺し、脾臓を
摘出後、脾臓細胞とマウスミエローマ細胞株P3x63Ag8U.
1 を、50%ポリエチレングリコール4000を用いる常法に
したがって細胞融合した。細胞融合した細胞を2×104
/ウェルの細胞数で85枚の96穴プレートに蒔き込んだ。
ハイブリドーマの選別はHAT培地を用いて行った。
【0138】ハイブリドーマのスクリーニングは、HA
T培地中で生育の認められた穴の培養上清を固相化RI
A法にてPTHrP認識抗体の有無を測定し選択するこ
とにより行った。抗体との結合能の認められた穴からハ
イブリドーマを回収し、15%FCSを含むRPMI-1640 培
地にOPI-supplement(Sigma)を添加した培地に懸濁
し、限界希釈法にてハイブリドーマの単一化を実施し
た。PTHrP(1−34)との結合能の強いクローン
#23-57-154 および#23-57-137-1 を得た。
【0139】なお、ハイブリドーマクローン#23-57-13
7-1 は、mouse-mouse hybridoma #23-57-137-1 とし
て、工業技術院生命工学工業技術研究所(茨城県つくば
市東1丁目1番3号)に、平成8年8月15日に、FERM
BP-5631としてブダペスト条約に基づき国際寄託されて
いる。
【0140】〔実施例1〕ヒトPTHrP(1−34)
に対するマウスモノクローナル抗体のV領域をコードす
るDNAのクローニング ヒトPTHrP(1−34)に対するマウスモノクロー
ナル抗体#23-57-137-1 の可変領域をコードするDNA
を次の様にしてクローニングした。 (1) mRNAの調製 ハイブリドーマ#23-57-137-1 からのmRNAをQuick
Prep mRNA Purification Kit(Pharmacia Biotech社) を
用いて調製した。ハイブリドーマ#23-57-137-1 の細胞
を抽出バッファーで完全にホモジナイズし、キット添付
の処方に従い、オリゴ(dT)-セルローススパンカラム(Ol
igo(dT)-Cellulose Spun Column) にてmRNAを精製
し、エタノール沈殿をおこなった。mRNA沈殿物を溶
出バッファーに溶解した。
【0141】(2) マウスH鎖V領域をコードする遺伝子
のcDNAの作製および増幅 (i) #23-57-137-1 抗体H鎖V領域cDNAのクローニ
ング ヒトPTHrPに対するマウスモノクローナル抗体のH
鎖V領域をコードするDNAのクローニングは、5'-RAC
E 法(Frohman,M.A.et al., Proc. Natl. Acad. Sci. U
SA, 85, 8998-9002, 1988; Belyavsky, A.et al., Nucl
eic Acids Res.17, 2919-2932, 1989) により行った。
5'-RACE 法には5'-Ampli FINDER RACE kit(CLONETECH
社) を用い、操作はキット添付の処方にしたがって行っ
た。cDNA合成に使用するプライマーは、マウスH鎖
定常領域(C領域)とハイブリダイズするMHC2プラ
イマー(配列番号1)を用いた。前記のようにして調製
したmRNA約2μgを鋳型としてMHC2プライマー
10pmole を加え、逆転写酵素と52℃、30分間反応させる
ことによりcDNAへの逆転写を行った。
【0142】6N NaOH でRNAを加水分解(65℃、30
分間)した後、エタノール沈殿によりcDNAを精製し
た。T4RNAリガーゼで37℃で6時間、室温で16時間
反応することにより、合成したcDNAの5’末端にAm
pli FINDER Anchor(配列番号42) を連結した。これを鋳
型としてPCRにより増幅するためのプライマーとして
Anchorプライマー(配列番号2)およびMHC−G1プ
ライマー(配列番号3)(S.T.Jones,et al.,Biotechno
logy,9,88,1991) を使用した。
【0143】PCR溶液は、その50μl中に10mM Tris-
HCl(pH8.3)、50mM KCl、0.25mM dNTPs(dATP, dGTP, dCT
P, dTTP)、1.5 mM MgCl2、2.5 ユニットのTaKaRa Taq
(宝酒造)、10pmole のAnchorプライマー、並びにMH
C−G1プライマー及びAmpliFINDER Anchor を連結し
たcDNAの反応混合物1μlを含有する。この溶液に
50μlの鉱油を上層した。PCRはThermal Cycler Mod
el 480J(Perkin Elmer)を用い、94℃にて45秒間、60℃
にて45秒間、72℃にて2分間の温度サイクルで30回行っ
た。
【0144】(ii)#23-57-137-1 抗体L鎖V領域のcD
NAのクローニング ヒトPTHrPに対するマウスモノクローナル抗体のL
鎖V領域をコードするDNAのクローニングは、5'-RAC
E 法(Frohman,M.A.et al., Proc. Natl. Acad. Sci. U
SA 85, 8998-9002, 1988 ; Belyavsky,A. et al., Nucl
eic Acids Res.17, 2919-2932, 1989)により行った。5'
-RACE 法には5'-Ampli Finder RACE Kit(Clonetech)を
用い、操作は添付の処方に従った。cDNA合成に使用
するプライマーは、oligo-dTプライマーを用いた。前記
のように調製したmRNA約2μgを鋳型としてoligo-
dTプライマーを加え、逆転写酵素と52℃、30分間反応さ
せることによりcDNAへの逆転写を行った。6N NaOH
でRNAを加水分解(65℃、30分間)した後、エタノー
ル沈殿によりcDNAを精製した。合成したcDNAの
5’末端に前記Ampli FINDER Anchor をT4RNAリガ
ーゼで37℃で6時間、室温で16時間反応させることによ
り連結した。
【0145】マウスL鎖λ鎖定常領域の保存配列からP
CRプライマーMLC(配列番号4)を設計し、394 DN
A/RNA シンセサイザー(ABI社)を用いて合成した。PC
R溶液は、その100 μl中に10 mM Tris-HCl(pH8.
3)、50mM KCl、0.25mM dNTPs(dATP, dGTP,dC
TP,dTTP)、1.5Mm MgCl2 、2.5 ユニットの AmpliTaq
(PERKIN ELMER)、50pmole のAnchorプライマー(配列
番号2)、並びにMLC(配列番号4)およびAmpli FI
NDER Anchor を連結したcDNAの反応混合物1μlを
含有する。この溶液に50μlの鉱油を上層した。PCR
はThermal CyclerModel 480J (Perkin Elmer)を用
い、94℃にて45秒間、60℃にて45秒間、72℃にて2分間
の温度サイクルで35回行った。
【0146】(3) PCR生成物の精製および断片化 前記のようにしてPCR法により増幅したDNA断片を
3%Nu Sieve GTGアガロース(FMC Bio. Products)を用
いたアガロースゲル電気泳動により分離した。H鎖V領
域として約550bp 長、L鎖V領域として約550bp 長のD
NA断片を含有するアガロース片を切取り、GENECLEAN
II Kit(BIO101)を用い、キット添付の処方に従いDNA
断片を精製した。精製したDNAをエタノールで沈殿さ
せた後、10mM Tris-HCl (pH7.4) 、1mM EDTA 溶液20μ
lに溶解した。得られたDNA溶液1μlを制限酵素X
maI(New England Biolabs)により37℃で1時間消化
し、次いで制限酵素EcoRI (宝酒造)により37℃で1時
間消化した。この消化混合物をフェノール及びクロロホ
ルムで抽出し、エタノール沈殿によりDNAを回収し
た。こうして、5’−末端にEcoRI 認識配列を有し、
3’−末端にXmaI認識配列を有するマウスH鎖V領
域をコードするDNAおよびL鎖V領域をコードするD
NAを得た。
【0147】上記のようにして調製したマウスH鎖V領
域をコードするDNAおよびL鎖V領域をコードするD
NAを含むEcoRI-XmaIDNA断片と、EcoRI 及びXmaIで
消化することにより調製したpUC19 ベクターとを、DN
Aライゲーションキットver.2 (宝酒造)を用い、添付
の処方に従い16℃で1時間反応させ連結した。次に10μ
lの上記連結混合物を大腸菌JM109コンピテント細
胞(ニッポンジーン)100 μlに加え、この細胞を氷上
で15分間、42℃にて1分間、さらに氷上で1分間静置し
た。次いで300 μlのSOC培地(Molecular Cloning:
A LabgoratoryManual, Sambrook,et al., Cold Spring
Harbor Laboratory Press, 1989)を加えて37℃にて30
分間インキュベートした後、100 μg/ml又は50μg
/mlのアンピシリン、0.1mM のIPTG、20μg/mlの
X−galを含むLB寒天培地または2xYT寒天培地
(Molecular Cloning: A Labgoratory Manual, Sambroo
k,et al., Cold Spring Harbor Laboratory Press, 198
9)上にこの大腸菌をまき、37℃にて一夜インキュベート
して大腸菌形質転換体を得た。
【0148】この形質転換体を100 μg/ml又は50μ
g/mlのアンピシリンを含有するLB培地または2×
YT培地2mlで37℃にて一夜培養し、菌体画分からプ
ラスミド抽出機PI-100Σ(クラボウ)又はQIAprep Spin
Plasmid Kit(QIAGEN)を用いてプラスミドDNAを調製
し、塩基配列の決定を行った。
【0149】(4) マウス抗体V領域をコードするDNA
の塩基配列決定 前記プラスミド中のcDNAコード領域の塩基配列を、
ダイターミネーターサイクルシークエンシングキット(D
ye Terminator Cycle Sequencing kit(Perkin-Elmer))
を用い、DNAシークエンサー373A (ABI 社Perkin-Elm
er)により決定した。配列決定用プライマーとしてM13
Primer M4 (宝酒造)(配列番号5)及びM13 Primer R
V (宝酒造)(配列番号6)を用い、両方向の塩基配列
を確認することにより配列を決定した。
【0150】こうして得られたハイブリドーマ#23-57-
137-1 に由来するマウスH鎖V領域をコードするDNA
を含有するプラスミドをMBC1H04 、L鎖V領域をコード
するDNAを含有するプラスミドをMBC1L24 と命名し
た。プラスミドMBC1H04 およびMBC1L24 に含まれるマウ
ス#23-57-137-1 抗体のH鎖V領域およびL鎖V領域を
コードするDNAの塩基配列(対応するアミノ酸配列を
含む)をそれぞれ配列番号57、65に示す。H鎖V領域を
含むポリペプチド及びL鎖V領域を含むポリペプチド
は、いずれも、それぞれ配列番号57、65で表される塩基
配列の第58番目(グルタミンをコードする)から開始さ
れている。これらのアミノ酸配列を、H鎖V領域含むポ
リペプチドについては配列番号46、L鎖V領域含むポリ
ペプチドについては配列番号45に示す。
【0151】なお、前記プラスミドMBC1H04 およびMBC1
L24 を有する大腸菌は、Escherichia coli JM109(MBC1
H04 )およびEscherichia coli JM109(MBC1L24 )とし
て、工業技術院生命工学工業技術研究所(茨城県つくば
市東1丁目1番3号)に、平成8年8月15日に、Esch
erichia coli JM109 (MBC1H04)についてはFERM BP-562
8、Escherichia coli JM109 (MBC1L24)についてはFERM
BP-5627としてブダペスト条約に基づき国際寄託されて
いる。
【0152】(5) ヒトPTHrPに対するマウスモノク
ローナル抗体#23-57-137-1 のCDRの決定 H鎖V領域およびL鎖V領域の全般の構造は、互いに類
似性を有しており、それぞれ4つのフレームワーク部分
が3つの超可変領域、すなわち相補性決定領域(CD
R)により連結されている。フレームワークのアミノ酸
配列は、比較的よく保存されているが、一方、CDR領
域のアミノ酸配列の変異性は極めて高い(Kabat,E.A.et
al., 「Sequence of Proteins of Immunological Inte
rest」US Dept. Health and Human Services, 1983) 。
【0153】このような事実に基づき、ヒトPTHrP
に対するマウスモノクローナル抗体の可変領域のアミノ
酸配列をKabat らにより作成された抗体のアミノ酸配列
のデータベースにあてはめて、相同性を調べることによ
りCDR領域を表2に示すごとく決定した。なお、L鎖
V領域のCDR1〜3のアミノ酸配列についてはそれぞ
れ配列番号59〜61に示し、H鎖V領域のCDR1〜3の
アミノ酸配列についてはそれぞれ配列番号62〜64に示し
た。
【0154】
【表2】
【0155】〔実施例2〕キメラ抗体の構築 (1) キメラ抗体H鎖の構築 (i) H鎖V領域の構築 ヒトH鎖C領域Cγ1のゲノムDNAを含む発現ベクタ
ーに連結するために、クローニングしたマウスH鎖V領
域をコードするDNAをPCR法により修飾した。後方
プライマーMBC1−S1(配列番号7)はV領域のリ
ーダー配列の5’−側をコードするDNAにハイブリダ
イズし且つKozak コンセンサス配列(Kozak, M. et a
l., J.Mol.Biol., 196, 947-950,1987)及び制限酵素Hin
d IIIの認識配列を有するように設計した。前方プライ
マーMBC1−a(配列番号8)はJ領域の3’−側を
コードするDNA配列にハイブリダイズし、且つ、スプ
ライスドナー配列及び制限酵素BamHIの認識配列を有す
るように設計した。PCRは、TaKaRa Ex Taq (宝酒
造)を用い、50μlの反応混合液に鋳型DNAとして0.
07μgのプラスミドMBC1H04 、プライマーとしてMBC1-a
およびMBC1-S1 をそれぞれ50pmole 、2.5UのTaKaRa Ex
Taq 、0.25mMのdNTP含む条件で添付緩衝液を使用し
て50μlの鉱油を上層し、94℃にて1分間、55℃にて1
分間、72℃にて2分間の温度サイクルで30回行った。P
CR法により増幅したDNA断片を3%NuSieve GTGア
ガロース(FMC Bio. Products)を用いたアガロースゲル
電気泳動により分離した。
【0156】437bp 長のDNA断片を含有するアガロー
ス片を切取り、GENECLEAN II Kit(BIO101)を用い、キッ
ト添付の処方に従いDNA断片を精製した。精製したD
NAをエタノール沈殿で回収した後、10mM Tris-HCl (p
H7.4) 、1mM EDTA 溶液20μlに溶解した。得られたD
NA溶液1μlを制限酵素BamHI、Hind III(宝酒造)
により37℃1時間消化した。この消化混合物をフェノー
ル及びクロロホルムで抽出し、エタノール沈殿によりD
NAを回収した。
【0157】上記のようにして調製したマウスH鎖V領
域をコードするDNAを含むHind III-BamHIDNA断片
をHind IIIおよびBamHIで消化することにより調製したp
UC19ベクターにサブクローニングした。このプラスミド
の塩基配列を確認するためプライマーM13 Primer M4 お
よびM13 Primer RV をプライマーとして、ダイターミネ
ーターサイクルシークエンシングキット(Perkin-Elmer)
を用い、DNAシークエンサー373A (Perkin-Elmer) に
より塩基配列を決定した。正しい塩基配列を有するハイ
ブリドーマ#23-57-137-1 に由来するマウスH鎖V領域
をコードするDNAを含有し、5’−側にHind III認識
配列及びKozak 配列、3’−側にBamHI認識配列を持つ
プラスミドをMBC1H/pUC19 と命名した。
【0158】(ii)cDNAタイプのマウス−ヒトキメラ
H鎖を作製するためのH鎖V領域の構築 ヒトH鎖C領域Cγ1のcDNAと連結するために、上
記のようにして構築したマウスH鎖V領域をコードする
DNAをPCR法により修飾した。H鎖V領域を修飾す
るための後方プライマーMBC1HVS2(配列番号9)はV領
域のリーダー配列の最初をコードする配列の2番のアス
パラギンをグリシンに変換し、且つKozak コンセンサス
配列(Kozak,M.et al.,J.Mol.Biol.,196,947-950,1987)
並びにHind IIIおよびEcoRI 認識配列を有するように設
計した。H鎖V領域を修飾するための前方プライマーMB
C1HVR2(配列番号10)はJ領域の3’−側をコードする
DNA配列にハイブリダイズし、且つ、C領域の5’−
側の配列をコードしApaIおよびSmaI認識配列を有する
ように設計した。
【0159】PCRはTaKaRa Ex Taq (宝酒造)を用
い、50μlの反応混合液に鋳型DNAとして0.6 μgの
プラスミドMBC1H/pUC19 、プライマーとしてMBC1HVS2お
よびMBC1HVR2をそれぞれ50pmole 、TaKaRa Ex Taq を2.
5U、0.25mMのdNTP含む条件で、添付の緩衝液を使用
して、50μlの鉱油を上層して94℃1分間、55℃1分
間、72℃1分間の温度サイクルで30回行った。PCR法
により増幅したDNA断片を1%Sea Kem GTG アガロー
ス(FMC Bio.Products) を用いたアガロースゲル電気泳
動により分離した。456bp 長のDNA断片を含有するア
ガロース片を切取り、GENECLEAN II Kit(BIO101)を用
い、キット添付の処方に従いDNA断片を精製した。精
製したDNAをエタノール沈殿させた後、10mM Tris-HC
l(pH7.4)、1mMEDTA 溶液20μlに溶解した。
【0160】得られたDNA溶液1μlを制限酵素EcoR
I およびSmaI(宝酒造)により37℃で1時間消化した。
この消化混合物をフェノール及びクロロホルムで抽出
し、エタノール沈殿によりDNAを回収した。上記のよ
うにして調製したマウスH鎖V領域をコードするDNA
を含むEcoRI-SmaIDNA断片を、EcoRI およびSmaIで消
化することにより調製したpUC19 ベクターにサブクロー
ニングした。このプラスミドの塩基配列を確認するた
め、プライマーM13 Primer M4 及びM13 Primer RVをプ
ライマーとして、ダイターミネーターサイクルシークエ
ンシングキット(Perkin-Elmer)を用い、DNAシークエ
ンサー373A(Perkin-Elmer)により塩基配列を決定した。
正しい塩基配列を有するハイブリドーマ#23-57-137-1
に由来するマウスH鎖V領域をコードするDNAを含有
し、5’−側にEcoRI およびHind III認識配列及びKoza
k 配列、3’−側にApaIおよびSmaI認識配列を持つプ
ラスミドをMBC1Hv/pUC19と命名した。
【0161】(iii) キメラ抗体H鎖の発現ベクターの構
築 ヒト抗体H鎖C領域Cγ1を含むcDNAは、以下のよ
うにして調製した。すなわち、ヒト型化PM1抗体H鎖
V領域およびヒト抗体H鎖C領域IgG1のゲノムDN
A(N. Takahashi, et al., Cell 29, 671-679 1982)
をコードする発現ベクターDHFR-△E-RVh-PM-1-f(WO92/
19759参照)と、ヒト型化PM1抗体L鎖V領域のDN
Aおよびヒト抗体L鎖κ鎖C領域のゲノムDNAをコー
ドする発現ベクターRV1-PM1a(WO92/19759参照)とを導
入したCHO細胞よりmRNAを調製し、RT−PCR
法でヒト型化PM1抗体H鎖V領域およびヒト抗体C領
域Cγ1を含むcDNAをクローニングし、pUC19 のHi
nd IIIとBamHI部位にサブクローニングした。塩基配列
を確認した後、正しい配列を持つプラスミドをpRVh-PM1
f-cDNAと命名した。
【0162】DHFR-△E-RVh-PM-1-f上のSV40プロモ
ーターとDHFR遺伝子との間にあるHind III部位、お
よびEF−1αプロモーターとヒト型化PM1抗体H鎖
V領域との間にあるEcoRI 部位を欠失した発現ベクター
を作製し、ヒト型化PM1抗体H鎖V領域およびヒト抗
体C領域Cγ1を含むcDNAの発現ベクターの構築の
ために使用した。
【0163】pRVh-PM1f-cDNAをBamHIで消化した
後、Klenowフラグメントで平滑化し、さらにHind IIIで
消化し、Hind III-BamHI平滑化断片を調製した。このHi
nd III-BamHI平滑化断片を、上記のHind III部位および
EcoRI 部位が欠失したDHFR-△E-RVh-PM1-f をHind III
およびSmaIで消化することにより調製した発現ベクター
に連結し、ヒト型化PM1抗体H鎖V領域およびヒト抗
体C領域Cγ1をコードするcDNAを含む発現ベクタ
ーRVh-PM1f−cDNAを構築した。
【0164】ヒト型化PM1抗体H鎖V領域およびヒト
抗体C領域Cγ1をコードするcDNAを含む発現ベク
ターRVh-PM1f−cDNAをApaIおよびBamHIで消化した
後、H鎖C領域を含むDNA断片を回収し、ApaIおよび
BamHIで消化することにより調製したMBC1Hv/pUC19に導
入した。こうして作製したプラスミドをMBC1HcDNA /pU
C19 と命名した。このプラスミドはマウス抗体のH鎖V
領域およびヒト抗体C領域Cγ1をコードするcDNA
を含み、5'-末端にEcoRI およびHind III認識配列、
3'-末端にBamHI認識配列を持つ。
【0165】プラスミドMBC1HcDNA/pUC19 をEcoRI およ
びBamHIで消化し、得られたキメラ抗体のH鎖をコード
する塩基配列を含むDNA断片を、EcoRI およびBamHI
で消化することにより調製した発現ベクターpCOS1
に導入した。こうして得られたキメラ抗体の発現プラス
ミドをMBC1HcDNA/pCOS1と命名した。な
お、発現ベクターpCOS1は、HEF-PMh-gγ1(WO92/1
9759参照)から、EcoRI およびSmaI消化により抗体遺伝
子を削除し、EcoRI-NotI-BamHI Adaptor(宝酒造)を連
結することにより構築した。
【0166】さらにCHO細胞での発現に用いるための
プラスミドを作製するため、プラスミドMBC1HcDNA/pUC1
9 をEcoRI およびBamHIで消化し、得られたキメラ抗体
H鎖配列を含むDNA断片を、EcoRI およびBamHIで消
化することにより調製した発現プラスミドpCHO1に
導入した。こうして得られたキメラ抗体の発現プラスミ
ドをMBC1HcDNA/pCHO1 と命名した。なお、発現ベクター
pCHO1は、DHFR-△E-rvH-PM1-f (WO92/19759参
照)から、EcoRI およびSmaI消化により抗体遺伝子を削
除し、EcoRI-NotI-BamHI Adaptor(宝酒造)を連結する
ことにより構築した。
【0167】(2) ヒトL鎖定常領域の構築 (i) クローニングベクターの作製 ヒトL鎖定常領域を含むpUC19 ベクターを構築するため
に、Hind III部位欠失pUC19 ベクターを作製した。pUC1
9 ベクター2μgを20mM Tris-HCl(pH8.5 )、10mM M
gCl2、1mM DTT、100 mM KCl、8Uの Hind III (宝酒
造)を含有する反応混合液20μl中で37℃にて1時間消
化した。消化混合液をフェノールおよびクロロホルムで
抽出し、DNAをエタノール沈殿により回収した。
【0168】回収したDNAを50mM Tris-HCl (pH7.
5)、10mM MgCl2、1mM DTT、100mM NaCl、0.5mM dNTP、
6UのKlenowフラグメント(GIBCO BRL)を含有する50μ
lの反応混合液中で室温にて20分間反応させ、末端を平
滑化させた。反応混合液をフェノールおよびクロロホル
ムで抽出し、ベクターDNAをエタノール沈殿により回
収した。
【0169】回収したベクターDNAを50mM Tris-HCl
(pH7.6)、 10mM MgCl2 、1mM ATP、1mM DTT、5%(v
/v) ポリエチレングリコール-8000 、0.5 UのT4 DNAリ
ガーゼ(GIBCO BRL)を含有する反応混合液10μl中で16
℃で2時間反応させ、自己連結させた。反応混合液5μ
lを大腸菌JM109 コンピテント細胞(ニッポンジーン)
100 μlに加え、氷上で30分間静置した後、42℃にて1
分間、さらに氷上で1分間静置した。SOC培地500 μ
lを加えて、37℃で1時間インキュベーションした後、
X-gal とIPTGを表面に塗布した2×YT寒天培地(50μ
g/ml アンピシリン含有)(Molecular Cloning: A Lab
goratory Manual, Sambrook,et al., Cold Spring Harb
or Laboratory Press, 1989)にまき、37℃で一夜培養
して形質転換体を得た。
【0170】形質転換体を、50μg/ml アンピシリンを
含有する2×YT培地20mlで37℃一夜培養し、菌体画分
からPlasmid Mini Kit(QIAGEN)を用いて、添付の処方に
従ってプラスミドDNAを精製した。精製したプラスミ
ドをHind IIIで消化し、HindIII部位が欠失しているこ
とを確認したプラスミドをpUC19 ΔHind IIIと命名し
た。
【0171】(ii)ヒトL鎖λ鎖定常領域をコードするD
NAの構築 ヒト抗体L鎖λ鎖C領域は、Mcg+ Ke+ Oz−
、Mcg− Ke−Oz−、Mcg− Ke− Oz
+ 、Mcg− Ke+ Oz− の少なくとも4種類
のアイソタイプが知られている(P.Dariavach,et al.,
Proc.Natl.Acad.Sci.USA,84,9074-9078,1987) 。#23-5
7-137-1 マウスL鎖λ鎖C領域と相同性を有するヒト抗
体L鎖λ鎖C領域をEMBLデータベースで検索した結
果、アイソタイプがMcg+ Ke+ Oz− (acce
ssion No. X57819)(P.Dariavach,et al., Proc.Natl.A
cad.Sci.USA,84,9074-9078,1987) のヒト抗体L鎖λ鎖
が最も高い相同性を示し、#23-57-137-1 マウスL鎖λ
鎖C領域との相同性はアミノ酸配列で64.4%、塩基配列
で73.4%であった。
【0172】そこで、このヒト抗体L鎖λ鎖C領域をコ
ードするDNAの構築を、PCR法を用いて行った。各
プライマーの合成は、394 DNA/RNA シンセサイザー(ABI
社)を用いて行った。HLAMB1(配列番号11)およびHLAMB
3(配列番号13)はセンスDNA配列を有し、HLAMB2
(配列番号12)およびHLAMB4(配列番号14)はアン
チセンスDNA配列を有し、それぞれのプライマーの両
端に20から23bpの相補的配列を有する。
【0173】外部プライマーHLAMBS(配列番号15)、HL
AMBR(配列番号16)はHLAMB1、HLAMB4とそれぞれ相同な
配列を有しており、またHLAMBSはEcoRI 、Hind III、Bl
nI認識配列を、HLAMBRはEcoRI 認識配列をそれぞれ含ん
でいる。第一PCRでHLAMB1-HLAMB2 とHLAMB3-HLAMB4
の反応を行った。反応後、それらを等量混合し、第二P
CRでアセンブリを行った。さらに外部プライマーHLAM
BSおよびHLAMBRを添加し、第三PCRにより全長DNA
を増幅させた。
【0174】PCRはTaKaRa Ex Taq (宝酒造)を使
い、添付の処方に従って行った。第一PCRでは、5pm
ole のHLAMB1および 0.5pmole のHLAMB2と5UのTaKaRa
Ex Taq (宝酒造)とを含有する100 μlの反応混合
液、あるいは0.5pmoleのHLAMB3および5pmole のHLAMB4
と5UのTaKaRa Ex Taq (宝酒造)とを含有する100 μ
lの反応混合液を用い、50μlの鉱油を上層して94℃に
て1分間、60℃にて1分間、72℃にて1分間の温度サイ
クルで5回行った。第二PCRは、反応液を50μlずつ
混合し、50μlの鉱油を上層して94℃にて1分間、60℃
にて1分間、72℃にて1分間の温度サイクルで3回行っ
た。第三PCRは、反応液に外部プライマーHLAMBSおよ
びHLAMBRを各50pmole ずつ添加し、94℃にて1分間、60
℃にて1分間、72℃にて1分間の温度サイクルで30回行
った。
【0175】第三PCR産物のDNA断片を3%低融点
アガロースゲル(NuSieve GTG Agarose, FMC) で電気泳
動した後、GENECLEANII Kit(BIO101) を用い、添付の処
方に従ってゲルから回収、精製した。得られたDNA断
片を50mM Tris-HCl(pH7.5)、10mM MgCl2、1mM DTT、 1
00mMNaCl 、8UのEcoRI (宝酒造)を含有する20μl
の反応混合液中で37℃にて1時間消化した。消化混合液
をフェノールおよびクロロホルムで抽出し、DNAをエ
タノール沈殿で回収した後、10mM Tris-HCl(pH7.4)、1
mM EDTA 溶液8μlに溶解した。
【0176】プラスミドpUC19 ΔHind III 0.8μgを同
様にEcoRI で消化し、フェノールおよびクロロホルムで
抽出し、エタノール沈殿により回収した。消化したプラ
スミドpUC19 ΔHind IIIを50 mM Tris-HCl(pH9.0)、1
mM MgCl2、アルカリホスファターゼ(E.coli C75,宝酒
造)を含有する反応混合液50μl中で37℃、30分間反応
させ脱リン酸処理(BAP処理)した。反応液をフェノ
ールおよびクロロホルムで抽出、DNAをエタノール沈
殿により回収した後、10mM Tris-HCl (pH7.4)、1mM ED
TA 溶液10μlに溶解した。
【0177】上記のBAP処理したプラスミドpUC19 Δ
Hind III1μlと先のPCR産物4μlとを、DNA Liga
tion Kit Ver.2(宝酒造)を用いて連結し、大腸菌JM10
9 コンピテント細胞に形質転換した。得られた形質転換
体を50μg/ml アンピシリンを含有する2×YT培地2
mlで一夜培養し、菌体画分からQIAprep Spin PlasmidKi
t (QIAGEN) を用いてプラスミドを精製した。
【0178】上記プラスミドについて、クローニングさ
れたDNAの塩基配列の確認を行った。塩基配列の決定
には373A DNAシークエンサー(ABI社) を用い、プライマ
ーにはM13 プライマー M4 およびM13 プライマーRV(宝
酒造)を用いた。その結果、クローニングされたDNA
の内部に12bpの欠失があることが判明した。このDNA
を含むプラスミドをCλΔ/pUC19 と命名した。そこ
で、その部分を補うためのプライマーHCLMS (配列番号
17)、 HCLMR(配列番号18)を新たに合成し、PCRで
再度正しいDNAの構築を行った。
【0179】第一PCRで欠失DNAを含むプラスミド
CλΔ/pUC19 を鋳型とし、プライマーHLAMBSとHCLMR
、HCLMS とHLAMB4で反応を行った。PCR産物をそれ
ぞれ精製し、第二PCRでアセンブリを行った。さらに
外部プライマーHLAMBSおよびHLAMB4を添加し、第三PC
Rにより全長DNAを増幅させた。
【0180】第一PCRでは、鋳型としてCλΔ/pUC1
9 0.1μg、プライマーHLAMBSおよびHCLMR 各50pmole
、あるいはHCLMS およびHLAMB4各50pmole 、5UのTaK
aRa Ex Taq (宝酒造)を含有する100 μlの反応混合
液を用い、50μlの鉱油を上層して94℃にて1分間、60
℃にて1分間、72℃にて1分間の温度サイクルで30回行
った。
【0181】PCR産物HLAMBS-HCLMR(236bp) 、HCLMS-
HLAMB4(147bp) をそれぞれ3%低融点アガロースゲルで
電気泳動した後、GENECLEANII Kit(BIO101) を用いてゲ
ルから回収、精製した。第二PCRでは精製DNA断片
各40ng、1UのTaKaRa Ex Taq (宝酒造)を含有する20
μlの反応混合液を用い、25μlの鉱油を上層して94℃
にて1分間、60℃にて1分間、72℃にて1分間の温度サ
イクルを5回行った。
【0182】第三PCRでは、第二PCR反応液2μ
l、外部プライマーHLAMBS、HLAMB4各50pmole 、5Uの
TaKaRa Ex Taq (宝酒造)を含有する100 μlの反応混
合液を用い、50μlの鉱油を上層した。PCRは、94℃
にて1分間、60℃にて1分間、72℃にて1分間の温度サ
イクルで30回行った。第三PCR産物である357bp のD
NA断片を3%低融点アガロースゲルで電気泳動した
後、GENECLEANII Kit(BIO101) を用いてゲルから回収、
精製した。
【0183】得られたDNA断片0.1μgをEcoRI で消
化した後、BAP処理したプラスミド pUC19ΔHind III
にサブクローニングした。大腸菌JM109コンピテン
ト細胞に形質転換し、50μg/ml アンピシリンを含有す
る2×YT培地2mlで一夜培養し、菌体画分からQIApre
p Spin Plasmid Kit(QIAGEN)を用いてプラスミドを精製
した。精製したプラスミドについて塩基配列をM13 プラ
イマー M4 、M13 プライマーRV (宝酒造)を用い、373
A DNAシークエンサー(ABI社)にて決定した。欠失のな
い正しい塩基配列を有していることが確認されたプラス
ミドをCλ/pUC19 とした。
【0184】(iii) ヒトL鎖κ鎖定常領域をコードする
DNAの構築 プラスミドHEF-PM1k-gk (WO92/19759)からL鎖κ鎖C
領域をコードするDNA断片を、PCR法を用いてクロ
ーニングした。394 DNA/RNA シンセサイザー(ABI社)を
用いて合成した前方プライマーHKAPS (配列番号19)は
EcoRI 、Hind III、BlnI認識配列を、後方プライマーHK
APA (配列番号20)はEcoRI 認識配列を有するように設
計した。
【0185】鋳型となるプラスミドHEF-PM1k-gk 0.1 μ
g、プライマーHKAPS 、HKAPA 各50pmole 、5UのTaKa
Ra Ex Taq (宝酒造)を含有する100 μlの反応混合液
を用い、50μlの鉱油を上層した。94℃にて1分間、60
℃にて1分間、72℃にて1分間の反応を30サイクル行っ
た。360bp のPCR産物を3%低融点アガロースゲルで
電気泳動した後、GENECLEANII Kit(BIO101) を用いてゲ
ルから回収、精製した。
【0186】得られたDNA断片をEcoRI で消化した
後、BAP処理したプラスミドpUC19ΔHind IIIにクロ
ーニングした。大腸菌JM109コンピテント細胞に形
質転換し、50μg/ml アンピシリンを含有する2×YT
培地2mlで一夜培養し、菌体画分からQIAprep Spin Pla
smid Kit(QIAGEN)を用いてプラスミドを精製した。精製
したプラスミドの塩基配列をM13 プライマー M4 、M13
プライマー RV (宝酒造)を用い、373A DNAシークエン
サー(ABI社)にて決定した。正しい塩基配列を有してい
ることが確認されたプラスミドをCκ/pUC19 とした。
【0187】(3) キメラ抗体L鎖発現ベクターの構築 キメラ#23-57-137-1 抗体L鎖発現ベクターを構築し
た。プラスミドCλ/pUC19 、Cκ/pUC19 のヒト抗体
定常領域の直前にあるHind III、BlnI部位に、#23-57-
137-1 L鎖V領域をコードするDNAを連結することに
よって、それぞれキメラ#23-57-137-1 抗体L鎖V領域
およびL鎖λ鎖またはL鎖κ鎖定常領域をコードするD
NAを含むpUC19 ベクターを作製した。EcoRI 消化によ
ってキメラ抗体L鎖をコードするDNAを切り出し、H
EF発現ベクターへサブクローニングを行った。
【0188】すなわち、プラスミドMBC1L24 から#23-5
7-137-1 抗体L鎖V領域をコードするDNAを、PCR
法を用いてクローニングした。各プライマーの合成は、
394DNA/RNA シンセサイザー(ABI社)を用いて行った。
後方プライマーMBCCHL1 (配列番号21)はHind III認
識配列とKozak 配列(Kozak,M.et al.,J.Mol.Biol.196,
947-950,1987) を、前方プライマーMBCCHL3 (配列番号
22)はBglII 、EcoRI 認識配列を有するように設計し
た。
【0189】PCRは、10mM Tris-HCl(pH8.3)、50mM K
Cl、1.5mM MgCl2 、0.2mM dNTP、0.1 μgのMBC1L2
4 、プライマーとしてMBCCHL1 およびMBCCHL3 を各50pm
ole、1μlの AmpliTaq(PERKIN ELMER) を含有する100
μlの反応混合液を用い、50μlの鉱油を上層して94℃
にて45秒間、60℃にて45秒間、72℃にて2分間の温度サ
イクルで30回行った。
【0190】444bp のPCR産物を3%低融点アガロー
スゲルで電気泳動した後、GENECLEAN II kit(BIO101)を
用いてゲルから回収、精製し、10mM Tris-HCl (pH7.4)
、1mM EDTA 溶液20μlに溶解した。PCR産物1μ
lをそれぞれ10mM Tris-HCl (pH7.5)、10mM MgCl2、1
mM DTT、50mM NaCl 、8UのHind III(宝酒造)および
8UのEcoRI (宝酒造)を含有する反応混合液20μl中
で37℃にて1時間消化した。消化混合液をフェノールお
よびクロロホルムで抽出し、DNAをエタノール沈殿で
回収し、10mM Tris-HCl (pH7.4)、1mM EDTA 溶液8μ
lに溶解した。
【0191】プラスミドpUC19 1μgを同様にHind III
およびEcoRI で消化し、フェノールおよびクロロホルム
で抽出し、エタノール沈殿により回収し、アルカリホス
ファターゼ(E.coli C75 ,宝酒造)でBAP処理した。
反応液をフェノールおよびクロロホルムで抽出、DNA
をエタノール沈殿で回収した後、10mM Tris-HCl (pH7.
4) 、1mM EDTA 溶液10μlに溶解した。
【0192】BAP処理したプラスミドpUC19 1μlと
先のPCR産物4μlをDNA Ligation Kit Ver.2(宝酒
造)を用いて連結し、大腸菌JM109コンピテント細
胞(ニッポンジーン)に前述と同様に形質転換した。こ
れを、50μg/mlアンピシリンを含有する2×YT寒
天培地にまき、37℃で一夜培養した。得られた形質転
換体を、50μg/mlアンピシリンを含有する2×YT
培地2mlで37℃で一夜培養した。菌体画分からQIAprep
Spin Plasmid Kit(QIAGEN)を用いてプラスミドを精製し
た。塩基配列を決定後、正しい塩基配列を有するプラス
ミドをCHL/pUC19 とした。
【0193】プラスミドCλ/pUC19 、Cκ/pUC19 各
1μgをそれぞれ20mM Tris-HCl(pH8.5)、10mM MgCl2
1mM DTT、100mM KCl、8Uの Hind III(宝酒造)お
よび2UのBlnI(宝酒造)を含有する反応混合液20μl
中で37℃にて1時間消化した。消化混合液をフェノール
およびクロロホルムで抽出、DNAをエタノール沈殿で
回収した後、37℃で30分間BAP処理を行った。反応液
をフェノールおよびクロロホルムで抽出し、DNAをエ
タノール沈殿で回収し、10mM Tris-HCl(pH7.4)、1mM E
DTA 溶液10μlに溶解した。
【0194】#23-57-137-1 L鎖V領域をコードするD
NAを含むプラスミドCHL/pUC19 から8μgを同様にHi
nd IIIおよびBlnIで消化した。得られた409bp のDNA
断片を3%低融点アガロースゲルで電気泳動した後、GE
NECLEANII Kit(BIO101) を用いてゲルから回収、精製
し、10mM Tris-HCl(pH7.4)、1mM EDTA 溶液10μlに
溶解した。
【0195】このL鎖V領域DNA4μlを、BAP処
理したプラスミドCλ/pUC19 またはCκ/pUC19 各1
μlにサブクローニングし、大腸菌JM109コンピテ
ント細胞に形質転換した。50μg/ml アンピシリンを含
有する2×YT培地3mlで一夜培養し、菌体画分からQI
Aprep Spin Plasmid Kit (QIAGEN) を用いてプラスミド
を精製した。これらをそれぞれプラスミドMBC1L(λ)/pU
C19 、MBC1L(κ)/pUC19 とした。プラスミドMBC1L(λ)/
pUC19 およびMBC1L(κ)/pUC19 をそれぞれEcoRI で消化
し、3%低融点アガロースゲルで電気泳動した後、743b
p のDNA断片をGENECLEANII Kit(BIO101) を用いてゲ
ルから回収、精製し、10mM Tris-HCl(pH7.4)、1mM EDT
A 溶液10μlに溶解した。
【0196】発現ベクターとしてプラスミドHEF-PM1k-g
k 2.7 μgをEcoRI で消化し、フェノールおよびクロロ
ホルムで抽出し、DNAをエタノール沈殿で回収した。
回収したDNA断片をBAP処理した後、1%低融点ア
ガロースゲルで電気泳動し、6561bpのDNA断片をGENE
CLEANII Kit(BIO101) を用いてゲルから回収、精製し、
10mM Tris-HCl(pH7.4)、1mM EDTA 溶液10μlに溶解し
た。
【0197】BAP処理したHEFベクター2μlを上
記プラスミドMBC1L(λ) またはMBC1L(κ) EcoRI 断片各
3μlと連結し、大腸菌JM109コンピテント細胞に
形質転換した。50μg/ml アンピシリンを含有する2×
YT培地2mlで培養し、菌体画分からQIAprep Spin Pla
smid Kit (QIAGEN) を用いてプラスミドを精製した。
【0198】精製したプラスミドを、20mM Tris-HCl (p
H8.5) 、10mM MgCl2、1mM DTT、100mM KCl 、8UのHi
nd III(宝酒造)および2UのPvuI(宝酒造)を含有す
る反応混合液20μl中で37℃にて1時間消化した。断片
が正しい方向に挿入されていれば5104/2195bp 、逆方向
に挿入されていれば4378/2926bp の消化断片が生じるこ
とより、正しい方向に挿入されていたプラスミドをそれ
ぞれMBC1L(λ)/neo 、MBC1L(κ)/neo とした。
【0199】(4) COS−7細胞のトランスフェクショ
ン キメラ抗体の抗原結合活性および中和活性を評価するた
め、前記発現プラスミドをCOS−7細胞で一過性に発
現させた。すなわちキメラ抗体の一過性発現は、プラス
ミドMBC1HcDNA/pCOS1とMBC1L
(λ)/neo、またはMBC1HcDNA/pCOS
1とMBC1L(κ)/neoとの組み合わせでGene P
ulser 装置(Bio Rad )を用いてエレクトロポレーショ
ンによりCOS−7細胞に同時形質導入した。PBS
(−)中に1×107細胞/mlの細胞濃度で懸濁されて
いるCOS−7細胞0.8mlに、各プラスミドDNA10μ
gを加え、1,500 V,25μFの静電容量にてパルスを与
えた。室温にて10分間の回復期間の後、エレクトロポレ
ーション処理された細胞を2%のUltra Low IgG ウシ胎
児血清(GIBCO)を含有するDMEM培地(GIBCO)に懸濁
し、10cm培養皿を用いてCO2 インキュベーターにて
培養した。72時間の培養の後、培養上清を集め、遠心分
離により細胞破片を除去し、ELISA の試料に供した。ま
た、COS−7細胞の培養上清からのキメラ抗体の精製
は、AffiGel Protein A MAPSIIキット(BioRad)を用い
てキット添付の処方に従って行った。
【0200】(5) ELISA (i) 抗体濃度の測定 抗体濃度測定のためのELISA プレートを次のようにして
調製した。ELISA 用96穴プレート(Maxisorp, NUNC) の
各穴を、固相化バッファー(0.1M NaHCO3 、0.02% NaN
3 )で1μg/mlの濃度に調製したヤギ抗ヒトIgG抗体
(TAGO)100 μl で固相化し、200 μl の希釈バッファ
ー(50mM Tris-HCl 、1mM MgCl2、0.1MNaCl 、0.05%
Tween20、0.02% NaN3 、1% 牛血清アルブミン(B
SA)、pH7.2)でブロッキングの後、キメラ抗体を発現
させたCOS細胞の培養上清あるいは精製キメラ抗体を
段階希釈して各穴に加えた。1時間室温にてインキュベ
ートし、PBS-Tween20 で洗浄後、アルカリフォスファタ
ーゼ結合ヤギ抗ヒトIgG抗体(TAGO)100 μl を加え
た。1時間室温にてインキュベートし、PBS-Tween20 で
洗浄の後、1mg/ml の基質溶液(Sigma104、p−ニトロ
フェニルリン酸、SIGMA )を加え、次に405nm での吸光
度をマイクロプレートリーダー(Bio Rad) で測定した。
濃度測定のスタンダードとして、Hu IgG1λ Purified
(The BindingSite)を用いた。
【0201】(ii)抗原結合能の測定 抗原結合測定のためのElISAプレートでは、次のよ
うにして調製した。ELISA用96穴プレートの各穴
を、固相化バッファーで1μg/mlの濃度に調製した
ヒトPTHrP(1-34)(ペプチド研究所)100 μlで
固相化した。200μlの希釈バッファーでブロッキング
の後、キメラ抗体を発現させたCOS細胞の培養上清あ
るいは精製キメラ抗体を段階希釈して各穴に加えた。室
温にてインキュベートし、PBS-Tween20 で洗浄後、アル
カリフォスファターゼ結合ヤギ抗ヒトIgG抗体(TAG
O)100 μlを加えた。室温にてインキュベートし、PBS
-Tween20 で洗浄の後、1mg/ml の基質溶液(Sigma10
4、p−ニトロフェニルリン酸、SIGMA )を加え、次に4
05nm での吸光度をマイクロプレートリーダー(Bio Ra
d)で測定した。
【0202】その結果、キメラ抗体は、ヒトPTHrP
(1-34) に対する結合能を有しており、クローニングし
たマウス抗体V領域の正しい構造を有することが示され
た(図4)。また、キメラ抗体においてL鎖C領域がλ
鎖あるいはκ鎖のいずれであっても抗体のPTHrP
(1-34) に対する結合能は変化しないことから、ヒト型
化抗体のL鎖C領域は、ヒト型化抗体L鎖λ鎖を用いて
構築した。
【0203】(6) CHO安定産生細胞株の樹立 キメラ抗体の安定産生細胞株を樹立するため、前記発現
プラスミドをCHO細胞(DXB11)に導入した。す
なわちキメラ抗体の安定産生細胞株樹立は、CHO細胞
用発現プラスミドMBC1HcDNA/pCHO1とM
BC1L(λ)/neo、またはMBC1HcDNA/
pCHO1とMBC1L(κ)/neoとの組み合わせ
で、Gene Pulser 装置(Bio Rad )を用いてエレクトロ
ポレーションによりCHO細胞に同時形質導入した。そ
れぞれの発現ベクターを制限酵素PvuIで切断して直
鎖DNAにし、フェノールおよびクロロホルム抽出後、
エタノール沈殿でDNAを回収してエレクトロポレーシ
ョンに用いた。PBS(−)中に1×107細胞/mlの
細胞濃度で懸濁されているCHO細胞0.8ml に、各プラ
スミドDNA10μgを加え、1,500 V,25μFの静電容
量にてパルスを与えた。室温にて10分間の回復期間の
後、エレクトロポレーション処理された細胞を10%ウシ
胎児血清(GIBCO )を添加したMEM−α培地(GIBCO
)に懸濁し、3枚の96穴プレート(Falcon)を用いて
CO2 インキュベーターにて培養した。培養開始翌日
に、10%ウシ胎児血清(GIBCO )および500mg/mlのGENE
TICIN (G418Sulfate 、GIBCO )添加、リボヌクレオシ
ドおよびデオキリボヌクレオシド不含MEM−α培地
(GIBCO )の選択培地を交換し、抗体遺伝子の導入され
た細胞を選択した。選択培地交換後、2週間前後に顕微
鏡下で細胞を観察し、順調な細胞増殖が認められた後
に、上記抗体濃度測定ELISAにて抗体産生量を測定
し、抗体産生量の多い細胞を選別した。
【0204】樹立した抗体の安定産生細胞株の培養を拡
大し、ローラーボトルにて2%のUltra Law IgG ウシ胎
児血清添加、リボヌクレオシドおよびデオキリボヌクレ
オシド不含MEM培地を用いて、大量培養を行った。培
養3ないし4日目に培養上清を回収し、0.2 μmのフィ
ルター(Millipore )により細胞破片を除去した。CH
O細胞の培養上清からのキメラ抗体の精製は、PORO
SプロテインAカラム(PerSeptive Biosystems )を用
いて、ConSep LC100(Millipore )にて添
付の処方に従って行い、中和活性の測定および高カルシ
ウム血症モデル動物での薬効試験に供した。得られた精
製キメラ抗体の濃度および抗原結合活性は、上記ELI
SA系にて測定した。
【0205】〔実施例3〕ヒト型化抗体の構築 (1) ヒト型化抗体H鎖の構築 (i) ヒト型化H鎖V領域の構築 ヒト型化#23−57−137−1抗体H鎖を、PCR
法によるCDR−グラフティングにより作製した。ヒト
抗体S31679(NBRF-PDB、Cuisinier A.M.ら、Eur.J.Immuno
l.,23,110-118,1993)由来のFRを有するヒト型化#2
3−57−137−1抗体H鎖(バージョン”a”)の
作製のために6個のPCRプライマーを使用した。CD
R−グラフティングプライマーMBC1HGP1(配列
番号23)及びMBC1HGP3(配列番号24)はセ
ンスDNA配列を有し、そしてCDRグラフティングプ
ライマーMBC1HGP2(配列番号25)及びMBC
1HGP4(配列番号26)はアンチセンスDNA配列
を有し、そしてそれぞれプライマーの両端に15から2
1bpの相補的配列を有する。外部プライマーMBC1
HVS1(配列番号27)及びMBC1HVR1(配列
番号28)はCDRグラフティングプライマーMBC1
HGP1及びMBC1HGP4とホモロジーを有する。
【0206】CDR−グラフティングプライマーMBC
1HGP1、MBC1HGP2、MBC1HGP3およ
びMBC1HGP4は尿素変性ポリアクリルアミドゲル
を用いて分離し(Molecular Cloning: A Laboratory Ma
nual, Sambrookら, Cold Spring Harbor Laboratory Pr
ess, 1989)、ゲルからの抽出はcrush andsoak法(Molec
ular Cloning: A Laboratory Manual, Sambrookら, Col
d Spring Harbor Laboratory Press, 1989)にて行っ
た。
【0207】すなわち、それぞれ1nmoleのCDR
−グラフティングプライマーを6%変性ポリアクリルア
ミドゲルで分離し、目的の大きさのDNA断片の同定を
シリカゲル薄層板上で紫外線を照射して行い、crush an
d soak法にてゲルから回収し20μlの10mM Tr
is−HCl(pH7.4),1mM EDTA溶液に
溶解した。PCRは、TaKaRa Ex Taq(宝酒造)を用
い、100μlの反応混合液に上記の様に調製したCD
R−グラフティングプライマーMBC1HGP1、MB
C1HGP2、MBC1HGP3およびMBC1HGP
4をそれぞれ1μl、0.25mMのdNTP並びに
2.5UのTaKaRa Ex Taqを含む条件で、添付緩衝液を
使用して94℃にて1分間、55℃にて1分間、72℃
にて1分間の温度サイクルで5回行った。さらに50p
moleの外部プライマーMBC1HVS1及びMBC
1HVR1を加え、同じ温度サイクルを30回行った。
PCR法により増幅したDNA断片を4%Nu Sieve GTG
アガロース(FMC Bio. Products)を用いたアガロース
ゲル電気泳動により分離した。
【0208】421bp長のDNA断片を含有するアガ
ロース片を切取り、GENECLEANIIKit(B
IO101)を用い、キット添付の処方に従いDNA断
片を精製した。精製したDNAをエタノールで沈殿させ
た後、10mM Tris−HCl(pH7.4),1
mM EDTA溶液20μlに溶解した。得られたPC
R反応混合物を、BamHIおよびHindIIIで消
化することにより調製したpUC19にサブクローニン
グし、塩基配列を決定した。正しい配列を有するプラス
ミドをhMBCHv/pUC19と命名した。
【0209】(ii) ヒト型化H鎖cDNAのためのH鎖
V領域の構築 ヒトH鎖C領域Cγ1のcDNAと連結するために、上
記のようにして構築したヒト型化H鎖V領域のDNAを
PCR法により修飾した。後方プライマーMBC1HV
S2はV領域のリーダー配列の5’−側をコードする配
列とハイブリダイズし、且つKozakコンセンサス配
列(Kozak,M,ら、J.Mol.Biol.196,947-950,1987)、Hi
ndIIIおよびEcoRI認識配列を有するように設
計した。H鎖V領域のDNAを修飾するための前方プラ
イマーMBC1HVR2は、J領域の3’―側をコード
するDNA配列にハイブリダイズし、且つC領域の5’
−側の配列をコードしApaIおよびSmaI認識配列
を有するように設計した。
【0210】PCRはTaKaRa Ex Taq(宝
酒造)を用い、鋳型DNAとして0.4μgのhMBC
Hv/pUC19を用い、プライマーとしてMBC1H
VS2およびMBC1HVR2をそれぞれ50pmol
e、2.5UのTaKaRaEx Taq、0.25m
MのdNTPを含む条件で添付緩衝液を使用し、94℃
にて1分間、55℃にて1分間、72℃にて1分間の温
度サイクルで30回行った。PCR法により増幅したD
NA断片を3%NuSieveGTGアガロース(FMC
Bio.Products)を用いたアガロースゲル電気泳動により
分離した。
【0211】456bp長のDNA断片を含有するアガ
ロース片を切取り、GENECLEANIIKit(B
IO101)を用い、キット添付の処方に従いDNA断
片を精製した。精製したDNAをエタノールで沈殿させ
た後、10mM Tris−HCl(pH7.4),1
mM EDTA溶液20μlに溶解した。得られたPC
R反応混合物を、EcoRIおよびSmaIで消化する
ことで調製したpUC19にサブクローニングし、塩基
配列を決定した。こうして得られたハイブリドーマ#2
3−57−137−1に由来するマウスH鎖V領域をコ
ードするDNAを含有し、5’−側にEcoRIおよび
HindIII認識配列及びKozak配列、3’−側
にApaIおよびSmaI認識配列を持つプラスミドを
hMBC1Hv/pUC19と命名した。
【0212】(2)ヒト型化抗体H鎖の発現ベクターの
構築 hPM1抗体H鎖cDNAの配列を含むプラスミドRV
h−PM1f−cDNAをApaIおよびBamHIに
て消化し、H鎖C領域をコードする塩基配列を含むDN
A断片を回収し、ApaIおよびBamHIで消化する
ことにより調製したhMBC1Hv/pUC19に導入
した。こうして作製したプラスミドをhMBC1HcD
NA/pUC19と命名した。このプラスミドはヒト型
化#23−57−137−1抗体のH鎖V領域及びヒト
H鎖C領域Cγ1をコードするDNAを含み、5'-末端
にEcoRIおよびHindIII認識配列、3'-末端
にBamHI認識配列を持つ。プラスミドhMBC1H
cDNA/pUC19に含まれるヒト型化H鎖バージョ
ン”a”の塩基配列および対応するアミノ酸配列を配列
番号58に示す。また、バージョンaのアミノ酸配列を
配列番号56に示す。
【0213】hMBC1HcDNA/pUC19をEc
oRIおよびBamHIで消化し、得られたH鎖配列を
含むDNA断片を、EcoRIおよびBamHIで消化
することにより調製した発現プラスミドpCOS1に導
入した。こうして得られたヒト型化抗体の発現プラスミ
ドをhMBC1HcDNA/pCOS1と命名した。
【0214】さらにCHO細胞での発現に用いるための
プラスミドを作製するためhMBC1HcDNA/pU
C19をEcoRIおよびBamHIで消化し、得られ
たH鎖配列を含むDNA断片を、EcoRIおよびBa
mHIで消化することにより調製した発現プラスミドp
CHO1に導入した。こうして得られたヒト型化抗体の
発現プラスミドをhMBC1HcDNA/pCHO1と
命名した。
【0215】(3)L鎖ハイブリッド可変領域の構築 (i) FR1,2/FR3,4ハイブリッド抗体の作製 ヒト型化抗体とマウス(キメラ)抗体のFR領域を組み
換えたL鎖をコードするDNAを構築し、ヒト型化のた
めの各領域の評価を行った。CDR2内にある制限酵素
AflII切断部位を利用することによって、FR1及
び2はヒト抗体由来、FR3及び4はマウス抗体由来と
するハイブリッド抗体を作製した。
【0216】プラスミドMBC1L(λ)/neo及び
hMBC1L(λ)/neo各10μgを、10mMT
ris−HCl(pH7.5),10mMMgCl2
1mMDTT,50mMNaCl,0.01%(w/
v)BSA,AflII(宝酒造)10Uを含有する反
応混合液100μl中で37℃にて1時間消化した。反
応液を2%低融点アガロースゲルで電気泳動し、プラス
ミドMBC1L(λ)/neoから6282bpの断片
(c1とする)および1022bpの断片(c2とす
る)、プラスミドhMBC1L(λ)/neoから62
82bpの断片(h1とする)および1022bpの断
片(h2とする)を、GENECLEANII Kit
(BIO101)を用いてゲルから回収、精製した。回
収したc1、h1断片各1μgについてBAP処理を行
った。DNAをフェノールおよびクロロホルムで抽出
し、エタノール沈殿で回収した後、10mMTris−
HCl(pH7.4),1mM EDTA溶液10μl
に溶解した。
【0217】BAP処理したc1及びh1断片1μlを
それぞれh2、c2断片4μlに連結し(4℃、一
夜)、大腸菌JM109コンピテント細胞に形質転換し
た。50μg/mlアンピシリンを含有する2×YT培
地2mlで培養し、菌体画分からQIAprep Spin Plasmid
Kit(QIAGEN)を用いてプラスミドを精製した。
【0218】精製したプラスミドを、10mMTris
−HCl(pH7.5),10mMMgCl2及び1m
MDTT並びにApaLI(宝酒造)2U、BamHI
(宝酒造)8U又はHindIII(宝酒造)8Uを含
有する反応混合液20μl中で37℃、1時間消化し
た。c1-h2が正しく連結されていれば、ApaLI
で5560/1246/498bp、BamHI/Hi
ndIIIで7134/269bpの消化断片が生じる
ことにより、プラスミドの確認を行った。
【0219】ヒトFR1,2/マウスFR3,4ハイブ
リッド抗体L鎖をコードする発現ベクターをh/mMB
C1L(λ)/neoとした。一方、h1-c2のクロ
ーンが得られなかったので、pUCベクター上で組換え
てからHEFベクターにクローニングした。その際、ア
ミノ酸置換のないヒト型化抗体L鎖V領域をコードする
DNAを含むプラスミドhMBC1Laλ/pUC1
9、及びFR3内の91位(Kabatの規定によるア
ミノ酸番号87位)のチロシンをイソロイシンに置換し
たヒト型化抗体L鎖V領域をコードするDNAを含むプ
ラスミドhMBC1Ldλ/pUC19を鋳型として用
いた。
【0220】プラスミドMBC1L(λ)/pUC1
9、hMBC1Laλ/pUC19及びhMBC1Ld
λ/pUC19の各10μgを、10mMTris−H
Cl(pH7.5),10mMMgCl2,1mMDT
T,50mMNaCl,0.01%(w/v)BSA,
HindIII16U,AflII4Uを含有する反応
混合液30μl中で37℃、1時間消化した。反応液を
2%低融点アガロースゲルで電気泳動し、プラスミドM
BC1L(λ)/pUC19から215bp(c
2')、プラスミドhMBC1Laλ/pUC19およ
びhMBC1Ldλ/pUC19からそれぞれ3218
bp(ha1',hd1')のDNA断片をGENECL
EANII Kit(BIO101)を用いてゲルから
回収、精製した。
【0221】ha1'、hd1'断片をそれぞれc2'断
片に連結し、大腸菌JM109コンピテント細胞に形質
転換した。50μg/mlアンピシリンを含有する2×
YT培地2mlで培養し、菌体画分からQIAprep
SpinPlasmidKit(QIAGEN)を用い
てプラスミドを精製した。ha1'、hd1'断片を含む
プラスミドを、それぞれプラスミドm/hMBC1La
λ/pUC19、m/hMBC1Ldλ/pUC19と
した。
【0222】得られたプラスミドm/hMBC1Laλ
/pUC19、m/hMBC1Ldλ/pUC19をE
coRIで消化した。それぞれ743bpのDNA断片
を2%低融点アガロースゲルで電気泳動した後、GEN
ECLEANII Kit(BIO101)を用いてゲ
ルから回収、精製し、10mM Tris−HCl(p
H7.4),1mM EDTA溶液20μlに溶解し
た。
【0223】各DNA断片4μlを前述のBAP処理し
たHEFベクター1μlに連結し、大腸菌JM109コ
ンピテント細胞に形質転換した。50μg/mlアンピ
シリンを含有する2×YT培地2mlで培養し、菌体画
分からQIAprep Spin PlasmidKit(QIAGEN)を用いてプラ
スミドを精製した。
【0224】精製した各プラスミドを、20mMTri
s−HCl(pH8.5),10mMMgCl2,1m
MDTT,100mMKCl,HindIII(宝酒
造)8U,PvuI(宝酒造)2Uを含有する反応混合
液20μl中で37℃にて1時間消化した。断片が正し
い方向に挿入されていれば5104/2195bp、逆
方向に挿入されていれば4378/2926bpの消化
断片が生じることより、プラスミドの確認を行った。こ
れらを、それぞれマウスFR1,2/ヒトFR3,4ハ
イブリッド抗体L鎖をコードする発現ベクターm/hM
BC1Laλ/neo、m/hMBC1Ldλ/neo
とした。
【0225】(ii)FR1/FR2ハイブリッド抗体の作
製 CDR1内にあるSnaBI切断部位を利用することに
よって、同様にFR1とFR2のハイブリッド抗体を作
製した。プラスミドMBC1L(λ)/neo及びh/
mMBC1L(λ)/neoの各10μgを10mM
Tris−HCl(pH7.9),10mM MgCl
2,1mM DTT,50mM NaCl,0.01%
(w/v)BSA,SnaBI(宝酒造)6Uを含有す
る反応混合液20μl中で、37℃にて1時間消化し
た。次に20mMTris−HCl(pH8.5),1
0mM MgCl,1mM DTT,100mM K
Cl,0.01%(w/v)BSA,PvuI6Uを含
有する反応混合液50μl中で37℃にて1時間消化し
た。
【0226】反応液を1.5%低融点アガロースゲルで
電気泳動した後、プラスミドMBC1L(λ)/neo
から4955bp(m1)および2349bp(m
2)、プラスミドh/mMBC1L(λ)/neoから
4955bp(hm1)および2349bp(hm2)
の各DNA断片を、GENECLEANII Kit
(BIO101)を用いてゲルから回収、精製し、10
mM Tris−HCl(pH7.4),1mM ED
TA溶液40μlに溶解した。
【0227】m1、hm1断片1μlをそれぞれhm
2、m2断片4μlに連結し、大腸菌JM109コンピ
テント細胞に形質転換した。50μg/mlアンピシリ
ンを含有する2×YT培地2mlで培養し、菌体画分か
らQIAprepSpinPlasmidKit(QI
AGEN)を用いてプラスミドを精製した。精製した各
プラスミドを、10mMTris−HCl(pH7.
5),10mMMgCl、1mMDTT及びApaI
(宝酒造)8UまたはApaLI(宝酒造)2Uを含有
する反応混合液20μl中で37℃にて1時間消化し
た。
【0228】各断片が正しく連結されていれば、Apa
Iで7304bp、ApaLIで5560/1246/
498bp(m1-hm2)、ApaIで6538/7
66bp、ApaLIで3535/2025/1246
/498bp(hm1-m2)の消化断片が生じること
により、プラスミドの確認を行った。ヒトFR1/マウ
スFR2,3,4ハイブリッド抗体L鎖をコードする発
現ベクターをhmmMBC1L(λ)/neo、マウス
FR1/ヒトFR2/マウスFR3,4ハイブリッド抗
体L鎖をコードする発現ベクターをmhmMBC1L
(λ)/neoとした。
【0229】(4)ヒト型化抗体L鎖の構築 ヒト型化#23−57−137−1抗体L鎖を、PCR
法によるCDR−グラフティングにより作製した。ヒト
抗体HSU03868(GEN-BANK、Deftos Mら,Scand.J.
Immunol.,39,95-103,1994)由来のFR1、FR2および
FR3、並びにヒト抗体S25755(NBRF-PD
B)由来のFR4を有するヒト型化#23−57−13
7−1抗体L鎖(バージョン”a”)の作製のために6
個のPCRプライマーを使用した。
【0230】CDR−グラフティングプライマーMBC
1LGP1(配列番号29)及びMBC1LGP3(配
列番号30)はセンスDNA配列を有し、そしてCDR
グラフティングプライマーMBC1LGP2(配列番号
31)及びMBC1LGP4(配列番号32)はアンチ
センスDNA配列を有し、そしてそれぞれプライマーの
両端に15から21bpの相補的配列を有する。外部プ
ライマーMBC1LVS1(配列番号33)及びMBC
1LVR1(配列番号34)はCDRグラフティングプ
ライマーMBC1LGP1及びMBC1LGP4とホモ
ロジーを有する。
【0231】CDR−グラフティングプライマーMBC
1LGP1、MBC1LGP2、MBC1LGP3およ
びMBC1LGP4は尿素変性ポリアクリルアミドゲル
を用いて分離し(Molecular Cloning:A Laboratory Manu
al,Sambrookら, Cold SpringHarbor Laboratory Press,
1989)、ゲルからの抽出はcrush and soak法(Molecular
Cloning: A Laboratory Manual, Sambrookら, Cold Spr
ing Harbor Laboratory Press, 1989)にて行った。
【0232】すなわち、それぞれ1nmoleのCDR
−グラフティングプライマーを6%変性ポリアクリルア
ミドゲルで分離し、目的の大きさのDNA断片の同定を
シリカゲル薄層板上で紫外線を照射して行い、crush an
d soak法にてゲルから回収し、20μlの10mM T
ris−HCl(pH7.4),1mMEDTA溶液に
溶解した。
【0233】PCRは、TaKaRa Ex Taq
(宝酒造)を用い、100μlの反応混合液に上記の様
に調製したCDR−グラフティングプライマーMBC1
LGP1、MBC1LGP2、MBC1LGP3および
MBC1LGP4をそれぞれ1μl、0.25mMのd
NTP並びに2.5UのTaKaRa Ex Taqを
含む条件で、添付緩衝液を使用して94℃にて1分間、
55℃にて1分間、72℃にて1分間の温度サイクルで
5回行い、この反応混合液に50pmoleの外部プラ
イマーMBC1LVS1及びMBC1LVR1を加え、
さらに同じ温度サイクルで30回反応させた。PCR法
により増幅したDNA断片を3%Nu Sieve G
TGアガロース(FMC Bio.Products)
を用いたアガロースゲル電気泳動により分離した。
【0234】421bp長のDNA断片を含有するアガ
ロース片を切取り、GENECLEANIIKit(B
IO101)を用い、キット添付の処方に従いDNA断
片を精製した。得られたPCR反応混合物を、BamH
IおよびHindIIIで消化することにより調製した
pUC19にサブクローニングし、塩基配列を決定し
た。こうして得られたプラスミドをhMBCL/pUC
19と命名した。しかしながらCDR4の104位(K
abatの規定によるアミノ酸番号96位)のアミノ酸
がアルギニンになっていたため、これをチロシンに修正
するための修正プライマーMBC1LGP10R(配列
番号35)を設計し、合成した。PCRはTaKaRa
Taq(宝酒造)を用い、100μlの反応混合液に
鋳型DNAとして0.6μgのプラスミドhMBCL/
pUC19、プライマーとしてMBC1LVS1及びM
BC1LGP10Rをそれぞれ50pmole、2.5
UのTaKaRa Ex Taq(宝酒造)0.25m
MのdNTPを含む条件で添付の緩衝液を使用して50
μlの鉱油を上層して94℃にて1分間、55℃にて1
分間、72℃にて1分間の温度サイクルで30回行っ
た。PCR法により増幅したDNA断片を3%Nu S
ieve GTGアガロース(FMC Bio.Pro
ducts)を用いたアガロースゲル電気泳動により分
離した。
【0235】421bp長のDNA断片を含有するアガ
ロース片を切取り、GENECLEANIIKit(B
IO101)を用い、キット添付の処方に従いDNA断
片を精製した。得られたPCR反応混合物をBamHI
およびHindIIIで消化することにより調製したp
UC19にサブクローニングした。
【0236】M13 Primer M4プライマー及
びM13 Primer RVプライマーを用いて塩基
配列を決定した結果、正しい配列を得ることができたの
で、このプラスミドをHindIIIおよびBlnIで
消化し、416bpの断片を1%アガロースゲル電気泳
動により分離した。GENECLEANII Kit
(BIO101)を用い、キット添付の処方に従いDN
A断片を精製した。得られたPCR反応混合物を、Hi
ndIIIおよびBlnIで消化することにより調製し
たプラスミドCλ/pUC19に導入し、プラスミドh
MBC1Laλ/pUC19と命名した。このプラスミ
ドをEcoRI消化し、ヒト型化L鎖をコードするDN
AをプラスミドpCOS1に導入し、EF1αプロモー
ターの下流にヒト型化L鎖の開始コドンが位置するよう
にした。こうして得られたプラスミドをhMBC1La
λ/pCOS1と命名した。ヒト型化L鎖バージョン"
a"の塩基配列(対応するアミノ酸を含む)を配列番号6
6に示す。また、バージョンaのアミノ酸配列を配列番
号47に示す。
【0237】バージョン"b"をPCR法による変異導入
を用いて作製した。バージョン"b"では43位(Kab
atの規定によるアミノ酸番号43位)のグリシンをプ
ロリンに、49位(Kabatの規定によるアミノ酸番
号49位)のリジンをアスパラギン酸に変更するように
設計した。変異原プライマーMBC1LGP5R(配列
番号36)とプライマーMBC1LVS1により、プラ
スミドhMBC1Laλ/pUC19を鋳型としてPC
Rを行い、得られたDNA断片をBamHIおよびHi
ndIIIで消化し、pUC19のBamHI,Hin
dIII部位にサブクローニングした。塩基配列決定
後、制限酵素HindIIIおよびAflIIで消化
し、HindIIIおよびAflIIで消化したhMB
C1Laλ/pUC19と連結した。
【0238】こうして得られたプラスミドをhMBC1
Lbλ/pUC19とし、このプラスミドをEcoRI
で消化し、ヒト型化L鎖をコードするDNAを含む断片
をプラスミドpCOS1に導入し、EF1αプロモータ
ーの下流にヒト型化L鎖の開始コドンが位置するように
した。こうして得られたプラスミドをhMBC1Lbλ
/pCOS1と命名した。
【0239】バージョン"c"をPCR法による変異導入
を用いて作製した。バージョン"c"では84位(Kab
atの規定によるアミノ酸番号80位)のセリンをプロ
リンに変更するように設計した。変異原プライマーMB
C1LGP6S(配列番号37)とプライマーM13
Primer RVによりプラスミドhMBC1Laλ
/pUC19を鋳型としてPCRを行い、得られたDN
A断片をBamHIおよびHindIIIで消化し、B
amHIおよびHindIIIで消化することにより調
製したpUC19にサブクローニングした。 塩基配列
決定後、制限酵素BstPIおよびAor51HIで消
化し、BstPIおよびAor51HIで消化したhM
BC1Laλ/pUC19と連結した。こうして得られ
たプラスミドをhMBC1Lcλ/pUC19とし、こ
のプラスミドを制限酵素EcoRI消化し、ヒト型化L
鎖をコードする配列を含む配列をプラスミドpCOS1
のEcoRI部位に導入し、EF1αプロモーターの下
流にヒト型化L鎖の開始コドンが位置するようにした。
こうして得られたプラスミドをhMBC1Lcλ/pC
OS1と命名した。
【0240】バージョン"d" 、"e" 及び"f" をPC
R法による変異導入を用いて作製した。各バージョンと
も順に"a" 、"b" 、"c" バージョンの91位(Ka
batの規定によるアミノ酸番号87位)のチロシンを
イソロイシンに変更するように設計した。変異原プライ
マーMBC1LGP11R(配列番号38)とプライマ
ーM-S1(配列番号44)によりそれぞれhMBC1
Laλ/pCOS1,hMBC1Lbλ/pCOS1,
hMBC1Lcλ/pCOS1を鋳型としてPCRを行
い、得られたDNA断片をBamHIおよびHindI
IIで消化し、BamHIおよびHindIIIで消化
することにより調製したpUC19にサブクローニング
した。塩基配列決定後、HindIIIおよびBlnI
で消化し、HindIIIおよびBlnIで消化するこ
とより調製したCλ/pUC19と連結した。
【0241】こうして得られたプラスミドを順にhMB
C1Ldλ/pUC19、hMBC1Leλ/pUC1
9、hMBC1Lfλ/pUC19とした。これらのプ
ラスミドをEcoRI消化し、ヒト型化L鎖をコードす
る配列を含む配列をプラスミドpCOS1のEcoRI
部位に導入し、EF1αプロモーターの下流にヒト型化
L鎖の開始コドンが位置するようにした。こうして得ら
れたプラスミドをそれぞれ順にhMBC1Ldλ/pC
OS1、hMBC1Leλ/pCOS1、hMBC1L
fλ/pCOS1と命名した。
【0242】バージョン"g" 及び"h" をPCR法によ
る変異導入を用いて作製した。各バージョンとも順に"
a" 、"d" バージョンの36位(Kabatの規定に
よるアミノ酸番号36位)のヒスチジンをチロシンに変
更するように設計した。変異原プライマーMBC1LG
P9R(配列番号39)およびM13 PrimerR
Vをプライマーとして用いて、hMBC1Laλ/pU
C19を鋳型としてPCRを行い、得られたPCR産物
とM13 Primer M4をプライマーとして用い
て、プラスミドhMBC1Laλ/pUC19を鋳型と
してさらにPCRを行った。得られたDNA断片をHi
ndIIIおよびBlnIで消化し、HindIIIお
よびBlnIで消化することで調製したプラスミドCλ
/pUC19にサブクローニングした。このプラスミド
を鋳型として、プライマーMBC1LGP13R(配列
番号40)とMBC1LVS1をプライマーとしたPC
Rを行った。得られたPCR断片をApaIおよびHi
ndIIでI消化し、ApaIおよびHindIIIで
消化したプラスミドhMBC1Laλ/pUC19およ
びhMBC1Ldλ/pUC19に導入した。塩基配列
を決定し、正しい配列を含むプラスミドを順にhMBC
1Lgλ/pUC19およびhMBC1Lhλ/pUC
19とし、これらのプラスミドを制限酵素EcoRI消
化し、ヒト型化L鎖をコードする配列を含む配列をプラ
スミドpCOS1のEcoRI部位に導入し、EF1α
プロモーターの下流にヒト型化L鎖の開始コドンが位置
するようにした。こうして得られたプラスミドをそれぞ
れ順にhMBC1Lgλ/pCOS1およびhMBC1
Lhλ/pCOS1と命名した。
【0243】バージョン"i" 、"j" 、"k" 、"l"
、"m" 、"n" および"o" をPCR法による変異導入
を用いて作製した。変異原プライマーMBC1LGP1
4S(配列番号41)とプライマーVlRV(λ)(配
列番号43)によりプラスミドhMBC1Laλ/pU
C19を鋳型としてPCRを行い、得られたDNA断片
をApaIおよびBlnIで消化し、ApaIおよびB
lnIで消化することにより調製したプラスミドhMB
C1Lgλ/pUC19にサブクローニングした。塩基
配列決定を行い、それぞれのバージョンに対応した変異
が導入されたクローンを選択した。こうして得られたプ
ラスミドをhMBC1Lxλ/pUC19(x=i,
j,k,l,m,n,o)とし、このプラスミドをEc
oRI消化し、ヒト型化L鎖をコードする配列を含む配
列をプラスミドpCOS1のEcoRI部位に導入し、
EF1αプロモーターの下流にヒト型化L鎖の開始コド
ンが位置するようにした。こうして得られたプラスミド
をhMBC1Lxλ/pCOS1(x=i,j,k,
l,m,n,o)と命名した。バージョン"j" 、"l"
、"m" および"o" の塩基配列(対応するアミノ酸を
含む)をそれぞれ配列番号67、68、69、70に示す。ま
た、これらの各バージョンのアミノ酸配列をそれぞれ配
列番号48、49、50、51に示す。
【0244】バージョン"p" 、"q" 、"r" 、"s" お
よび"t" は、バージョン"i" 、"j" 、"m" 、"l"
または"o" のアミノ酸配列の87位のチロシンをイソ
ロイシンに置換したバージョンであり、FR3内にある
制限酵素Aor51MI切断部位を利用して、バージョ
ン"h" を、各バージョン"i" 、"j" 、"m" 、"l"ま
たは"o" とつなぎ換えることにより作製したものであ
る。すなわち、発現プラスミドhMBC1Lxλ/pC
OS1(x=i,j,m,l,o)中、CDR3並びに
FR3の一部及びFR4を含むAor51HI断片51
4bpを除き、ここに発現プラスミドhMBC1Lhλ
/pCOS1中、CDR3並びにFR3の一部及びFR
4を含むAor51HI断片514bpをつなぐことに
より91位(Kabatの規定によるアミノ酸番号87
位)のチロシンがイソロイシンとなるようにした。塩基
配列決定を行い、各バージョン"i" 、"j" 、"m" 、"
l" および"o" の91位(Kabatの規定によるア
ミノ酸番号87位)のチロシンがイソロイシンに置換さ
れたクローンを選択し、対応するバージョンをそれぞ
れ"p" 、"q" 、"s" 、"r" および"t" とし、得ら
れたプラスミドをhMBC1Lxλ/pCOS1(x=
p,q,s,r,t)と命名した。バージョン"q" 、"
r" 、"s" および"t" の塩基配列(対応するアミノ酸
を含む)をそれぞれ配列番号71、72、73、74に示す。ま
た、これらの各バージョンのアミノ酸配列をそれぞれ配
列番号52、53、54、55に示す。
【0245】プラスミドhMBC1Lqλ/pCOS1
をHindIIIおよびEcoRIで消化し、Hind
IIIおよびEcoRIで消化したプラスミドpUC1
9にサブクローニングし、プラスミドhMBC1Lqλ
/pUC19と命名した。ヒト型化L鎖の各バージョン
における置換アミノ酸の位置を表3に示す。
【0246】
【表3】
【0247】表中、Yはチロシン、Pはプロリン、Kは
リジン、Vはバリン、Dはアスパラギン酸、Iはイソロ
イシンを示す。
【0248】なお、前記プラスミドhMBC1HcDN
A/pUC19およびhMBC1Lqλ/pUC19を
有する大腸菌は、それぞれEscherichia c
oli JM109(hMBC1HcDNA/pUC1
9)および Escherichia coli JM
109(hMBC1Lqλ/pUC19)として、工業
技術院生命工学工業技術研究所(茨城県つくば市東1丁
目1番3号)に、平成8年8月15日に、Escher
ichia coli JM109(hMBC1HcD
NA/pUC19)についてはFERM BP−562
9、Escherichia coli JM109
(hMBC1Lqλ/pUC19)についてはFERM
BP−5630としてブダペスト条約に基づき国際寄
託されている。
【0249】(5)COS−7細胞へのトランスフェク
ション ハイブリッド抗体およびヒト型化#23−57−137
−1抗体の抗原結合活性および中和活性を評価するた
め、前記発現プラスミドをCOS−7細胞で一過性に発
現させた。すなわちL鎖ハイブリッド抗体の一過性発現
では、プラスミドhMBC1HcDNA/pCOS1と
h/mMBC1L(λ)/neo、hMBC1HcDN
A/pCOS1とm/hMBC1Laλ/neo、hM
BC1HcDNA/pCOS1とm/hMBC1Ldλ
/neo、hMBC1HcDNA/pCOS1とhmm
MBC1L(λ)/neo、またはhMBC1HcDN
A/pCOS1とmhmMBC1L(λ)/neoとの
組み合わせを、GenePulser装置(BioRa
d)を用いてエレクトロポレーションによりCOS−7
細胞に同時形質導入した。PBS(−)中に1×107
胞/mlの細胞濃度で懸濁されているCOS−7細胞
0.8mlに、各プラスミドDNA10μgを加え、
1,500V,25μFの静電容量にてパルスを与え
た。室温にて10分間の回復期間の後、エレクトロポレ
ーション処理された細胞を2%のUltraLowIg
Gウシ胎児血清(GIBCO)を含有するDMEM培養
液(GIBCO)に懸濁し、10cm培養皿を用いてC
2 インキュベーターにて培養した。72時間の培養の
後、培養上清を集め、遠心分離により細胞破片を除去
し、ELISAの試料に供した。
【0250】ヒト型化#23−57−137−1抗体の
一過性発現では、プラスミドhMBC1HcDNA/p
COS1とhMBC1Lxλ/pCOS1(x=a〜
t)のいずれかの組み合わせをGenePulser装
置(BioRad)を用いて、前記ハイブリッド抗体の
場合と同様の方法によりCOS−7細胞にトランスフェ
クションし、得られた培養上清をELISAに供した。
また、COS−7細胞の培養上清からのハイブリッド抗
体またはヒト型化抗体の精製は、AffiGel Pr
otein A MAPSIIキット(BioRad)
を用いて、キット添付の処方に従って行った。
【0251】(6)ELISA (i) 抗体濃度の測定 抗体濃度測定のためのELISAプレートを次のように
して調製した。ELISA用96穴プレート(Maxi
sorp,NUNC)の各穴を固相化バッファー(0.
1M NaHCO3 、0.02% NaN3 )で1μg
/mlの濃度に調製したヤギ抗ヒトIgG抗体(TAG
O)100μlで固相化し、200μlの希釈バッファ
ー(50mM Tris−HCl、1mM MgC
2 、0.1M NaCl、0.05% Tween2
0、0.02% NaN3 、1% 牛血清アルブミン
(BSA)、pH7.2)でブロッキングの後、ハイブ
リッド抗体またはヒト型化抗体を発現させたCOS−7
細胞の培養上清あるいは精製ハイブリッド抗体またはヒ
ト型化抗体を段階希釈して各穴に加えた。1時間室温に
てインキュベートしPBS−Tween20で洗浄後、
アルカリフォスファターゼ結合ヤギ抗ヒトIgG抗体
(TAGO)100μlを加えた。1時間室温にてイン
キュベートしPBS−Tween20で洗浄の後、1m
g/mlの基質溶液(Sigma104、p−ニトロフ
ェニルリン酸、SIGMA)を加え、次に405nmで
の吸光度をマイクロプレートリーダー(BioRad)
で測定した。濃度測定のスタンダードとして、Hu I
gG1λ Purified(TheBinding
Site)を用いた。
【0252】(ii)抗原結合能の測定 抗原結合測定のためのELISAプレートを、次のよう
にして調製した。ELISA用96穴プレートの各穴を
固相化バッファーで1μg/mlの濃度に調製したヒト
PTHrP(1−34)100μlで固相化した。20
0μlの希釈バッファーでブロッキングの後、ハイブリ
ッド抗体またはヒト型化抗体を発現させたCOS―7細
胞の培養上清あるいは精製ハイブリッド抗体またはヒト
型化抗体を段階希釈して各穴に加えた。室温にてインキ
ュベートしPBS−Tween20で洗浄後、アルカリ
フォスファターゼ結合ヤギ抗ヒトIgG抗体(TAG
O)100μlを加えた。室温にてインキュベートしP
BS−Tween20で洗浄の後、1mg/mlの基質
溶液(Sigma104、p−ニトロフェニルリン酸、
SIGMA)を加え、次に405nmでの吸光度をマイ
クロプレートリーダー(BioRad)で測定した。
【0253】(7) 活性確認 (i) ヒト型化H鎖の評価 ヒト型化H鎖バージョン"a"とキメラL鎖を組み合わせ
た抗体は、キメラ抗体とPTHrP結合能が同等であっ
た(図5)。この結果は、H鎖V領域のヒト型化はバー
ジョン”a”で十分なことを示す。以下、ヒト型化H鎖
バージョン"a"をヒト型化抗体のH鎖として供した。
【0254】(ii)ハイブリッド抗体の活性 (ii-a) FR1,2/FR3,4ハイブリッド抗体 L鎖がh/mMBC1L(λ)の場合、活性は全く認め
られなかったが、m/hMBC1Laλあるいはm/h
MBC1Ldλの場合はいずれもキメラ#23−57−
137−1抗体と同等の結合活性を示した(図6)。こ
れらの結果は、FR3,4はヒト型化抗体として問題な
いが、FR1,2内に置換すべきアミノ酸残基が存在す
ることを示唆する。
【0255】(ii-b)FR1/FR2ハイブリッド抗体 L鎖がmhmMBC1L(λ)の場合、活性は全く認め
られなかったが、hmmMBC1L(λ)の場合はキメ
ラ#23−57−137−1抗体と同等の結合活性を示
した(図7)。これらの結果は、FR1,2のうちFR
1はヒト型化抗体として問題ないが、FR2内に置換す
べきアミノ酸残基が存在することを示唆する。
【0256】(iii) ヒト型化抗体の活性 L鎖としてバージョン"a" から"t" の各々一つを用い
たヒト型化抗体について、抗原結合活性を測定した。そ
の結果、L鎖バージョン"j" 、"l" 、" m"、"o"
、"q" 、"r" 、"s" 、"t" を有するヒト型化抗体
はキメラ抗体と同等のPTHrP結合能を示した(図8
〜11)。
【0257】(8)CHO安定産生細胞株の樹立 ヒト型化抗体の安定産生細胞株を樹立するため、前記発
現プラスミドをCHO細胞(DXB11)に導入した。
すなわちヒト型化抗体の安定産生細胞株樹立は、CHO
細胞用発現プラスミドhMBC1HcDNA/pCHO
1とhMBC1Lmλ/pCOS1、またはhMBC1
HcDNA/pCHO1とhMBC1Lqλ/pCOS
1、あるいはhMBC1HcDNA/pCHO1とhM
BC1Lrλ/pCOS1との組み合わせで、Gene
Pulser装置(BioRad)を用いてエレクトロ
ポレーションによりCHO細胞に同時形質導入した。そ
れぞれの発現ベクターを制限酵素PvuIで切断して直
鎖DNAにし、フェノールおよびクロロホルム抽出後、
エタノール沈殿でDNAを回収し、エレクトロポレーシ
ョンに用いた。PBS(−)中に1x107 細胞/ml
の細胞濃度で懸濁されているCHO細胞0.8mlに、
各プラスミドDNA10μgを加え、1,500V,2
5μFの静電容量にてパルスを与えた。室温にて10分
間の回復期間の後、エレクトロポレーション処理された
細胞を、10%ウシ胎児血清(GIBCO)を添加した
MEM―α培地(GIBCO)に懸濁し、96穴プレー
ト(Falcon)を用いてCO2 インキュベーターに
て培養した。培養開始翌日に、10%ウシ胎児血清(G
IBCO)および500mg/mlのGENETICI
N(G418Sulfate、GIBCO)添加、リボ
ヌクレオシドおよびデオキリボヌクレオシド不含のME
M―α選択培地(GIBCO)に交換し、抗体遺伝子の
導入された細胞を選択した。選択培地交換後、2週間前
後に顕微鏡下で細胞を観察し、順調な細胞増殖が認めら
れた後に、上記抗体濃度測定ELISAにて抗体産生量
を測定し、抗体産生能の高い細胞を選別した。
【0258】樹立した抗体の安定産生細胞株の培養を拡
大し、ローラーボトルにて2%のUltraLowIg
Gウシ胎児血清添加、リボヌクレオシドおよびデオキリ
ボヌクレオシド不含のMEM―α選択培地を用いて、大
量培養を行った。培養3ないし4日目に培養上清を回収
し、0.2μmのフィルター(Millipore)に
より細胞破片を除去した。 CHO細胞の培養上清から
のヒト型化抗体の精製は、POROSプロテインAカラ
ム(PerSeptive Biosystems)を
用いて、ConSep LC100(Millipor
e)にて添付の処方に従って行い、中和活性の測定およ
び高カルシウム血症モデル動物での薬効試験に供した。
得られた精製ヒト型化抗体の濃度および抗原結合活性
は、上記ELISA系にて測定した。
【0259】〔実施例4〕中和活性の測定 マウス抗体、キメラ抗体およびヒト型化抗体の中和活性
の測定は、ラット骨肉腫細胞株ROS17/2.8-5
細胞を用いて行った。すなわち、ROS17/2.8-
5細胞を、10%牛胎児血清(GIBCO)を含むHa
m'SF-12培地(GIBCO)中にて、CO2 インキ
ュベーターで培養した。ROS17/2.8-5細胞を
96穴プレートに104 細胞/100μl/穴で蒔込
み、1日間培養し、4mMのヒドロコルチゾンと10%
牛胎児血清を含むHam'SF-12培地(GIBCO)
に交換する。さらに3ないし4日間培養した後、260
μlのHam'SF-12培地(GIBCO)にて洗浄
し、1mMのイソブチル-1-メチルキサンチン(IBM
X、SIGMA)および10%の牛胎児血清と10mM
のHEPESを含む80μlのHam'sF-12を加
え、30分間37℃でインキュベートした。
【0260】中和活性を測定するマウス抗体、キメラ抗
体またはヒト型化抗体を、あらかじめ10μg/ml、
3.3μg/ml、1.1μg/mlおよび0.37μ
g/mlの群、10μg/ml、2μg/ml、0.5
μg/mlおよび0.01μg/mlの群、または10
μg/ml、5μg/ml、1.25μg/ml、0.
63μg/mlおよび0.31μg/mlの群に段階希
釈し、4ng/mlに調製したPTHrP(1−34)
と等量混合し、各抗体とPTHrP(1−34)との混
合液80μlを各穴に添加した。各抗体の最終濃度は、
上記抗体濃度の4分の1になり、PTHrP(1−3
4)の濃度は、1ng/mlになる。10分間室温にて
処理した後、培養上清を捨て、PBSにて3回洗浄した
した後、100μlの0.3%塩酸95%エタノールに
て細胞内のcAMPを抽出する。水流アスピレーターに
て塩酸エタノールを蒸発させ、cAMP EIA ki
t(CAYMANCHEMICAL'S)付属のEIA
バッファー120μlを添加してcAMPを抽出後、c
AMP EIA kit(CAYMANCHEMICA
L'S)添付の処方に従ってcAMPを測定した。その
結果、キメラ抗体と同等の抗原結合を有するL鎖バージ
ョンのうち、91位のチロシンをイソロイシンに置換し
たバージョン”q”、”r”、”s”、”t”を有する
ヒト型化抗体がキメラ抗体に近い中和能を示し、その中
でも、バージョン”q”がもっとも強い中和能を示した
(図12〜14)。
【0261】〔実施例5〕高カルシウム血症モデル動物
での薬効試験(1) ヒト腫瘍−ヌードマウス移植系の高カルシウム血症モデ
ル動物を用いて、PTHrPに対するキメラ抗体および
L鎖バージョン”m”、”r”および”q”を有するヒ
ト型化抗体について高カルシウム血症に対する治療効果
を検討した。
【0262】高カルシウム血症モデル動物としてヒト膵
臓癌PAN−7((財)実験動物中央研究所より購入)
移植ヌードマウスを用いた。ヒト膵臓癌PAN−7を移
植されたヌードマウスは、腫瘍の増加に伴い血中カルシ
ウム濃度が上昇し、体重減少や運動量の低下などの高カ
ルシウム血症を発症する。高カルシウム血症に対する治
療効果の検討は、キメラ抗体およびヒト型化抗体が、ヒ
ト膵臓癌PAN−7によって引き起こされる高カルシウ
ム血症を改善することを、体重および血中カルシウム濃
度を指標にして評価した。
【0263】ヒト膵臓癌PAN−7の継代は、BALB
/c−nu/nuヌードマウス(日本チャールズリバ
ー)を用いてin vivoで行った。薬効評価には、
5週齢雄性BALB/c−nu/nuヌードマウス(日
本チャールズリバー)を購入し、1週間の馴化の後、6
週齢の動物を使用した。高カルシウム血症モデル動物の
作製および群分けは、以下のようにして行った。すなわ
ち、継代しているヒト膵臓癌PAN−7を摘出し、3m
m角ブロックに細かく刻んだ腫瘍塊をマウスの脇腹皮下
に1匹あたり1個ずつ移植した。腫瘍塊移植後、2ない
し3週間して腫瘍体積が十分に大きくなったのを確認し
た後、腫瘍体積、血中カルシウム濃度および体重を指標
として各指標が平均化するように群分けし、高カルシウ
ム血症モデル動物とした。
【0264】高カルシウム血症に対する治療効果の検討
は、以下のようにして行った。すなわち、上記で作製、
群分けした高カルシウム血症モデル動物に、マウス1匹
あたり10μgまたは30μgのPTHrPに対するキ
メラ抗体またはL鎖バージョンm、rを有するヒト型化
抗体を尾静脈内に単回投与した。L鎖バージョン”q”
を有するヒト型化抗体は、マウス1匹あたり20μgま
たは60μgを尾静脈内に単回投与した。キメラ抗体お
よびヒト型化抗体投与後、1日、4日、7日、11日目
に血中カルシウム濃度および体重を測定し、各抗体の薬
効評価を行った。腫瘍体積は、腫瘍の長径(amm)お
よび短径(bmm)を測定し、ギャランの計算式ab2
/2により腫瘍体積として算出した。血中カルシウム濃
度は、眼窩よりヘマトクリット管で採血し、643自動
Ca++/pHアナライザー(CIBA−CORNIN
G)を用いて全血イオン化カルシウム濃度として測定し
た。
【0265】その結果、キメラ抗体およびL鎖バージョ
ン”m”、”r”および”q”を有するヒト型化抗体を
投与することにより、体重および血中カルシウム濃度の
速やかな改善および持続性が認められた。このことか
ら、本発明のキメラ抗体およびヒト型化抗体の悪性腫瘍
に伴う高カルシウム血症治療薬としての有用性が示され
た(図15〜16)。
【0266】〔実施例6〕高カルシウム血症モデル動物
での薬効試験(2) ヒト腫瘍−ヌードマウス移植系の高カルシウム血症モデ
ル動物を用いて、PTHrPに対するキメラ抗体および
L鎖バージョン”q”を有するヒト型化抗体について、
高カルシウム血症に対する治療効果を検討した。高カル
シウム血症に対する治療効果の検討は、以下のようにし
て行った。すなわち、上記で作製、群分けした高カルシ
ウム血症モデル動物に、マウス1匹あたり10μgまたは3
0μgのPTHrP に対するキメラ抗体またはL鎖バージョ
ン”q”を有するヒト型化抗体を尾静脈内に単回投与し
た。キメラ抗体およびヒト型化抗体投与後、1日、3
日、7日、10日目に血中カルシウム濃度および体重を測
定し、各抗体の薬効評価を行った。血中カルシウム濃度
は、眼窩よりヘマトクリット管で採血し、643自動Ca++
/pHアナライザー(CIBA-CORNING) を用いて全血イオン
化カルシウム濃度として測定した。
【0267】その結果、ヒト膵臓癌PAN-7移植高カルシ
ウム血症モデルにおいて、キメラ抗体およびL鎖バージ
ョン”q”を有するヒト型化抗体を投与することによ
り、体重および血中カルシウム濃度の速やかな改善およ
び待続性が認められた。このことから、本発明のキメラ
抗体およびヒト型化抗体の悪性腫瘍に伴う高カルシウム
血症治療薬としての有用性が示された(図17)。
【0268】〔実施例7〕高カルシウム血症モデル動物
での薬効試験(3) ヒト腫瘍-ヌードマウス移植系の高カルシウム血症モデ
ル動物(ヒト肺癌LC−6移植高カルシウム血症モデ
ル)を用いて、PTHrP に対するキメラ抗体および
L鎖バージョン”q”を有するヒト型化抗体について高カ
ルシウム血症に対する治療効果を検討した。高カルシウ
ム血症モデル動物としてヒト肺癌LC-6((財)実験動物
中央研究所より購入)移植ヌードマウスを用いた。ヒト
肺癌LC-6を移植されたヌードマウスは、腫瘍の増加に伴
い血中カルシウム濃度が上昇し、体重減少や運動量の低
下などの高カルシウム血症を発症する。
【0269】高カルシウム血症に対する治療効果の検討
は、キメラ抗体およびヒト型化抗体が、ヒト肺癌LC-6に
よって引き起こされる高カルシウム血症を改善すること
を、体重および血中カルシウム濃度を指標にして評価し
た。ヒト肺癌LC-6の継代は、BALB/c-nu/nuヌードマウス
(日本チャールズリバー)を用いてin vivo で行った。
薬効評価には、5週齢雄性BALB/c-nu/nuヌードマウス
(日本チャールズリバー)を購入し、1週間の馴化の
後、6週齢の動物を使用した。
【0270】高カルシウム血症モデル動物の作製および
群分けは、以下のようにして行った。すなわち、継代し
ているヒト肺癌LC-6を摘出し、3mm 角ブロックに細かく
刻んだ腫瘍塊をマウスの脇腹皮下に1匹あたり1個ずつ
移植した。腫瘍塊移植後、2ないし3週間して腫瘍体積
が十分に大きくなったのを確認した後、腫瘍体積、血中
カルシウム濃度および体重を指標として各指標が平均化
するように群分けし、高カルシウム血症モデル動物とし
た。
【0271】高カルシウム血症に対する治療効果の検討
は、以下のようにして行った。すなわち、上記で作製、
群分けした高カルシウム血症モデル動物に、マウス1匹
あたり10μgまたは30μgのPTHrP に対するキメラ抗体ま
たはL鎖バージョン”q”を有するヒト型化抗体を尾静脈
内に単回投与した。キメラ抗体およびヒト型化抗体投与
後、1日、3日、6日、10日目に血中カルシウム濃度お
よび体重を測定し、各抗体の薬効評価を行った。血中カ
ルシウム濃度は、眼窩よりヘマトクリット管で採血し、
643自動Ca++/pH アナライザー(CIBA-CORNING)を用い
て全血イオン化カルシウム濃度として測定した。
【0272】その結果、ヒト肺癌LC-6移植高カルシウム
血症モデルにおいて、キメラ抗体およびL鎖バージョ
ン”q”を有するヒト型化抗体を投与することにより、
体重および血中カルシウム濃度の速やかな改善および持
続性が認められた。このことから、本発明のキメラ抗体
およびヒト型化抗体の悪性腫瘍に伴う高カルシウム血症
治療薬としての有用性が示された(図18)。
【0273】〔実施例8〕BIACORE を用いたPTHrPと抗P
THrP抗体の相互作用における速度論的解析 BIACORE を用いて、抗原抗体反応の速度論的解析を行っ
た。抗原としてPTHrP(1-34+Cys) を用い、C末端部位特
異的にセンサーチップ上に固定化し、種々の濃度に調製
した精製抗体をアナライトとした。得られたセンサーグ
ラムから、カイネティクスパラメーター(結合速度定数
kass及び解離速度定数kdiss)を算出した。速度論的解析
に関して、文献「Kinetic analysis of monoclonal ant
ibody-antigen interactions with a new biosensor ba
sed analytical system 」(Karlsson,R. et al.,(1991)
J.Immunol.Methods 145,p229-240.) を参考にした。
【0274】(1) センサーチツプヘのPTHrP(1-34+C)
の固定化 センサーチップ CM5(Pharmacia)へPTHrP(1-34+C)を
固定化する。ランニングバッファーとしてHBS(10mM HEP
ES pH7.4,0.15M NaCl, 3.4mM EDTA, 0.005% Surfacta
nt P20)を用い、流速は5μl/分とした。センサーチッ
プCM5 上のカルボキシメチルデキストランのカルボキシ
ル基を100 μl の0.05M N-ヒドロキシコハク酸イミド(N
HS)/0.2M塩酸 N-エチル-N'-(3-ジメチルアミノプロピ
ル)-カルボジイミド(EDC) のインジェクトおよび100 μ
l の80mM塩酸 2-(2-ピリジニルジチオ) エタンアミン(P
DEA)/0.1M ホウ酸緩衝液 pH8.5のインジェクトにより活
性化した。引き続き、10μl の5 μg/ml PTHrP(1-34+
C)/ 10mM酢酸ナトリウム緩衝液 pH5.0をインジェクト
し、PTHrP(1-34+C)のC末端のCys残基特異的に固定化し
た。さらに、100 μl の50mM (L)-システイン/1M NaCl/
0.1M 蟻酸ナトリウム緩衝液 pH4.3をインジェクトする
ことにより、過剰の活性基をブロックした。さらに、10
μl の0.1Mグリシン-塩酸緩衝液 pH2.5および10μl の1
0mM塩酸をインジェクトすることにより、非共有結合を
している物質を洗浄した。このときのPTHrP(1-34+C)の
固定量は、226.4 RU(resonance units) であった(図1
9)。
【0275】(2) 固定化PTHrP(1-34+C)とマウス抗PTHr
P精製抗体との相互作用 ランニングバッファーとしてHBSを用い、流速は20μl/
分とした。抗体は、ハイブリドーマ細胞をBalb/cマウス
に腹水化し、採取した腹水をプロテインA カラムを用い
て精製した。精製した#23-57-137-1抗体をMBC、精製し
た3F5 抗体を3F5と表記した。これらの抗体を、HBSを用
いて1.25、2.5 、5 、10、20μg/mlの濃度に調製した。
分析は、抗体溶液の40μl をインジェクトする2分間を
結合相とし、その後HBSに切り換え、2分間の解離相と
した。解離相終了後、10μl の10mM塩酸をインジェクト
することにより、センサーチツプを再生した。この結合
・解離・再生を分析の1サイクルとし、各種抗体溶液を
インジェクトし、センサーグラムを得た。
【0276】(3) 固定化PTHrP(1-34+C)とヒト型化抗PT
HrP 精製抗体との相互作用 ランニングバッファーとしてHBSを用い、流速は20μl/
分とした。抗体は、CHO細胞に産生させ、プロテインA
カラムを用いて精製した。精製したキメラ抗体をchMB
C、精製したヒト型化抗体バージョンm をhMBCm 、バー
ジョンq をhMBCqと表記した。これらの抗体を、HBSを用
いて1.25、2.5 、5 、10、20μg/mlの濃度に調製した。
分析は、抗体溶液の40μl をインジェクトする2分間を
結合相とし、その後HBSに切り換え、2分間の解離相とし
た。解離相終了後、10μl の10mM HClをインジェクトす
ることにより、センサーチツプを再生した。この結合・
解離・再生を分析の1サイクルとし、各種抗体溶液をイ
ンジェクトし、センサーグラムを得た。
【0277】(4) 相互作用の速度論的解析 目的のデータファイルを読み込み、目的の反応領域につ
いて重ね書きによる反応パターンの比較を行った(図2
0〜24)。さらに、カーブフィッティングによるカイ
ネティクスパラメーター(結合速度定数kassおよび解離
速度定数kdiss)の算定を行うBIACORE 専用の解析ソフト
ウエアである「BIAevaluation 2.1 」(Pharmacia) を用
いて、相互作用の速度論的解析を行った(表4〜5)。
なお、図20〜24において、各曲線は、図の上方から
下方に向かってそれぞれ1.25、2.5 、5 、10、20μg/ml
の抗体濃度のものである。
【0278】
【表4】
【0279】
【表5】
【0280】なお、結合速度定数を求める際には、解析
モデルタイプ4を用いた(BIAevaluation 2.1 Software
Handbook, A1〜A5) 。
【0281】〔実施例9〕悪性腫瘍随伴性高カルシウム
血症モデルでのリン排泄抑制作用 悪性腫瘍随伴性高カルシウム血症(HHM)は腫瘍が産生
するPTHrPがその原因物質であり、PTHrPは骨吸収および
腎尿細管でのカルシウム再吸収を亢進し、高カルシウム
血症を惹起することが知られている。一方、リンに関し
ては、PTHrPは腎尿細管において再吸収を抑制する結
果、排泄促進作用を示し、臨床HHM患者においてしばし
ば低リン血症が認められる。そこで、ラット悪性腫瘍随
伴性高カルシウム血症モデルを用いて、ヒト型化抗PTHr
P抗体の腎におけるリン排泄に対する効果を検討した。
【0282】モデル動物としてヒト肺癌株LC-6((財)
実験動物中央研究所より購入)を移植したヌードラット
を用いた。ヒト肺癌株LC-6を皮下移植されたヌードラッ
トは、腫瘍の増加に伴い血中カルシウム濃度が上昇し、
体重減少や運動量の低下などの高カルシウム血症症状を
呈する。本モデルを用い、腎クリアランス法にてヒト型
化抗PTHrP抗体の腎におけるリン排泄に対する効果をリ
ン排泄率(後述)を指標に評価した。ヒト肺癌株LC-6の
継代は、BALB/c-nu/nuヌードマウス(日本クレア)を用
いてin vivoで行った。薬効評価には、5週齢雄性F344/N
Jcl-rnuヌードラット(日本クレア)を購入し、1週間
の馴化の後、6週齢の動物を使用した。
【0283】悪性腫瘍随伴性高カルシウム血症モデルの
作製は、以下のようにして行った。すなわち、継代して
いるヒト肺癌株LC-6腫瘍を摘出し、3mm角ブロックに細
かく刻んだ腫瘍塊をラットの脇腹皮下に1匹あたり1個
ずつ移植した。腫瘍塊移植後、30日目前後に腫瘍体積が
十分に大きくなった(3000mm3)のを確認した後、血中
カルシウム濃度、体重を指標として悪性腫瘍随伴性高カ
ルシウム血症モデル動物とした。腎クリアランス法によ
るリン排泄の検討は、以下のようにして行った。
【0284】(1)腎クリアランス法 悪性腫瘍随伴性高カルシウム血症モデル動物をペントバ
ルビタール(ネンブタール、大日本製薬(株))で麻酔
し、37℃の保温マット上に背位固定し、採尿用に膀胱カ
ニューレ(ポリエチレンチューブ、PE50、日本ベクトン
ディッキンソン)を挿入した。次に大腿静脈にインフュ
ージョン用にカニューレ(ポリエチレンチューブ、PE1
0、日本ベクトンディッキンソン)を挿入し、インフュ
ージョン溶液(組成: 0.7% イヌリン、 5% マンニトー
ル、0.2%ペントバルビタール、0.9%塩化ナトリウム)を
インフュージョンポンプ(テルフュージョンシリンジポ
ンプ、STC-525、テルモ)にて流速2 ml/hrでインフュー
ジョンした。50分間の平衡化の後、20分間間隔で5回
(ピリオド-1からピリオド-5まで)の採尿を膀胱カニュ
ーレより行い、尿サンプルとした。また各採尿の中間点
において,右頚静脈より血液サンプルをヘパリン処理し
た注射筒にて約0.25ml採取した。
【0285】(2)抗体の投与 上記したクリアランス実験のピリオド-2の採尿開始時点
で、ヒト型化抗PTHrP抗体を1mg/ml/kg 静脈内投与し
た。 (3)尿中および血中イヌリンおよびリン濃度測定 ピリオド-1からピリオド-5より得られた尿サンプルは尿
量を測定後、イヌリンおよびリン濃度を測定した。また
同様に得られた血液サンプルは冷却遠心分離後、血漿サ
ンプルとしてイヌリンおよびリン濃度を測定した。イヌ
リン濃度はアンスロン-硫酸法(Roe,J.H.ら、J Biol Ch
em 178, 839-845, 1949)にて測定した。リン濃度は日
立自動分析装置7170型にて無機リン測定用試薬、オート
セラIP(第一化学薬品)を用いて、測定のマニュアル通
りに測定した(フィスケ・サバロー法)。
【0286】(4)イヌリンクリアランス、リンクリア
ランスおよびリン排泄率の算出 イヌリンクリアランス(inulin clearance、Cin)、リ
ンクリアランス(phosphate clearance、Cp)およびリ
ン排泄率(fractional excretion of phosphate、FEp)
は以下の式により算出した。
【0287】イヌリンクリアランス(inulin clearanc
e、Cin)の算出 Cin = Uin V / Pin Cinはイヌリンクリアランス(ml/kg/min)を表す。 Uin
は尿中イヌリン濃度(mg/ml)を表す。 Vは単位時間当
たりの尿量(ml/kg/min)を表す。 Pinは血中イヌリン
濃度(mg/ml)を表す。
【0288】 リンクリアランス(phosphate clearance、Cp)の算出 Cp = Up V / Pp Cpはリンクリアランス(ml/kg/min)を表す。 Up は尿
中リン濃度(mg/ml)を表す。 Vは単位時間当たりの尿
量(ml/kg/min)を表す。 Pp は血中リン濃度(mg/ml)
を表す。
【0289】リン排泄率(fractional excretion of ph
osphate、FEp)の算出 FEp = Cp / Cin FEpはリン排泄率を表す。 Cinはイヌリンクリアランス
(ml/kg/min)を表す。Cpはリンクリアランス(ml/kg/m
in)を表す。実験は4匹の動物を用いて行った。結果は
その平均値±標準誤差で示す。
【0290】リン排泄率および血中リン濃度の結果を図
25および図26に示す。図25はクリアランスの各ピリオド
(1ピリオドは20分間)と、腎からのリン排泄率(=
リンクリアランス/イヌリンクリアランス)との関係を
示すグラフである。なお、ヒト型化抗PTHrP抗体、1mg/
kg(i.v.)はピリオド-2のはじめに投与した。
【0291】図26はクリアランスの各ピリオド(1ピリ
オドは20分間)と、血漿中のリン濃度との関係を示す
グラフである。ヒト型化抗PTHrP抗体、1mg/kg(i.v.)
はピリオド-2のはじめに投与した。以上の結果より、抗
体投与前のリン排泄率(ピリオド-1)に対して、抗体投与
後のリン排泄率(ピリオド-2からピリオド-5)は明らか
な抑制を示した。すなわち、中和抗体を投与すること
で、リン排泄亢進(FEp>0.2)により低リン血症状態を
呈する病態に対してリン再吸収を正常化レベル(リン再
吸収率=1-FEp>0.8%)付近まで回復させ、その結果、
血中リン濃度が正常化する傾向が示された。このよう
に、PTHrPが原因で起こるリン排泄亢進や低リン血症な
どの治療薬として本抗体の有用性が示された。
【0292】PTHrP は悪性腫瘍随伴性高カルシウム血症
の原因物質であるため、PTHrPによるリン排泄の増加や
組織中高エネルギー有機リン酸濃度の低下が予想され
る。従って、低リン血症を伴う疾患、例えば低リン血性
くる病、低リン血性ビタミンD抵抗性くる病などでは尿
中へのリン排泄増加が主たる病因であり、本抗体にはこ
れら疾患の治療薬として有用である。
【0293】〔実施例10〕悪性腫瘍随伴性高カルシウム
血症の臨床諸症状の改善 悪性腫瘍随伴性高カルシウム血症は腫瘍が産生するPT
HrPがその原因物質であり、PTHrPは骨吸収およ
び腎尿細管でのカルシウム再吸収を亢進し、高カルシウ
ム血症を惹起することが知られている。また、悪性腫瘍
に伴う高カルシウム血症では、Performance statusの悪
化、意識障害、全身倦怠感、口渇感や悪心・嘔吐(食欲
不振)などの臨床症状の悪化が認められる。これら臨床
症状に対する抗PTHrP抗体の効果をヒト腫瘍−ヌー
ドマウス移植系およびヒト腫瘍−ヌードラット移植系の
高カルシウム血症モデル動物を用いて検討した。
【0294】高カルシウム血症モデル動物としてヒト肺
癌LC−6((財)実験動物中央研究所より購入)移植
ヌードマウスおよびヌードラットを用いた。ヒト肺癌L
C−6を移植されたヌードマウスおよびヌードラット
は、腫瘍の増加に伴い血中カルシウム濃度が上昇し、体
温低下、体重減少や運動量の低下などの高カルシウム血
症症状を発症する。
【0295】悪性腫瘍随伴性高カルシウム血症の一般臨
床症状に対するマウス抗PTHrP抗体の改善効果を、
ヒト肺癌LC−6−ヌードマウス移植系を用いて写真で
示した。また、運動量の改善、体温改善並びに摂食量低
下の改善効果は、ヒト肺癌LC−6−ヌードラット移植
系を用いて評価した。
【0296】1.高カルシウム血症に伴う外観上の臨床
症状の改善 ヒト肺癌LC−6の継代は、BALB/c−nu/nu
ヌードマウス(日本クレア)を用いてin vivoで
行った。薬効評価には、5週齢雄性BALB/c−nu
/nuヌードマウス(日本クレア)を購入し、1週間の
馴化の後、6週齢の動物を使用した。
【0297】高カルシウム血症モデル動物の作製および
群分けは、以下のようにして行った。すなわち、継代し
ているヒト肺癌LC−6を摘出し、3mm角ブロックに
細かく刻んだ腫瘍塊をマウスの脇腹皮下に1匹あたり1
個ずつ移植した。腫瘍塊移植後、27日目して腫瘍体積
が十分に大きくなったのを確認した後、腫瘍体積、血中
カルシウム濃度および体重を指標として各指標が平均化
するように群分けし、高カルシウム血症モデル動物とし
た。
【0298】腫瘍体積は、腫瘍の長径(amm)および
短径(bmm)を測定し、ギャランの計算式ab2/2
により腫瘍体積として算出した。血中カルシウム濃度
は、眼窩よりヘマトクリット管で採血し、643自動C
a++/pHアナライザー(CIBA−CORNIN
G)を用いて全血イオン化カルシウム濃度として測定し
た。
【0299】高カルシウム血症に対する治療効果の検討
は、以下のようにして行った。すなわち、上記で作製、
群分けした高カルシウム血症モデル動物に、マウス1匹
あたり100μgのPTHrPに対するマウス抗体を、
腫瘍移植後、27、30、34、37日目に尾静脈内に
投与した。対照群には、リン酸緩衝生理食塩水を同様に
尾静脈内に投与した。抗体投与群並びに対照群の中から
典型的な1匹をそれぞれ選び、正常動物とともに、腫瘍
移植41日目に写真撮影を行った。
【0300】その結果、ヒト肺癌LC−6移植高カルシ
ウム血症モデルにおいて、抗体投与動物(図27の中央及
び図28の中央)は、対照動物(図27の右及び図28の右)
と同程度の腫瘍塊を保持するにも関わらず正常動物(図
27の左及び図28の左)と同等の外見を呈し、抗PTHr
P抗体投与により外見上の臨床症状の改善が認められた
(図27及び28)。
【0301】2.高カルシウム血症に伴う運動量低下の
改善 ヒト肺癌株LC−6の継代は、BALB/c−nu/n
uヌードマウス(日本クレア)を用いてin vivo
で行った。薬効評価には、5週齢雄性F344/N J
cl−rnuヌードラット(日本クレア)を購入し、1
週間の馴化の後、6週齢の動物を使用した。
【0302】悪性腫瘍随伴性高カルシウム血症モデルの
作製は、以下のようにして行った。すなわち、継代して
いるヒト肺癌株LC−6を摘出し、3mm角ブロックに
細かく刻んだ腫瘍塊をラットの脇腹皮下に1匹あたり1
個ずつ移植した。腫瘍塊移植後、30日目前後に腫瘍体
積が十分に大きくなったのを確認した後、血中カルシウ
ム濃度、体重を指標として悪性腫瘍随伴性高カルシウム
血症モデル動物とした。血中カルシウム濃度は、眼窩よ
りヘマトクリット管で採血し、643自動Ca++/p
Hアナライザー(CIBA−CORNING)を用いて
全血イオン化カルシウム濃度として測定した。
【0303】(1)自発運動量測定法 自発運動量の測定は自発運動量測定装置アニメックス
(ANIMEX activity meter type SE、FARAD Electronics、
Sweden)を用いて、個体毎に個別飼育しているポリ製ケ
ージ(給水、給餌下)を装置の所定の位置に置き行っ
た。この装置はラットの運動量を計測するもので、一定
時間当たりのカウントとして記録される。測定は午後7
時から翌日午前8時までの13時間行い、測定結果は1
時間当たりのカウント数とした。
【0304】(2)抗体の投与 上記したように高カルシウム血症を発症したラットを用
い、ヒト型化抗PTHrP抗体を5mg/0.5ml/
kg尾静脈内投与した。また、対照には、生理食塩水を
同様に尾静脈内に投与した。測定は抗体投与個体と対照
個体を交互に測定した。測定日は抗体投与個体は抗体投
与0(投与前日)、2、4、7、14日目に、また対照
個体は1、3、5、8、15日目に行った。その結果、
対照個体の自発運動量は実験期間中変化がないかまたは
減少傾向を示すのに対して、抗体投与個体は4日目以降
自発運動量の増加が認められた(図29)。
【0305】3.高カルシウム血症に伴う体温低下の改
善 ヒト肺癌株LC−6の継代および悪性腫瘍随伴性高カル
シウム血症モデルの作製は、上記2で示した方法と同様
に実施した。 (1)体温測定法 体温の測定はデジタル温度計を用い、個体はペントバル
ビタール(ネンブタール、大日本製薬(株))で麻酔
し、温度センサープローブを直腸に挿入して行った。
【0306】(2)抗体の投与 上記したように高カルシウム血症を発症したラットを用
い、ヒト型化抗PTHrP抗体を1mg/ml/kg尾
静脈内投与した。また、対照には、生理食塩水を同様に
尾静脈内に投与した。さらに、正常ラット(無投与)の
体温についても同時に測定した。体温測定は抗体投与個
体、対照個体および正常ラットいずれも、投与0(投与
当日)、1、2、3日目に行った。
【0307】その結果、正常ラットの体温は実験期間中
34.2〜34.4℃とほとんど変化なく推移した。悪性腫瘍随
伴性高カルシウム血症ラットでは、正常ラットに比べ、
約2℃の体温の低下が認められた。このモデルにヒト型
化抗PTHrP抗体を投与すると、投与3日目で正常ラ
ットの体温まで回復することが確認された。このよう
に、ヒト型化抗PTHrP抗体は悪性腫瘍随伴性高カル
シウム血症モデルでの体温低下に対して改善する作用を
有することが示された(図30)。
【0308】4.高カルシウム血症に伴う摂食量低下の
改善 ヒト肺癌株LC−6の継代および悪性腫瘍随伴性高カル
シウム血症モデルの作製は、上記2で示した方法と同様
に実施した。作製したモデルは血中カルシウム濃度およ
び体重を指標として各指標が平均化するように群分け
し、以下の実験に使用した。 (1)摂食量測定法 ラットは実験期間中、個別飼育用の代謝ケージに入れ、
給水、給餌下で飼育した。摂食量は当日午前9時から翌
日午前9時までの24時間摂食量とし、給餌器の重量を
測定し、予め測定した重量(風袋重量)との差をその個
体の摂食量(g)とした。
【0309】(2)抗体の投与 上記したように高カルシウム血症を発症したラット(H
HMラット)を用い、ヒト型化抗PTHrP抗体を5m
g/0.5ml/kg尾静脈内投与した。また、対照群
には、生理食塩水を同様に静脈内に投与した。さらに、
正常ラットについても生理食塩水を同様に尾静脈内に投
与した。摂食量測定は、抗体投与群、対照群および正常
ラット群のいずれも、投与0(投与前日から当日)、1
(投与当日から翌日)、3(投与3日目から翌日)、5
日目(投与5日目から翌日)に行った。
【0310】その結果、投与前値の摂食量は高カルシウ
ム血症ラット(個体5から9)では平均で8.11gで
あり、正常ラットは平均12.06gであった。このよ
うに明らかに高カルシウム血症ラットでは摂食量の低下
が認められた。このモデルにヒト型化抗PTHrP抗体
を投与すると、対照群ではあまり摂食量に変化がないの
に比べ、抗体投与群では投与1日目以降正常ラットの摂
食量まで回復することが確認された。このように、ヒト
型化抗PTHrP抗体は悪性腫瘍随伴性高カルシウム血
症モデルでの摂食量低下に対して改善する作用のあるこ
とが示された(表6)。
【0311】
【表6】
【0312】以上の結果より、本発明のキメラ抗体およ
びヒト型化抗体の悪性腫瘍に伴う高カルシウム血症の臨
床諸症状の改善薬としての有用性が示された。 5.高カルシウム血症に伴う血液pHの改善 ヒト肺癌株LC−6の継代および悪性腫瘍随伴性高カル
シウム血症モデルの作製は、上記2で示した方法と同様
に実施した。作製したモデルは血中カルシウム濃度およ
び体重を指標として各指標が平均化するように群分け
し、以下の実験に使用した。 (1)血液pH測定法 血液pHは、ヘパリン処理した注射筒を用い、心臓採血
法にて血液を採取し、643自動Ca++/pHアナライ
ザー(CIBA-CORNING)を用いて血液pHを測定した。
【0313】(2)抗体の投与 上記したように高カルシウム血症を発症したラット(H
HMラット)を用い、ヒト型化抗PTHrP抗体を5m
g/0.5ml/kg尾静脈内投与した(n=3)。ま
た、対照群には、生理食塩水を同様に静脈内に投与した
(n=2)。血液pH測定は、抗体投与群および対照群の
いずれも、投与0(投与当日)、1、7日目に行った。
結果は各群ともにその平均値で示した。
【0314】その結果、高カルシウム血症ラットの抗体
投与前の血液pHは約7.49であり(正常ラットの血液p
HはpH7.40±0.02)、本モデルは明らかに代謝性アル
カローシスの病態を示していた。このモデルにヒト型化
抗PTHrP抗体を投与すると、対照群ではほとんど血
液pHの変化はないのに比べ、抗体投与群では投与7日
目には正常ラットの血液pHに近い値まで改善している
ことが確認された。悪性腫瘍随伴性高カルシウム血症
(HHM)における臨床諸症状の一つに腎臓での重炭酸
イオン(HCO3 -)の排泄阻害に基づく代謝性アルカロ
ーシスが報告されている。ヒト型化抗PTHrP抗体の
投与は本モデルで血液pHを正常化したことから、HH
Mで見られる代謝性アルカローシスを改善する作用を有
することが示された(図31)。以上の結果より、本発明の
キメラ抗体及びヒト型化抗体は、悪性腫瘍に伴う高カル
シウム血症の臨床諸症状を改善するための改善薬として
有用であることが示された。
【0315】
【発明の効果】本発明により、PTHrPに対する抗
体、キメラ抗体およびヒト型化抗体が提供される。これ
らの抗体は、ヒトにおける抗原性が低いことから、高カ
ルシウム血症、低リン血症等の治療薬として有用であ
る。
【0316】
【配列表】
配列番号:1 配列の長さ:20 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) 配列: AAATAGCCCT TGACCAGGCA 20
【0317】配列番号:2 配列の長さ:38 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) 配列: CTGGTTCGGC CCACCTCTGA AGGTTCCAGA ATCGATAG 38
【0318】配列番号:3 配列の長さ:28 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) 配列: GGATCCCGGG CCAGTGGATA GACAGATG 28
【0319】配列番号:4 配列の長さ:29 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) 配列: GGATCCCGGG TCAGRGGAAG GTGGRAACA 29
【0320】配列番号:5 配列の長さ:17 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) 配列: GTTTTCCCAG TCACGAC 17
【0321】配列番号:6 配列の長さ:17 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) 配列: CAGGAAACAG CTATGAC 17
【0322】配列番号:7 配列の長さ:31 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) 配列: GTCTAAGCTT CCACCATGAA ACTTCGGGCT C 31
【0323】配列番号:8 配列の長さ:30 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) 配列: TGTTGGATCC CTGCAGAGAC AGTGACCAGA 30
【0324】配列番号:9 配列の長さ:36 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) 配列: GTCTGAATTC AAGCTTCCAC CATGGGGTTT GGGCTG 36
【0325】配列番号:10 配列の長さ:41 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) 配列: TTTCCCGGGC CCTTGGTGGA GGCTGAGGAG ACG
GTGACCA G 41
【0326】配列番号:11 配列の長さ:109 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) 配列: GTCTGAATTC AAGCTTAGTA CTTGGCCAGC CCAAGGCCAA CCCCACGGTC ACCCTGTTCC 60 CGCCCTCCTC TGAGGAGCTC CAAGCCAACA AGGCCACACT AGTGTGTCT 109
【0327】配列番号:12 配列の長さ:110 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) 配列: GGTTTGGTGG TCTCCACTCC CGCCTTGACG GGGCTGCCAT CTGCCTTCCA GGCCACTGTC 60 ACAGCTCCCG GGTAGAAGTC ACTGATCAGA CACACTAGTG TGGCCTTGTT 11
【0328】配列番号:13 配列の長さ:98 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) 配列: GGAGTGGAGA CCACCAAACC CTCCAAACAG AGC
AACAACA AGTACGCGGC CAGCAGCTAC 60 CTGAGCCTGA CGCCCGAGCA GTGGAAGTCC CACAGAAG 98
【0329】配列番号:14 配列の長さ:106 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) 配列: TGTTGAATTC TTACTATGAA CATTCTGTAG GGGCCACTGT CTTCTCCACG GTGCTCCCTT 60 CATGCGTGAC CTGGCAGCTG TAGCTTCTGT GGGACTTCCA CTGCTC 106
【0330】配列番号:15 配列の長さ:43 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) 配列: GTCTGAATTC AAGCTTAGTA CTTGGCCAGC CCAAGGCCAA CCC 43
【0331】配列番号:16 配列の長さ:20 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) 配列: TGTTGAATTC TTACTATGAA
20
【0332】配列番号:17 配列の長さ:39 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) 配列: CAACAAGTAC GCGGCCAGCA GCTACCTGAG CCTGACGCC 39
【0333】配列番号:18 配列の長さ:39 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) 配列: GTAGCTGCTG GCCGCGTACT TGTTGTTGCT CTGTTTGGA 39
【0334】配列番号:19 配列の長さ:46 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) 配列: GTCTGAATTC AAGCTTAGTC CTAGGTCGAA CTGTGGCTGC ACCATC 46
【0335】配列番号:20 配列の長さ:34 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) 配列: TGTTGAATTC TTACTAACAC TCTCCCCTGT TGAA 34
【0336】配列番号:21 配列の長さ:35 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) 配列: GTCTAAGCTT CCACCATGGC CTGGACTCCT CTCTT 35
【0337】配列番号:22 配列の長さ:48 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) 配列: TGTTGAATTC AGATCTAACT ACTTACCTAG GACAGTGACC TTGGTCCC 48
【0338】配列番号:23 配列の長さ:128 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) 配列: GTCTAAGCTT CCACCATGGG GTTTGGGCTG AGCTGGGTTT TCCTCGTTGC TCTTTTAAGA 60 GGTGTCCAGT GTCAGGTGCA GCTGGTGGAG TCTGGGGGAG GCGTGGTCCA GCCTGGGAGG 120 TCCCTGAG 128
【0339】配列番号:24 配列の長さ:125 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) 配列: ACCATTAGTA GTGGTGGTAG TTACACCTAC TATCCAGACA GTGTGAAGGG GCGATTCACC 60 ATCTCCAGAG ACAATTCCAA GAACACGCTG TATCTGCAAA TGAACAGCCT GAGAGCTGAG 120 GACAC 125
【0340】配列番号:25 配列の長さ:132 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) 配列: CTACCACCAC TACTAATGGT TGCCACCCAC TCCAGCCCCT TGCCTGGAGC CTGGCGGACC 60 CAAGACATGC CATAGCTACT GAAGGTGAAT CCAGAGGCTG CACAGGAGAG TCTCAGGGAC 120 CTCCCAGGCT GG 132
【0341】配列番号:26 配列の長さ:110 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) 配列: TGTTGGATCC CTGAGGAGAC GGTGACCAGG GTTCCCTGGC CCCAGTAAGC AAAGTAAGTC 60 ATAGTAGTCT GTCTCGCACA GTAATACACA GCCGTGTCCT CAGCTCTCAG 110
【0342】配列番号:27 配列の長さ:30 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) 配列: GTCTAAGCTT CCACCATGGG GTTTGGGCTG 30
【0343】配列番号:28 配列の長さ:30 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) 配列: TGTTGGATCC CTGAGGAGAC GGTGACCAGG
30
【0344】配列番号:29 配列の長さ:133 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) 配列: ACAAAGCTTC CACCATGGCC TGGACTCCTC TCTTCTTCTT CTTTGTTCTT CATTGCTCAG 60 GTTCTTTCTC CCAGCTTGTG CTGACTCAAT CGCCCTCTGC CTCTGCCTCC CTGGGAGCCT 120 CGGTCAAGCT CAC 133
【0345】配列番号:30 配列の長さ:118 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) 配列: AGCAAGATGG AAGCCACAGC ACAGGTGATG GGATTCCTGA TCGCTTCTCA GGCTCCAGCT 60 CTGGGGCTGA GCGCTACCTC ACCATCTCCA GCCTCCAGTC TGAGGATGAG GCTGACTA 118
【0346】配列番号:31 配列の長さ:128 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) 配列: CTGTGGCTTC CATCTTGCTT AAGTTTCATC AAGTACCGAG GGCCCTTCTC TGGCTGCTGC 60 TGATGCCATT CAATGGTGTA CGTACTGTGC TGACTACTCA AGGTGCAGGT GAGCTTGACC 120 GAGGCTCC 128
【0347】配列番号:32 配列の長さ:114 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) 配列: CTTGGATCCG GGCTGACCTA GGACGGTCAG TTTGGTCCCT CCGCCGAACA CCCTCACAAA 60 TTGTTCCTTA ATTGTATCAC CCACACCACA GTAATAGTCA GCCTCATCCT CAGA 114
【0348】配列番号:33 配列の長さ:17 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) 配列: ACAAAGCTTC CACCATG 17
【0349】配列番号:34 配列の長さ:19 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) 配列: CTTGGATCCG GGCTGACCT 19
【0350】配列番号:35 配列の長さ:75 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) 配列: CTTGGATCCG GGCTGACCTA GGACGGTCAG TTTGGTCCCT CCGCCGAACA CGTACACAAA 60 TTGTTCCTTA ATTGT 75
【0351】配列番号:36 配列の長さ:43 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) 配列: AAAGGATCCT TAAGATCCAT CAAGTACCGA GGGGGCTTCT CTG 43
【0352】配列番号:37 配列の長さ:46 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) 配列: ACAAAGCTTA GCGCTACCTC ACCATCTCCA GCCTCCAGCC TGAGGA 46
【0353】配列番号:38 配列の長さ:111 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) 配列: CTTGGATCCG GGCTGACCTA GGACGGTCAG TTTGGTCCCT CCGCCGAACA CGTACACAAA 60 TTGTTCCTTA ATTGTATCAC CCACACCACA GATATAGTCA GCCTCATCCT C 111
【0354】配列番号:39 配列の長さ:42 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) 配列: CTTCTCTGGC TGCTGCTGAT ACCATTCAAT GGTGTACGTA CT 42
【0355】配列番号:40 配列の長さ:26 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) 配列: CGAGGGCCCT TCTCTGGCTG CTGCTG
26
【0356】配列番号:41 配列の長さ:35 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) 配列: GAGAAGGGCC CTARGTACST GATGRAWCTT AAGCA 35
【0357】配列番号:42 配列の長さ:35 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) 配列: CACGAATTCA CTATCGATTC TGGAACCTTC AGAGG 35
【0358】配列番号:43 配列の長さ:18 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) 配列: GGCTTGGAGC TCCTCAGA 18
【0359】配列番号:44 配列の長さ:20 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) 配列: GACAGTGGTT CAAAGTTTTT 20
【0360】配列番号:45 配列の長さ:118 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:タンパク質 配列: Gln Leu Val Leu Thr Gln Ser Ser Ser Ala Ser Phe Ser Leu Gly 1 5 10 15 Ala Ser Ala Lys Leu Thr Cys Thr Leu Ser Ser Gln His Ser Thr 20 25 30 Tyr Thr Ile Glu Trp Tyr Gln Gln Gln Pro Leu Lys Pro Pro Lys 35 40 45 Tyr Val Met Asp Leu Lys Gln Asp Gly Ser His Ser Thr Gly Asp 50 55 60 Gly Ile Pro Asp Arg Phe Ser Gly Ser Ser Ser Gly Ala Asp Arg 65 70 75 Tyr Leu Ser Ile Ser Asn Ile Gln Pro Glu Asp Glu Ala Met Tyr 80 85 90 Ile Cys Gly Val Gly Asp Thr Ile Lys Glu Gln Phe Val Tyr Val 95 100 105 Phe Gly Gly Gly Thr Lys Val Thr Val Leu Gly Gln Pro 110 115
【0361】配列番号:46 配列の長さ:118 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:タンパク質 配列: Glu Val Gln Leu Val Glu Ser Gly Gly Asp Leu Val Lys Pro Gly 1 5 10 15 Gly Ser Leu Lys Leu Ser Cys Ala Ala Ser Gly Phe Thr Phe Ser 20 25 30 Ser Tyr Gly Met Ser Trp Ile Arg Gln Thr Pro Asp Lys Arg Leu 35 40 45 Glu Trp Val Ala Thr Ile Ser Ser Gly Gly Ser Tyr Thr Tyr Tyr 50 55 60 Pro Asp Ser Val Lys Gly Arg Phe Thr Ile Ser Arg Asp Asn Ala 65 70 75 Lys Asn Thr Leu Tyr Leu Gln Met Ser Ser Leu Lys Ser Glu Asp 80 85 90 Thr Ala Met Phe Tyr Cys Ala Arg Gln Thr Thr Met Thr Tyr Phe 95 100 105 Ala Tyr Trp Gly Gln Gly Thr Leu Val Thr Val Ser Ala 110 115
【0362】配列番号:47 配列の長さ:116 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:タンパク質 配列: Gln Leu Val Leu Thr Gln Ser Pro Ser Ala Ser Ala Ser Leu Gly 1 5 10 15 Ala Ser Val Lys Leu Thr Cys Thr Leu Ser Ser Gln His Ser Thr 20 25 30 Tyr Thr Ile Glu Trp His Gln Gln Gln Pro Glu Lys Gly Pro Arg 35 40 45 Tyr Leu Met Lys Leu Lys Gln Asp Gly Ser His Ser Thr Gly Asp 50 55 60 Gly Ile Pro Asp Arg Phe Ser Gly Ser Ser Ser Gly Ala Glu Arg 65 70 75 Tyr Leu Thr Ile Ser Ser Leu Gln Ser Glu Asp Glu Ala Asp Tyr 80 85 90 Tyr Cys Gly Val Gly Asp Thr Ile Lys Glu Gln Phe Val Tyr Val 95 100 105 Phe Gly Gly Gly Thr Lys Leu Thr Val Leu Gly 110 115
【0363】配列番号:48 配列の長さ:118 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:タンパク質 配列: Gln Leu Val Leu Thr Gln Ser Pro Ser Ala Ser Ala Ser Leu Gly 1 5 10 15 Ala Ser Val Lys Leu Thr Cys Thr Leu Ser Ser Gln His Ser Thr 20 25 30 Tyr Thr Ile Glu Trp Tyr Gln Gln Gln Pro Glu Lys Gly Pro Lys 35 40 45 Tyr Leu Met Asp Leu Lys Gln Asp Gly Ser His Ser Thr Gly Asp 50 55 60 Gly Ile Pro Asp Arg Phe Ser Gly Ser Ser Ser Gly Ala Glu Arg 65 70 75 Tyr Leu Thr Ile Ser Ser Leu Gln Ser Glu Asp Glu Ala Asp Tyr 80 85 90 Tyr Cys Gly Val Gly Asp Thr Ile Lys Glu Gln Phe Val Tyr Val 95 100 105 Phe Gly Gly Gly Thr Lys Leu Thr Val Leu Gly Gln Pro 110 115
【0364】配列番号:49 配列の長さ:118 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:タンパク質 配列: Gln Leu Val Leu Thr Gln Ser Pro Ser Ala Ser Ala Ser Leu Gly 1 5 10 15 Ala Ser Val Lys Leu Thr Cys Thr Leu Ser Ser Gln His Ser Thr 20 25 30 Tyr Thr Ile Glu Trp Tyr Gln Gln Gln Pro Glu Lys Gly Pro Lys 35 40 45 Tyr Val Met Asp Leu Lys Gln Asp Gly Ser His Ser Thr Gly Asp 50 55 60 Gly Ile Pro Asp Arg Phe Ser Gly Ser Ser Ser Gly Ala Glu Arg 65 70 75 Tyr Leu Thr Ile Ser Ser Leu Gln Ser Glu Asp Glu Ala Asp Tyr 80 85 90 Tyr Cys Gly Val Gly Asp Thr Ile Lys Glu Gln Phe Val Tyr Val 95 100 105 Phe Gly Gly Gly Thr Lys Leu Thr Val Leu Gly Gln Pro 110 115
【0365】配列番号:50 配列の長さ:118 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:タンパク質 配列: Gln Leu Val Leu Thr Gln Ser Pro Ser Ala Ser Ala Ser Leu Gly 1 5 10 15 Ala Ser Val Lys Leu Thr Cys Thr Leu Ser Ser Gln His Ser Thr 20 25 30 Tyr Thr Ile Glu Trp Tyr Gln Gln Gln Pro Glu Lys Gly Pro Arg 35 40 45 Tyr Leu Met Asp Leu Lys Gln Asp Gly Ser His Ser Thr Gly Asp 50 55 60 Gly Ile Pro Asp Arg Phe Ser Gly Ser Ser Ser Gly Ala Glu Arg 65 70 75 Tyr Leu Thr Ile Ser Ser Leu Gln Ser Glu Asp Glu Ala Asp Tyr 80 85 90 Tyr Cys Gly Val Gly Asp Thr Ile Lys Glu Gln Phe Val Tyr Val 95 100 105 Phe Gly Gly Gly Thr Lys Leu Thr Val Leu Gly Gln Pro 110 115
【0366】配列番号:51 配列の長さ:118 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:タンパク質 配列: Gln Leu Val Leu Thr Gln Ser Pro Ser Ala Ser Ala Ser Leu Gly 1 5 10 15 Ala Ser Val Lys Leu Thr Cys Thr Leu Ser Ser Gln His Ser Thr 20 25 30 Tyr Thr Ile Glu Trp Tyr Gln Gln Gln Pro Glu Lys Gly Pro Arg 35 40 45 Tyr Val Met Asp Leu Lys Gln Asp Gly Ser His Ser Thr Gly Asp 50 55 60 Gly Ile Pro Asp Arg Phe Ser Gly Ser Ser Ser Gly Ala Glu Arg 65 70 75 Tyr Leu Thr Ile Ser Ser Leu Gln Ser Glu Asp Glu Ala Asp Tyr 80 85 90 Tyr Cys Gly Val Gly Asp Thr Ile Lys Glu Gln Phe Val Tyr Val 95 100 105 Phe Gly Gly Gly Thr Lys Leu Thr Val Leu Gly Gln Pro 110 115
【0367】配列番号:52 配列の長さ:118 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:タンパク質 配列: Gln Leu Val Leu Thr Gln Ser Pro Ser Ala Ser Ala Ser Leu Gly 1 5 10 15 Ala Ser Val Lys Leu Thr Cys Thr Leu Ser Ser Gln His Ser Thr 20 25 30 Tyr Thr Ile Glu Trp Tyr Gln Gln Gln Pro Glu Lys Gly Pro Lys 35 40 45 Tyr Leu Met Asp Leu Lys Gln Asp Gly Ser His Ser Thr Gly Asp 50 55 60 Gly Ile Pro Asp Arg Phe Ser Gly Ser Ser Ser Gly Ala Glu Arg 65 70 75 Tyr Leu Thr Ile Ser Ser Leu Gln Ser Glu Asp Glu Ala Asp Tyr 80 85 90 Ile Cys Gly Val Gly Asp Thr Ile Lys Glu Gln Phe Val Tyr Val 95 100 105 Phe Gly Gly Gly Thr Lys Leu Thr Val Leu Gly Gln Pro 110 115
【0368】配列番号:53 配列の長さ:118 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:タンパク質 配列: Gln Leu Val Leu Thr Gln Ser Pro Ser Ala Ser Ala Ser Leu Gly 1 5 10 15 Ala Ser Val Lys Leu Thr Cys Thr Leu Ser Ser Gln His Ser Thr 20 25 30 Tyr Thr Ile Glu Trp Tyr Gln Gln Gln Pro Glu Lys Gly Pro Arg 35 40 45 Tyr Leu Met Asp Leu Lys Gln Asp Gly Ser His Ser Thr Gly Asp 50 55 60 Gly Ile Pro Asp Arg Phe Ser Gly Ser Ser Ser Gly Ala Glu Arg 65 70 75 Tyr Leu Thr Ile Ser Ser Leu Gln Ser Glu Asp Glu Ala Asp Tyr 80 85 90 Ile Cys Gly Val Gly Asp Thr Ile Lys Glu Gln Phe Val Tyr Val 95 100 105 Phe Gly Gly Gly Thr Lys Leu Thr Val Leu Gly Gln Pro 110 115
【0369】配列番号:54 配列の長さ:118 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:タンパク質 配列: Gln Leu Val Leu Thr Gln Ser Pro Ser Ala Ser Ala Ser Leu Gly 1 5 10 15 Ala Ser Val Lys Leu Thr Cys Thr Leu Ser Ser Gln His Ser Thr 20 25 30 Tyr Thr Ile Glu Trp Tyr Gln Gln Gln Pro Glu Lys Gly Pro Lys 35 40 45 Tyr Val Met Asp Leu Lys Gln Asp Gly Ser His Ser Thr Gly Asp 50 55 60 Gly Ile Pro Asp Arg Phe Ser Gly Ser Ser Ser Gly Ala Glu Arg 65 70 75 Tyr Leu Thr Ile Ser Ser Leu Gln Ser Glu Asp Glu Ala Asp Tyr 80 85 90 Ile Cys Gly Val Gly Asp Thr Ile Lys Glu Gln Phe Val Tyr Val 95 100 105 Phe Gly Gly Gly Thr Lys Leu Thr Val Leu Gly Gln Pro 110 115
【0370】配列番号:55 配列の長さ:118 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:タンパク質 配列: Gln Leu Val Leu Thr Gln Ser Pro Ser Ala Ser Ala Ser Leu Gly 1 5 10 15 Ala Ser Val Lys Leu Thr Cys Thr Leu Ser Ser Gln His Ser Thr 20 25 30 Tyr Thr Ile Glu Trp Tyr Gln Gln Gln Pro Glu Lys Gly Pro Arg 35 40 45 Tyr Val Met Asp Leu Lys Gln Asp Gly Ser His Ser Thr Gly Asp 50 55 60 Gly Ile Pro Asp Arg Phe Ser Gly Ser Ser Ser Gly Ala Glu Arg 65 70 75 Tyr Leu Thr Ile Ser Ser Leu Gln Ser Glu Asp Glu Ala Asp Tyr 80 85 90 Ile Cys Gly Val Gly Asp Thr Ile Lys Glu Gln Phe Val Tyr Val 95 100 105 Phe Gly Gly Gly Thr Lys Leu Thr Val Leu Gly Gln Pro 110 115
【0371】配列番号:56 配列の長さ:118 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:タンパク質 配列: Gln Val Gln Leu Val Glu Ser Gly Gly Gly Val Val Gln Pro Gly 1 5 10 15 Arg Ser Leu Arg Leu Ser Cys Ala Ala Ser Gly Phe Thr Phe Ser 20 25 30 Ser Tyr Gly Met Ser Trp Val Arg Gln Ala Pro Gly Lys Gly Leu 35 40 45 Glu Trp Val Ala Thr Ile Ser Ser Gly Gly Ser Tyr Thr Tyr Tyr 50 55 60 Pro Asp Ser Val Lys Gly Arg Phe Thr Ile Ser Arg Asp Asn Ser 65 70 75 Lys Asn Thr Leu Tyr Leu Gln Met Asn Ser Leu Arg Ala Glu Asp 80 85 90 Thr Ala Val Tyr Tyr Cys Ala Arg Gln Thr Thr Met Thr Tyr Phe 95 100 105 Ala Tyr Trp Gly Gln Gly Thr Leu Val Thr Val Ser Ser 110 115
【0372】配列番号:57 配列の長さ:411 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA to mRNA 配列: ATG AAC TTC GGG CTC AGC TTG ATT TTC CTT GCC CTC ATT TTA AAA 45 Met Asn Phe Gly Leu Ser Leu Ile Phe Leu Ala Leu Ile Leu Lys -15 -10 -5 GGT GTC CAG TGT GAG GTG CAA CTG GTG GAG TCT GGG GGA GAC TTA 90 Gly Val Gln Cys Glu Val Gln Leu Val Glu Ser Gly Gly Asp Leu 1 5 10 GTG AAG CCT GGA GGG TCC CTG AAA CTC TCC TGT GCA GCC TCT GGA 135 Val Lys Pro Gly Gly Ser Leu Lys Leu Ser Cys Ala Ala Ser Gly 15 20 25 TTC ACT TTC AGT AGC TAT GGC ATG TCT TGG ATT CGC CAG ACT CCA 180 Phe Thr Phe Ser Ser Tyr Gly Met Ser Trp Ile Arg Gln Thr Pro 30 35 40 GAC AAG AGG CTG GAG TGG GTC GCA ACC ATT AGT AGT GGT GGT AGT 225 Asp Lys Arg Leu Glu Trp Val Ala Thr Ile Ser Ser Gly Gly Ser 45 50 55 TAC ACC TAC TAT CCA GAC AGT GTG AAG GGG CGA TTC ACC ATC TCC 270 Tyr Thr Tyr Tyr Pro Asp Ser Val Lys Gly Arg Phe Thr Ile Ser 60 65 70 AGA GAC AAT GCC AAG AAC ACC CTA TAC CTG CAA ATG AGC AGT CTG 315 Arg Asp Asn Ala Lys Asn Thr Leu Tyr Leu Gln Met Ser Ser Leu 75 80 85 AAG TCT GAG GAC ACA GCC ATG TTT TAC TGT GCA AGA CAG ACT ACT 360 Lys Ser Glu Asp Thr Ala Met Phe Tyr Cys Ala Arg Gln Thr Thr 90 95 100 ATG ACT TAC TTT GCT TAC TGG GGC CAA GGG ACT CTG GTC ACT GTC 405 Met Thr Tyr Phe Ala Tyr Trp Gly Gln Gly Thr Leu Val Thr Val 105 110 115 TCT GCA 411 Ser Ala
【0373】配列番号:58 配列の長さ:411 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA to mRNA 配列: ATG GGG TTT GGG CTG AGC TGG GTT TTC CTC GTT GCT CTT TTA AGA 45 Met Gly Phe Gly Leu Ser Trp Val Phe Leu Val Ala Leu Leu Arg -15 -10 -5 GGT GTC CAG TGT CAG GTG CAG CTG GTG GAG TCT GGG GGA GGC GTG 90 Gly Val Gln Cys Gln Val Gln Leu Val Glu Ser Gly Gly Gly Val 1 5 10 GTC CAG CCT GGG AGG TCC CTG AGA CTC TCC TGT GCA GCC TCT GGA 135 Val Gln Pro Gly Arg Ser Leu Arg Leu Ser Cys Ala Ala Ser Gly 15 20 25 TTC ACC TTC AGT AGC TAT GGC ATG TCT TGG GTC CGC CAG GCT CCA 180 Phe Thr Phe Ser Ser Tyr Gly Met Ser Trp Val Arg Gln Ala Pro 30 35 40 GGC AAG GGG CTG GAG TGG GTG GCA ACC ATT AGT AGT GGT GGT AGT 225 Gly Lys Gly Leu Glu Trp Val Ala Thr Ile Ser Ser Gly Gly Ser 45 50 55 TAC ACC TAC TAT CCA GAC AGT GTG AAG GGG CGA TTC ACC ATC TCC 270 Tyr Thr Tyr Tyr Pro Asp Ser Val Lys Gly Arg Phe Thr Ile Ser 60 65 70 AGA GAC AAT TCC AAG AAC ACG CTG TAT CTG CAA ATG AAC AGC CTG 315 Arg Asp Asn Ser Lys Asn Thr Leu Tyr Leu Gln Met Asn Ser Leu 75 80 85 AGA GCT GAG GAC ACG GCT GTG TAT TAC TGT GCG AGA CAG ACT ACT 360 Arg Ala Glu Asp Thr Ala Val Tyr Tyr Cys Ala Arg Gln Thr Thr 90 95 100 ATG ACT TAC TTT GCT TAC TGG GGC CAG GGA ACC CTG GTC ACC GTC 405 Met Thr Tyr Phe Ala Tyr Trp Gly Gln Gly Thr Leu Val Thr Val 105 110 115 TCC TCA 411 Ser Ser
【0374】配列番号:59 配列の長さ:11 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド
【0375】配列番号:60 配列の長さ:7 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド
【0376】配列番号:61 配列の長さ:9 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド
【0377】配列番号:62 配列の長さ:5 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド
【0378】配列番号:63 配列の長さ:16 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列: Ser Ile Phe Gly Asp Gly Asp Thr Arg Tyr Ser Gln Lys Phe Lys Gly 1 5 10 15
【0379】配列番号:64 配列の長さ:11 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド
【0380】配列番号:65 配列の長さ:411 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA to mRNA 配列: ATG GCC TGG ACT CCT CTC TTC TTC TTC TTT GTT CTT CAT TGC TCA 45 Met Ala Trp Thr Pro Leu Phe Phe Phe Phe Val Leu His Cys Ser -15 -10 -5 GGT TCT TTC TCC CAA CTT GTG CTC ACT CAG TCA TCT TCA GCC TCT 90 Gly Ser Phe Ser Gln Leu Val Leu Thr Gln Ser Ser Ser Ala Ser 1 5 10 TTC TCC CTG GGA GCC TCA GCA AAA CTC ACG TGC ACC TTG AGT AGT 135 Phe Ser Leu Gly Ala Ser Ala Lys Leu Thr Cys Thr Leu Ser Ser 15 20 25 CAG CAC AGT ACG TAC ACC ATT GAA TGG TAT CAG CAA CAG CCA CTC 180 Gln His Ser Thr Tyr Thr Ile Glu Trp Tyr Gln Gln Gln Pro Leu 30 35 40 AAG CCT CCT AAG TAT GTG ATG GAT CTT AAG CAA GAT GGA AGC CAC 225 Lys Pro Pro Lys Tyr Val Met Asp Leu Lys Gln Asp Gly Ser His 45 50 55 AGC ACA GGT GAT GGG ATT CCT GAT CGC TTC TCT GGA TCC AGC TCT 270 Ser Thr Gly Asp Gly Ile Pro Asp Arg Phe Ser Gly Ser Ser Ser 60 65 70 GGT GCT GAT CGC TAC CTT AGC ATT TCC AAC ATC CAG CCA GAA GAT 315 Gly Ala Asp Arg Tyr Leu Ser Ile Ser Asn Ile Gln Pro Glu Asp 75 80 85 GAA GCA ATG TAC ATC TGT GGT GTG GGT GAT ACA ATT AAG GAA CAA 360 Glu Ala Met Tyr Ile Cys Gly Val Gly Asp Thr Ile Lys Glu Gln 90 95 100 TTT GTG TAT GTT TTC GGC GGT GGG ACC AAG GTC ACT GTC CTA GGT 405 Phe Val Tyr Val Phe Gly Gly Gly Thr Lys Val Thr Val Leu Gly 105 110 115 CAG CCC 411 Gln Pro
【0381】配列番号:66 配列の長さ:405 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA to mRNA 配列: ATG GCC TGG ACT CCT CTC TTC TTC TTC TTT GTT CTT CAT TGC TCA 45 Met Ala Trp Thr Pro Leu Phe Phe Phe Phe Val Leu His Cys Ser -15 -10 -5 GGT TCT TTC TCC CAG CTT GTG CTG ACT CAA TCG CCC TCT GCC TCT 90 Gly Ser Phe Ser Gln Leu Val Leu Thr Gln Ser Pro Ser Ala Ser 1 5 10 GCC TCC CTG GGA GCC TCG GTC AAG CTC ACC TGC ACC TTG AGT AGT 135 Ala Ser Leu Gly Ala Ser Val Lys Leu Thr Cys Thr Leu Ser Ser 15 20 25 CAG CAC AGT ACG TAC ACC ATT GAA TGG CAT CAG CAG CAG CCA GAG 180 Gln His Ser Thr Tyr Thr Ile Glu Trp His Gln Gln Gln Pro Glu 30 35 40 AAG GGC CCT CGG TAC TTG ATG AAA CTT AAG CAA GAT GGA AGC CAC 225 Lys Gly Pro Arg Tyr Leu Met Lys Leu Lys Gln Asp Gly Ser His 45 50 55 AGC ACA GGT GAT GGG ATT CCT GAT CGC TTC TCA GGC TCC AGC TCT 270 Ser Thr Gly Asp Gly Ile Pro Asp Arg Phe Ser Gly Ser Ser Ser 60 65 70 GGG GCT GAG CGC TAC CTC ACC ATC TCC AGC CTC CAG TCT GAG GAT 315 Gly Ala Glu Arg Tyr Leu Thr Ile Ser Ser Leu Gln Ser Glu Asp 75 80 85 GAG GCT GAC TAT TAC TGT GGT GTG GGT GAT ACA ATT AAG GAA CAA 360 Glu Ala Asp Tyr Tyr Cys Gly Val Gly Asp Thr Ile Lys Glu Gln 90 95 100 TTT GTG TAC GTG TTC GGC GGA GGG ACC AAA CTG ACC GTC CTA GGT 405 Phe Val Tyr Val Phe Gly Gly Gly Thr Lys Leu Thr Val Leu Gly 105 110 115
【0382】配列番号:67 配列の長さ:411 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA to mRNA 配列: ATG GCC TGG ACT CCT CTC TTC TTC TTC TTT GTT CTT CAT TGC TCA 45 Met Ala Trp Thr Pro Leu Phe Phe Phe Phe Val Leu His Cys Ser -15 -10 -5 GGT TCT TTC TCC CAG CTT GTG CTG ACT CAA TCG CCC TCT GCC TCT 90 Gly Ser Phe Ser Gln Leu Val Leu Thr Gln Ser Pro Ser Ala Ser 1 5 10 GCC TCC CTG GGA GCC TCG GTC AAG CTC ACC TGC ACC TTG AGT AGT 135 Ala Ser Leu Gly Ala Ser Val Lys Leu Thr Cys Thr Leu Ser Ser 15 20 25 CAG CAC AGT ACG TAC ACC ATT GAA TGG TAT CAG CAG CAG CCA GAG 180 Gln His Ser Thr Tyr Thr Ile Glu Trp Tyr Gln Gln Gln Pro Glu 30 35 40 AAG GGC CCT AAG TAC CTG ATG GAT CTT AAG CAA GAT GGA AGC CAC 225 Lys Gly Pro Lys Tyr Leu Met Asp Leu Lys Gln Asp Gly Ser His 45 50 55 AGC ACA GGT GAT GGG ATT CCT GAT CGC TTC TCA GGC TCC AGC TCT 270 Ser Thr Gly Asp Gly Ile Pro Asp Arg Phe Ser Gly Ser Ser Ser 60 65 70 GGG GCT GAG CGC TAC CTC ACC ATC TCC AGC CTC CAG TCT GAG GAT 315 Gly Ala Glu Arg Tyr Leu Thr Ile Ser Ser Leu Gln Ser Glu Asp 75 80 85 GAG GCT GAC TAT TAC TGT GGT GTG GGT GAT ACA ATT AAG GAA CAA 360 Glu Ala Asp Tyr Tyr Cys Gly Val Gly Asp Thr Ile Lys Glu Gln 90 95 100 TTT GTG TAC GTG TTC GGC GGA GGG ACC AAA CTG ACC GTC CTA GGC 405 Phe Val Tyr Val Phe Gly Gly Gly Thr Lys Leu Thr Val Leu Gly 105 110 115 CAG CCC 411 Gln Pro
【0383】配列番号:68 配列の長さ:411 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA to mRNA 配列: ATG GCC TGG ACT CCT CTC TTC TTC TTC TTT GTT CTT CAT TGC TCA 45 Met Ala Trp Thr Pro Leu Phe Phe Phe Phe Val Leu His Cys Ser -15 -10 -5 GGT TCT TTC TCC CAG CTT GTG CTG ACT CAA TCG CCC TCT GCC TCT 90 Gly Ser Phe Ser Gln Leu Val Leu Thr Gln Ser Pro Ser Ala Ser 1 5 10 GCC TCC CTG GGA GCC TCG GTC AAG CTC ACC TGC ACC TTG AGT AGT 135 Ala Ser Leu Gly Ala Ser Val Lys Leu Thr Cys Thr Leu Ser Ser 15 20 25 CAG CAC AGT ACG TAC ACC ATT GAA TGG TAT CAG CAG CAG CCA GAG 180 Gln His Ser Thr Tyr Thr Ile Glu Trp Tyr Gln Gln Gln Pro Glu 30 35 40 AAG GGC CCT AAG TAC GTG ATG GAT CTT AAG CAA GAT GGA AGC CAC 225 Lys Gly Pro Lys Tyr Val Met Asp Leu Lys Gln Asp Gly Ser His 45 50 55 AGC ACA GGT GAT GGG ATT CCT GAT CGC TTC TCA GGC TCC AGC TCT 270 Ser Thr Gly Asp Gly Ile Pro Asp Arg Phe Ser Gly Ser Ser Ser 60 65 70 GGG GCT GAG CGC TAC CTC ACC ATC TCC AGC CTC CAG TCT GAG GAT 315 Gly Ala Glu Arg Tyr Leu Thr Ile Ser Ser Leu Gln Ser Glu Asp 75 80 85 GAG GCT GAC TAT TAC TGT GGT GTG GGT GAT ACA ATT AAG GAA CAA 360 Glu Ala Asp Tyr Tyr Cys Gly Val Gly Asp Thr Ile Lys Glu Gln 90 95 100 TTT GTG TAC GTG TTC GGC GGA GGG ACC AAA CTG ACC GTC CTA GGC 405 Phe Val Tyr Val Phe Gly Gly Gly Thr Lys Leu Thr Val Leu Gly 105 110 115 CAG CCC 411 Gln Pro
【0384】配列番号:69 配列の長さ:411 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA to mRNA 配列: ATG GCC TGG ACT CCT CTC TTC TTC TTC TTT GTT CTT CAT TGC TCA 45 Met Ala Trp Thr Pro Leu Phe Phe Phe Phe Val Leu His Cys Ser -15 -10 -5 GGT TCT TTC TCC CAG CTT GTG CTG ACT CAA TCG CCC TCT GCC TCT 90 Gly Ser Phe Ser Gln Leu Val Leu Thr Gln Ser Pro Ser Ala Ser 1 5 10 GCC TCC CTG GGA GCC TCG GTC AAG CTC ACC TGC ACC TTG AGT AGT 135 Ala Ser Leu Gly Ala Ser Val Lys Leu Thr Cys Thr Leu Ser Ser 15 20 25 CAG CAC AGT ACG TAC ACC ATT GAA TGG TAT CAG CAG CAG CCA GAG 180 Gln His Ser Thr Tyr Thr Ile Glu Trp Tyr Gln Gln Gln Pro Glu 30 35 40 AAG GGC CCT AGG TAC CTG ATG GAT CTT AAG CAA GAT GGA AGC CAC 225 Lys Gly Pro Arg Tyr Leu Met Asp Leu Lys Gln Asp Gly Ser His 45 50 55 AGC ACA GGT GAT GGG ATT CCT GAT CGC TTC TCA GGC TCC AGC TCT 270 Ser Thr Gly Asp Gly Ile Pro Asp Arg Phe Ser Gly Ser Ser Ser 60 65 70 GGG GCT GAG CGC TAC CTC ACC ATC TCC AGC CTC CAG TCT GAG GAT 315 Gly Ala Glu Arg Tyr Leu Thr Ile Ser Ser Leu Gln Ser Glu Asp 75 80 85 GAG GCT GAC TAT TAC TGT GGT GTG GGT GAT ACA ATT AAG GAA CAA 360 Glu Ala Asp Tyr Tyr Cys Gly Val Gly Asp Thr Ile Lys Glu Gln 90 95 100 TTT GTG TAC GTG TTC GGC GGA GGG ACC AAA CTG ACC GTC CTA GGC 405 Phe Val Tyr Val Phe Gly Gly Gly Thr Lys Leu Thr Val Leu Gly 105 110 115 CAG CCC 411 Gln Pro
【0385】配列番号:70 配列の長さ:411 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA to mRNA 配列: ATG GCC TGG ACT CCT CTC TTC TTC TTC TTT GTT CTT CAT TGC TCA 45 Met Ala Trp Thr Pro Leu Phe Phe Phe Phe Val Leu His Cys Ser -15 -10 -5 GGT TCT TTC TCC CAG CTT GTG CTG ACT CAA TCG CCC TCT GCC TCT 90 Gly Ser Phe Ser Gln Leu Val Leu Thr Gln Ser Pro Ser Ala Ser 1 5 10 GCC TCC CTG GGA GCC TCG GTC AAG CTC ACC TGC ACC TTG AGT AGT 135 Ala Ser Leu Gly Ala Ser Val Lys Leu Thr Cys Thr Leu Ser Ser 15 20 25 CAG CAC AGT ACG TAC ACC ATT GAA TGG TAT CAG CAG CAG CCA GAG 180 Gln His Ser Thr Tyr Thr Ile Glu Trp Tyr Gln Gln Gln Pro Glu 30 35 40 AAG GGC CCT AGG TAC GTG ATG GAT CTT AAG CAA GAT GGA AGC CAC 225 Lys Gly Pro Arg Tyr Val Met Asp Leu Lys Gln Asp Gly Ser His 45 50 55 AGC ACA GGT GAT GGG ATT CCT GAT CGC TTC TCA GGC TCC AGC TCT 270 Ser Thr Gly Asp Gly Ile Pro Asp Arg Phe Ser Gly Ser Ser Ser 60 65 70 GGG GCT GAG CGC TAC CTC ACC ATC TCC AGC CTC CAG TCT GAG GAT 315 Gly Ala Glu Arg Tyr Leu Thr Ile Ser Ser Leu Gln Ser Glu Asp 75 80 85 GAG GCT GAC TAT TAC TGT GGT GTG GGT GAT ACA ATT AAG GAA CAA 360 Glu Ala Asp Tyr Tyr Cys Gly Val Gly Asp Thr Ile Lys Glu Gln 90 95 100 TTT GTG TAC GTG TTC GGC GGA GGG ACC AAA CTG ACC GTC CTA GGC 405 Phe Val Tyr Val Phe Gly Gly Gly Thr Lys Leu Thr Val Leu Gly 105 110 115 CAG CCC 411 Gln Pro
【0386】配列番号:71 配列の長さ:411 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA to mRNA 配列: ATG GCC TGG ACT CCT CTC TTC TTC TTC TTT GTT CTT CAT TGC TCA 45 Met Ala Trp Thr Pro Leu Phe Phe Phe Phe Val Leu His Cys Ser -15 -10 -5 GGT TCT TTC TCC CAG CTT GTG CTG ACT CAA TCG CCC TCT GCC TCT 90 Gly Ser Phe Ser Gln Leu Val Leu Thr Gln Ser Pro Ser Ala Ser 1 5 10 GCC TCC CTG GGA GCC TCG GTC AAG CTC ACC TGC ACC TTG AGT AGT 135 Ala Ser Leu Gly Ala Ser Val Lys Leu Thr Cys Thr Leu Ser Ser 15 20 25 CAG CAC AGT ACG TAC ACC ATT GAA TGG TAT CAG CAG CAG CCA GAG 180 Gln His Ser Thr Tyr Thr Ile Glu Trp Tyr Gln Gln Gln Pro Glu 30 35 40 AAG GGC CCT AAG TAC CTG ATG GAT CTT AAG CAA GAT GGA AGC CAC 225 Lys Gly Pro Lys Tyr Leu Met Asp Leu Lys Gln Asp Gly Ser His 45 50 55 AGC ACA GGT GAT GGG ATT CCT GAT CGC TTC TCA GGC TCC AGC TCT 270 Ser Thr Gly Asp Gly Ile Pro Asp Arg Phe Ser Gly Ser Ser Ser 60 65 70 GGG GCT GAG CGC TAC CTC ACC ATC TCC AGC CTC CAG TCT GAG GAT 315 Gly Ala Glu Arg Tyr Leu Thr Ile Ser Ser Leu Gln Ser Glu Asp 75 80 85 GAG GCT GAC TAT ATC TGT GGT GTG GGT GAT ACA ATT AAG GAA CAA 360 Glu Ala Asp Tyr Ile Cys Gly Val Gly Asp Thr Ile Lys Glu Gln 90 95 100 TTT GTG TAC GTG TTC GGC GGA GGG ACC AAA CTG ACC GTC CTA GGC 405 Phe Val Tyr Val Phe Gly Gly Gly Thr Lys Leu Thr Val Leu Gly 105 110 115 CAG CCC 411 Gln Pro
【0387】配列番号:72 配列の長さ:411 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA to mRNA 配列: ATG GCC TGG ACT CCT CTC TTC TTC TTC TTT GTT CTT CAT TGC TCA 45 Met Ala Trp Thr Pro Leu Phe Phe Phe Phe Val Leu His Cys Ser -15 -10 -5 GGT TCT TTC TCC CAG CTT GTG CTG ACT CAA TCG CCC TCT GCC TCT 90 Gly Ser Phe Ser Gln Leu Val Leu Thr Gln Ser Pro Ser Ala Ser 1 5 10 GCC TCC CTG GGA GCC TCG GTC AAG CTC ACC TGC ACC TTG AGT AGT 135 Ala Ser Leu Gly Ala Ser Val Lys Leu Thr Cys Thr Leu Ser Ser 15 20 25 CAG CAC AGT ACG TAC ACC ATT GAA TGG TAT CAG CAG CAG CCA GAG 180 Gln His Ser Thr Tyr Thr Ile Glu Trp Tyr Gln Gln Gln Pro Glu 30 35 40 AAG GGC CCT AGG TAC CTG ATG GAT CTT AAG CAA GAT GGA AGC CAC 225 Lys Gly Pro Arg Tyr Leu Met Asp Leu Lys Gln Asp Gly Ser His 45 50 55 AGC ACA GGT GAT GGG ATT CCT GAT CGC TTC TCA GGC TCC AGC TCT 270 Ser Thr Gly Asp Gly Ile Pro Asp Arg Phe Ser Gly Ser Ser Ser 60 65 70 GGG GCT GAG CGC TAC CTC ACC ATC TCC AGC CTC CAG TCT GAG GAT 315 Gly Ala Glu Arg Tyr Leu Thr Ile Ser Ser Leu Gln Ser Glu Asp 75 80 85 GAG GCT GAC TAT ATC TGT GGT GTG GGT GAT ACA ATT AAG GAA CAA 360 Glu Ala Asp Tyr Ile Cys Gly Val Gly Asp Thr Ile Lys Glu Gln 90 95 100 TTT GTG TAC GTG TTC GGC GGA GGG ACC AAA CTG ACC GTC CTA GGC 405 Phe Val Tyr Val Phe Gly Gly Gly Thr Lys Leu Thr Val Leu Gly 105 110 115 CAG CCC 411 Gln Pro
【0388】配列番号:73 配列の長さ:411 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA to mRNA 配列: ATG GCC TGG ACT CCT CTC TTC TTC TTC TTT GTT CTT CAT TGC TCA 45 Met Ala Trp Thr Pro Leu Phe Phe Phe Phe Val Leu His Cys Ser -15 -10 -5 GGT TCT TTC TCC CAG CTT GTG CTG ACT CAA TCG CCC TCT GCC TCT 90 Gly Ser Phe Ser Gln Leu Val Leu Thr Gln Ser Pro Ser Ala Ser 1 5 10 GCC TCC CTG GGA GCC TCG GTC AAG CTC ACC TGC ACC TTG AGT AGT 135 Ala Ser Leu Gly Ala Ser Val Lys Leu Thr Cys Thr Leu Ser Ser 15 20 25 CAG CAC AGT ACG TAC ACC ATT GAA TGG TAT CAG CAG CAG CCA GAG 180 Gln His Ser Thr Tyr Thr Ile Glu Trp Tyr Gln Gln Gln Pro Glu 30 35 40 AAG GGC CCT AAG TAC GTG ATG GAT CTT AAG CAA GAT GGA AGC CAC 225 Lys Gly Pro Lys Tyr Val Met Asp Leu Lys Gln Asp Gly Ser His 45 50 55 AGC ACA GGT GAT GGG ATT CCT GAT CGC TTC TCA GGC TCC AGC TCT 270 Ser Thr Gly Asp Gly Ile Pro Asp Arg Phe Ser Gly Ser Ser Ser 60 65 70 GGG GCT GAG CGC TAC CTC ACC ATC TCC AGC CTC CAG TCT GAG GAT 315 Gly Ala Glu Arg Tyr Leu Thr Ile Ser Ser Leu Gln Ser Glu Asp 75 80 85 GAG GCT GAC TAT ATC TGT GGT GTG GGT GAT ACA ATT AAG GAA CAA 360 Glu Ala Asp Tyr Ile Cys Gly Val Gly Asp Thr Ile Lys Glu Gln 90 95 100 TTT GTG TAC GTG TTC GGC GGA GGG ACC AAA CTG ACC GTC CTA GGC 405 Phe Val Tyr Val Phe Gly Gly Gly Thr Lys Leu Thr Val Leu Gly 105 110 115 CAG CCC 411 Gln Pro
【0389】配列番号:74 配列の長さ:411 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA to mRNA 配列: ATG GCC TGG ACT CCT CTC TTC TTC TTC TTT GTT CTT CAT TGC TCA 45 Met Ala Trp Thr Pro Leu Phe Phe Phe Phe Val Leu His Cys Ser -15 -10 -5 GGT TCT TTC TCC CAG CTT GTG CTG ACT CAA TCG CCC TCT GCC TCT 90 Gly Ser Phe Ser Gln Leu Val Leu Thr Gln Ser Pro Ser Ala Ser 1 5 10 GCC TCC CTG GGA GCC TCG GTC AAG CTC ACC TGC ACC TTG AGT AGT 135 Ala Ser Leu Gly Ala Ser Val Lys Leu Thr Cys Thr Leu Ser Ser 15 20 25 CAG CAC AGT ACG TAC ACC ATT GAA TGG TAT CAG CAG CAG CCA GAG 180 Gln His Ser Thr Tyr Thr Ile Glu Trp Tyr Gln Gln Gln Pro Glu 30 35 40 AAG GGC CCT AGG TAC GTG ATG GAT CTT AAG CAA GAT GGA AGC CAC 225 Lys Gly Pro Arg Tyr Val Met Asp Leu Lys Gln Asp Gly Ser His 45 50 55 AGC ACA GGT GAT GGG ATT CCT GAT CGC TTC TCA GGC TCC AGC TCT 270 Ser Thr Gly Asp Gly Ile Pro Asp Arg Phe Ser Gly Ser Ser Ser 60 65 70 GGG GCT GAG CGC TAC CTC ACC ATC TCC AGC CTC CAG TCT GAG GAT 315 Gly Ala Glu Arg Tyr Leu Thr Ile Ser Ser Leu Gln Ser Glu Asp 75 80 85 GAG GCT GAC TAT ATC TGT GGT GTG GGT GAT ACA ATT AAG GAA CAA 360 Glu Ala Asp Tyr Ile Cys Gly Val Gly Asp Thr Ile Lys Glu Gln 90 95 100 TTT GTG TAC GTG TTC GGC GGA GGG ACC AAA CTG ACC GTC CTA GGC 405 Phe Val Tyr Val Phe Gly Gly Gly Thr Lys Leu Thr Val Leu Gly 105 110 115 CAG CCC 411 Gln Pro
【0390】配列番号:75 配列の長さ:34 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列: Ala Val Ser Glu His Gln Leu Leu His Asp Lys Gly Lys Ser Ile 1 5 10 15 Gln Asp Leu Arg Arg Arg Phe Phe Leu His His Leu Ile Ala Glu 20 25 30 Ile His Thr Ala
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の抗体の模式図である
【図2】CDR−グラフティングの概要を示す図であ
る。
【図3】V領域のFR及びCDRの評価を示す図であ
る。
【図4】抗体結合活性の測定結果を示す図である。
【図5】抗体結合活性の測定結果を示す図である。
【図6】抗体結合活性の測定結果を示す図である。
【図7】抗体結合活性の測定結果を示す図である。
【図8】抗体結合活性の測定結果を示す図である。
【図9】抗体結合活性の測定結果を示す図である。
【図10】抗体結合活性の測定結果を示す図である。
【図11】抗体結合活性の測定結果を示す図である。
【図12】ヒト型化抗体の中和活性を示す図である。
【図13】ヒト型化抗体の中和活性を示す図である。
【図14】ヒト型化抗体の中和活性を示す図である。
【図15】高カルシウム血症モデル動物に対する本発明
の抗体の効果を示す図である。
【図16】高カルシウム血症モデル動物に対する本発明
の抗体の効果を示す図である。
【図17】高カルシウム血症モデル動物に対する本発明
の抗体の効果を示す図である。
【図18】高カルシウム血症モデル動物に対する本発明
の抗体の効果を示す図である。
【図19】センサーチップへのPTHrP の固定化のセンサ
ーグラムを示す図である。
【図20】本発明の抗体の速度論的解析結果を示す図で
ある。
【図21】本発明の抗体の速度論的解析結果を示す図で
ある。
【図22】本発明の抗体の速度論的解析結果を示す図で
ある。
【図23】本発明の抗体の速度論的解析結果を示す図で
ある。
【図24】本発明の抗体の速度論的解析結果を示す図で
ある。
【図25】本発明のヒト型化抗体についてリン排泄率に
及ぼす影響を試験した結果を示す図である。
【図26】本発明のヒト型化抗体について血漿中リン濃
度濃度に及ぼす影響を試験した結果を示す図である。
【図27】高カルシウム血症マウスに抗PTHrP抗体
を投与した後の外見上の臨床諸症状を観察した結果を示
す写真である(生物の形態)。
【図28】高カルシウム血症マウスに抗PTHrP抗体
を投与した後の外見上の臨床諸症状を観察した結果を示
す写真である(生物の形態)。
【図29】高カルシウム血症モデルを用いて、抗PTH
rP抗体投与後の自発運動量の経日変化を、対照群(生
理食塩水投与)と比較した図である。
【図30】高カルシウム血症モデルを用いて、抗PTH
rP抗体投与後の体温の経日変化を、対照群(生理食塩
水投与)と比較した図である。
【図31】高カルシウム血症モデルを用いて、抗PTH
rP抗体投与後の血液pHの経日変化を、対照群(生理
食塩水投与)と比較した図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C07K 16/46 C12N 1/21 C12N 1/21 C12P 21/08 5/10 C12R 1:19 C12P 21/08 1:91 //(C12N 1/21 C12N 15/00 ZNAA C12R 1:19) 5/00 B (C12N 5/10 C12R 1:91) (C12P 21/08 C12R 1:91) (56)参考文献 特開 平4−228089(JP,A) 医学のあゆみ,Vol.167,No. 5(1993),p.457−462 Science,Vol.238 (1987),p.1568−1570 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07K 16/00 - 16/46 JICSTファイル(JOIS) BIOSIS/WPI(DIALOG)

Claims (23)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配列番号48〜51で表されるいずれかのア
    ミノ酸配列を含む、ヒト副甲状腺ホルモン関連ペプチド
    に対するヒト型化抗体のL鎖V領域を含むポリペプチ
    ド。
  2. 【請求項2】 配列番号52〜55で表されるいずれかのア
    ミノ酸配列を含む、ヒト副甲状腺ホルモン関連ペプチド
    に対するヒト型化抗体のL鎖V領域を含むポリペプチ
    ド。
  3. 【請求項3】 配列番号56で表されるアミノ酸配列を含
    む、ヒト副甲状腺ホルモン関連ペプチドに対するヒト型
    化抗体のH鎖V領域を含むポリペプチド。
  4. 【請求項4】 ヒト抗体のL鎖C領域を含むポリペプチ
    ド、及び請求項またはに記載のL鎖V領域を含むポ
    リペプチドを含む、ヒト副甲状腺ホルモン関連ペプチド
    に対するヒト型化抗体のL鎖。
  5. 【請求項5】 ヒト抗体のH鎖C領域を含むポリペプチ
    ド、及び請求項記載のH鎖V領域を含むポリペプチド
    を含む、ヒト副甲状腺ホルモン関連ペプチドに対するヒ
    ト型化抗体のH鎖。
  6. 【請求項6】 請求項記載のヒト型化抗体のL鎖、及
    び請求項記載のヒト型化抗体のH鎖を含む、ヒト副甲
    状腺ホルモン関連ペプチドに対するヒト型化抗体。
  7. 【請求項7】 L鎖のフレームワーク領域中のKabatの
    規定による第87番目のアミノ酸がドナー由来のものであ
    る、請求項記載のヒト型化抗体。
  8. 【請求項8】 L鎖のフレームワーク領域中のKabatの
    規定による第36番目、第45番目および/または第49番目
    のアミノ酸がドナー由来のものである、請求項または
    記載のヒト型化抗体。
  9. 【請求項9】 H鎖のフレームワーク領域のアミノ酸が
    ドナー抗体のアミノ酸残基で置換されていない、請求項
    のいずれか一項に記載のヒト型化抗体。
  10. 【請求項10】 請求項またはに記載のポリペプチ
    ドをコードする塩基配列を含むDNA。
  11. 【請求項11】 請求項記載のポリペプチドをコード
    する塩基配列を含むDNA。
  12. 【請求項12】 請求項記載のヒト型化抗体のL鎖を
    コードするDNA。
  13. 【請求項13】 請求項記載のヒト型化抗体のH鎖を
    コードするDNA。
  14. 【請求項14】 請求項のいずれか1項に記載の
    ヒト型化抗体をコードするDNA。
  15. 【請求項15】 請求項1014のいずれか1項に記
    載のDNAを含む組換えベクター。
  16. 【請求項16】 請求項15記載の組換えベクターによ
    り形質転換された形質転換体。
  17. 【請求項17】 請求項12記載のDNAを含む発現ベ
    クター、及び請求項13記載のDNAを含む発現ベクタ
    ーにより形質転換された形質転換体を培養し、得られる
    培養物からヒト副甲状腺関連ペプチドに対するヒト型化
    抗体を採取することを特徴とするヒト副甲状腺関連ペプ
    チドに対するヒト型化抗体の製造方法。
  18. 【請求項18】 請求項のいずれか1項に記載の
    ヒト副甲状腺ホルモン関連ペプチドに対するヒト型化抗
    体を有効成分として含む高カルシウム血症抑制剤。
  19. 【請求項19】 請求項のいずれか1項に記載の
    ヒト副甲状腺ホルモン関連ペプチドに対するヒト型化抗
    体を有効成分として含む、悪性腫瘍に伴う高カルシウム
    血症抑制剤。
  20. 【請求項20】 悪性腫瘍が、膵臓癌、肺癌、咽頭癌、
    喉頭癌、舌癌、歯肉癌、食道癌、胃癌、胆管癌、乳癌、
    腎癌、膀胱癌、子宮癌、前立腺癌及び悪性リンパ腫から
    なる群から選ばれる少なくとも一つである請求項19
    載の高カルシウム血症抑制剤。
  21. 【請求項21】 請求項のいずれか1項に記載の
    ヒト副甲状腺ホルモン関連ペプチドに対するヒト型化抗
    体を有効成分として含む低リン血症改善剤。
  22. 【請求項22】 低リン血症が低リン血性くる病である
    請求項21記載の低リン血症改善剤。
  23. 【請求項23】 低リン血症が低リン血性ビタミンD抵
    抗性くる病である請求項21記載の低リン血症改善剤。
JP25873997A 1996-09-26 1997-09-24 ヒト副甲状腺ホルモン関連ペプチドに対する抗体 Expired - Fee Related JP3416035B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25873997A JP3416035B2 (ja) 1996-09-26 1997-09-24 ヒト副甲状腺ホルモン関連ペプチドに対する抗体

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25519696 1996-09-26
JP8-255196 1996-09-26
JP21416897 1997-07-24
JP9-214168 1997-07-24
JP25873997A JP3416035B2 (ja) 1996-09-26 1997-09-24 ヒト副甲状腺ホルモン関連ペプチドに対する抗体

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002270738A Division JP4078164B2 (ja) 1996-09-26 2002-09-17 ヒト副甲状腺ホルモン関連ペプチドに対する抗体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH1192500A JPH1192500A (ja) 1999-04-06
JP3416035B2 true JP3416035B2 (ja) 2003-06-16

Family

ID=27329587

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP25873997A Expired - Fee Related JP3416035B2 (ja) 1996-09-26 1997-09-24 ヒト副甲状腺ホルモン関連ペプチドに対する抗体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3416035B2 (ja)

Families Citing this family (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7531643B2 (en) 1997-09-11 2009-05-12 Chugai Seiyaku Kabushiki Kaisha Monoclonal antibody inducing apoptosis
US7696325B2 (en) 1999-03-10 2010-04-13 Chugai Seiyaku Kabushiki Kaisha Polypeptide inducing apoptosis
DE60133479T2 (de) 2000-10-20 2009-04-16 Chugai Seiyaku K.K. Modifizierter tpo-agonisten antikörper
WO2002072615A1 (fr) * 2001-03-09 2002-09-19 Chugai Seiyaku Kabushiki Kaisha Methode de purification de proteines
JP2004279086A (ja) 2003-03-13 2004-10-07 Konica Minolta Holdings Inc 放射線画像変換パネル及び放射線画像変換パネルの製造方法
AU2004287722A1 (en) * 2003-11-11 2005-05-19 Chugai Seiyaku Kabushiki Kaisha Humanized anti-CD47 antibody
TW200530269A (en) 2003-12-12 2005-09-16 Chugai Pharmaceutical Co Ltd Anti-Mpl antibodies
WO2006106903A1 (ja) 2005-03-31 2006-10-12 Chugai Seiyaku Kabushiki Kaisha sc(Fv)2構造異性体
CA2610987C (en) 2005-06-10 2013-09-10 Chugai Seiyaku Kabushiki Kaisha Stabilizer for protein preparation comprising meglumine and use thereof
JP5085322B2 (ja) 2005-06-10 2012-11-28 中外製薬株式会社 sc(Fv)2を含有する医薬組成物

Non-Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
Science,Vol.238(1987),p.1568−1570
医学のあゆみ,Vol.167,No.5(1993),p.457−462

Also Published As

Publication number Publication date
JPH1192500A (ja) 1999-04-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100847441B1 (ko) 인간의 부갑상선 호르몬 관련 펩티드에 대한 항체
JP4516711B2 (ja) 安定な抗体組成物及び注射製剤
JP3176598B2 (ja) ヒトインターロイキン−6受容体に対するキメラ抗体
KR100508338B1 (ko) 악액질 치료제
KR20010042435A (ko) 인간조직인자(티에프)에 대한 인간형화항체 및인간형화항체의 제조방법
EP2502996B1 (en) Anti-FGF23 antibody and pharmaceutical composition comprising the same
KR20210142638A (ko) Cd3 항원 결합 단편 및 이의 응용
JP3416035B2 (ja) ヒト副甲状腺ホルモン関連ペプチドに対する抗体
KR20010083069A (ko) 고칼슘혈증치료제
JP4372240B2 (ja) 悪液質治療剤
EP1422243B1 (en) Humanized antibody against fibroblast growth factor-8 and fragment of the antibody
KR100571060B1 (ko) 인간의 부갑상선 호르몬 관련 펩티드에 대한 항체
JP4078164B2 (ja) ヒト副甲状腺ホルモン関連ペプチドに対する抗体
WO2002013865A1 (fr) Agents destines a soulager les symptomes provoques par des maladies articulaires
AU3824702A (en) Antibody against human parathormone related peptides
WO2001002010A1 (fr) Agents destines a ameliorer un taux faible en vasopressine
WO2001064249A1 (en) Tissue decomposition inhibitor
KR20020040743A (ko) 약제저항성 고칼슘 혈증 치료제
JP2005320353A (ja) 高カルシウム血症クリーゼ治療剤
JP2006306895A (ja) 悪液質治療剤
WO2001054725A1 (fr) Remèdes et agents prophylactiques pour maladies dentaires
PL190351B1 (pl) Chimeryczny łańcuch L, chimeryczny łańcuch H, chimeryczne przeciwciało monoklonalne, polipeptyd, łańcuch L humanizowanego przeciwciała, łańcuch H humanizowanego przeciwciała, humanizowane przeciwciało, DNA, rekombinowany wektor, komórka gospodarza, sposób wytwarzania przeciwciała chimerycznego, sposób wytwarzania przeciwciała humanizowanego, kompozycja farmaceutyczna, czynnik

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090404

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090404

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100404

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100404

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100404

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110404

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110404

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120404

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120404

Year of fee payment: 9

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees